JP3074277B2 - 多分岐重合体及びその製造方法 - Google Patents

多分岐重合体及びその製造方法

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JP3074277B2
JP3074277B2 JP07220895A JP22089595A JP3074277B2 JP 3074277 B2 JP3074277 B2 JP 3074277B2 JP 07220895 A JP07220895 A JP 07220895A JP 22089595 A JP22089595 A JP 22089595A JP 3074277 B2 JP3074277 B2 JP 3074277B2
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benzene
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多分岐重合体及び
その製造方法に関し、特に可溶性の重合体及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】π共役系を骨格とする高分子重合体に、
電子受容性あるいは電子供与性の試薬をドーピングする
ことで導電性が現れることが知られている。導電性高分
子と呼ばれるこのような重合体は、電池、半導体素子、
発光素子等に使用される導電材料として注目されてい
る。しかし、このような高分子重合体は、不溶、不融の
性質を持つことから加工性に劣り、実際の素子への適用
が困難である。例えば、チオフェン環あるいはベンゼン
環のπ共役骨格を利用した直鎖状高分子重合体は、有機
溶媒にほとんど溶けない。
【0003】アルキル基等の置換基を導入することによ
って溶解性が向上することが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来方法によって、直
鎖状の共役鎖を持った導電性高分子の有機溶媒に対する
溶解性を向上させるためには、アルキル基等の置換基を
導入する必要がある。しかし、導電性に関与しない置換
基を導入することにより、分子構造が規制を受ける。
【0005】本発明の目的は、置換基を導入することな
く溶解性の高い重合体を得る技術を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点による
と、一般式
【0007】
【化5】
【0008】で表される繰り返し単位からなる重合体が
提供される。この重合体は、テトラヒドロフランに溶け
る。重合体をテトラヒドロフランに溶解させた溶液をガ
ラス基板に塗布して乾燥させることにより、高分子フィ
ルムを作製することができる。
【0009】本発明の他の観点によると、一般式
【0010】
【化6】
【0011】で表される繰り返し単位からなる重合体
に、電子受容性試薬をドーピングして導電性を付与した
導電性重合体が提供される。本発明の他の観点による
と、一般式
【0012】
【化7】
【0013】で表される化合物をグリニャール反応によ
って重合させる工程を含む重合体の製造方法が提供され
る。この方法で得られた重合体は、高度な枝分かれと3
次元的な広がりを持つ。また、テトラヒドロフランに対
して可溶性である。
【0014】
【発明の実施の形態】図1〜図3を参照して、本発明の
第1の実施例を説明する。まず、重合体の原料となる
1,3,5−トリス(p−ブロモフェニル)ベンゼンの
製造方法を説明する。なお、以下に説明する製造方法
は、ヤング H.キムとリチャード ベッケルバウア
(マクロモレキュルズ(Macromolecules)1994,
,1968−1971)による合成方法に従ってい
る。
【0015】14.40g(72.3mmol)のp−
ブロモアセトフェノンに70mlのトルエンを加えて溶
解した。触媒として0.1mlのトリフルオロメタンス
ルホン酸を添加し、反応容器中で還流させながら反応さ
せた。反応中に生成した水は、ディーンスターク型水ト
ラップで除去した。17時間還流させた後、反応液を室
温まで冷却すると、オレンジ色の沈殿が生じた。
【0016】さらに濃縮して沈澱を濾別し、トルエンで
洗浄後、55℃で3時間真空乾燥した。重さ8.87g
(収率66.3%)の黄色の針状結晶が得られた。針状
結晶の融点は265〜268℃(文献値259〜261
℃)であった。
【0017】図1は、得られた針状結晶の紫外可視吸収
スペクトルを示す。横軸は波長を単位nmで表し、縦軸
はモル吸光係数を単位mM-1cm-1で表す。波長263
nmのところにπ−π* 遷移による吸収が認められる。
このときのモル吸光係数は78mM-1cm-1であった。
【0018】図2は、得られた針状結晶の赤外吸収スペ
クトルを示す。横軸は波数を単位cm-1で表し、縦軸は
透過率を単位%で表す。波数810cm-1、888cm
-1、1008cm-1、及び1490cm-1のところに特
徴的な吸収ピークが現れている。波数810cm-1の吸
収ピークは、1,4−置換ベンゼンのC−H面外変角振
動に対応し、波数888cm-1の吸収ピークは、1,
3,5−置換ベンゼンのC−H面外変角振動に対応し、
波数1008cm-1の吸収ピークは、1,4−置換ベン
ゼンのC−H面内変角振動に対応し、波数1490cm
-1の吸収ピークは、ベンゼン環のC=C伸縮振動に対応
している。また、原料に特徴的であった波数1674c
-1のカルボニルの伸縮振動に対応するピークは見られ
ない。
【0019】図1及び図2は、生成された針状結晶が
1,3,5−トリス(p−ブロモフェニル)ベンゼンで
あることを支持している。1,3,5−トリス(p−ブ
ロモフェニル)ベンゼンの構造式を以下に示す。
【0020】
【化8】
【0021】次に、上記方法で生成した1,3,5−ト
リス(p−ブロモフェニル)ベンゼンを重合させて重合
体を生成する方法を説明する。なお、下記の反応は、試
薬が酸素あるいは水分と反応することを防止するため
に、アルゴンガス雰囲気中で行った。
【0022】上記方法で得られた1,3,5−トリス
(p−ブロモフェニル)ベンゼンから熱メタノールに可
溶な樹脂状成分を除去した後、4.8gに対して80m
lのトルエンを加えて90℃で不溶物を濾別し再結晶し
て精製した。0.215g(0.4mmol)の1,
3,5−トリス(p−ブロモフェニル)ベンゼンを2.
5mlのテトラヒドロフラン(THF)に溶解した。T
HFは、水素化カルシウムを加えて蒸留したものであ
る。
【0023】溶液を−78℃まで冷却し攪拌しながら
1.6mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液
0.25ml(0.4mmol)をシリンジで滴下し
た。滴下当初は白色の沈澱が生ずるが、攪拌を続けると
溶解し黄色の透明な溶液になった。
【0024】この反応液に、0.5mlのエーテルに溶
解した0.137g(0.5mmol)のマグネシウム
ブロマイドエーテラートを滴下した。なお、エーテル
は、塩化カルシウムで一晩予備乾燥し、水酸化カルシウ
ムを加えて蒸留したものである。マグネシウムブロマイ
ドエーテラートを滴下すると、白色沈澱が生じたが、反
応液を室温に戻すに従って溶解し黄褐色の透明な溶液に
なった。マグネシウムブロマイドエーテラートの滴下に
より、1,3,5−トリス(p−ブロモフェニル)ベン
ゼンの3つのハロゲン基のうち1つがマグネシウムハラ
イド化される。
【0025】この溶液を、10mlのTHFに溶解した
18.3mg(0.07mmol)のニッケルアセチル
アセトネート溶液に滴下して還流し、グリニャール反応
により重合を行った。反応液は、還流を開始して間もな
く透明な青色を呈した。19時間後、0.05mlの水
を加えて反応を停止した。
【0026】溶媒を留去し、残った粘性の生成物を50
℃のアセトン70mlで洗浄して未反応成分を除去し
た。さらに、50℃のアセトン20mlと1N塩酸10
mlで2回、水10mlで2回、メタノール10mlで
3回洗浄し、80℃で30分間乾燥して白色粉末状の目
的生成物を得た。収量は33.1mg(収率21.9
%)、融点は315〜355℃であった。
【0027】図3は、この目的生成物の赤外吸収スペク
トルを示す。812cm-1の吸収ピークは、1,4−置
換ベンゼンのC−H面外変角振動に対応し、885cm
-1の吸収ピークは、1,3,5−置換ベンゼンのC−H
面外変角振動に対応し、1005cm-1および1073
cm-1の吸収ピークは、ベンゼンのC−H面内変角振動
に対応する。
【0028】1436cm-1、1490cm-1、及び1
594cm-1の吸収ピークは、ベンゼンのC=C伸縮振
動に対応している。図3は、生成物が(C2415n
n+2 であることを支持している。生成物の元素分析を
行ったところ、C:70.54,H:3.71,Br:
26.63であった。このことから、上記一般式のnの
平均は6であると考えられる。生成物の平均的な重合度
は6であるが、実際のポリマーは種々の重合度を持った
生成物の混合物である。得られたポリマーは、主として
重合度5〜10の生成物の混合物と考えられる。
【0029】この生成物(C24156 Br8 は、TH
Fに対して可溶性であった。THF1mlに対して10
mgの生成物を溶解した重合体を、30〜40℃に保持
したガラス基板上に塗布して自然乾燥させたところ、厚
さ10μmの無色透明のフィルムを得ることができた。
【0030】この重合体フィルムと五フッ化アンチモン
とを排気した容器の中に入れ、ドーピングを行った。ド
ーピング時間の経過とともに重合体フィルムの導電率が
増加し、91時間後の導電率が1.03×10-4S/c
mになった。このように、可溶性重合体を用いて高分子
フィルムを作製し、この高分子フィルムに電子受容性試
薬をドーピングすることによって導電性高分子フィルム
を作製することができた。
【0031】次に、図4〜8を参照して、本発明の第2
の実施例を説明する。まず、重合体の原料となる1,
3,5−トリス(5’−ブロモ−2’−チエニル)ベン
ゼンの製造方法を説明する。
【0032】14.84g(72.4mmol)の2−
アセチル−5−ブロモチオフェンに70mlのトルエン
を加え、40℃に加熱して溶解した。次に、0.1ml
のトリフルオロメタンスルホン酸を添加し、24時間還
流させながら反応させた。反応によって生成した水はト
ラップを用いて除去した。得られた褐色の反応液から溶
媒を留去した後、ジクロロメタンを加えて可溶成分を抽
出した。さらに、展開溶媒としてシクロヘキサンを用い
たシリカゲル担体のカラムクロマトグラフィで成分分離
を行い、ヘキサンで再結晶を行って1,3,5−トリス
(5’−ブロモ−2’−チエニル)ベンゼンを得た。
【0033】収量は1.12g(収率8.3%)であっ
た。得られた1,3,5−トリス(5’−ブロモ−2’
−チエニル)ベンゼンは白色針状結晶であり、その融点
は186〜189℃であった。
【0034】図4は、得られた白色針状結晶の紫外可視
吸収スペクトルを示す。横軸は波長を単位nmで表し、
縦軸はモル吸光係数を単位mM-1cm-1で表す。波長3
05nmの位置にπ−π* 遷移による吸収が認められ
る。このときのモル吸光係数は62mM-1cm-1であっ
た。
【0035】図5は、得られた白色針状結晶の赤外吸収
スペクトルを示す。横軸は波数を単位cm-1で表し、縦
軸は透過率を単位%で表す。波数786cm-1、855
cm -1、1449cm-1、及び1591cm-1のところ
に特徴的な吸収ピークが現れている。波数786cm-1
の吸収ピークは、2,5−ジ置換チオフェンのC−H面
外変角振動に対応し、波数855cm-1の吸収ピーク
は、1,3,5−トリ置換ベンゼンのC−H面外変角振
動に対応し、波数1449cm-1及び1591cm-1
吸収ピークは、それぞれベンゼン環及びチオフェン環の
C=C伸縮振動に対応している。図5からベンゼン環の
生成を確認できる。
【0036】図6は、白色針状結晶のNMR(核磁気共
鳴)スペクトルを示す。横軸は基準周波数に対する共鳴
周波数のずれを単位ppmで表す。図6の分析結果は、
以下の通りである。すなわち、 δ7.07(d,J(3−4)3.8Hz,3H,H3'
orH4') δ7.12(d,3H,H4'orH3') δ7.51(s,3H,H2 andH4 andH6 ) となる。ここで、δは化学シフト、次の数字は共鳴周波
数のずれの周波数(ppm)、dはダブレット、sはシ
ングレット、Jはカップリング定数、次の数字はダブレ
ット間の周波数差、Hは水素原子、Hの肩の数字は結合
位置を示す。なお、7.25ppmのピークは、溶媒に
用いたCDCl3 の中に混入していた重水素化されてい
ないCHCl3 によるものと考えられる。
【0037】図7は、NMRスペクトルに対応する水素
原子の位置を示す構造式である。H n はベンゼン環のn
位の位置に結合した水素原子、Hn'はチオフェンのn位
の位置に結合した水素原子を表す。
【0038】また、この白色針状結晶の元素分析結果
は、C:38.58、H:1.67、S:10.04、
Br:41.94であった。これは、1,3,5−トリ
ス(5’−ブロモ−2’−チエニル)ベンゼン(C18
9 3 Br3 )の計算値にほぼ一致している。1,3,
5−トリス(5’−ブロモ−2’−チエニル)ベンゼン
の構造式を以下に示す。
【0039】
【化9】
【0040】次に、上記方法で生成した1,3,5−ト
リス(5’−ブロモ−2’−チエニル)ベンゼンを重合
させて重合体を生成する方法を説明する。なお、下記の
反応は、試薬が酸素あるいは水分と反応することを防止
するために、アルゴンガス雰囲気中で行った。
【0041】0.223g(0.4mmol)の1,
3,5−トリス(5’−ブロモ−2’−チエニル)ベン
ゼンを2.5mlのTHFに溶解した。THFは、水素
化カルシウムを加えて蒸留したものである。
【0042】溶液を−78℃まで冷却し攪拌しながら
1.6mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液
0.25ml(0.4mmol)をシリンジで滴下し
た。10分間攪拌した後、0.5mlのエーテルに溶解
した0.138g(0.5mmol)のマグネシウムブ
ロマイドエーテラートを滴下し、攪拌しながら室温に戻
した。なお、エーテルは、塩化カルシウムで一晩予備乾
燥し、水酸化カルシウムを加えて蒸留したものである。
マグネシウムブロマイドエーテラートを滴下すると、白
色沈澱が生じたが、反応液を室温に戻すに従って溶解し
褐色の透明な溶液になった。これにより、1,3,5−
トリス(5’−ブロモ−2’−チエニル)ベンゼンの3
つのハロゲン基のうち1つがマグネシウムハライド化さ
れる。
【0043】この溶液を、10mlのTHFに溶解した
16.4mg(0.06mmol)のニッケルアセチル
アセトネート溶液に滴下し、還流させて重合を行った。
23時間後、反応液を室温に戻し、0.05mlの水を
加えて反応を停止させた。
【0044】ロータリエバポレータを用いて溶媒を留去
し、残った粘性の生成物を50℃のアセトン80mlで
洗浄して未反応モノマーを除去した。さらに、50℃の
アセトン20mlと1N塩酸10mlで2回、水10m
lで2回、メタノール10mlで2回洗浄し、50℃で
1時間真空乾燥して褐色粉末状の目的生成物を得た。収
量は69.9mg(収率43.8%)、融点は230〜
300℃であり、不融成分を含んでいた。
【0045】図8は、この目的生成物の赤外吸収スペク
トルを示す。790cm-1の吸収ピークは、2,5−置
換チオフェンのC−H面外変角振動に対応し、854c
-1の吸収ピークは、1,3,5−置換のベンゼンのC
−H面外変角振動に対応する。
【0046】1447cm-1及び1588cm-1の吸収
ピークは、チオフェン環、あるいはベンゼン環のC=C
伸縮振動に対応している。図8は、生成物が(C189
3 n Brn+2 であることを支持している。生成物の
元素分析を行ったところ、C:50.48,H:2.3
5,S:22.40,Br:25.17であった。この
ことから、上記一般式のnは6であると考えられる。生
成物の平均的な重合度は6であるが、実際のポリマーは
種々の重合度を持った生成物の混合物である。得られた
ポリマーは、主として重合度5〜10の生成物の混合物
と考えられる。
【0047】この生成物(C189 3 6 Br8 は、
THFに対して可溶性であった。上記第2の実施例にお
いては、重合温度をTHFの沸点、すなわち65〜67
℃としたが、重合温度を45〜55℃として重合を行っ
たところ、46.1mg(収率14.3%)の褐色の粉
末を得ることができた。この褐色粉末の融点は162〜
320℃であった。
【0048】図9は、重合温度を45〜55℃として得
られた褐色粉末の赤外吸収スペクトルを示す。791c
-1の吸収ピークは、2,5−置換チオフェンのC−H
面外変角振動に対応し、858cm-1の吸収ピークは、
1,3,5−置換のベンゼンのC−H面外変角振動に対
応する。
【0049】1448cm-1及び1588cm-1の吸収
ピークは、チオフェン環、あるいはベンゼン環のC=C
伸縮振動に対応している。この方法で生成された褐色粉
末の重合体は、上記第2の実施例において重合温度65
〜67℃として生成された重合体よりもTHFに対する
溶解性が高かった。THF1mlに対して10mgの重
合体を溶解した重合体溶液を、30〜40℃に保持した
ガラス基板上に塗布して自然乾燥させたところ、厚さ8
μmの褐色透明のフィルムを得ることができた。
【0050】この重合体フィルムと五フッ化アンチモン
を排気した容器の中に入れ、ドーピングを行った。ドー
ピング時間の経過とともに重合体フィルムの導電率が増
加し、500時間後の導電率が1.28×10-4S/c
mになった。このように、可溶性重合体を用いて高分子
フィルムを作製し、この高分子フィルムに電子受容性試
薬をドーピングすることによって導電性高分子フィルム
を作製することができた。
【0051】上記実施例では、導電性高分子膜形成のた
めの電子受容性試薬として五フッ化アンチモンを用いた
が、その他の試薬を用いてもよい。例えば、PF5 、A
sF 5 、BF3 、BCl3 、BBr3 、SO3 等のルイ
ス酸を用いてもよい。また、電子供与性試薬を用いても
よい。
【0052】また、上記実施例では、高分子フィルムを
作製した後に電子受容性試薬を添加して導電性を付与す
る場合を説明したが、重合体溶液に試薬を添加し、この
溶液をガラス基板に塗布して導電性フィルムを作製して
もよい。
【0053】また、上記実施例では、重合体原料となる
モノマーの3本の腕の先端に臭素が結合している場合を
説明したが、臭素に限らず他のハロゲン元素が結合して
いるモノマーを用いてもよい。
【0054】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
置換基を導入することなく溶媒に溶ける高いπ共役系重
合体を得ることができる。この重合体溶液を基板上に塗
布、乾燥することにより、簡便な方法で重合体フィルム
を作製することができる。また、フィルムにドーピング
を行うことにより、導電性を有する重合体フィルムを作
製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例で得られた1,3,5−トリス
(p−ブロモフェニル)ベンゼンの紫外可視吸収スペク
トルを示すグラフである。
【図2】第1の実施例で得られた1,3,5−トリス
(p−ブロモフェニル)ベンゼンの赤外吸収スペクトル
を示すグラフである。
【図3】第1の実施例で得られた1,3,5−トリス
(p−ブロモフェニル)ベンゼン重合体の紫外可視吸収
スペクトルを示すグラフである。
【図4】第2の実施例で得られた1,3,5−トリス
(5’−ブロモ−2’−チエニル)ベンゼンの紫外可視
吸収スペクトルを示すグラフである。
【図5】第2の実施例で得られた1,3,5−トリス
(5’−ブロモ−2’−チエニル)ベンゼンの赤外吸収
スペクトルを示すグラフである。
【図6】第2の実施例で得られた1,3,5−トリス
(5’−ブロモ−2’−チエニル)ベンゼンのNMRス
ペクトルを示すグラフである。
【図7】NMRスペクトルに対応する水素原子の位置を
説明するための1,3,5−トリス(5’−ブロモ−
2’−チエニル)ベンゼンの構造図である。
【図8】第2の実施例で得られた1,3,5−トリス
(5’−ブロモ−2’−チエニル)ベンゼン重合体の赤
外吸収スペクトルを示すグラフである。
【図9】第2の実施例の変形例で得られた1,3,5−
トリス(5’−ブロモ−2’−チエニル)ベンゼンの赤
外吸収スペクトルを示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 E.Robourt,B.Pepin −Donat,E.Dinh,”Rou tes towards Three− dimensional Fully Conjugated Condact ing Polymers:1”POL YMER 1995,36(2),399−412 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 61/00 - 61/12

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 で表される繰り返し単位からなり、枝分かれして3次元
    的な広がりを持つ分子構造を有し、テトラヒドロフラン
    に可溶性の重合体。
  2. 【請求項2】 前記繰り返し単位の数が5〜10である
    請求項1に記載の重合体。
  3. 【請求項3】 一般式 【化2】 で表される繰り返し単位からなる重合体に、電子受容性
    試薬をドーピングして導電性を付与した導電性重合体。
  4. 【請求項4】 前記繰り返し単位の数が5〜10である
    請求項3に記載の導電性重合体。
  5. 【請求項5】 前記電子受容性試薬が、ルイス酸である
    請求項3または4に記載の導電性重合体。
  6. 【請求項6】 一般式 【化3】 で表される化合物からグリニャール試薬を生成する工程
    と、 前記グリニャール試薬をグリニャール反応によって重合
    させる工程とを含む重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記グリニャール試薬が、一般式 【化4】 で表される請求項6に記載の重合体の製造方法。
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