JP3074231B2 - オーディオ機器のagc回路 - Google Patents

オーディオ機器のagc回路

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JP3074231B2
JP3074231B2 JP12617593A JP12617593A JP3074231B2 JP 3074231 B2 JP3074231 B2 JP 3074231B2 JP 12617593 A JP12617593 A JP 12617593A JP 12617593 A JP12617593 A JP 12617593A JP 3074231 B2 JP3074231 B2 JP 3074231B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーディオ機器のAG
C(自動利得制御)回路に係わり、特に、オーディオ信
号のAGCを行う際に、オーディオ信号の瞬時の大幅な
変動に伴うAGC回路の制御応答の不適性よる弊害を除
去するようにしたオーディオ機器のAGC回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、オーディオ機器のAGC回路に
は、図5に示すような回路構成のものが用いられてい
た。
【0003】図5において、50はオーディオ信号レベ
ル制御手段としての電子ボリュームIC、51はオーデ
ィオ信号入力端子、52はオーディオ信号出力端子、5
3は両波整流回路、54は電圧調整器、55はオペアン
プ、56はダイオード、57は抵抗、58は電荷放電用
コンデンサであり、ダイオード56、抵抗57、コンデ
ンサ58は、ファーストアタック、スローリカバリ回路
を構成している。
【0004】前記構成において、オーディオ信号入力端
子51に供給されたオーディオ信号は、電子電圧調整器
IC50において所要利得で増幅された後、オーディオ
信号出力端子52からオーディオ出力信号として取り出
される。このとき、オーディオ出力信号の一部は、両波
整流回路53で整流されて脈流電圧に変換された後、電
圧調整器54でそのレベルが調整され、オペアンプ55
の反転入力端子に供給される。次いで、脈流電圧は、オ
ペアンプ55で反転増幅され、さらに、ファーストアタ
ック、スローリカバリ回路56乃至58で平滑されてA
GC電圧に変換され、電子ボリュームIC50の利得制
御端子に供給される。
【0005】ここで、図6は、電子ボリュームIC50
に供給されるAGC電圧と電子ボリュームIC50にお
けるオーディオ信号の減衰量との関係の一例を示す特性
図である。
【0006】電子ボリュームIC50に入力されるオー
ディオ信号のレベルが大きいときには、オペアンプ55
の反転増幅作用により、電子ボリュームIC50に供給
されるAGC電圧が小さくなり、その結果、図6に示す
ように、電子ボリュームIC50の減衰量が増大する。
逆に、電子ボリュームIC50に入力されるオーディオ
信号のレベルが小さいときには、電子ボリュームIC5
0に供給されるAGC電圧が大きくなり、その結果、電
子ボリュームIC50の減衰量が減少する。
【0007】従って、オーディオ信号入力端子51に入
力されるオーディオ信号のレベルがかなり大幅に変動し
ても、オーディオ信号出力端子52から出力されるオー
ディオ信号のレベル変動は、所要の範囲内に抑えられる
ものである。
【0008】ところで、この既知のAGC回路において
は、オーディオ信号出力端子52に得られるオーディオ
出力信号を再生音として聴取する際に、その再生音が不
自然にならないようにするため、通常、前記ファースト
アタック、スローリカバリ回路56乃至58では、入力
されるオーディオ信号の振幅が急激に増大したとき、出
力されるオーディオ信号の振幅が一定化されるまでの時
間(アタックタイム)taが小さく、かつ、入力される
オーディオ信号の振幅が急激に減少したとき、出力され
るオーディオ信号の振幅が一定化されるまでの時間(デ
ィケータイム)tdが大きくなるように、その特性の設
定を行っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図7は、この既知のA
GC回路における各部の信号波形及び電圧状態の変化の
一例を示すものであって、(a)は電子ボリュームIC
50に入力されるオーディオ信号、(b)は電子ボリュ
ームIC50の利得制御端子に供給されるAGC電圧、
(c)及び(d)はそれぞれ電子ボリュームIC50か
ら出力されるオーディオ信号である。
【0010】いま、電子ボリュームIC50に、図7
(a)に示すようなオーディオ信号が入力され、その振
幅が時刻t1 において急激に大きくなった場合に、アタ
ックタイムtaとして、比較的小さなアタックタイムt
1 が設定されていたとすれば、AGC電圧の変化は、
図7(b)に実線で示すようにオーバーシュートが生じ
る。このため、電子ボリュームIC50から出力される
オーディオ信号は、図7(c)に示すように、一時的に
振幅がゼロになり、いわば無音状態が生じるという問題
がある。一方、前記アタックタイムtaとしてやや大き
いアタックタイムta2 が設定されていたとすれば、A
GC電圧の変化は、図7(b)に破線で示すようにゆる
やかになる。このため、無音状態の発生を避けることは
できるものの、今度は、図7(d)に示すように、オー
ディオ信号の振幅の増大に対するAGC電圧の追従性が
悪くなり、電子ボリュームIC50から出力されるオー
ディオ信号の振幅が一定化されるまでに比較的長い時間
を要し、オーディオ信号の振幅の増大によってボツ音が
生じるという新たな問題がある。
【0011】本発明は、前述の各問題点を除去するもの
であって、その目的は、入力信号振幅の種々の変化に対
して、無音状態やボツ音を発生させることなく、迅速に
AGC応答させることが可能なオーディオ機器のAGC
回路を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、第1のAGC帰還ループが結合された第
1のオーディオ信号レベル制御手段を備え、遅いAGC
制御応答特性を有する第1のAGC回路と、第2のAG
C帰還ループが結合された第2のオーディオ信号レベル
制御手段を備え、速いAGC制御応答特性を有する第2
のAGC回路とからなり、オーディオ信号路に前記第1
のAGC回路が前段に、前記第2のAGC回路が後段に
なるように縦続接続され、前記第2のAGC回路におけ
る飽和時のAGC信号出力レベルが前記第1のAGC回
路における飽和時のAGC信号出力レベルよりも高くな
るように設定されている手段を備える。
【0013】また、前記目的を達成するために、本発明
による前記手段は、前記第1のAGC帰還ループが、第
1及び第2の入力端子と出力端子を備える第1のオペア
ンプと、前記第1の入力端子に直列接続された第1の入
力抵抗と、前記第1の入力端子と出力端子との間に接続
された第1のコンデンサと、前記第2の入力端子と接地
間に接続された第1のバイアス電源とを含み、前記第2
のAGC帰還ループが、第1及び第2の入力端子と出力
端子を備える第2のオペアンプと、前記第1の入力端子
に直列接続された第2の入力抵抗と、前記第1の入力端
子と出力端子との間に並列接続された第2のコンデンサ
及びダイオードと、前記第2の入力端子と接地間に接続
された第2のバイアス電源とを含んでいる。
【0014】
【作用】前記手段によれば、遅いAGC制御応答特性の
第1のAGC回路は、第1のAGC帰還ループが大きな
アタックタイムを有し、速いAGC制御応答特性の第2
のAGC回路は、第2のAGC帰還ループが小さなアタ
ックタイムを有している。そこで、第1のAGC回路
は、振幅が急激に増大するオーディオ信号が入力される
と、オーディオ信号の振幅の変化を緩やかに吸収し、そ
の出力には、振幅が一時的に増大した後に漸次減衰する
オーディオ中間出力信号が得られる。次に、第2のAG
C回路は、オーディオ中間出力信号が入力されると、オ
ーディオ中間出力信号の振幅の増大した部分だけを急速
に吸収し、その出力には、振幅が一時的にやや増大した
後、短い時間内に略一定化されたオーディオ出力信号が
得られるものである。
【0015】このように、前記手段によれば、それぞれ
AGC制御応答特性を異にする2つのAGC回路を順次
用い、オーディオ信号のAGCを行うようにしているの
で、振幅が急激に増大するようなオーディオ信号が入力
されたとしても、AGC電圧のオーバーシュートによる
無音状態やAGC追従性の遅れに伴うボツ音を発生する
ことなく、比較的短い時間内に振幅が略一定化されるオ
ーディオ信号を得ることができ、しかも、AGCのダイ
ナミックレンジも従来のこの種のAGC回路に比べて大
幅に拡大させることができる。
【0016】また、前記手段によれば、振幅が急激に増
大または減少するオーディオ信号が入力された際に、当
初、やや大きいまたはやや小さい振幅のオーディオ信号
が出力され、それに続いて所定振幅のオーディオ信号が
出力されるようになるので、入力されたオーディオ信号
の振幅の急激な変化部分を、再生音の聴取時に明白に識
別することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。
【0018】図1は、本発明に係わるオーディオ機器の
AGC回路の一実施例を示す回路構成図である。
【0019】図1において、1は遅いAGC制御応答特
性のAGC回路(以下、これを低速応答AGC回路とい
う)、2は速いAGC制御応答特性のAGC回路(以
下、これを高速応答AGC回路という)、3はオーディ
オ信号入力端子、4はオーディオ信号出力端子である。
【0020】そして、低速応答AGC回路1は、入力が
オーディオ信号入力端子3に、出力が高速応答AGC回
路2の入力にそれぞれ接続され、高速応答AGC回路2
は、出力がオーディオ信号出力端子4に接続されてい
る。低速応答AGC回路1は、第1の電子ボリュームI
C(第1のオーディオ信号レベル制御手段)5と、電圧
調整器6、第1の整流回路7、第1の増幅器8、第1の
入力抵抗9、第1のバイアス電源10、第1のオペアン
プ11、第1のコンデンサ12からなる第1のAGC帰
還ループとを備えている。また、高速応答AGC回路2
は、第2の電子ボリュームIC(第2のオーディオ信号
レベル制御手段)13と、第2の整流回路14、第1の
増幅器15、第2の入力抵抗16、第2のバイアス電源
17、第2のオペアンプ18、ダイオード19、第2の
コンデンサ20からなる第2のAGC帰還ループとを備
えている。第1のAGC帰還ループにおいて、第1のオ
ペアンプ11は、反転(第1の)入力端子及び非反転
(第2の)入力端子と出力端子とを有し、反転入力端子
に直列に第1の入力抵抗9が、反転入力端子と出力端子
間に第1のコンデンサ12がそれぞれ接続され、非反転
入力端子と接地間に第1のバイアス電源10が接続され
ている。電圧調整器6は、第1の電子ボリュームIC5
の出力端子と接地間に接続され、その摺動子は、第1の
整流回路7、第1の増幅器8を介して第1の入力抵抗9
の他端に接続されている。第1のオペアンプ11の出力
端子は、第1の電子ボリュームIC5の利得制御端子に
接続されている。この場合、第1の入力抵抗9と第1の
コンデンサ12は、積分回路を構成し、その時定数によ
りディケータイムtdが設定される。
【0021】第2のAGC帰還ループにおいて、第2の
オペアンプ18は、反転(第1の)入力端子及び非反転
(第2の)入力端子と出力端子とを有し、反転入力端子
に直列に第2の入力抵抗16が、反転入力端子と出力端
子間に並列にダイオード19と第2のコンデンサ20と
がそれぞれ接続され、非反転入力端子と接地間に第2の
バイアス電源17が接続されている。第2の電子ボリュ
ームIC13の出力端子は、オーディオ信号出力端子4
に接続され、さらに、第2の整流回路14、第2の増幅
器15を介して第2の入力抵抗16の他端に接続されて
いる。第2のオペアンプ18の出力端子は、第2の電子
ボリュームIC13の利得制御端子に接続されている。
【0022】また、図2は、図1に示された低速応答A
GC回路1及び高速応答AGC回路2の入出力特性(ダ
イナミックレンジ)を示すものであって、(a)は低速
応答AGC回路1、(b)は高速応答AGC回路2にお
ける各前記特性であり、横軸は入力信号レベル、縦軸は
出力信号レベルを示す。
【0023】さらに、図3は、図1に示された実施例に
おける各部の信号波形及び電圧状態の変化の一例を示す
ものであって、(a)は低速応答AGC回路1に入力さ
れるオーディオ信号、(b)は低速応答AGC回路1に
供給されるAGC電圧、(c)は低速応答AGC回路1
から出力されるオーディオ中間出力信号、(d)は高速
応答AGC回路2に供給されるAGC電圧、(e)は高
速応答AGC回路2から出力されるオーディオ出力信号
であり、横軸は時間、縦軸は信号または電圧レベルを示
す。
【0024】ここにおいて、本実施例の動作を、図2及
び図3を併用して説明する。
【0025】オーディオ信号入力端子3に供給されたオ
ーディオ信号が低速応答AGC回路1に入力されると、
第1の電子ボリュームIC5においては、その利得制御
端子に印加されるAGC電圧の大きさに応じて信号レベ
ルが調整される。信号レベルが調整されたオーディオ信
号は、低速応答AGC回路1からオーディオ中間出力信
号として取り出され、次続の高速応答AGC回路2に供
給される。このとき、オーディオ中間出力信号の一部
は、第1のAGC帰還ループにも供給され、始めに、電
圧調整器6によってAGCの開始点(図2の−Aの少し
左側)が調整され、次いで、整流回路7で整流されて脈
流電圧に変換される。脈流電圧は、第1の増幅器8で増
幅されたあと、第1のオペアンプ11の反転入力端子に
供給されて反転増幅され、次に、第1のコンデンサ12
等により平滑されてAGC電圧に変換され、第1の電子
ボリュームIC5の利得制御端子に印加される。
【0026】この場合、前記第1のAGC帰還ループに
おいて、第1のオペアンプ11の非反転入力端子に接続
される第1のバイアス電源10の出力電圧は、オーディ
オ中間出力信号のレベルを決定するものであって、信号
第1の電子ボリュームIC5に供給されるAGC電圧の
中間電圧(基準電圧)に略等しい電圧、例えば、2.5
Vを発生するように構成される。また、AGC電圧のア
タックタイムta1は、第1のオペアンプ11の出力イン
ピーダンス値rO と第1のコンデンサ12の容量値C12
とで決定される。
【0027】いま、低速応答AGC回路1に入力された
オーディオ信号の振幅が、図3(a)に示すように、時
刻t0 において急増し、かつ、時刻t1 において急減す
る経緯を辿るものであったとすると、この振幅が急増及
び急減するオーディオ信号に応答し、第1のオペアンプ
11は、図3(b)に示すように、時刻t0 からの前記
アタックタイムta1期間に順次減少し、かつ、時刻t1
からのディケータイムtd1期間に順次増大するAGC電
圧を発生する。このようなAGC電圧が第1の電子ボリ
ュームIC5に供給される結果、低速応答AGC回路1
の出力には、図3(c)に示すように、時刻t0 におい
て、一時的に振幅が増大した後、比較的長い時間を要し
て振幅が一定化され、次いで、時刻t1 において、一時
的に振幅が減少した後、前と同様に比較的長い時間を要
して振幅が一定化されるオーディオ中間出力信号が得ら
れるようになる。
【0028】このとき、低速応答AGC回路1は、図2
(a)に示すように、入力信号のレベル変化に対して出
力信号レベルの平坦部分が、基準入力信号レベル点Oか
ら±Adbmのレベル範囲に及ぶ入出力特性を有するも
ので、この入力信号レベル内においてAGC電圧のオー
バーシュートが生じないように、前記インピーダンスr
O 及び容量C12が選択されている。
【0029】次に、低速応答AGC回路1から出力され
たオーディオ中間出力信号は、高速応答AGC回路2に
供給され、第2の電子ボリュームIC13において、そ
の利得制御端子に印加されるAGC電圧の大きさに応じ
て再び信号レベルが調整され、高速応答AGC回路2か
らオーディオ出力信号として取り出され、オーディオ信
号出力端子4に供給される。このとき、オーディオ出力
信号の一部は第2のAGC帰還ループに供給され、ま
ず、第2の整流回路14において整流されて脈流電圧に
変換される。この脈流電圧は、第2の増幅器15で増幅
された後、第2のオペアンプ18の反転入力端子に供給
されて反転増幅され、次に、第2のコンデンサ20等に
より平滑されてAGC電圧に変換され、第2の電子ボリ
ュームIC13の利得制御端子に印加される。
【0030】この場合、第2のオペアンプ18において
は、既に述べた第1のオペアンプ11の動作と異なる動
作が行われており、以下、第2のオペアンプ18で実行
される動作について、第2のオペアンプ18の入出力特
性、即ち、反転入力端子に供給される脈流電圧と出力端
子から出力される出力電圧との関係の一例を示す図4を
用いて説明する。ただし、説明の便宜上、第2のオペア
ンプ18の電源電圧は正側が12V、負側が−0V、そ
の増幅利得は1000倍、第2のバイアス電源17の出
力電圧は4.5Vであり、ダイオード19は理想的なも
ので、その順方向電圧降下が0Vであるとする。
【0031】いま、第2のオペアンプ18の反転入力端
子に直列接続された第2の入力抵抗16の他端に供給さ
れる脈流電圧が4.5Vに満たない場合、例えば4.0
Vであるとすれば、第2のオペアンプ18の反転入力端
子及び非反転入力端子には、それぞれ4.0V及び4.
5Vの電圧が加わり、第2のオペアンプ18はそれら電
圧の差電圧0.5Vをその1000倍の増幅利得で増幅
し、第2のオペアンプ18の出力端子に理論的に500
Vの出力電圧が発生することになる。しかるに、第2の
オペアンプ18の出力電圧は、その正側の電源電圧4.
5Vを超えることはないので、第2のオペアンプ18は
飽和状態になり、その出力端子に4.5Vの出力電圧が
発生する。この出力電圧は、ダイオード19を介して反
転入力端子に供給されるので、第2のオペアンプ18の
反転入力端子及び非反転入力端子、それに出力端子の各
電圧は、いずれも4.5Vが印加された状態になる。こ
の電圧状態は、第2のオペアンプ18の反転入力端子に
供給される脈流電圧が4.5V以下であれば、必ず発生
し、そのとき、最大のAGC電圧4.5Vが第2のAG
C帰還ループから第2の電子ボリュームIC13に供給
される。
【0032】一方、第2のオペアンプ18の反転入力端
子に直列接続された第2の入力抵抗16の他端に供給さ
れる脈流電圧が4.5Vを超えた場合、例えば5.0V
に上昇したとすれば、今度は、第2のオペアンプ18の
反転入力端子及び非反転入力端子に、それぞれ5.0V
及び4.5Vの電圧が加わり、第2のオペアンプ18は
それら電圧の差電圧−0.5Vがその1000倍の増幅
利得で増幅され、第2のオペアンプ18の出力端子に理
論的に−500Vの出力電圧が発生することになる。こ
こでも、第2のオペアンプ18の出力電圧は、その負側
の電源電圧0Vを超えることはないので、第2のオペア
ンプ18は前の場合と同様に飽和状態になり、その出力
端子に0Vの出力電圧が発生する。そして、この出力電
圧がダイオード19に印加されると、ダイオード19は
逆バイアス状態になるので、第2のオペアンプ18の反
転入力端子及び非反転入力端子、それに出力端子の電圧
状態は、各々5.0V、4.5V、それに0Vになる。
そのとき、最小のAGC電圧0Vが第2のAGC帰還ル
ープから第2の電子ボリュームIC13に供給される。
【0033】以上のように、第2のオペアンプ18の入
出力特性は、図4に示すように、脈流電圧が0Vから
4.5Vまでの範囲内にあれば、第2のオペアンプ18
の出力電圧は4.5Vの一定値であるが、脈流電圧が
4.5Vを超えるようになると、4.5Vを超すにした
がって、第2のオペアンプ18の出力電圧は4.5Vか
ら順次低下して行き、最終的に0Vまで低下する特性に
なるもので、この第2のオペアンプ18の出力電圧が、
AGC電圧として第2の電子ボリュームIC13に供給
されるものである。
【0034】そして、高速応答AGC回路2に入力され
たオーディオ中間出力信号が、図3(c)に示すよう
に、時刻t0 において、一時的に振幅が増大した後、比
較的長い時間を要して振幅が一定化され、かつ、時刻t
1 において、一時的に振幅が減少した後、比較的長い時
間を要して振幅が一定化されるものであるとすれば、こ
のようなオーディオ中間出力信号に応答し、第2のオペ
アンプ18は、図3(d)に示すように、振幅が、時刻
0 からのアタックタイムta2(ただし、ta1≫ta2
期間に順次減少し、かつ、時刻t2 からのディケータイ
ムtd2(ただし、td1≫td2)期間に順次増大し、その
余の期間に一定化されている出力電圧を発生する。そし
て、この出力電圧がAGC電圧として第2の電子ボリュ
ームIC5に供給される。その結果、高速応答AGC回
路2の出力には、図3(e)に示すように、時刻t0
おいて、一時的に振幅が少々増大した後、比較的短い時
間内に振幅が一定化され、次いで、時刻t1 において、
一時的に振幅が減少した後、前と同様に比較的長い時間
を要して振幅が一定化されるオーディオ出力信号が得ら
れる。
【0035】このとき、高速応答AGC回路2の入出力
特性は、図2(b)に示すように、入力信号レベルが、
入力信号レベル点(−A)から基準信号レベル点Oを僅
かに超えた入力信号レベル点Bに達するまでは、入力信
号レベルの増大に伴って出力信号レベルが順次増大し、
前記信号レベル点Bを超えると、入力信号レベルの増大
に係らず出力信号レベルが一定化される。
【0036】この場合、低速応答AGC回路1の後段に
高速応答AGC回路2を接続したことにより、図2
(b)に示されるように、高速応答AGC回路2におけ
一定化された出力信号レベル(例えば、+3dBm)
、図2(a)に示されるように、低速応答AGC回路
1の平坦部分の出力信号レベル(例えば、0dBm)
比べて3dBmだけ高くなるように設定している。この
ような設定にした理由は、聴感上好ましいからであっ
て、もし、前記2つの出力信号レベルに差がないように
設定したとすると、入力オーディオ信号の振幅が急激に
変化した際に、聴取音にしまりがなくなって、音の強弱
が失われるようになるからである。また、前記2つの出
力信号レベルの差が3dBmよりかなり大きくなるよう
設定したとすると、本来のAGC機能が失われたり、
ボツ音を生じるようになるからである。
【0037】このように、本実施例によれば、縦続接続
された低速応答AGC回路1と高速応答AGC回路2と
を備え、前段の低速応答AGC回路1が入力オーディオ
信号の急激な振幅変化に追従できない部分を、後段の高
速応答AGC回路2によってその追従性を高めるように
しており、高速応答AGC回路2のダイナミックレンジ
が、低速応答AGC回路1のダイナミックレンジの半分
以下でよいので、AGC電圧にオーバーシュートを生じ
ることなく、かつ、そのアクセスタイムを小さくし、入
力オーディオ信号の振幅変化に高速で追従できるAGC
回路を実現することができるものである。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
縦続接続された低速応答AGC回路1と高速応答AGC
回路2を用いたAGC回路によってオーディオ信号のA
GCを行うようにし、このAGC回路のダイナミックレ
ンジを既知のこの種のAGC回路に比べて大幅に拡大さ
せるようにしているので、振幅が急激に増大するような
オーディオ信号が入力されたとしても、AGC電圧のオ
ーバーシュートによる無音状態やAGC追従性の遅れに
伴うボツ音を発生することなく、比較的短い時間内に振
幅が略一定化されるオーディオ出力信号を得ることがで
きるという効果がある。
【0039】また、本発明によれば、振幅が急激に増大
または減少するオーディオ信号が入力された際に、当
初、やや大きいまたはやや小さい振幅のオーディオ信号
が出力され、それに続いて所定振幅のオーディオ信号が
出力されるようになり、AGC機能を有するにも係ら
ず、入力オーディオ信号の振幅の急激な変化部分を、再
生音の聴取時に、音の強弱を失うことなしに明白に識別
できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるオーディオ機器のAGC回路の
一実施例を示す回路構成図である。
【図2】図1に示された低速応答AGC回路及び高速応
答AGC回路の入出力信号伝送特性を示す特性図であ
る。
【図3】図1に示された実施例における各部の信号波形
及び電圧状態の変化の一例を示す波形図である。
【図4】図1に示された第2のオペアンプの反転入力端
子に供給される脈流電圧値と出力端子から出力される出
力電圧との関係の一例を示す特性図である。
【図5】既知のオーディオ機器のAGC回路の一例を示
す回路構成図である。
【図6】図5に示された既知のAGC回路において、各
電子ボリュームICに供給されるAGC電圧とオーディ
オ信号減衰量との関係の一例を示す特性図である。
【図7】前記既知のAGC回路における各部の信号波形
及び電圧状態の変化の一例を示す特性図である。
【符号の説明】
1 遅いAGC制御応答特性の第1のAGC回路(低速
応答AGC回路) 2 速いAGC制御応答特性の第2のAGC回路(高速
応答AGC回路) 3 オーディオ信号入力端子 4 オーディオ信号出力端子 5 第1の電子ボリュームIC(第1のオーディオ信号
レベル制御手段) 6 電圧調整器 7 第1の整流回路 8 第1の増幅器 9 第1の入力抵抗 10 第1のバイアス電源 11 第1のオペアンプ 12 第1のコンデンサ 13 第2の電子ボリュームIC(第2のオーディオ信
号レベル制御手段) 14 第2の整流回路 15 第1の増幅器 16 第2の入力抵抗 17 第2のバイアス電源 18 第2のオペアンプ 19 ダイオード 20 第2のコンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03G 3/20 - 3/34

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のAGC帰還ループが結合された第
    1のオーディオ信号レベル制御手段を備え、遅いAGC
    制御応答特性を有する第1のAGC回路と、第2のAG
    C帰還ループが結合された第2のオーディオ信号レベル
    制御手段を備え、速いAGC制御応答特性を有する第2
    のAGC回路とからなり、オーディオ信号路に前記第1
    のAGC回路が前段に、前記第2のAGC回路が後段に
    なるように縦続接続され、前記第2のAGC回路におけ
    る飽和時のAGC信号出力レベルが前記第1のAGC回
    路における飽和時のAGC信号出力レベルよりも高くな
    るように設定されていることを特徴とするオーディオ機
    器のAGC回路。
  2. 【請求項2】 前記第1のAGC帰還ループは、第1及
    び第2の入力端子と出力端子を備える第1のオペアンプ
    と、前記第1の入力端子に直列接続された第1の入力抵
    抗と、前記第1の入力端子と出力端子との間に接続され
    た第1のコンデンサと、前記第2の入力端子と接地間に
    接続された第1のバイアス電源とを含み、前記第2のA
    GC帰還ループは、第1及び第2の入力端子と出力端子
    を備える第2のオペアンプと、前記第1の入力端子に直
    列接続された第2の入力抵抗と、前記第1の入力端子と
    出力端子との間に並列接続された第2のコンデンサ及び
    ダイオードと、前記第2の入力端子と接地間に接続され
    た第2のバイアス電源とを含んでいることを特徴とする
    請求項1記載のオーディオ機器のAGC回路。
  3. 【請求項3】 前記第1のバイアス電源の出力電圧は、
    前記第1のオーディオ信号レベル制御手段に加えられる
    AGC電圧の略中間の値になるように設定され、前記第
    2のバイアス電源の出力電圧は、前記第2のオーディオ
    信号レベル制御手段のオーディオ信号利得を最大にする
    AGC電圧に略等しくなるように設定され、前記第1の
    コンデンサの容量値と前記第1の入力抵抗の抵抗値との
    積が、前記第2のコンデンサの容量値と前記第2の入力
    抵抗の抵抗値との積よりも大きくなるように設定されて
    いることを特徴とする請求項2記載のオーディオ機器の
    AGC回路。
  4. 【請求項4】 前記第1のオーディオ信号レベル制御手
    段及び前記第2のオーディオ信号レベル制御手段は、可
    変利得増幅器または可変減衰器で構成されていることを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のオーディ
    オ機器のAGC回路。
  5. 【請求項5】 前記第2のAGC回路における飽和時の
    AGC信号出力レベルは、前記第1のAGC回路におけ
    る飽和時のAGC信号出力レベルよりも3dB高くなる
    ように設定されていることを特徴とする請求項1に記載
    のオーディオ機器のAGC回路。
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