JP3073788U - ハニカム材セルに合成樹脂発泡体粉砕物を充填したサンドイッチパネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】サンドイッチパネルの空間に現在は廃棄されて
いる硬質のウレタンフォーム等の硬質の合成樹脂発泡廃
棄物を粉砕して充填し、強度・断熱防音性能のあるサン
ドイッチパネルを提供する。 【解決手段】接着剤が塗布された面材に粉砕物が充填で
きるセル径を持つハニカム材を重ね、セルに発泡粉砕物
を充填した後にもう一方の接着剤が塗布された面材を合
せてサンドイッチパネルにする。この接着剤は熱硬化性
のウレタン系発泡型接着剤が適当で、接着剤の発泡で面
材とハニカム材及び充填発泡粉砕物が絡んだ接着とな
り、硬化後はパネルに必要な均一な面をもった強度のあ
るサンドイッチパネルが得られる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、硬質の合成樹脂発泡体の簡便なリサイクル対策がなく、廃棄処分に よる環境破壊に結びついている現状の対策技術にある。ハニカム材は軽量で強度 が強い構造特性が活され、建材・輸送機器分野の強度芯材として使用されている 。しかしセルは空間状態で使用している事から断熱性がなく省エネルギー材とし て、或いは防音材として採用はされていない。本考案はこの空間に着目し、空間 への廃棄物充填による性能改善をした利用にある。現在廃棄されてる硬質のウレ タン・フェノール・スチレン・塩ビフォーム等の合成樹脂発泡体は断熱性及び防 音性を保持しながら処分されている。ハニカム材セル空間に発泡体廃棄物充填を 結びつけた時、発泡体廃棄物を粉砕し、充填しやすい条件に加工し充填できれば 、発泡体の断熱・防音性能が付加されたサンドイッチパネルとして再生、建材・ 輸送機器・コールドチェーン機器材として製品化でき、リサイクルの恒久化も可 能となり環境対策に結びつけられる考案である。

【０００２】

【従来の技術】

硬質の合成樹脂発泡体の廃棄材料は、軽量でしかも容積を占めること、また発 生場所及び量が集中していず、回収及び処理は大変難題である。しかも廃棄発泡 合成樹脂は単一材料でなく、混合物になっていることが多い。混合物となってい る廃棄物のリサイクル用途は更に難しい対策になる。従って処理場所は発生地域 或いは現場処理が望ましく、しかも簡便な対策技術で行え多くの量を処理できる 方法と、多目的な条件に合う発生廃棄物の処理技術が要請されてくる。この様な 条件を全てを吸収する対策になる技術はない。発泡体の廃棄物処理技術として、 特許公報平１−２１１１５の屋根下地用モルタルに混合する技術があるが、粉砕 物の条件及び利用範囲が限定されており、処理対策として十分でない。平成９年 発行の建設省発行の「建設リサイクル推進計画“９７”でも資源循環型社会の構 築は急務であるとし、行動計画が策定されている。本考案はパネルの空間に自在 な独立隔壁構造をハニカムで作り、この独立隔壁空間に粉砕した発泡廃棄物を充 填し、一定性能を持つサンドイッチパネルとして完成させ、産業上の利用をすす める事が目的である。尚、既存品に廃棄物を芯材として利用しているサンドイッ チパネルの市販はされていない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

市場のサンドイッチパネルは均一な表面と用途に合う性能を必要とするため、 芯材として硬質ウレタンフォームの充填発泡又はハニカム材、硬質ウレタン、ス チレン、フェノール、塩ビ系フォームの発泡体成形品の接着で製作されている。 この材料の置き換えとして、廃棄される硬質の合成樹脂発泡体を粉砕物にしてサ ンドイッチパネルに充填し、充填材の価格対策及びリサイクルの処理用途とする 。しかし表面材の薄いサンドイッチパネルの芯材として硬質の合成樹脂発泡体粉 砕物をパネル全体空間に芯材として充填することだけでは、パネルの表面精度、 強度を要求する商品には不適当である。充填粉砕物が自重で移動し、充填密度分 布に変化が出ては性能の安定にならない。又充填粉砕物がパネルの安定に必要な 接着の邪魔になる作用があっても問題となる。この解決策こそが廃棄物粉体の充 填によるサンドイッチパネルの商品化に最も重要な課題となる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案では、パネル内の粉砕物の安定化策としてハニカム材の空間に着目した 。ハニカム材をサンドイッチパネルの芯材とした時、ハニカム材セルは独立した 多数の隔壁構造体として使用でき、このセルに充填すれば発泡粉砕物は独立隔壁 内で安定する。使用するハニカム材セルに入る１０ｍｍφ内に粉砕した発泡粉砕 物は、ハニカム独立隔壁で動きが抑止でき、充填位置も独立隔壁で安定する。パ ネルに重要な密度管理は、充填前に発泡体の品質管理をある程度しておけば、独 立隔壁になるハニカム材セルサイズの選択と合わすことにより一定範囲の品質に なる。又使用するハニカム材セルはもともと空間が問題であり利用範囲が限定さ れていたがこの欠陥である空間も、充填する発泡粉砕物が断熱及び防音性能を持 っていることで、サンドイッチパネルは断熱・防音性能を特性を持った商品にな る。又パネル商品として重要な強度対策も本考案のパネルの製作方法にある。製 法は一方の面材にウレタン系の発泡接着剤を塗布し、その後に使用するハニカム 材を重ね、もう一方の面を接着させる前に、空間に入る形状１０ｍｍφ内に粉砕 された発泡粉砕物を独立隔壁のセルに９５〜１００％未満の量で充填した後、ウ レタン系発泡接着剤を塗布したもう一方の面材を合わせ接着硬化させる。充填量 を１００％未満にすることは接着層の空間確保と充填粉砕物の変化の吸収空間で ある。接着剤はハニカム材セル及び粉砕発泡体と絡めた接着効果のでるウレタン 系の熱硬化型発泡接着剤がよく、塗布量も一般的な塗布量の面積当り２００〜４ ００ｇより多い６００〜１０００ｇが適当である。この結果接着状態は三次元構 造になってハニカム材及び発泡粉砕物によく絡んだ接着になり強いサンドイッチ パネルができる。

【０００５】

【考案の実施の形態】

本考案のサンドイッチパネルは、芯材のハニカムのセル空間に、硬質ウレタン フォーム等の合成樹脂発泡粉砕物が充填されているため、ハニカム材の基本性能 を維持し、加えて発泡粉砕物の充填により、断熱、防音性能が付加されたサンド イッチパネルになる。

【０００６】

【実施例】

図１はサンドイッチパネルの一方の面材に未硬化状態のウレタン系の発泡型接 着剤が面積当り８００ｇが塗布された面に重ね合されたセルサイズ２５ｍｍ、厚 み５０ｍｍのセミ中芯紙で樹脂含浸ハニカム材の図である。図２は図１のハニカ ム材セルに入る形状の１０ｍｍφ以下に粉砕された硬質ウレタンフォームが充填 された図である。図３はサンドイッチパネルのもう一方の面材に未硬化状態のウ レタン系接着剤面積当り８００ｇを塗布し、粉砕物が充填されたハニカム材面に 面材を合せ、接着加圧装置にセットした図である。図４は完成したサンドイッチ パネルで、発泡型接着剤で芯材のハニカムと硬質ウレタンフォーム粉砕物が絡ん だ接着構造を有したパネル図である。

【０００７】

【考案の効果】 本発明のサンドイッチパネルは、芯材の構造ベースにハニカム材を使用してい るので構造強度は、ハニカム材基本強度設計値がそのまま使用できる。加えてハ ニカム材のセル空間に断熱・防音効果のある発泡粉砕物が充填されている事で、 省エネルギー、防音環境対策になる材料である。サンドイッチパネルとしての安 定性は、発泡タイプのウレタン系接着剤の発泡接着による三次元的な接着により 、ハニカム及び充填物と絡んだ接着になり安定する。廃棄物の処理量効果は、用 途から要求されるハニカム材のセルサイズ、厚みの選択により変わるが、パネル 空間が処理対策スペースになり、このパネルを天井・床・仕切り等の今迄省エネ の断熱対策がされていない場所に利用を進めれば、リサイクルの吸収量効果は大 きい。 粉砕物充填品の性能例：強度はハニカム材で決定するので変らない 圧縮強度 １，一般ハニカムサンドイッチパネル（セルが空間） ２．１ｋｇｆ／ｃｍ^２ （紙質はセミ中芯紙で樹脂含浸タイプ、セルサイズ２５ｍｍ） 圧縮強度 ２，硬質ウレタンフォーム粉砕物充填ハニカム ２．１ｋｇｆ／ｃｍ^２ （紙質はセミ中芯紙で樹脂含浸タイプ、セルサイズ２５ｍｍ）

【図面の簡単な説明】

【図１】サンドイッチパネルの一方の面材に未硬化状態
にあるウレタン系の発泡型接着剤を塗布しハニカム材を
重ね合せた断面図である。

【図２】図１のハニカム材セル空間に、セルに入る形状
に粉砕された硬質ウレタンフォームがハニカム材セルに
充填された断面図である。

【図３】面にウレタン系発泡型接着剤が塗布されたもう
一方の面を硬質ウレタンフォームの粉砕物が充填された
ハニカム材に合せ、接着加圧装置にセットした断面図で
ある。

【図４】完成したサンドイッチパネルの断面図である。

【符号の説明】

１ ハニカム材 ２ ウレタン系発泡接着剤 ３ サンドイッチパネル面材 ４ 硬質ウレタンフォーム１０ｍｍφ内粉砕物 ５ 加圧装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】粉砕した硬質の合成樹脂発泡体をハニカム
   材セル空間に充填し、充填した芯材を面材と接着したこ
   とを特徴とするサンドイッチパネル