JP3073097B2 - インクジェット記録方法、インクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録方法、インクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッド

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JP3073097B2
JP3073097B2 JP14733592A JP14733592A JP3073097B2 JP 3073097 B2 JP3073097 B2 JP 3073097B2 JP 14733592 A JP14733592 A JP 14733592A JP 14733592 A JP14733592 A JP 14733592A JP 3073097 B2 JP3073097 B2 JP 3073097B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はワードプロセッサ,複写
機,ファクシミリ等における情報出力装置として、ま
た、接続されることによってそのホスト装置からの情報
を出力するためのプリンタとして用いられる記録装置お
よびその記録方法に関し、詳しくはいわゆるシリアルタ
イプの記録ヘッドを用いた記録装置およびその記録方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】記録装置において、記録紙等の被記録媒
体に記録される文字,画像等は、個々に濃度データが付
与された画素の集合によって形成されるディジタル画像
であるのが一般的である。そして、各画素は、記録ヘッ
ドによって被記録媒体上に形成されるドットにより構成
される。このドットを形成する記録ヘドの方式として
は、熱転写方式やインクジェット方式等が広く知られて
おり、中でも、インクジェット方式は、比較的高精細,
高速な記録を可能とするなどの数々の利点を有し、近年
広く用いられてつつある。
【0003】以上のように記録装置において、記録画像
等の階調を表現する場合、この階調データに応じて画素
毎に濃度データが付与され、各画素においてその濃度デ
ータに応じたドット構成が定められる。このドット構成
には大別すると2つあり、1つは濃度データに応じた数
のドットを重ねる構成であり、2つには濃度データに応
じた数のドットを所定パターンで展開するものである。
【0004】前者のドット構成はインクジェット方式の
記録装置で比較的よく用いられている。このドット構成
を実現する記録方法の1つとして、1つのインク吐出口
から吐出される複数のインク滴を被記録媒体上に実質的
同一個所に着弾させて1つのドットを形成し、これによ
り、着弾させるインク滴の数を変えることによってその
画素の濃度を表現するいわゆるマルチドロップレット方
式が知られている。このようなインクジェット記録方式
では個々のインク滴の大きさを大幅に変調することが比
較的困難であり、このことは特に熱エネルギーを利用し
て、インクに気泡を発生させこの気泡の生成に伴なって
インクを吐出する方式のインクジェット記録方式におい
て、顕著である。しかし、この方式は高密度でかつ高階
調の画像が得られる方法として有効である。
【0005】一方、記録装置において、鮮明な画像を得
るためには解像度を高くすることが極めて有効である。
すなわち、単位面積当たりに打ち込めるドット数を増や
し、微細な部分の記録を可能にすることによって鮮明な
画像を得ることができる。また、記録速度を高くするた
めには、記録ヘッドの記録素子数(インクジェット記録
方式にあっては吐出口数)を複数にし1回の主走査で記
録できるドット数を多くすることが行われている。この
ような場合には解像度を高くするためには複数の記録素
子を高密度で配置しなければならないが、上述したよう
なインクジエット記録方式に用いられる記録ヘッドであ
ってすら、吐出口密度は製造上の制約によってある程度
以上高くできないという場合がある。
【0006】この問題を解決するために米国特許第40
69486号(特公昭56−16467号)に開示され
るインターレース記録法がある。この方法はインクジェ
ット記録方式にあって吐出口(ノズル)数をn,ノズル
間隔をk画素間隔(kとnは互いに素であるような整
数,また画素間隔は隣り合う画素の距離,すなわち解像
度の逆数である)とし、各主走査毎の副走査方向の送り
量をn画素分とする記録方法である。この方法によれば
記録ヘッドのノズル密度のk倍の密度で記録が行え、密
度の低いヘッドでも高解像度の記録が行えるという利点
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、まず従
来のマルチドロップレット方式によって階調を表現する
場合には、1つの画素を1つの吐出口から吐出する複数
のインク滴で形成するため、吐出口毎のインク滴容量の
バラツキがあると本来均一であるべき画像に濃度ムラが
生じるという問題があった。
【0008】これらの問題を避けるためには、従来のマ
ルチドロップレット方式では吐出インク滴容量の吐出口
間バラツキを極力おさえるべく、ヘッドの製造を非常に
精密に行わなければならず、その結果製造コストが高く
なったり、製造歩留まりが低下する等の問題があった。
また濃度ムラをソフトウエア的に解消する方法として、
誤差拡散法などの画像処理を行う際に吐出口間のインク
滴容量の多少を打ち消すようにインク滴の打ち込み数を
変化させる方法なども有効であるが、このような画像処
理を組み込むとシステムの生産コストを引き上げるとい
う問題が生じる。また、このような画像処理法を適用し
たとしても、インク滴容量の吐出口間バラツキが経時的
に変化した場合、打ち込みインク滴数を再調整する必要
が生じるので、メンテナンス性に劣るという問題を有し
ている。
【0009】一方、上記の米国特許第4067486号
に開示されるインターレース記録法では、文字情報を記
録する際に問題があった。この問題を以下に例を挙げて
説明する。
【0010】今、25.4mm当たり720ドットの解
像度で記録を行うとする。このとき、米国特許第406
9486号に開示されるインターレース記録法を用いる
2つの記録方法を考える。
【0011】(1)25.4mm当たり360ドットの
密度を持つ記録ヘッドを用いて記録を行う。k=2であ
るからノズル数nは奇数でなければならない。また各主
走査毎の副走査方向の送り量も、n画素分すなわち奇数
画素分となる。ところで、文字情報は25.4/6mm
の行間隔すなわちこの解像度では120画素間隔で記録
されることが多い。今、ノズル数を120より大きい奇
数とすると、図13に示すように文字の行間隔よりヘッ
ドの記録幅が大きくなり、主走査毎に文字の行とヘッド
の位置関係が少しづつずれてゆくことになる。インター
レース記録法では文字を記録する際に、プリンタに内蔵
のROMから読出された文字フォントを複数の主走査に
分配しこれをヘッドドライバに引き渡して記録を行う
が、上記のように文字の行とヘッドの位置関係がずれて
いくと、文字フォントを複数の主走査に分配するやり方
が主走査毎に変化することになる。このような分配はヘ
ッド制御回路によって通常行われるが、上述のように分
配の方法が毎主走査毎に変化すると回路が複雑になると
いう問題がある。
【0012】(2)上記(1)の問題点を避けるために
は各種走査毎の送り量を120の約数画素分とすればよ
い。今、これを60画素とすれば、ノズル間隔kは60
と互いに素である必要があり、少なくとも7でなければ
ならない。図14にn=60,k=7とした時の記録の
様子を示した。図から明らかなように、文字フォントを
複数の主走査に分配するやり方は主走査毎に一定である
が、一度に多数の行を記録するため制御回路が複雑にな
ってしまう。また、画像の上下端での主走査の回数が増
えるため記録にかかる時間が増えるという問題や記録ヘ
ッドが大型になり装置全体がかさばるという問題もあ
る。さらに隣接するノズルによって形成されるドットと
ドットの間が6回もの主走査によってインターレースさ
れるため、記録紙とヘッドの相対移動を極めて精度良く
行わなければ画像が劣化するという問題がある。
【0013】米国特許第4069486号に開示される
インターレース記録法では上記以外のn,kを用いた記
録法も考えられるが、いずれの場合でも上記(1),
(2)のいずれかの問題点が生じてしまう。
【0014】文字以外の、人物や風景,コンピュータグ
ラフィックスなどの画像を記録する場合においても米国
特許第4069486号に開示されるインターレース記
録法ではノズル数とノズルピッチを互いに素にしなけれ
ばならないため、装置設計上の制約を受ける。例えばk
=2の場合ノズル数は奇数ではなければならないが、ド
ットデータはバイト単位で取り扱われることが多いの
で、ノズル数を8の倍数とした方が有利な場合が多い
が、k=2の場合にはそのようにすることができない。
【0015】本発明は上述の問題点を解決するためにな
されたものであり、1つの画素を複数の吐出口から吐出
するインク滴によって形成することによりインク滴容量
の吐出口間バラツキを低減し、スジ・ムラの生じにくい
記録方法を提供することを目的とするものである。
【0016】また、本発明の他の目的は、吐出口数と各
主走査毎の副走査方向の送り量とを従来のインターレー
ス記録法に比して自由に選定できるようになし、以て画
素情報のみならず文字情報も簡単な装置構成でかつ高速
度に記録できるようにすることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明イン
クジェット記録方法は、複数の吐出口を配列してなるイ
ンクジェット記録ヘッドを、前記配列の方向とは異なる
方向に被記録材に対して相対的に主走査し、該主走査毎
に前記配列の範囲の幅より小なる量だけ前記記録ヘッド
と前記被記録材とを相対的に副走査することにより、一
画素に対し複数回の前記主走査で記録を行うインクジェ
ット記録方法であって、1画素に対する主走査数をh、
記録に用いられる前記記録ヘッドの吐出口数をn、iを
1以上h−1以下の整数、in/h番目の吐出口とin
/h+1番目の吐出口間のピッチをp、他の吐出口間の
ピッチをqとするとき、少なくとも1つの前記pの値が
前記qの値と異なるヘッドを用い、前記主走査毎の前記
副走査の量をqn/hとすることを特徴とする。
【0018】また、本発明インクジェット記録装置は、
複数の吐出口を配列してなるインクジェット記録ヘッド
を、前記配列の方向とは異なる方向に被記録材に対して
相対的に主走査し、該主走査毎に前記配列の範囲の幅よ
り小なる量だけ前記記録ヘッドと前記被記録材とを相対
的に副走査することにより、一画素に対し複数回の前記
主走査で記録を行うインクジェット記録装置であって、
1画素に対する主走査数をh、記録に用いられる前記記
録ヘッドの吐出口数をn、iを1以上h−1以下の整
数、in/h番目の吐出口とin/h+1番目の吐出口
間のピッチをp、他の吐出口間のピッチをqとすると
き、少なくとも1つの前記pの値が前記qの値と異なる
記録ヘッドと、前記主走査毎に、qn/hの量の前記副
走査を行わせる手段とを具えたことを特徴とする。
【0019】さらに、本発明インクジェット記録ヘッド
は、上記方法,装置に好適なものとして、複数の吐出口
を配列してなるインクジェット記録ヘッドにおいて、記
録に供される前記記録ヘッドの吐出口数をn、1画素に
対し前記記録ヘッドを複数回主走査して記録を行う際の
当該主走査の回数をh、iを1以上h−1以下の整数、
in/h番目の吐出口とin/h+1番目の吐出口間の
ピッチをp、他の吐出口間のピッチをqとするとき、少
なくとも1つの前記pの値を前記qの値と異ならせたこ
とを特徴とする。
【0020】また、本発明の他の形態に係るインクジェ
ット記録方法は、複数の吐出口を配列してなるインクジ
ェット記録ヘッドを、前記配列の方向とは異なる方向に
被記録材に対して相対的に主走査し、該主走査毎に前記
記録ヘッドと前記被記録材とを相対的に副走査する記録
を行うインクジェット記録方法であって、記録に用いら
れる前記記録ヘッドの吐出口数をn、該nの約数のうち
nおよび1以外のひとつをh′、iを1以上h′−1以
下の整数、in/h′番目の吐出口とin/h′+1番
目の吐出口間のピッチをp、他の吐出口間のピッチをq
とするとき、前記pの値がq(1+1/h′)またはq
(1−1/h′)である当該記録ヘッドを用い、前記主
走査毎の前記副走査の量をqn/h′とすることを特徴
とする。
【0021】また、同じくインクジェット記録装置は、
複数の吐出口を配列してなるインクジェット記録ヘッド
を、前記配列の方向とは異なる方向に被記録材に対して
相対的に主走査し、該主走査毎に前記記録ヘッドと前記
被記録材とを相対的に副走査するインクジェット記録装
置であって、記録に用いられる前記記録ヘッドの吐出口
数をn、該nの約数のうちnおよび1以外のひとつを
h′、iを1以上h′−1以下の整数、in/h′番目
の吐出口とin/h′+1番目の吐出口間のピッチを
p、他の吐出口間のピッチをqとするとき、前記pの値
がq(1+1/h′)またはq(1−1/h′)である
当該記録ヘッドと、前記主走査毎に、qn/h′の量の
前記副走査を行わせる手段とを具えたことを特徴とす
る。
【0022】さらに、これらの方法,装置に好適なイン
クジェット記録ヘッドは、複数の吐出口を配列してなる
インクジェット記録ヘッドにおいて、記録に用いられる
前記記録ヘッドの吐出口数をn、該nの約数のうちnお
よび1以外のひとつをh′、iを1以上h′−1以下の
整数、in/h′番目の吐出口とin/h′+1番目の
吐出口間のピッチをp、他の吐出口間のピッチをqとす
るとき、前記pの値をq(1+1/h′)またはq(1
−1/h′)としたことを特徴とする。
【0023】
【作用】本発明の構成を採れば、例えばインク滴容量の
ノズル間バラツキが標準偏差σで正規分布している場
合、1画素を異なるhノズルで形成するために画素当た
りのインク容量の画素間バラツキはσ/√hに減少す
る。画素間のインク容量バラツキは画素濃度のバラツキ
となって認識されるが、画像が鮮明に見えるためには画
素濃度バラツキはゼロである必要は無く、ある程度小さ
ければ良いので、本発明によれば従来例に比べムラの少
ない鮮明な画像が得られる。
【0024】hの値としては、画素間バラツキを低減さ
せるためにできるだけ大きい方が望ましく、本発明者の
検討によると、h=2でも従来の記録方法に比べ十分鮮
明な画像が得られるが、h=3以上にした場合に極めて
鮮明な画像が得られることが分かっている。
【0025】更に、本発明者の検討によれば1画素内に
複数のドットを重ねる際にこれら複数のドットを同一位
置に重ねるとドットが大きくならず、被記録材がインク
で被われにくくなり、画像濃度が低くなってしまうこと
が分かった。これに対して複数ドットを1画素内でずら
して重ねれば高い画像濃度が得られることが分かった。
複数ドットを1画素内でずらす手段としては、吐出口ピ
ッチがすべての吐出口間で均一なヘッドを用い副走査方
向の送り量をスキャン毎に変化させることが考えられる
がプリンタのハードウェアや制御ソフトが複雑になりう
る。これに対して本発明の構成のように、n/hの整数
倍番目の吐出口と次の吐出口間のピッチを他の部分の吐
出口ピッチ(q)と異ならせたヘッドを用い、各主走査
毎の副走査方向の送り量をqn/hとすれば簡単な構成
で複数ドットをずらすことができる。
【0026】一方、そのように1画素の形成に複数の吐
出口を関与させるものではなく、インターレース記録法
による記録を行う場合においても、本発明の他の形態で
は、h′をnの約数のうちnおよび1以外のひとつと
し、n/h′の整数倍番目の吐出口とその次の吐出口間
のピッチ(p)を他の部分のピッチ(q)と異ならせ、
p=q(1+1/h′)またはp=q(1−1/h′)
であるヘッドを用い、各主走査毎の副走査方向の送り量
をqn/h′とすることにより、各主走査毎の副走査方
向の送り量を一定として複数回のインターレースによっ
て高解像度の画像記録が行われる。すなわち、従来のイ
ンターレース記録法に比して吐出口数,各主走査毎の送
り量の制約を受けずにそれらの設計の自由度が増し、簡
単な制御にていわゆる画像のみならず文字情報も高速に
記録することができるようになる。
【0027】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0028】なお、以下の(実施例1)〜(実施例3)
はマルチドロップレット方式によるインクジェット記録
方法に本発明を適用した実施例、(実施例4)〜(実施
例6)はインターレース記録方式によるインクジェット
記録方法に本発明を適用した実施例である。
【0029】(実施例1)図1は、本発明の一実施例に
関するインクジェット記録装置の主要部の概略斜視図で
ある。図1において、1は複数個の吐出口を紙その他の
被記録材(以下記録紙ともいう)の搬送方向(以下副走
査方向という)に配列してなる記録ヘッドであり、各吐
出口に連通する液路にはインク吐出のために利用される
エネルギとして熱エネルギを発生するための吐出ヒータ
を備える。吐出ヒータは駆動データに対応して印加され
る電気パルスに応じて熱を発生し、これによりインク中
に膜沸騰を生じさせ、この膜沸騰による気泡の成長にと
もなって上記吐出口からインクが吐出される。
【0030】図2は記録ヘッド1の概略構成例である。
ここで、27はヒータボードであり、シリコン基板上に
電気熱変換体(吐出ヒータ)29と、これに電力を供給
するAl等の配線28とが成膜技術により形成されて成
る。そして、このヒータボード27に対して、液路25
を形成するための隔壁を設けた天板30を接着すること
により、インクジェット記録ヘッドが構成される。
【0031】記録用の液体(インク)は、天板30に設
けた供給口24より共通液室23に供給され、ここより
各ノズル25内に導かれる。そして、通電によってヒー
タ29が発熱すると、ノズル29内に満たされたインク
に発泡が生じ、吐出口26よりインク滴が吐出されるわ
けである。
【0032】かかる記録ヘッドには多数個(32個,6
4個,128個等)の吐出口が設けられるが、ここでは
説明の簡略化のために吐出口数をn=9個とする。そし
て本例の記録ヘッドは、2箇所において吐出口間ピッチ
pを他の吐出口間ピッチqとは異ならせてあり、その異
ならせる位置をi=1,2、p=83.5μm、q=6
3.5μm、1画素に対するスキャン数をh=3として
ある。すなわち、一端部(図1中の上端部)から他端部
(図1中の下端部)に向けて付した番号#1〜#9の吐
出口のピッチに関し、in/h=1×9/3=3または
in/h=2×9/3=6であるので、番号#1−#
2,#2−#3,#4−#5,#5−#6,#7−#
8,#8−#9間ではq=63.5μm、#3−#4,
#6−#7間ではp=83.5μmの間隔を有するよう
に形成してある。
【0033】図1において、キャリッジ4は記録ヘッド
1を搭載し、その一部において摺動可能に係合する2本
のガイド軸5A,5Bに案内されながら移動する。な
お、このキャリッジ4の移動は、例えば、キャリッジ4
の一部にプーリによって張設されたベルトが取付けら
れ、このベルトがプーリを介したモータの回転によって
移動することにより行われるが、その図示は省略する。
インクチューブ6は記録ヘッド1に接続し、これにより
インクタンク(不図示)から記録ヘッド1にインクを供
給することができる。フレキシブルケーブル7は記録ヘ
ッド1に接続し、これにより、その一部に設けられるヘ
ッド駆動回路(ヘッドドライバ)へホスト装置あるいは
本装置制御部からの記録データに基づいた駆動信号や制
御信号を送信することができる。インク供給チューブ6
およびフレキシブルケーブル7は、ともにキャリッジ4
の移動に追随出来るように可撓性の部材によって構成さ
れている。3はその長手方向がガイド軸5A,5Bと平
行に延在するプラテンであり、記録紙2の被記録面を規
制する。そして、記録ヘッド1は、キャリッジ4の移動
にともない、記録紙2の吐出口に対向する部分にインク
を吐出して記録を行うことが可能となる。
【0034】図3は本例装置の制御系の構成例を示す。
【0035】図1に示した装置の主制御部をなすメイン
コントローラ100は、CPUなどからなり、ホストコ
ンピュータ200から送られてくる画像データを、それ
ぞれ濃度データが付与された画素データに変換し、これ
をフレームメモリ100Mに格納する。また、メインコ
ントローラ100はフレームメモリ100Mに格納され
た画素毎の濃度データを所定のタイミングでドライバコ
ントローラ110へ供給する。
【0036】本例では、被記録材2を副走査方向に3×
q(3×63.5μm)ずつ送り、その搬送位置での記
録ヘッド1のスキャンを行って記録を行うようにする。
すなわち、本例では1画素は3回のスキャンで形成され
るものとなる(#1,#4,#7の組、#2,#5,#
8の組、および#3,#6,#9の組がそれぞれ1画素
の形成に関与するものとなる)。そこで、ドライバコン
トローラ110は、この供給される濃度データを、吐出
口番号(記録ヘッド1の吐出口配列において何番目の吐
出口かを表わすもの)とスキャン番号(何回目の走査か
を表わすもの)に対応させた駆動データ(記録ヘッド1
における各吐出ヒータのオン/オフを示すデータ)に変
換し、これを駆動データRAM110Mに格納する。ド
ライバコントローラ110は、メインコントローラ10
0からの制御信号に応じ、駆動データRAM110Mに
格納される駆動データを、吐出口番号およびスキャン番
号を参照して読出し、これをヘッドドライバ110Dに
供給するとともに、その駆動のタイミングを制御する。
【0037】以上の構成において、メインコントローラ
100は、記録ヘッド1によるインク吐出,キャリッジ
送りモータ104の回転および紙送りモータ102の回
転をそれぞれドライバコントローラ110,モータドラ
イバ104Dおよびモータドライバ102Dを介して制
御し、これにより、記録紙2上に画像データに対応した
文字,画像等が記録されていく。
【0038】本例装置を用いて画素ピッチ63.5μm
で4階調の記録を行う方法を説明する。本例装置は1画
素当たりのインク滴数を0〜3の範囲で変化させて記録
を行うものである。
【0039】図4および図5は本実施例の記録方法を説
明するための概念図である。
【0040】上述のように記録ヘッド1は吐出口#3−
#4間および#6−#7間のピッチを他とは異ならせて
9個の吐出口が図の上下方向に並んでいる。
【0041】記録紙に記録を行う際には、まず#7〜#
9の吐出口のみを用いてキャリッジを移動させつつ記録
を行う。この結果、記録紙2の上方からNo.1〜N
o.3の画素が0個または1個のインク滴で記録される
ことになる。次に記録紙2を3画素分(3×63.5μ
m)上方へ送り(図中では便宜上ヘッド1が下方へ相対
的に移動したこととして示している)、#4〜#9の吐
出口を用いて記録を行う。この結果No.1〜No.3
の画素は1画素当たり0〜2個のインク滴で記録され、
No.4〜No.6の画素は0または1個のインク滴で
記録されることになる。次に記録紙2を再び3画素分
(3×63.5μm)上方へ送り、#1〜#9の吐出口
を用いて記録を行う。この結果No.1〜No.3の画
素は1画素当たり0〜3個のインク滴数で記録され、N
o.4〜No.6の画素は0〜2個のインク滴で記録さ
れ、No.7〜No.9の画素は0または1個のインク
滴で記録されることになる。このような記録を順次繰り
返し、各画素を0〜3滴のインク滴によって記録し、4
階調の画像を得る。なお画像最下端では1走査毎に下方
から3吐出口づつ順次記録を止めてゆき画像端を形成す
る。
【0042】このようにして得られた画像は、1つの画
素が複数の吐出口から吐出するインク滴で形成されるた
め、各吐出口のインク滴容量のバラツキが平均化され、
スジやムラの目立たない画像が得られることになる。ま
た、1画素内に2つ以上のインク滴を打ち込む際に、各
インク滴の着弾位置がずれているため、被記録材が十分
にインクで被われ、高い画像濃度を得ることができる。
更に、本実施例では各インク滴の着弾位置を副走査方向
に限ってずらしたが、これに加えてインク滴の吐出パル
スのタイミングを調整する等の方法を用いて主走査方向
の着弾位置をずらすことを行っても良い。
【0043】以上の記録方法を用いて種々の画像を記録
したところ、1画素を同一吐出口から吐出する複数イン
ク滴で記録したものに比べ、スジ・ムラがなく極めて高
鮮明な画像が得られた。
【0044】なお、本実施例では、ドライバコントロー
ラ110が駆動データを作成したが、メインコントロー
ラ100が作成してもよい。この場合、駆動データRA
M110Mをフレームメモリ100Mと共有することが
可能となる。
【0045】(実施例2)図6は本発明の他の実施例を
示す。
【0046】ここで、321は吐出口数が12個の記録
ヘッドで、図中の横方向に吐出口が配列されており、キ
ャリッジ324上に搭載されてレール325上を移動す
る。各吐出口間のピッチは、吐出口番号#3−#4,#
6−#7および#9−#10間ではp=48μmの間隔
であり、その他の吐出口間ではq=63.5μmであ
る。322は記録紙でありドラム23に巻き付けられて
いる。ドラム323は不図示のモータによって回転され
る。この装置を用いて画素ピッチ63.5μmの密度で
4階調の記録を行った。
【0047】図7は本実施例の記録方法を説明するため
の概念図である。
【0048】まずヘッドを図5の最右端に位置させ、#
10−#12の3吐出口のみを用い、ドラムを1回転さ
せて記録を行う。次に、ヘッド321を左方に3画素分
(3×63.5μm)移動させ吐出口#7〜#12の6
吐出口を用い、ドラム323を1回転させて記録を行
う。更にヘッド321を左方に3画素分移動させ吐出口
#4〜#12の9吐出口を用い、ドラム323を1回転
させて記録を行う。更にヘッドを左方に3画素分移動さ
せ吐出口#1〜#12の12吐出口を用い、ドラム32
3を1回転させて記録を行う。以下はヘッドを左方に3
画素移動させ吐出口#1〜#12の12吐出口を用いて
ドラム323を1回転させて記録を行うことを順次繰り
返し全面の記録を行った。
【0049】このようにして得られた画像は、1つの画
素が4つの吐出口から吐出するインク滴で形成されるた
め、各吐出口のインク滴容量のバラツキが平均化され、
スジやムラの目立たない画像が得られた。また、1画素
内に2つ以上のインク滴を打ち込む際に、各インク滴の
着弾位置がずれているため被記録材が十分にインクで被
われ、高い画像濃度を得ることができた。
【0050】(実施例3)吐出口数129、吐出口ピッ
チが番号#86−#87間でのみp=96μmでその他
の吐出口間ではq=64μmのヘッドを用い、1スキャ
ン毎の紙送り量を43画素分とする他は実施例1と同様
の装置を用いて記録を行った。
【0051】図8は本実施例による記録方法の概念図を
示す。本実施例では、図7から明らかなように同一画素
を形成するドットが第2スキャンと第3スキャンとでは
丁度重なるが、第1スキャンによるドットは、ずれて記
録される。このため、1画素を3つのドットで形成する
際には被記録材が十分にインクで被われ、高い画像濃度
を得ることができる。
【0052】また、1画素を2つのドットで形成する際
には、第1スキャンと第2または第3スキャンとの組み
合せ(2つのドットがずれて記録される)と、第2スキ
ャンと第3スキャンとの組み合せ(2つのドットが重な
って記録される)の2通りが可能である。これら2種の
画素の濃度はドットがずれている画素の方が若干高いの
で、これを利用して微妙な階調を表現することができ
る。すなわち、本実施例では1画素当たりのインク滴数
を0,1,2,3の4段階に変化させて記録を行う訳で
あるが、インク滴数2については2種類のインク滴の打
ち込み方を使い分けることにより、更に微妙な階調を記
録することができる。
【0053】この記録方法を用いて種々の画像を記録し
たところ、スジ・ムラがなく極めて高鮮明な画像が得ら
れた。
【0054】なお、以上において、吐出口数n、スキャ
ン回数h、ピッチp,q、およびi値等は任意所望に定
め得るのは勿論である。
【0055】(実施例4)次に、インターレース方式に
本発明を適用した実施例について説明する。なお、以下
においてもn,h′,p,q,iの諸値は適宜定めうる
のは勿論である。
【0056】本実施例においては、図1に示した装置と
同じ装置を用い、その記録ヘッド(図2参照)1には6
0個の吐出口が設けられ、各吐出口内方にはこれに連通
する液路に吐出エネルギを発生するためのヒータを備え
るものとする。そして、各ヒータは印加される電気パル
スに応じて熱を発生し、これによりインク中に膜沸騰を
生じさせ、この膜沸騰による気泡の成長にともなって上
記吐出口からインクが吐出されるものである。
【0057】各吐出口間のピッチは、吐出口番号#1−
#30および#31−#60間ではそれぞれ70.56
μm(吐出口密度で言えばこの部位では25.4mm当
たり360吐出口となる)であり、吐出口#30−#3
1間では105.83μm(吐出口密度で言えばこの部
位では25.4mm当たり240吐出口となる)であ
る。すなわち、本実施例の場合n=60、h′=2、i
=1、q=70.56μmであり、p=q(1+1/
h′)≒105.83μmである。その他の各部の構成
は図1とほぼ同様である。
【0058】図9は本装置を用いて記録を行う際の模式
図である。図の左側部分には記録ヘッドの各主走査毎の
各吐出口(#1−#60)の相対位置を表しており、右
側部分にインターレースされて記録される画素の副走査
方向の一列を表している。
【0059】記録を行う際には、まず#31−#60
(No.31−No.60)の吐出口のみを用いてキャ
リッジを移動させつつ記録を行う。この結果、No.2
−No.60の画素のうち偶数番の画素が記録される。
次に記録媒体を60画素分上方へ送り、#1−#60の
吐出口を用いて記録を行う。この結果、No.1−N
o.59の画素のうち奇数番の画素とNo.62−N
o.120の画素のうち偶数番の画素とが記録される。
このようにしてNo.1−No.60の画素は2回の主
走査でインターレースされ、番号#1−#30,#31
−#60間の吐出口密度の2倍の密度,すなわち25.
4mm当たり720ドットの解像度で記録されることに
なる。さらに、このような記録を順次繰り返してゆくこ
とによって記録媒体全面の記録が行える。
【0060】図10は本実施例の記録法で文字を記録し
た場合の概念図である。各主走査毎の副走査方向の送り
量が60画素と文字の行間隔の丁度1/2であるので、
文字は先行する主走査の後半吐出口群と後続主走査の前
半吐出口群とに常に分配される。このように文字フォン
トを2回の主走査に分配するやり方が主走査毎に一定で
あるので制御回路を簡単化できる。また、2回のインタ
ーレースで記録が行えるため、主走査の回数が増えるこ
ともなく記録にかかる時間の増大という問題も生じな
い。さらに、#30と#31との吐出口ピッチpは、他
の部分のピッチqと比較してq/h′(約35μm)増
すだけであるので、記録ヘッドの大型化も生じない。
【0061】なお、以上のような制御を実行する回路と
しては、図3に示したものを用いることができる。
【0062】(実施例5)本実施例では、(実施例2)
において用いた同様の図6に示す装置を用いる。例え
ば、記録ヘッド321は吐出口数100の記録ヘッドで
あり、インク吐出に利用されるエネルギとして熱エネル
ギを用いる方式のものである。各吐出口間のピッチは、
ノズル番号#1−#50,#51−#100間では8
4.67μmの間隔であり、#51−#52の吐出口間
では42.33μmである。すなわち、本実施例の場合
n=100、h′=2、i=1、q=84.67μmで
あり、p=q(1−1/h′)≒42.33μmであ
る。その他の構成は図6と同様であり、この装置を用い
て画素ピッチ42.33μmの密度で記録を行った。
【0063】図11は本実施例の記録方法を説明するた
めの概念図である。
【0064】まずヘッド321を図6の最右端に位置さ
せ、番号#51−#100(No.51−No.10
0)の吐出口のみを用い、ドラム323を1回転させて
記録を行う。次に、ヘッド321を左方に100画素分
移動させ番号#1−#100(No.1−No.10
0)のノズルを用い、ドラム323を1回転させて記録
を行う。以下はヘッド321を左方に100画素分移動
させ、その位置で番号#1−#100の吐出口を用いて
ドラム323を1回転させて記録を行うことを順次繰り
返し、記録媒体全面の記録を行った。
【0065】この結果、番号#1−#50,#51−#
100間の密度の2倍の密度,すなわち25.4mm当
たり600ドットの解像度で記録が行われ、鮮明な画像
が得られた。また、副走査方向の送り量が100画素分
(25.4/6mm)と文字の行間隔と丁度同じである
ため、文字情報を記録する際の制御回路が極めて簡単に
構成できる。
【0066】(実施例6)吐出口数100,吐出口ピッ
チが番号#1−#25,#26−#50#,51−#7
5,#76−#100間では84.67μmの間隔であ
り、#25−#26,#50−#51,#75−#76
間では105.83μmであるヘッドを用い、各主走査
毎の紙送り量を100画素分とする他は(実施例4)と
同様の装置を用いて記録を行った。なお、本実施例の場
合は、n=100、h′=4、i=1,2,3、q=8
4.67μmであり、p=q(1+1/h′)≒10
5.83μmである。
【0067】図12は本実施例による記録方法の概念図
を示す。本実施例では、図12から明らかなように4回
のインターレースによって25.4mm当たり1200
ドットの極めて高い解像度で画像が形成される。また各
主走査毎の副走査方向の送り量が文字の行間隔の丁度1
/2であるので、文字情報を記録する際の制御回路が極
めて簡単にすむ。また、#25−#26,#50−#5
1,#75−#76間のピッチpは、他の部分のピッチ
qと比較してq/h′(約20μm)大きいだけなの
で、記録ヘッドの大型化は問題とならない。
【0068】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0069】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保有
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一に対応して液体(インク)
中に気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮の過程により吐出用開口(吐出口)を介して液
体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成
する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に
気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液
体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパ
ルス形状の駆動信号としては、米国特許第446335
9号明細書,同第4345262号明細書に記載されて
いるようなものが適している。なお、上記熱作用面の温
度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明
細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた
記録を行うことができる。
【0070】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを吐出開口部として備えた吐出部を有する
構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エ
ネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させて設
けた構成を開示する特開昭59−138461号公報に
基いた構成としても本発明の効果は有効である。すなわ
ち、記録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本
発明によれば記録を確実に効率よく行うことができるよ
うになるからである。
【0071】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0072】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、記録に必要なインク液滴を吐出するための
熱エネルギを発生する電気熱変換体或はこれとは別の加
熱素子或はこれらの組み合わせを用いて予備加熱を行う
予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段
を挙げることができる。
【0073】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0074】また、吐出口列については1列のみなら
ず、複数列の構成(例えば、1列に20個の吐出口を備
え、これを4列並べた構成)とすることも可能である。
【0075】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化も
しくは液化するものであれば、記録実行時に液体化して
使用することができるので、本発明において使用するこ
とができる。あるいはインクジェット方式では、ある場
合にはインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内に保
温されるように温度調整を行ってインクの粘性を安定吐
出範囲にあるように温度制御する。この場合には30℃
以上70℃以下で液状をなすインクを用いることができ
る。加えて、インクの固体状態から液体状態への状態変
化のエネルギとして使用せしめることで熱エネルギによ
るインク自体の昇温を積極的に防止するため、またはイ
ンクの蒸発を防止するため、加熱によって初めて液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状物又は固体状物として保持された状
態で記録に使用されてもよい。本発明においては、上述
した各インクに対して最も有効には、上述した膜沸騰を
起こさせる方式を実行することである。
【0076】さらに加えて、本発明に係わるインクジェ
ット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処
理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リー
ダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有する
ファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
1つの画素を複数の吐出口を用いて記録を行うようにす
ることによって、吐出口間の吐出インク滴容量のバラツ
キが平均化され、スジ・ムラの無い鮮明な画像を得るこ
とが可能となる。そして、その場合n/h(n:吐出口
数,h:1画素の記録に関与する吐出口数)の整数倍番
目の吐出口と次の吐出口間のピッチを他の部分の吐出口
ピッチ(q)と異ならせたヘッドを用い、各主走査毎の
副走査方向の送り量qu/hとしたことにより、簡単な
構成で1画素を形成する複数ドットをずらすことがで
き、良好な画像濃度を確保できた。
【0078】一方、そのように1画素の形成に複数の吐
出口を関与させるものではなく、インターレース記録法
による記録を行う場合においても、本発明の他の形態で
は、h′をnの約数のうちnおよび1以外のひとつと
し、n/h′の整数信番目の吐出口とその次の吐出口間
のピッチ(p)を他の部分のピッチ(q)と異ならせ、
p=q(1+1/h′)またはp=q(1−1/h′)
であるヘッドを用い、各主走査毎の副走査方向の送り量
をqn/h′とすることにより、各主走査毎の副走査方
向の送り量を一定として複数回のインターレースによっ
て高解像度の画像記録が行われる。すなわち、従来のイ
ンターレース記録法に比して吐出口数,各主走査毎の送
り量の制約を受けずにそれらの設計の自由度が増し、簡
単な制御にていわゆる画像のみならず文字情報も高速に
記録することができるようになる。
【0079】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るインクジェット記
録装置の主要部の概略構成を示す斜視図である。
【図2】その記録ヘッドの概略構成例を示す斜視図であ
る。
【図3】図1の装置に対する制御系の構成例を示すブロ
ック図である。
【図4】本実施例の記録方法を説明するための概念図で
ある。
【図5】同じく本実施例の記録方法を説明するための概
念図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係るインクジェット記
録装置の主要部の概略構成例を示す斜視図である。
【図7】その記録方法を説明するための概念図である。
【図8】本発明のさらに第3の実施例による記録方法を
説明するための概念図である。
【図9】本発明の第4の実施例に係る記録方法を説明す
るための概念図である。
【図10】その方法を用いて文字を記録した場合の説明
図である。
【図11】本発明の第5の実施例に係る記録方法を説明
するための概念図である。
【図12】本発明の第6の実施例に係る記録方法を説明
するための概念図である。
【図13】従来のインターレース記録法の問題点を説明
するための説明図である。
【図14】同じく説明図である。
【符号の説明】
1,321 記録ヘッド 2,322 記録紙(被記録材) 3 プラテン 4,324 キャリッジ 5A,5B ガイド軸 323 ドラム 325 レール
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/205 B41J 2/01 B41J 2/045 - 2/055 B41J 2/51

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の吐出口を配列してなるインクジェ
    ット記録ヘッドを、前記配列の方向とは異なる方向に被
    記録材に対して相対的に主走査し、該主走査毎に前記配
    列の範囲の幅より小なる量だけ前記記録ヘッドと前記被
    記録材とを相対的に副走査することにより、一画素に対
    し複数回の前記主走査で記録を行うインクジェット記録
    方法であって、 1画素に対する主走査数をh、記録に用いられる前記記
    録ヘッドの吐出口数をn、iを1以上h−1以下の整
    数、in/h番目の吐出口とin/h+1番目の吐出口
    間のピッチをp、他の吐出口間のピッチをqとすると
    き、少なくとも1つの前記pの値が前記qの値と異なる
    ヘッドを用い、前記主走査毎の前記副走査の量をqn/
    hとすることを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 【請求項2】 複数の吐出口を配列してなるインクジェ
    ット記録ヘッドを、前記配列の方向とは異なる方向に被
    記録材に対して相対的に主走査し、該主走査毎に前記記
    録ヘッドと前記被記録材とを相対的に副走査するインク
    ジェット記録方法であって、 記録に用いられる前記記録ヘッドの吐出口数をn、該n
    の約数のうちnおよび1以外のひとつをh′、iを1以
    上h′−1以下の整数、in/h′番目の吐出口とin
    /h′+1番目の吐出口間のピッチをp、他の吐出口間
    のピッチをqとするとき、前記pの値がq(1+1/
    h′)またはq(1−1/h′)である当該記録ヘッド
    を用い、前記主走査毎の前記副走査の量をqn/h′と
    することを特徴とするインクジェット記録方法。
  3. 【請求項3】 前記インクジェット記録ヘッドは、イン
    クを吐出するために利用されるエネルギとしてインクに
    膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換体
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載のイ
    ンクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 複数の吐出口を配列してなるインクジェ
    ット記録ヘッドを、前記配列の方向とは異なる方向に被
    記録材に対して相対的に主走査し、該主走査毎に前記配
    列の範囲の幅より小なる量だけ前記記録ヘッドと前記被
    記録材とを相対的に副走査することにより、一画素に対
    し複数回の前記主走査で記録を行うインクジェット記録
    装置であって、 1画素に対する主走査数をh、記録に用いられる前記記
    録ヘッドの吐出口数をn、iを1以上h−1以下の整
    数、in/h番目の吐出口とin/h+1番目の吐出口
    間のピッチをp、他の吐出口間のピッチをqとすると
    き、少なくとも1つの前記pの値が前記qの値と異なる
    記録ヘッドと、 前記主走査毎に、qn/hの量の前記副走査を行わせる
    手段とを具えたことを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  5. 【請求項5】 複数の吐出口を配列してなるインクジェ
    ット記録ヘッドを、前記配列の方向とは異なる方向に被
    記録材に対して相対的に主走査し、該主走査毎に前記記
    録ヘッドと前記被記録材とを相対的に副走査するインク
    ジェット記録装置であって、記録に用いられる前記記録
    ヘッドの吐出口数をn、該nの約数のうちnおよび1以
    外のひとつをh′、iを1以上h′−1以下の整数、i
    n/h′番目の吐出口とin/h′+1番目の吐出口間
    のピッチをp、他の吐出口間のピッチをqとするとき、
    前記pの値がq(1+1/h′)またはq(1−1/
    h′)である当該記録ヘッドと、 前記主走査毎に、qn/h′の量の前記副走査を行わせ
    る手段とを具えたことを特徴とするインクジェット記録
    装置。
  6. 【請求項6】 前記インクジェット記録ヘッドは、イン
    クを吐出するために利用されるエネルギとしてインクに
    膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換体
    を有することを特徴とする請求項4または5に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 複数の吐出口を配列してなるインクジェ
    ット記録ヘッドにおいて、 記録に供される前記記録ヘッドの吐出口数をn、1画素
    に対し前記記録ヘッドを複数回主走査して記録を行う際
    の当該主走査の回数をh、iを1以上h−1以下の整
    数、in/h番目の吐出口とin/h+1番目の吐出口
    間のピッチをp、他の吐出口間のピッチをqとすると
    き、少なくとも1つの前記pの値を前記qの値と異なら
    せたことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 複数の吐出口を配列してなるインクジェ
    ット記録ヘッドにおいて、 記録に用いられる前記記録ヘッドの吐出口数をn、該n
    の約数のうちnおよび1以外のひとつをh′、iを1以
    上h′−1以下の整数、in/h′番目の吐出口とin
    /h′+1番目の吐出口間のピッチをp、他の吐出口間
    のピッチをqとするとき、前記pの値をq(1+1/
    h′)またはq(1−1/h′)としたことを特徴とす
    るインクジェット記録ヘッド。
  9. 【請求項9】 インクを吐出するために利用されるエネ
    ルギとして、インクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを
    発生する電気熱変換体を有することを特徴とする請求項
    7または8に記載のインクジェット記録ヘッド。
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