JP3072631B1 - 沈殿異物検出方法 - Google Patents

沈殿異物検出方法

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JP3072631B1 JP11139931A JP13993199A JP3072631B1 JP 3072631 B1 JP3072631 B1 JP 3072631B1 JP 11139931 A JP11139931 A JP 11139931A JP 13993199 A JP13993199 A JP 13993199A JP 3072631 B1 JP3072631 B1 JP 3072631B1
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Abstract

【要約】 【課題】 液体が封入された透光性部材から成る壜類を
被検査体とし、搬送されてくる前記被検査体を連続的に
検査する壜類検査システムにおいて、生産ライン上で発
生する被検査体の不良に対して全品を高精度で且つリア
ルタイムに検査できるようにする。 【解決手段】 搬送されてくる被検査体を順次把持する
と共に所定区間傾斜させて搬送する傾斜搬送手段32
と、前記傾斜して搬送されてくる被検査体の少なくとも
液体最深部を含む領域を撮像する撮像手段21と、前記
撮像手段からの映像信号を基に前記被検査体を検査して
少なくとも前記液体中の沈殿異物を検出する検査手段と
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液剤や飲料などの
液体が封入された壜類を被検査体として、被検査体内部
の混入異物や容器の欠陥の有無などを検査する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、HACCP方式の食品衛生法への
適用やPL(Product Liability:製
造物責任)法の施工に伴って、食品や薬品などの製品の
製造/加工,製品の保存/流通を経て最終消費者が摂取
するまでのあらゆる段階で発生する恐れのある微生物汚
染やその他の異物混入などによる危害発生を未然に防止
し、製品の一層の安全保障を図ることが義務づけられつ
つある。
【0003】HACCP方式とは、Hazard An
alysis CriticalControl Po
int Systemの略で、衛生管理システム手法と
して国際的に高く評価されているアメリカの危害分析・
重要管理点方式である。このHACCP方式は、製造工
程全般を通じて製品の安全性を図るようにした科学的な
衛生管理方式であり、従来の衛生管理方式が最終製品の
検査に重点を置いた方式であるに対して、製造工程の予
防措置に重点を置いている。HACCP方式は、危害分
析(HA)と重要管理点(CCP)の2つの部分から成
り立っており、食品の製造/加工,製品の保存/流通を
経て最終消費者が摂取するまでのあらゆる段階で発生す
る恐れのある微生物汚染などの危害を調査/分析し、危
害予防のための重要管理点を設定すると共に、管理基準
を定めて限度内で適正に措置されているかを管理記録等
をチェックして常時監視し、その他の危害については、
一般衛生管理基準(PP:Pre−requisite
Program)で運営管理することにより、製造工
程における危害発生を見落としなく未然に防止し、製品
の一層の安全性を図るようにしたものである。
【0004】従来より、液状の製品(液剤や飲料など)
を生産する製造/加工工場では、生産ラインにおいて加
熱処理などにより殺菌処理を施すことで微生物汚染を防
止したり、サイクロン分離機などにより異物を除去する
ことで異物混入を防止したりしている。そして、缶や壜
などの容器に充填した後は、光の透過性や反射性を利用
して最終的な検査を実施している。例えば、液剤や飲料
等の液体を封入した透明の容器が被検査体の場合には、
CCDカメラで被検査体を撮像し、デジタル化した画像
データを画像処理装置によって処理することで、容器内
部の液体に混入した異物の有無、容器のキズ等の有無を
検査し、最終製品の良否を自動的に判定するようにして
いる。
【0005】例えば、アンプルなど密閉された容器内の
液剤や飲料に混入した異物を検出する方法としては、円
筒形状の容器を直立姿勢で高速回転(例えば6000r
pm程度で回転)させて異物を浮き上がらせた後に回転
動作を停止し、異物が落下してくる状態をカメラで撮
り、移動する軌跡から異物を検出する方法が知られてい
る。このように、容器が透光性部材で形成されており且
つ容器内に封入された液体が透明(半透明を含む)の場
合、容器が密閉された後も、CCDカメラ等で容器を撮
像して画像処理することで容器内部を検査することが可
能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、密閉された
容器内の液中異物を検出する方法としては、上述したよ
うに、被検査体を回転させて異物を浮き上がらせた後、
その落下する軌跡から異物を検出する方法が知られてい
るが、回転により浮上しない様な比重の大きな異物につ
いては、検出できないという問題がある。例えば、生産
ラインにおいて液状製品をガラス製のアンプルに充填し
た後、溶着などによりアンプルを密閉する工程で、容器
自体の破片すなわちガラス片が混入してしまうことがあ
る。また、上記工程で液体中に混入する可能性のある異
物は、ほとんどが容器自体の破片すなわちガラス片であ
る。しかしながら、ガラス片は比重が大きいため、上記
のような従来の検出方法では検出できないという問題が
あった。また、容器自体の破片は容器と透光性が同一で
あるため、単に色の違いから検出する方法では検出漏れ
が生じる可能性があった。さらに、撮影した画像をデジ
タル化し、その画像データにより落下する軌跡を見て異
物を検出する方法は、検査に時間がかかり、高速搬送に
より大量生産するようなシステムには適用できない可能
性があった。
【0007】本発明は上述のような事情から成されたも
のであり、本発明の目的は、生産ライン上で発生する被
検査体の不良に対して全品を高精度で且つリアルタイム
に検査することができ、異物混入などによる危害発生を
未然に防止することができる壜類検査システム及び検査
用搬送装置、並びに沈殿異物検出方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、液体が封入さ
れたた透光性部材から成る壜類を被検査体とし、搬送さ
れてくる前記被検査体を連続的に検査する壜類検査シス
テムにおける沈殿異物検出方法に関するものであり、本
発明の上記目的は、密閉された容器内に液体部と気体部
を有し直立姿勢で搬送されてくる前記被検査体を水平面
に対する底面の傾斜角度が略90度となるまで傾斜させ
た後、前記被検査体の底面壁部が液で満たされる直前の
角度まで傾斜角度を変化させ、前記底面壁部の気体の領
域部分に表面張力により付着している異物を、前記傾斜
角度の変化に伴う表面張力の移動によって前記底面壁部
から離れる方向に移動させて沈殿させ、その沈殿異物を
検出することによって達成される。
【0009】さらに、前記異物を沈殿させた後、所定の
傾斜角度まで前記被検査体を起して前記容器の底面縁部
に沈殿異物を集中させた箇所を検査して前記沈殿異物を
検出することによって、一層効果的に達成される。
【0010】さらに、前記被検査体がアンプル壜である
ことによって、一層効果的に達成される。
【0011】
【0012】
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、液剤や飲料など、特に
人間が摂取する液体を壜類に封入して生産する生産シス
テムにおいて、透光性部材から成り上記液体が封入され
た壜類を被検査体とし、生産ライン上で発生する壜類の
不良に対して全品をリアルタイムに高精度で検査し、そ
の検査結果をデータベース化して記録すると共に、検出
した不良品を自動的に排除するようにしたものである。
【0014】すなわち、本発明では、主に生産ライン上
で発生する製品の不良、例えば、溶着等により容器を密
閉する段階で容器の破片などの異物が混入したものや、
加熱処理工程の段階で化学変化により異物に相当する物
質が生じたものを検出すると共に、検出した不良品を生
産ラインから自動的に排除することで、製品の品質を保
証すると共に、混入異物等による危害発生を未然に防止
し、製品の一層の安全保障を図るようにしたものであ
る。また、製造情報と関連付けて検査結果をデータベー
ス化してリアルタイムに記録することで、工程分析や品
質改良等のデータベース解析を即時実行できるようにし
たものである。
【0015】以下、図面に基づいて本発明の好適な実施
の形態について詳細に説明する。本発明は、ガラスや透
明若しくは半透明(薄茶色,薄緑色等)の高分子材料等
の透光性部材で形成された略円筒形状の容器(以下、
「壜類」と言う)の内部に、透光性を有する液剤や飲料
等の液体を封入した製品を被検査体として検査するもの
であるが、以下の実施の形態では“アンプル”を被検査
体とし、その製造/加工工場に適用した場合を具体例と
している。但し、アンプル以外の壜類においても検査項
目が多少異なるだけで、本発明に係る搬送方式や検査方
式は同様である。
【0016】図1は、本発明に係る壜類検査システムの
全体構成の一例をブロック図で示しており、システムを
大別すると、検査用搬送/排除システム100、画像処
理検査システム200、FA(ファクトリー・オートメ
ーション)サーバーシステム300、の3つのブロック
により構成されている。図1において、検査用搬送/排
除システム100は、被検査体1を直立姿勢で搬送する
直立搬送機構31,被検査体1を所定区間傾斜姿勢で搬
送する傾斜搬送機構32,検出した不良品を排除する不
良品排除機構33,及びこれらの機構の制御を行う搬送
制御装置34を備えた検査用搬送/排除装置30などか
ら構成されている。本実施の形態では、生産ラインの搬
送系によって搬送されてくる被検査体1を連続的に搬
入、あるいは搬入部の受入口に差込まれたトレーから被
検査体1を搬入し、直立搬送機構31により第1の検査
用搬送経路を直立姿勢で搬送した後、傾斜搬送機構32
により第2の検査用搬送経路を傾斜姿勢で搬送し、搬送
中に実施された各種検査をパスした被検査体1は生産ラ
インの搬送系へ搬出、あるいは良品排出トレーへ搬出す
る形態としている。なお、後述する実施の形態の具体例
では、生産ラインの搬送系と連結せずに、トレーを介し
て各被検査体1を搬入及び搬出する形態を例として説明
する。
【0017】画像処理検査システム200は、1台若し
くは複数台の検査機本体(画像処理装置:以下“検査
機”と言う)10,上記第1,第2の検査用搬送経路の
所定位置に配置される複数台の撮像ユニット20,及び
各検査機10の制御や一台若しくは複数台の検査用搬送
/排除装置30の制御を行う検査用制御装置25等から
構成されている。そして、検査用制御装置25には、搬
送機構の起動/停止等の操作を行うためのタッチ式パネ
ルを有する操作盤26とモニタ27が接続され、これら
の操作盤26とモニタ27の1セットが検査用搬送/排
除装置30側に設置されるようになっている。また、各
検査機10と検査用制御装置25は1つの筐体(制御
盤)に収容されて設置されるようになっている。
【0018】画像処理検査システム200では、第1,
第2の検査用搬送経路に沿って連続的に搬送されてくる
被検査体1を各撮像ユニット20により撮像し、その映
像信号に基づいて被検査体をリアルタイムに検査し、不
良を検出した場合は検査用搬送/排除装置30に排除指
令ESを送出し、不良品排除機構33により当該不良品
を排除するようにしている。また、被検査体1の検査結
果EDをFAサーバーシステム300にリアルタイムに
送信するようにしている。なお、検査機10では、入力
映像の自動位置補正やラインの状況に見合った任意調節
などの各種機能を含めて、ハードウエア処理を主体とし
て実行するようになっている。
【0019】FAサーバーシステム300は、当該製品
の生産,管理に係る情報、及び検査結果をデータベース
に記録して一元管理し、各種の情報提供を行うサーバ
(情報提供用コンピュータ)310,及び集中監視/管
理用コンピュータ320等から構成されている。サーバ
310は、検査機10から検査結果EDを逐次受信し、
検査結果としての良品総数,不良品の不良検査項目の検
査数値データ,不良品データ等を、製造情報(製品名,
ロット番号,担当者,特記事項等)に対応させてデータ
ベース302に記録する記録手段を備えている。さら
に、データベース化された記録情報をLANやインター
ネット等のネットワークを介して集中監視/管理用コン
ピュータ320や図示されない端末機などに提供するデ
ータベースサーバとしての機能を備えている。また、F
Aサーバーシステム300内の集中監視/管理用コンピ
ュータ320は、上記サーバ310を介して検査結果な
どを参照する機能を有する他、遠隔制御指令RSによる
各検査機10の遠隔制御機能,及び集中監視/管理機能
(検査用基準データの送信機能,ダウンロードによる検
査用パラメータの設定/設定変更機能,検査用パラメー
タのアップロード機能等)を備えている。
【0020】図2は、本発明に係る検査用搬送/排除装
置30の一例、並びに検査用の撮像ユニット20の配置
構成の一例を示しており、同図(A)はその平面図、同
図(B)は同図(A)を矢印Y方向から見た側面図をそ
れぞれ示している。先ず、これらの図2(A)及び
(B)を参照して被検査体の流れを説明する。
【0021】生産ライン上で液体が封入された被検査体
(本例では、液剤が封入されたアンプル)は、トレーに
直立状態で収容されており、検査用搬送/排除装置30
の搬入部30Aから搬入される。搬入部30Aに図2
(A)中の矢印R1方向から差込まれたトレー上の被検
査体は、搬入機構により順次搬入されて整列された後、
上部検査部30Bに設けられた直立搬送機構31により
環状の経路31cに沿って所定区間直立姿勢で搬送され
る。そして、この環状の経路31cを経由して図2
(A)中の矢印R2方向へ搬送された被検査体は、下部
検査部30Cに設けられた傾斜搬送機構32により環状
の経路32cに沿って所定区間傾斜姿勢で搬送される。
【0022】これらの搬送経路31c,32cの近傍に
は、それぞれ複数の撮像カメラ21が配設されており、
各撮像カメラ21によって被検査体の内部全域が撮像さ
れ、画像処理検査システム200の検査機10に撮像信
号が送られて、後述する各種の検査がリアルタイムに実
行されるようになっている。
【0023】そして、検査機10による検査の結果、良
品と判定された被検査体は矢印R3方向へと搬送され、
良品搬出部30Dから搬出されて良品排出トレー内に収
容される。一方、不良と判定された被検査体は、排除機
構33により搬送経路が切換えられて矢印R4方向へと
搬送され、不良品排出部30Eから排出されて良品排出
トレー内に収容されることで排除されるようになってい
る。
【0024】次に、上部検査部30Bにおける搬送方式
と撮像カメラ21の配置構成について、図2及び,上部
検査部における搬送方式並びに撮像ユニットの配置構成
の具体例を示す図3を参照して説明する。図2におい
て、上部検査部30Bには直立搬送機構31が設けられ
ており、搬入部30Aから搬入された被検査体は、ウォ
ームホイールのポケット31bに緩挿され、環状のガイ
ドに沿って直立姿勢で所定区間搬送される。図2の例に
おいては、直立搬送機構31は、環状のガイドを有する
回転テーブル31a、ポケット31bを有するウォーム
ホイール等から構成されており、図3に示すように、ウ
ォームホイールのポケット31bは所定間隔L(本例で
は、円弧寸法L=56.54mm)で設けられており、
図2(A)中の回転テーブル31a(ウォームホイー
ル)を回転させることで、環状の搬送経路31cに沿っ
て各被検査体1を上記搬送間隔Lで円弧運動させながら
直立姿勢で搬送する構成としている。
【0025】また、図2(A)中に示すように、例えば
ピッチの異なる螺旋状の歯が形成されたウォーム(スク
リュー)31dを搬送速度変換手段として用い、このウ
ォーム31dの両端部を搬入部30A側のウォームホイ
ールと上部検査部30B側のウォームホイール(回転テ
ーブル31a)とに連結して回転テーブル31aを回転
させることで、上部検査部30B側の搬送速度を搬入部
の搬送速度(生産ラインと連結する形態では生産ライン
の搬送系の搬送速度)よりも速くする構成としている。
【0026】そして、環状の搬送経路31cの近傍に撮
像カメラ21を配置し、直立姿勢で搬送されてくる被検
査体の上部を複数方向から撮像する構成としている。本
例では、図3に示すように、被検査体の上部全域を検査
し得るように撮像カメラ1台当たりの視野に応じて検査
領域を分割し、各分割領域に対応させて複数台の撮像カ
メラ21を配置し、環状の経路に沿って搬送されてくる
被検査体の上部側面を複数方向から同時に撮像する構成
としている。図3の例では、各撮像カメラの検査視野の
領域が若干重なるように3台の撮像カメラ21を60度
ずつ撮像方向を変えた位置に配置することで広域の検査
視野角を確保し、被検査体の上部側面全域を検査し得る
ようにしている。なお、上部検査部30Bでは、上記の
ように搬送速度を速くすることにより各被検査体の搬送
間隔を広く設定することで、上記の配置構成で各方向か
ら被検査体を撮像した際に、隣接する被検査体同士が重
なって映らないようにしている。
【0027】すなわち、本実施の形態では、搬入部の搬
送速度(生産ラインと連結する形態では生産ラインの搬
送系の搬送速度)よりも搬送速度を速くすると共に搬送
間隔を広く設定し、被検査体の側面部を複数の撮像カメ
ラ21により複数方向から同時に撮像し、且つ複数台
(若しくは1台)の検査機10で検査を並行して行うこ
とによって、被検査体の側面部のほぼ全域を検査すると
共に、高速で検査し得るようにしている。
【0028】図4は、上部検査部30Bにおける検査範
囲の一例を示しており、上部検査部30Bでは、撮像カ
メラ21とライト22を同図のように対向設置し、被検
査体1の高さ方向については、直立姿勢での基準液面よ
り上部(例えば、図4中のWで示される範囲)を検査範
囲として検査するようにしている。ここで、上部検査部
30Bにおける検査項目について説明する。例えば図4
の例のように被検査体1がアンプルの場合、基準の液面
を示すマーカーより上部では、溶着する工程での不良
(天部溶着不良)や、加熱処理工程での不良(アンプル
内壁部への炭化焼結の付着等)が生じることがある。
【0029】そこで、上部検査部30Bでは、撮像カメ
ラ21からの映像信号を基に天部溶着不良、炭化焼結等
の検査を行ない、アンプル1の良/不良を判定する。そ
の際の判定基準は検査項目毎に設定されており、例えば
天部溶着不良の検査では、アンプル1の天部の外形寸法
と基準寸法との誤差が規定値(本例では0.5mm)以
上であれば、“溶着不良”と判定する。また、炭化焼結
の検査では、マーカー部より上において規定量(本例で
は200μm2)以上の不透明焼結が付着したものを
“焼結による不良”と判定する。このように、上部検査
部30Bでは撮像カメラ21からの映像信号を入力し
て、溶着部の肉厚の変化量や色の変化量を求めて基準値
と比較し、良/不良を判定してその判定結果を出力す
る。その際、不良が検出されたのであれば、検査用搬送
/排除装置30に指令して不良品排除機構30Eにより
当該不良品を排除すると共に、不良の要因を付して検査
結果を出力する。
【0030】次に、下部検査部30Cにおける搬送方式
と撮像カメラ21の配置構成の一例を、図2及び、下部
検査部における搬送方式の第1の具体例を示す図5を参
照して説明する。図2において、下部検査部30Cに
は、被検査体を昇降自在に支持すると共に水平方向に対
して所定の角度で傾斜させて搬送する傾斜搬送機構32
が設けられている。上部検査部30Bから直立姿勢で搬
送されて来た被検査体は、その頭部が把持されて傾斜姿
勢で所定区間搬送される。
【0031】図2の例においては、傾斜搬送機構32
は、回転テーブル32a、傾斜搬送用アーム32b等か
ら構成されており、図5に示すように、回転テーブル上
に傾斜搬送用アーム32bを所定間隔で周設して環状の
搬送経路32cを形成し、図2(A)中の回転テーブル
32aを回転させると共に傾斜搬送用アーム32bを昇
降及び傾動させることで、環状の搬送経路32cに沿っ
て被検査体を円弧運動させながら所定区間傾斜姿勢で搬
送する構成としている。また、図2(A)中に示すよう
に、ピッチの異なる螺旋状の歯が形成されたウォーム
(スクリュー)32d及び小径のウォームホイール32
eから成るウォームギヤを搬送速度変換手段として用
い、このウォームギヤにより回転テーブル32aを回転
させることで、下部検査部30C側の搬送速度を上部検
査部30B側の搬送速度よりも遅くすると共に、搬送間
隔を狭めた構成としている。
【0032】ここで、沈殿異物の検査に係る搬送方式の
第1の例について図5及び図6を参照して説明する。沈
殿異物を被検査体の容器内部の一箇所に集中させる場合
には、密閉された容器内の気体と液体の割合,容器の形
状,異物の種類(大きさ、比重,形状等)などが関連し
てくる。例えば、図6(A)に示すように、直立姿勢の
状態において容器の底面部1aに粉状の微細な異物2が
一様に沈殿している場合を想定する。この場合、被検査
体を水平面まで傾斜させると、図6(B)に示すよう
に、容器底面部1aには気体の領域a1と液体の領域a
2とが生じ、底面壁部1aの気体の領域a1部分に残留
している液の表面張力によって異物2が付着し、異物の
一部が落下せずに残ってしまう可能性がある。そこで、
傾斜搬送方式の第1の例では、図6(C)に示すよう
に、底面部に気体の領域a1部分が生じない角度まで被
検査体を傾斜させる方式としている。以下に、傾斜搬送
方式の第1の例における傾斜動作の制御例について説明
する。
【0033】下部検査部30Cでは、図5中のP1の位
置で傾斜を開始し、底面部に気体の領域部分が生じない
角度、例えば水平面に対する被検査体の底面の角度が6
0度(被検査体の中心線の角度が30度)となるまで傾
斜させる。そして、傾斜が完了したP2の位置からP3
地点を経由してP4の位置までその傾斜角度を保持し、
P4の位置からP5の位置までの区間で直立姿勢(正
立)に戻すようにしている。この傾斜角度は、被検査体
の底面部の形状や環状の経路における搬送速度から最適
角度が設定されるが、一般的な形状(底面部が平面、凸
型の曲面等)の瓶類では水平面に対する容器底面の角度
が30度から70度(好ましくは60度程度)の傾斜角
度であれば底面部に気体の領域部分が生じないため、上
述の傾斜搬送方式によって、容器の一個所に集中させて
異物を沈殿させることができる。
【0034】本例では、搬送速度に関してはP1→P2
の区間が約1秒で搬送され、傾斜を保持するP2→P3
の区間が約4秒〜5秒で搬送される。アンプルに封入さ
れた液体の粘度や異物の比重によるが、ガラス片等の沈
殿異物は、P3の位置に到達する以前にアンプル底面の
縁部(被検査体の最深部)に集中して沈殿することにな
る。そして、P3からP4の区間に配置された撮像カメ
ラにより被検査体を撮像し、沈殿異物を含めて液中の異
物を検査する構成としている。なお、本実施の形態で
は、上部検査の後に下部検査を実施する形態としている
が、上部検査の前に下部検査を実施する形態とした場合
には、底面部に気体の領域部分が生じない角度とし、且
つ、上部検査を実施する際の液の付着による影響を回避
するために、被検査体の頭部に液体が浸入しない角度と
するのが好ましい。
【0035】次に、沈殿異物の検査に係る搬送方式の第
2の例について図7及び図8を参照して説明する。傾斜
搬送方式の第2の例は、傾斜搬送機構により被検査体の
傾斜/揺動動作を制御して、被検査体の容器内壁面に密
着している異物を壁面から離して短時間で容器内部の一
個所に落下させて集中させ、且つ、検査時に容器の形状
の影響を受けにくい場所(例えば、底面近傍の側壁部
側)に沈殿異物を集中させるようにしたものである。以
下に、傾斜搬送方式の第2の例における傾斜動作の制御
例について説明する。
【0036】下部検査部30Cでは、直立姿勢の被検査
体を受入れ、被検査体の底面端部に沈殿異物が集中する
ように、例えば水平面に対する被検査体の底面の角度が
90度となるまで傾斜させる。この傾斜動作だけでは、
前述のように、図7(A)に示す傾斜状態において、底
面壁部1aの気体の領域a1部分に残留している液の表
面張力によって異物2が付着し、落下しない可能性があ
る。そこで、図7(B)に示すように、被検査体の底面
壁部1aが液で満たされる直前の角度まで傾斜角度を変
化させ、この傾斜動作により異物2に対する表面張力の
作用を変化させる。すなわち、この傾斜角度の変化に伴
う表面張力の移動によって、容器の底面壁部1aの隅の
部分に密着していた異物2を容器の底面壁部1aから離
れる方向に移動させる。移動した異物2は、図7(C)
に示すように液中を自然落下し、同図(D)の例のよう
に、表面張力の移動距離に応じた場所に落下する。
【0037】また、上記のように傾斜角度を変化させる
ことで表面張力で付着していた異物2を壁面から離すと
共に、被検査体を揺動させると一層効果的に異物を落下
させることができる。すなわち、図7(A)〜(E)に
示されるように底面形状が曲面を成している場合、容器
の底面壁部1aに異物が接触して摺動状態となり、速や
かに落下しなかったり、途中で停止してしまったりする
可能性がある。そこで、傾斜搬送方式の第2の例では、
例えば図7(C)中に示す異物2がある程度落下した状
態で被検査体を揺動させることによって、底面壁部側か
ら離れる方向に異物を移動させて自然落下させ(図7
(D)参照)、その後、図7(E)に示すように、所定
の傾斜角度まで被検査体を起こして、検査有効視野の領
域に移動させるようにしている。以下に、具体例を示し
て上記傾斜動作及び揺動動作の制御例を説明する。
【0038】下部検査部30Cでは、直立姿勢(傾斜角
度0度)の被検査体を受入れ、図8中のPaの位置で傾
斜を開始し、被検査体の底面の角度が90度となるまで
傾斜させた後(図8中のPbの位置)、被検査体の傾斜
角度を90度から80度に変化させ、この傾斜角度の変
化に伴う表面張力の移動によって、容器の底面壁部の隅
の部分に密着していた異物を容器の底面壁部から離れる
方向に移動させる。そして、図8中のPcの位置で、傾
斜角度を80度から90度(図8中のPdの位置)、9
0度から80度(図8中のPeの位置)へと変化させて
揺動させることにより、摺動状態で落下中の異物を含め
て容器の底面壁部から離れる方向に異物を移動させる。
【0039】そして、図8中のPfの位置まで傾斜角度
80度を保持し、異物を最下部まで自然落下させる。そ
の後、傾斜角度が10度となるまで被検査体を起こし
(図8中のPgの位置)、その傾斜角度を保持して図8
中のPhの位置まで搬送し、容器底面近傍の一箇所(検
査有効視野の領域)に沈殿異物を集中させる。そして、
傾斜角度が80度となるまで徐々に傾斜させて検査エリ
アの位置Piへと搬送し、図8中のPiからPjまでの
検査エリアの区間、その傾斜角度を保持して搬送する。
【0040】なお、上述した傾斜角度、傾斜状態の保持
区間(時間)などの制御情報は、例えば図1に示したF
Aサーバーシステム300内の集中監視/制御用コンピ
ュータ320から、検査用搬送/排除システム100内
の搬送制御装置34にダウンロードすることで、被検査
体の種類などに応じて設定/変更できるようになってい
る。
【0041】次に、傾斜搬送機構32の構成について説
明する。図9は、傾斜搬送機構の一例を側面図で示して
いる。本例では、傾斜搬送用アーム32bを回転テーブ
ル32aの周りに周設し、各傾斜搬送用アーム32bに
より被検査体を把持して上昇させると共に傾斜させて搬
送する構成としている。本例での傾斜搬送用アーム32
bは、支持部材M1により軸支される昇降自在な第1リ
ンクM2と、支点(回動軸)M3の周りに傾動自在な第
2リンクM4とを連結し、この第2リンクM4の端部に
チャックM5を取付けた構成としている。このような構
成において、下部検査部30Cでは、上部検査部30B
から直立姿勢で搬送されてきた被検査体1の頭部を、第
1リンクM2を下降させてチャックM5により把持した
後、第1リンクM2を上昇させると共に第2リンクM4
を所定角度まで傾動させ、前述の傾斜搬送方式の第1,
第2の例で述べたように、被検査体の傾斜動作、揺動動
作を制御し,回転テーブル32aの周りに円弧運動させ
ながら傾斜姿勢で搬送する構成としている。
【0042】このように傾斜搬送用アーム32bを介し
て被検査体1を側方から支持して上昇させ且つ傾斜させ
ることで、被検査体1の側面周囲方向及び底面方向に広
領域の空間を形成することができる。但し、被検査体の
下部の検査では、ガラス片等の沈殿異物の有無を検査す
ることが主要な目的であり、沈殿異物を容器内の一箇所
に集中させてその部分を含む領域を検査すれば、高精度
に沈殿異物を検出することができる。そこで本実施の形
態では、例えば図9に示すように、傾斜した被検査体1
の最下部(液体最深部)若しくはその近傍を受光軸が通
るように撮像カメラ21とライト22を検査エリア(第
1の傾斜搬送方式では図5中のP3−P4の区間内、第
2の傾斜搬送方式では図8中のPi−Pjの区間内)に
配置し、被検査体1の下方から下部領域を撮像して検査
する構成としている。このような配置構成とした場合
は、被検査体の搬送間隔を広く取る必要が無いため、下
部検査部30Cでは、上部検査部30Bと比較して環状
の搬送経路32cの搬送速度を遅くすると共に、被検査
体の搬送間隔を狭めた構成としている。
【0043】さらに、本発明では、撮像カメラ1台当た
りの視野に応じて検査領域を分割し、各分割領域に対応
させて複数台の撮像カメラ21(例えば、図2(A)中
に示すように3台の撮像カメラ21)を配置し、n台の
撮像カメラでn方向から1つの被検査体をそれぞれ同時
に撮像すると共に、複数台若しくは1台の検査機で各撮
像カメラからの映像信号を並行処理することによって、
被検査体の底面部に集中させた沈殿異物を漏れなく高精
度で検査すると共に、高速で検査し得るようにしてい
る。
【0044】ここで、検査視野の分割方法と各撮像カメ
ラの配置例について図10を参照して説明する。図10
は、5mリットルのアンプルを検査する場合を例として
示している。傾斜搬送方式の第2の例では、検査エリア
に搬送されてきた時点では、図10(A)中の符号Aに
示す領域内(アンプル底面から1mmの範囲内で、且つ
中心角120度の側壁部の領域内;円弧の長さが15m
mの範囲内)に異物が沈殿しており、大きな異物であっ
ても少なくともその一部が領域A内に入るようにしてい
る。この場合、検査視野は領域Aの範囲が含まれれば充
分である。広域の視野を有する撮像カメラであれば1台
で可能だが、図10(A),(B)のように検査領域が
曲面の場合には両端側の検査精度が低下してしまう。そ
こで本発明では、図10(A)に示すように、沈殿異物
を集中させた領域の全域を高精度で検査し得るように撮
像カメラ1台当たりの視野及び被検査体の形状(本例で
は側面部の曲率)に応じて検査領域Aをn分割(本例で
はA1,A2,A3に3分割)し、分割領域A1,A
2,A3の部分を、図10(B)に示すように3台の撮
像カメラ21a,21b,21cで同時に撮像する構成
としている。なお、本例ではカメラ1台当たりの検査視
野は5mmとなるが、有効視野6mmのカメラを用い、
左右0.5mmの範囲を重ねて計15mm(検査視野
角:120度)の範囲を3台の撮像カメラで撮像するよ
うにしている。
【0045】このような検査に係る被検査体の情報や各
撮像カメラの情報は、サーバーシステム300内の集中
監視/制御用コンピュータ320で管理しており、集中
監視/制御用コンピュータ320側から検査用基準デー
タをダウンロード等により送信することで、関連する各
装置に設定できるようになっている。
【0046】上述のような構成において、下部検査部3
0Cにおける検査範囲と異物の検出方法を具体例を示し
て説明する。下部検査部30Cでは、基準の液面を示す
マーカーより下部の範囲を主体として検査する。例え
ば、被検査体がガラス製のアンプルの場合、アンプルを
溶着して密閉する段階で混入する異物は、そのほとんど
がガラス片である。そこで、下部検査部30Cでは、撮
像カメラ21からの映像信号を基にガラス片等の沈殿異
物、化学変化により生じた異物等の検査を行い、アンプ
ルの良/不良を判定する。異物の有無は、例えば液体の
基準色に対する色の変化量などから検出する。その際の
判定基準は検査項目毎に設定されており、例えば沈殿異
物の検査では、規定の大きさ(本例では200μm球)
以上の沈殿異物が存在するものを不良と判定する。この
ように、下部検査部30Cでは撮像カメラ21からの映
像信号を入力して、底面部の肉厚の変化量や色の変化量
を求めて基準値と比較し、良/不良を判定してその判定
結果を出力する。その際、不良が検出されたのであれ
ば、検査用搬送/排除装置30に指令して不良品排除機
構30Eにより当該不良品を排除すると共に、不良の要
因を付して検査結果を出力する。
【0047】次に、本発明に係る画像処理方法について
説明する。検査機(画像処理装置)10では、撮像ユニ
ット20により撮像された映像信号を入力し、その信号
レベルと予め設定された検査対象の基準レベルとを比較
することにより液中異物等を検出する。すなわち、飲料
や液剤など検査対象となる液体は、異物が混入していな
い状態では特定波長の光に対してほぼ一定の透過率や反
射率を有するため、撮像した映像信号のレベルもほぼ一
定となる。そこで、その平均値若しくは範囲を基準レベ
ルとして設定しておけば、映像信号の変化量により異物
を検出することができる。
【0048】図11は、上部検査部における被検査体
(本例ではアンプル)の生画面と処理画面とを例示して
おり、図11(A)が良品の画面例、同図(B)が溶着
不良の例、同図(C)が炭化凝結不良の画面例であり、
G1が生画面、G2が処理画面(容器については壁部の
エッジ部分を抽出処理した画面)をそれぞれ示してい
る。また、図12は、下部検査部における被検査体の生
画面と処理画面とを例示しており、図12(A)が良品
の画面例、同図(B)が不良品(沈殿異物としてガラス
片が混入)の画面例であり、G1が生画面、G2が処理
画面(容器については底面部を抽出及び細線化処理した
画面)をそれぞれ示している。
【0049】これらの図11(A)及び図12(A)の
良品の画像例に示すように、例えば、各種の規定を満た
した被検査体(良品)をサンプルとして、そのサンプル
を撮像したときの映像信号のレベルを基準レベルとして
設定しておく。この基準レベルは、上部検査部と下部検
査部での各検査範囲に対応して設定される。そして、各
検査部において、基準レベルに対する急激な映像信号の
変化を検出した場合に、異物が含まれていると判定す
る。その際、検査機10では、撮像カメラ21で走査し
て得たアナログ映像信号を上記基準レベルとの比較対象
とし、アナログ画像を連続的に検査するようにしてい
る。
【0050】本発明では、被検査体に含まれる異物を漏
れなく検出できるように、上述のように撮像カメラ21
で走査して得たアナログ映像信号を入力し、アナログ映
像信号のレベルが急激に変化する部分を強調処理した信
号レベルと、強調処理前の映像信号の波形を高レベル
側、低レベル側にそれぞれ所定の閾値S1,S2分シフ
トして設定されたアナログスライスレベル帯域とを比較
して検査するようにしている。すなわち、時間的に連続
したアナログ画像を走査しながら、標本化及び量子化前
の映像信号を連続的に検査して、上記強調処理後の信号
レベルが上記リアルタイムに設定されたアナログスライ
スレベル帯域内にあるか否かによって、被検査体内部の
液中混入異物をリアルタイムに検出するようにしてい
る。なお、上記強調処理とアナログスライスレベル帯域
の設定処理については波形例を示して後述する。
【0051】次に、上述のような構成において、本発明
システムの動作例を図13のフローチャートに沿って説
明する。なお、ここでは、図1に示すように撮像カメラ
1と検査機(画像処理装置)10とが1対1の対応で設
置されている場合を例として説明する。
【0052】上部検査部30Bと下部検査部30Cに配
設された各撮像カメラ21では、搬送経路31c及び搬
送経路32cの所定の位置をそれぞれ直立姿勢,傾斜姿
勢で通過する被検査体1を撮像する(ステップS1)。
各検査機10では、各撮像カメラ21からの映像信号が
入力されると(ステップS2)、その信号レベルが急激
に変化する部分を強調処理すると共に、強調処理前の映
像信号を基に前述のアナログスライスレベル帯域を設定
し、強調処理後のアナログ映像信号のレベルがアナログ
スライスレベル帯域内にあるか否か検査する。ここで、
撮像カメラ21からの映像信号は、時間的に連続するア
ナログ映像信号であり、ラインセンサであれば各受光素
子の出力信号、2次元エリアセンサであれば例えば水平
走査信号を入力して、上記強調処理後のアナログ映像信
号が上記アナログスライスレベル帯域内にあるか否かを
連続的に検査する(ステップS3)。
【0053】図14(A)、(B)及び(C)は、撮像
カメラ21で走査して得たアナログ映像信号Viの波形
例、強調処理後のアナログ映像信号Vi’の波形例、及
び強調処理後のアナログ映像信号Vi’とアナログスラ
イスレベルVS1,VS2との関係をそれぞれ示してお
り、同図を参照して検査時の動作例を説明する。液体内
にその液体とは光の透過性や反射性が異なる物質が混入
している場合や、被検査体の容器の形状が基準の形状と
異なる場合には、輝度の変化に伴って図14(A)中の
V1,V2,V3の部分(本例は3個所に異物が存在す
る例)のように急激にレベルが変化する。
【0054】検査機10では、映像信号Viを微分して
所定の閾値と比較し、微分値の変化量の大きい部分、す
なわち図14(A)に示すように信号レベルが急激に変
化する部分V1,V2,V3(本例では輝度変化の大き
い部分)の信号を増幅して強調する。この強調処理はリ
アルタイムに行なわれ、図14(B)に示すように強調
処理された信号Vi’を異物等の検査に使用する。その
際、本発明では、図14(C)に示すように原形信号波
形(図14(A)に示される強調処理前の映像信号の波
形)を高レベル側、低レベル側にそれぞれ所定の閾値S
1,S2(本例ではS1=S2)分シフトして第1及び
第2の各アナログスライスレベルVS1,VS2を設定
し、これらのスライスレベル(微分スライスレベル)V
S1,VS2から成るアナログスライスレベル帯域を検
査用の基準レベルとして用いる。
【0055】検査機10の検出部では、上記強調処理後
のアナログ信号レベルがアナログスライスレベル帯域内
にあるか否かを判定し(ステップS4)、アナログスラ
イスレベル帯域外にある場合は不良品と判断し、A/D
変換器を介して不良品としての検査結果(不良検査項目
に対する数値データ等)を出力する。図14の例では、
同図(C)中のP1,P2,P3の部分にそれぞれ不良
品の要素が存在すると判断される。例えば、信号処理中
の領域が被検査体の底面部の領域であれば、沈殿異物が
存在すると判断され、その検出結果が出力される(ステ
ップS5)。
【0056】検査機10の制御部では検出出力を入力
し、不良品を検出したのであれば検査用制御装置25か
ら搬送制御装置34を介して不良品排除機構33に排除
指令ESを送出して搬送経路を切換え、不良品排除部3
0Eから当該不良品を排除する。なお、画像処理検査シ
ステム200内の検査用制御装置25では、同一の被検
査体に対して複数の検査機10から不良品の排除指令を
受けることがあるが、例えば当該位置に不良品が搬送さ
れてきた時点で1つの排除指令(経路切換指令)ESを
不良品排除機構33に対して送出する(ステップS
6)。一方、上記ステップS4において、強調処理後の
アナログ信号レベルがアナログスライスレベル帯域内に
ある場合は良品と判断し、A/D変換器を介して良品と
しての検査結果を出力する(ステップS7)。FAサー
バーシステム300では、各検査機10からの検査結果
のデータを入力し、良品総数,不良検査項目の検査数値
データ等を製造情報に対応させて、各検索要素(製造情
報の各項目,各検査項目など)毎に検索可能にデータベ
ース化して記録する(ステップS8)。上記ステップS
1〜ステップS8の動作は、停止指令が入力されるまで
繰り返され、停止指令が入力されたのであれば(ステッ
プS9)、検査に係る動作を終了し、待機状態とする。
【0057】なお、上述した実施の形態では、被検査体
の頭部を把持して傾斜させ、底面縁部に沈殿異物を集中
させて検査する形態を例として説明したが、異物を集中
させる箇所は底面縁部に限るものではない。また、被検
査体の下部を検査する際に、図10(B)のように分割
された検査領域の部分を(容器底面側の側壁部等)を同
一平面で角度を変えて複数方向から撮像して検査する形
態を例として説明したが、分割された1つの検査領域に
対して2つ以上の異なる方向(容器底面側,斜め下向,
斜め上方等)から撮像して検査する形態としても良い。
【0058】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
、被検査体の搬送及び傾斜/揺動動作を制御して、被
検査体の容器内壁面に密着している異物を壁面から離し
て容器内部の一個所に落下させて集中させ、且つ、検査
時に容器の形状の影響を受けにくい場所に集中させるよ
うにしているので、表面張力等により容器内壁部に密着
している異物を含め、その液中に含まれる微細な異物も
漏れなく検出することができる。また、傾斜搬送機構に
より被検査体を所定区間傾斜させて搬送することで沈殿
物を容器内部の一箇所に集中させ、その集中させた箇所
を検査して沈殿異物を検出するようにしているので、従
来の検出方式では検出が困難であったガラス片等の沈殿
異物を高速且つ高精度で検出することができる。さら
に、被検査体を複数の撮像ユニットにより複数方向から
同時に撮像し、各撮像ユニットからのアナログ映像信号
を並行処理して検査する形態とすることで、より高精度
且つ高速の検査が可能となる。
【0059】さらに、全品検査を可能とし、検出した不
良品は自動的に排除すると共に、検査結果を検査要素毎
に検索可能にデータベース化してリアルタイムに記録す
るようにすることで、工程分析や品質改良等のデータベ
ース解析を即時実行することが可能になると共に、異物
混入などによる危害発生を未然に防止し、製品の一層の
安全保障を図ることが可能になる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る壜類検査システムの全体構成の一
例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る検査用搬送/排除装置の一例並び
に検査用の撮像カメラの配置構成の一例を示す平面図、
及び側面図である。
【図3】本発明に係る上部検査部での搬送方式並びに撮
像ユニットの配置構成の一例を示す平面図である。
【図4】本発明に係る上部検査部での検査範囲の一例を
示す側面図である。
【図5】本発明に係る下部検査部での搬送方式の第1の
例を示す平面図である。
【図6】本発明に係る下部検査部での搬送方式の第1の
例を説明するための図である。
【図7】本発明に係る下部検査部での搬送方式の第2の
例を説明するための図である。
【図8】本発明に係る下部検査部での搬送方式の第2の
例を示す平面図である。
【図9】本発明に係る傾斜搬送機構の一例を示す側面図
である。
【図10】本発明に係る下部検査部での検査視野の分割
方法と各撮像カメラの配置例を示す模式図である。
【図11】上部検査部における被検査体の生画面と処理
画面とを示す図である。
【図12】下部検査部における被検査体の生画面と処理
画面とを示す図である。
【図13】本発明システムの動作例を説明するためのフ
ローチャートである。
【図14】本発明における画像処理方法を説明するため
の図である。
【符号の説明】
1 被検査体 1a 容器底面部 2 異物 10 検査機本体(画像処理装置) 20 撮像ユニット(投受光ユニット) 21 撮像カメラ 22 ライト 25 検査用制御装置 26 操作盤 27 モニタ 30 検査用搬送/排除装置 30A 搬入部 30B 上部検査部 30C 下部検査部 30D 良品搬出部 30E 不良品排除部 31 直立搬送機構 31a 回転テーブル 31b ポケット 31c 搬送経路 32 傾斜搬送機構 32a 回転テーブル 32b 傾斜搬送用アーム M1 支持部材 M2 第1リンク M3 回動軸 M4 第2リンク M5 チャック 32c 搬送経路 33 不良品排除機構 34 搬送制御装置 100 検査用搬送/排除システム 200 画像処理検査システム 300 FAサーバーシステム 310 サーバ 320 集中監視/管理用コンピュータ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体が封入された透光性部材から成る壜
    類を被検査体とし、搬送されてくる前記被検査体を連続
    的に検査する壜類検査システムにおける沈殿異物検出方
    法において、密閉された容器内に液体部と気体部を有し
    直立姿勢で搬送されてくる前記被検査体を水平面に対す
    る底面の傾斜角度が略90度となるまで傾斜させた後、
    前記被検査体の底面壁部が液で満たされる直前の角度ま
    で傾斜角度を変化させ、前記底面壁部の気体の領域部分
    に表面張力により付着している異物を、前記傾斜角度の
    変化に伴う表面張力の移動によって前記底面壁部から離
    れる方向に移動させて沈殿させ、その沈殿異物を検出す
    るようにしたことを特徴とする沈殿異物検出方法。
  2. 【請求項2】 前記異物を沈殿させた後、所定の傾斜角
    度まで前記被検査体を起して前記容器の底面縁部に沈殿
    異物を集中させた箇所を検査して前記沈殿異物を検出す
    るようになっている請求項に記載の沈殿異物検出方
    法。
  3. 【請求項3】 前記被検査体がアンプル壜である請求項
    1又は2に記載の沈殿異物検出方法。
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