JP2004226228A - 溶液中の異物検査方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液剤を収容したバイアルビン10を照明16により下から照射さする。2つのCCDカメラ18a、18bによってバイアルビン10を撮像する。特に、回転前の基準画像A、1回転後の回転後画像B、回転後一定時間経過後の経過後画像Cを取り込み、データ処理装置36により、画像処理し、基準画像Aと、回転後画像Bの比較により大きい異物を検出し、回転後画像Bと、経過後画像Cの比較により小さな異物をバイアルビン10の傷から区別して検出する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液剤が収容された透明容器を透明容器の外から撮影し、得られた画像から液剤への混入異物の有無を検査する液剤への混入異物の検査に関する。
【0002】
【従来の技術】
凍結乾燥製剤は、通常ガラス容器に収容した状態で販売されている。そして、この凍結乾燥製剤についての混入異物の検査は、凍結乾燥前の液剤について行われている。例えば、特許文献1では、凍結乾燥前の凍結乾燥製剤の液剤をガラス容器に収容し、この撮影画像をCCDカメラで撮影し、得られた画像を画像処理して、混入異物を検出している。特に、この特許文献1では、液剤を収容したガラス容器を1回転させ、回転前の画像と、回転後の画像をCCDカメラで撮影する。そして、両画像を比較し、移動している物体を混入異物として検出している。ガラス容器に存在する傷は、回転前後で位置が変化しないため、これを除外して混入異物を検出することができる。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−14049号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例では、回転制御を非常に精度よく行わないと、ガラス容器の傷の位置が両画像で異なってしまうという問題があった。特に、比較的大きな異物は、回転前後でその位置が通常大きく異なるため、ほぼ完全に検出できるが、比較的小さい異物については移動距離が小さい場合が多く、傷との区別が難しかった。特に、混入異物の検出精度はできるだけ高い方がよく、さらに小さな混入異物も傷と区別して検出したいという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、より的確な液剤への混入異物の検査を行うことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液剤が収容された透明容器を透明容器の外から撮影し、得られた画像から液剤への混入異物の有無を検査する液剤への混入異物の検査方法であって、前記透明容器の非回転状態において基準画像撮影し、次に前記透明容器を所定量回転させた後に回転後画像を撮影し、その後所定時間非回転状態においた後の経過後画像を撮影し、得られた基準画像、回転後画像、および経過後画像を比較して、混入異物の有無を判定することを特徴とする。
【0007】
このように、基準画像、回転後画像、および経過後画像の3つの画像を比較して、混入異物の有無を判定するため、大きな異物および小さな異物の両方を透明容器の傷と区別して検出することができる。すなわち、回転によって、大きな異物は透明容器とは異なる動きをするため、基準画像と、回転後画像との比較から大きな異物を容易に検出できる。また、小さな異物は回転終了後も液剤の慣性移動につれて動くため、回転後画像と経過後画像の比較において、小さな異物を透明容器の傷と区別して検出できる。
【0008】
また、前記回転後画像は、前記透明容器を整数回回転して得た前記透明容器をほぼ同一の方向から撮影して得た画像であることが好適である。これによって、透明容器は基本的に同一位置で撮影されることになり、画像の比較が容易になる。
【0009】
また、前記基準画像、回転後画像および経過後画像についてそれぞれ画像認識して液剤中の混入物体を検出し、検出した基準画像の混入物体と、回転後画像における混入物体とを比較して、存在位置が所定量以上離れている混入物体を混入異物として検出し、さらに回転後画像と経過後画像における混入物体を比較し、所定量以上離れている混入物体を混入異物として認識することが好適である。
【0010】
また、本発明は、上述のような方法を実施する装置に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る異物混入検査装置の全体構成を示すブロック図である。凍結乾燥前の液剤が収容された透明容器(バイアルビン)10は、搬送装置12によって搬送され、検査場所14に至る。この検査場所14には、その下方に照明装置16が設けられているとともに、側方に一対のCCDカメラ18a、18bが配置されている。なお、バイアルビン10は、通常ガラス製である。
【0013】
ここで、搬送装置12、検査場所14、CCDカメラ18a、18bの構成について、図2を参照して説明する。なお、図2(イ)は、正面図、(ロ)は平面図である。搬送装置12は、バイアルビン10の首部を両側から支持するレール20a、20bを有している。従って、バイアルビン10の上方エリアには、機器は配置されていない。
【0014】
また、バイアルビン10の一側には、回転用ベルト22が位置し、他側には一対の把持ローラ24a、24bが位置している。すなわち、バイアルビン10の側部を回転用ベルト22、一対の把持ローラ24a、24bにより、水平面内において三点支持しており、バイアルビン10の垂直方向は、レール20a、20bが支持している。
【0015】
また、検査場所14の下方には、LEDやハロゲンランプ等を有する照明装置16が設けられており、バイアルビン10をその底部から照らしている。また、CCDカメラ18a、18bは、水平面より15度程度上方からバイアルビン10内の液剤を撮影するように位置しており、かつ両CCDカメラ18a、18bは、互いに60度程度離れた方向からバイアルビン10の底部の画像を取得する。
【0016】
このように、照明装置16から光は、CCDカメラ18a、18bの方に向けた照射されたものではない。従って、異物による反射光がCCDカメラ18a、18bで撮影される。
【0017】
一対の把持ローラ24a、24bは、搬送ベルト26に固定されており、この搬送ベルト26の移動により、バイアルビン10がレール20a、20bに沿って移動される。そして、回転用ベルト22を搬送ベルト26の移動速度に対し、十分速い速度で、移動させることで、バイアルビン10を回転させることができる。
【0018】
また、検査場所14の手前には、ビン検出装置40が設けられ、検査場所14に進入してくるバイアルビン10を検出し、検出信号をコントローラ30に供給する。CCDカメラ18a、18bは、カメラ駆動機構42によって移動可能になっている。なお、ビン検出装置40は、透過光方式や反射光方式の光学式に検出器が好適である。
【0019】
コントローラ30は、回転用ベルト22と、搬送ベルト26と同じ速度(等速)で移動させて、バイアルビン10を検査場所14へ搬送する。ビン検出装置40がバイアルビン10を検出し、検査場所14にバイアルビン10が進入した場合には、カメラ駆動機構42によって、CCDカメラ18a、18bがバイアルビン10に同期して移動される。なお、CCDカメラ18a、18bは、検査場所14に進入してくるバイアルビン10について、順次撮影するため、検査場所14の入り口付近を原点、出口付近を終点とし、終点に至ったときに原点に復帰し、次のバイアルビン10の撮影に備える。
【0020】
そして、搬送ベルト26の移動方向において、回転用ベルト22を搬送ベルト26の速度に比べ大きな速度で移動することで、バイアルビン10を1回転させる。すなわち、検査場所14において、バイアルビン10を1回転させ、その前後ではバイアルビン10を非回転に維持する。なお、CCDカメラ18a、18bもバイアルビン10の移動に追従して移動することで、バイアルビン10について、同一の方向からの画像を複数得ることができる。
【0021】
なお、回転用ベルト22によって、バイアルビン10は、例えば200〜400rpm程度の回転速度で回転されることが好適である。この場合、1回転に要する時間は、150〜300msec程度になる。また、バイアルビン10の搬送速度は、100本/min程度が適当である。なお、これらの条件は、機械設備の構成によって決定されるものであり、適宜変更される。
【0022】
なお、検査場所14において、回転用ベルト22および把持ローラ24a、24bの移動を一旦停止し、停止状態において、回転用ベルト22を移動させて、バイアルビン10を1回転させてもよい。さらに、バイアルビン10の1回転時の回転用ベルト22の移動方向はバイアルビン10の搬送方向(搬送ベルト26の移動方向)と反対方向としてもよい。また、1回転に限らず、数回転以上としてもよい。なお、整数回の回転でない場合、得られる画像の方向が異なってしまうが、ある程度の差であれば画像処理によって補正が可能であり、必ずしも整数回の回転でなくてもよい。
【0023】
このようにして、検査場所14において、バイアルビン10を1回転させることができ、このときのバイアルビン10内の液剤の画像を一対のCCDカメラ18a、18bによって得ることができる。
【0024】
図1に示すように、一対のCCDカメラ18a、18bにおいて、取得した画像信号は、コントローラ30に供給される。このコントローラ30には、回転用ベルト22を移動させている回転用ベルト駆動機構32も接続されており、コントローラ30がバイアルビン10の回転を制御することができる。後述するように、検査場所14において、コントローラ30は、CCDカメラ18a、18bにより、バイアルビン10の回転前の基準画像Aと、1回転後(直後)の回転後画像B、その後所定時間経過後の経過後画像Cの3つの画像を取得する。なお、回転後画像Bは、液剤40の慣性移動が終了する前に撮影する必要があり、回転停止直後であることが好ましい。
【0025】
コントローラ30には表示装置34が接続されており、CCDカメラ18a、18bによって得られた画像が表示される。また、コントローラ30には、データ処理装置36が接続されており、コントローラ30から供給されるCCDカメラ18a、18bで得られた画像データについて画像認識処理を行う。そして、その画像認識処理の結果に基づき、液剤40中の異物を検出し、異物が検出された場合には、排出装置38に判定信号を送り、異物が検出されたバイアルビン10を搬送系から排出する。また、異物検出結果は、表示装置34にも送られ、ここにおいて表示される。
【0026】
次に、本実施形態における異物検出について、説明する。
【0027】
(i)ガラス容器の回転前の画像(基準画像A)
凍結乾燥製剤の乾燥前液剤を収容した円筒状のガラス容器(バイアルビン)10が検査場所14に非回転状態で至る。そして、下方向より照明装置16にて照射した状態で、非回転状態の画像(回転の前の画像)をCCDカメラ18a、18bで撮影して、基準画像を得る。
【0028】
(ii)ガラス容器の1回転時の画像(回転後画像B)
次に、回転用ベルト22を高速で移動させ、バイアルビン10を正確に1回転させる。コントローラ30が回転用ベルト駆動機構32の回転を制御することで、1回転を制御する。そして、この1回転後の画像をCCDカメラ18a、18bによって得る。なお、CCDカメラ18a、18bをバイアルビン10と追従して移動させることで、基準画像を同一の方向からの画像を得ることができる。
【0029】
(iii)ガラス容器の一定時間後の画像(経過後画像C)
次に、バイアルビン10を非回転状態に一定時間(100msec秒程度)経過した後、CCDカメラ18a、18bの経過後画像を得る。
【0030】
(iv)画像処理
このようにして、基準画像、回転後画像および経過後画像が、CCDカメラ18a、18bにより得られ、これがデータ処理装置36により画像処理される。なお、CCDカメラ18a、18bによって2つの画像が得られ、それらは別々に画像処理され、いずれかにおいて異物が検出された時に、不良と判定するが、ここでは一方の画像についてののみ説明する。
【0031】
図3に、基準画像A、回転後画像B、経過後画像Cの一例を模式的に示す。基準画像Aにおいて、バイアルビン10内には、液剤40が入っている。この例では、バイアルビン10に傷42がある。また、大きい異物44と、小さい異物46が存在している。
【0032】
次に、1回転後の回転後画像Bにおいては、傷42’、大きい異物44’、小さい異物46’の位置は、基準画像Aのそれらの位置と比べると、3つとも動いている。バイアルビン10が正確に1回転であれば、傷42、42’の位置は同一である。しかし、1回転は、必ずしも非常に正確にすることができず、バイアルビン10に付いた傷42、42’の位置は少しズレている。
【0033】
また、液剤40中の大きい異物44、44’、小さい異物46、46’は両方ともその位置が変化しているが、そのずれた量が傷42、42’のずれた量と同等またはそれより少ない変化のものを小さい異物とし、46、46’がそのずれた量である。。
【0034】
傷42、42’のずれ量は1回転時の誤差として予め測定することができ、そこで傷42を異物として認識しないように、所定値以下のずれ量のものは異物から除外する。
【0035】
従って、基準画像Aと回転後画像Bとの比較によっては、大きい異物44のみが異物として認識され、小さい異物46は異物として認識されない。
【0036】
次に、所定時間非回転状態においた後の経過後画像Cと、回転後画像Bとを比較する。回転を停止しても、バイアルビン10内の液剤は慣性によって移動する。従って、液剤中の小さい異物46’は、液剤と共に移動する。従って、経過後画像Cでは、小さい異物46”として認識される。一方、バイアルビン10は回転しないため、傷42’は全く移動しない。すなわち、1回転後の回転後画像Bとその後一定時間後の経過後画像Cとの比較では、機械的な誤差がないため傷42’の移動はなく、同じ位置で同じ大きさで確認でき、逆に小さな異物46’、46”は移動する。そこで、回転後画像Bと、経過後画像Cとの比較に基づいて、移動する物体を検出することで、小さい異物46を傷42から区別して認識することができる。なお、液剤40の移動があっても大きな異物44’、44”は、移動しない場合もあるが、これについては、基準画像Aと、回転後画像Bの比較によって検出できるので問題はない。
【0037】
ここで、この画像処理について、図4に基づいて説明する。基準画像A、回転後画像B、経過後画像Cが入力された場合には、まず前処理を行う(S1)。この前処理S1は、3つの画像の共通するとともに、大きな物体であるバイアルビン10の画像などを除去すると共に、非常に細かな変化であるノイズをカットすると共に、エッジを検出して、特徴を強調するなどの画像補正の処理を行う。これによって、検査対象となる物体が抽出される。
【0038】
S1の前処理を行った基準画像Aと、回転画像Bについての比較処理が行われる(S2)。この比較は、抽出された検査対象物について、その位置(重心)、面積、幅、高さなどを比較し、同一物体か否かを判定することによって行う。
【0039】
そして、その判定結果から、比較時の誤差を考慮して位置ずれ補正を行う(S3)。次に、位置ずれ補正を行い、位置ずれが所定量以下のものは、傷と判定し、位置ずれが所定量以上のものを異物と判定する(S4)。
【0040】
また、S1の前処理を行った回転画像Bと経過後画像Cについての比較処理を行う(S5)。この比較は、S3と同様に、抽出された検査対象物について、その位置(重心)、面積、幅、高さなどを比較し、同一物体か否かを判定することによって行う。
【0041】
そして、その判定結果から、移動のない対象物を傷と判定し、移動した対象物を異物と判定する(S6)。
【0042】
このようにして、2つの画像比較から、異物の検出を行う。これによって、大きい異物および小さい異物をバイアルビン10の傷と正確に分離して検出することができる。
【0043】
(v)画像処理において、異物を検出した場合には、データ処理装置36は、判定信号を排出装置38に送り、異物が検出されたバイアルビン10が系外に排除される。
【0044】
ここで、回転ベルト22の移動、CCDカメラ18a、18bの移動および画像処理を含めた全体処理について、図5のフローチャートに基づいて説明する。
【0045】
まず、検査場所14の手前に設けられたビン検出装置40検出結果に従って、バイアルビン10の進入があったかを判定する(S11)。この判定でYESの場合には、CCDカメラ18a、18bをバイアルビン10の移動に追従させて移動させる(S12)。そして、CCDカメラ18a、18bがバイアルビン10と同じ速度で移動(追従)できているかを判定する(S13)。
【0046】
CCDカメラ18a、18bがバイアルビン10に追従できたときには、その時に基準画像Aを取り込む(S14)。次に、回転用ベルト22を移動させて、バイアルビン10を回転させ(S15)、バイアルビン10が1回転したかを判定する(S16)。1回転した場合には、回転後画像Bを取り込む(S17)。次に所定時間(例えば、100msec)経過したかを判定する(S18)。所定時間経過した場合には、経過後画像Cを取り込む(S19)。
【0047】
このようにして、1つのバイアルビン10に対する3つの画像取り込みが終了した場合には、CCDカメラ18a、18bを原点に復帰させる(S20)。また、取り込んだ3つの画像について、上述のように画像処理を行う(S21)。
【0048】
そして、画像処理の結果から、上述のようにして、異物混入があるか否かの判定を行う(S22)。判定の結果、混入ありの場合には、不良品として系外に排出し、混入なしの場合には良品として凍結乾燥のための次工程に移動させる。
【0049】
そして、S11に戻り、次のバイアルビン10についての検査に戻る。
【0050】
このようにして、この実施形態では、バイアルビン10が検査場所14において移動中に検査を完了することができる。
【0051】
このように、本実施形態によれば、CCDカメラにより異物を検出する。特に、バイアルビン10の下方から光を照射し、異物による反射光を2つのCCDカメラで撮像する。これによって、異物を高解像度で撮影することができると共に、撮影における死角を実質的になくすことができる。
【0052】
また、基準画像A、回転後画像B、経過後画像Cの3つの画像の比較により、異物を検出するため、大きな異物および小さな異物の両方をビンの傷から確実に分離して検出することができる。
【0053】
さらに、凍結乾燥前の製品では上部は未栓であるため、被検製品の上部に機器が配置されないことが望ましいが、本実施形態では、検査のための機器はバイアルビン10の上方には、配置されていない。従って、バイアルビン10の上方エリアを清浄な状態に維持することが容易であり、上部開口(未栓)のバイアルビン10内にほこりなどの異物が落下することを防止できる。
【0054】
また、アンプル、バイアルビン等に充填された液剤中の不溶性異物を検査する高精度全自動検査液機が多くの場で使用されているが、これは検体(被検製品)を高速にて回転する。このため、凍結乾燥前に検査すると、内容液が壁に付着し、凍結乾燥後の外観が悪くなる等の問題があり、また上記のように上部開口(未栓)の場合は、液があふれ出てしまう問題もある。本実施形態では、1回転するだけであって、高速で回転し続ける必要がなく、このような問題が発生しない。
【0055】
さらに、従来、次のような手法が提案されているがそれぞれ欠点がある。
【0056】
すなわち、X線CTでは、X線照射による医薬品の分解等の悪影響が懸念され、またCCDカメラによる画像処理に比べ混入したガラス片の検査精度が低下する。
【0057】
また、超音波では、送受信部からガラス容器までの超音波の伝播に水を使用するこため、エネルギーのロスがあり、検査精度が低下する。
【0058】
「実験」
ここで、本実施形態の装置の効果を確認するために、実験機を用意し、試料として注射用化学治療剤であるネオマイゾン(登録商標:1バイアル中にチアンファニコール1g含有)を用い、これにアルコールと水及び直径50、70、100μmの標準ガラス玉を添加し、検出試験を行った。
【0059】
その結果、本発明によると搬送しながら検査した結果70μmまでのガラス球は不良判定でき、バイアルビンにある傷により検出が妨害されることはなかった。また、実験機では、バイアルビンの搬送とCCDカメラの移動における精度が十分でなかったため、搬送しながらの検出では、直径50μmのガラス玉を十分い検出することができなかった(検出率15%)。しかし、搬送を停止した場合には、検出率100%であり、搬送機構およびカメラ移動機構についての精度を向上することによって、直径50μmのガラス玉についても十分検出が可能であることが確認できた。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基準画像、回転後画像、および経過後画像の3つの画像を比較して、混入異物の有無を判定するため、大きな異物および小さな異物の両方を透明容器の傷と区別して検出することができる。すなわち、回転によって、大きな異物は透明容器とは異なる動きをするため、基準画像と、回転後画像との比較から大きな異物を容易に検出できる。また、小さな異物は回転終了後も液剤の慣性移動につれて動くため、回転後画像と経過後画像の比較において、小さな異物を透明容器の傷と区別して検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態の検査場所における側面図およびは平面図である。
【図3】ガラス容器の回転する前の基準画像Aと、1回転後の回転後画像Bと、さらに一定時間経過後の経過後画像Cの状態を示す図である。
【図4】画像処理のフローチャートである。
【図5】処理全体のフローチャートである。
【符号の説明】
10 バイアルビン、12 搬送装置、14 検査場所、16 照明装置、18a,18b CCDカメラ、20a,20b レール、22 回転用ベルト、24a,24b 把持ローラ、26 搬送ベルト、30 コントローラ、32 回転用ベルト駆動機構、34 表示装置、36 データ処理装置、38 排出装置、40 液剤、42 傷、44 大きい異物、46 小さい異物。
Claims (10)
- 溶液が収容された透明容器を撮影し、得られた画像から溶液中へ混入した異物有無を検査する溶液中の異物検査方法であって、
前記透明容器の非回転状態において基準画像撮影し、
次に前記透明容器を所定量回転させた後に回転後画像を撮影し、
その後所定時間非回転状態においた後の経過後画像を撮影し、
得られた基準画像、回転後画像、および経過後画像を比較して、混入異物の有無を判定することを特徴とする溶液中の異物検査方法。 - 請求項1に記載の方法において、
前記回転後画像は、前記透明容器を整数回回転して得た前記透明容器をほぼ同一の方向から撮影して得た画像であることを特徴とする溶液中の混入異物検査方法。 - 請求項1または2に記載の方法において、
前記基準画像、回転後画像および経過後画像についてそれぞれ画像認識して溶液中の混入物体を検出し、検出した基準画像の混入物体と、回転後画像における混入物体とを比較して、存在位置が所定量以上離れている混入物体を混入異物として検出し、さらに回転後画像と経過後画像における混入物体を比較し、所定量以上離れている混入物体を混入異物として認識することを特徴とする異物検査方法。 - 溶液が収容された透明容器を撮影し、得られた画像から溶液中の異物の有無を検査する溶液の異物検査装置であって、
前記透明容器を回転させる回転手段と、
前記透明容器を介し内部の溶液についての画像を撮影する撮影手段と、
前記回転手段および前記撮像手段を制御するとともに、前記撮像手段により得た画像を処理して混入異物を検出する制御処理手段と、
を有し、
前記制御処理手段は、前記透明容器の非回転状態において前記撮影手段により基準画像撮影させ、
次に前記回転手段により前記容器を所定量回転させた後に前記撮影手段により回転後画像を撮影させ、
その後所定時間非回転状態においた後に前記撮影手段により経過後画像を撮影させ、
得られた基準画像、回転後画像、および経過後画像を比較して、混入異物の有無を判定することを特徴とする溶液中の異物検査装置。 - 請求項4に記載の装置において、
前記制御処理手段は、回転後画像を撮影するに当たって、前記回転手段により、前記透明容器を整数回回転して同一の回転位置に停止させることを特徴とする溶液中の異物検査装置。 - 請求項4または5に記載の装置において、
前記制御処理手段は、
前記基準画像、回転後画像および経過後画像についてそれぞれ画像認識して溶液中の混入物体を検出し、検出した基準画像の混入物体と、回転後画像における混入物体とを比較して、存在位置が所定量以上離れている混入物体を混入異物として検出し、さらに回転後画像と経過後画像における混入物体を比較し、所定量以上離れている混入物体を混入異物として認識することを特徴する溶液中の異物検査装置。 - 請求項4〜6のいずれか1つに記載の装置において、
前記回転手段は、
前記透明容器の中間部の周面を一方向側から回転可能に保持する複数の保持ローラと、
前記透明容器の中間部の周面を他方向側から保持し、独立して移動可能な回転用ベルトと、
を有し、
前記保持ローラと回転用ベルトで前記透明容器を挟持し、その状態で回転用ベルトを前記保持ローラに対し相対的に移動させることで、前記透明容器を回転させることを特徴とする溶液中の異物検査装置。 - 請求項7に記載の装置において、
前記保持ローラと回転用ベルトを共に移動することで、前記透明容器を搬送することを特徴とする溶液中の異物検査装置。 - 請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法または装置において、
前記溶液が、注射剤などの薬剤であることを特徴とする溶液中の異物検査方法または溶液中の異物検査装置。 - 請求項1〜9のいずれか1つに記載の方法または装置において、
前記溶液が、凍結乾燥製剤の乾燥前の液剤であることを特徴とする溶液中の異物検査方法または溶液中の異物検査装置。
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2003
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