JP3071952B2 - 位置検出装置 - Google Patents

位置検出装置

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JP3071952B2
JP3071952B2 JP4194509A JP19450992A JP3071952B2 JP 3071952 B2 JP3071952 B2 JP 3071952B2 JP 4194509 A JP4194509 A JP 4194509A JP 19450992 A JP19450992 A JP 19450992A JP 3071952 B2 JP3071952 B2 JP 3071952B2
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健二 上村
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  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動体の位置検出装置
に関し、特に、農業および土木作業に使用される自走式
機械や工場内で使用される自動搬送装置などの、移動体
の位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、移動体の現在位置を検出する装置
として、移動体で発生された光ビームを移動体を中心と
して円周方向に走査する手段と、移動体から離れた少な
くとも3か所に固定され、入射方向に光を反射する光反
射手段と、この光反射手段によって反射された光を受光
する受光手段とを具備した装置が提案されている(特開
昭59−67476号公報)。
【0003】この装置では、移動体つまり観測点から見
た前記3つの光反射手段相互間の開き角を前記受光手段
の出力信号に基づいて検出する。そして、検出された開
き角とあらかじめ設定されている各光反射手段の位置を
表す情報(位置情報)とから移動体の位置を演算するよ
うに構成している。
【0004】上記の装置では、基準点である光反射手段
の位置情報のわずかな誤差によっても、システム全体の
制御精度に悪影響が生じる。したがって、例えば農地で
の作業では、作業区域が変わるごとに、作業に先立って
光反射手段の位置情報、すなわち各光反射手段相互の距
離および相対角度を正確に測定し、その結果を制御装置
に入力しなければならなかった。農地のような広い作業
区域に設置された各光反射手段相互の距離や相対角度を
正確に測定し、それを入力するというのは極めて大変な
作業であった。
【0005】これに対し、本出願人は、上記位置情報の
測定および入力作業を簡略化することができる装置を提
案した(特開平1−287415号公報)。この装置で
は、自走車から出た光ビームを走査し、この光ビームの
光反射手段からの反射光を検出する。そして、この反射
光検出信号に基づいて算出される自走車および光反射手
段間の距離と、自走車から見た光反射手段の方位角とに
よって各光反射手段相互の距離や相対角度を正確に測定
し、かつそれを入力する作業を自動的に行えるようにし
ている。
【0006】ところで、光反射手段相互間の距離や相対
角度を測定する装置が設置される場所、例えばこの装置
を搭載した自走車が走行する作業区域は必ずしも平坦で
はない。したがって、前記距離や方位角を測定するため
に自走車が置かれた場所の地形によっては、一方向つま
り水平方向でのみ光ビームを回転走査しても、この光ビ
ームを光反射手段に照射させることができない場合があ
る。
【0007】このような不具合を解消するための対策と
して、光ビームを水平方向の回転走査に加えて上下方向
にも揺動走査することが考えられる。しかし、上下方向
にも光ビームを揺動させる方式になると、この上下方向
の揺動走査と水平方向の回転走査との周期や上下方向の
走査幅の設定の関係上、光反射手段があるはずの方位に
向けて光ビームを照射しても、上下方向の投射角度の違
いで光ビームを光反射手段に投射できない場合がある。
このため、特に運転開始に先立っての基準点の位置検出
に大変手間がかかるという問題点が生じる。
【0008】上記の不具合を解消するため、本出願人は
特願平3−126511号において次のような位置検出
装置を提案している。この装置では、走行に先立って、
まず、それぞれの光反射手段からの反射光を受光手段で
頻繁に検出できる各光反射手段毎の方位角および揺動方
向すなわち上下方向の投射角度を検出し、自走車と各光
反射手段との距離を測定するにあたっては、上述のよう
に各光反射手段へ光ビームを照射し易い方向として検出
された方位角および投射方位の組み合わせの方向に光ビ
ームの投射方向を順次固定して光ビームを投射し、この
光ビームの反射光に基づいて自走車および光反射手段間
の距離を測定している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記位置検
出装置のように各光反射手段からの反射光を受光し易い
方向へ光ビームを正確に投射させるためには、方位角の
基準と揺動方向の基準とを一致させておく必要がある。
具体的には、例えば、方位角の基準が自走車の直進方向
に合わせてあるという前提のもとで、揺動方向が自走車
の直進方向と一致しているときに、揺動方向検出手段と
してのエンコーダから揺動方向の基準を示す信号(揺動
基準信号)が出力されるようにエンコーダを位置調整し
て取付けなければならない。
【0010】すなわち、揺動方向が自走車の直進方向と
一致しているときに、揺動方向が最下方に向いているこ
とを示す信号がエコーダから出力されるようにする。
【0011】前記方位角の基準と揺動方向の基準とが一
致していないと、光の投射方向の上下角度検出信号と実
際の投射角度とはずれているため、このずれを放置した
ままでは反射光の受光範囲を仮に検出できたとしても、
この範囲内でどこが確実な光照射のための最適なポイン
トであるかが判別できない。
【0012】したがって、光の投射方向の上下角度検出
信号からでは自走車および光反射手段間の距離を測定す
るための光ビームを高い確率で光反射手段に照射するこ
とは難しい。
【0013】しかしながら、各構成部品のばらつき等を
考慮した上で、前記エンコーダを正確に取付ける作業は
極めて難しく、さらに精度の高い高価な専用治具を必要
とするという問題点があった。
【0014】本発明の目的は、上記の問題点を解消し、
エンコーダ取付け精度あるいは部品のばらつきが前記距
離測定のための光ビーム照射精度に悪影響を与えないよ
うにできる移動体の位置検出装置を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決し、
目的を達成するために、本発明は、移動体を中心として
光ビームを円周方向に回転走査させつつ、この回転走査
の軸を略円錐形状の軌跡を描かせて揺動させることによ
って前記光ビームが上下方向に1サイクル揺動される間
に複数回の回転走査をさせるように構成した光ビーム走
査手段を具備し、移動体位置検出用に配置された光反射
手段のうちの1本に光ビームの上下方向走査幅の両端部
のうちの一端部のみが重なるようにし、かつ前記移動体
を、その直進方位が前記1本の光反射手段に向くように
セットした状態で、前記光ビーム走査手段による光ビー
ムの走査によって前記1本の光反射手段から連続的に受
光する反射光の受光範囲の中間点における揺動方向と前
記移動体の直進方位とのずれを算出し、これを揺動ずれ
補正値として不揮発性の記憶手段に記憶するように構成
すると共に、基準点位置計測に際しては、同一方位の光
反射手段からの反射光を受光できる揺動範囲を前記揺動
ずれ補正値で補正された揺動方向に基づいて算出し、こ
の受光揺動範囲に基づいて、該光反射手段へ光ビームを
照射するのに適した揺動方向を決定し、この揺動方向に
投射した光ビームの反射光検出信号によって移動体およ
び光反射手段間の距離を測定するように構成した点に特
徴がある。
【0016】
【作用】上記の特徴を有する本発明は次のように作用す
る。本発明の予備段階では、方位角の基準と移動体の直
進方位との位置関係は一致させておく。そしてこの前提
のもとで、光ビームの揺動方向の基準を前記移動体の直
進方位に一致させるように補正値を決定するようにして
いる。
【0017】そこで、前記補正値の決定に際しては、光
反射手段のうち1本だけを検出できるような状態にし、
かつ移動体を、その直進方向が該光反射手段に向くよう
にセットし、さらに光反射手段のうちの1本に光ビーム
の上下方向走査幅の両端部のうちの一端部のみが重なっ
て反射光を受光できるようにしてある。その結果、光ビ
ームの走査によって光反射手段からの反射光が連続的に
検出されている期間の中間点、すなわち光ビームが上下
方向走査幅の上限または下限に投射されているときの揺
動方向と移動体の直進方向との差が揺動ずれ補正値とし
て検出され、この補正値によって揺動方向の基準が前記
移動体の直進方位と一致するように補正される。
【0018】
【実施例】以下に、図面を参照して本発明の一実施例を
説明する。図3は本発明の位置検出装置を搭載し、所定
の領域を走行する自走車を示す斜視図である。図3にお
いて、移動体としての自走車1が走行している領域の周
囲には、入射した光をその入射方向に反射する反射面を
有する光反射器(以下、単に反射器という)6a〜6d
が配設されている。反射器6a〜6dの反射面には、コ
ーナキューブプリズム等周知の光反射手段が使用されて
いる。自走車1は、例えばその下面に、図示しない芝刈
作業用のカッタブレードを有する芝刈り機である。自走
車1の上部には、光ビーム走査装置(以下、単に走査装
置という)2が搭載されている。この走査装置2は、光
ビーム2Eを発生する発光器、および前記反射器6a〜
6dで反射された光ビーム2Eの反射光2Rを受ける受
光器を有する。発光器は発光ダイオードを有し、受光器
は入射された光を電気的信号に変換するフォトダイオー
ドを有している。発光器および受光器はケーシング3に
収容されている。
【0019】ケーシング3内の発光器から上方に発射さ
れた光ビームは回転ミラー(以下、単にミラーという)
4で直角方向に屈折反射されることによって方向転換さ
れて走査装置2から外部に投射される。ミラー4はモー
タ5によって回転中心軸8のまわりで矢印17の方向に
回転され、このミラー4の回転によって光ビーム2Eは
回転中心軸8を中心にして矢印R方向に回転走査され
る。ミラー4の回転位置で決まる光ビーム2Eの投射方
向すなわち基準方向からの回転角度はモータ5に取付け
られたエンコーダ7で検出される。
【0020】走査装置2は、光ビーム2Eの上下方向の
投射角度を連続変化して揺動走査させるためのジンバル
揺動機構(以下、単に揺動機構という)を有している。
この揺動機構は、ブラケット9の軸12およびブラケッ
ト10の図示しない軸に対して揺動自在に軸支された外
側リング部材11と、この外側リング部材11の内側に
設けられた内側リング部材14とを有する。この内側リ
ング部材14は、前記外側リング部材11の支軸の延長
線と直交する線上で外側リング部材11に設けられた軸
13およびこの軸13と対向する位置に設けられた他方
の軸20(図2に示す)によって揺動自在に軸支されて
いる。
【0021】ミラー4の回転中心軸8は垂直から角度φ
だけ傾斜するように設定されており、かつその傾斜方向
(以下、揺動方向という)は、該揺動機構が揺動駆動用
のモータ15で駆動されることによって連続的に変化
し、矢印17aで示すように回動する。その結果、光ビ
ーム2Eの回転走査による走査面の角度、すなわち光ビ
ーム2Eの投射方向は上下方向に連続的に変化して揺動
走査が行われる。
【0022】次に、前記走査装置および揺動機構の揺動
駆動装置について詳述する。図2は自走車1に搭載され
た走査装置2の要部断面図であり、図3と同符号は同一
または同等部分を示す。ミラー4は台座4aを介してモ
ータ5の軸の一端5aに取付けられていている。一方、
モータ5の軸の他端5bは連結金具19によってエンコ
ーダ7の軸7aと連結されている。エンコーダ7の出力
パルスは図示しない制御装置に送信され、ミラー4の回
転角度や回転数の演算に供される。
【0023】前記ミラー4の台座4aには吸着板34が
設けられている。この吸着板34は、磁性体、例えば鉄
で作られている。電磁石16が付勢されることによって
吸着板34は電磁石16に吸着され、電磁石16が付勢
された任意のタイミングでミラー4の停止位置が固定さ
れる。
【0024】内側リング部材14の下面にはケーシング
3が取付けられている。このケーシング3の取付手段は
図示していないが、ボルト締めなど、周知の締結手段を
適宜使用すればよい。
【0025】自走車1の上面に取付けられた軸受21に
は軸22が挿通されており、この軸22の一端には小円
盤23、他端には大円盤24が固結されている。小円盤
23には軸22に対して偏心した位置に偏心軸23aが
突設され、大円盤24には軸22に対して偏心した位置
に偏心軸24aが突設されている。偏心軸23aおよび
偏心軸24aの偏心方向は互いに90度ずらしてある。
【0026】揺動用モータ15の軸15aは前記軸22
と一直線上に配置してあり、かつ軸15aにはL字形状
のブロック32が固結されている。つまり、偏心軸23
a,24aは軸15aに対しても軸22に対する偏心量
と同じだけ偏心していて、モータ15の軸15a、偏心
軸23a、軸22、および偏心軸24aはクランク軸を
形成している。揺動用モータ15による回転軸15aの
回転はブロック32によって偏心軸23aに伝達され、
軸22が回転する。その結果、偏心軸24aも軸22を
中心に回転する。
【0027】偏心軸23aは外接リング23bに対して
回転自在に嵌挿されており、この外接リング23bには
ブロック25が揺動自在に軸支されている。このブロッ
ク25は連結ボルト26によって内側リング部材14に
突設された軸(図示しない)を受ける球面軸受27と連
結されている。
【0028】このように、小円盤23と内側リング部材
14とが連結されているので、小円盤23に対する偏心
軸23aの回転運動は、軸13,20を中心とする内側
リング部材14の上下方向の揺動運動に変換される。
【0029】一方、大円盤24に突設された偏心軸24
aは球面軸受28で受けられている。外側リング部材1
1には軸29が突設されていて、この軸29によって球
面軸受30が支承されている。球面軸受28と球面軸受
30とは連結ボルト31で連結されている。このような
構成により、外側リング部材11も、内側リング部材1
4と同様、前記軸12(図3参照)およびこれと対向す
る位置の軸(図示しない)を中心として揺動される。
【0030】前記外側リング部材11および内側リング
部材14の揺動が合成されると、内側リング部材14に
取付けられている走査装置2のミラー4の回転中心軸8
が、両リング部材11および14のそれぞれの揺動中心
軸の交点を中心にして、前記傾斜角度φを有して旋回す
る。この旋回による回転中心軸8の軌跡は、前記交点を
頂点とする円錐の側面(以下、単に円錐という)とな
る。前記発光器および受光器を収容しているケーシング
3も、内側リング部材14の下面に取付けられているの
で、この内側リング部材14と一体となって揺動する。
【0031】連結ボルト26の両端には互いに逆方向の
ねじが切られていて、連結ボルト26を回転させると、
この連結ボルト26はブロック25および球面軸受け2
7に対して進退し、球面軸受27とブロック25との連
結長さを調節することができる。連結ボルト31も、連
結ボルト26と同様、この連結ボルト31が螺入されて
いる球面軸受28,30との連結長さを調節するもので
ある。
【0032】前記大円盤24には薄円盤24bが設けら
れ、この薄円盤24bにはこれを跨いで揺動基準検出用
のセンサ33が設けられている。例えばセンサ33は金
属検知センサまたは光透過型センサであって、薄円盤2
4bの円周の予定位置にスリットを穿設しておくことに
より、センサ33から出力される前記スリットの検出信
号に基づいて揺動の基準位置が検出できる。
【0033】モータ15の後部には、このモータ15の
回転位置を検出するためのエンコーダ35が付設されて
いる。このエンコーダ35の出力信号と、センサ33の
出力信号とによってミラー4の回転中心軸8の傾き方
向、すなわち揺動方向を検出できる。
【0034】なお、回転中心軸8の揺動方向を検出する
手段は、エンコーダ35とセンサ33とを用いるものに
限らない。例えば、薄円盤24bに、前記基準位置検出
用のスリットとは別に薄円盤24bの回転量検出用のス
リットを穿設し、2つのセンサによってこれら2種類の
スリットをそれぞれ検出するようにしてもよい。また、
エンコーダ35からモータ15の回転量と回転基準位置
とを示す信号の双方を取出すように構成してもよい。
【0035】なお、光ビームを上下方向にむらなく走査
し、その反射光の受光処理を簡単にするためには回転中
心軸8の揺動軌跡は円錐であるのが望ましいが、必ずし
も円錐でなくとも底面が円以外の錐であってもよい。例
えば、前記偏心軸23aおよび24aの偏心量を変化さ
せ、外側リング部材11と内側リング部材14のそれぞ
れの最大傾斜角度が異なるようにすれば、回転中心軸8
の揺動によって描かれる軌跡は楕円錐となる。
【0036】本実施例ではこの揺動軌跡がほぼ円錐とな
るよう、つまり、外側リング部材11と内側リング部材
14のそれぞれの最大傾斜角度が同じになるように偏心
軸23aおよび24aの偏心量を設定している。
【0037】なお、本実施例では外側リング部材11お
よび内側リング部材14を1つのモータで駆動するよう
にしたが、それぞれのリング部材を別個のモータで駆動
するようにしてもよい。その場合、各モータは回転中心
軸8が所望の錐形状を描くように、同期させて回転させ
るのはもちろんである。
【0038】次に、図4を参照して本実施例の走査装置
による光ビームの光跡について説明する。図4は前記ミ
ラー4を中心とした一定の半径を有する仮想の円筒面に
描かれた光跡をモデル化して示している。
【0039】図示のように、前記走査装置2から投射さ
れた光ビーム2Eは、ミラー4の回転中心軸8が円錐運
動をすることにより、前記想定された円筒面上に網目状
の光跡を描く。本実施例では、ミラー4の回転数を27
00rpm、回転中心軸8の揺動回数つまり軸22の回
転数を90rpmとしたので、回転中心軸8が円錐状に
1回転する間にミラー4自体は30回転する。すなわ
ち、回転中心軸8が円錐を描いて1回転する間に、円筒
面上の任意の垂直線18を30本の光跡が横切る。この
ように、回転中心軸8が円錐を描いて1回転する周期よ
りミラー4が1回転する周期の方を十分に短くすること
によって、きめ細かいピッチの回動走査軌跡を描かせる
ことができる。このきめの細かい回動走査によって、回
転中心軸8が円錐運動を1回行う間に少なくとも1回は
反射器6を光跡が横切るようになり、反射器6による反
射光を確実に検出できる。なお、図4では、繁雑さを回
避し、作図を容易にするため、光跡の本数は実際よりも
少なく記載してある。
【0040】次に、走行領域内における自走車1の位置
および進行方向を検知するための基本的原理を説明す
る。図5および図6は、自走車1の走行領域を示す座標
系における自走車1および反射器6a〜6dの位置を示
す図である。同図において、反射器6a〜6dの配置位
置、つまり基準点A,B,C,D,および自走車1の位
置T(Xp,Yp)は、基準点Bを原点とし、基準点B
およびCを結ぶ直線をx軸とするx−y座標系で表され
る。
【0041】図示のように、自走車1の位置Tは、三角
形ATBの外接円上に存在すると同時に、三角形BTC
の外接円上に存在する。したがって、自走車1の位置
は、これら2つの三角形の外接円QおよびPの交点を算
出することによって求められる。外接円QおよびPの2
つの交点のうち、一方の交点は基準点Bつまり原点であ
るから、他方の交点が自走車1の位置ということにな
る。このような原理に従って自走車1の位置を求める算
出式は、本出願人がすでに出願している特開平1−28
7415号および特開平1−316808号公報に詳細
が示されている。
【0042】また、自走車1の進行方向は次式を用いて
算出される。図6において、自走車1の進行方向とx軸
とのなす角度をθf、進行方向を基準とした基準点Cの
方位角をθc、基準点Cのx座標をxc、自走車1のy
座標をYpとした場合、 θf=360°−tan-1{Yp/(xc−x)}−θc………(1) となる。
【0043】次に、上記公報に記載された算出式を用い
て得られる自走車1の位置、および算出式(1)を用い
て求められた進行方向に基づいて行われる自走車1の操
向制御について図を参照して説明する。図7は自走車1
と基準点A〜Dとの位置関係を示す図である。
【0044】自走車1は基準点Bの近くのスタート位置
から走行を始め、予定の走行コース36を走行してホー
ムポジション63に戻るものとする。走行コースは間隔
Lで互いに平行に設定された直進行程と、各直進行程を
つなぐ旋回行程とからなる。自走車1は直進行程を走行
した後、y座標がYtnまたはYtfに達した位置で、
操舵角度を一定の値に固定して旋回行程を走行し、隣接
する次の直進行程に移行する。そして、直進行程のx座
標が最終のx座標Xendを超過した場合、その直進行
程走行後、最終旋回行程を経てホームポジション63に
戻る。
【0045】なお、図7においては、説明を簡単にする
ため、各基準点A,B,C,Dが矩形の頂点に配置され
るようにした上で直進行程は基準点AとBとを結ぶ直線
つまりy軸と平行にしたが、基準点A〜Dを走行コース
の周囲に配置してあれば、走行コース36は任意に設定
することができる。
【0046】続いて、フローチャートを参照して制御手
順を説明する。以下のフローチャートで使用される各種
パラメータ(記号)の意味は次のとおりである。 θ(n)…受光信号に基づいて決定された方位角、 θq(n)…予測方位角、Cg(i)…検出ブロック別
受光回数、 Am(i)…検出ブロック別検出方位角、 Cp(n)…基準点nの受光回数、Ap[n,I]…基
準点nの受光方位角、 As[n,I]…基準点n検出時の揺動方向、 Cm[n,I]…基準点n検出時のミラー回転数カウン
タ値、 Aps(k)…受光回数がしきい値以上の検出ブロック
を代表する方位角、 Aps(n)…Aps(k)を小さい順にn=1〜4に
セットした方位角、 i…検出ブロックの番号、 j…受光回数が第1のしきい値以上の検出ブロックの
数、 k…受光回数が第2のしきい値以上の検出ブロックの
数、 I…ミラー4を予定数回転させて基準点nを検出した時
の揺動方向の記憶順を示す番号、 J…ミラー4を予定数回転させたときの基準点nの連続
検出回数、 K…ミラー4を予定数回転させたときの基準点nの連続
検出回数の最大値、 e…連続検出回数の最大値が発生したときの揺動方向の
記憶順を示す番号の最後の番号、 Asc(n)…基準点nを高い確率で捕捉できる揺動方
向、 Ac(n)…直進処理において受光信号に基づいて決定
された方位角、 θt(n)…旋回解除のための基準点nのターン解除角 まず、図8のゼネラルフローチャートを参照して操向制
御の全体を説明する。同図において、ステップS1で
は、モータ5を起動してミラー4を回転させると共に、
モータ15を起動して前記ミラー4の回転中心軸8を回
動させる。ここでは、基準点A〜Dに設置された反射器
6a〜6dに、光ビームを確実に照射させられるように
モータ15は低速で回転させる。
【0047】ステップS2では、エンコーダ出力補正モ
ードか否かを判断する。この判断は、補正モード選択ス
イッチ(図示せず)がオンかオフかによって判断する。
当該自走車1によって初めて行われる作業においては、
補正モードを選択してエンコーダ出力を補正する必要が
あるので、前記選択スイッチはオン側に設定しておく。
【0048】なお、この選択スイッチをオン側に設定す
る場合には、反射器6a〜6dのうちの1本だけから反
射光が受光できるように別途処置しておく。この選択さ
れた1本を、以下補正用ポールと呼ぶ。例えば4本のう
ち補正用ポールを除く3本の反射器を適当なカバーによ
って覆っておくか倒しておくかして補正用ポールにだけ
光ビームが照射され、その反射光が受光器で検出される
ようにする。さらに、走査装置2から投射された光ビー
ムのうち、その上下方向走査幅の全体(=両端)ではな
く上限または下限の所定範囲(=一端部幅のみ)が前記
補正用ポールの反射面に照射されるように走査装置2と
補正用ポールの高さ方向の相互位置関係を設定してお
く。また、自走車1の直進方位が該補正用ポールに向く
ように配置しておく。具体的には補正用ポールの上半分
を隠したりあるいは光センサの上方部分を目隠ししたり
する。
【0049】前記スイッチがオン側へ設定されているこ
とが検出されると、ステップS2の判断は肯定となって
ステップS3に進む。以下、ステップS3〜ステップS
9の処理を補正モードの処理という。
【0050】該補正モードの処理において、ステップS
3では、ミラー4の回転検出用エンコーダ7の出力補正
値すなわち方位角補正値を記憶するためのメモリ領域を
クリアする。ステップS4では、回転中心軸8の傾斜方
向すなわち揺動方向の検出用エンコーダ35の出力補正
値を揺動補正値として記憶するためのメモリ領域をクリ
アする。
【0051】ステップS5では、補正用ポールに対する
イニシャルポール識別処理を行う。補正用ポール以外の
発光物体からの光ノイズを検出することもあるので、こ
のイニシャルポール識別処理では、それらの受光信号の
中から補正用ポールの反射光受光信号を特定し、その入
射方位角を検出して補正用ポールの方位角Apsとす
る。このイニシャルポール識別処理の詳細は図12に関
して後述する。ステップS6では、前記方位角Apsを
方位角補正値としてメモリに格納する。
【0052】ステップS7では、揺動補正量計測処理を
行う。この処理では、揺動方向と自走車1の直進方向と
が一致したところで揺動方向検出用エンコーダの基準信
号が得られるようにするための補正量を計測する。すな
わち、後述のポール位置計測処理において各基準点6a
〜6dと自走車1との距離を測定するために、光ビーム
を基準点6a〜6dに対して容易にしかも確実に照射さ
せる必要がある。そのためには揺動方向と自走車1の進
行方向とが一致したところで揺動方向検出用エンコーダ
35の基準信号、すなわち図2に示した構成ではセンサ
33の出力信号が得られるようにする必要がある。この
必要性から該ステップS7の処理を行う。なお、この揺
動補正量計測処理の詳細は図15に関して後述する。
【0053】ステップS8では、先の揺動補正量計測処
理で得られた補正量を揺動補正値としてメモリに格納す
る。ステップS9では、補正モードの処理をすべて終了
したことを示すため、表示手段としてのLEDを点灯す
る。
【0054】このLED表示を認識したならば、オペレ
ータは補正モード選択スイッチをオフ側に切換える。ま
た、これと同時に補正用ポール以外の反射器からも反射
光を得られるように処置をする。すなわちカバーをはず
したり、倒しておいた反射器を立てて元に戻したりす
る。
【0055】補正モード選択スイッチがオフ側に切換え
られた後は、ステップS2の判断は否定となってステッ
プS10に進み、通常の走行モードの処理を開始する。
【0056】該通常モードの処理において、まずステッ
プS10では、イニシャルポール識別を行う。ここで
は、先の補正用ポールに関するイニシャルポール識別処
理とは異なり、後述するように走行領域の周囲に設置さ
れたすべての反射器6a〜6dに関してイニシャル方位
角を決定するイニシャルポール識別処理を行う。
【0057】ステップS11では、自走車1から基準点
A〜Dまでの各距離を測定して各基準点の位置つまり前
記x−y座標系における基準座標値を計算するポール位
置計測処理を行う。
【0058】ステップS12では、ステップS11とス
テップS12で算出された各基準点の方位角および座標
値に基づき、現在の自走車1の位置座標(Xp,Yp)
を算出する。ステップS13では、現在の自走車1のx
座標Xpを第1番目の直進行程のx座標Xrefとして
セットする。但し、このセットは、自走車1が走行作業
開始位置にある場合の動作である。
【0059】ステップS14では、モータ5および15
を所定の速度で回転させてミラー4を回転および揺動さ
せる。ステップS15では、自走車1のエンジン回転を
駆動輪に接続して走行を開始させる。
【0060】自走車1の走行を開始させた後は、自走車
1の自己位置(Xp,Yp)および進行方向θfを算出
し、この算出結果と前記走行コース36との差を修正す
るように自走車1の操舵輪の操舵角を変更する操向制御
を行う(ステップS16)。この操向制御は本発明とは
直接関係ないので詳細の説明は省略する。なお、この操
向制御については特願平3−126511号に詳細が記
載されている。
【0061】次に、本実施例の動作に共通する反射光受
光処理について説明する。この反射光受光処理では、受
光器で検出する光信号のうち、反射器6a〜6dからの
光信号を特定するための処理を行う。そのために、まず
受光器の検出データを記憶する。この検出データの記憶
に際しては、エンコーダ7の出力信号に基づいて得られ
る光信号の受光角度すなわち方位角がほぼ同一のものは
同一反射器もしくは同一発光物体からの光の検出信号で
あるとみなす。そして、同一またはほぼ同一の方位角か
ら入射した光信号の受光データは、1つのグループに記
憶する。以下、このグループを検出ブロックという。該
検出ブロックの数は反射器の数とその他の反射物体の数
との合計値になり、反射器6a〜6d以外の発光物体か
らの光信号が検出されなければ検出ブロックの数は4個
になるはずである。
【0062】図9は反射光の検出に応じて起動される反
射光受光処理のフローチャートであり、前段部分すなわ
ちステップS106までの処理ではほぼ同一方位角にお
ける受光信号毎に検出ブロックを設定し、各検出ブロッ
クでの受光回数Cg(i)の計数と検出方位角の記憶と
を行っている。また、後段部分すなわちステップS10
7〜ステップS111では、基準点に配置された反射器
を検出したときの、諸条件を記憶する処理を行ってい
る。
【0063】図9において、ステップS99では、エン
コーダ7および35の出力信号によって得られた方位角
および揺動方向を読込んでそれぞれパラメータMi,W
eとする。
【0064】ステップS100では、前記パラメータM
i,Weを方位角補正値および揺動補正値でそれぞれ補
正して、新たなパラメータMi,Weとしてセットす
る。
【0065】ステップS101では、ステップS99で
読込んだ信号がチャタリングによるものか否かを判断す
る。前回の処理時から微小角度、例えば1°しかミラー
4が回転していない場合、すなわち読込んだ方位角がほ
とんど同一の場合は、チャタリングと判断し、後から検
出された光信号は無視する。チャタリングによるもので
なければ、ステップS102に進む。
【0066】ステップS102では、検出ブロック番号
を示す変数iに“0”をセットする。本実施例では、ミ
ラーの回転中心軸8が円錐状軌跡を描いて1回転する間
にミラー4は30回転する。すなわち回転中心軸8が円
錐状軌跡を描いて1回転する間に、回転走査が30回行
われる。この30回の回転走査によって同一の反射器か
らの反射光を多数回受光する可能性がある。ほぼ同一方
向から受光器に入射した複数の光信号に関する受光デー
タは同一の反射器もしくは反射物体からの光信号の検出
データとして1つの検出ブロックに記憶する。このと
き、最新のデータをその検出ブロックの代表データとし
て記憶するようにする。
【0067】ステップS103では、前記検出ブロック
別の受光回数Cg(i)が“0”か否かを判断する。ス
テップS102でパラメータiに“0”がセットされた
ので、まず、検出ブロック番号“0”の検出ブロックで
の受光回数が“0”か否か、つまりこの検出ブロックで
最初に検出された光信号か否かが判断される。
【0068】最初の処理ではこの判断は肯定となってス
テップS106に進み、ミラー角つまり光を検出したと
きの方位角が記憶される。検出ブロックiを代表する方
位角Am(i)として今回検出された方位角を記憶し、
当該検出ブロックiでの光信号の受光回数Cg(i)の
値をインクリメントする。
【0069】ステップS107では、基準点を識別する
ためのカウンタの値nをクリアする。本実施例では、カ
ウンタ値“1”は基準点Aに、カウンタ値“2”は基準
点Bに、カウンタ値“3”は基準点Cに、カウンタ値
“4”は基準点Dにそれぞれ対応させてある。ステップ
S108ではそのカウンタの値nをインクリメントす
る。
【0070】ステップS109では、今回検出した方位
角が予測方位角θq(n)とほぼ同一か否かが判断され
る。ステップS108でセットされたカウンタ値nに対
応する基準点、例えばカウンタ値nが“1”のときは基
準点Aに関し、この予測方位角と検出方位角とがほぼ一
致するか否かが判断される。予測方位角θq(n)は、
例えば、今回検出時の方位角に予測変化量αを加算した
値でも良いが、自走車1の移動量に対して反射光の受光
間隔が短いので今回の値をそのまま予測方位角として使
用しても実用上支障がないし、処理も簡単である。この
予測方位角θ(n)は後述のイニシャルポール識別処理
で設定される。
【0071】ステップS109の判断が否定の場合は、
ステップS110でカウンタ値nが“4”か否かによっ
て、基準点A〜Dのすべての予測方位角と今回検出した
方位角との比較が終了したか否かが判断される。ステッ
プS110の判断が肯定になるまでステップS108,
S109の処理が繰返される。
【0072】予測方位角θq(n)が検出方位角とほぼ
一致していれば、ステップS109からステップS11
1に進む。ステップS111では、予定の基準点を検出
したときの受光データを記憶する。すなわち基準点nの
受光回数Cp(n)をインクリメントし、さらにその基
準点の検出方位角Ap[n,Cp(n)]、ミラー4の
回転中心軸8の傾斜方向つまり揺動方向As[n,Cp
(n)]、ならびにミラー4の回転カウンタ値Cm
[n,Cp(n)]を記憶する。回転カウンタ値Cm
[n,Cp(n)]は、センサ33の出力信号によって
決定される基準揺動方向から計数したミラー4の回転が
何回転目かを示す値である。
【0073】なお、ステップS103で、検出ブロック
iでの受光回数Cg(i)が“0”でない、つまり初め
て受光したのではないと判断された場合は、ステップS
104に進む。ステップS104では、検出方位角が、
検出ブロックiで先に受光した光信号の方位角Am
(i)とほぼ一致しているか否かが判断される。両者が
ほぼ一致していればステップS106に進み、今回の検
出方位角で検出ブロックiの方位角Am(i)を更新す
る。
【0074】また、ステップS104の判断が否定の場
合、つまり検出ブロックiで先に受光した光信号の方位
角Am(i)と今回検出された方位角とが一致していな
い場合は、他の検出ブロックからの光であると判断し、
ステップS105で検出ブロック番号(i)をインクリ
メントする。ステップS103では、インクリメントさ
れた検出ブロック番号(i)について初めての受光か否
かの判断がなされる。
【0075】反射光受光処理のステップS106で蓄積
された受光データの例を図10に示す。同図において、
縦軸は検出ブロックiの受光回数Cg(i)であり、横
軸は各検出ブロックiの方位角Am(i)である。図示
のように、検出ブロックの数が7つ(i=0〜6)あっ
たとすれば、これは回転中心軸8が1回揺動する間に、
互いに異なる7方向から光信号が受光されたことを示
す。受光回数Cg(i)が複数の検出ブロックでは、方
位角Am(i)は前述のように最新の検出データであ
る。なお、検出ブロックの番号iが必ずしも方位角の小
さい順に並んでいないのは、受光した順に番号が付され
ているためである。
【0076】また、反射光受光処理のステップS111
で蓄積された揺動方向As[n,Cp(n)]とミラー
4の回転カウンタ値Cm[n,Cp(n)]の一例を図
11に示す。同図には、1揺動サイクルに検出した受光
データの一部を示す。揺動方向As[n,Cp(n)]
は揺動用のモータ15に連結されたエンコーダ35の回
転量で表している。
【0077】回転カウンタ値Cm[n,Cp(n)]
は、揺動方向が“0°”の位置すなわちセンサ33から
基準信号が出力されてから基準点nを検出するまでのミ
ラー4の回転数を計測した値を示すものである。パラメ
ータIは基準点nを検出したときの揺動方向の記憶順を
示す番号である。すなわちこの記憶番号Iの最大値が基
準点nの受光回数Cp(n)となる。
【0078】次に、イニシャルポール識別処理について
詳述する。このイニシャルポール識別処理では、回転中
心軸8が1回揺動する間に記憶された受光データに基づ
いて、基準点に配置された反射器の識別処理を行う。
【0079】このイニシャルポール識別処理は、補正モ
ードの処理と通常走行モードの処理とで次の点が異な
る。すなわち補正モードの処理(ステップS5)では補
正用ポールとして選択された1本の反射器に関して方位
角の決定を行うのに対し、通常走行モードの処理(ステ
ップS10)では、反射器6a〜6dのすべてに関して
方位角を決定する処理を行う。
【0080】図12のフローチャートを参照して補正モ
ードの処理におけるイニシャルポール識別処理について
詳述する。同図において、ステップS120では、揺動
方向が“0°”になったか否か、つまり基準揺動方向信
号出力用のセンサ33で予定の基準位置が検出されたか
否かを判断する。揺動方向が“0°”になったと判断さ
れれば、ステップS121に進んで反射光受光処理によ
って得られたデータをクリアする。
【0081】ステップS122では反射光受光処理を行
う。ここでは、図9に関して説明した反射光受光処理の
うちの前段部分、すなわちステップS99〜S106の
部分が実行されて図12のステップS123に進む。ま
た、補正モードの処理におけるイニシャルポール識別処
理では、方位角補正値および揺動補正値は共に決定され
ておらず、“0”になっているので、ここの反射光受光
処理では方位角と揺動方向は未補正の値が使われる。
【0082】ステップS123では、揺動方向が“0
°”か否かを再び判断する。これによって揺動走査の1
サイクルが終了したか否かが判断される。1サイクルの
走査が終了すればステップS124に進む。
【0083】ステップS124では、基準点の選択処理
(ポール選択処理)を行う。この選択処理では、反射光
受光処理において検出された検出ブロックのうち受光回
数Cg(i)の多い検出ブロックを1つ選択し、その検
出ブロックを代表する検出方位角、すなわちその検出ブ
ロックにおける最新データAm(i)を補正用ポールの
方位角Apsとしてセットする。
【0084】また、このポール選択処理では、次のステ
ップS125における判断の基礎となるポール選択モー
ド「1」〜「3」の決定も行われる。ポール選択処理
は、さらに図12に関して詳細に述べる。
【0085】ステップS125では、前記ポール選択処
理で決定されたポール選択モードが「1」〜「3」のい
ずれであるかを判別し、その後の処理を決定する。ポー
ル選択モードが「1」の場合は、補正用ポールを識別
し、その方位角を検出できたとしてこのフローチャート
に示した処理を終える。
【0086】また、ポール選択モードが「2」の場合
は、受光回数Cg(i)が所定値に達していないため、
ステップS122に戻って反射光受光処理を継続する。
さらに、ポール選択モードが「3」の場合は、予定外の
反射物体があって、受光回数Cg(i)が所定値以上の
検出ブロックが5つ以上ある場合である。この場合は検
出ブロックの中から基準点を特定することができなかっ
たとしてステップS121に戻り、最初からこのイニシ
ャルポール識別処理をやり直す。
【0087】図13はポール選択処理のフローチャート
である。このポール選択処理も補正モードの処理と通常
走行モードの処理とでは、基準点つまり反射器の数が
“1”か“4”かの違いがあるが、ここでは補正モード
の処理に関して説明する。
【0088】このポール選択処理では、受光回数Cg
(i)が予定のしきい値に達している検出ブロックがあ
ったか否かを判別し、前記イニシャルポール識別処理で
の判断に使用されるポール選択モードを決定する。予定
のしきい値に達している検出ブロックが1であればその
検出ブロックの受光データを補正用ポールに関するデー
タであると決定し、ポール選択モードを「1」とする。
予定のしきい値に達している検出ブロックがない場合は
さらにデータの採取を継続するため、ポール選択モード
を「2」とする。また、予定のしきい値に達している検
出ブロックが多数の場合は補正用ポールを特定できない
のでデータを一旦クリアして改めてデータの採取を行う
ため、ポール選択モードを「3」とする。
【0089】受光回数Cg(i)のしきい値は、“3”
と“5”との2段階を設定した。そして、受光回数Cg
(i)が第1のしきい値“3”に達している検出ブロッ
クの数はパラメータjで記憶し、第2のしきい値“5”
に達している検出ブロックの数はパラメータkで記憶す
るようにしている。そして、このパラメータj,kに基
づき、基準点を識別してよいか否かを判断するのであ
る。
【0090】図13において、まずステップS130で
は、反射光受光処理で得られたデータつまり検出方位角
Am(i)と反射光の受光回数Cg(i)とを読込む。
ステップS131では、パラメータi,j,kをクリア
する。ステップS132では、当該検出ブロック(i)
の受光回数Cg(i)が3回より多いか否かを判断す
る。受光回数Cg(i)が3回より多ければステップS
133に進み、受光回数Cg(i)が3回以上あった検
出ブロックの個数を示すパラメータjをインクリメント
する。
【0091】ステップS134では、受光回数Cg
(i)が5回より多いか否かを判断する。受光回数が5
回より多ければ、ステップS135に進み、受光回数が
5回以上あった検出ブロックの個数を示すパラメータk
をインクリメントする。
【0092】ステップS136では、パラメータkの値
が“1”以上か否かを判断する。これによって受光回数
Cg(i)が5回を超えた検出ブロック、すなわち補正
用ポールからの光信号が含まれていると考えられる検出
ブロックが検出されたか否かが判別される。受光回数C
g(i)が5回を超える検出ブロックが1つの場合は、
ステップS137において、その検出ブロックを代表す
る検出方位角Am(i)を補正用ポールの方位角Aps
として記憶する。
【0093】ステップS138では、検出ブロックを示
す番号iをインクリメントする。ステップS139で
は、受光回数Cg(i)が“0”か否かを判断する。受
光回数Cg(i)が“0”でなければ、まだ、受光回数
が記憶されている検出ブロックがあると判断して、ステ
ップS132に戻る。受光回数Cg(i)が“0”であ
れば、チェックを終了していない検出ブロックはないと
判断してステップS140に進む。
【0094】ステップS140では、パラメータj,k
が共に“1”か否か、すなわち受光回数が3回以上あっ
た検出ブロックの数と、5回以上あった検出ブロックの
数とが、共に補正用ポールの数つまり“1”か否かを判
断する。
【0095】ステップS140が肯定の場合は、ステッ
プS141に進んでポール選択モードを「1」とする。
【0096】前記ステップS140の判断が否定の場合
は、ステップS142に進んでパラメータjが“1”以
上か否か、つまり受光回数が3回以上あった検出ブロッ
クが1つ以上あったか否かを検出する。ステップS14
2が否定の場合は、ステップS143でポール選択モー
ドを「2」とし、肯定の場合は、ステップS144でポ
ール選択モードを「3」とする。決定されたこれらのポ
ール選択モードに従い、図12のイニシャルポール識別
処理におけるステップS125の判断を行う。
【0097】補正モードの処理では、このポール選択処
理で決定された方位角ApsがステップS6において方
位角補正値として格納される。
【0098】次に、図8に示されていた前記ステップS
7の揺動補正量計測処理について説明する。この揺動補
正量計測処理では、揺動方向の基準と方位角の基準とを
一致させるための補正量を決定する。そのために本実施
例では次のような処理を実行する。
【0099】揺動方向が自走車1の直進方位と一致して
いるとき、すなわち回転中心軸8が自走車1の直進方位
に傾斜しているときには光ビームは最下方に指向され
る。したがって、光ビームが最下方に指向されたときに
揺動方向を示すエンコーダ35から出力される値を検出
すれば、その値が方位角の基準とのずれであり、かつ自
走車1の直進方位とのずれということになる。
【0100】図14は、補正用ポールと該補正用ポール
位置における光ビームの上下方向走査幅との関係を示す
図であり、縦軸は補正用ポール位置での光ビームの高
さ、横軸はエンコーダ35の出力つまり揺動方向を示
す。
【0101】同図において、補正用ポール6xはほぼ上
半分が不透明カバー44によって覆われている。したが
って、補正用ポール6xに投射された光ビームのうち、
上下方向走査幅の下端部の反射光のみが走査装置2の受
光器で検出される。
【0102】図示のような軌跡で光ビームが投射される
と、揺動方向Waで反射光が検出され始め、揺動方向W
bで反射光が検出されなくなる。換言すれば揺動方向W
aとWbとの間が補正用ポール6xを検出できる範囲
(捕捉範囲)になる。したがって、この揺動方向Waと
Wbとの中間点Wc{Wc=(Wa+Wb)/2}、す
なわち光ビームが最下方に指向している点を検出し、こ
の点Wcとセンサ33の出力信号Wsとの差(Wc−W
s)を揺動補正量として決定する。
【0103】図14に関して説明した考え方に基づく揺
動補正量計測処理について、図15のフローチャートを
参照して説明する。図15において、ステップS150
では、前記反射光受光処理で自走車1の直進方向から入
射した光を検出したときの揺動方向を記憶させるため
に、予測方位角θq(n)として0度を設定しておく。
【0104】ステップS151では、揺動方向が“0
°”になったか否かを判断する。揺動方向が“0°”に
なったと判断されると、ステップS152に進み、反射
光受光処理によって得られたデータをクリアして反射光
データの収集を開始する。ステップS153で反射光受
光処理を行う。この処理は図9に関して説明したとおり
であり、図10および図11で示したようなデータが収
集される。
【0105】ステップS154では、揺動方向が“0
°”になったか否かによって1サイクルの揺動が終了し
たかどうかを判断する。この判断が肯定となるまで、す
なわち回転中心軸8が円錐を描く揺動が1回行われる間
の受光データが蓄積される。
【0106】回転中心軸8の1サイクルの揺動が終了し
たと判断されたら、ステップS155に進む。ステップ
S155では、図9の反射光受光処理のステップS11
1で得られたデータを読込む。ステップS156では、
光ビームを反射してくる予定の反射器の数は補正用ポー
ル1本だけであり、これに合わせて変数nに“1”をセ
ットする。
【0107】ステップS157では、基準点(ここでは
補正用ポール)を検出した回数を示すパラメータCp
(1)が“0”か否かを判別してその基準点が1回以上
検出されたか否かを判断する。この判断が肯定の場合
は、予測方位角θqが0度の方向、すなわち補正ポール
が設置されている方向から受光しなかったとしてステッ
プS151に戻り、再び受光データを採取する。
【0108】ステップS157が否定の場合は、ステッ
プS158に進んでパラメータIに“1”をセットす
る。1揺動サイクルにおいて複数回の回転走査が行わ
れ、その複数回の回転走査において補正用ポールも複数
回検出される。このパラメータIは1揺動サイクル中に
おいて補正用ポールを複数回検出したときの揺動方向お
よびミラー4の回転数を計数するカウンタ値を記憶した
順序を識別するための数字(記憶番号)である。
【0109】ステップS159では、パラメータKおよ
びeをクリアする。ミラー4が1回転する毎に同じ方位
からの受光信号を検出した場合、つまり同じ方位からの
光信号を毎回連続して検出した場合に、その連続回数の
最大値つまり最大連続検出回数をこのパラメータKによ
って示す。また、パラメータeは揺動方向の記憶番号I
のうち、連続して光信号を検出した時の最後の揺動方向
の記憶番号を示す。
【0110】図16のステップS160では、受光信号
の連続回数を計数するカウンタの値Jに“1”をセット
する。ステップS161では、補正用ポールの検出回数
Cp(n)が揺動方向の記憶数字を示す番号Iと同じか
否かを判別することによって、反射光受光処理で検出さ
れて記憶された受光データのすべてがチェックされたか
否かを判断する。通常は受光データは複数存在してお
り、ステップS158で記憶番号Iを“1”としたの
で、この場合はステップS161の判断は否定となり、
受光データのすべてをチェックし終っていないと判断さ
れてステップS162に進む。
【0111】ステップS162では、前記ミラー4の回
転カウンタ値Cmに関し、今回検出時のカウンタ値Cm
(n,I+1)が前回検出時のカウンタ値Cm(n,
I)に“1”が加算された値になっているか否かを判別
する。すなわち、カウンタ値Cmの連続を判断すること
によってミラー4の回転毎に連続して受光信号が検出さ
れているか否かを判断する。この判断が肯定の場合は、
ステップS163に進み、カウンタ値Jおよびパラメー
タIの値をインクリメントする。
【0112】一方、ステップS162が否定の場合は、
ステップS164に進み、カウンタ値JがパラメータK
より大きいか、つまり今回の連続検出回数がそれまでに
記憶されていた連続回数より大きいか否かが判断され
る。この判断が肯定の場合はステップS165に進み、
最大連続検出回数Kを今回の連続検出回数Jで更新し、
連続受光信号検出時の最後の揺動方向の記憶数字を示す
パラメータeを今回の揺動方向の記憶番号Iで更新す
る。ステップS166では、揺動方向の記憶数字を示す
番号Iをインクリメントする。
【0113】一方、ステップS161が肯定の場合、つ
まりすべての受光データのチェックが終了したと判断さ
れたならば、ステップS167に進む。ステップS16
7およびS168は、前記ステップS164およびS1
65と同じ処理であるので説明は省略する。
【0114】ステップS169では、最大連続検出回数
が発生した場合の最初の揺動方向の記憶番号を算出して
パラメータIとする。ステップS170では、揺動方向
Waとして反射光受光処理で検出された揺動方向As
(n,I)、つまり最大連続検出回数が発生した場合の
最初の記憶番号に対応して記憶されている揺動方向のデ
ータをセットする。また、揺動方向WbとしてAs
(n,e)つまり最大連続検出回数が発生した最後の記
憶番号に対応して記憶されている揺動方向のデータをセ
ットする。
【0115】ステップS171では、光ビームが最下方
に指向される揺動方向Wcを揺動方向WaおよびWbの
中点を求めることによって行う{Wc=(Wa+Wb)
/2}。算出された揺動方向Wcは、図8のステップS
8の揺動補正値としてEEPROM等の不揮発性メモリ
で構成される記憶手段に設定される。
【0116】次に、通常走行モードにおけるイニシャル
ポール識別処理(ステップS10)とポール位置計測処
理(ステップS11)の詳細を説明する。これらの処理
の中では、方位角および揺動方向は上述の補正モードの
処理によって決定された方位角補正値および揺動補正値
によって補正された値が使用される。
【0117】まず、ステップS10のイニシャルポール
識別は図12と同様の処理が行われるが、その中のポー
ル選択処理(ステップS124)の内容においていくつ
かの相違する処理と付加される処理とがある。
【0118】すなわち、通常走行モードの処理では、4
か所の基準点に配置された4本の反射器6a〜6dを識
別する必要があることから、前記ポール選択処理のフロ
ーチャートにおいて、ステップS136,S140,S
142で、パラメータj,kと比較される値が、“1”
ではなくて“4”になる。
【0119】また、通常走行モードの処理では受光回数
Cg(i)が5回以上の検出ブロックが基準点の数と同
じ数、すなわち“4”だけ検出されるので、この検出さ
れた検出ブロックを代表する方位角の値Aps(k)
を、その値の小さい順にAps(1)〜(4)にセット
する処理が、ステップS140とS141との間に行わ
れる。
【0120】以上の相違点と付加すべき処理があるだけ
で、あとは補正モードの処理におけるイニシャルポール
識別処理と同様に行われ、4つの反射器6a〜6dの方
位角初期値θ(n)が得られる。
【0121】なお、通常走行モードの処理では、イニシ
ャルポール識別処理の後で、各基準点(n)に関して、
方位角θ(n)と予測方位角θq(n)が設定される。
方位角θ(n)と予測方位角θq(n)としてはAps
(1)〜Aps(4)をそのまま代入して決定すること
ができる。
【0122】次に、各基準点A〜Dの座標を決定するポ
ール位置計測処理(ステップS11)について説明す
る。基準点の座標を決定するためには、まず、自走車1
と各基準点との距離をそれぞれ測定する。そして、測定
された距離と自走車1から見た各基準点の方位角とに基
づいて基準点の座標を算出する。本実施例では、発光手
段から投射された光信号の位相と、受光手段で検出され
た光信号との位相差に基づいて前記各基準点までの距離
を算出するようにしている。
【0123】前記距離を測定するにあたっては、光ビー
ムを高い確率で反射器に照射させることができる揺動方
向を決定しなければならない。本実施例では、そのため
の処理すなわちポール捕捉揺動方向決定処理を次のよう
な考えに基づいて行っている。
【0124】まず、ミラー4の複数回転走査の間中1回
転毎に連続して基準点を検出した場合に、その連続範囲
の中間における揺動方向の値を、その基準点に高い確率
で光ビームを照射させることができる揺動方向であると
決定する。なお、基準点の連続検出が複数グループに分
散した場合は、連続検出回数が最も多いグループにおい
て前記判断を行う。
【0125】例えば図11に示したデータがある場合に
おいて、基準点を検出したときのカウンタ値Cm(n)
が連続しているのは番号Iが“1”〜“2”のときと、
“3”〜“6”のときであり、2つのグループに分散し
ている。このうち、記憶番号Iが“3”〜“6”のとき
の方が連続回数が多い。したがって、この例では、記憶
番号Iが“3”と“6”とにおける揺動方向の中間点を
求める。すなわち、(108.6+144.4°)/2
=126.5°が、基準点に高い確率で光ビームを照射
できる揺動方向、すなわち基準点(ポール)捕捉揺動方
向として決定される。
【0126】このポール捕捉揺動方向決定処理には、前
記揺動補正量計測処理(図15)と同様の処理を使用で
きる。すなわち、前記揺動補正量計測処理では、補正用
ポールとして設定された1本の反射器について光ビーム
を連続して照射できる範囲の中間点を求めるようにし
た。このポール捕捉揺動方向決定処理では、4本の反射
器6a〜6bに関して連続受光範囲を検出し、該連続受
光範囲の中間点における揺動方向の値をそれぞれ検出す
ればよい。
【0127】このようにして検出されたポール捕捉揺動
方向を利用して行われるポール位置計測処理を図17を
参照して説明する。図17においてステップS180で
は、前記ポール捕捉揺動方向決定処理を行い、各基準点
のポール捕捉揺動方向Asc(n)を検出する。ステッ
プS181では、基準点を識別するためのカウンタ値n
をクリアし、ステップS182では、前記値nをインク
リメントする。
【0128】ステップS183では、前記ポール捕捉揺
動方向Asc(n)を基準点n捕捉揺動方向TG−SW
としてセットし、前記イニシャルポール識別処理で得ら
れた方位角θ(n)を基準点を基準点n捕捉方位角TG
−MLとしてセットする。
【0129】ステップS184では、揺動方向を前記基
準点n捕捉揺動方向TG−SWに合わせる揺動位置制御
を行う。この揺動位置制御では、エンコーダ35の出力
値が基準点n捕捉揺動方向TG−SWになったところで
回転中心軸8の旋回を停止させ、回転中心軸8の傾斜方
向すなわち揺動方向を固定する。
【0130】ステップS185では、回転中心軸8の傾
斜方向が固定された状態において、基準点nが連続して
検出されているか否かを判断する。この判断が否定の場
合は異常を表示したり、警報を発したりしてセンサフェ
ール処理を行い当該処理を停止する。
【0131】一方、基準点nが連続して検出されている
場合は、ステップS187に進み、ミラー位置制御を行
う。このミラー位置制御では、エンコーダ7の出力値に
基づき、この値が基準点n捕捉方位角TG−MLと略一
致するまでモータ5を回転させる。そして、エンコーダ
7の値が基準点n捕捉方位角TG−MLと略一致したと
きに、モータ5を停止させ、そこで停止状態を維持でき
るように電磁石16を付勢する。これによって吸着板3
4が電磁石16に吸着され、モータ5の停止位置つまり
ミラー4の停止位置が固定される。
【0132】ステップS188では、基準点nからの反
射光を3秒以上検出する。もちろん、この時間は3秒に
限らず、ミラー4の方位が確実に固定されたかどうかが
確認できればよい。
【0133】ステップS189では、基準点nからの反
射光の検出結果に基づいて自走車1と基準点nとの距離
を測定する。これは、例えば発光器から出た光ビームと
受光器で検出された反射光の位相差によって演算する。
ステップS190では、基準点を識別するためのカウン
タ値nが“4”か否か、つまりすべての基準点について
自走車1からの距離を測定し終わったか否かを判断す
る。ステップS191では、検出された各基準点と自走
車1との距離、および前記イニシャルポール識別処理に
よって求められた方位角に基づき、自走車1を原点とす
る任意の座標系、例えば自走車1を原点とし、基準点A
方向をx軸の正方向とする座標系上での各基準点A〜D
の座標[X(n),Y(n)]を演算する。ステップS
192では、前記座標を基準点Bを原点とする座標系上
での座標[x(n),y(n)]に変換する。
【0134】以上説明したように、本実施例では、方位
角、揺動方向の基準が自走車1の直進方位と一致するよ
うに、方位角検出用エンコーダ7、揺動方向検出用エン
コーダ35の出力を補正するようにした。この補正後の
出力データは、イニシャルポール識別処理やポール位置
計測処理、ならびに操向制御に使用される。
【0135】なお、補正用ポールの選択方法としては、
反射器6a〜6dのいずれか1つを残して他の反射面を
カバーするか倒すかする方法によった。また、揺動補正
量計測では、補正用ポールの上半分をカバーするように
した。しかし、このような処置のほか、走査装置2のミ
ラー4収容部分の所定範囲をカバーして投射光を遮へい
することによっても1本の反射器の下半分にのみ光ビー
ムを照射させることはでき、実質的に1本の補正用ポー
ルを設定したと同じ作用が果たせる。すなわち、走査装
置2の進行方向所定部分を縦方向のスリット状に透明部
分を残し、他にカバーをすればよい。
【0136】また、光ビームの上下方向走査幅の下端部
分が補正用ポールの反射面と対応するようにしたが、光
ビームの上下方向走査幅の上端部分が補正用ポールの反
射面と対応するように、補正用ポールの下半分をカバー
で覆うようにしてもよいし、光ビームの投射範囲の上半
分または下半分に対応する走査装置2の所定範囲をカバ
ーしてもよい。
【0137】この場合は光ビームが最下方に指向される
揺動方向はWc={(Wa+Wb)/2}+180°に
なる。
【0138】次に、上記フローチャートに関して説明し
た動作の機能について説明する。図1はポール位置計測
処理部の要部機能を示すブロック図である。同図におい
て、走査装置2は光ビーム2Eを投射し、この光ビーム
2Eの、反射器6での反射光2Rを検出する。走査装置
2は光ビーム2Rの位相と反射光2Eの位相とを示す信
号を距離検出部50に供給する。また、走査装置2は反
射光2Rを検出する毎に方位角検出用エンコーダ7およ
び揺動方向検出用エンコーダ35の値を受光処理部46
に出力する。
【0139】受光処理部46では、反射光受光処理によ
って得られた受光データに基づき、基準点に配置された
反射器(補正モードの処理では補正用ポール)の方位
角、ならびに反射器(補正モードの処理では補正用ポー
ル)検出時の揺動方向および受光データの連続・非連続
を示すカウンタ値を出力する。
【0140】スイッチSW1,SW2は、補正モードの
処理では図示の側に切換えられ、通常走行モードの処理
では図示とは反対側に切換えられる。まず、スイッチS
W1,SW2が図示の側に切換えられている補正モード
の処理において、揺動方向補正値決定部45では、スイ
ッチSW1を介して供給される前記揺動方向およびカウ
ンタ値に基づき、光ビームが最下方に投射されていると
きの揺動方向Wcを決定し、この揺動方向Wcは、自走
車1の直進方向とのずれを補正する揺動補正値としてE
EPROM等の不揮発性メモリで構成される補正値記憶
部47に記憶される。揺動補正値は受光処理部46に入
力され、この受光処理部46から出力される揺動方向の
補正に使用される。
【0141】一方、方位角補正値決定部52では、スイ
ッチSW2を介して供給される前記方位角に基づいて方
位角Apsを決定し、この方位角Apsは自走車1の直
進方位とのずれを補正する方位角補正値として方位角補
正値記憶部52に記憶される。この方位角補正値は受光
処理部46に入力され、この受光処理部46から出力さ
れる方位角の補正に使用される。
【0142】また、通常走行モードの処理において、ス
イッチSW1が図示とは反対の側に切換えられると、揺
動方向および受光データの連続・非連続の判断に使用さ
れるカウンタ値は揺動方向範囲演算部51に供給され
る。揺動方向範囲演算部51は、供給されたデータに基
づき、ミラー4の1回転毎に連続して光信号を検出する
回数すなわち連続受光回数が最も多い受光範囲を判別
し、その範囲における揺動方向の最大値および最小値を
基準点捕捉揺動方向演算部48に出力する。基準点捕捉
揺動方向演算部48では、前記揺動方向の最大値および
最小値の中点を算出し、高い確率で光ビームを照射でき
る基準点すなわち基準点捕捉揺動方向を決定する。基準
点捕捉揺動方向は、投射方向固定部49に入力される。
【0143】一方、通常走行モードの処理において、ス
イッチSW2が図示とは反対の側に切換えられると、方
位角は基準点位置演算部53および投射方向固定部49
に供給される。投射方向固定部49は、供給された方位
角と前記基準点捕捉揺動方向とを目標値として、ミラー
4の方向すなわち揺動方向と方位とを調整してこれらの
目標値で示される方向にミラー4を固定する。
【0144】ミラー4が固定されて光ビームの投射方向
が反射器6側に固定されると、距離検出部50で自走車
1と各基準点間との距離が測定される。距離の測定は、
走査装置2から出力される光ビーム2Rの位相と、反射
光2Rの位相との差に基づいて演算される。
【0145】演算された距離データは基準点位置演算部
53に供給され、基準点位置演算部53では、前記距離
データと方位角とに基づいて基準点の位置座標[X
(n),Y(n)]が算出される。
【0146】このように、受光処理部46からは、揺動
補正値記憶部47および方位角補正値記憶部54から供
給される補正値によって補正されたデータが出力され
る。
【0147】以上、機能ブロック図に従ってポール位置
計測処理部の機能を説明したが、自走車1が走行を開始
した後の操向制御においても、同様に方位角補正値で補
正されたデータが自走車1の位置検出に使用される。
【0148】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、次のような効果が達成できる。 (1)揺動方向を検出するエンコーダの取付精度や部品
のばらつきはすべてソフトウェアの処理で対応できるた
め、これが揺動方向の検出精度に悪影響を及ぼさない。
したがって、前記エンコーダの取付けのために熟練を要
しないし、専用の治具も必要としない。 (2)作業に使用される反射器を補正値の決定のために
使用でき、かつ補正値は書込み可能な不揮発性の記憶手
段に記憶できるので、当該自走車の生産現場ではなく、
メンテナンスのために分解・組立した後に作業現場での
補正値設定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 基準点検出処理の要部機能を示すブロック
図である。
【図2】 光ビーム走査装置の要部断面図である。
【図3】 自走車の走行状態を示す斜視図である。
【図4】 光ビームの光跡を示す斜視図である。
【図5】 自走車位置算出の原理説明図である。
【図6】 自走車進行方向算出の原理説明図である。
【図7】 自走車の走行コースと反射器の配置状態を
示す図である。
【図8】 実施例のゼネラルフローチャートである。
【図9】 反射光受光処理のフローチャートである。
【図10】 検出ブロック別の方位角と受光回数とを示
す図である。
【図11】 基準点を検出したときのミラー回転数と揺
動方向のデータを示す図である。
【図12】 イニシャルポール識別処理のフローチャー
トである。
【図13】 ポール選択処理のフローチャートである。
【図14】 反射器位置での光ビームの高さを示す図で
ある。
【図15】 揺動補正量計測処理のフローチャートその
1である。
【図16】 揺動補正量計測処理のフローチャートその
2である。
【図17】 ポール位置計測処理のフローチャートであ
る。
【符号の説明】 1…自走車、 2…光ビーム走査装置、 4…回転ミラ
ー、 5…ミラー駆動モータ、 6,6a〜6d…光反
射器、 7…エンコーダ、 8…回転中心軸、15…揺
動用モータ、 33…揺動基準検出用センサ、 34…
吸着板、 35…エンコーダ、 36…走行コース、
45…揺動補正値決定部、 46…受光処理部、 47
…揺動補正値記憶部、 52…方位角補正値決定部、5
4…方位角補正値記憶部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−287415(JP,A) 特開 平2−103413(JP,A) 特開 昭60−14114(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 15/00 - 15/14 G01S 5/16,7/48 G05D 1/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体に搭載され、該移動体を中心とし
    て光ビームを円周方向に回転走査する回転走査手段と、
    この移動体から離れた位置に設置された光反射手段で反
    射された前記光ビームの反射光を受光する受光手段とを
    有し、この反射光の受光信号に基づいて前記移動体に対
    する前記光反射手段の位置を検出する位置検出装置にお
    いて、 前記回転走査の回転中心軸を略円錐形状の軌跡を描くよ
    うに揺動させることによって前記光ビームが上下方向の
    揺動1サイクル中に円周方向へ複数回転走査されるよう
    に構成された揺動走査手段と、 前記受光手段によって受光信号が検出されたときの回転
    走査方向の方位角および前記揺動走査手段の揺動方向を
    それぞれ検出して記憶する手段と、 同一の光反射手段からの反射光を受光したときの前記揺
    動方向に基づき、その光反射手段からの反射光を受光で
    きる受光揺動範囲を前記それぞれの光反射手段について
    算出する揺動範囲演算手段と、 前記光ビームの上下方向走査幅の両端部のうちの一端部
    のみが前記光反射手段のうちの1本に重なるようにし、
    かつ前記移動体の直進方位が前記1本の光反射手段に向
    くようにセットした状態で前記揺動走査手段によって光
    ビームを投射したときに前記1本の光反射手段から連続
    的に受光する反射光の受光揺動範囲の中間点における揺
    動方向と前記移動体の直進方位とのずれを算出する手段
    と、 前記ずれを揺動ずれ補正値として記憶する不揮発性の記
    憶手段と、 前記揺動ずれ補正値で補正された揺動方向を使用して算
    出された前記各光反射手段の受光揺動範囲に基づいて前
    記各光反射手段への光ビーム投射方向を固定する手段
    と、 この固定された方向に投射した光ビームの反射光検出信
    号に基づいて前記移動体と前記各光反射手段との距離を
    測定する距離測定手段とを具備したことを特徴とする位
    置検出装置。
  2. 【請求項2】 前記距離測定手段で測定された距離とそ
    のときの検出方位角とに基づいて前記光反射手段の位置
    を算出する手段を具備したことを特徴とする請求項1記
    載の位置検出装置。
  3. 【請求項3】 前記回転走査手段および前記受光手段
    は、前記回転走査手段の回転中心軸が略円錐状軌跡を描
    くように揺動する共通の揺動部材に固定されていること
    を特徴とする請求項1または2記載の位置検出装置。
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