JP2947427B2 - 移動体の位置検出装置 - Google Patents

移動体の位置検出装置

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JP2947427B2
JP2947427B2 JP3108337A JP10833791A JP2947427B2 JP 2947427 B2 JP2947427 B2 JP 2947427B2 JP 3108337 A JP3108337 A JP 3108337A JP 10833791 A JP10833791 A JP 10833791A JP 2947427 B2 JP2947427 B2 JP 2947427B2
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貞親 都築
和規 野田
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  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動体等の位置検出装
置に関し、特に、農業および土木作業に使用される自走
式機械や、工場内で使用される自動搬送装置などの、移
動体の位置検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記自走車のような移動体の現在
位置を検出する装置として、移動体で発生された光ビー
ムを移動体を中心として円周方向に走査する手段と、移
動体から離れた少なくとも3か所に固定され、入射方向
に光を反射する光反射手段と、この光反射手段によって
反射された光を受光する受光手段とを具備した装置が提
案されている(特開昭59−67476号公報)。
【0003】この装置では、前記移動体から見た前記3
つの光反射手段相互間の開き角を前記受光手段の出力信
号に基づいて検出する。そして、検出された開き角とあ
らかじめ設定されている各光反射手段の位置を表す情報
(位置情報)とから移動体の位置を演算するように構成
している。
【0004】上記の装置においては、移動体つまり自走
車が傾斜した状態のまま走行したり、走行中に揺れたり
することによって、自走車から発せられた光ビームを光
反射手段に照射できない、つまり光反射手段から光が戻
ってこない場合がある。また、予定の光反射手段以外の
物体からの光を受光手段で受光してしまうような場合も
あった。光反射手段からの光を検出できなかったり、誤
って他からの光を予定の光反射手段からの反射光として
検出してしまうと、自走車の位置を算出できずに、予定
されたコースに沿って自走車を走らせられなくなる場合
がある。
【0005】これに対し、本出願人は、次のような制御
装置を提案した(特開平2−109107号公報)。こ
の装置では、自走車の進行方向を基準とした各光反射手
段の方位角について、それぞれ今回および前回の走査に
よってすでに検出された方位角データに基づいてその次
の走査で同じ光反射手段が検出されるはずの方位角を予
測する。そして、この方位角で示される予測方位から入
射する光を予定の反射手段からの正常な反射光であると
判断する。そして、もし予測方位から光が入射されない
ことが繰返された場合には自走車を停止させるようにし
ている。
【0006】また、本出願人は、予測方位から光が入射
されない場合、応急的な処置として、光反射手段が少な
くとも前記予測方位の近辺に存在するはずであるという
判断のもとに、この予測方位データを実際の方位角の代
わりに使用して自走車の位置検知を行うようにした制御
装置も提案した(特願平2−12424号)。
【0007】この制御装置では、光反射手段を一時的に
見失っただけでは、自走車を停止させない。このように
自走車を停止させないで、予測方位を実際の光反射手段
が存在する方位であるとみなし、この予測方位データを
使用して自走車の位置を検知するようにしても、予測方
位と実際の方位との誤差は小さいので実用上の支障はな
い。しかし、自走車が走行する路面の状態によっては、
光反射手段を頻繁に見失ったり、見失いが長時間にわた
ることがあり、このような場合にはまた新たな対応が必
要になる。
【0008】これに対して、上記のような光反射手段を
見失った後の対応ではなく、見失う前すなわち光ビーム
を光反射手段に確実に照射することを目的とした装置が
ある。その一例として、発生した光ビームをガルバノミ
ラーを利用して上下方向に高速に振動させつつ水平方向
に走査させるようなビーム光走査装置が提案されている
(特開昭60−242313号公報)。
【0009】図18はこのような従来の装置による走査
軌跡(光跡)を示す図である。同図aは光ビームを水平
方向に回転走査させつつ、この光ビームをガルバノミラ
ーで上下方向にも揺動走査した場合の光跡の一部分を示
す。また、同図bは前記光ビームの上下方向の揺動走査
をポリゴンミラーで行った場合の光跡の一部分を示す。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のビーム光走査装
置では、次のような問題点があった。ガルバノミラー方
式では、自走車が路面の傾斜地部分を走行したり揺れた
りしても、自走車から投射する光ビームがなるべく高い
確率で光反射手段に照射できるように上下方向にも所定
の振幅で揺動走査するのであるが、自走車と光反射手段
との距離が離れるに従って光反射手段位置での光跡の振
れ幅が大きくなると共に波長が長くなるため、例えば図
18(a)に示すように光反射手段6が光ビームと交差
できなくなってしまうことが有り得る。
【0011】また、ポリゴンミラー方式においても、自
走車と光反射手段との距離が離れるに従って光反射手段
位置での上下方向の光跡の間隔が広くなるため、例えば
図18(b)に示すように光反射手段6が光ビームと交
差できなくなってしまうことが有り得る。
【0012】光跡の波長もしくは間隔を小さくして光ビ
ームの光跡と光反射手段6とが交差しやすくなるために
は、上下方向の揺動の駆動速度を大きくするか、もしく
は水平方向の回転走査速度を小さくすることが必要にな
る。
【0013】ところが、ガルバノミラーやポリゴンミラ
ーの上下方向の駆動速度を大きくするのは機械構造的な
制約があって大変難しい。また、水平方向の回転走査速
度を小さくすると、一定時間あたりの受光データ数が少
なくなって位置検出精度が低下し、特に、自走車等のよ
うな移動体の位置検出用として使用する場合、検出精度
の低下が著しく現れる。
【0014】さらに、上記各方式では、ガルバノミラー
やポリゴンミラーの反射面の部分が光ビーム発生手段に
対してあるいは受光手段に対して相対的に揺動する構成
になる。したがって、少なくともこの揺動による光軸の
偏位の分以上に反射鏡の反射面を大型にする必要があ
り、また更にその分だけ光ビームの光束が膨らんで光ビ
ームの強度が低下するという問題があった。
【0015】本発明は、上記従来技術の問題点に対し
て、移動体からの光ビームの投射および各光反射手段か
らの反射光の受光の構成を工夫することによって、各光
反射手段に高確率で照射できるように、さらには投射お
よび受光システムの構成の簡素化を図った移動体の位置
検出装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決し、
目的を達成するために、本発明は、移動体に搭載された
光ビーム発生手段で発生された光ビームを円周方向に走
査する回転走査手段と、この回転走査手段の回転中心軸
を略円錐形状の軌跡を描くように揺動させる揺動手段
と、この揺動手段で前記回転走査手段と一体的に揺動さ
れるように配設された前記光ビームの発生手段および受
光手段とを具備し、移動体から投光され、この移動体か
ら離れた位置に設けられた光反射手段で反射された前記
光ビームを受光し、前記光反射手段の位置情報に基づい
て自走車の位置を検出するように構成した点に第1の特
徴がある。また、本発明は、前記回転走査手段が、前記
光ビーム発生手段からの光ビームを方向変換する反射鏡
と、前記光ビーム発生手段から前記反射鏡に到達するま
での光ビームの光軸を中心として前記反射鏡を回転させ
る回転駆動用モータと、前記揺動手段によって揺動され
る揺動体とからなり、この揺動体に前記回転走査手段お
よび光発生手段ならびに受光手段を取付け、この揺動体
を揺動させることによって反射鏡の回転軸が円錐状の回
動軌跡を描くように構成した点に第2の特徴がある。
【0017】
【作用】上記の特徴を有する本発明では、光ビームを上
下方向に揺動させながら回転方向への走査が行われる。
このとき、光ビーム発生手段と受光手段は光ビーム回転
走査手段と一体的に揺動駆動されるためそれぞれの相対
位置は変化しない。したがって、光ビームが上下方向に
揺動走査されるにもかかわらず、従来のように、反射鏡
の反射面に照射される光発生手段からの光ビームあるい
は光反射手段からの反射光の光軸に偏位が生じることが
ない。
【0018】また、前記光ビームの揺動1サイクル中に
複数回の回転走査を行うようにすれば、移動体を中心と
する円筒面を想定した場合、その円筒面上で光ビームに
よる網目状の光跡が描かれる。すなわち、揺動1サイク
ル中に垂直方向の高さが異なる数回以上の回転走査が行
われる。その結果、揺動1サイクル中に光跡が高い確率
で光反射手段を横切ることにより、それだけ光反射手段
で反射される光ビームを受光する確率が高くなる。
【0019】
【実施例】以下に、図面を参照して本発明の一実施例を
説明する。図2は本発明の位置検出装置を搭載し、所定
の領域を走行する自走車を示す斜視図である。図2にお
いて、移動体としての自走車1が走行している領域の周
囲には、入射した光をその入射方向に反射する反射面を
有する光反射器(以下、単に反射器という)6a〜6d
が配設されている。光反射器6a〜6dの反射面には、
コーナキューブプリズム等周知の光反射手段が使用され
ている。自走車1は、例えばその下面に図示しない芝刈
作業用のカッタブレードを有する芝刈り機である。自走
車1の上部には、光ビーム走査装置(以下、単に走査装
置という)2が搭載されている。この走査装置2は、光
ビーム2Eを発生する発光器、および前記反射器6a〜
6dで反射された光ビーム2Eの反射光2Rを受ける受
光器を有する。発光器および受光器はケーシング3に収
容されている。発光器および受光器の詳細は図17に関
して詳述する。
【0020】発光器から出た光ビームは回転ミラー(以
下、単にミラーという)4で直角方向に屈折反射される
ことにより方向転換されて走査装置2から外部に投射さ
れる。ミラー4はモータ5によって回転中心軸8のまわ
りで矢印17の方向に回転され、このミラー4の回転に
よって光ビーム2Eは回転中心軸8を中心として矢印R
方向に回転走査される。ミラー4の回転位置で決まる光
ビーム2Eの投射方向つまりモータ5の回転角度はエン
コーダ7で検出される。
【0021】走査装置2は、光ビーム2Eの光跡で描か
れる回転走査面を上下方向に連続変化(揺動走査)させ
るための揺動機構を有している。この揺動機構はブラケ
ット9,10に対して上下方向に揺動自在に軸支された
外側リング部材11と、この外側リング部材11の内側
に設けられ、前記ブラケット9,10と外側リング部材
11との軸支部分とを結ぶ仮想線に対して直交する位置
で外側リング部材11に対して上下方向に揺動自在に軸
支された内側リング部材14とによって構成される。
【0022】外側リング部材11は軸12およびこの軸
12と対向する位置に設けられる図示しない軸によって
ブラケット9および10に支持される。内側リング部材
14は軸13および対向する位置に設けられた軸20に
より、外側リング部材11に対して揺動自在に支持され
ている。そして、外側リング部材11と内側リング部材
14との揺動中心軸は互いに直交するように設けられて
いる。
【0023】ジンバル揺動機構は揺動駆動用のモータ1
5によって駆動される。このジンバル揺動機構によっ
て、ミラー4の回転中心軸8は垂直から角度φたけ傾斜
するように取付けられており、かつその傾斜方向(以
下、揺動方向という)は連続的に変化して、矢印17a
の方向に回動する。このような回転中心軸8の円錐状の
回動によって光ビーム2Eの回転走査による走査面の投
射角度が連続的に変化する。すなわち、光ビーム2Eが
上下方向にも連続的に揺動走査されるのである。
【0024】次に、前記走査装置およびジンバル揺動機
構の揺動駆動装置について詳述する。図1は自走車1に
搭載された走査装置2の要部断面図であり、図2と同符
号は同一または同等部分を示す。まず、走査装置2につ
いて説明する。ミラー4は台座4aを介してモータ5の
軸の一端5aに取付けられていている。一方、モータ5
の軸の他端5bは連結金具19によってエンコーダ7の
軸7aと連結されている。エンコーダ7の出力パルスは
図示しない制御装置に送信され、ミラー4の回転角度や
回転数の演算に供される。
【0025】前記ミラー4の台座4aには吸着板34が
設けられている。この吸着板34は、磁性体、例えば鉄
で作られていて、電磁石16が付勢されることにより電
磁石16に吸着される。この吸着動作によって、電磁石
16が付勢された任意のタイミングでミラー4の停止位
置が固定されるようにしている。
【0026】内側リング部材14の下方には、ケーシン
グ3が取付けられている。このケーシング3の取付手段
は図示していないが、ボルト締めなど、周知の締結手段
を適宜使用すればよい。
【0027】次に、ジンバル揺動機構の揺動駆動装置に
ついて説明する。揺動駆動装置は自走車1の上面に設け
られている。自走車1の上面に取付けられた軸受21に
は軸22が挿通されており、この軸22の一端には小円
盤23が固結され、他端には大円盤24が固結されてい
る。小円盤23には軸22に対して偏心した位置に偏心
軸23aが突設され、大円盤24には同様に偏心軸24
aが突設されている。偏心軸23aおよび偏心軸24a
の偏心方向は互いに90度ずらしてある。
【0028】揺動用モータ15の軸15aは前記軸22
と一直線上に配置してあり、かつ軸15aにはL字形状
のブロック32が固結されている。つまり、偏心軸23
a,24aは軸15aに対しても軸22に対する偏心量
と同じだけ偏心していて、モータ15の軸15a、偏心
軸23a、軸22、および偏心軸24aはクランク軸を
形成している。揺動用モータ15によって回転軸15a
が回転されると、この回転はブロック32によって偏心
軸23aに伝達され、軸22が回転する。その結果、偏
心軸24aも軸22を中心に回転する。
【0029】偏心軸23aは外接リング23bに対して
回転自在に嵌挿されており、この外接リング23bには
ブロック25が揺動自在に軸支されている。このブロッ
ク25は連結ボルト26によって内側リング部材14に
突設された軸(図示しない)を受ける球面軸受27と連
結されている。
【0030】このように、小円盤23と内側リング部材
14とが連結されているので、小円盤23に対する偏心
軸23aの回転運動は、軸13,20を中心とする内側
リング部材14の上下方向の揺動運動に変換される。
【0031】一方、大円盤24に突設された偏心軸24
aは球面軸受28で受けられている。外側リング部材1
1には軸29が突設されていて、この軸29によって球
面軸受30が支承されている。球面軸受28と球面軸受
30とは連結ボルト31で連結されている。このような
構成により、外側リング部材11も、内側リング部材1
4と同様、前記軸12およびこれと対向する位置の軸
(図示しない)を中心として揺動される。
【0032】前記外側リング部材11および内側リング
部材14の揺動が合成されると、内側リング部材14に
取付けられている走査装置2のミラー4の回転中心軸8
が、両リング部材11および14のそれぞれの揺動中心
軸の交点を中心にして、所定の傾斜角度を有して旋回す
る。換言すれば、この旋回による回転中心軸8の軌跡
は、前記交点を頂点とする円錐の側面(以下、単に円錐
という)となる。前記発光器および受光器を収容してい
るケーシング3も、内側リング部材14の下面に取付け
られているので、この内側リング部材14と一体となっ
て揺動する。
【0033】連結ボルト26の両端には互いに逆方向の
ねじが切られていて、連結ボルト26を回転させると、
この連結ボルト26はブロック25および球面軸受け2
7に対して進退し、球面軸受27とブロック25との連
結長さを調節することができる。連結ボルト31も、連
結ボルト26と同様、この連結ボルト31が螺入されて
いる球面軸受28,30との連結長さを調節するもので
ある。
【0034】前記大円盤24には薄円盤24bが設けら
れ、この薄円盤24bにはこれを跨いで揺動基準検出用
のセンサ33が設けられている。例えばセンサ33は金
属検知センサまたは光透過型センサであって、薄円盤2
4bの円周の予定位置にギャップを穿設しておくことに
より、センサ33から出力される前記ギャップの検出信
号に基づいて揺動の基準位置が検出できる。
【0035】モータ15の背後には、このモータ15の
回転位置を検出するためのエンコーダ35が付設されて
いる。このエンコーダ35の出力信号と、センサ33の
出力信号とによってミラー4の回転中心軸8の傾き(揺
動方向)を検出できる。回転中心軸8の揺動方向を検出
する手段としては、エンコーダ35とセンサ33とを用
いるものに限らない。例えば、薄円盤24bに、前記基
準位置検出用のギャップとは別に薄円盤24bの回転量
検出用のギャップを穿設し、2つのセンサによってこれ
ら2種類のギャップをそれぞれ検出するようにしてもよ
い。また、エンコーダ35からモータ15の回転量と回
転基準位置との双方を取出すように構成してもよい。
【0036】回転中心軸8の揺動軌跡は円錐であるが、
必ずしも円錐でなくとも底面が円以外の錐であってもよ
い。例えば、前記偏心軸23aおよび24aの偏心量を
変化させ、外側リング部材11と内側リング部材14の
それぞれの最大傾斜角度が異なるようにすれば、回転中
心軸8の揺動によって描かれる軌跡は楕円錐となる。
【0037】本実施例ではこの揺動軌跡がほぼ円錐とな
るよう、つまり、外側リング部材11と内側リング部材
14のそれぞれの最大傾斜角度が同じになるように偏心
軸23aおよび24aの偏心量を設定している。
【0038】なお、本実施例では外側リング部材11お
よび内側リング部材14を1つのモータで駆動するよう
にしたが、それぞれのリング部材を別個のモータで駆動
するようにしてもよい。その場合、各モータは回転中心
軸8が所望の錐形状を描くように、同期させて回転させ
るのはもちろんである。
【0039】以上説明した揺動機構を駆動させて光ビー
ムを投射させると、ミラー4の回転中心軸8自体が円錐
を描いて回動する揺動走査が行われ、ミラー4の回転に
よって光跡で描かれる面(回転走査面)は一平面に固定
されず揺動1サイクルの間は常に変化する。
【0040】なお、回転中心軸8が円錐を描いて1回転
する周期よりミラー4が1回転する周期の方を十分に短
くすることによって、後述するようなきめの細かいピッ
チでの回動走査軌跡を描かせることができる。本実施例
では、ミラー4を2700rpmで回転させ、回転中心
軸8を揺動させる軸22を90rpmで回転させるよう
にした。
【0041】次に、発光器および受光器の詳細を説明す
る。図17はケーシング3内における発光器および受光
器の配置を示す断面図である。同図において、内側リン
グ部材14にケーシング3が固定されている。ケーシン
グ本体3aの底面には発光器64が取付けられ、側面に
は受光器65が取付けられている。発光器64は例えば
発光ダイオードであり、受光器65はフォトダイオード
である。ケーシング本体3aの上部にはレンズ群66が
嵌挿されていて、発光器64から出た光を所定のビーム
径を有する平行光線(光ビーム2E)にすると同時に、
入射した反射光2Rを反射プリズム67に集光して受光
器65に導くように構成されている。
【0042】発光器64および受光器65は、基盤68
に実装されたインタフェース回路を介して図示しない制
御部に接続されている。なお、受光器65の前面には発
光器64で発生した光の反射光のみを通過させるバンド
パスフィルタ100が設けられており、反射器6によっ
て反射されて戻ってきた光のみが受光器65で受光され
る。
【0043】次に、図を参照して本実施例の走査装置に
よる光ビームの光跡について説明する。図3は前記ミラ
ー4を中心とした一定の半径を有する仮想の円筒面に描
かれた光跡をモデル化して示している。
【0044】図示のように、前記走査装置2から投射さ
れた光ビーム2Eは、ミラー4の回転中心軸8が円錐運
動をすることにより、前記想定された円筒面上に網目状
の光跡を描く。本実施例では、ミラー4の回転数を27
00rpm、回転中心軸8の揺動回数つまり軸22の回
転数を90rpmとしたので、回転中心軸8が円錐状に
1回転する間にミラー4自体は30回転する。すなわ
ち、回転中心軸8が円錐を描いて1回転する間に、円筒
面上の任意の垂直線18を30本の光跡が横切る。
【0045】次に、前記垂直線18上に反射器を配設し
た場合、揺動1サイクルの中でどれだけ光ビームが反射
器へ照射されやすくなるかを図面を参照して説明する。
図4は前記光跡の一部を拡大して示したものである。同
図において、符号6Hで示すように、自走車1と反射器
6とが近く、反射器6の高さ方向の寸法が光跡の揺動幅
BBに対して十分に長い場合は、30本の光跡がすべて
この反射器6を横切る。これに対して、符号6Lで示す
ように、自走車1と反射器6との距離が非常に長い場合
は、反射器6の高さ方向の寸法は光跡の揺動幅BBに対
して相対的に短くなる。しかしながらこのように、反射
器6の高さ方向の寸法が相対的に短い場合であっても、
光跡の垂直方向の最大間隔Hが反射器6の高さ方向の寸
法より相対的に小さければ、回転中心軸8が円錐運動を
1回行う間に少なくとも1回は反射器6を光跡が横切
る。なお、図3,図4は、繁雑さを回避し、作図を容易
にするため光跡の本数は実際よりも少なく記載してあ
る。
【0046】次に、上記の構成を有する走査装置2を搭
載した自走車1が、その走行領域内のどの位置にある
か、またどの方向に走行しているかを検知するための基
本的原理を説明する。図5および図6は、自走車1の走
行領域を示す座標系における自走車1および反射器6a
〜6dの位置を示す図である。同図において、反射器6
a〜6dの配置位置、つまり基準点A,B,C,D,お
よび自走車1の位置T(Xp,Yp)は、基準点Bを原
点とし、基準点BおよびCを結ぶ直線をx軸とするx−
y座標系で表される。
【0047】図示のように、自走車1の位置Tは、三角
形ATBの外接円上に存在すると同時に、三角形BTC
の外接円上に存在する。したがって、自走車1の位置
は、これら2つの三角形の外接円QおよびPの交点を算
出することによって求められる。外接円QおよびPの2
つの交点のうち、一方の交点は基準点Bつまり原点であ
るから、他方の交点が自走車1の位置ということにな
る。このような原理に従って自走車1の位置を求める算
出式は、本出願人がすでに出願しており、特開平1−2
87415号および特開平1−316808号公報に詳
細が示されている。
【0048】また、自走車1の進行方向は次式を用いて
算出される。図6において、自走車1の進行方向とx軸
とのなす角度をθf、進行方向を基準とした基準点Cの
方位角をθc、基準点Cのx座標をxc、自走車1のy
座標をYpとした場合、 θf=360°−tan-1{Yp/(xc−x)}−θc………(1) となる。
【0049】次に、上記公報に記載された算出式および
上記算出式(1)によって求められた位置情報に基づい
て自走車1の走行方向を制御する操向制御について説明
する。図7は自走車1と基準点A〜Dとの位置関係を示
す図である。
【0050】自走車1は基準点Bの近くのスタート位置
から走行を始め、予定の走行コース36を走行してホー
ムポジション63に戻るものとする。走行コースは間隔
Lを有して平行に設定された直進行程と、各直進行程を
つなぐ旋回行程とからなる。自走車1は直進行程を走行
した後、y座標がYtnまたはYtfに達した位置で、
操舵角度を一定の値に固定して旋回行程を走行し、隣接
する次の直進行程に移行する。そして、直進行程のx座
標が最終のx座標Xendを超過した場合、その直進行
程走行後、最終旋回行程を経てホームポジション63に
戻る。
【0051】なお、図7においては、説明を簡単にする
ため、各基準点A,B,C,Dを、長方形の各頂点に位
置するように配置した上で直進行程は基準点AとBとを
結ぶ直線つまりy軸と平行にしたが、基準点A〜Dを走
行コースの周囲に配置してあれば、走行コース36は任
意に設定することができる。
【0052】続いて、フローチャートを参照して制御手
順を説明する。まず、操向制御の基本となる反射光受光
処理について説明する。走査装置2から発射され、反射
器6a〜6dで反射された光ビームつまり反射光の受光
処理は以下のとおり行われる。
【0053】図8は反射光受光処理の制御手順を示すフ
ローチャートである。ステップS100では、受光器に
よって光信号が検出されたか否かが判断される。光信号
が検出されたならば、ステップS101に進む。但し、
この時点では、検出された光信号は反射器6a〜6dか
らの反射光かどうかは識別できない。
【0054】ステップS101では、ミラー4が回転し
た角度の大きさに基づいて検出信号がチャタリングによ
るものか否かの判断がなされる。つまり、前回の処理か
らミラー4が微小角度しか回転しないうちに複数の光信
号が検出された場合は、チャタリングと判断し、後から
検出された光信号は無視する。検出された光信号がチャ
タリングによるものでなければ、ステップS102に進
む。
【0055】ステップS102では、検出ブロック番号
を示す変数iに“0”をセットする。本実施例では、ミ
ラーの回転中心軸8が円錐状軌跡を描いて1回転する間
にミラー4は30回転する。すなわち回転中心軸8が円
錐状軌跡を描いて1回転する間に、回転走査が30回行
われるのである。この30回の回転走査によって同一の
反射器からの反射光を多数回受光する可能性がある。ほ
ぼ同一方向から受光器に入射した複数の光信号に関する
検出データは同一の反射器のデータとして1つのグルー
プにまとめて記憶するようにする。このグループを検出
ブロックという。したがって、予定の反射器6a〜6d
からの光だけが検出されたのであれば、この検出ブロッ
クの数は4つであり、設置されている反射器の数と一致
することになる。
【0056】ステップS103では、前記検出ブロック
別の受光回数Cg(i)が“0”か否かを判断する。ス
テップS102でパラメータiに“0”がセットされた
ので、まず、検出ブロック番号“0”の検出ブロックで
の受光回数が“0”か否か、つまり、この検出ブロック
で最初に検出された光信号か否かが判断される。
【0057】最初の処理ではこの判断は肯定となってス
テップS106に進み、ミラー角つまり光を検出した方
位角が記憶される。検出ブロックiを代表する方位角A
m(i)として今回検出された方位角を記憶し、当該検
出ブロックiでの光信号の受光回数Cg(i)の値をイ
ンクリメントする。
【0058】ステップS107では、基準点を識別する
カウンタの値nをクリアする。本実施例では、カウンタ
値“1”は基準点Aに、カウンタ値“2”は基準点B
に、カウンタ値“3”は基準点Cに、カウンタ値“4”
は基準点Dにそれぞれ対応させてある。ステップS10
8ではそのカウンタの値nをインクリメントする。
【0059】ステップS109では、今回検出した方位
角が、後述のイニシャルポール識別処理や往路直進処理
で設定された予測方位角θq(n)とほぼ同一か否かが
判断される。すなわち、ステップS108でカウンタ値
nは“1”になっているので、このカウンタ値“1”に
対応する基準点Aの予測方位角に関し、これと検出方位
角とがほぼ一致するか否かが判断される。予測方位角θ
q(n)は、例えば、今回検出時の方位角に予測変化量
αを加算した値でも良いが、自走車1の移動量に対して
反射光の受光間隔が短いので今回の値と同値を予測方位
角としても実用上支障がないし、処理も簡単である。
【0060】ステップS109の判断が否定の場合は、
ステップS110でカウンタ値nが“4”か否かが判別
される。ステップS110が肯定になるまで、つまり基
準点A〜Dのすべての予測方位角に関してこれと検出方
位角とがほぼ一致するか否かが判断される。
【0061】予測方位角θq(n)が検出方位角とほぼ
一致していれば、ステップS109からステップS11
1に進む。ステップS111では、予定の基準点を検出
したとして、カウンタ値nで示される基準点の受光回数
Cp(n)がインクリメントされる。さらに、ステップ
S111では、その基準点の検出方位角Ap[n,Cp
(n)]、ミラー4の回転中心軸8の傾斜方向つまり揺
動方向As[n,Cp(n)]、ならびにミラー4の回
転カウンタ値Cm[n,Cp(n)]を記憶する。ミラ
ー4の回転カウンタ値は、揺動方向がセンサ33の出力
信号に基づく予定の方向にある時を基準として、そこか
らミラー4が何回転したかを示す値である。
【0062】なお、ステップS103で、検出ブロック
iでの反射光の受光回数Cg(i)が“0”でない、つ
まり初めての受光でないと判断された場合は、ステップ
S104に進む。ステップS104では、検出方位角
が、検出ブロックiで先に受光した光信号の方位角Am
(i)とほぼ一致しているか否かが判断される。両者が
一致していればステップS106に進み、今回の検出方
位角で検出ブロックiの方位角Am(i)を更新する。
【0063】また、ステップS104の判断が否定の場
合、つまり検出ブロックiで先に受光した光信号の方位
角Am(i)と今回検出された方位角とが一致していな
い場合は、他の検出ブロックからの光であると判断して
ステップS105に進み、検出ブロック番号(i)をイ
ンクリメントする。検出ブロック番号(i)をインクリ
メントした後、ステップS103にて、インクリメント
された検出ブロック番号(i)について初めての受光か
否かの判断がなされる。
【0064】前記反射光受光処理によって記憶された受
光信号の方位角つまり基準点の方位角に基づいて後述の
ように自走車1の位置と進行方向とが演算され、操向制
御が行われる。
【0065】図9,図10は操向制御の全体を示すゼネ
ラルフローチャートである。図9において、ステップS
1ではモータ5および15を起動してミラー4を回転さ
せると共に、その回転中心軸8を円錐状の軌跡を描くよ
うに回動させる。ここでは、基準点A〜Dに設定された
反射器6a〜6dに確実に光ビームを照射させられるよ
うにモータ15は低速で回転させる。
【0066】ステップS2では、基準点A〜Dつまり反
射器6a〜6dのイニシャル方位角を決定するイニシャ
ルポール識別処理を行う。このイニシャルポール識別処
理では、反射光受光処理で得られた各検出ブロックのデ
ータに基づき、受光回数が予定のしきい値より多い検出
ブロックを、その受光回数の多い順に4つ、つまり設置
されている反射器の数だけ選択する。そして、選択した
検出ブロックの方位角Am(i)を基準点A〜Dの方位
角として決定する。
【0067】ステップS3では、自走車1から基準点A
〜Dまでの各距離およびステップS2の処理で決定され
た方位角に基づいて各基準点の位置つまり前記x−y座
標系における基準座標値を計算するポール位置計測処理
を行う。自走車1から基準点A〜Dまでの各距離は、発
光器から出た光ビームと受光器で受光した反射光の受光
信号の位相差に基づいて測定する。
【0068】なお、このポール位置計測処理では、前記
反射光受光処理のステップS111で記憶された基準点
別のデータを使用して反射器6a〜6dに光ビームを確
実に当てることができる揺動方向および方位角の設定を
自動的に行って各距離を測定するように構成されている
が、ステップS2およびS3の処理は本発明に直接関係
ないのでフローチャートの図示は省略する。
【0069】ステップS4では、ステップS2とステッ
プS3で算出された基準点の方位角および座標値に基づ
き、現在の自走車1の位置座標(Xp,Yp)を算出す
る。
【0070】ステップS5では、現在の自走車1のx座
標Xpを第1番目の直進行程のx座標Xrefとしてセ
ットする。但し、ここでセットされるx座標の値は自走
車1が走行作業開始位置にあると仮定した場合の値であ
る。
【0071】ステップS6では、モータ5および15を
所定の速度で高速回転させてミラー4を回転および揺動
させる。ステップS7では、自走車1のエンジン回転を
駆動輪に接続して走行を開始させる。
【0072】図10のステップS8では、自走車1をそ
のy座標値が大きくなる方向に直進行程を走行させる往
路直進処理を行う。この処理の詳細は図11に関して後
述する。ステップS9では、自走車1のy座標Ypが予
定のy座標Ytfより大きくなったか否かによって第1
番目の直進行程の走行を終了したか否かを判断する。自
走車1が直進行程の走行を終了したと判断されるとステ
ップS10に進む。ステップS10では、直進行程のx
座標Xrefに距離Lを加算して次の直進行程を設定す
る。ステップS11では、旋回行程の走行を終了させる
方位角を設定する右ターン解除角セット処理を行う。こ
の処理の詳細は、図12に関して後述する。ステップS
12では、自走車1の操舵角を予定値に固定して一定の
旋回半径で右方向に旋回する旋回行程で自走車1を走行
させるUターン処理を行う。この処理の詳細は、図14
に関して後述する。ステップS13では、自走車1から
見た方位角が予定の右ターン解除角に達した基準点の数
を計数する解除カウンタ(図14の処理で計数される)
の値が“1”を超過しているか否かを判断する。この判
断が肯定の場合は、旋回行程の走行を終了したと判断し
てステップS14に進む。
【0073】ステップS14では、自走車1をそのy座
標値が小さくなる方向に直進行程を走行させる復路直進
処理を行う。この復路直進処理はステップS8の往路直
進処理と同様であり、詳細の説明は省略する。ステップ
S15では、自走車1のy座標Ypが予定のy座標Yt
nより小さいか否かによって第2番目の直進行程の走行
を終了したか否かを判断する。ステップS16では、直
進行程のx座標Xrefが走行終了予定地点のx座標X
endを超過したか否かを判断する。ステップS16の
判断が否定の場合は、ステップS17に進んで次の直進
行程を設定する。ステップS18では、左方向旋回行程
の走行を終了させる方位角を設定する左ターン解除角セ
ット処理を行う。この処理は後述する解除角のセット値
が異なるのみで、他は前記右ターン解除角セット処理と
同様である。ステップS19では、Uターン処理を行
う。この処理もステップS12と同様であるので説明は
省略するステップS20では、解除カウンタの値が
“1”を超過しているか否かを判断する。この判断が肯
定の場合は、旋回行程の走行を終了したと判断してステ
ップS8に戻る。
【0074】また、ステップS16の判断が肯定の場合
は、ステップS21に進む。ステップS16の判断が肯
定の場合はすべての直進行程の走行を終了した場合であ
り、ステップS21では、最終の旋回行程における解除
角をセットする処理を行う。この処理は右ターン解除角
セットと同様に処理されるので詳細は省略する。
【0075】ステップS22ではUターン処理を行い、
ステップS23では、解除カウンタの値が“1”を超過
しているか否かを判断する。ステップS24では、ホー
ムポジション63に戻る直進行程を走行させる処理を行
う。この処理は往路直進処理と同様であるので説明は省
略する。
【0076】ステップS25では、自走車1のx座標X
pがホームポジション63のx座標Xhomeより小さ
くなったか否かを判断する。この判断が肯定ならば、自
走車1がホームポジション63に戻ったと判断して処理
を終える。
【0077】続いて、前記ステップS8の往路直進処理
の詳細を説明する。図11は往路直進処理のフローチャ
ートである。同図において、ステップS200では、反
射光受光処理を行う。ステップS201では、揺動方向
が“0°”か否かによって、回転中心軸8が円錐を描く
揺動を1サイクル終えたかを判断する。この揺動の1サ
イクルを終了するまで反射光の受光処理を行い、ステッ
プS202で、この反射光受光処理によって得られたデ
ータを読込む。ステップS203では、反射光受光処理
によって得られた方位角Am(i)の中から予測方位角
θqに最も近いものを抽出し、各基準点の方位角Ac
(n)に格納する。ステップS204では、カウンタ値
nをクリアし、ステップS205ではその値をインクリ
メントする。ステップS206では、基準点nの方位角
θ(n)および予測方位角θq(n)に前記Ac(n)
をセットする。
【0078】すべての基準点A〜Dについて方位角θ
(n)と予測方位角θq(n)との更新が終了したとい
うことがステップS207で判断されたならば、ステッ
プS208に進み、反射光受光処理によって得られたデ
ータをクリアしてステップS209に進む。
【0079】ステップS209では、以上のようにして
測定した各基準点A〜Dについての方位角θ(n)とそ
の位置情報とに基づいて、図5,図6ですでに説明した
ようにして自走車1の位置(Xp,Yp)および進行方
向θfを算出する。ステップS210では、設定された
走行コース(直進行程)に対するx座標Xrefと自走
車1のx座標Xpとのずれ量ΔX、および進行方向θf
が直進状態からずれている角度Δθを算出する。ステッ
プS211では、前記ずれ量ΔXおよびずれ角度Δθを
修正するように操向制御を行う。
【0080】続いて、前記ステップS11の右ターン解
除角セットについて説明する。前記往路直進処理によっ
て自走車1がy座標Ytfに達した時点で次の直進行程
に移行するため旋回を開始する。そして、予定の位置ま
で旋回した後、再び直進を開始する必要がある。この旋
回終了位置は自走車1から見た各基準点A〜Dの方位角
が予定のターン解除角になった位置とする。本実施例で
は、少なくとも1つの基準点に関する方位角が、決定さ
れたターン解除角付近に達したことが2回検出された位
置を旋回終了位置であると判断することにしている。
【0081】図12は、往路直進処理後のターン解除角
を算出してセットする右ターン解除角セット処理のフロ
ーチャートである。同図において、ステップS220で
は、旋回行程の走行を終了する位置の座標(x,y)と
してそれぞれXref,Ytfをセットする。ステップ
S221では、カウンタ値nをクリアし、ステップS2
22では、このカウンタ値nをインクリメントする。
【0082】ステップS223では、旋回行程の走行を
終了する位置(x,y)において、進行方向の角度θf
がx軸を基準にして270°となった時(図13参照)
の基準点nの方位角θt(n)を算出し、ターン解除角
とする。このターン解除角θt(n)には旋回に移行す
るのが遅れないように少し早めに操舵角の固定を解除す
るためのオフセット量を付加する。
【0083】ステップS224では、基準点A〜Dのす
べてに関してターン解除角がセットされたか否かをカウ
ンタ値nが“4”になったか否かで判断する。この判断
が肯定ならばステップS225に進む。ステップS22
5では、解除カウンタの値をクリアする。この解除カウ
ンタは方位角がターン解除角に達した基準点の数を計数
するもので、この解除カウンタの値によって旋回を終了
するか否かの判定(図10のステップS13)を行う。
ステップS226では、自走車1の操舵角を予定の右タ
ーン用操舵角に固定する。
【0084】次に、前記ステップS12の旋回行程走行
中の処理(Uターン処理)について説明する。図14は
Uターン処理のフローチャートである。同図において、
ステップS230では、図8に関して詳述した反射光受
光処理を行う。ステップS231では、揺動方向が“0
°”か否かを判断する。この判断が肯定の場合は、ステ
ップS232で方位角更新処理を行う。方位角更新処理
は図11のステップS202〜208と同様の処理であ
り、予測方位角θq(n)および方位角θ(n)の更新
を行う。
【0085】なお、この方位角更新処理は、回転中心軸
8の揺動が1サイクル終了した時点のみで行われるので
方位角が単位時間で大きく変化する旋回行程では検出精
度が低下して旋回の解除も大きく遅れる場合がある。し
たがって、本実施例では、揺動方向が90°、180
°、ならびに270°の時点(ステップS233が肯定
となった場合)においても方位角を更新するようにして
いる。ステップS234の方位角更新サブ処理では、ス
テップS232の方位角更新処理とほぼ同じであるが、
予測方位角θq(n)の更新は行わない点と、反射光受
光処理のデータはリセットしない点が異なる。
【0086】ステップS235では、基準点識別カウン
タnの値をクリアし、ステップS236では、その値を
インクリメントする。ステップS237では、検出方位
角θ(n)が前記右ターン解除角θt(n)とほぼ一致
したか否かが判断される。この判断が肯定の場合はステ
ップS238に進んで解除カウンタの値をインクリメン
トする。
【0087】ステップS239では基準点識別カウンタ
nの値が“4”か否かを判断する。これによって、4つ
の基準点のすべてに関してその方位角θ(n)が右ター
ン解除角θt(n)と一致しているか否かの判定を終了
したか否かの判断を行う。
【0088】4つの基準点のすべてに関して判断を終了
すると、図10のステップS13,S20,S23で解
除カウンタの判別が行われる。そして、その値が“1”
以上であると、それぞれ復路直進処理、往路直進処理、
ホーム直進処理に進む。
【0089】図10のステップS21における最終ター
ン解除角のセットは、自走車1の座標が(Xend,Y
tn)にあって、自走車1の進行方向が、x軸を基準と
して180°にある場合、つまりホームポジション63
側に向いている場合のターン解除角がセットされる。こ
の処理はターン解除角をセットするときの位置とそのセ
ットデータ値が異なることを除いては前記右ターン解除
角セットと実質上同一である。
【0090】また、最終ターン解除角に基づいて最終の
旋回行程の走行を終えた後、ホームポジション63に戻
るまでの直進行程の走行、つまりホーム直進処理は図1
1の往路直進処理と走行コースからのずれ量計算のとき
のコース設定値が違うたけであとは同様であるので、説
明は省略する。
【0091】次に、発光器から出た光ビームを回転走査
方向へ屈折反射させ、方向変換して走査装置2から投射
する場合の光軸の偏位の大きさとこの偏位を補うために
必要なミラー4の大きさについて説明する。図15は、
本実施例のようにミラー4の回転中心軸8が円錐軌跡を
描かせて揺動する場合の、光ビームとミラー4との関係
を示す原理図である。同図において、図1および図17
と同符号は同一または同等部分を示す。
【0092】ミラー4の回転中心軸8は回転中心軸上の
点Oを頂点とし、頂角が2φとなるような円錐軌跡を描
いて揺動している。光源つまり発光器64で発生した光
ビームを90°方向変換して外部に放出するため、回転
中心軸8に対するミラー4の傾斜角度は45°に設定し
てある。回転中心軸8が揺動した場合のミラー4の水平
からの最大角度は符号γで示し、最小角度は符号δで示
す。発光器64および受光器65を収容したケーシング
3は前記内側リング部材14に取付けてあるので、発光
器64とミラー4との位置関係すなわち光軸とミラー4
との相対位置は変化しない。したがって、回転中心軸8
が点Oを中心として揺動し、ミラー4が最大角度γおよ
び最小角度δの範囲で変化した場合、ミラーの長さMは
揺動角度(γ〜δ)には無関係に次式で算出される。発
光器64から発せられた光ビームのビーム径は2rであ
る。 M=2r÷cos45°……(2) これに対して、発光器64および受光器65を収容する
ケーシング3を前記内側リング部材14に取付けず、例
えば自走車1の上面に固定した場合のミラー4の寸法は
次のようになる。図16は、発光器64を固定した場合
の光ビームとミラー4との関係を示す原理図であり、図
15と同符号は同一または同等部分を示す。同図におい
て、ミラー4が最大角度γの位置にまで傾斜した場合、
ミラー4の位置は光ビームの光軸に対して左方向にずれ
る。一方、ミラー4が最小角度δの位置まで傾斜した場
合は、ミラー4の位置は光ビームの光軸に対して右方向
にずれる。したがって、この両方の場合においてビーム
径2rの光ビームを受けることができるミラー4の長さ
は長さM1と長さM2とを加算した長さである。
【0093】また、ミラー4の幅は、ミラー4が最大角
度γの位置にまで傾斜した状態で、回転中心軸8を中心
として図示の状態から90°回転した場合に光ビームを
受けることのできる寸法である。このミラー4の幅は符
号M3で示す寸法の2倍である。
【0094】長さM1〜M3は以下の式を用いて算出で
きる。同式において、揺動中心Oからミラー4までの距
離は符号d、回転中心軸8とミラー4との交点の振幅は
符号Xで示す。 M1=(X+r)÷cosγ =(d・sinφ+r)÷cos(45°+φ)……(3) M2=(X+r)÷cosδ =(d・sinφ+r)÷cos(45°−φ)……(4) M3=(X+r)÷cosφ =(d・sinφ+r)÷cosφ………(5) 図19を参照して、上記の算出式(2)〜(5)によっ
て算出されたミラー4の面積を、図15および図16の
ように構成したそれぞれの場合で比較する。図19で示
されるように、発光器をミラー4と一体的に揺動した場
合に必要なミラー4の面積(矩形Z1)は、発光器を固
定した場合に必要なミラー4の面積(矩形Z2)に比べ
て大幅に削減できる。
【0095】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、光ビーム発生手段と受光手段は光ビーム回転
走査手段と一体的に揺動駆動されるため、それぞれの相
対位置は変化しない。
【0096】このために、光ビームが上下方向に揺動走
査されるにもかかわらず、反射鏡の反射面に照射される
光発生手段からの光ビームあるいは光反射手段からの反
射光の光軸に偏位が生じない。したがって、走査装置の
高速回転部分を小形化することができる。
【0097】さらにこのことは、反射鏡を駆動するモー
タ等を含む走査装置全体を小形化することにつながり、
また高速回転のバランスを良好にするための重量配分補
正も容易なものとすることができる。
【0098】また、前記光ビームの揺動の1サイクル中
に複数回の回転走査を行うように構成することにより、
揺動1サイクル中に光跡が高い確率で光反射手段を横切
ることになる。その結果、光ビームの回転走査速度を低
下させることなく光跡の密度を高めて光反射手段に光ビ
ームを照射できるようになる。したがって、光反射手段
からの反射光を受光する確率も格段に向上して、ひいて
は移動体の誘導精度も格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光ビーム走査装置の要部断面図である。
【図2】 自走車の走行状態を示す斜視図である。
【図3】 光ビームの光跡を示す斜視図である。
【図4】 光跡と光反射器との関係を示す図である。
【図5】 自走車位置算出の原理説明図である。
【図6】 自走車進行方向算出の原理説明図である。
【図7】 自走車の走行コースと反射器の配置状態を
示す図である。
【図8】 反射光受光処理のフローチャートである。
【図9】 自走車の操向制御を示すフローチャートで
ある。
【図10】 自走車の操向制御を示すフローチャートで
ある。
【図11】 自走車の往路直進処理のフローチャートで
ある。
【図12】 右ターン解除角セットのフローチャートで
ある。
【図13】 右ターン解除角算出の原理を示す図であ
る。
【図14】 Uターン処理のフローチャートである。
【図15】 光ビームとミラーとの関係を示す原理図で
ある。
【図16】 光ビームとミラーとの関係を示す原理図で
ある。
【図17】 発光器および受光器の配置を示す断面図で
ある。
【図18】 従来技術による光ビームの光跡と反射器と
の関係を示す図である。
【図19】 光ビームとミラーとの相対位置の違いによ
るミラーの面積比を示す図である。
【符号の説明】
1…自走車、 2…光ビーム走査装置、 4…回転ミラ
ー、 5…ミラー駆動モータ、 6,6a〜6d…光反
射器、 7…エンコーダ、 8…回転中心軸、9,10
…ブラケット、 11…外側リング部材、 14…内側
リング部材、15…揺動用モータ、 16…電磁石、
19…連結金具、 23…大円盤、24…小円盤、 2
6,31…連結ボルト、 33…揺動基準検出用セン
サ、34…吸着板、 35…エンコーダ、 36…走行
コース、 64…発光器、65…受光器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上村 健二 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式 会社 本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平4−315085(JP,A) 特開 昭62−269610(JP,A) 特開 昭58−211215(JP,A) 特開 平3−237505(JP,A) 特開 平3−276308(JP,A) 実開 平2−85310(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G05D 1/02 G01C 15/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体に搭載された光ビーム発生手段
    と、前記移動体を中心として光ビームを円周方向に回転
    走査する光ビーム回転走査手段と、前記移動体に搭載さ
    れた受光手段とを備え、前記移動体から離れた位置に設
    置され入射方向へ光を反射する光反射手段で反射された
    前記光ビームを前記受光手段で受光し、その受光によっ
    て検出される前記光反射手段の位置情報に基づいて前記
    移動体の位置を検出する移動体の位置検出装置におい
    て、前記光ビーム回転走査手段の回転中心軸を略円錐形
    状の軌跡を描くように揺動させる揺動手段を具備し、前
    記光ビームの発生手段および受光手段は前記揺動手段に
    よって前記光ビーム回転走査手段と一体的に揺動するよ
    うに構成することにより、前記光ビームが上下方向にも
    揺動されるように構成したことを特徴とする移動体の位
    置検出装置。
  2. 【請求項2】 前記光ビーム回転走査手段は、前記光ビ
    ーム発生手段からの光ビームを方向変換させる反射鏡
    と、前記光ビーム発生手段から前記反射鏡に到達するま
    での光ビームの光軸を中心にして前記反射鏡を回転させ
    る回転駆動用モータと、前記揺動手段によって揺動され
    る揺動体とを具備し、光ビーム回転走査手段と前記光ビ
    ーム発生手段と前記受光手段とを前記揺動体に取付け、
    この揺動体を前記反射鏡の回転軸が円錐状の回動軌跡を
    描いて揺動駆動するように構成したことを特徴とする請
    求項1記載の移動体の位置検出装置。
  3. 【請求項3】 前記光反射手段で反射された光ビームを
    前記反射鏡で方向変換させて前記受光手段で検出するよ
    うに構成したことを特徴とする請求項2記載の移動体の
    位置検出装置。
  4. 【請求項4】 前記揺動体の一方の側に前記光ビーム発
    生手段と前記受光手段とを設けると共に、他方の側に前
    記光ビーム回転走査手段を設けたことを特徴とする請求
    項3記載の移動体の位置検出装置。
  5. 【請求項5】 上下方向の揺動1サイクル中に前記光ビ
    ームの回転走査が複数回行われるように構成したことを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の移動体の位
    置検出装置。
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