JP2908612B2 - 位置検出装置 - Google Patents

位置検出装置

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JP2908612B2
JP2908612B2 JP3230833A JP23083391A JP2908612B2 JP 2908612 B2 JP2908612 B2 JP 2908612B2 JP 3230833 A JP3230833 A JP 3230833A JP 23083391 A JP23083391 A JP 23083391A JP 2908612 B2 JP2908612 B2 JP 2908612B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、位置検出装置に関し、
特に、農業および土木作業に使用される自走式機械や、
工場内で使用される自動搬送装置などの操向制御に用い
られる位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、移動体の位置検出装置として、移
動体を中心として円周方向に光ビームを走査する手段
と、この移動体から離れた少なくとも3か所の基準位置
に固定され、入射方向に光を反射する光反射手段と、こ
の光反射手段によって反射された光を受光する受光手段
とを具備した装置が提案されている(特開昭59−67
476号公報)。
【0003】この装置では、移動体つまり観測点から見
た前記3つの光反射手段相互間の開き角を前記受光手段
の出力信号に基づいて検出する。そして、検出された開
き角と各光反射手段が固定されている基準点の位置情報
とから移動体の位置が演算される。
【0004】上記の装置では、基準点である光反射手段
の位置情報のわずかな誤差によっても、システム全体の
制御精度に悪影響が出る。したがって、例えば、農地で
の作業では、作業区域が変わるごとに作業に先立って光
反射手段の位置情報、すなわち各光反射手段の間隔およ
び相対角度を正確に測定し、その結果を制御装置に入力
しなければならなかった。農地のような広い作業区域に
設置された各光反射手段の間隔や相対角度を正確に測定
し、それを入力するというのは極めて大変な作業であっ
た。
【0005】これに対し、本出願人は、上記位置情報の
測定および入力作業を簡略化することができる装置を提
案した(特開平1−287415号公報)。この装置で
は、自走車から出た光ビームを走査し、この光ビームの
光反射手段からの反射光を検出する。そして、この反射
光検出信号に基づいて算出される自走車および光反射手
段間の距離と、自走車から見た光反射手段の方位角とに
よって各光反射手段の間隔や相対角度を正確に測定し、
かつその入力作業を自動的に行えるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光反射手段
間の距離や相対角度を測定する装置が設置される場所、
例えばこの装置を搭載した自走車が走行する作業区域は
必ずしも平坦ではない。したがって、上記距離や方位角
を測定するために自走車が置かれた場所の地形によって
は、一方向つまり水平方向でのみ光ビームを回転走査し
ても、この光ビームを光反射手段に照射させることがで
きない場合がある。
【0007】このような不具合を解消するための対策と
して、光ビームを水平方向の回転走査に加えて上下方向
にも揺動走査することが考えられる。しかし、このよう
な、上下方向にも光ビームを揺動させる方式になると、
この上下方向の揺動走査と水平方向の回転走査との周期
や上下方向の走査幅の設定の関係上、光反射手段が存在
すると思われる方位に向けて光ビームを投射しても、上
下角度のずれによって光反射手段に光ビームを照射でき
ない場合がある。このため、特に運転開始に先立って行
われる基準点の位置検出に大変手間がかかるという問題
が生じる。
【0008】本発明の目的は、上記の問題点を解決し、
運転開始の準備段階等で行われる基準点の位置検出を簡
単に行うことができる位置検出装置を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決し、
目的を達成するために、本発明は、観測点を中心として
光ビームを円周方向に回転走査する回転走査手段と、前
記観測点から離れた位置に設置された光反射手段で反射
された前記光ビームを受光する受光手段と、前記回転走
査手段の回転中心軸を略円錐形状の軌跡を描くように回
動させることによって、複数回の前記回転走査に対して
1回の割合で前記光ビームを観測点を中心として上下に
揺動させるように構成された揺動走査手段と、前記受光
手段によって光信号が検出されたときの回転走査方向の
方位角および前記揺動走査手段による前記回転中心軸の
傾斜方向角度を格納する記憶手段と、略同一の回転走査
方向で複数の光信号が検出されたときの、前記傾斜方向
角度の最大値および最小値を検出する手段とを具備し、
検出された傾斜方向角度の最大値および最小値とこの方
位に対応する既知の光反射手段の高さ寸法とに基づいて
観測点および光反射手段間の距離を算出するように構成
した点に特徴がある。
【0010】
【作用】上記の特徴を有する本発明では、光反射手段へ
光ビームを照射しやすいように、前記光ビームの上下方
向での1サイクルの揺動中に回転走査が複数回行われ
る。そうすることによって、観測点に垂直に立てた軸を
中心とする仮想円筒面上において光ビームによる網目状
の光跡が描かれる。すなわち、揺動の1サイクル中、垂
直方向の高さが異なる数回以上の回転走査が行われる。
【0011】その結果、基準点に垂直に立てられた光反
射手段を高い確率で光ビームが横切ることになり、それ
だけ光反射手段で反射された光ビームを受光手段で受光
できる確率が高くなる。つまり、受光しやすくなる。
【0012】また、運転開始に先立って行われる基準点
の位置算出(=光反射手段の位置算出)にあたっては、
ほぼ同一の回転走査方向で複数の光信号が検出された場
合に、その光信号は予定された光反射手段からの反射光
であると判断する。そして、この反射光を検出したとき
の傾斜方向角度の最大値と最小値によって光反射手段の
上下端部に光ビームが照射されたことを認識し、この傾
斜方向角度と既知であるその光反射手段の高さ寸法とに
基づいて観測点と光反射手段との距離を算出する。
【0013】
【実施例】以下に、図面を参照して本発明の一実施例を
説明する。図2は本発明の位置検出装置を搭載し、所定
の領域を走行する自走車を示す斜視図である。図2にお
いて、移動体としての自走車1が走行している領域の周
囲には、入射した光をその入射方向に反射する反射面を
有する光反射器(以下、単に反射器という)6a〜6d
が配設されている。前記反射面には、コーナキューブプ
リズム等周知の光反射手段が使用されている。自走車1
は、例えばその下面に図示しない芝刈作業用のカッタブ
レードを有する芝刈り機である。自走車1の上部には、
光ビーム走査装置(以下、単に走査装置という)2が搭
載されている。この走査装置2は、光ビーム2Eを発生
する発光器、および前記反射器6a〜6dで反射された
光ビーム2Eの反射光2Rを受ける受光器を有する。発
光器および受光器はケーシング3に収容されている。発
光器および受光器としては、例えば発光ダイオードおよ
びフォトトランジスタがそれぞれ使用でき、これらを収
容する前記ケーシング3は内側リング部材14に固定さ
れている。
【0014】発光器から出た光ビームは回転ミラー(以
下、単にミラーという)4で直角方向に屈折反射されて
方向転換され、走査装置2から外部に投射される。ミラ
ー4はモータ5によって回転中心軸8のまわりで矢印1
7の方向に回転され、このミラー4の回転によって光ビ
ーム2Eは回転中心軸8を中心として矢印R方向に回転
走査される。ミラー4の回転位置つまり光ビーム2Eの
投射方向は、エンコーダ7でモータ5の回転角度を検出
することによって検出される。
【0015】走査装置2は、揺動機構によって自走車1
に支持されている。この揺動機構はジンバルとして知ら
れるものである。この揺動機構は、外側リング部材11
と、この外側リング部材11の内側に設けられた内側リ
ング部材14とを有する。外側リング部材11はブラケ
ット9,10に対して揺動自在に軸支され、内側リング
部材14は、外側リング部材11に対して揺動自在に軸
支される。
【0016】すなわち、外側リング部材11は軸12お
よびこの軸12と対向する位置に設けられる図示しない
軸によってブラケット9および10に支持され、内側リ
ング部材14は軸13および対向する位置に設けられた
軸(図示しない)により、外側リング部材11に支持さ
れている。外側リング部材11と内側リング部材14と
の揺動中心軸は互いに直交するように設けられている。
【0017】前記ジンバル揺動機構は揺動駆動用のモー
タ15によって駆動される。走査装置2はミラー4の回
転中心軸8を垂直から角度φだけ傾斜させてジンバル揺
動機構に取付けられており、かつその傾斜方向(傾斜方
向角度)は、ジンバル揺動機構が前記モータ15で駆動
されることによって連続的に変化する。すなわち、走査
装置2は、矢印17aの方向に回動する。このように回
転中心軸8を円錐状に回動させつつ、光ビーム2Eを回
転走査させたとき、その光跡で描かれる回転走査面の傾
きは連続的に変化する。その結果、光ビーム2Eは、ミ
ラーによって回転中心軸8を中心に回転走査されると共
に、回転走査面の傾きの連続的変化によって上下方向に
も連続的に揺動走査される。
【0018】前記外側リング部材11,内側リング部材
14をそれぞれ互いに直交する揺動中心軸を中心として
揺動させる駆動機構は次のとおりである。まず、前記モ
ータ15には偏心方向が90度ずれた偏心軸によって形
成されるクランクが連結されている。そして、それぞれ
の偏心軸の回転運動はロッド26および図示しないロッ
ドによって往復運動に変換され、それぞれ外側リング部
材11,内側リング部材14に伝達される。前記偏心軸
の偏心量を適当に設定することによって外側リング部材
11,内側リング部材14の揺動幅を選択し、内側リン
グ部材14に固定した走査装置2の揺動軌跡つまりこの
走査装置2に包含される前記回転中心軸8の揺動軌跡を
決定する。
【0019】例えば、前記偏心軸の偏心量を設定して、
外側リング部材11と内側リング部材14のそれぞれの
最大揺動幅が異なるようにすれば、回転中心軸8の揺動
軌跡は楕円錐となる。
【0020】本実施例ではこの揺動軌跡がほぼ円錐とな
るよう、つまり、外側リング部材11と内側リング部材
14のそれぞれの最大揺動幅が同じになるように前記各
偏心軸の偏心量を設定したが、本発明はこれに限定され
るものではない。
【0021】また、モータ15には、このモータ15の
回転位置を検出するためのエンコーダ15aが付設され
ている。このエンコーダ15aの出力信号に基づいてミ
ラー4の回転中心軸8の傾斜方向角度を検出するように
している。
【0022】なお、本実施例では外側リング部材11お
よび内側リング部材14を1つのモータ15で駆動する
ようにしたが、リング部材11,14をそれぞれ別個の
モータで駆動するようにしてもよい。その場合、各モー
タは回転中心軸8が所望の錐形状を描くように、同期さ
せて回転させるのはもちろんである。上記の駆動機構を
含む走査装置2は、本出願人が先に出願した特願平3−
126511号に、より詳細に記載されている。
【0023】以上説明した揺動機構を駆動させて光ビー
ムを投射させると、ミラー4の回転中心軸8自体が円錐
を描いて回動する揺動走査が行われ、ミラー4の回転に
よる光跡で描かれる面(回転走査面)は一平面に固定さ
れず揺動1サイクルの間は常に変化する。
【0024】なお、回転中心軸8が円錐を描いて1回転
する周期よりミラー4が1回転する周期の方を十分に短
くすることによって、後述するようなきめの細かいピッ
チでの回動走査軌跡を描かせることができる。本実施例
では、ミラー4を2700rpmで回転させ、回転中心
軸8は90rpmで円錐を描いて回転させるようにし
た。
【0025】次に、図3を参照して本実施例の走査装置
による光ビームの光跡について説明する。同図は前記ミ
ラー4を中心とした一定の半径を有する仮想の円筒面に
描かれた光跡をモデル化して示している。
【0026】図示のように、前記走査装置2から投射さ
れた光ビーム2Eは、ミラー4の回転中心軸8が円錐運
動をすることにより、前記仮想の円筒面上に網目状の光
跡を描く。本実施例では、ミラー4の回転数を2700
rpm、回転中心軸8の回転数を90rpmとしたの
で、回転中心軸8が円錐状に1回転する間にミラー4自
体は30回転する。すなわち、回転中心軸8が円錐を描
いて1回転する間に、円筒面上の任意の垂直線18を3
0本の光跡が横切る。
【0027】次に、前記垂直線18上に反射器を配設し
た場合、揺動1サイクルの中でどれだけ光ビームが反射
器へ照射されやすくなるかを図面を参照して説明する。
図4は前記光跡の一部を拡大して示したものである。同
図において、符号6Hで示すように、自走車1と反射器
6とが近く、反射器6の高さ方向の寸法が光跡の揺動幅
BBに対して十分に長い場合は、30本の光跡がすべて
この反射器6を横切る。これに対して、符号6Lで示す
ように、自走車1と反射器6との距離が非常に長い場合
は、反射器6の高さ方向の寸法は光跡の揺動幅BBに対
して相対的に短くなる。しかしながらこのように、反射
器6の高さ方向の寸法が相対的に短い場合であっても、
光跡の垂直方向の最大間隔Hが反射器6の高さ方向の寸
法より相対的に小さければ、回転中心軸8が円錐運動を
1回行う間に少なくとも1回は反射器6を光跡が横切
る。なお、図3,図4は、繁雑さを回避し、図の理解を
容易にするため光跡の本数は実際よりも少なく記載して
ある。
【0028】次に、上記の構成による走査装置2を搭載
した自走車1の操向制御の一例を説明する。図5は自走
車1と基準点A〜Dとの位置関係を示す図であり、自走
車1は基準点A〜Dで規定された領域内に設定された走
行コース36に沿って走行し、芝刈りなど予定の作業を
行う。作業に先立ってまず基準点A〜Dの座標位置が検
出され、自走車1の制御装置に入力される。
【0029】自走車1は走査装置2で光ビームを走査
し、基準点A〜Dの反射器で反射された前記光ビームの
反射光の入射角度(方位角)を検出する。自走車1では
この方位角および基準点A〜Dの位置情報(座標)に基
づいて自己位置を演算する。そして、走行コース36と
自己位置とを比較し、その差を解消するように操舵角を
制御して走行するのである。
【0030】まず、自走車1は基準点Bの近くのスター
ト位置から走行を始め、予定の走行コース36を走行し
てホームポジション63に戻るものとする。走行コース
は間隔Lを有して平行に設定された直進行程と、各直進
行程をつなぐ旋回行程とからなる。自走車1は直進行程
を走行した後、y座標がYtnまたはYtfに達した位
置で、操舵角度を一定の値に固定して旋回行程を走行
し、隣接する次の直進行程に移行する。そして、直進行
程のx座標が最終のx座標Xendを超過した場合、そ
の直進行程走行後、最終旋回行程を経てホームポジショ
ン63に戻る。
【0031】なお、図5においては、説明を簡単にする
ため、各基準点A,B,C,Dを、長方形の各頂点に位
置するように配置した上で直進行程は基準点AとBとを
結ぶ直線つまりy軸と平行にしたが、基準点A〜Dを走
行コースの周囲に配置してあれば、走行コース36は任
意に設定することができる。
【0032】上記の操向制御における自走車1の位置を
求める原理および算出式は、本出願人の先の出願に係る
特開平1−287415号公報および特開平1−316
808号公報に詳細に記載されているので省略する。
【0033】次に、上記のように自走車1を走行させる
ための操向制御についてフローチャートを参照して説明
する。まず、図6を参照して反射光受光処理について説
明する。この反射光受光処理では、受光時のミラー4の
回転角度つまり光の入射方向や、このミラー4の回転中
心軸8の傾斜方向角度などが検出されて記憶される。
【0034】図6において、ステップS100では、受
光器による受光信号の有無が判断され、光信号が検出さ
れたと判断されればステップS101に進む。ステップ
S101では、受光信号の検出間隔によってチャタリン
グによる受光検出か否かの判断をする。つまり、ミラー
4が微小角度しか回転していない間に複数の光信号が検
出された場合は、チャタリングと判断して後で検出され
た方の信号は無視する。チャタリングでなければステッ
プS102に進む。
【0035】ステップS102では、検出ブロック番号
を示す変数iに“0”をセットする。検出ブロックは次
のように定義する。本実施例では、ミラー4の回転中心
軸8が円錐状軌跡を描いて1回転する間にミラー4は回
転中心軸8の周りに30回転させ、光ビームの回転走査
を30回行うようにしている。この30回の回転走査に
よって同一の反射器からの反射光多数回受光する可能性
がある。したがって、ほぼ同一方向から入射した複数の
光信号に関する検出データは同一の反射器からの反射光
としてそのデータを1つのグループにまとめて記憶する
ようにする。ここではこのグループを検出ブロックと呼
ぶ。予定の反射器6a〜6dからの反射光だけが検出さ
れたのであれば、検出ブロックは4つであり、設置され
ている反射器6a〜6dの数と一致する。
【0036】ステップS103では、前記検出ブロック
別の受光回数Cg(i)が“0”か否かを判断する。ス
テップS102でパラメータiに“0”がセットされた
ので、まず、検出ブロック番号“0”の検出ブロックで
の受光回数が“0”か否か、つまりこの検出ブロック
“0”で最初に検出された光信号か否かが判断される。
【0037】最初の処理では、この判断は肯定となり、
ステップS103からステップS106に進んでミラー
角つまり方位角が記憶される。検出ブロックiを代表す
る方位角Am(i)として今回検出された方位角を記憶
し、当該検出ブロックiでの受光回数Cg(i)の値を
インクリメントする。なお、方位角は自走車1の進行方
向を基準とする値とする。
【0038】ステップS107では、基準点を識別する
カウンタの値nをクリアする。本実施例では、カウンタ
値“1”〜“4”はそれぞれ基準点A〜Dに対応させて
ある。ステップS108では、そのカウンタの値nをイ
ンクリメントする。
【0039】ステップS109では、今回検出した方位
角が、予測方位角θq(n)とほぼ同一か否かが判断さ
れる。すなわち、ステップS108でカウンタ値nは
“1”にされたので、このカウンタ値“1”に対応する
基準点Aの予測方位角に関し、これと検出方位角とが一
致するか否かが判断される。
【0040】予測方位角θq(n)は、例えば、今回検
出時の方位角に予測変化量αを加算した値でも良いが、
自走車1の移動量に対して反射光の受光間隔が短いこと
を考慮すると、今回の検出値と同値を予測方位角として
も実用上支障がないし、処理も簡単である。
【0041】ステップS109の判断が否定の場合は、
ステップS110でカウンタ値nが“4”か否かが判別
される。この判断が肯定になるまでステップS108,
S109が繰返され、基準点A〜Dのすべての予測方位
角に関して、これと検出方位角とがほぼ一致するか否か
が判断される。
【0042】予測方位角θq(n)が検出方位角とほぼ
一致していれば、ステップS109からステップS11
1に進む。ステップS111では、予定の基準点を検出
したとして、カウンタ値nで示される基準点nの受光回
数Cp(n)がインクリメントされる。さらに、その基
準点nの検出方位角Ap[n,Cp(n)]、ミラー4
の回転中心軸8の傾斜方向角度つまり揺動方向As
[n,Cp(n)]、ならびにミラー4の回転カウンタ
値Cm[n,Cp(n)]を記憶する。この回転カウン
タ値は、回転中心軸8の揺動方向が予定の基準方向にあ
るときから計数したミラー4の回転回数を示す。なお、
前記揺動方向As[n,Cp(n)]は前記方位角と同
様、自走車1の進行方向を基準とする値であり、後述の
傾斜方向角度Asmax,Asminとは基準が異な
る。
【0043】一方、ステップS103で、検出ブロック
iでの受光が初めてでないと判断された場合は、ステッ
プS104に進み、検出ブロックiにおける先の受光信
号の方位角Am(i)と今回の受光信号の方位角とがほ
ぼ一致しているか否かの判断がなされる。両者がほぼ一
致していれば、ステップS106に進んで今回の検出方
位角で検出ブロックiの方位角Am(i)を更新する。
【0044】一方、検出ブロックiにおける先の受光信
号の方位角Am(i)と今回の受光信号の方位角とが一
致していない場合は、ステップS104は否定となり、
ステップS105に進み、検出ブロック番号(i)をイ
ンクリメントする。その後ステップS103に戻ってイ
ンクリメントされた検出ブロック(i)について、今回
検出された受光は初めての受光か否かが判断される。
【0045】次に、上記反射光受光処理によって得られ
たデータを使用する操向制御について説明する。図7,
図8は操向制御のゼネラルフローチャートである。
【0046】図7において、ステップS1では、モータ
5を起動し、回転中心軸8を中心にミラー4を回転させ
て回転走査させると共に、モータ15を起動して前記回
転中心軸8を、円錐状の軌跡を描かせて回動させる。こ
こでは、基準点A〜Dに設定された反射器6a〜6dに
確実に光ビームを照射させられるようにモータ15は低
速で回転させる。
【0047】ステップS2では、反射器6a〜6dのイ
ニシャル方位角を決定するイニシャルポール識別処理を
行う。イニシャルポール識別処理では、回転中心軸8が
1回揺動する間に前記反射光受光処理で記憶された受光
データの解析を行い、基準点の識別処理を行う。
【0048】つまり、回転中心軸8が1回転する間の検
出ブロックの数を検出し、その数が予定の基準点の数
(=反射器の数)と一致しているか否かを判断する。こ
れらが互いに一致していれば、受光信号が予定の基準点
に配置された反射器からの反射光の検出信号であると判
定する。一方、両者が一致しない場合は、各検出ブロッ
クでの受光回数が予定のしきい値より大きいか否によっ
て、受光回数が多いブロックを基準点からの光の検出信
号であると判断するか、再び反射光受光処理を行うかす
る。このイニシャルポール識別処理は本出願人が先に出
願した特願平3−126511号に、より詳細に記載さ
れている。
【0049】ステップS3では、自走車1から基準点A
〜Dまでの各距離を測定して各基準点の位置(座標値)
を計算するポール位置計測処理を行う。この処理の詳細
は図9および図10に関して後述する。
【0050】ステップS4では、ステップS2で算出さ
れた基準点の方位角、およびステップS3で算出された
座標値に基づき、自走車1の現在の位置座標(Xp,Y
p)を算出する。ステップS5では、自走車1の走行コ
ースをセットする。すなわち自走車1の現在のx座標X
pを第1番目の直進行程のx座標Xrefとしてセット
する。この現在の位置をXrefとしてセットするセッ
ト動作は自走車1が走行開始位置にある場合に行われ
る。
【0051】ステップS6では、モータ5および15を
所定の速度で高速回転させてミラー4を回転および揺動
させる。ステップS7では、自走車1のエンジン回転を
駆動輪に接続して走行を開始させる。
【0052】ステップS8(図8)では、自走車1をそ
のy座標値が大きくなる方向に直進行程を走行させる往
路直進処理を行う。この処理では、後述の反射光受光処
理で得られた方位角に基づいて自己位置(Xp,Yp)
および進行方向θfを算出する。そして、それらの値と
設定された走行コースとの差を算出し、この差を修正す
るように自走車1の操舵輪の操舵角を変更する制御を行
う。この処理は本発明とは直接関係ないので詳細な動作
を示すフローチャートは省略する。
【0053】ステップS9では、自走車1のy座標Yp
が予定のy座標Ytfより大きくなったか否かによって
第1番目の直進行程の走行を終了したか否かを判断す
る。判断結果が肯定となればステップS10に進む。ス
テップS10では、直進行程のx座標Xrefに距離L
を加算して次の直進行程を設定する。
【0054】ステップS11では、直進行程に続く旋回
行程の走行を終了させる方位角、つまり右ターン解除角
をセットする。ステップS12では、自走車1の操舵角
を予定値に固定して一定の旋回半径で右旋回するUター
ン処理を行う。ステップS11,S12の処理も本発明
とは直接関係ないので詳細な動作を示すフローチャート
は省略する。
【0055】ステップS13では、自走車1から見た方
位角が前記右ターン解除角に達した基準点の数を計数す
る解除カウンタ値(Uターン処理時に計数される)が
“1”を超過しているか否かを判断する。この判断が肯
定ならば旋回行程の走行を終了したと判断してステップ
S14に進む。ステップS14では、自走車1をそのy
座標値が小さくなる方向に直進行程を走行させる復路直
進処理を行う。
【0056】ステップS15では、自走車1のy座標が
予定のy座標Ytnより小さいか否かによって第2番目
の直進行程の走行を終了したか否かを判断する。ステッ
プS16では、直進行程のx座標Xrefが走行終了予
定地点のx座標Xendを超過したか否かを判断する。
ステップS16の判断が否定の場合は、ステップS17
に進んで次の直進行程を設定する。
【0057】ステップS18では、左旋回を終了させる
左ターン解除角をセットする。この処理は、セットされ
る解除角の値が異なる他は前記右ターン解除角セット処
理と同様である。ステップS19では、Uターン処理を
行い、ステップS20では、解除カウンタの値が“1”
を超過しているか否かを判断する。この判断が肯定なら
ば、旋回肯定の走行を終了したと判断してステップS8
に戻る。
【0058】また、ステップS16の判断が肯定の場合
は、すべての直進行程の走行を終了した場合であり、ス
テップS21に進んで最終の旋回行程における解除角を
セットする。このステップS21の処理は、右ターン解
除角セットや左ターン解除角セットと同様である。
【0059】ステップS22ではUターン処理を行い、
ステップS23では、解除カウンタの値が“1”を超過
しているか否かを判断する。ステップS24では、ホー
ムポジション63に戻るための直進行程を走行させる処
理を行う。この処理は往路直進処理と同様である。
【0060】ステップS25では、自走車1のx座標X
pがホームポジション63のx座標Xhomeより小さ
くなったか否かを判断し、この判断が肯定ならば自走車
1がホームポジション63に戻ったと判断できるのです
べての処理を終える。
【0061】次に、前記操向制御におけるポール位置計
測処理について説明する。このポール位置計測処理で
は、まず、基準点を検出できる回転中心軸8の傾斜方向
角度を求める。ここでの傾斜方向角度とは、基準点の方
位角を基準とする角度で表わされる。これに対し、揺動
方向は自走車1の進行方向を基準として表わされる回転
中心軸8の傾斜方向である。続いて、傾斜方向角度を検
出したならば、その最大値および最小値を求める。
【0062】前記傾斜方向角度の最大値,最小値は、図
1に示したように定義される。なお、図1において図2
と同符号は同一または同等部分を示す。図1において、
符号Zはそのときの回転中心軸8の傾斜方向を示す。そ
して、反射器6の上端近傍に光ビーム2Eを照射できた
ときの傾斜方向を最大傾斜方向角度Asmaxと定義
し、反射器6の下端近傍に光ビーム2Eを照射できたと
きの傾斜方向を最小傾斜方向角度Asminとして定義
する。
【0063】傾斜方向角度の最大値と最小値とが求めら
れたならば、その値に基づいて観測点および各基準点間
の距離を算出し、その距離データと検出方位角とに基づ
いて基準点位置を決定するのである。
【0064】図9,図10および図11のフローチャー
トを参照してポール位置計測処理を説明する。図9にお
いて、ステップS150では、傾斜方向角度決定処理を
行う。ここでは基準点からの反射光を受光できる前記最
大傾斜方向角度Asmaxおよび最小傾斜方向角度As
minを求める。この傾斜方向角度は上述のように基準
点の方位角を基準にした回転中心軸8の相対的な傾斜方
向である。この処理の詳細は図10に関して後述する。
【0065】ステップS151では、基準点を特定する
カウンタ値nをクリアする。ステップS152では、前
記カウンタ値nをインクリメントする。ステップS15
3では、観測点つまり自走車1から基準点nまでの距離
r(n)を計算する。この計算のための式については図
12に関して後述する。ステップS154では、カウン
タ値nが“4”か否か、つまり予定の基準点の数と一致
するか否かを判断することによって、すべての基準点に
ついて自走車1からの距離を測定し終わったかどうかを
判定する。
【0066】ステップS155では、検出された各基準
点と自走車1との距離、およびイニシャルポール識別処
理によって求められた基準点nの方位角に基づき、自走
車1を原点とする任意の座標系、例えば自走車1を原点
とし、基準点A方向をx軸の正方向とする座標系での各
基準点A〜Dの座標[X(n),Y(n)]を演算す
る。ステップS156では、前記座標[X(n),Y
(n)]を、基準点Bを原点とする座標系上での座標
[x(n),y(n)]に変換する。
【0067】次に、図10,図11を参照して前記傾斜
方向角度決定処理の詳細を説明する。同図において、ス
テップS160では、モータ5を回転させてミラー4を
回転中心軸8の周りに回転させると共に、その回転中心
軸8を、円錐状の軌跡を描いて回動させる。ここでは、
反射器6a〜6dの上下端部に確実に光ビームを照射さ
せられるように、モータ15は超低速で回転させる。こ
こでいう超低速回転とは、前記ステップS1(図7)に
おける回転速度と対比してさらにそれよりも低いという
意味である。
【0068】ステップS161では、基準点A〜Dを特
定するカウンタ値nをクリアする。ステップS162で
は、前記カウンタ値nをインクリメントする。
【0069】ステップS163では、回転中心軸8の揺
動方向が基準点nの方位角θ(n)と等しいか否かを判
断する。つまり回転中心軸8が基準点nの方向に傾斜し
ているか否かを判断するのである。この判断が肯定の場
合はステップS164に進み、反射光受光処理における
データをクリアする。
【0070】ステップS165では、受光信号によって
反射物体の数を計数するカウンタ値つまり検出ブロック
数を示すパラメータCrに“0”をセットする。ステッ
プS166では、揺動方向が方位角θ(n)+180°
になったか否かによって、回転中心軸8が円錐状の軌跡
を描く回動が半サイクル行われたか否かを判断する。
【0071】前記回動が半サイクル行われるまでは、ス
テップS167(図11)に進む。ステップS167で
は反射光受光処理を行う。反射光受光処理が終わった場
合はステップS168に進み、ミラー4が1回転したか
否かを判断する。ミラー4が1回転したと判断される
と、ステップS169に進んでミラー4の1回転中に反
射光受光処理で得られたデータを読込む。
【0072】ステップS170では、前記反射光受光処
理における基準点nの受光回数Cp(n)に基づいて基
準点nが検出されたか否かを判断する。基準点nを検出
したと判断された場合は、ステップS171に進み、基
準点n検出時の傾斜方向角度つまり基準点nの方位を基
準とする揺動方向{As[n,Cp(n)]−θ
(n)}を変数aにセットする。
【0073】ステップS173では、この基準点nが前
回の処理に続いて連続して検出されたか否かを判断す
る。そして、連続しない検出信号が得られた場合は、ス
テップS174に進んでカウンタ値Crをインクリメン
トし、ステップS175に進んで、前記変数の値を最大
角度max(Cr)および最小角度min(Cr)とし
て記憶する。
【0074】また、基準点nが連続して検出されたので
あれば、ステップS176に進んで、今回検出した傾斜
方向角度つまり変数aの値が、前回までの処理で記憶さ
れている最大角度max(Cr)より大きいか否かを判
断する。この判断が肯定の場合は、ステップS177に
進んで最大角度max(Cr)を値aで更新する。
【0075】さらに、ステップS178では、変数aの
値が、前回までの処理で記憶されている最小角度min
(Cr)より大きいか否かを判断する。この判断が肯定
の場合は、ステップS179に進んで最小角度min
(Cr)を更新する。
【0076】なお、本実施例のように光ビームの回転走
査方向が反時計方向に限定されている場合には、基準点
の光反射器に対して最下部から最上部へと光ビームがよ
ぎる位置が変化していくので、最初の検出が最小角度と
なり、連続して検出されていく限り最大角度が更新され
ていく。したがって、図11に破線で示したように、ス
テップS173の判断が肯定のときに、ステップS17
7´に移行するようにもできる。
【0077】回転中心軸8が円錐状の軌跡を描く回動が
半サイクル行われて、前記ステップS166が肯定と判
断されると、ステップS180(図10)に進んでカウ
ンタ値Crが“1”か否かを判断する。
【0078】カウンタ値Crが“1”の場合は、基準点
n以外の反射物体からの光は受光しなかったと判断して
ステップS181に進む。ステップS181では、前記
最大角度max(Cr)を最大傾斜方向角度Asmax
(n)として記憶し、前記最小角度min(Cr)を最
小傾斜方向角度Asmin(n)として記憶する。
【0079】また、基準点n以外の反射物体からの光を
受光した場合は、前記ステップS180の判断は否定と
なってステップS182に進む。ステップS182では
最大角度max(Cr)と最小角度min(Cr)との
差を演算し、それが最大となるカウンタ値Crを検出す
る。そして、ステップS183では、算出されたカウン
タ値Crに対応する最大角度(Cr)および最小角度
(Cr)を、それぞれ最大傾斜方向角度Asmax
(n)および最小傾斜方向角度Asmin(n)として
記憶する。
【0080】ステップS184では、カウンタ値nが
“4”か否かを判断する。この判断が肯定となった場
合、つまりすべての基準点に関して、その基準点nに配
設された反射器に光ビームを照射できる最大傾斜方向角
度Asmax(n)および最小傾斜方向角度Asmin
(n)を記憶し終わったならば、この傾斜方向角度決定
処理を終了する。
【0081】次に、前記ステップS153の算出式につ
いて説明する。図12において、水平面上の円O(半径
r)と、これに対して予定角度φで交差する傾斜面fを
想定する。円Oの円周上の点Pに立てられた垂直線が傾
斜面fと交差する点をQとし、円Oの中心OCを通り、
円Oと傾斜面fとの交差線に対して垂直に引いた直線が
円Oの円周と交差する点をEとする。また、この点Eか
ら円Oの面に対して垂直に引いた直線と傾斜面fとが交
差する点をFとし、点Pから円Oと傾斜面fとの交差線
におろした垂線の足をGとする。さらに、円Oの中心O
Cから見た点EおよびPの開き角度をθkとする。
【0082】以上の設定を、本実施例の位置検出装置に
対応させると次のようになる。点OC…自走車1の位
置、 角度φ…回転中心軸8の傾き、 傾斜面f…自走
車1を中心として回転走査される光ビームの走査面、
P…反射器6が設置された基準点、 Q…基準点Pに設
置された反射器6と光ビームとの交点、 中心OCから
見た点Eの方向…揺動方向Z、 θk…傾斜方向角度、
r…自走車1から基準点Pまでの距離。
【0083】そして、直線PQの長さ、つまり点Pか
ら、光ビームが照射された反射器6上の点Qまでの高さ
は次式によって計算できる。 PG=r×sin(θk−90°)=−r×cosθk…(1) PQ=PG×tanφ…(2) 式(1),(2)から、 PQ=−r×cosθk×tanφ…(3) さらに、角度θkに、最大傾斜方向角度Asmaxと最
小傾斜方向角度Asminとをそれぞれ代入すると、 反射器6下端の高さ=−r×cos(Asmin)×tanφ…(4) 反射器6上端の高さ=−r×cos(Asmax)×tanφ…(5) となり、(4),(5)式から、反射器6の高さHpは
次式で表わされる。 Hp=−r×cos(Asmax)×tanφ−{−r×cos(Asmin )×tanφ}…(6) 反射器6の高さは予め決定しているので、自走車1と基
準点nとの距離r(n)は次式で表わされる。
【0084】 r(n)=Hp /{tanφ×{cos(Asmin(n))−cos(Asmax(n))} } …(7) 次に、本実施例の制御機能を説明する。まず、反射光受
光処理の機能を説明する。図13は反射光受光処理のた
めの要部機能を示すブロック図である。
【0085】同図において、受光信号は方位角検出部3
7および揺動方向検出部38に入力される。方位角検出
部37はエンコーダ7から入力されるパルス信号の数を
計数するカウンタを持っており、光信号が入力された時
のパルス計数値に基づいて自走車1から見た光信号の入
射方位(=方位角)が検出される。検出された方位角は
ブロック別方位角記憶部39に記憶される。
【0086】例えば、最初に検出された方位角は第1検
出ブロックの方位角として記憶領域Am(0)に格納さ
れる。第2回目に検出された方位角は、これが第1検出
ブロックで先に検出された方位角とほぼ一致していれ
ば、Am(0)の記憶データは第2回目に検出された方
位角で更新され、一致していなければ第2検出ブロック
の方位角として新たに記憶領域Am(1)に格納され
る。こうして同一方向から入射した光信号は同一の検出
ブロックのデータAm(i)として記憶される。
【0087】ブロック別受光回数記憶部40には、前記
検出ブロック別に受光回数が記憶される。受光回数判定
部41は、受光回数が多い検出ブロックを判別し、受光
回数が多い順に4つの検出ブロックを抽出する。そし
て、それらの検出ブロックを代表する方位角を、前記ブ
ロック別方位角記憶部39から読出して方位角記憶部4
2に格納する。予測方位角記憶部43には、今回検出さ
れた方位角に基づいて次回の走査で検出されるはずの方
位つまり予測方位角を記憶する。この予測方位角は今回
検出された方位角と同値でも良いし、予定の値を加算し
た値でも良いことは前に述べたとおりである。
【0088】方位角比較部44では、予測方位角と今回
の検出方位角とが比較され、双方の角度がほぼ一致した
場合は一致信号aを出力する。この一致信号aに応答し
て、常時開のスイッチSW1およびSW2が閉成され
て、基準点別データ記憶部45に各種データが入力され
て記憶される。この各種データは、方位角Ap,揺動方
向As,ミラー4の回転回数Cm、ならびに基準点別受
光回数Cp(n)である。ここで、値Ap,As,Cm
は、基準点nおよび基準点別受光回数Cp(n)の関数
として記憶される。
【0089】次に、図14のブロック図を参照して基準
点位置計測処理の要部機能を説明する。同図において、
基準点検出判定部16では、ミラー4が1回転する毎に
基準点別データ記憶部45から受光回数データCp
(n)を取込み、その受光回数データCp(n)に基づ
いて基準点nが検出されたか否かを判定する。
【0090】基準点nが検出された場合、基準点別デー
タ記憶部45は、基準点検出判定部16から供給される
検出信号に応答し、傾斜方向角度演算部19に揺動方向
データAs[n,Cp(n)]と方位角データAp
[n,Cp(n)]とを出力する。傾斜方向角度演算部
19は、これらのデータによって傾斜方向角度を算出
し、その算出結果をバッファ20に出力する。
【0091】基準点連続検出判定部21は、基準点nが
ミラー4の前回の1回転中にも検出されたか否かを判定
する。この判定のために、基準点検出判定部16で基準
点nが検出されたときのミラー4の回転回数Cm[n,
Cp(n)]を記憶しておく。そして、今回および前回
の、基準点nを検出したときのミラー4の回転回数Cm
[n,Cp(n)]が連続しているか否かを判別して、
基準点nを連続検出したか否かを判定する。
【0092】基準点nを連続検出したと判定されたとき
には、最大・最小角度記憶部22に記憶されている最大
角度max(Cr)および最小角度min(Cr)を比
較部23に読出し、バッファ20内に記憶されている傾
斜方向角度との大小を比較する。バァファ20内の傾斜
方向角度が最大角度より大きい場合、およびバァファ2
0内の傾斜方向角度が最小角度より小さい場合は、最大
・最小角度記憶部22の最大角度および最小角度をバッ
ファ20内の傾斜方向角度でそれぞれ更新する。
【0093】一方、基準点nが連続検出されたのでない
場合は、カウンタ24の値をインクリメントし、バッフ
ァ20の傾斜方向角度を前記カウンタ値に対応させて最
大・最小角度記憶部22に記憶する。
【0094】基準点識別部25では、カウンタ24の値
が“1”以上か否かに応じ、カウンタ24の値が“1”
以上であれば基準点識別処理を行う。カウンタ24の値
が“1”以上であれば、最大・最小角度記憶部22に複
数記憶されている最大角度および最小角度の中から、基
準点nに関する最大角度および最小角度を識別し、その
最大角度および最小角度を最大傾斜方向角度Asmax
(n)および最小傾斜方向角度Asmin(n)として
傾斜方向角度記憶部26に記憶する。
【0095】また、カウンタ24の値が“1”であれ
ば、最大・最小角度記憶部22に記憶されている最大角
度および最小角度はそれぞれ1つであり、その角度値を
そのまま最大傾斜方向角度Asmax(n)および最小
傾斜方向角度Asmin(n)として傾斜方向角度記憶
部26に記憶する。
【0096】距離演算部27では、最大傾斜方向角度A
smax(n)および最小傾斜方向角度Asmin
(n)を用い、前記算出式(7)に従って自走車1から
基準点nまでの距離を算出する。
【0097】基準点位置演算部28では、算出された前
記距離と方位角記憶部42から供給される方位角θ
(n)とに基づいて基準点の位置座標[X(n),Y
(n)]を算出する。
【0098】なお、図10に示したフローチャートで
は、最大角度max(Cr)と最小角度min(Cr)
との差が最大になるデータを基準点nに関する正しいデ
ータと判断するようにした(ステップS182,S18
3)が、基準点n検出信号が最も多く連続したときのカ
ウンタ値Crと対応する最大角度max(Cr),最小
角度min(Cr)をそれぞれ最大傾斜方向角度Asm
ax(n),最小傾斜方向角度Asmin(n)として
もよい。これは、予定の反射器よりも自走車1に近い位
置に、この反射器より大きい反射物体が存在する可能性
は極めて低いとい前提による。
【0099】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、専用の高価な測距センサを設けることなく、
方位角および揺動方向検出機能を利用して基準点の位置
計測処理のための距離測定を行える。
【0100】また、本発明では、当該位置検出装置の設
置場所の地形すなわち移動体の移動区域が平坦でなくと
も、高い確率で基準点に光ビームを照射できるように、
光ビームを水平方向で回転走査させつつ、例えばその走
査速度より遅い速度でその光ビームを上下に走査するよ
うにした。
【0101】そしてこのような構成において、光ビーム
を最も照射し易い投射方位(方位角)および揺動方向に
基づいて前記距離測定を行って位置の算出ができる。そ
の結果、運転開始の準備段階等で行われる光反射手段つ
まり基準点の位置検出を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 傾斜方向角度の定義を示す本発明の原理図
である。
【図2】 自走車の走行状態を示す斜視図である。
【図3】 光ビームの光跡を示す斜視図である。
【図4】 光跡と光反射器との関係を示す図である。
【図5】 自走車の走行コースと反射器の配置状態を
示す図である。
【図6】 反射光受光処理のフローチャートである。
【図7】 自走車の操向制御を示すフローチャート
(その1)である。
【図8】 自走車の操向制御を示すフローチャート
(その2)である。
【図9】 ポール位置計測処理のフローチャートであ
る。
【図10】 傾斜方向角度決定処理のフローチャート
(その1)である。
【図11】 傾斜方向角度決定処理のフローチャート
(その2)である。
【図12】 距離を算出する式の説明図である。
【図13】 反射光受光処理の要部機能を示すブロック
図である。
【図14】 基準点位置計測処理の要部機能を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1…自走車、 2…光ビーム走査装置、 4…回転ミラ
ー、 5…ミラー駆動モータ、 6,6a〜6d…光反
射器、 7…エンコーダ、 8…回転中心軸、11…外
側リング部材、 14…内側リング部材、 15…揺動
駆動用モータ、16…基準点検出判定部、 19…傾斜
方向角度演算部、 21…基準点連続検出判定部、 2
2…最大・最小角度記憶部、 25…基準点識別部、
26…傾斜方向角度記憶部、 27…距離演算部、 2
8…基準点位置演算部、 38…方位角検出部、 42
…方位角記憶部、 45…基準点別データ記憶部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−287415(JP,A) 特開 昭59−67476(JP,A) 特開 昭60−242313(JP,A) 特開 平1−316808(JP,A) 特開 昭62−249010(JP,A) 特開 昭63−243717(JP,A) 特開 平3−128415(JP,A) 特開 昭59−224507(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01C 15/00 - 15/14 G01B 11/00 - 11/30 102 G01S 5/16 G01S 17/00 - 17/88

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 観測点を中心として光ビームを円周方向
    に回転走査する回転走査手段と、この観測点から離れた
    位置に設置された光反射手段で反射された前記光ビーム
    の反射光を受光する受光手段とを有し、この反射光の受
    光信号に基づいて前記観測点に対する前記光反射手段の
    位置を検出する位置検出装置において、 前記回転走査
    手段の回転中心軸を略円錐形状の軌跡を描くように揺動
    させることによって、複数回の前記回転走査に対して1
    回の割合で前記光ビームを観測点を中心として上下に揺
    動させるように構成された揺動走査手段と、 前記受光手段によって光信号が検出されたときの回転走
    査方向の方位角および前記揺動走査手段による前記回転
    中心軸の傾斜方向角度を格納する記憶手段と、 略同一の回転走査方向で複数の光信号が検出されたとき
    の、前記傾斜方向角度の最大値および最小値を検出する
    手段とを具備し、 前記略同一の回転走査方向で検出された傾斜方向角度の
    最大値および最小値とこの方位に対応する前記光反射手
    段の既知の高さ寸法とに基づいて観測点および光反射手
    段間の距離を算出するように構成したことを特徴とする
    位置検出装置。
  2. 【請求項2】 前記傾斜方向角度の最大値および最小値
    は、前記記憶された方位角がほぼ同一である受光信号が
    毎回の回転走査毎に連続して検出されたときの、前記回
    転中心軸の傾斜方向角度の最大値および最小値であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の位置検出装置。
  3. 【請求項3】 前記傾斜方向角度の最大値および最小値
    は、毎回の回転走査毎に連続して検出された受光信号の
    うち、その連続回数が最も多い受光信号に対応する前記
    回転中心軸の傾斜方向角度の最大値および最小値である
    ことを特徴とする請求項1記載の位置検出装置。
  4. 【請求項4】 前記回転走査手段と受光手段とは、前記
    回転中心軸が略円錐軌跡を描くように回動する共通のプ
    レートに固定されていることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の位置検出装置。
  5. 【請求項5】 前記観測点が移動体であり、この移動体
    から光反射手段までの前記測定された距離と、前記光反
    射手段の方位角とに基づいてこの光反射手段の位置を算
    出する演算手段を具備したことを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載の位置検出装置。
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