JP3071866B2 - 複合半透膜 - Google Patents

複合半透膜

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【0002】
【従来の技術】近年、逆浸透膜として多孔性基材上に半
透性を有する薄膜を形成させた複合半透膜が種々提案さ
れている。このような複合半透膜は一般に、多孔性基材
上に反応性基質の水溶液を塗布した後、ヘキサンのよう
な水非混和性の有機溶剤に溶解したトリレンジイソシア
ネート、塩化イソフタロイル、トリメシン酸クロライド
等の多官能性架橋剤の溶液と接触させ、水相と有機相の
界面で反応性基質を架橋剤と反応させる界面反応を利用
して、半透性を有する薄膜(緻密層)を形成させること
により製造されている。
【0003】具体的には、例えば多孔性基材にポリスル
ホン限外濾過膜を用い、反応性基質としてポリエチレン
イミンを用いた複合半透膜(特開昭49−133282号)、ア
ミン変性エピクロロヒドリンを用いた複合半透膜(特公
昭55−38164 号)、ポリエチレンイミン等の水溶性重合
体とポリアミノ化合物単量体混合物を用いた複合半透膜
(特開昭57−27101 号及び特開昭57−27102 号)、多官
能芳香族アミンと多官能酸ハロゲン化物との界面重合に
よって得られるポリアミドからなる薄膜が、多孔性基材
上に形成された複合半透膜(特公昭63−36803 号)等が
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような複合半透膜
は、従来の酢酸セルロース膜に代表される非対称膜に比
較して、除去性、透水性、耐熱性等の点で優れている
が、実際に使用される用途によっては、なお耐汚染性が
十分ではなく、その改善が要望されている。 例えば、
井水や工水のように鉄、マンガン等の重金属が微量では
あるが含まれている水を処理する場合、上記膜で処理を
続けると、膜面に上記重金属が付着して膜が汚染され、
経時的に膜性能を低下させる原因の一つとなっている。
特に膜は実際に使用されている殆どの場合、有機汚染
物質を取り除くのに効果的である塩素あるいは過酸化水
素水等の薬品で洗浄されるのが一般的であるが、膜面に
これら鉄等の重金属汚染物が存在するとこれが触媒作用
を担い、上記薬品で洗浄された場合、膜自体の劣化を促
進させ、膜の除去性や透水性を急速に低下させることに
なる。 よって、重金属に対する耐汚染性に優れた膜が
求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる問題点を
解決するためになされたものであって、上記の複合半透
膜の表面をエチレン−ビニルアルコール共重合体層で被
覆することにより、鉄等に対する耐汚染性を向上させる
ことができる複合半透膜に関する。即ち本発明は、多孔
性基材上に、1分子中に2個以上の官能基を有する反応
性基質が上記官能基と反応し得る多官能性架橋剤で架橋
されてなる半透性薄膜が形成され、さらに該半透性薄膜
の表面がエチレン−ビニルアルコール共重合体層で被覆
されてなる複合半透膜を提供する。
【0006】本発明において用いる多孔性基材は、薄膜
を支持し得るものである限り特に限定されないが、通
常、表面に孔径10〜500 Åの微孔を有する限外濾過膜が
用いられる。 素材としては、例えば、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリイ
ミド、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、酢酸セルロース等が挙げられるが、特に耐熱性、耐
酸化剤性等の点から、ポリスルホン、ポリエーテルスル
ホン等が好ましい。 またこのような多孔質膜は織布、
不織布等で裏打ち補強されていてもよい。
【0007】本発明において用いる反応性基質とは、1
分子中に2個以上の官能基を有する単量体、オリゴマー
及びポリマーをいい、従来より多官能性架橋剤により架
橋、重合して、半透性を有する薄膜を形成することが知
られている任意の反応性基質を含む。 上記官能基とし
ては、アミノ基、水酸基、チオール基、カルボキシル
基、アミド基、尿素基等を挙げることができるが、特に
除去性能を高くするという点からアミノ基、水酸基が好
ましい。これらの反応性基質は水溶性であることを要
し、ここで水溶性とは室温において水又は炭素数1〜4
の脂肪族アルコールと水との混合溶剤に0.1 重量%以上
の溶解性を有することを意味する。従って、本発明にお
いて好ましく用いられる反応性基質の具体例としては、
ポリエチレンイミン、アミン変性ポリエピクロロヒドリ
ン、アミン変性(エピクロロヒドリン−酸化エチレン)
共重合体、ポリビニルアルコール、アミノ化ポリスチレ
ン、ヒドロキシル化ポリスチレン、アミノ化ポリスルホ
ン等の水溶性ポリマー、ピペラジン−トリメシ酸クロラ
イドオリゴマー等の水溶性オリゴマー、エチレンジアミ
ン、ピペラジン、アミノピペリジン、フェニレンジアミ
ン等の単量体、及びこれらの任意の2以上の混合物を挙
げることができる。
【0008】また本発明で用いる多官能性架橋剤とは、
前記反応性基質の有する官能基と反応し得る官能基を1
分子中に2個以上有する化合物をいい、後者の官能基の
具体例として、酸ハライド基、酸無水物基、イソシアネ
ート基、ハロゲンスルホニル基、ハロホルメート基、N
−ハロホルミル基等を挙げることができる。
【0009】従って好ましい多官能性架橋剤の具体例と
して、塩化イソフタロイル、塩化テレフタロイル、〔化
1〕、〔化2〕
【化1】
【化2】 等、及びこれらの任意の2以上の混合物を挙げることが
できる。 本発明においては特に、膜の除去性能を高く
するという点から、塩化イソフタロイル、トリメシン酸
クロライド、ブタンテトラカルボン酸クロライド等が好
ましい。
【0010】本発明が適用される複合半透膜は、前記多
孔性基材上に、反応性基質を含む水溶液を塗布又は含浸
させ、次いで多官能性架橋剤を含む水非混和性有機溶剤
溶液と接触させ、界面反応によって反応性基質を架橋、
重合させて薄膜を形成させたもので、必要に応じて加熱
処理されたものを含む。
【0011】本発明は、上記複合半透膜の表面がさらに
エチレン−ビニルアルコール共重合体層で被覆されてな
る複合半透膜である。かかる複合半透膜は、後述のエチ
レン−ビニルアルコール共重合体を溶解した製膜溶液を
前記複合半透膜の表面に塗布し、これを水を主体とする
凝固液と接触させ、上記共重合体を凝固させることによ
って製造される。
【0012】本発明において用いるエチレン−ビニルア
ルコール共重合体は、エチレン含有量が10〜60モル
%、好ましくは15〜55モル%である。 エチレン含
有量が10モル%よりも少ないときは、得られる被覆層
が湿潤時の機械的特性に劣るようになり、60モル%を
越えるときは、透過性に劣るようになるので好ましくな
い。 またそのケン化度は、80モル%以上、好ましく
は90モル%以上、特に好ましくは実質的に完全にケン
化されたケン化度が99モル%以上である。ケン化度が
80モル%よりも少ないときは、得られる被覆層が湿潤
時の機械的特性に劣るので好ましくない。なお本発明に
おいては、エチレン−ビニルアルコール共重合体は、ア
クリル酸、メタクリル酸、これらのアルキルエステル、
特にメチルエステル、塩化ビニル、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、ビニルピロリドン等の共重合性単
量体が、15モル%以下の範囲で共重合されていてもよ
く、また、ホウ素化合物等の無機塩による架橋処理や、
ホルムアミド、アセトアルデヒド等によるアセタール化
処理されていてもよい。
【0013】本発明において、製膜溶液を形成するため
の溶剤は、エチレン−ビニルアルコール共重合体を溶解
し、かつ水と相溶性を有し、かつ複合膜性能に悪影響を
及ぼさないものであれば特に限定されない。 かかる製
膜液溶剤として、例えばメタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール又はt−ブチルアルコール等の炭素
数1〜4の脂肪族アルコール、ジメチルアセトアミド、
ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドから選
ばれる少なくとも一種、又はこれらと水との混合溶剤が
用いられる。 また、製膜溶液中のエチレン−ビニルア
ルコール共重合体の濃度は、通常3〜15重量%、好ま
しくは5〜10重量%である。製膜液溶剤にエチレン−
ビニルアルコール共重合体を溶解し、製膜溶液を調製す
るに際しては、必要に応じて加熱してもよい。
【0014】本発明において凝固液としては、通常水が
用いられるが、エチレン−ビニルアルコール共重合体に
対する凝固作用が阻害されない限りにおいて、凝固液は
水と相溶し得る有機溶剤を含有していてもよい。 かか
る有機溶剤としては、例えば、製膜溶液の調製に用いた
有機溶剤が挙げられる。 なお、凝固液及び製膜溶液
は、必要に応じて、例えば硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナ
トリウム、炭酸カリウム等のような有機酸塩を、均一に
溶解する範囲で含有していてもよい。このような無機塩
や有機酸塩の添加によって、得られる膜に形成される微
孔孔径を調整して、透水性を高めるのに役立つ。
【0015】上記した方法によりエチレン−ビニルアル
コール共重合体層が表面に被覆されてなる複合半透膜が
得られるが、この後必要に応じて、加熱乾燥処理を行う
こともできる。 加熱温度は複合膜性能を低下させない
範囲であればよく、通常30〜150°C、好ましくは
30〜100°Cで、加熱時間は1〜30分間、好まし
くは2〜10分間である。
【0016】
【発明の効果】本発明の複合半透膜は、従来の複合半透
膜と比較して耐汚染性が格段向上しているため、鉄、マ
ンガン等の重金属物質を含む原水を処理する分野、例え
ば、井水、工水等の脱塩による淡水化や、半導体の製造
に必要とされる超純水の製造、廃水の回収等に好適に用
いることができる。
【0017】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。実施例1特開昭57−27102 号公報に記載された方法
に基づき、ポリスルホン製限外濾過膜からなる多孔性基
材上で、0.25重量%ポリビニルアルコールと0.25重量%
ピペラジンを含んだ水溶液を塗布し、1重量%トリメシ
ン酸クロライドと1重量%塩化イソフタロイルで架橋さ
せて複合半透膜を得た。この膜の表面に、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体(エチレン含有量32モル%、ケ
ン化度99モル%)を10重量%含んだジメチルアセトアミ
ド溶液を塗布し、純水で凝固させた後、30℃で5分間加
熱処理を施すことにより、表面がエチレン−ビニルアル
コール共重合体層で被覆された本発明の複合半透膜を得
た。この膜に、塩化ナトリウムの2000ppm 水溶液を25
℃、圧力15kg/cm2 の条件下で逆浸透試験を行ったとこ
ろ、除去率92.0%、透水量1.50m3/m2・d であった。次
いで上記複合半透膜を、コロイダル状の水酸化第二鉄を
40ppm 含んだpH6の水に4日間浸漬したところ、除去率
91.8%、透水量1.38m3/m2・d であった。また、かかる
膜を6N塩酸水溶液に浸漬抽出させて、その水溶液中の
鉄濃度を原子吸光分析で定量し、該膜に付着した鉄の量
を求めたところ、30mg/m2 であり、耐汚染性を有するこ
とが確認された。
【0018】比較例1 実施例1において表面をエチレン−ビニルアルコール共
重合体層で被覆しない以外は実施例1と同様にして得た
複合半透膜の逆浸透試験を行ったところ、除去率92.5
%、透水量1.75m3/m2・d であった。次いでこの複合半
透膜を、実施例1と同様にしてコロイダル状の水酸化第
二鉄を含んだ水に浸漬したところ、除去率88.3%、透水
量1.10m3/m2・d と低下した。また、実施例1と同様に
して該膜に付着した鉄の量を求めたところ、65mg/m2
あった。
【0019】実施例2 実施例1で得られた複合半透膜を、コロイダル状の水酸
化第二鉄を 120ppm 含んだpH6.9 の水に5.5 時間浸漬し
たところ、除去率91.9%、透水量1.40m3/m2・d であっ
た。また、実施例1と同様にして該膜に付着した鉄の量
を求めたところ、22.8mg/m2 であり、耐汚染性を有する
ことが確認された。
【0020】比較例2 比較例1の複合半透膜を、実施例2と同様にしてコロイ
ダル状の水酸化第二鉄を含んだ水に浸漬したところ、除
去率89.5%、透水量1.35m3/m2・d と低下した。また、
実施例2と同様にして該膜に付着した鉄の量を求めたと
ころ、31.8mg/m2 であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 71/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔性基材上に、1分子中に2個以上の
    官能基を有する反応性基質が上記官能基と反応し得る多
    官能性架橋剤で架橋されてなる半透性薄膜が形成され、
    さらに該半透性薄膜の表面がエチレン−ビニルアルコー
    ル共重合体層で被覆されてなる複合半透膜。
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