JP3071549B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP3071549B2
JP3071549B2 JP4078781A JP7878192A JP3071549B2 JP 3071549 B2 JP3071549 B2 JP 3071549B2 JP 4078781 A JP4078781 A JP 4078781A JP 7878192 A JP7878192 A JP 7878192A JP 3071549 B2 JP3071549 B2 JP 3071549B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗布型磁気記録媒体に関
し、さらに詳しくは、非磁性支持体上に少なくとも強磁
性粉末を含有する磁性塗膜を設けてなる磁気記録媒体に
関し、特に六方晶バリウムフェライト、Co―被着γ酸
化鉄、金属粉末等の強磁性粉を用いた記録密度の高い高
密度記録媒体に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体の高密度化が検討さ
れ、強磁性粉として微小粒径のCo―被着γ酸化鉄、微
小粒径でかつ高保持力の金属磁性粉、六角板状でかつ微
小粒径の六方晶フェライト粉等が注目されている。
【0003】かかる高密度化媒体では、電磁変換特性を
向上させるため媒体表面の平滑化が追及されている。
【0004】これらは、強磁性粉の塗料化においての分
散の良否が常に問題となり、未だ十分な解決にいたって
いない。
【0005】例えば六方晶フェライト粉は板面に鉛直な
方向に磁化容易軸を有するため、塗料において粉同士が
その板状の面と面で密着し、極めて強い凝集体を形成す
る。また金属磁性粉は酸化物系磁性粉に比べて大きな、
磁性モーメントを有するため、塗料中においても粉同士
が強力に引き合って極めて強い凝集体を形成する。
【0006】また磁性粉のバインダーとして、塩化ビニ
ル―酢酸ビニル系共重合体、繊維素系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステル―ポリウ
レタン系樹脂、ポリカーボネート―ポリウレタン系樹
脂、ポリビニルブチラール系樹脂など種々のものが分散
性改良のために検討されてきた。しかしながら、十分良
好な結果が得られているとは言えない。
【0007】そこで近年特に、磁性粉の分散性、及び充
填性の観点から極性基、例えばスルホン酸塩基、硫酸エ
ステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基、カ
ルボン酸塩基等を、上記結合剤の骨格、または側鎖に付
加した樹脂が広く使用されるようになっている。
【0008】また、媒体表面を高度に平滑化すると、電
磁変換特性は向上するが、媒体とドライブヘッド間の摩
擦力が増大し、近年のドライブの小型化、省エネルギー
化の方向に逆行する問題も発生している。
【0009】さらにまた、かかる摩擦力が増大すると、
使用中、磁性塗膜が突然剥離する等の信頼性低下の問題
も生じている。
【0010】ヘッド媒体間の摩擦力を低減するため各種
液体、固体の潤滑剤が検討されているが、かかる添加剤
を応用した場合には、固体潤滑剤は媒体表面平滑性を損
ない、また液体潤滑剤はドライブ休止時、特に高湿度時
ヘッドが媒体に吸着する等の問題も新たに発生し、充分
な解決とはなっていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、磁性
塗料の塗工時に発生する欠陥をおさえかつ強磁性粉の分
散性、分散安定性を改善して、磁性塗膜のより一層の表
面平滑性と高密度化をはかるとともに、ヘッド媒体間の
摩擦力を低い水準におさえ、かつドライブ中媒体を静止
した場合でも、ヘッド媒体間の吸着が起りにくく、さら
に、優れた磁気記録特性、特に高密度磁気記録特性を付
与した磁気記録媒体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、鋭意研究を重ねた結果、磁性塗膜製造用
の磁性塗料中に潤滑性カーボンフィラーとともに、下記
一般式(A)で示される化合物を共存せしめることによ
り、媒体・ヘッド間の摩擦力を低い水準におさえること
ができるとともに、ヘッドと媒体との吸着もまた低い水
準におさえられることを見い出した。
【0013】
【化2】
【0014】カーボンフィラーと上記化合物を磁性塗料
中、共存させることにより上記磁性塗料より製造される
磁性塗膜は、前述の結果を満たしつつ、なおかつ、その
平滑性を優れた水準に保つことができることを見出し、
本発明に到達した。
【0015】すなわち、本発明は、非磁性支持体上に、
強磁性粉を含有する磁性塗料の塗膜を設けてなる磁気記
録媒体において、該磁性塗膜中にカーボンフィラー及び
前記一般式(A)で示される特定化合物の一種又はそれ
以上を共存させることを特徴とする磁気記録媒体であ
る。
【0016】本発明において使用するカーボンフィラー
は、磁性塗膜に導電性(制電性)を付与するための導電
用カーボンと、塗膜とドライブヘッド間の摩擦力を低減
させるための固体潤滑剤としての潤滑用カーボンの両者
を含有する。導電用カーボンは一般的粒径が小さく(2
0nm以下)、比表面積が大きく(100m2 /g以
上)、ストラクチャーが発達したものが好ましく使用さ
れる。
【0017】潤滑用カーボンはその逆に粒径が比較的大
(50nm以上)、比表面積が小さく(100m2 /g
以下)、ストラクチャーの発達は少いものが好ましい。
【0018】これらのカーボンは市販のゴム用又はカラ
ー用のものが有効に使用される。それらのいくつかを列
挙する。
【0019】導電用カーボンとしては、コロンビアンカ
ーボン日本(株)のConductex 975,SC、デグサジ
ャパン(株)のPrintex EX2 L6 L、三菱化成
(株)の導電カーボン#3950,#3750,#32
50、ライオンマクゾ(株)のケッチェンブラクEC
EC600JD、キャブラック(株)のVulcanXC72
PA90 P、電化(株)のアセチレンカーボン、東海
カーボン(株)のトーカブラック#3885,#385
5,#3845,#3800等が挙げられる。
【0020】潤滑用カーボンとしては、巴工業(株)の
グラファイト粉SGC−コロイダル、キャブラック
(株)のMonarch 120、東海カーボン(株)シースト
S,V、旭カーボン(株)のアサヒサーマル、旭#1
5,#51,#50、コロンビアンカーボン日本(株)
のSevacarbMT,Raven 16,22、デグサジャパン
(株)のLamp Black101、三菱化成(株)の#5B,
#10B,#20B等が挙げられる。
【0021】これらのカーボンの使用量は合計で磁性粉
100重量部当り1〜20重量部使用される。
【0022】本発明において使用する(A)式の化合物
はカーボンフィラーと共存させて始めて前述の如き効果
を発揮できるが、これはRubber World. Feb., 30(1
989)に記述されている如く、カーボンと結合剤を強
くむすびつける作用のためと推定される。
【0023】前記化合物は磁性塗料、製造の任意の段階
で添加することができるが、上記効果を一層有効に発揮
させるためには、カーボンフィラーの分散処理工程以前
の段階で、カーボンフィラーと共存せしめるのが好まし
い。
【0024】また容易に推定されることであるが、化合
物を前もってカーボンフィラーに付着させておいて、使
用するのは一層好ましい。
【0025】上記化合物の具体例としては、以下のもの
が挙げられる。
【0026】
【化3】
【0027】等々である。
【0028】本発明において非磁性支持体は特に制限が
なく、通常使用されているものを用いることができる。
非磁性支持体を形成する素材の例としては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナフタレー
ト、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリ
サルホン、ポリエーテルサルホンなどの各種の合成樹脂
のフイルム、およびアルミニウム箔、ステンレス箔など
の金属箔を挙げることができる。
【0029】本発明において強磁性粉は制限がなく、通
常使用されているものを用いることができるが、特にC
o―被着γ酸化鉄粉、Feを主体とする金属粉、六方晶
バリウムフェライト粉等が好ましい。更にこのCo―被
着γ酸化鉄粉としては、飽和磁化が70emu/gより
大きく、比表面積が20〜60m2 /g、針状比が5〜
15、抗磁力が400〜1000 Oe(エルステッ
ド)のものが好ましい。またFeを主体とする金属粉と
しては、飽和磁化が100emu/gより大きく、比表
面積が30〜70m2 /g、針状比が5〜15、抗磁力
が500〜3000 Oeの範囲にあるものが好まし
い。またこの六方晶バリウムフェライト粉としては飽和
磁化が50emu/gより大きく、比表面積が25〜6
0m2 /g、板状比が2〜10、抗磁力が200〜20
00 Oeの範囲にあるものが好ましい。
【0030】本発明において磁性塗料は、このような強
磁性粉と前述のカーボンフィラーおよび(A)式の化合
物を結合剤と混合、分散させて調製するが、この分散プ
ロセスとしては公知の方法あるいは当業界に蓄積された
方法を用いることができる。
【0031】なお、本発明においては、結合剤は特に制
限されないが、スルホン酸塩基、スルホベタイン基の少
なくとも1種を含有するものが好ましく適用される。
【0032】スルホン酸塩基、スルホベタイン基の少な
くとも1種を有する樹脂としては、分子中にスルホン酸
塩基、スルホベタイン基の少なくとも1種を有する樹脂
であれば如何なるものでもよく、そのような樹脂として
は、例えばウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニ
ル系共重合体、塩化ビニリデン系共重合体、アクリル系
樹脂、ブタジエン―アクリロニトリル系重合体、スチレ
ン―ブタジエン系共重合体などが挙げられる。
【0033】かかる極性基導入結合剤は、市販のものを
利用してもよく、所望により公知文献の手法に従ってあ
るいは一部修正して、製造することができる。これらの
ものの若干例を引用すると、ポリエステル系結合剤の製
造:特開昭54―143117号、同54―15141
7号、同54―157603号、同56―74827
号、同59―132418号、同59―172118
号、同60―55514号、特開平1―95126号の
各公報、ポリウレタン系結合剤の製造:特開昭57―9
2423号、同58―41436号、同61―2023
27号、同62―28927号、同62―66420
号、特開平1―115920号の各公報、ポリウレタ
ン、ポリウレア系結合剤の製造:特開昭62―2892
0号、ビニル重合系結合剤の製造:特開昭58―108
032号、同60―121514号、同61―3221
6号、同61―39927号、同62―208419号
の各公報、ベタイン系(その他)結合剤の製造:特開昭
60―177427号公報等々が挙げられる。
【0034】上記極性基の樹脂中含量は、少なくとも1
×10-6当量/g(樹脂)以上であることが好ましく、
更に磁性粉の分散および再凝集防止の点から、より好ま
しくは1×10-6〜1×10-2当量/g(樹脂)、特に
好ましくは1×10-5〜1×10-2当量/g(樹脂)の
範囲である。
【0035】かかる極性基含有樹脂の使用量は、強磁性
粉100重量部当り0.1〜50重量部、更に0.5〜
40重量部、特に1〜30重量部であることが好まし
い。極性基含有樹脂は、単に重量割合だけでなく樹脂中
の極性基量も考え、強磁性粉100g当りの極性基の量
を1×10-6〜1×10-2当量/100g磁性粉、更に
2×10-6〜1×10-2当量/100g磁性粉、特に5
×10-6〜5×10-3当量/100g磁性粉とするのが
好ましい。
【0036】本発明における磁性塗料には、前述した強
磁性粉、カーボンフィラー及び(A)式の化合物、スル
ホン酸塩含有樹脂の他に、従来から知られ、あるいは用
いられている成分を含有させることができる。例えば、
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂等の如き結合
剤、研磨剤、帯電防止剤、強化剤、分散剤、潤滑剤など
を単独あるいは組合せて含有させることができる。
【0037】この熱可塑性樹脂としては軟化温度が15
0℃以下、平均分子量が10,000〜300,00
0、重合度が約50〜2,000程度のもので、例えば
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・塩化ビ
ニリデン共重合体、塩化ビニル・アクリロニトリル共重
合体、アクリル酸エステル・アクリロニトリル共重合
体、アクリル酸エステル・塩化ビニリデン共重合体、ア
クリル酸エステル・スチレン共重合体、メタクリル酸エ
ステル・アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸エス
テル・塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル
・スチレン共重合体、ウレタンエラストマー、ナイロン
―シリコン系樹脂、ニトロセルロース―ポリアミド樹
脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン・アクリロニト
リル共重合体、ブタジエン・アクリロニトリル共重合
体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロー
ス誘導体(セルロースアセテートブチレート、セルロー
スダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロ
ースプロピオネート、ニトロセルロース等)、スチレン
・ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、クロロビニ
ルエーテル・アクリル酸エステル共重合体、アミノ樹
脂、各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂およびこれらの混
合物等が使用される。
【0038】熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては塗
布液の状態では200,000以下の分子量であり、塗
布、乾燥後に加熱することにより、縮合、付加等の反応
により分子量は無限大のものになる。また、これらの樹
脂のなかで、樹脂が熱分解するまでの間に軟化または溶
融しないものが好ましい。具体的には例えばフェノール
樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、ア
クリル系反応樹脂、エポキシ―ポリアミド樹脂、ニトロ
セルロースメラミン樹脂、高分子量ポリエステル樹脂と
イソシアネートプレポリマーの混合物、メタクリル酸塩
共重合体とジイソシアネートプレポリマーの混合物、ポ
リエステルポリオールとポリイソシアネートとの混合
物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリコール/
高分子量ジオール/トリフェニルメタントリイソシアネ
ートの混合物、ポリアミン樹脂およびこれらの混合物等
を挙げることができる。
【0039】これらの結合剤の単独または組合されたも
のが使われる。磁性層の強磁性微粉末と結合剤との混合
割合は重量比で、強磁性微粉末100重量部に対して、
結合剤5〜300重量部の範囲で使用される。
【0040】研磨剤としては、一般に使用される材料で
溶融アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム(Cr
2 3 )、コランダム、人造コランダム、ダイアモン
ド、人造ダイアモンド、ザクロ石、エメリー(主成分:
コランダムと磁鉄鉱)等が使用される。これらの研磨剤
はモース硬度が5以上であり、平均粒子径が0.05〜
3μmの大きさのものが効果があり、好ましくは0.4
〜1.5μmである。これらの研磨剤は結合剤100重
量部に対して7〜15重量部の範囲で添加される。この
量が7重量部より少ないと十分な耐久性が得られず、ま
た15重量部より多すぎると充填度が減少し、十分な出
力が得られない。
【0041】帯電防止剤としては、本発明に使用する導
電用カーボンフィラーの他、カーボンブラックグラフト
ポリマーなどの導電性微粉末;サポニンなどの天然界面
活性剤;アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリ
シドール系などのノニオン界面活性剤;高級アルキルア
ミン類、第4級アンモニウム塩類、ピリジンその他の複
素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類などのカチ
オン界面活性剤;カルボン酸、スルホン酸、燐酸、硫酸
エステル基、燐酸エステル基等の酸性基を含むアニオン
界面活性剤;アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノ
アルコールの硫酸または燐酸エステル類等の両性活性剤
などが使用される。
【0042】上記の導電性微粉末は結合剤100重量部
に対して0.2〜20重量部が、界面活性剤は0.1〜
10重量部の範囲で添加される。
【0043】これらの界面活性剤は単独または混合して
用いられるものであるが、時としてその他の目的、例え
ば分散、磁気特性の改良、潤滑性の改良、塗布助剤とし
て適用される場合もある。
【0044】分散剤(顔料湿潤剤)としては、カプリル
酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノ
ール酸、リノレン酸、ステアロール酸等の炭素数12〜
22の脂肪酸(R1 COOH、R1 は炭素数11〜22
のアルキルまたはアルケニル基);前記の脂肪酸のアル
カリ金属(Li、Na、K等)またはアルカリ土類金属
(Mg、Ca、Ba)からなる金属石鹸;前記の脂肪酸
エステルの弗素を含有した化合物;前記の脂肪酸のアミ
ド;ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸エステ
ル;レシチン;トリアルキルポリオレフィンオキシ第4
級アンモニウム塩(アルキルは炭素数1〜5、オレフィ
ンはエチレン、プロピレンなど);その他カップリング
剤(例えばシランカップリング剤、チタンカップリング
剤等)等が使用される。この他に炭素数12以上の高級
アルコール、およびこれらの他に硫酸エステル等も使用
可能である。これらの分散剤は、結合剤100重量部に
対して、0.5〜20重量部の範囲で添加される。
【0045】潤滑剤としては、本発明に使用する潤滑用
カーボンの他、ジアルキルポリシロキサン(アルキルは
炭素数1〜5)、ジアルコキシポリシロキサン(アルコ
キシは炭素数1〜4)、モノアルキルモノアルコキシポ
リシロキサン(アルキルは炭素数1〜5、アルコキシは
炭素数1〜4)、フェニルポリシロキサン、フロロアル
キルポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5)などの
シリコンオイル;グラファイト;二硫化モリブデン、二
硫化タングステンなどの無機微粉末;ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエチレン・塩化ビニル共重合体、ポ
リテトラフルオロエチレンなどのプラスチック微粉末;
α―オレフィン重合物;常温で液状の不飽和脂肪族炭化
水素(n―オレフィン二重結合が末端の炭素に結合した
化合物、炭素数約20);炭素数12〜20の一塩基性
脂肪酸と炭素数3〜12の一価のアルコールからなる脂
肪酸エステル類、フルオロカーボン類などが例示され
る。これらの潤滑剤は、結合剤100重量部に対して、
0.2〜20重量部の範囲で添加される。
【0046】硬化剤としては低分子量イソシアネート化
合物が好ましく用いられる。この低分子量イソシアネー
ト化合物としては、トリレンジイソシアネート、4,
4′―ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
ナフチレン―1,5―ジイソシアネート、o―トルイジ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ト
リフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネー
ト類、また当該イソシアネート類とポリアルコールとの
生成物、またイソシアネート類の縮合によって生成した
ポリイソシアネート類を例示することができる。これら
低分子量イソシアネート化合物の市販されている商品名
としては、コロネートL、コロネートHL、コロネート
2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミ
リオネートMTL(以上、日本ポリウレタン(株)
製)、タケネートD―102、タケネートD―110
N、タケネートD―200、タケネートD―202(以
上、武田薬品(株)製)、デスモジュールL、デスモジ
ュール1L、デスモジュールN、デスモジュールHL
(以上、住友バイエル(株)製)等を例示することがで
きる。これらは単独もしくは硬化反応性の差を利用して
二つもしくはそれ以上の組合せによって使用することが
できる。
【0047】本発明における磁性塗料は、従来公知の方
法で製造できる。
【0048】磁性塗料の調製に使用する溶媒としては有
機溶媒が好ましい。この有機溶媒としては、例えば任意
の比率で、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラ
ヒドロフラン等のケトン系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、
乳酸エチル、酢酸グリコール、モノエチルエーテル等の
エステル系溶媒;エーテル、グリコールジメチルエーテ
ル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系溶媒;ベン
ゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼ
ン、スチレンなどのタール系溶媒(芳香族炭化水素);
メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭
素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロル
ベンゼン等の塩素化炭化水素、N,N―ジメチルホルム
アルデヒド、ヘキサン等が使用できる。
【0049】強磁性粉および上述の各成分の混練分散に
あたっては、強磁性粉および各成分を全て同時に、ある
いは個々に順次に分散機に投入する。例えば、分散剤等
を含む溶剤中に磁性粉を加え、所定の時間分散をつづけ
て磁性塗料とする方法などがある。
【0050】磁性塗料の混練分散にあたっては各種の分
散機が使用できる。例えば二本ロールミル、三本ロール
ミル、ボールミル、ペブルミル、トロンミル、サンドグ
ライダー、ゼグバリ(Szegvari)アトライター、高速イ
ンペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、
ディスパー、ニーダー、高速ミキサー、ホミジナイザ
ー、超音波分散機などを用いることができる。
【0051】また、混練分散に関する技術として、ディ
ー・シー・パットン著“塗料の流動と顔料分散”(19
75年)に記載されている技術を用いることができる。
【0052】かくして得られる磁性塗料を非磁性支持体
上に塗布する方法は従来公知の方法を用いることができ
る。例えば多層同時塗布法によって同時に2層以上の磁
性層を設けてもよい。
【0053】かかる方法により、支持体上に塗布された
磁性層は必要により前記のように層中の磁性体を無配向
させる処理を施したのち、形成した磁性層を乾燥する。
また必要により表面平滑化加工を施したり、所望の形状
に打ち抜いたりして磁気ディスクとする。
【0054】磁性層の厚みは乾燥厚みで約0.2〜12
μm、好ましくは0.3〜4μmの範囲となるように塗
布する。重層の場合は合計で上記の範囲とされる。ま
た、この乾燥厚みは磁気記録媒体の用途、形状、規格な
どにより決めるとよい。
【0055】この磁性層は強磁性粉の分散不良や再凝集
に起因する表面欠陥および塗布時の表面欠陥が極めて少
なく、表面平滑性に極めて優れ、例えば中心線平均粗さ
(Ra)で0.020μm以下と極めて平滑であり、ノ
イズが少なくS/N比が良好であり、さらに短波長にお
ける記録特性が著しく向上した磁性層である。
【0056】
【実施例】以下、フレキシブル磁気ディスクの実施例を
掲げて本発明をさらに説明する。なお、例中の特性は次
の方法で求めた。
【0057】1.ハイパスモジュレーション 隣り合う100ビット単位の平均信号強度を測定し、こ
れらをA,Bとするとき、[(A−B)/(A+B)]
×100でのワースト〜10の平均値で示す。
【0058】2.S/N(信号/雑音)比 ディスクの記録領域の最インナーで記録波長0.7μm
または1.5μmにおいて測定した。
【0059】3.ヘッド媒体摩擦力 日本電気(株)製のFD1135Cドライブ中、モータ
ー電流、摩擦力の関係より回転トルクとして求めた。小
さい程良好。
【0060】4.ヘッド吸着度 (株)東芝製のドライブPD―212に媒体を装着し、
25℃、60%RHの雰囲気下に10時間放置した後、
ドライブを外部駆動系により1rpmで回転させ、その
回転トルクを求めた。
【0061】ついで上記ドライブを25℃、90%RH
の雰囲気下に10時間放置し、その後25℃、60%R
Hの時と同様にして回転トルクを求め、その比をもって
ヘッド吸着度とした。
【0062】ヘッド吸着度=90%RHの回転トルク/
60%RHの回転トルク
【0063】
【実施例1〜7、比較例1】 六方晶バリウムフェライト 80重量部 [比表面積:50m2 /g、抗磁力 800 Oe 板状比:4.5 ] (A)式の化合物(表1参照) 表1参照 ポリウレタン 4重量部 [協和醗酵工業;エステン5701 F1 ] スルホン酸塩基等含有樹脂 2重量部 [MR110 (実施例1〜5、比較例1)、TP-249(実施例
6,7)] 塩ビ・酢ビ樹脂 4重量部 [日信化学(株)TA-5C ] α―アルミナ 5重量部 [住友化学(株)AKP-20] オレイン酸オレイル 5重量部 カーボンブラック 導電用[三菱化成(株)#3950 ] 4重量部 潤滑用[コロンビアンカーボン社 4重量部 セバカーボンMT] ガーファック RE610 3重量部 [東邦化学(株)] シクロヘキサノン 400重量部 よりなる組成物をサンドグラインダーで混合分散した
後、 コロネートL 10重量部 (日本ポリウレタン(株):低分子量イソシアナ-ト ) を添加し、さらに高速ディスパー中で混合し、磁性塗料
を調製した。
【0064】比較例1として、実施例1においてその
(A)式の化合物に替えて表1の化合物を用いた以外は
全く同様にして調整した磁性塗料を用意した。
【0065】なお、ここでMR110は日本ゼオン
(株)のスルホン酸塩基含有塩ビ・酢ビであり、TP―
249は日本合成(株)のスルホン酸塩基含有ポリエス
テルポリウレタンである。
【0066】得られた磁性塗料は15℃で24時間熟成
させた後、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート
の片面上に乾燥後の厚みが2.5μmとなるように塗布
し、無配向化処理後乾燥し、次いで磁性層にカレンダー
加工を施した。さらに裏面にも同様の処理を実施した。
60℃、100時間熱処理後、円板状に打ち抜き磁気デ
ィスクを作成した。この磁気ディスクの特性を表1に示
す。
【0067】(A)式の化合物を使用することにより、
表1に示す如く、塗料の分散性、特に分散安定性が良好
なため、媒体の平滑性が良好な水準に保たれ、高いS/
N値、低いハイパスモジュレーション値を保っている。
【0068】さらにまた、前述の如く、上記の良好平滑
性を保ちつつも、低い回転トルク値(ヘッド媒体摩擦力
のパラメーター)とヘッド吸着傾向を示している。
【0069】なお、表1のS/N比は比較例1を基準デ
ィスクとしたもので表示した値である。
【0070】
【表1】
【0071】
【実施例8〜13、比較例2,3】実施例8〜10の磁
性塗料をCo―被着γ酸化鉄を用いて以下のように調整
した。すなわち、下記の Co―被着γ酸化鉄 70重量部 (比表面積40m2 /g、抗磁力750 Oe,針状比10) (A)式の化合物(表2参照) (3重量部)* (*印は潤滑用カーボンブラック100重量部に対する
重量部) スルホン酸塩基等含有樹脂(表2参照)6重量部 ガーファック RE610(東邦化学(株))3重量部 ポリウレタン 6重量部 (大日本インキ化学(株):スハ゜ンテ゛ックス T-5250) 塩ビ・酢ビ樹脂 8重量部 (日信化学(株)TA-5C ) α―アルミナ 4重量部 (住友化学(株)AKP-20) カーボンブラック 導電用(三菱化成(株)#3950 ) 3重量部 潤滑用(旭カーボン(株)旭サーマル)4重量部 オレイン酸オレイル 6重量部 シクロヘキサノン 400重量部 よりなる組成物をサンドグラインダーで混合分散した
後、 コロネートL 10重量部 (日本ポリウレタン(株):低分子量イソシアナ-ト ) を添加し、さらに高速ディスパー中で混合し、磁性塗料
を調製した。
【0072】また比較例2として、実施例8においてそ
の(A)式の化合物に替えて表2の化合物を用いた以外
は全く同様にして調整した磁性塗料を用意した。
【0073】更に実施例11〜13の磁性塗料として金
属鉄磁性粉を用いて以下のように調整した。すなわち、
下記の 金属鉄磁性粉 70重量部 (比表面積47m2 /g、抗磁力1500 Oe 針状比10) (A)式の化合物(表2参照) 3重量部* スルホン酸塩基等含有樹脂(表2参照)6重量部 ガーファック RE610(東邦化学(株))3重量部 ポリウレタン 6重量部 (大日本インキ化学(株):スハ゜ンテ゛ックス T-5250) 塩ビ・酢ビ樹脂 8重量部 (日信化学(株)TA-5C ) α―アルミナ 4重量部 (住友化学(株)AKP-20) カーボンブラック 導電用(三菱化成(株)#3950 ) 4重量部 潤滑用(コロンビアンカーボン社 セバカーボンMT) 4重量部 オレイン酸オレイル 6重量部 シクロヘキサノン 400重量部 よりなる組成物をサンドグラインダーで混合分散した
後、 コロネートL 10重量部 (日本ポリウレタン(株):低分子量イソシアナ-ト ) を添加し、さらに高速ディスパー中で混合し、磁性塗料
を調製した。
【0074】また比較例3として、実施例11において
その(A)式の化合物に替えて表2の化合物を用いた以
外は実施例11と全く同様にして調整した磁性塗料を用
意した。
【0075】得られた磁性塗料は、15℃で24時間熟
成させた後、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレー
トフイルム上に、乾燥後の厚さがCo―被着γ酸化鉄の
場合1.0μm、金属鉄系強磁性粉の場合2.7μmと
なるように塗布し、無配向処理後乾燥し、次いで磁性層
にカレンダー加工を施した。以下、実施例1〜7と同様
にして磁気ディスクを作成した。
【0076】この磁気ディスクの特性を表2に示す。な
お、表2においてS/N比は、実施例8〜10において
は比較例2を、実施例11〜13においては比較例3を
基準ディスクとしたもので表示した。
【0077】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−302820(JP,A) 特開 平2−87318(JP,A) 特開 平1−315441(JP,A) 特開 昭59−193530(JP,A) 特開 昭51−147458(JP,A) 米国特許4941986(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/708 C09D 5/23 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に少なくとも強磁性粉と
    結合剤を含有する磁性塗膜を設けてなる磁気記録媒体に
    おいて、該磁性塗膜が、カーボンフィラー及び下記一般
    式(A)で示される化合物を含有することを特徴とする
    磁気記録媒体。 【化1】
  2. 【請求項2】 前記結合剤が、スルホン酸塩基、スルホ
    ベタイン基の少なくとも1種を1×10-6当量/g(樹
    脂)以上含有する極性基含有樹脂を前記強磁性粉100
    重量部に対して0.1〜50重量部含有する請求項1記
    載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記強磁性粉が、六方晶バリウムフェラ
    イト、Co―被着γ酸化鉄、または金属粉末である請求
    項1又は2記載の磁気記録媒体。
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