JP3070519U - 炒め機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 具材を均一に撹拌及び加熱することができ、
べとつきが少ない炒め物を製造することができる炒め機
を提供することを課題とする。 【解決手段】 本炒め機は鍋１と、鍋内を周回するスク
レーパー２及び撹拌部３と、加熱手段である加熱器４と
を備える。このような炒め機は、スクレーパー２及び撹
拌部３によって鍋１の底にたまった具材であっても、持
ち上げられるとともに撹拌されるため、具材を均一に撹
拌及び加熱することができ、べとつきが少ない炒め物を
製造することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は大量の炒め物を調理するための炒め機に関する。更に詳しくは、具材 を均一に撹拌するとともに、均等に加熱を行うことができ、べとつきが少ない炒 め物を製造することができる炒め機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、弁当等に用いられる大量の炒め物を調理をする場合、鍋の中に、鍋 底を周回するスクレーパーを設けた炒め機を用いることが多かった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、このような炒め機を用いて調理をする場合、具材がスクレーパーの前 後に偏っていた。このため、鍋から伝わる熱が均等に具材に加わることができず 、加熱が不十分な部位が生じた。また、具材の自重によってつぶれることがあっ た。更に、具材内外の湿気が偏った具材内にこもり、排出されにくいため、べと つきが生じ、好ましい食感が得られなかった。

【０００４】 また、炒め機を使用した後鍋を洗浄しようにも、鍋の取り外しが困難であるた めに洗浄のための排水が困難であることがあった。また、鍋の中身を空けるため 、一方向に揺動することができる炒め機があるが、通常、調理した炒め物を移し 変えるために用いられるために、別の機器が設けられていることが多く、排水に 用いるのは難しかった。

【０００５】 本考案は、このような問題点を解決するものであり、具材を均一に撹拌及び加 熱を行うことができ、べとつきが少ない炒め物を製造することができる炒め機を 提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 本第１考案の炒め機は、鍋と、該鍋に配設され、該鍋の略中心を回転軸として 該鍋の円周方向に移動するスクレーパー及び撹拌部と、該鍋を加熱する加熱手段 とを備えることを特徴とする炒め機。 られる請求項１記載の炒め機。

【０００７】 また、第２考案に示すように上記撹拌部は、スクレーパーの進行方向前方に設 けることができる。更に、第３考案に示すように上記撹拌部は、軸上に棒状物を 多数設けてなるとともに、該軸を中心に回転し、該棒状物は円周方向に十字状に 設けることができる。 また、第４考案に示すように、上記鍋の底面中心には、該鍋を周方向に回動さ せる支柱を設けることができる。更に、第５考案に示すように、上記スクレーパ ー及び上記撹拌部は、上記鍋の上方略中心に設けられる支持腕に末端を固定し、 上記鍋の底面に対し平行に設けることができる。

【０００８】 また、上記「加熱手段」は、調理に利用可能な加熱手段なら任意に選択するこ とができるが、第６考案に示すように誘導加熱を用いることを挙げることができ る。更に、第７考案に示すように、上記鍋は水平から僅かに傾斜した状態で配設 され、上記スクレーパー及び上記撹拌部の上記回転軸は、上記鍋の中心から該鍋 の傾斜軸方向にずれて位置することができる。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、図１〜図８を用いて本考案である炒め機の実施の形態を説明する。 （１）炒め機の構成 本炒め機は３０kgのチャーハンを調理することができ、図１及び図２に示すよ うに、鍋１、スクレーパー２、撹拌部３、加熱器４、支柱５、揺動軸６を備える 。

【００１０】 鍋１は、浅くて平底の鉄製鍋である。また、鍋１の内側表面には、フッ素樹脂 膜が形成されている。更に、鍋１の底面中心には電動機８１に繋がれた支柱５が 設けられており、鍋１を支持するとともに、鍋１をその円周方向に回転すること ができる。また、支柱５によって支えられる鍋１は水平ではなく、図２に示すＲ 方向が上向きになるように、１〜５度程度だけ僅かに傾斜して設けられている。

【００１１】 スクレーパー２は長さが略鍋の半径であって、図３及び図４に示すように鍋１ の底面形状と同様の刃先を備える樹脂製刃である。また、スクレーパー２に用い る樹脂は、３００℃程度の高温に耐えられる素材（例えば、ＰＥＥＫ、ＰＥＫ等 ）を用いている。このようなスクレーパー２は、鍋１の上方略中心に設けられる 支持腕７にその末端を固定し、鍋底に対し、平行に設けられている。尚、支持腕 ７は、図１及び図２におけるＦ方向に、鍋１の回転軸とずれて配設されている。

【００１２】 撹拌部３はステンレス製であり、図３及び図４に示すように、電動機８２によ って周方向（図４に示すＤ２方向）に回転する撹拌軸３１の周面に棒形状の撹拌 棒３２を多数設けたものである。また、各撹拌棒３２は撹拌軸３１を中心とした 十字状となるように配列されている。このような撹拌部３は、スクレーパー２と 同様に支持腕７にその末端を固定している。また、撹拌棒３２が接近する部位は 、図４に示すように鍋の回転方向の逆方向である、スクレーパー２の直前に設け られている。 加熱手段である加熱器４は誘導加熱装置の一要素であるコイルであり、高周波 電流を流すことで鍋底に渦電流を生じさせ、そのジュール熱によって鍋１を発熱 させる。揺動軸６は図１に示す図に対し、上下移動及び前後揺動（図２に示すＲ ／Ｌ方向に揺動）するように設けられており、鍋１の高さを変えたり、鍋１を傾 けることができる。

【００１３】 （２）炒め機の動作 上記構成の炒め機は、米飯等の具材を入れ、加熱器４を通電し、電動機８１、 ８２を動作させて使用する。具材は加熱器４によって発熱する鍋１によって加熱 される。また、電動機８１を動作することで鍋１は図２に示す、矢印Ｄ１の方向 に回転する。これによって、鍋１上の具材は撹拌部３及びスクレーパー２を順次 通過する。 また、撹拌部３の撹拌軸３１は、図４に示すように電動機８２によって回転す るため、具材は撹拌棒３２によって掻き上げられるとともに撹拌される。また、 スクレーパー２は、鍋底の具材を掬い上げる。

【００１４】 このように、本炒め機は具材をスクレーパー２及び撹拌部３によって撹拌され つつ、加熱器４によって発熱する鍋１によって加熱し、炒め調理を行う。また、 調理に必要な時間は４分程度である。 また、調理が終わってできあがった炒め物は、揺動軸６を上下移動させたり、 揺動させることで鍋１を傾け、鍋１に隣接する容器に移しかえる。更に、鍋１の 洗浄を行い、鍋内に残留する汚水は、揺動軸６を任意の方向に揺動させることで 流すことができる。

【００１５】 （３）炒め機の効果 本炒め機は、スクレーパー２及び撹拌部３によって、鍋１内の具材を効果的に 撹拌することができる。特に、スクレーパー２及び撹拌部３を組み合わせて用い ることで、鍋１の底にたまった具材であっても、持ち上げられるとともに撹拌さ れ、外気と接触させることができる。このため、「だま」を無くすことができ、 均等に具材を炒めることができた。また、具材の湿気を容易に発散させることが でき、できあがった炒め物はべとつきが少なく、良好な触感が得ることができた 。更に、均等に具材を炒めることができるため、調理に必要な時間を短縮するこ とができた。また、電磁誘導加熱を用いることで任意の温度で均一に加熱するこ とができる。

【００１６】 更に、図３及び図４に示すように、スクレーパー２の前方に撹拌部３を設ける ことで次の効果が得られた。つまり、撹拌部３によって鍋底の具材を掻き上げる ことで、掻き上げられた具材がスクレーパー２を容易を乗り越えることができる 。これによって、スクレーパー２によって掻き上げる具材が減り、スクレーパー ２による圧迫を減らすことができる。また、従来のように、スクレーパー２の前 後に具材が偏ることがなく、均等に具材を加熱することができるとともに、撹拌 が容易となる。

【００１７】 更に、鍋１に傾斜を設けるとともに、スクレーパー２及び撹拌部３を支持する 支持腕７を鍋の中心よりずらして設けることで、スクレーパー２及び撹拌部３の 位置が他の部位の鍋底より高い位置となり、具材がスクレーパー２及び撹拌部３ の周辺に偏ることがないようにすることができ、均一に具材を撹拌することがで きた。

【００１８】 鍋１の内面はフッ素樹脂により保護され、この内面に接触し易いスクレーパー ２を樹脂製とすることで、具材が鍋１に焦げつくことを防ぐとともに、鍋１の洗 浄を容易とし、長期に渡って内面を傷つきにくい物とすることができた。更に、 炒め調理に必要な油の量を減らすことができ、調理した炒め物を食することで摂 取される油の量を減らすとともに、油の酸化による炒め物の劣化を抑制すること ができる。

【００１９】 鍋１は、揺動軸６によって上下移動したり、図２に示すＬ／Ｒ方向に揺動する ことができるため、必要な高さに鍋１を移動させたり、洗浄や具材の移しかえの ために鍋を傾けることができ、作業を容易に行うことができる。

【００２０】 尚、本考案においては、上記実施例に限らず、目的、用途に応じて本考案の範 囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、実施例の撹拌部はスクレ ーパーの進行方向前方に一つ設けたものであるが、これに限らず、任意の数だけ 、任意の位置に設けることができる。例えば、スクレーパーの進行方向後方に１ つ設けたり（図５及び図６参照）、２つ設けたり（図７及び図８参照）すること ができる。このような撹拌部を備える炒め機は、スクレーパーによって掬い上げ た具材を撹拌部によってより撹拌することができる。

【００２１】 また、加熱器についても、実施例に示した誘導加熱式に限らず、電熱線、マイ クロ波、ガス及び炭等を用いて鍋を加熱したり、具材を直接加熱することができ る。 更に、実施例においては本炒め機を用いてチャーハンを調理する例を示したが 、これに限らず、野菜や肉等を炒めることができる。また、本炒め機は、炒める ことの他、撹拌が必要な調理であれば任意の調理に用いることができ、焼く、炒 る、煮る等を例示することができる。

【００２２】

【考案の効果】

本各考案の炒め機によれば、具材を均一に撹拌及び加熱を行うことができ、べ とつきが少ない炒め物を製造することができる。また、スクレーパーによる圧迫 が減なく、短時間に調理を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】炒め機の外観を説明するための模式側面図であ
る。

【図２】炒め機の外観を説明するための模式平面図であ
る。

【図３】スクレーパー及び撹拌部の構造を説明するため
の模式平面図である。

【図４】スクレーパー及び撹拌部の構造を説明するため
の模式側面図である。

【図５】他の態様のスクレーパー及び撹拌部の構造を説
明するための模式平面図である。

【図６】他の態様のスクレーパー及び撹拌部の構造を説
明するための模式側面図である。

【図７】他の態様のスクレーパー及び撹拌部の構造を説
明するための模式平面図である。

【図８】他の態様のスクレーパー及び撹拌部の構造を説
明するための模式側面図である。

【符号の説明】

１；鍋、２；スクレーパー、３；撹拌部、３１；撹拌
軸、３２；撹拌棒、４；加熱器、５；支柱、６；揺動
軸、７；支持腕、８１、８２；電動機。

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 鍋と、該鍋に配設され、該鍋の略中心を
   回転軸として該鍋の円周方向に移動するスクレーパー及
   び撹拌部と、該鍋を加熱する加熱手段とを備えることを
   特徴とする炒め機。
2. 【請求項２】 上記撹拌部は、スクレーパーの進行方向
   前方に設けられる請求項１記載の炒め機。
3. 【請求項３】 上記撹拌部は、軸上に棒状物を多数設け
   てなるとともに、該軸を中心に回転し、該棒状物は円周
   方向に十字状に設けられる請求項１又は２記載の炒め
   機。
4. 【請求項４】 上記鍋の底面中心には、該鍋を周方向に
   回動させる支柱が設けられる請求項１乃至３のいずれか
   一項に記載の炒め機。
5. 【請求項５】 上記スクレーパー及び上記撹拌部は、上
   記鍋の上方略中心に設けられる支持腕に末端を固定し、
   上記鍋の底面に対し平行に設けられる請求項１乃至４の
   いずれか一項に記載の炒め機。
6. 【請求項６】 上記加熱手段は誘導加熱である請求項１
   乃至５のいずれか一項に記載の炒め機。
7. 【請求項７】 上記鍋は水平から僅かに傾斜した状態で
   配設され、上記スクレーパー及び上記撹拌部の上記回転
   軸は、上記鍋の中心から該鍋の傾斜軸方向にずれて位置
   する請求項１乃至６のいずれか一項に記載の炒め機。