JP3069612B2 - 磁性流体及びその製造方法 - Google Patents
磁性流体及びその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、磁性微粒子の表面を高分子膜で効率的に被
覆して、高い劣化安定性を有する磁性流体及びその製造
方法に関する。
覆して、高い劣化安定性を有する磁性流体及びその製造
方法に関する。
(従来の技術) 磁性流体は、従来、強磁性微粒子の表面を界面活性剤
分子で密に被覆し、それを水や炭化水素油などの液体溶
媒中に高濃度で分散させたものとして知られている。か
かる磁性流体は、磁気的性質と流体としての性質を共に
備えた特異な機能性材料として注目されており、既に磁
性流体シール、比重差選別、スピーカーのボイスコイ
ル、磁気テープの磁気潜像読み取り現像液等の分野で実
用化されている。また、アクチュエータ、熱エンジン、
光シャッター、磁性流体研磨など非常に多岐にわたる分
野において、その応用に期待が寄せられ、種々の検討、
研究がなされている。
分子で密に被覆し、それを水や炭化水素油などの液体溶
媒中に高濃度で分散させたものとして知られている。か
かる磁性流体は、磁気的性質と流体としての性質を共に
備えた特異な機能性材料として注目されており、既に磁
性流体シール、比重差選別、スピーカーのボイスコイ
ル、磁気テープの磁気潜像読み取り現像液等の分野で実
用化されている。また、アクチュエータ、熱エンジン、
光シャッター、磁性流体研磨など非常に多岐にわたる分
野において、その応用に期待が寄せられ、種々の検討、
研究がなされている。
しかし、従来の磁性流体は、水あるいは有機溶媒を分
散媒としてマグネタイトやMn−Znフェライトなどの酸化
物磁性材料の微粒子を界面活性剤で分散させたものであ
り、酸化物磁性材料は飽和磁化が小さいため、それを微
粒化して有機溶媒などに分散させて磁性流体としても飽
和磁化の小さいものとなる。このため、実用上におい
て、例えば、酸化物磁性流体を磁性流体シールに適用し
た場合、シール1段当りの耐圧が低いので、シールを多
段構造としなければならない等様々な制限が生じてい
る。
散媒としてマグネタイトやMn−Znフェライトなどの酸化
物磁性材料の微粒子を界面活性剤で分散させたものであ
り、酸化物磁性材料は飽和磁化が小さいため、それを微
粒化して有機溶媒などに分散させて磁性流体としても飽
和磁化の小さいものとなる。このため、実用上におい
て、例えば、酸化物磁性流体を磁性流体シールに適用し
た場合、シール1段当りの耐圧が低いので、シールを多
段構造としなければならない等様々な制限が生じてい
る。
さらに、微粒子と界面活性剤との結合が弱く、磁性流
体の温度変化、振動、気体の混入などにより、界面活性
剤は微粒子から容易に脱着を起こし、沈澱したりあるい
は酸化され、磁性微粒子の溶媒への分散性及び磁性流体
の物理的安定性等を損なう原因となっている。
体の温度変化、振動、気体の混入などにより、界面活性
剤は微粒子から容易に脱着を起こし、沈澱したりあるい
は酸化され、磁性微粒子の溶媒への分散性及び磁性流体
の物理的安定性等を損なう原因となっている。
一方、鉄、コバルトなどの金属のみからなる磁性体
は、マグネタイトなどの酸化物磁性体よりも高い飽和磁
化を有することが知られており、これら鉄、コバルトな
どの強磁性金属を微粒化して有機溶剤等に均一に分散さ
せ、高飽和磁化の磁性流体をつくることができれば、磁
性流体の有用性は格段に向上する。例えば、シール1段
当りの耐圧を高くすることができるため、シールの構造
を簡単にすることができる。
は、マグネタイトなどの酸化物磁性体よりも高い飽和磁
化を有することが知られており、これら鉄、コバルトな
どの強磁性金属を微粒化して有機溶剤等に均一に分散さ
せ、高飽和磁化の磁性流体をつくることができれば、磁
性流体の有用性は格段に向上する。例えば、シール1段
当りの耐圧を高くすることができるため、シールの構造
を簡単にすることができる。
しかし、これらの単体金属は化学的に不安定であり、
特にその微粒子は酸化され易く、それに伴って飽和磁化
が減少する。従って、金属微粒子を使用して高性能な磁
性流体を製造する場合、酸化劣化を如何に防ぐかが問題
となっている。
特にその微粒子は酸化され易く、それに伴って飽和磁化
が減少する。従って、金属微粒子を使用して高性能な磁
性流体を製造する場合、酸化劣化を如何に防ぐかが問題
となっている。
これに対しては、脂肪酸エステル、リン脂質(レシチ
ン)、非イオン性や油溶性陰イオンの界面活性剤などを
分散剤として用い、さらに特殊な酸化防止剤(トコフェ
ロール)を添加し、金属(鉄、コバルト)カルボニルを
熱分解して得られる金属磁性流体などが提案されている
(例えば、特開昭61−73305号、特開昭62−205195号、
特開昭63−164404号、特開昭63−164405号)。
ン)、非イオン性や油溶性陰イオンの界面活性剤などを
分散剤として用い、さらに特殊な酸化防止剤(トコフェ
ロール)を添加し、金属(鉄、コバルト)カルボニルを
熱分解して得られる金属磁性流体などが提案されている
(例えば、特開昭61−73305号、特開昭62−205195号、
特開昭63−164404号、特開昭63−164405号)。
また、一方、酸化安定性や高い分散能を得るため、磁
性微粒子の表面を高分子で被覆し、表面を改質した磁性
流体又はその製造方法も提案されている。例えば、特開
昭61−189607号は、マグネタイトに重合性界面活性剤を
吸着させ、紫外線を照射して重合膜を形成させるもので
あり、また特開昭61−246203号および特開昭61−246262
号は、フェライトに界面活性剤あるいはマレイン化ポリ
ブタジエン中和物を吸着させ、重合性ビニルポリマー、
重合開始剤を添加して高分子重合膜を形成させてなる磁
性流体を提案しており、さらに、特開昭64−89401号
は、フェライトとジイソシアナート化合物とを反応さ
せ、さらにアゾ化合物を反応させた後、重合性ビニルポ
リマー、重合開始剤を順次添加してなる磁性流体を提案
している。
性微粒子の表面を高分子で被覆し、表面を改質した磁性
流体又はその製造方法も提案されている。例えば、特開
昭61−189607号は、マグネタイトに重合性界面活性剤を
吸着させ、紫外線を照射して重合膜を形成させるもので
あり、また特開昭61−246203号および特開昭61−246262
号は、フェライトに界面活性剤あるいはマレイン化ポリ
ブタジエン中和物を吸着させ、重合性ビニルポリマー、
重合開始剤を添加して高分子重合膜を形成させてなる磁
性流体を提案しており、さらに、特開昭64−89401号
は、フェライトとジイソシアナート化合物とを反応さ
せ、さらにアゾ化合物を反応させた後、重合性ビニルポ
リマー、重合開始剤を順次添加してなる磁性流体を提案
している。
(発明が解決しようとする課題) しかし、鉄、コバルトなどの強磁性金属からなる高飽
和磁化の磁性流体の製造に当たって、特殊な分散剤又は
酸化防止剤を添加する方法では微粒子と分散剤(界面活
性剤)との結合が弱く、また酸化防止剤の経時変化によ
って、金属材料の酸化による磁化の低下を避けることは
できない。
和磁化の磁性流体の製造に当たって、特殊な分散剤又は
酸化防止剤を添加する方法では微粒子と分散剤(界面活
性剤)との結合が弱く、また酸化防止剤の経時変化によ
って、金属材料の酸化による磁化の低下を避けることは
できない。
その点、磁性微粒子の表面を高分子で被覆する方法
は、個々の磁性微粒子表面が完全に被覆されれば、酸素
との接触は皆無であり、相当効果的と考えられる。しか
しながら、従来これらに用いられる磁性微粒子は、マグ
ネタイトやMn−Znフェライトといった磁性金属酸化物で
あり、そしてその表面に存在する水酸基に着目し、該水
酸基に吸着しやすいタイプの重合性界面活性剤(モノマ
ー)を吸着させて、あるいは吸着しやすいタイプの重合
開始剤を吸着させた後モノマーを添加して、磁性微粒子
の周りで重合させ被覆している。このため、飽和磁化の
高い金属材料には応用され得ず、また、何れも煩雑な手
段を駆使している。
は、個々の磁性微粒子表面が完全に被覆されれば、酸素
との接触は皆無であり、相当効果的と考えられる。しか
しながら、従来これらに用いられる磁性微粒子は、マグ
ネタイトやMn−Znフェライトといった磁性金属酸化物で
あり、そしてその表面に存在する水酸基に着目し、該水
酸基に吸着しやすいタイプの重合性界面活性剤(モノマ
ー)を吸着させて、あるいは吸着しやすいタイプの重合
開始剤を吸着させた後モノマーを添加して、磁性微粒子
の周りで重合させ被覆している。このため、飽和磁化の
高い金属材料には応用され得ず、また、何れも煩雑な手
段を駆使している。
本発明の目的は、磁性金属(合金を含む)として高飽
和磁化の金属微粒子を強力な高分子膜で容易な操作にて
覆い、経時劣化の極めて少ない高飽和磁化の磁性流体を
提供するとともに、酸化物微粒子、窒化物微粒子などに
も適用できる前記磁性流体の製造方法を提供することに
ある。
和磁化の金属微粒子を強力な高分子膜で容易な操作にて
覆い、経時劣化の極めて少ない高飽和磁化の磁性流体を
提供するとともに、酸化物微粒子、窒化物微粒子などに
も適用できる前記磁性流体の製造方法を提供することに
ある。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、磁性金属に対して吸着力が強く、磁性
微粒子に対する分散能が高く、且つ重合して磁性微粒子
表面を覆う強力な高分子膜を形成する方法について鋭意
検討した結果、かかる高分子膜形成のためのモノマーと
して窒素原子を有するビニルモノマーが有効であること
を見出し、本発明を完成するに至った。
微粒子に対する分散能が高く、且つ重合して磁性微粒子
表面を覆う強力な高分子膜を形成する方法について鋭意
検討した結果、かかる高分子膜形成のためのモノマーと
して窒素原子を有するビニルモノマーが有効であること
を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は分散媒としての有機溶媒と、磁性
微粒子とを含む磁性流体において、前記磁性微粒子の表
面が、窒素原子を有するビニルモノマーの重合体よりな
る高分子膜で被覆されていることを特徴とする磁性流
体、及び有機溶媒を分散媒とし、磁性微粒子を含む流体
に、窒素原子を有するビニルモノマーを添加した後、該
ビニルモノマーを重合させて磁性微粒子表面に高分子膜
を形成する磁性流体の製造方法に関するものである。
微粒子とを含む磁性流体において、前記磁性微粒子の表
面が、窒素原子を有するビニルモノマーの重合体よりな
る高分子膜で被覆されていることを特徴とする磁性流
体、及び有機溶媒を分散媒とし、磁性微粒子を含む流体
に、窒素原子を有するビニルモノマーを添加した後、該
ビニルモノマーを重合させて磁性微粒子表面に高分子膜
を形成する磁性流体の製造方法に関するものである。
本発明における磁性微粒子は、磁性材料として、鉄、
コバルト、ニッケルなどの強磁性金属、あるいはマンガ
ン、クロム、鉄、コバルト、ニッケルなどの合金または
これらに希土類元素を含む合金を好適に使用することが
できる。また、前記金属または合金の窒化物あるいは酸
化物も用いることができる。尚、これら磁性微粒子の粒
径としては20〜150Å、特には50〜120Åが好ましい。
コバルト、ニッケルなどの強磁性金属、あるいはマンガ
ン、クロム、鉄、コバルト、ニッケルなどの合金または
これらに希土類元素を含む合金を好適に使用することが
できる。また、前記金属または合金の窒化物あるいは酸
化物も用いることができる。尚、これら磁性微粒子の粒
径としては20〜150Å、特には50〜120Åが好ましい。
これらの磁性微粒子は、どんな方法によって製造して
も特に問題ないが、金属微粒子を製造するのであれば、
特開昭62−93910号公報に記載された方法に準じたプラ
ズマCVD法や特開昭61−39369号公報記載の真空蒸着法に
よって製造することが好ましく、これらの方法では酸化
物や窒化物も製造することができる。また、その他ガス
中蒸発法、気相液相反応法、アークプラズマ蒸発法、ス
パークエロージョン法、塩の還元法などによっても製造
することができる。
も特に問題ないが、金属微粒子を製造するのであれば、
特開昭62−93910号公報に記載された方法に準じたプラ
ズマCVD法や特開昭61−39369号公報記載の真空蒸着法に
よって製造することが好ましく、これらの方法では酸化
物や窒化物も製造することができる。また、その他ガス
中蒸発法、気相液相反応法、アークプラズマ蒸発法、ス
パークエロージョン法、塩の還元法などによっても製造
することができる。
前記のプラズマCVD法や真空蒸着法で製造する場合、
有機溶媒としては、低圧、高温下に曝される雰囲気であ
ることから、アルキルナフタレン等の低蒸気圧の炭化水
素、ポリ−α−オレフィン、アルキルジフェニルエーテ
ル、ポリフェニルエーテル、ジエステル、シリコーン
油、フルオロカーボン油などを好適に用いることができ
るが、用途を考慮して事前に適当なものを選定しておく
ことが好ましい。
有機溶媒としては、低圧、高温下に曝される雰囲気であ
ることから、アルキルナフタレン等の低蒸気圧の炭化水
素、ポリ−α−オレフィン、アルキルジフェニルエーテ
ル、ポリフェニルエーテル、ジエステル、シリコーン
油、フルオロカーボン油などを好適に用いることができ
るが、用途を考慮して事前に適当なものを選定しておく
ことが好ましい。
尚、通常は前記溶媒に界面活性剤を添加して使用する
が、本発明の磁性流体の製造方法においては、界面活性
剤が金属微粒子表面に吸着してしまう結果、後述のビニ
ルモノマーが吸着しにくくなるので、界面活性剤なしの
溶媒のみで前記吸着などを行う。
が、本発明の磁性流体の製造方法においては、界面活性
剤が金属微粒子表面に吸着してしまう結果、後述のビニ
ルモノマーが吸着しにくくなるので、界面活性剤なしの
溶媒のみで前記吸着などを行う。
前記のようにして磁性微粒子を製造した場合、該微粒
子は有機溶媒と混合したコロイドの形態で得られる。こ
の磁性微粒子の濃度は、5重量%以上、特には25重量%
以上の高濃度になるようにすれば、用途によって単に有
機溶媒で希釈するだけで対応することができるので好ま
しい。
子は有機溶媒と混合したコロイドの形態で得られる。こ
の磁性微粒子の濃度は、5重量%以上、特には25重量%
以上の高濃度になるようにすれば、用途によって単に有
機溶媒で希釈するだけで対応することができるので好ま
しい。
また、従来より行われている湿式粉砕法や解膠法など
で得られる酸化物磁性微粒子なども本発明において使用
することができることはいうまでもない。酸化物磁性材
料を用いる場合、酸化物微粒子の製造後に、酸化物微粒
子を分離精製し用途に適した有機溶媒に混合することも
できる。
で得られる酸化物磁性微粒子なども本発明において使用
することができることはいうまでもない。酸化物磁性材
料を用いる場合、酸化物微粒子の製造後に、酸化物微粒
子を分離精製し用途に適した有機溶媒に混合することも
できる。
次に、本発明における窒素原子を有するビニルモノマ
ーとしては、例えば、次の一般式(I)、 (式中、Rは炭素数1〜4のアミノ基、ピペリジル基、
ピロリジル基又はモルホリノ基、nは1〜3の整数を示
す)で表される化合物、あるいは2−メチル−5−ビニ
ルピリジン、N−ビニルピロリジンなどを使用すること
ができ、前述の磁性微粒子と有機溶媒の混合物に適宜添
加して該微粒子表面に吸着させる。
ーとしては、例えば、次の一般式(I)、 (式中、Rは炭素数1〜4のアミノ基、ピペリジル基、
ピロリジル基又はモルホリノ基、nは1〜3の整数を示
す)で表される化合物、あるいは2−メチル−5−ビニ
ルピリジン、N−ビニルピロリジンなどを使用すること
ができ、前述の磁性微粒子と有機溶媒の混合物に適宜添
加して該微粒子表面に吸着させる。
これらのビニルモノマー中の窒素原子は、金属あるい
は金属酸化物の水酸基との吸着性がよいので、磁性微粒
子の表面に窒素原子の部位が吸着され、オレフィン部を
外側にして、多数のビニルモノマーが磁性微粒子全体を
覆うこととなる。
は金属酸化物の水酸基との吸着性がよいので、磁性微粒
子の表面に窒素原子の部位が吸着され、オレフィン部を
外側にして、多数のビニルモノマーが磁性微粒子全体を
覆うこととなる。
ビニルモノマーの添加量は、磁性微粒子上への十分な
る重合膜形成の見地から磁性微粒子100重量部に対し3
〜30重量部、好ましくは10〜20重量部添加する。
る重合膜形成の見地から磁性微粒子100重量部に対し3
〜30重量部、好ましくは10〜20重量部添加する。
なお、前記(I)式の具体的化合物としては、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチル
メタクリレート、モルホリノエチルメタクリレートなど
が挙げられる。
ルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチル
メタクリレート、モルホリノエチルメタクリレートなど
が挙げられる。
前記のピリジンなどを含め、これらの物質の重合物
は、分散剤としての性能にも優れているため、磁性材料
に対して前記の範囲内で添加すれば、遊離のものができ
ても磁性微粒子の分散に有効に働くので、全く問題とな
ることはない。
は、分散剤としての性能にも優れているため、磁性材料
に対して前記の範囲内で添加すれば、遊離のものができ
ても磁性微粒子の分散に有効に働くので、全く問題とな
ることはない。
前記ビニルモノマーを磁性微粒子表面に吸着させた
後、α,α′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、
過酸化水素、あるいはターシャリーブチルハイドロパー
オキサイドなどの重合開始剤を添加して、攪拌する。こ
れにより、磁性微粒子の外部に位置するオレフィン部は
重合し、磁性微粒子を覆う密な重合膜が容易に形成さ
れ、経時劣化の小さい磁性流体を得ることができる。
後、α,α′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、
過酸化水素、あるいはターシャリーブチルハイドロパー
オキサイドなどの重合開始剤を添加して、攪拌する。こ
れにより、磁性微粒子の外部に位置するオレフィン部は
重合し、磁性微粒子を覆う密な重合膜が容易に形成さ
れ、経時劣化の小さい磁性流体を得ることができる。
磁性微粒子を含有する有機媒体に前記ビニルモノマー
を混合する場合等において、磁性微粒子が酸化物や窒化
物のときは、化合物として比較的安定しているため、金
属磁性体微粒子を扱うときほど注意を払う必要はない
が、金属磁性体微粒子は大気に触れると直ちに酸化され
るため、金属磁性体微粒子を扱う場合には、重合の終了
までは空気(酸素)と接触をさせないよう、アルゴンな
どの不活性ガスの雰囲気中で混合、攪拌を行うことが好
ましい。また、有機溶媒、ビニルモノマーおよび重合開
始剤は、事前に脱気、アルゴン置換等で酸素を十分除去
しておき、またこれらの容器も不活性ガスで置換してお
くなど、酸素と金属自体が直接接触しないよう配慮す
る。
を混合する場合等において、磁性微粒子が酸化物や窒化
物のときは、化合物として比較的安定しているため、金
属磁性体微粒子を扱うときほど注意を払う必要はない
が、金属磁性体微粒子は大気に触れると直ちに酸化され
るため、金属磁性体微粒子を扱う場合には、重合の終了
までは空気(酸素)と接触をさせないよう、アルゴンな
どの不活性ガスの雰囲気中で混合、攪拌を行うことが好
ましい。また、有機溶媒、ビニルモノマーおよび重合開
始剤は、事前に脱気、アルゴン置換等で酸素を十分除去
しておき、またこれらの容器も不活性ガスで置換してお
くなど、酸素と金属自体が直接接触しないよう配慮す
る。
このようにして得られた磁性流体には、アルケニルコ
ハク酸イミド、アルケニルコハク酸エステルまたはベソ
ジルアミンなどの分散剤、2,6−ジターシャリーブチル
−p−クレゾールなどの酸化防止剤等を適宜添加するこ
とができる。こうすることによって、高分子で被覆され
た磁性微粒子の分散を高め、あるいは有機溶媒の酸化劣
化等を防止することができる。
ハク酸イミド、アルケニルコハク酸エステルまたはベソ
ジルアミンなどの分散剤、2,6−ジターシャリーブチル
−p−クレゾールなどの酸化防止剤等を適宜添加するこ
とができる。こうすることによって、高分子で被覆され
た磁性微粒子の分散を高め、あるいは有機溶媒の酸化劣
化等を防止することができる。
(実施例) 次に本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例 減圧、アルゴンガス加圧下で脱気処理したアルキルナ
フタリンを分散媒として、真空蒸着法によって得たコバ
ルト超微粒子(粒径70〜150Å)のコロイド(コバルト
濃度5.3重量%)150mlを、事前にアルゴン置換した三口
フラスコに採取した。
フタリンを分散媒として、真空蒸着法によって得たコバ
ルト超微粒子(粒径70〜150Å)のコロイド(コバルト
濃度5.3重量%)150mlを、事前にアルゴン置換した三口
フラスコに採取した。
一方、事前に凍結、減圧溶解、アルゴンガス加圧を繰
り返し、脱気処理をしたモルホリノエチルメタクリレー
ト1mlを、アルゴンガス置換したグローブボックス内で
前記三口フラスコに加え、密栓後グローブボックスから
取り出し、マントルヒータで70℃に保持して3時間攪拌
した。次いで重合開始剤としてα,α′−アゾビスイソ
ブチロニトリル(AIBN)粉末0.1gをアルゴンガス置換し
たグローブボックス内で前記三口フラスコに添加して、
密栓後グロブボックスから取り出し70℃にて3時間攪拌
した。
り返し、脱気処理をしたモルホリノエチルメタクリレー
ト1mlを、アルゴンガス置換したグローブボックス内で
前記三口フラスコに加え、密栓後グローブボックスから
取り出し、マントルヒータで70℃に保持して3時間攪拌
した。次いで重合開始剤としてα,α′−アゾビスイソ
ブチロニトリル(AIBN)粉末0.1gをアルゴンガス置換し
たグローブボックス内で前記三口フラスコに添加して、
密栓後グロブボックスから取り出し70℃にて3時間攪拌
した。
このようにして、コバルト超微粒子の表面がモルホリ
ノエチルメタクリレートの重合物で被覆されたコロイド
を得、さらに、これに分散としてアルケニルコハク酸イ
ミドを3g加えて3時間超音波を照射し、本発明に係る磁
性流体を得た。
ノエチルメタクリレートの重合物で被覆されたコロイド
を得、さらに、これに分散としてアルケニルコハク酸イ
ミドを3g加えて3時間超音波を照射し、本発明に係る磁
性流体を得た。
得られた磁性流体を、大気と遮断することなく、ヘキ
サン処理と遠心分離を繰り返し、上澄みのアルキルナフ
タリン、モルホリノエチルメタクリレート及び分散剤を
除去し、沈澱物として得られた黒色粉末に磁石を近付け
たところ、磁気吸着性を示した。この結果、コバルト微
粒子は高分子膜で被覆され、酸化されなかったものと判
断される。
サン処理と遠心分離を繰り返し、上澄みのアルキルナフ
タリン、モルホリノエチルメタクリレート及び分散剤を
除去し、沈澱物として得られた黒色粉末に磁石を近付け
たところ、磁気吸着性を示した。この結果、コバルト微
粒子は高分子膜で被覆され、酸化されなかったものと判
断される。
また、かかる磁性流体の磁化安定性を、調製直後の試
料の飽和磁化(Mo)及び湿潤大気中に30日間暴露後の試
料の飽和磁化(Ms)を振動試料型磁力計(東英工業株式
会社製、型番VSM−5)で測定し、両者を比較すること
により飽和磁化の経時変化(Ms/Mo)を求めたところ、
ほとんど劣化しておらず、Ms/Mo比は0.95であった。
料の飽和磁化(Mo)及び湿潤大気中に30日間暴露後の試
料の飽和磁化(Ms)を振動試料型磁力計(東英工業株式
会社製、型番VSM−5)で測定し、両者を比較すること
により飽和磁化の経時変化(Ms/Mo)を求めたところ、
ほとんど劣化しておらず、Ms/Mo比は0.95であった。
比較例 比較例として、前記実施例の真空蒸着法により得たア
ルキルナフタリンを分散媒とするコバルト超微粒子のコ
ロイド150mlに対してアルケニコルコハク酸イミドを、
アルゴンガス置換したグローブボックス内で3g加え、密
栓し、3時間超音波を照射して磁性流体を得た。
ルキルナフタリンを分散媒とするコバルト超微粒子のコ
ロイド150mlに対してアルケニコルコハク酸イミドを、
アルゴンガス置換したグローブボックス内で3g加え、密
栓し、3時間超音波を照射して磁性流体を得た。
得られた磁性流体を実施例と同様にヘキサン処理と遠
心分離を繰り返し、上澄みのアルキルナフタリン及び分
散剤を除去した。沈澱物として得られた赤褐色粉末に磁
石を近付けたところ、外赤褐色粉末は何の変化も示さ
ず、コバルト微粒子はヘキサン処理と遠心分離の間に酸
化されて磁性を失ったものと判断される。
心分離を繰り返し、上澄みのアルキルナフタリン及び分
散剤を除去した。沈澱物として得られた赤褐色粉末に磁
石を近付けたところ、外赤褐色粉末は何の変化も示さ
ず、コバルト微粒子はヘキサン処理と遠心分離の間に酸
化されて磁性を失ったものと判断される。
比較例の磁性流体の磁化安定性を、実施例と同様にし
て測定し、磁化の経時変化(Ms/Mo)で求めたところ、
0.75であった。
て測定し、磁化の経時変化(Ms/Mo)で求めたところ、
0.75であった。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明の製造方法において
は、窒素を有するビニルモノマー有機溶媒存在下で磁性
微粒子の表面に吸着させ、しかる後重合させることか
ら、磁性材料として金属でも酸化物でも窒化物でも、簡
単な操作により、高分子膜を磁性微粒子の表面に効率的
に形成させることができ、また、該高分子膜で保護され
た本発明の磁性流体は、酸化等の劣化を受けず、長期に
亘って安定した磁化を維持でき、しかも分散性も良好で
あるという格段の効果を奏するものである。
は、窒素を有するビニルモノマー有機溶媒存在下で磁性
微粒子の表面に吸着させ、しかる後重合させることか
ら、磁性材料として金属でも酸化物でも窒化物でも、簡
単な操作により、高分子膜を磁性微粒子の表面に効率的
に形成させることができ、また、該高分子膜で保護され
た本発明の磁性流体は、酸化等の劣化を受けず、長期に
亘って安定した磁化を維持でき、しかも分散性も良好で
あるという格段の効果を奏するものである。
従って、本発明により製造された磁性流体は、広範な
分野に適用することができる。
分野に適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−222504(JP,A) 特開 平4−23893(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/44
Claims (2)
- 【請求項1】有機溶媒からなる分散液と、この分散液中
にコロイド状に分散されている磁性微粒子とを含む磁性
流体において、前記磁性微粒子の表面が、窒素原子を有
するビニルモノマーからなる重合体よりなる高分子膜に
よって被覆されていることを特徴とする磁性流体。 - 【請求項2】有機溶媒からなる分散液と磁性微粒子とを
含む流体に、窒素原子を有するビニルモノマーを添加し
て、該磁性微粒子表面を該ビニルモノマーにより被覆し
た後、重合開始剤を添加して該ビニルモノマーを重合さ
せて磁性微粒子表面に高分子膜を形成することによっ
て、前記高分子膜が形成された前記磁性微粒子を前記分
散液中にコロイド状に分散させることを特徴とする磁性
流体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2152530A JP3069612B2 (ja) | 1990-06-13 | 1990-06-13 | 磁性流体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2152530A JP3069612B2 (ja) | 1990-06-13 | 1990-06-13 | 磁性流体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0445503A JPH0445503A (ja) | 1992-02-14 |
JP3069612B2 true JP3069612B2 (ja) | 2000-07-24 |
Family
ID=15542456
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2152530A Expired - Lifetime JP3069612B2 (ja) | 1990-06-13 | 1990-06-13 | 磁性流体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3069612B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100335219B1 (ko) * | 1993-06-04 | 2002-11-07 | 바이엘로코프 사이언티픽, 인코퍼레이티드 | 자기유동학적유체및이를이용한시편표면완성방법,장치및광택방법 |
JP6222026B2 (ja) | 2014-09-17 | 2017-11-01 | トヨタ紡織株式会社 | エアクリーナ |
-
1990
- 1990-06-13 JP JP2152530A patent/JP3069612B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0445503A (ja) | 1992-02-14 |
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EXPY | Cancellation because of completion of term |