JP3069555U - 缶口用注出具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】缶の外周面と内周面に同時に密着させ、液漏れ
の心配がなく、使用時に缶や手を汚すことなく且つ内容
物を十分に使いきることが可能な注出具を提供する。 【解決手段】基端部に円柱状の胴部を有すると共に合成
樹脂で形成した弾性を有する注出ノズルにおいて、注出
ノズルの基端部の先端へ注出口を設けた缶口へ圧入嵌合
して該缶口の内周面に密着する大きさの外径を有する中
栓部を形成し、中栓部の上方へ環状の凹陥部を形成し、
凹陥部の上方へ中栓部の外径よりも若干大きな外径を有
する環状の膨出部を形成すると共に、中栓部の外径より
も若干幅狭の直径を有する円形の貫通口を設けた天板と
環状の側壁を有する合成樹脂製の弾性キャップを形成
し、弾性キャップの貫通口を前記中栓部から圧入して弾
性キャップを凹陥部に位置決めさせる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術】

本考案は、主に、溶剤等を収容する缶の口部に適用する缶口用注出具に関する ものであり、詳細には、缶などの注口に密着固定して使用する各種合成樹脂を材 料とした缶口用注出具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、溶剤等を収容する缶においては、口部が上面より若干突出している ものの、缶を傾けて直接使用するには缶口が大きく、そのため、一旦、別のノズ ルを備えた容器に収容物を移し変えるか、口部の形状に合わせて取付けられる着 脱式のノズルを使用していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記の内、別の容器に移し変える場合には、残存する内容物を再利 用するために、再度缶内へ戻す等の手間がかかり、また、着脱式のノズルの場合 は、その多くが缶の上面部より突出する口部の外周を覆って取付けるだけの簡単 な構造であって密着性に乏しく、そのため缶を傾けて内容物を小分けしようとす る場合等に液漏れが生じる等の問題が指摘されていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

そこで本考案の缶口用注出具は、上記の課題に鑑みて、基端部に円柱状の胴部 を有すると共に合成樹脂で形成した弾性を有する注出ノズルにおいて、注出ノズ ルの基端部の先端へ注出口を設けた缶口へ圧入嵌合して缶口の内周面に密着する 大きさの外径を有する中栓部を形成し、中栓部の上方へ環状の凹陥部を形成し、 凹陥部の上方へ中栓部の外径よりも若干大きな外径を有する環状の膨出部を形成 すると共に、中栓部の外径よりも若干幅狭の直径を有する円形の貫通口を設けた 天板と環状の側壁を有する合成樹脂製の弾性キャップを形成し、弾性キャップの 貫通口を前記中栓部から圧入して弾性キャップを凹陥部に位置決めさせて構成し たものである。

【０００５】 上記の構成の内、注出ノズルは、中空の合成樹脂製のノズルを使用する。 そして、注出ノズルの基端部の先端へ注出口を設けた缶口へ圧入嵌合して缶口の 内周面に密着する大きさの外径を有する中栓部を形成することで、従来のノズル ででき得なかった缶口の内周面に対しての密着を可能とした。

【０００６】 また、中栓部の上方へ形成した環状の凹陥部は、別体に形成した円形の貫通口 を設けた天板と環状の側壁とから成る弾性キャップを定位させると共に、この弾 性キャップの側壁の内周面を缶口の外周面に密着させて液密性を確保することを 可能とした。

【０００７】 即ち、本考案の缶口用注出具は、上記の構成により、缶の外周面と内周面に同 時に密着するので、液漏れの心配がなく、使用時に缶や手を汚すことなく且つ内 容物を十分に使いきることが可能となった。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を図面と共に説明する。尚、図中において各図と同 一の符号を付した部分は同一物を表している。

【０００９】 本考案の缶口用注出具は、図１乃至図５に図示の如く、主として注出ノズル１ と弾性キャップ４から構成されている。これらの二つの部材は共に合成樹脂で形 成されるが、本考案の実施例では、注出ノズル１は弾性キャップ４よりやや軟質 の樹脂を用いて形成した。

【００１０】 詳述すると、前記注出ノズル１は、少なくとも基端部に円柱状の胴部を有する 合成樹脂製の弾性部材で形成され、図示の実施例では、内容物を注ぎ易くするた めに上方向から横方向に向け緩やかに傾斜させた外観を有するもので、略Ｌ字状 に湾曲したテーパを有するノズルとして形成されている。

【００１１】 前記注出ノズル１は、後述する中栓部５から先端の注ぎ口（図示せず）に亘り 内部に通水口を有する中空のノズルであり、先端部の外周面には螺子部を備え、 該螺子部に内周面に螺子部を有する小型の合成樹脂製の補助キャップ２が、缶の 転倒の際の内容物の漏洩を防止する目的等で着脱可能に取付けられている。

【００１２】 また、注出ノズル１の背面側には鰭状の摘取手３が形成されていて、該摘取手 ３の背部分には外気とノズル１内を連通させて、内容物の排出を容易にする空気 穴３が設けられている。また、この摘取手３は、缶口６へ取付ける際の力点とし ての補助部にもなっている。

【００１３】 そして、前記注出ノズル１の基端部の先端へは上面から突設された缶口６へ圧 入嵌合すると共に、該缶口６の内周面に密着する大きさの外径を有する中栓部５ が形成されている。

【００１４】 前記中栓部５の上方には、環状で且つ中栓部５の外径より若干窪ませて構成し た凹陥部１ａが形成されていて、この凹陥部１ａの上方へは中栓部５の外径より も若干大きな外径を有する環状の膨出部１ｂが形成されている。

【００１５】 図４は、本考案に係わる弾性キャップ４を示している。この弾性キャップ４は 、前記中栓部５の外径よりも若干幅狭の直径を有する円形の貫通口４ｃを設けた 円形の天板４ａと、その天板４ａの縁部から環状に垂設させた側壁４ｂを有する 合成樹脂製の部材から成る。

【００１６】 本考案は、前記弾性キャップ４の貫通口４ｃを前記中栓部５から圧入すること で、図１に図示の如く、弾性キャップ４を注出ノズル１の凹陥部１ａに位置決め させて一体的に取付けたものである。

【００１７】 以上の如く構成された本考案の缶口用注出具は、先ず、摘取手３を手で持ちな がら、中栓部５と弾性キャップ４の間に缶口６を合わせ圧入するものであるが、 この際、注出ノズル１をやや傾けながら、中栓部５と弾性キャップ４の間の適宜 な一部を缶口６の一部に当接し、テコの作用を利用して圧入すると共に、弾性キ ャップ４を缶口６の外周に密着するよう押し下げることで、図５に図示の如く、 簡単に缶口６へ取り付けることができる。

【００１８】 以上の如く缶口６に取付けられた本考案の缶口用注出具は、弾性キャップ４の 側壁４ｂの内周面が缶口６の外周面に密着し、且つ、注出ノズル１の中栓部５の 外周面が缶口６の内周面に強く密着して強固に取付けられる。尚、本考案の缶口 用注出具を取り外す場合は、注出ノズル１を手で持って前後左右に捻り上げるよ うにすれば、簡単に取り外すことが可能である。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は、以上の構成により、缶口の内外周面に密着する缶口用注出具を提供 したので、従来の着脱式のノズルのような液漏れの心配がない。また、本考案の 缶口用注出具は、着脱が容易で且つ低コストで製作できる等の利点も備えた画期 的な考案である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の缶口用注出具の正面図である。

【図２】本考案の缶口用注出具の弾性キャップを取り外
した側面図である。

【図３】本考案の缶口用注出具の背面図である。

【図４】本考案の缶口用注出具の弾性キャップの外観図
である。

【図５】本考案の缶口用注出具の缶口への取付状態示す
概要図である。

【符号の説明】

１ 注出ノズル ２ 補助キャップ ３ 摘取手 ３ａ 空気穴 ４ 弾性キャップ ４ａ 天板 ４ｂ 側壁 ４ｃ 貫通開口 ５ 中栓部 ６ 缶口

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基端部に円柱状の胴部を有すると共に合
   成樹脂で形成した弾性を有する注出ノズルにおいて、前
   記注出ノズルの基端部の先端へ注出口を設けた缶口へ圧
   入嵌合して該缶口の内周面に密着する大きさの外径を有
   する中栓部を形成し、該中栓部の上方へ環状の凹陥部を
   形成し、該凹陥部の上方へ中栓部の外径よりも若干大き
   な外径を有する環状の膨出部を形成すると共に、前記中
   栓部の外径よりも若干幅狭の直径を有する円形の貫通口
   を設けた天板と環状の側壁を有する合成樹脂製の弾性キ
   ャップを形成し、該弾性キャップの貫通口を前記中栓部
   から圧入して前記弾性キャップを凹陥部に位置決めさせ
   たことを特徴とする缶口用注出具。