JP3069307U - 給紙装置のストッカ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】給紙装置のスットッカにおいて、ガイド部材を
移動させるときのガタつきを防止して、操作性能を高め
ることにある。 【解決手段】 給紙台２は、記録紙がセットされるセ
ット面と、横方向に延びる係止ガイド部１６が形成され
た背面とを有している。ガイド部材５は、給紙台２に上
方から装着され横方向に移動して記録紙の幅方向の端部
をガイドするための部材である。そして、ガイド部材５
は、セット面側に配置されたガイド部５２と、ガイド部
５２の上端部から下方に延びるように形成されて給紙台
２の背面側に配置されたフック部５１とを有している。
またフック部５１は、係止ガイド部１６に上下方向には
移動不能にかつ横方向に移動可能に係止された係止部１
７と、係止部１７と異なる上下位置に設けられ給紙台２
の背面に当接する当接部１８とをさらに有している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ストッカ、特に、インクジェットプリンタ等のプリンタ装置に用い られる給紙装置に設けられ、記録紙を収納するストッカに関する。

【０００２】

【従来の技術】

インクジェットプリンタ等の給紙装置には、手差しによる記録紙の給紙のため にストッカが用いられる。このようなストッカは、実開昭６０−１５４１４５号 公報及び実登２５３７９９５号公報等に掲載されている。 これらのストッカは、記録紙がセットされるセット面を有する給紙台と、記録 紙の端部をガイドするガイド部材とを備えている。ガイド部材は、給紙台のセッ ト面に配置され記録紙の端部をガイドするガイド部と、ガイド部の上下の両端部 に形成されたフック部とを有している。そして、ガイド部材は、給紙台の上下の 縁部のそれぞれにフック部を係止することによって、横方向に移動自在に装着さ れている。

【０００３】 このようなストッカでは、給紙台にセットされた記録紙の幅に応じてガイド部 材を横に移動して、記録紙の端部をガイドする。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来のストッカでは、前述のように、ガイド部材は給紙台の上下縁部にフック 部を係止することによって装着されている。このため、給紙装置の構造上ガイド 部材を給紙台の上側からしか装着できない場合には採用できない。このような場 合には、ガイド部材の上側のフック部のみを給紙台の上縁部に係止して装着する ことも考えられる。しかし、このような構成では、ガイド部材を横方向に移動さ せる時にガタつくおそれがあり、スムーズな移動が行えない。

【０００５】 本考案は、ガイド部材を移動させるときのガタつきを防止して、操作性能を高 めることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

請求項１に係る給紙装置のストッカは、プリンタ装置に記録紙を供給するため の給紙装置に設けられ、記録紙を収納するためのものであり、給紙台とガイド部 材とを備えている。給紙台は、記録紙がセットされるセット面と、横方向に延び る係止ガイド部が形成された背面とを有している。ガイド部材は、給紙台に上方 から装着され横方向に移動して記録紙の幅方向の端部をガイドするための部材で ある。

【０００７】 そして、ガイド部材は、セット面側に配置されたガイド部と、ガイド部の上端 部から下方に延びるように形成されて給紙台の背面側に配置されたフック部とを 有している。またフック部は、係止ガイド部に上下方向には移動不能にかつ横方 向に移動可能に係止された係止部と、係止部と異なる上下位置に設けられ給紙台 の背面に当接する当接部とをさらに有している。

【０００８】 このようなストッカでは、ガイド部材は給紙台上方より装着可能であり、ガイ ド部材の装着時には、ガイド部とフック部とによって給紙台を狭持する。このと き、ガイド部材は、フック部の係止部が給紙台の背面に設けられた係止ガイド部 に係止され、横方向に移動可能である。係止部は上下方向には移動不能に係止さ れているので、ガイド部材の移動する時に上下にガタつきにくい。また、フック 部に設けられた当接部は給紙台の背面に当接しているので、ガイド部材の移動す る時に横方向にガタつきにくい。

【０００９】 請求項２に係る給紙装置のストッカは、請求項１のストッカにおいて、係止部 はフック部の下部に設けられ、当接部はフック部の上部に設けられている。 このようなストッカでは、係止部と当接部とが適当な間隔で離れているため、 ガイド部材の移動する時に上下方向及び横方向のガタつきを有効に防止できる。 請求項３に係る給紙装置のストッカは、請求項１又は２のストッカにおいて、 フック部は弾性を有し、フック部の弾性変形により係止部及び当接部は給紙台の 背面に押圧されている。

【００１０】 このようなストッカでは、フック部が係止部及び当接部において給紙台の背面 に押圧されているため、ガイド部材が給紙台に確実に装着され、ガイド部材の移 動時にガタつきをより押さえることができる。 請求項４に係る給紙装置のストッカでは、請求項３のストッカにおいて、給紙 台の背面において係止ガイド部の端部には、凹状の待避部が形成されている。待 避部では、フック部の弾性変形を抑えるように、係止部及び当接部の少なくとも 一が給紙台の背面から離される。

【００１１】 このようなストッカでは、ガイド部材を給紙台の背面に設けられた待避部に配 置した場合に、係止部及び当接部の少なくとも一方が給紙台の背面から離れ、フ ック部の弾性変形が抑えられる。したがって、長期間使用しない場合にガイド部 材を待避位置に配置しておけば、ガイド部材の弾性力が弱くなったり、あるいは 塑性変形するのを防止できる。

【００１２】 請求項５に係る給紙装置のストッカでは、請求項１から４のいずれかのストッ カにおいて、当接部は、横方向に長く延び、給紙台の背面側に突出するように湾 曲して背面に当接する湾曲面を有している。 このようなストッカでは、当接部と給紙台の背面との接触が横方向に延びる線 状となる。このため、ガイド部材の移動する時に、ガタつきを抑制するとともに 、摩擦が大きくなりすぎるのを抑制して移動がスムーズになる。

【００１３】

【考案の実施の形態】

図１は本考案の一実施形態を採用したストッカが装着されたインクジェットプ リンタの正面図、図２は図１のＩ−Ｉ線に沿う部分の拡大断面図、図３はガイド 部材の斜視図、図４はガイド部材の背面図、図５はストッカの要部拡大図である 。

【００１４】 図１、図２及び図４に示すように、ストッカ１は、給紙台２と、給紙台２の上 方から装着されたガイド部材５とからなり、インクジェットプリンタ本体の後方 に配置される。このようなストッカ１では、記録紙は、図１のＷで表す領域に幅 方向の両端を規制されてセットされる。 給紙台２は、樹脂で成型された略矩形の板状体であり、上部が後方に変位した 傾斜姿勢でインクジェットプリンタ本体に装着される。また給紙台２の下端には 水平なベース部１２が一体に設けられている。この給紙台２の前面は、記録紙が セットされるセット面であり、その右端には立上り片１５が前方に突出して一体 成型され、セットされた記録紙の右端を規制する。セット面の上端付近には位置 決め部３が設けられており、位置決め部３には上下方向に平行に延びる多数の係 止溝３１が横方向に形成されている。また、給紙台２の背面には横方向に延びる 係止ガイド部１６が設けられている。この係止ガイド部１６は、溝であり、位置 決め部３が設けられた範囲とほぼ同じ範囲にわたって設けられている。そして、 係止ガイド部１６の立上り片１５側の端部には、係止ガイド部１６の溝深さより 深く形成された凹状の待避部１６ａが形成されている。この待避部１６ａの幅は 、ガイド部材５の係止部１７（後述）の幅よりも長く形成されている。

【００１５】 ガイド部材５は、図２及び図３に示すように、給紙台２のセット面に配置され るガイド部５２と背面に配置されるフック部５１とからなる。 ガイド部５２は、接触部５３、支持部５４及びカバー部５５の連続する３つの 部分をコ字状に形成してなるものである。接触部５３は、図２に示すように、給 紙台２のセット面に接触して配置され、フック部５１とともに給紙台２を挟持す る。支持部５４は、接触部５３の一端から接触部５３に対して垂直方向に連続し て形成され、給紙台２にセットされた記録紙の左端をガイドする。カバー部５５ は、支持部５４の前方側端部より連続して接触部５３に平行に対向して形成され ており、セットされた記録紙がめくれ上がるのを防止する。

【００１６】 また、ガイド部５２には、平行な２つのスリット５７，５８が横方向に設けら れている。このスリット５７，５８は、図３に示すように、接触部５３の横方向 中央部から連続して支持部５４を横切り、カバー部５５に設けられた隙間開口５ ９に達している。このように形成された一対のスリット５７，５８と隙間開口５ ９とによって囲まれる平面視コ字状形部分が弾性片６として形成されている。弾 性片６において接触部５３と支持部５４とが交差する角部には、支持部５４に平 行にフック部５１側に突出して係止爪７が形成されている。また、この弾性片６ の隙間開口５９側の端部に、支持部５４に平行に把手８が設けられ、相手側把手 ９が把手８に平行にかつ対向するようにカバー部５５の端部に形成されている。

【００１７】 図５に示すように、ガイド部材５の係止爪７が係止溝３１に係止された状態で は、ガイド部材５は給紙台２に固定されて横方向に移動不能である。また、把手 ８を相手側把手９に近づけるように操作すると、係止爪７がセット面から離れる 方向に移動して係止溝３１から離れ、ガイド部材５は横方向に移動自在となる。 そして、ガイド部材５を横に移動させ、記録紙の左端に支持部５４をあわせて再 び把手８を元に戻すと、係止爪７が係止溝３１に係止され、ガイド部材５は給紙 台２に対して固定される。

【００１８】 フック部５１は、接触部５３の上部から連続して下方に延び、給紙台２の背面 に対向して配置されている。このフック部５１の下部には、図２に示すように、 前述した係止ガイド部１６に係止する係止部１７が給紙台２の背面側に突出して 形成されている。この係止部１７は、図４に示すように、横方向に長く形成され ており、フック部５１の幅方向全体で係止ガイド部１６に係止する。また、フッ ク部５１の上部には、図２に示すように、当接部１８が形成されている。この当 接部１８は、給紙台２の背面側に突出するように湾曲して形成されており、その 湾曲部の頂点が給紙台２の背面に当接している。また、図４に示すように、当接 部１８は係止部１７に平行に横方向に長く形成されているため、給紙台２の背面 との接触は線状となる。

【００１９】 このようガイド部材５は、樹脂成型品であり、したがってフック部５１の下端 側がガイド部５２に対して離れる方向に弾性変形可能である。そして、フック部 ５１は、ガイド部材５を給紙台２に装着した際に、係止部１７及び当接部１８が 給紙台２の背面に対して押圧されるような寸法構成となっている。 このようなガイド部材５を給紙台２に装着する場合には、フック部５１の下端 側をガイド部５２に対して離れる方向に広げた状態でガイド部材５を給紙台２の 上部から差し込み、給紙台２をガイド部５２及びフック部５１によって挟持する 。このとき、図２に示すように、係止部１７は給紙台２の背面の係止ガイド部１ ６に係止されているので、上下方向には移動することができないが、横方向には 係止ガイド部１６に沿って移動可能である。また、当接部１８は、給紙台２側に 突出した頂点部分で給紙台２の背面に当接している。前述のように、フック部５ １は弾性を有するため、係止部１７及び当接部１８が給紙台２の背面に押圧され ており、給紙台２を接触部５３と係止部１７及び当接部１８とで強固に挟持して 固定が確実になる。

【００２０】 ガイド部材５を横方向に移動させる場合は、前述したように、把手８を相手側 把手９に近づけて係止爪７を係止溝３１から離し、ガイド部材５を横方向に移動 させる。このとき、係止部１７が係止ガイド部１６によって案内されるため、上 下方向にガタつきにくい。また、当接部１８が背面に当接しているので横方向に もガタつきにくい。

【００２１】 また、ストッカ１を長期間使用しない場合には、ガイド部材５を待避部１６ａ に配置しておく。この状態では、ガイド部材５の係止部１７が給紙台２の背面か ら離れるので、フック部５１の弾性力が弱くなったり、塑性変形するのを防止す ることができる。 なお、前記実施形態では、係止ガイド部１６に待避部１６ａを設けたが、これ に加えて、当接部１８が給紙台２の背面から離れることができるような待避部を 設けてもよい。

【００２２】

【考案の効果】 本考案のストッカによれば、ガイド部材を横に移動させるときのガタつきを防 止して、操作性能を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施形態による給紙装置のストッカの
正面図。

【図２】図１のＩ−Ｉ線に沿う部分の拡大断面図。

【図３】ガイド部材の斜視図。

【図４】ガイド部材の背面図。

【図５】ストッカの要部拡大図。

【符号の説明】

２ ストッカ ３ 位置決め部 ５ ガイド部材 １６ 係止ガイド部 １６ａ 待避部 １７ 係止部 １８ 当接部 ５１ フック部 ５２ ガイド部 ５３ 接触部 ５４ 支持部 ５５ カバー部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プリンタ装置に記録紙を供給するための給
   紙装置に設けられ、記録紙を収納するためのストッカで
   あって、 記録紙がセットされるセット面と、セットされた記録紙
   の幅方向に延びる係止ガイド部が形成された背面とを有
   する給紙台と、 前記給紙台に上方から装着され、横方向に移動して前記
   記録紙の幅方向の端部をガイドするためのガイド部材と
   を備え、 前記ガイド部材は、前記セット面側に配置されたガイド
   部と、前記ガイド部の上端部から下方に延びるように形
   成されて前記給紙台の背面側に配置されたフック部とを
   有し、 前記フック部は、前記係止ガイド部に上下方向には移動
   不能にかつ横方向に移動可能に係止された係止部と、前
   記係止部と異なる上下位置に設けられ前記給紙台の背面
   に当接する当接部とを有している、給紙装置のストッ
   カ。
2. 【請求項２】前記係止部は前記フック部の下部に設けら
   れ、前記当接部は前記フック部の上部に設けられてい
   る、請求項１に記載の給紙装置のストッカ。
3. 【請求項３】前記フック部は弾性を有し、前記フック部
   の弾性変形により前記係止部及び前記当接部は前記給紙
   台の背面に押圧されている、請求項１又は２に記載の給
   紙装置のストッカ。
4. 【請求項４】前記給紙台の背面において前記係止ガイド
   部の端部には、前記フック部の弾性変形を抑えるために
   前記係止部及び当接部の少なくとも一方を前記給紙台の
   背面から離すための凹状の待避部が形成されている、請
   求項３に記載の給紙装置のストッカ。
5. 【請求項５】前記当接部は、横方向に長く延び、前記背
   面側に突出するように湾曲して前記背面に当接する湾曲
   面を有している、請求項１から４のいずれかに記載の給
   紙装置のストッカ。