JP3069287B2 - ころ軸受用保持器 - Google Patents

ころ軸受用保持器

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JP3069287B2
JP3069287B2 JP3147296A JP3147296A JP3069287B2 JP 3069287 B2 JP3069287 B2 JP 3069287B2 JP 3147296 A JP3147296 A JP 3147296A JP 3147296 A JP3147296 A JP 3147296A JP 3069287 B2 JP3069287 B2 JP 3069287B2
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猛 栗原
信夫 鵜沢
忍 山本
裕二 井川
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/46Cages for rollers or needles
    • F16C33/467Details of individual pockets, e.g. shape or roller retaining means

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転動体として複数
のころを用いたころ軸受において、当該複数のころを回
転可能に保持するころ軸受用保持器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、軸を回転可能に支持する軸受の
うち、転動体として複数のころ(円筒ころ、針状ころ
等)を用いたころ軸受は、全体として略円筒状に形成さ
れた保持器と、該保持器に回転可能に保持された複数の
ころとから構成されている。
【0003】そこで、上述の如き従来技術によるころ軸
受を、図16に示す遊星歯車減速機構に用いた場合を例
に挙げて説明する。
【0004】図において、1は遊星歯車減速機構を示
し、該遊星歯車減速機構1は、内周側に全周に亘って内
歯車2が形成された円筒状のハウジング3と、該ハウジ
ング3の外部に配設されたモータの出力軸(いずれも図
示せず)に取付けられた太陽歯車4と、該太陽歯車4と
ハウジング3の内歯車2とに噛合し、太陽歯車4の周囲
を自転しつつ公転する複数の遊星歯車5(1個のみ図
示)と、該各遊星歯車5を後述の針状ころ軸受8等を介
して回転可能に支持するキャリア6とから大略構成され
ている。
【0005】ここで、前記キャリア6は、内周側に形成
された内歯6Aと、遊星歯車5を挟んで対向する上側ピ
ン支持部6Bおよび下側ピン支持部6Cとからなり、該
上側ピン支持部6Bと下側ピン支持部6Cとの間でピン
7が支持されている。
【0006】8は遊星歯車5とピン7との間に設けら
れ、キャリア6に対して遊星歯車5を回転可能に支持す
る針状ころ軸受を示し、該針状ころ軸受8は、外周側が
遊星歯車5の軸受穴5Aに嵌合すると共に内周側にピン
7が挿通された円筒状の保持器9と、該保持器9に均等
な間隔をもって回転可能に保持された複数の針状ころ1
0,10,…とから構成されている。
【0007】ここで、図17ないし図19により、針状
ころ軸受8と保持器9について説明する。
【0008】前記保持器9は円筒体として形成され、軸
方向に離間して位置する一対の環状部9A,9Aと、該
各環状部9Aの間にほぼ等しい間隔をもって配設され、
各環状部9A間を連結する複数の支柱部9B,9B,…
と、該各支柱部9Bのそれぞれの間に位置し、針状ころ
10を収容する矩形の開口部として形成された複数のポ
ケット部9C,9C,…と、針状ころ10を回転可能に
保持すべく、ポケット部9Cの内壁9D,9D,…のう
ち軸方向に対向する各支柱部9Bの内壁9Dの内周側と
外周側に突設された複数の突起部9E,9E,…とから
なる。また、該各ポケット部9Cの内壁9Dと針状ころ
10との間には油道9F,9F,…が形成され、該各油
道9Fによって潤滑油をポケット9Cと針状ころ10と
の隙間に容易に循環させることにより、潤滑性を高める
ようにしている。
【0009】そして、前記保持器9に保持された各針状
ころ10が、遊星歯車5とピン7との間で自転しつつピ
ン7の周囲を公転することにより、遊星歯車5がピン7
に対して円滑に回転するようになっている。
【0010】11,11は針状ころ軸受8の軸方向端面
と、キャリア6の上側ピン支持部6Bおよび下側ピン支
持部6Cとの間に設けられた環状の摺動板を示し、該各
摺動板11は、針状ころ軸受8の軸方向端面の摺動性を
向上させ、キャリア6に対する各遊星歯車5の円滑な回
転を助成している。
【0011】12はハウジング3内に軸受等(図示せ
ず)を介して回転可能に支持された出力軸を示し、該出
力軸12は摺動板としてのプレート13を介して太陽歯
車4と同軸上に配設されている。そして、出力軸12の
上端側外周には歯部12Aが形成され、該歯部12Aは
キャリア6の内歯6Aに噛合している。なお、出力軸1
2は、第2段目の遊星歯車減速機構を構成する太陽歯車
であってもよい。
【0012】このように構成される遊星歯車減速機構1
においては、モータを駆動することにより太陽歯車4が
回転すると、各遊星歯車5が太陽歯車4とハウジング3
の内歯車2との間で自転しつつ太陽歯車4の周囲を公転
し、係る各遊星歯車5の公転に伴ってキャリア6が太陽
歯車4を中心として回転する。これにより、キャリア6
の内歯6Aに歯部12Aを介して連結された出力軸12
には、モータの出力軸の回転が減速されて伝達され、出
力軸12のトルクは減速比に応じて増大するようになっ
ている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した従
来技術による針状ころ軸受8を有する遊星歯車減速機構
1では、運転時にピン7と針状ころ10の摺接面および
針状ころ10と遊星歯車5の軸受穴5Aとの摺接面にお
いて、高荷重下でのころがり接触とすべり接触とを起こ
している。このため、良好な潤滑状態を得るために、潤
滑油は基油に極圧添加剤を配合したものを使用してい
る。この極圧添加剤を用いることにより、摺接面に分子
吸着膜や反応潤滑膜が形成され、摺接面の潤滑性を向上
させて、摺接面の摩耗,疲労摩耗(ピッチング),剥離
等の損傷を防止している。
【0014】しかし、潤滑油には基油に添加する極圧添
加剤の種類や量,配合の仕方によって様々なものがあ
り、いずれの潤滑油であっても極圧添加剤を混入させて
使用するものであるため、値段が高くなるという問題が
ある。
【0015】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、潤滑油に極圧添加剤を配合するのではな
く、保持器側に極圧添加剤を含浸させることにより、こ
ろの潤滑性を高めて高荷重下でのころがり性、すべり性
を高めることのできるころ軸受用保持器を提供すること
を目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1による発明は、軸方向に離間して位置
する一対の環状部と、該各環状部間に間隔をもって配設
され、該各環状部間を連結する複数の支柱部と、ころを
回転可能に支持すべく該各支柱部間にそれぞれ設けられ
た複数のポケット部とから円筒体として形成してなるこ
と軸受用保持器において、前記ポケット部の内壁には凹
陥部を形成し、該凹陥部には極圧添加剤を含浸させた高
分子部材を埋設したことを特徴とする。
【0017】上記構成により、高分子部材ところとが接
触する部分では、該高分子部材に含浸された極圧添加剤
を前記ころの表面に直接付着させ、この極圧添加剤によ
って、ころの摺接面に分子吸着膜や反応潤滑膜を形成
し、摺接面における潤滑性を高める。
【0018】請求項2の発明では、前記凹陥部は、ポケ
ット部の内壁に設けた複数のディンプル状または長溝状
に形成したことにある。
【0019】上記構成により、高分子部材ところとが接
触する部分、高分子部材と潤滑油とが接触する部分を多
くすることができ、ころのすべり接触ところがり接触を
良好ならしめる。
【0020】請求項3の発明では、前記凹陥部に埋設さ
れる高分子部材は、発泡状高分子材料によって多孔質に
形成し、前記多孔質な発泡孔内に前記極圧添加剤を含浸
させたことにある。
【0021】上記構成により、高分子部材を多孔質なス
ポンジ状にしてその発泡孔内に極圧添加剤を容易に含浸
させ、該極圧添加剤によって、ころの摺接面に分子吸着
膜や反応潤滑膜を形成し、摺接面の潤滑性を高める。
【0022】請求項4の発明は、軸方向に離間して位置
する一対の環状部と、該各環状部間に間隔をもって配設
され、該各環状部間を連結する複数の支柱部と、ころを
回転可能に支持すべく該各支柱部間にそれぞれ設けられ
た複数のポケット部とから円筒体として形成してなるこ
ろ軸受用保持器において、前記一対の環状部、各支柱
部、および各ポケット部は極圧添加剤を含浸させた高分
子材料により円筒体として一体形成したことを特徴とす
る。
【0023】上記構成により、保持器ところとが接触す
る部分では、該保持器の高分子部材に含浸された極圧添
加剤を前記ころの表面に直接付着させ、この極圧添加剤
によって、ころの摺接面に分子吸着膜や反応潤滑膜が形
成され、摺接面の潤滑性を高める。
【0024】請求項5の発明は、軸方向に離間して位置
する一対の環状部と、該各環状部間に間隔をもって配設
され、該各環状部間を連結する複数の支柱部と、ころを
回転可能に支持すべく該各支柱部間にそれぞれ設けられ
た複数のポケット部とから円筒体として形成してなるこ
ろ軸受用保持器において、前記一対の環状部、各支柱
部、および各ポケット部は発泡状高分子材料によって多
孔質に一体的に発泡成形し、当該多孔質な発泡孔内に極
圧添加剤を含浸させたことを特徴とする。
【0025】上記構成により、高分子材料をスポンジ状
にして発泡孔内に極圧添加剤を容易に含浸させることが
でき、該極圧添加剤によって、ころの摺接面に分子吸着
膜や反応潤滑膜を形成し、摺接面の潤滑性を高める。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明するに、図1ないし図15は本
発明による実施例を示す。なお、実施例では上述した図
16ないし図19に示す従来技術と同一の構成要素には
同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0027】まず、図1ないし図4に第1の実施例を示
す。
【0028】図中、21は本実施例による保持器を有す
る針状ころ軸受を示し、該針状ころ軸受21は後述する
円筒状の保持器22と、該保持器22に均等な間隔をも
って回転可能に保持された複数の針状ころ10,10,
…とから構成されている。
【0029】22は本実施例による保持器を示し、該保
持器22は、軸方向両側に離間して位置する一対の環状
部22A,22Aと、該各環状部22Aの間にほぼ等し
い間隔をもって配設され、各環状部22A間を連結する
複数の支柱部22B,22B,…と、該各支柱部22B
のそれぞれの間に位置し、針状ころ10を収容する矩形
状に開口部として形成された複数のポケット部22C,
22C,…と、針状ころ10を回転可能に保持すべく、
ポケット部22Cの内壁22D,22D,…において軸
方向で対向する各支柱部22Bの内壁22Dに突設され
た複数の突起部22E,22E,…とからなる。また、
該各ポケット部22Cの内壁22Dと針状ころ10との
間には油道22Fが形成され、該各油道22Fによって
潤滑油をポケット22Cと針状ころ10との隙間に循環
させるようになっている。
【0030】23,23,…はポケット部22Cの内壁
22Dを構成する4面に分散的にディンプル状に形成さ
れた凹陥部で、該各凹陥部23は小径な半球状に形成さ
れている。
【0031】24,24,…は半球状の高分子部材を示
し、該各高分子部材24は、前記各凹陥部23内に埋設
され、その材質は、例えば、ポリエチレン,ポリプロピ
レン,ポリブチレン,ポリスチレン,ジアリルフタレー
ト樹脂,フェノール樹脂,ポリウレタン,熱可塑性エラ
ストマー等からなる。
【0032】さらに、図4中の25,25,…は極圧添
加剤を示し、該各極圧添加剤25は前記各高分子部材2
4内に含浸される。ここで、極圧添加剤25は境界潤滑
条件として耐摩荷重性能(極圧性能)を向上させるため
に用いられるもので、該極圧添加剤25としては、例え
ば、りん系極圧添加剤,いおう系極圧添加剤,塩素系極
圧添加剤および有機金属系極圧添加剤等が知られてい
る。
【0033】そして、りん系極圧添加剤は摩擦面におい
て分解し鉄と反応してりん化鉄を作り、このりん化鉄と
鉄とは共融合金となり、その融点を下げ、摩擦面局部が
融解して滑らかとなるものである。また、いおう系極圧
添加剤は硫化鉄皮膜を生成するものであり、塩素系極圧
添加剤は塩化鉄皮膜を生成するものである。さらに、有
機金属系極圧添加剤は代表的にはジアルキルジチオりん
酸亜鉛(ZnDTP)が知られている。
【0034】本実施例による保持器22は上述した如く
であって、係る保持器22を備えた針状ころ軸受21を
遊星歯車減速機構1の基本的作動については従来技術に
よるものと格別差異はない。
【0035】然るに、本実施例によれば、針状ころ軸受
21を構成する保持器22の各ポケット部22Cの各内
壁22Dに複数個のディンプル状の凹陥部23を形成
し、該各凹陥部23内に極圧添加剤25を含浸させた高
分子部材24を埋設したから、減速歯車機構1を駆動さ
せることにより、針状ころ10が内壁22Dの高分子部
材24に直接接触して、該高分子部材24に含浸した極
圧添加剤25がしみ出し、針状ころ10の表面に局部的
に付着させる。
【0036】このため、針状ころ10に付着した極圧添
加剤25によって、該針状ころ10と遊星歯車5の軸受
穴5Aとの間、針状ころ10とピン7との間の摺接面に
分子吸着膜や反応潤滑膜を形成することができ、該各摺
接面におけるころがり性、すべり性を高め、ピッチン
グ、金属剥離等による摩耗を低減することができる。
【0037】この結果、高分子部材24に含浸させた極
圧添加剤25の作用によって、針状ころ10と遊星歯車
5の軸受穴5Aとの間の摺接面、針状ころ10とピン7
との間の摺接面等を潤滑することができ、該各摺接面の
摩耗,ピッチング(疲労摩耗),金属剥離等を防ぎ、ひ
いては遊星歯車減速機構1の寿命を延ばすことができ
る。
【0038】さらに、潤滑油を極圧添加剤25の混入さ
れていない潤滑油を使用した場合でも、この潤滑油を基
油として高分子部材24に含浸した極圧添加剤25がし
み出し、該極圧添加剤25が混入した潤滑油とすること
ができる。これによって、本実施例による保持器22を
用いることにより、潤滑油を使用水準よりも低いグレー
ドのものでも高いグレードのものと同等の性質とするこ
とができ、潤滑油のコスト低減を図ることができる。
【0039】さらに、図5は本発明による第2の実施例
を示すに、本実施例の特徴は、第1の実施例による高分
子部材24を発泡状高分子材料で形成して高分子部材2
4′とし、該高分子部材24′の多孔質なスポンジ状と
なる発泡孔内に極圧添加剤25′を含浸させたことにあ
る。この場合、多孔質な高分子部材24′は連続気泡を
もって発泡樹脂成形することが好ましい。
【0040】このように構成することにより、極圧添加
剤25′を高分子部材24′の発泡孔内に有効的に含浸
させることができ、該極圧添加剤25′を潤滑油中に容
易にしみださせ、摺接面に分子吸着膜や反応潤滑膜を形
成し、該摺接面等における潤滑性をより高めることがで
きる。
【0041】次に、図6ないし図8に本発明による第3
の実施例を示すに、本実施例の特徴は、ポケット部の内
壁に形成した凹陥部を断面矩形状の長溝として形成し、
該凹陥部に埋設する高分子部材を長方形に形成したこと
にある。
【0042】なお、本実施例では前述した第1の実施例
と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略
するものとする。
【0043】図中、31は本実施例による保持器を有す
る針状ころ軸受を示し、該針状ころ軸受31は、第1の
実施例で述べた針状ころ軸受21の代わりに用いられる
ものの、本実施例による保持器32は、該保持器32に
形成された後述する凹陥部33と該凹陥部33に設けら
れた高分子部材34の形状とが、第1の実施例とは相違
している。
【0044】ここで、前記保持器32は、円筒状に形成
され、軸方向両側に離間して位置する一対の環状部32
A,32Aと、該各環状部32Aの間にほぼ等しい間隔
をもって配設され、各環状部32A間を連結する複数の
支柱部32B,32B,…と、該各支柱部32Bのそれ
ぞれの間に位置し、針状ころ10を収容する矩形状に開
口部として形成された複数のポケット部32C,32
C,…と、針状ころ10を回転可能に保持すべく、ポケ
ット部32Cの内壁32D,32D,…において軸方向
で対向する各支柱部32Bの内壁32Dに突設された複
数の突起部32E,32E,…とからなる。また、該各
ポケット部32Cの内壁32Dと針状ころ10との間に
は油道32Fが形成されている。
【0045】33,33,…は長溝状の凹陥部を示し、
該各凹陥部33は、前記ポケット部32Cの内壁32D
を構成する4面の厚さ方向中間、即ち針状ころ10がポ
ケット部32Cに摺接する部分に位置して矩形状に形成
される。
【0046】34,34,…は長方形状に形成された高
分子部材を示し、該各高分子部材34は、前記各凹陥部
33に埋設され、該各高分子部材34内には複数の極圧
添加剤35,35,…が含浸されている。
【0047】このように構成される本実施例による保持
器32を用いた針状ころ軸受31においても、前記第1
の実施例とほぼ同様の作用効果を得ることができる上、
針状ころ10とポケット部32Cが接触する部分に高分
子部材34を矩形状にして埋設したから、該高分子部材
34内の極圧添加剤35を針状ころ10の表面に局部的
に付着することができ、第1の実施例よりも確実に針状
ころ10の摺接面のころがり性、すべり性を高め、ピッ
チング,金属摩耗等の摩耗を低減することができる。
【0048】さらに、図9ないし図11は本発明の第4
の実施例を示すに、本実施例の特徴は、ポケット部の内
壁に形成した凹陥部を4面の内壁に延びる環状溝として
形成し、該凹陥部に埋設する高分子部材をリング状に形
成したことにある。
【0049】なお、本実施例では前述した第1の実施例
と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略
するものとする。
【0050】図中、41は本実施例による保持器を有す
る針状ころ軸受を示し、該針状ころ軸受41は、第1の
実施例で述べた針状ころ軸受21の代わりに用いられる
ものの、本実施例による保持器42は、該保持器42に
形成された後述する凹陥部43と該凹陥部43に設けら
れた高分子部材44との形状が、第1の実施例とは相違
している。
【0051】ここで、前記保持器42は、円筒状に形成
され、軸方向両側に離間して位置する一対の環状部42
A,42Aと、該各環状部42Aの間にほぼ等しい間隔
をもって配設され、各環状部42A間を連結する複数の
支柱部42B,42B,…と、該各支柱部42Bのそれ
ぞれの間に位置し、針状ころ10を収容する矩形状に開
口部として形成された複数のポケット部42C,42
C,…と、針状ころ10を回転可能に保持すべく、ポケ
ット部42Cの内壁42D,42D,…において軸方向
で対向する各支柱部42Bの内壁42Dに突設された複
数の突起部42E,42E,…とからなる。また、該各
ポケット部42Cの内壁42Dと針状ころ10との間に
は油道42Fが形成されいる。
【0052】43,43,…は凹陥部を示し、該各凹陥
部43は、前記ポケット部42Cを構成する4面に亘っ
て環状溝として形成されている。
【0053】44,44,…はリング状に形成された高
分子部材を示し、該各高分子部材44は、環状に形成し
た前記各凹陥部43にはめ込むことによって埋設され、
該各高分子部材44内には複数の極圧添加剤45,4
5,…が含浸されている。
【0054】このように構成される保持器42を有する
針状ころ軸受41においても、前述した第1の実施例と
同様の作用効果を得ることができる。
【0055】なお、前述した第3,第4の実施例におい
ても、前述した第2の実施例と同様に、高分子部材3
4,44を発泡状高分子材料として形成し、該高分子部
材34,44の発泡孔内に極圧添加剤35,45を含浸
させるようにしてもよいことは勿論である。
【0056】次に、図12ないし図14に本発明による
第5の実施例を示すに、本実施例の特徴は、保持器を極
圧添加剤を含浸した高分子材料から形成したことにあ
る。
【0057】なお、本実施例では前述した第1の実施例
と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略
するものとする。
【0058】図中、51は本実施例による保持器を有す
る針状ころ軸受を示し、該針状ころ軸受51は、第1の
実施例で述べた針状ころ軸受21の代わりに用いられる
もののである。
【0059】52は本実施例による保持器を示し、該保
持器52は、高分子材料によって円筒状に形成され、軸
方向両側に離間して位置する一対の環状部52A,52
Aと、該各環状部52Aの間にほぼ等しい間隔をもって
配設され、各環状部52A間を連結する複数の支柱部5
2B,52B,…と、該各支柱部52Bのそれぞれの間
に位置し、針状ころ10を収容する矩形状の開口部とし
て形成された複数のポケット部52C,52C,…と、
針状ころ10を回転可能に保持すべく、ポケット部52
Cの内壁52D,52D,…において軸方向で対向する
各支柱部52Bの内壁52Dに突設された複数の突起部
52E,52E,…とから、円筒体として極圧添加剤5
3を含浸した高分子材料によって一体形成されている。
また、該各ポケット部52Cの内壁52Dと針状ころ1
0との間には油道52Fが形成されている。
【0060】このように構成される本実施例の針状ころ
軸受51においても、前述した第1の実施例と同様の作
用効果を得ることができ、しかも保持器52の全体を極
圧添加剤53が含浸した高分子材料によって形成されて
いるから、針状ころ10と高分子材料とが接触する部分
を多くして、針状ころ10の表面に極圧添加剤53を直
接付着させると共に、高分子材料と潤滑油とが接触する
部分も多くすることができる。
【0061】さらに、図15は本実施例による第6の実
施例を示すに、本実施例の特徴は、第5の実施例による
保持器52を発泡状高分子材料に形成して保持器52′
とし、該保持器52′の多孔質なスポンジ状の部分に極
圧添加剤53′を含浸させたことにある。この場合、発
泡状高分子材料は連続気泡の発泡樹脂成形することが好
ましい。
【0062】このように構成することにより、極圧添加
剤53′を保持器52′の発泡孔内に有効的に含浸させ
ることができ、針状ころ10の摺接面に分子吸着膜や反
応潤滑膜を形成し、この摺接面等の潤滑性をより高める
ことができる。
【0063】なお、前記第1〜第4の実施例では、保持
器22,32,42の材料を特定していないが、SUS
材等の金属材料によって形成してもよく、またポリアミ
ド(PA)46,ポリアミド(PA)66,ポリフェニ
レンサルファイド(PPS),ポリエーテリエーテルケ
トン(PEEK)等(但し、PPSとPEEKは高温
用)の樹脂材料によって形成してもよく、要は保持器と
しての強度が確保できる材料であればよい。
【0064】また、前記各実施例では、針状ころ軸受の
保持器に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明
はこれに限るものではなく、例えば転動体として円筒こ
ろや円錐ころ等を用いた種々のころ軸受用の保持器に適
用することができる。
【0065】さらに、前記各実施例では、遊星歯車減速
機構の遊星歯車を支持する部位に用いられる針状ころ軸
受の保持器を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限
ることはなく、例えば回転軸、支持ピン、回転ロッド等
の回転体を回転可能に軸支するころ軸受用保持器に広く
適用することができる。
【0066】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明で
は、高分子部材ところとが接触する部分では、該高分子
部材に含浸された極圧添加剤をころに直接付着させて、
分子吸着膜や反応潤滑膜を形成し、ころのすべり接触と
ころがり接触を良好ならしめ、もって摺接面の潤滑性を
局部的に高め、摺接面の摩耗,ピッチング,剥離等の摩
耗を低減することができる。また、潤滑油に極圧添加剤
の混入されていないものを使用でき、低いグレードの潤
滑油であっても高いグレードのものと同等の性質を持た
せることができ、潤滑油のコスト低減を図ることができ
る。
【0067】請求項2の発明では、ポケット部の内壁に
設けた複数のディンプル状または長溝状に形成したこと
により、高分子部材ところとが接触する部分、高分子部
材と潤滑油とが接触する部分を多くすることができ、こ
ろのすべり接触ところがり接触を良好ならしめ、摺接面
の摩耗を低減することができる。
【0068】請求項3の発明では、凹陥部に埋設される
高分子部材を発泡状高分子材料によって多孔質に形成す
ることにより、高分子部材を多孔質なスポンジ状にして
極圧添加剤を容易に含浸させることができ、該極圧添加
剤によって分子吸着膜や反応潤滑膜を形成し、摺接面の
潤滑性を高め、該摺接面の摩耗を低減できる。
【0069】請求項4の発明では、保持器を極圧添加剤
が含浸された高分子材料によって形成することにより、
該保持器ところとが接触する部分では、該保持器の高分
子材料に含浸された極圧添加剤を前記ころに直接付着
し、針状ころのすべり接触ところがり接触を良好ならし
め、摺接面の潤滑性を高め、該摺接面のの摩耗を低減す
ることができる。
【0070】請求項5の発明では、保持器を発泡孔内に
極圧添加剤が含浸された発泡状高分子材料によって形成
することにより、高分子材料を多孔質のスポンジ状にし
て発泡孔内に極圧添加剤を容易に含浸させ、該極圧添加
剤によって摺接面に分子吸着膜や反応潤滑膜を形成し、
該摺接面の潤滑性を高め、摺接面の摩耗を低減すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による針状ころ軸受を拡
大して示す側面図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向からみた縦断面図であ
る。
【図3】図2中のa部を拡大して示す断面図である。
【図4】図3中の要部を拡大して示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施例による針状ころ軸受を図
4と同様の位置で要部を拡大して示す断面図である。
【図6】本発明の第3の実施例による針状ころ軸受を拡
大して示す側面図である。
【図7】図6中の矢示VII −VII 方向からみた縦断面図
である。
【図8】図7中のb部を拡大して示す断面図である。
【図9】本発明の第4の実施例による針状ころ軸受を拡
大して示す側面図である。
【図10】図9中の矢示X−X方向からみた縦断面図で
ある。
【図11】図10中のc部を拡大して示す断面図であ
る。
【図12】本発明の第5の実施例による針状ころ軸受を
拡大して示す側面図である。
【図13】図12中の矢示XIII−XIII方向からみた縦断
面図である。
【図14】図13中の要部を拡大して示す断面図であ
る。
【図15】本発明の第6の実施例による針状ころ軸受を
図14と同様の位置で要部を拡大して示す断面図であ
る。
【図16】従来技術による針状ころ軸受を遊星歯車減速
機構に用いた状態で示す一部破断の縦断面図である。
【図17】図16中の針状ころ軸受に用いられる保持器
を拡大して示す斜視図である。
【図18】図16中の針状ころ軸受を拡大して示す側面
図である。
【図19】図18中の矢示XIX −XIX 方向からみた縦断
面図である。
【符号の説明】
10 針状ころ 21,31,41,51 針状ころ軸受 22,32,42,52,52′ 保持器 22A,32A,42A,52A 環状部 22B,32B,42B,52B 支柱部 22C,32C,42C,52C ポケット部 22D,32D,42D,52D 内壁 22E,32E,42E,52E 突起部 22F,32F,42F,52F 油道 23,33,43 凹陥部 24,24′,34,44 高分子部材 25,25′,35,45,53,53′ 極圧添加剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井川 裕二 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−10140(JP,A) 特開 平8−326760(JP,A) 特開 平6−337016(JP,A) 特開 平7−269573(JP,A) 特開 平1−135921(JP,A) 実開 平2−51717(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 33/46 F16C 33/66

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に離間して位置する一対の環状部
    と、該各環状部間に間隔をもって配設され、該各環状部
    間を連結する複数の支柱部と、ころを回転可能に支持す
    べく該各支柱部間にそれぞれ設けられた複数のポケット
    部とから円筒体として形成してなるころ軸受用保持器に
    おいて、前記ポケット部の内壁には凹陥部を形成し、該
    凹陥部には極圧添加剤を含浸させた高分子部材を埋設し
    たことを特徴とするころ軸受用保持器。
  2. 【請求項2】 前記凹陥部は、ポケット部の内壁に設け
    た複数のディンプル状または長溝状に形成してなる請求
    項1記載のころ軸受用保持器。
  3. 【請求項3】 前記凹陥部に埋設される高分子部材は、
    発泡状高分子材料によって多孔質に形成し、前記多孔質
    な発泡孔内に前記極圧添加剤を含浸させてなる請求項1
    または2記載のころ軸受用保持器。
  4. 【請求項4】 軸方向に離間して位置する一対の環状部
    と、該各環状部間に間隔をもって配設され、該各環状部
    間を連結する複数の支柱部と、ころを回転可能に支持す
    べく該各支柱部間にそれぞれ設けられた複数のポケット
    部とから円筒体として形成してなるころ軸受用保持器に
    おいて、前記一対の環状部、各支柱部、および各ポケッ
    ト部は極圧添加剤を含浸させた高分子材料により円筒体
    として一体形成したことを特徴とするころ軸受用保持
    器。
  5. 【請求項5】 軸方向に離間して位置する一対の環状部
    と、該各環状部間に間隔をもって配設され、該各環状部
    間を連結する複数の支柱部と、ころを回転可能に支持す
    べく該各支柱部間にそれぞれ設けられた複数のポケット
    部とから円筒体として形成してなるころ軸受用保持器に
    おいて、前記一対の環状部、各支柱部、および各ポケッ
    ト部は発泡状高分子材料によって多孔質に一体的に発泡
    成形し、当該多孔質な発泡孔内に極圧添加剤を含浸させ
    たことを特徴とするころ軸受用保持器。
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