JP3068917B2 - 超電導デバイス - Google Patents

超電導デバイス

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JP3068917B2 JP3285620A JP28562091A JP3068917B2 JP 3068917 B2 JP3068917 B2 JP 3068917B2 JP 3285620 A JP3285620 A JP 3285620A JP 28562091 A JP28562091 A JP 28562091A JP 3068917 B2 JP3068917 B2 JP 3068917B2
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将博 井寄
博 鈴木
丸男 神野
和彦 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、積層構造の超電導ト
ランジスタ等に応用することができる超電導デバイスに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、我が国における超電導エレクトロ
ニクスの進歩は目覚ましく、これに伴って転移温度Tc
の高いビスマス系超電導物質やイットリウム系超電導物
質が提案されている。
【0003】ところで、上記超電導物質を用いて超電導
デバイスを作製する場合には、例えば、一定の作動電圧
を有し回路動作の安定性に優れたトンネル型接合が用い
られる。このトンネル型接合は、SIS(Sは超電導薄
膜、Iは絶縁層)からなるサンドイッチ構造となってい
るが、この場合、S層に上記ビスマス系超電導物質等を
用いると、コヒーレンス長が短いことに起因して、I層
の厚みを1〜1.5nm以下に設定する必要を生じる。
【0004】そこで、超電導物質として、Ba0.60.4
BiO3という組成からなるコヒーレンス長の長い超電
導物質を用いるようなものが提案されている。この超電
導物質を用いると、転移温度Tcはバルク状態でTc=
約30Kと若干低く、薄膜の場合には更に低くなるが、
I層の厚みを約4nm以下に設定するればよいので、超
電導デバイスの製造が容易となる。
【0005】ところで、上記Ba0.60.4BiOx組成
の超電導薄膜は、SrTiO3(110)からなる基板
に、分子線エピタキシャル(MBE)法またはマグネト
ロンスパッタリングを用いて、この基板上に(110)
方向に配向したBa0.60.4BiO3を形成している。
【0006】しかしながら、SrTiO3基板は高価で
あるので、イットリウム系の超電導薄膜の基板として用
いられている安価で誘電率が低いMgO基板をBa0.6
0.4BiO3組成の超電導薄膜に用いることが考えら
れ、種々の検討がなされいる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(10
0)面または(110)面のMgO基板上に、Ba1-x
xBiO3を400℃以下の低温の基板温度で成膜する
と多結晶膜が形成され、配向しないという問題があり、
Ba1-xxBiO3に対しては、MgO基板で配向性の
あるエピタキシャル成長はできなかった。
【0008】また、Ba1-xRbxBiO3組成の超電導
薄膜においても、Ba1-xxBiO3と同様に安価で誘
電率が低いMgO基板を用いて、配向性のあるエピタキ
シャル成長膜を形成することが望まれていた。
【0009】この発明は、係る現状を考慮してなされた
ものであって、生産性を向上しつつMgO基板を用いて
配向性のある超電導薄膜を提供することを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、基板として
結晶方位(111)面のMgOを用い、この基板の(1
11)面上にBa1-xxBiO3(0.2<x<0.
5)組成からなる超電導薄膜を設けたことを特徴とす
る。
【0011】また、この発明は、基板として結晶方位
(111)面のMgOを用い、この基板の(111)面
上にBa1-xRbxBiO3(0.2<x<0.5)組成
からなる超電導薄膜を設けたことを特徴とする。
【0012】
【作用】基板として結晶方位(111)面のMgOを用
いることで、この基板上に形成されるBa1-xxBiO
3(0.2<x<0.5)又はBa1-xRbxBiO
3(0.2<x<0.5)組成の薄膜は(111)配向
で成長する。従って、MgO基板で配向性のあるエピタ
キシャル成長膜が得られる。
【0013】
【実施例】この発明の一実施例を、図1及び図2に基づ
いて、以下に説明する。
【0014】図1はこの発明の製造方法により作成した
超電導薄膜を用いた超電導デバイスの一例を示す断面図
であり、(111)面のMgO基板上1に、SIS(S
は超電導薄膜、Iは絶縁層)から成るサンドイッチ構造
の本体部2が形成された構造となっている。上記S層3
a・3bは厚み約1000Åであって、(111)配向
で成長したBa0.60.4BiO3(BKBO)またはB
0.6Rb0.4BiO3(BRBO)から構成される。一
方、上記I層4は厚み約4nmであって、MgOから構
成される。
【0015】ここで、上記構造の超電導デバイスを、以
下のようにして作製した。先ずBa0.60.4BiO3
用いた場合につき説明する。
【0016】(111)面のMgO基板1をエチルアル
コール中で超音波洗浄した後、煮沸、乾燥させる。次
に、この洗浄された基板1を、スパッタリングターゲッ
トが装着されたrf−マグネトロンスパッタ装置内に取
付けた後、装置内圧が10-4〜10-6Paとなるまで真
空引きを行う。
【0017】次いで、装置内に、ArガスとO2ガスと
を導入する。この際、ArガスとO2ガスとの比は5
0:50に、且つ装置内ガス圧は80Paとなる様に設
定した。
【0018】この後、装置の正負極間に50〜150W
の放電電力を印加することによって装置内にプラズマを
発生させた後、装置内の加熱装置により基板1を300
℃〜400℃に加熱する。
【0019】しかる後、0.5〜2時間プレスパッタを
行った後、基板1を300℃〜500℃に加熱した状態
で、装置内シャッタを開成して本スパッタを開始する。
これにより、S層3aの形成が開始される。この際、成
膜速度は、500Å/hrであるので、約2時間本スパ
ッタを行う。本スパッタ終了後、上記シャッタを閉成し
更にプラズマを消灯させる。このスパッタリングにより
(111)面のMgO基板1上にBKBOが(111)
配向で成長する。この後、Arガスの導入を中止すると
共に、O2ガスの導入状態を維持する。これにより、基
板1がO2ガス雰囲気で冷却されることになる。
【0020】次いで、上記S層3a上に、スパッタリン
グ法或いは蒸着法により、MgO膜(厚さ4nm)を形
成してI層4を形成した後、上記と同様の方法でI層上
にS層3bを形成する。
【0021】さて、上記スパッタリングターゲットは、
バリウム化合物(例えば、BaCO3、BaO、Ba
(NO)2)、カリウム化合物(例えば、KO2、K2
3、KNO3)、ビスマス化合物(例えばBi23)を
基板温度に適した所定の割合で混合した後、チッソガス
雰囲気(600〜700℃)で2〜5時間、酸素ガス雰
囲気(400〜500℃)で2〜5時間焼成し、更に、
1〜3ton/cm2の圧力でプレスすることによって
作製した。
【0022】上記S層3をX線回折法により調べたの
で、その結果を図3に示す。図2から明らかなように、
このXRDパターンにはBa0.60.4BiO3(11
1)以外には、MgO(111)基板によるピークしか
みられずS層3は完全に(111)方向を向いているこ
とが確認された。また、ピークの幅は単結晶構造の基板
と近似している。このことから、S層3の膜質が良好で
あることが窺える。
【0023】また、RHEED法によって得られた写真
により、S層3はエピタキシャル成長していることを確
認した。
【0024】次に、Ba0.6Rb0.4BiO3を用いた場
合の超電導デバイスの製造方法につき説明する。
【0025】前述のBa0.60.4BiO3と同様に、
(111)面のMgO基板1をエチルアルコール中で超
音波洗浄した後、煮沸、乾燥させる。次に、この洗浄さ
れた基板1を、スパッタリングターゲットが装着された
rf−マグネトロンスパッタ装置内に取付けた後、装置
内圧が10-4〜10-6Paとなるまで真空引きを行う。
【0026】次いで、装置内に、ArガスとO2ガスと
を導入する。この際、ArガスとO2ガスとの比は5
0:50に、且つ装置内ガス圧は80Paとなる様に設
定した。
【0027】この後、装置の正負極間に50〜150W
の放電電力を印加することによって装置内にプラズマを
発生させた後、装置内の加熱装置により基板1を300
℃〜400℃に加熱する。
【0028】しかる後、0.5〜2時間プレスパッタを
行った後、基板1を300℃〜500℃に加熱した状態
で、装置内シャッタを開成して本スパッタを開始する。
これにより、S層3aの形成が開始される。この際、成
膜速度は、500Å/hrであるので、約2時間本スパ
ッタを行う。本スパッタ終了後、上記シャッタを閉成し
更にプラズマを消灯させる。このスパッタリングにより
(111)面のMgO基板1上にBRBOが(111)
配向で成長する。この後、Arガスの導入を中止すると
共に、O2ガスの導入状態を維持する。これにより、基
板1がO2ガス雰囲気で冷却されることになる。
【0029】次いで、上記S層3a上に、スパッタリン
グ法或いは蒸着法により、MgO膜(厚さ4nm)を形
成してI層4を形成した後、上記と同様の方法でI層上
にS層3bを形成する。
【0030】上記スパッタリングターゲットは、バリウ
ム化合物(例えば、BaCO3、BaO、Ba(N
O)2)、ルビジウム化合物(例えば、RbO2、Rb2
CO3、RbNO3)、ビスマス化合物(例えばBi
23)を基板温度に適した所定の割合で混合した後、チ
ッソガス雰囲気(600〜700℃)で2〜5時間、酸
素ガス雰囲気(400〜500℃)で2〜5時間焼成
し、更に、1〜3ton/cm2の圧力でプレスするこ
とによって作製した。
【0031】上記S層3をX線回折法により調べた結
果、このXRDパターンにはBa0.6Rb0.4BiO
3(111)以外には、MgO(111)基板によるピ
ークしかみられずS層3は完全に(111)方向を向い
ていることが確認された。また、ピークの幅は単結晶構
造の基板と近似している。このことから、S層3の膜質
が良好であることが窺える。
【0032】また、RHEED法によって得られた写真
により、S層3はエピタキシャル成長していることを確
認した。
【0033】尚、上述した実施例においては、スッパタ
リング法により、Ba0.60.4BiO3又はBa0.6Rb
0.4BiO3を形成したが、スッパタリング法に限らず、
分子線エピタキシャル法、蒸着法等により、Ba0.6
0.4Bi3O又はBa0.6Rb0.4BiO3膜を(111)
方向に同様に形成することができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、基板として結晶方位(111)面のMgOを用いる
ことで、この基板上に(111)配向でBa1-XXBi
3(0.2<X<0.5)又はBa1-XRbXBiO
3(0.2<X<0.5)組成の薄膜を成長させること
ができ、MgO基板で配向性のあるエピタキシャル成長
膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の超電導薄膜(S層)を用いた超電導
デバイスの一例を示す断面図である。
【図2】S層のX線回折パターンを示すグラフである。
【符号の説明】
1 基板 2 本体部 3a S層 3b S層 4 I層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 和彦 守口市京阪本通2丁目18番地 三洋電機 株式会社内 (72)発明者 善里 順信 守口市京阪本通2丁目18番地 三洋電機 株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−107597(JP,A) 特開 平2−114678(JP,A) 特開 平1−107581(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 39/00 H01L 39/22 - 39/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板として結晶方位(111)面のMg
    Oを用い、この基板の(111)面上にBa1-xxBi
    3(0.2<x<0.5)組成からなる超電導薄膜を
    設けたことを特徴とする超電導デバイス。
  2. 【請求項2】 基板として結晶方位(111)面のMg
    Oを用い、この基板の(111)面上にBa1-xRbx
    iO3(0.2<x<0.5)組成からなる超電導薄膜
    を設けたことを特徴とする超電導デバイス。
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