JP3068283U - 靴保形具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 輸送や保管時に嵩張らず、しかも、靴が流通
過程で受ける種々の圧迫に対して甲部に弾力を付与でき
るようにした新規な靴保形具を提供する。 【解決手段】 弾性シートからなり、靴Ｋの甲部Ｔの内
底部両縁Ｓ１、Ｓ２に係止する両耳部２ａ、２ｂと、該
両耳部の突っ張り力により靴の甲部内面を弾圧保持でき
る甲当て部３とを備えたことを特徴とし、扁平状態で輸
送、保管でき、しかも、靴の甲部に、該甲部が圧迫によ
り凹んでも原形に復帰させる弾力性を付与できるように
構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案が属する技術分野】

本考案は、靴の甲部が流通過程で受ける種々の圧迫に対応して靴の甲部に弾力 性を付与できるようにした靴保形具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の靴保形具は、靴の甲部内面に適合できる形状に成形したプラス チック成形品、或いは、内部に空気層を持つブロー成形品で形成されていた。こ れらは靴の甲部の原形を崩すような種々の圧迫に対して靴の原形を維持するよう に作用させるためのものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前者のプラスチック成形品は、自身が圧迫に対して変形しない ため、靴に掛かる圧迫に対しては充分に抵抗するが、その抵抗する力が却って靴 を傷める結果となることがあった。また、後者のブロー成形品は、自身が変形す るため靴を傷めることはないが、靴保形具として靴メーカーに納入（輸送）した り、保管したりするときに嵩張ってしまうという欠点があった。

【０００４】 本考案は上記の種々の課題を一挙に解決するためのものであり、輸送や保管時 に嵩張らず、しかも、靴が流通過程で受ける種々の圧迫に対して甲部に弾力を付 与できるようにした新規な靴保形具を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、請求項１に記載の考案に係る靴保形具は、弾性シ ートからなり、靴甲部の内底部両縁に係止する両耳部と、該両耳部の突っ張り力 により靴の甲部内面を弾圧保持できる甲当て部とを備えたことを特徴とし、扁平 状態で輸送、保管でき、しかも、靴の甲部が圧迫により凹んでも原形に復帰させ る弾力性を付与できるように構成した。

【０００６】 また、請求項２に記載の考案に係る靴保形具は、弾性シートからなり、靴甲部 の内底部両縁に係止する両耳部と、該両耳部の突っ張り力により靴の甲部内面を 弾圧保持できる甲当て部とを備え、該甲当て部は爪先側が幅狭、足首側が幅広に なっているとともに、足首側の端縁中央部に摘み片を突設したことを特徴とし、 消費者が靴購入後、機能を果たし終えた靴保形具を靴内より取り出し易くするよ うに構成した。

【０００７】

【考案の実施の態様】

次に、本考案の実施の態様について添付図面を参照して説明する。本願保形具 １は、弾性シートからなり、靴Ｋの甲部Ｔの内底部両縁Ｓ１、Ｓ２に係止する両 耳部２ａ、２ｂと、該両耳部２ａ、２ｂの突っ張り力により靴Ｋの甲部Ｔをその 内面より弾圧保持できる甲当て部３とを備えている。

【０００８】 前記甲当て部３は、図１の如く、平時には扁平状に展開しており、靴Ｋへの適 用時は、図３の如く、前記両耳部２ａ、２ｂ側をつかむことによって素材の弾性 に抗して丸められる。また、甲当て部３は爪先側縁３ａが幅狭、足首側縁３ｂが 幅広になっているとともに、足首側縁中央部には摘み片４が突設されている。

【０００９】 前記本願保形具１は靴Ｋ内への挿入、或いは靴Ｋ内から離脱に際して角が当た らないように、爪先側縁３ａの両隅角部３ａ′、３ａ″と、足首側縁３ｂの両隅 角部３ｂ′、３ｂ″は円弧状に形成されている。

【００１０】 また、前記本願保形具１の形状は、図１の如く、摘み片４が「柄」、甲当て部 ３が「果肉」、両耳部２ａ、２ｂが「外果皮」に対応する、リンゴの断面形状の 外観になっているが、他の形状でも良いことは勿論である。

【００１１】 前記本願保形具１を構成する弾性シートは、図３の如く、手指で両耳部２ａ、 ２ｂ側をつかむと丸めることができ、そのつかんだ手指を開放すると、元の扁平 形状に復元する程度の弾力性を具えるものであれば良く、特に、材質は問わない が、通常では、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリエチレン（ＰＥ）のソリッドシー ト或いは発泡シートで作られ、その厚さは０．３〜１．０ｍｍ程度のものを使用 して満足できる。なお、前述の如く、両耳部２ａ、２ｂ側をつかみ易くするため に、予め、図１の一点鎖線の如く、多少カールさせておくこともある。

【００１２】 また、本願保形具１は、無色・有色の無地でも、無色・有色の透明でも、エン ボス加工により艶消したものでも、他の印刷フィルムを貼ったり、成形型による 凹凸文字・模様を付したり、印刷による文字・模様を付したりして意匠性を向上 させることもある。

【００１３】 次に、本願保形具１の使用法について説明すると、まず、何拾枚、何百枚重ね ても保管時に嵩張ることのない扁平状又は多少カールした本願保形具１を、一枚 づつ、図３の如く、手指で両耳部２ａ、２ｂ側をつかんで甲当て部３を丸め、そ の状態のまま爪先側縁３ａを先にして靴Ｋの開口部より挿入する。

【００１４】 次いで、本願保形具１を、図４の如く、靴Ｋの甲部Ｔの爪先側へ押し込み、つ かんでいた手指を開放すると、甲当て部３が素材の弾性により扁平状に拡開し、 両耳部２ａ、２ｂが、図２の如く、靴甲部Ｔの内底部両縁Ｓ１、Ｓ２に係止する と同時に、甲当て部３が靴Ｋの甲部Ｔの内面に当接することとなる。

【００１５】 従って、流通過程において靴Ｋの甲部Ｔに圧迫が加わると、その圧迫が甲当て 部３に及ぶが、該甲当て部３は両耳部２ａ、２ｂの突っ張り力により靴の甲部を 内面から弾圧保持し、その圧迫が解消したときは甲当て部３の復元力の作用によ り、靴Ｋの甲部Ｔを元の状態に復帰させ得るととなる。

【００１６】 そして流通過程を経て靴Ｋが消費者の手にわたった後は、本願保形具１の機能 は終了することとなり、靴内より取り出されるが、その場合、甲当て部３の足首 側端縁中央部に突設した摘み片４があるので、それを摘んで引き出せば、本願保 形具は靴内より簡単に取り出すことが可能となる。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明した如く、請求項１に記載の考案に係る靴保形具は、弾性シートから なり、靴甲部の内底部両縁に係止する両耳部と、該両耳部の突っ張り力により靴 の甲部内面を弾圧保持できる甲当て部とを備えたことを特徴としているから、扁 平状態で輸送、保管でき、しかも、使用時は靴の甲部に弾力性を付与しているた め、靴の甲部が圧迫により凹んでも直ちに原形に復帰させ得るという優れた効果 を奏するものである。

【００１８】 また、請求項２に記載の考案に係る靴保形具は、弾性シートからなり、靴甲部 の内底部両縁に係止する両耳部と、該両耳部の突っ張り力により靴の甲部内面を 弾圧保持できる甲当て部とを備え、該甲当て部は爪先側が幅狭、足首側が幅広に なっているとともに、足首側の端縁中央部に摘み片を突設したことを特徴として いるから、上記請求項１の効果を具えた上に、消費者が靴購入後、機能を果たし 終えた靴保形具を靴内より取り出す場合において取り出し易くなるという優れた 効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願保形具の斜視図である。

【図２】本願保形具の使用状態を示す断面図である。

【図３】本願保形具を靴の開口部より挿入する過程の斜
視図である。

【図４】本願保形具を靴内にセットした状態を示す靴の
外観斜視図である。

【符号の説明】

１ 本願保形具 ２ａ、２ｂ 両耳部 ３ 甲当て部 ３ａ 甲当て部の爪先側縁 ３ｂ 甲当て部の足首側縁 ３ａ′、３ａ″ 爪先側縁の両隅角部 ３ｂ′、３ｂ″ 足首側縁の両隅角部 ４ 摘み片 Ｋ 靴 Ｔ 靴の甲部 Ｓ１、Ｓ２ 靴の底部両縁

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 弾性シートからなり、靴甲部の内底部両
   縁に係止する両耳部と、該両耳部の突っ張り力により靴
   の甲部内面を弾圧保持できる甲当て部とを備えたことを
   特徴とする靴保形具。
2. 【請求項２】 弾性シートからなり、靴甲部の内底部両
   縁に係止する両耳部と、該両耳部の突っ張り力により靴
   の甲部内面を弾圧保持できる甲当て部とを備え、該甲当
   て部は爪先側が幅狭、足首側が幅広になっているととも
   に、足首側の端縁中央部に摘み片を突設したことを特徴
   とする靴保形具。