JP3067974B2 - 膜屋根構築方法 - Google Patents

膜屋根構築方法

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JP3067974B2
JP3067974B2 JP7106370A JP10637095A JP3067974B2 JP 3067974 B2 JP3067974 B2 JP 3067974B2 JP 7106370 A JP7106370 A JP 7106370A JP 10637095 A JP10637095 A JP 10637095A JP 3067974 B2 JP3067974 B2 JP 3067974B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、膜屋根の構築方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】膜構造による大規模施設の屋根として
は、一般に、エアチューブ構造の屋根や、屋内と外部と
の気圧差により空気膜を構造的に維持する空気膜仮設屋
根等が知られている。しかしながら、エアチューブ構造
の屋根や空気膜仮設屋根は、いずれも多量の空気を使用
するので膜屋根の構築及び解体が大掛かりになって非常
に手間がかかる上、これらの膜屋根は開閉することが困
難なため例えば工事等の仮設屋根に用いた場合には屋根
から建物内に資材を出し入れすることができない等の種
々の不都合がある。
【0003】そこで、このような不都合を解消するため
に特願平6−4275号明細書に記載の膜屋根構築方法
を本出願人等は先に提案した。かかる膜屋根構築方法
は、下部構造体の一側壁の上部に該下部構造体の一端部
から他端部に沿ってエア供給パイプを設置する。また、
エア供給パイプに一端部が接続された複数のエアビーム
を該エア供給パイプの長手方向に沿って等間隔で並設す
ると共に隣り合うエアビームをシート材で連結し、該エ
アビーム及びシート材を該エアビームの軸方向に収縮さ
せた状態で下部構造体の一側壁上面に仮置きする。
【0004】さらに、エアビームの伸縮をガイドするガ
イドワイヤを該エアビームの数に応じて下部構造体の両
側壁間にデフレート状に設置する。そしてこの状態でエ
ア供給パイプから各エアビームに空気を供給することに
より、各エアビームをガイドワイヤに沿わせて伸延させ
てエアビーム及びシート材をインフレート状に形成し、
その後、各エアビームの他端を下部構造体の他側壁上部
に取り付ける。インフレート状に形成されたエアビーム
に係合して膜屋根の横倒れを防止するジョイントワイヤ
を該エアビームに交差させて取り付ける。これにより、
膜屋根が構築される。
【0005】かかる膜屋根構築方法においては、小径筒
状のエアビームに空気を供給することにより膜屋根を構
築しているので、膜屋根を構築する際に使用する空気の
量が少なくて済み、この結果、膜屋根の構築及び解体を
容易に行うことができる。また、各エアビームの他端を
下部構造体の他側壁から取り外した後、各エアビーム内
の空気を抜いて該エアビームをシート材と共に収縮させ
ることにより膜屋根を開くことができるので、該膜屋根
を工事等の仮設屋根に用いた場合に屋根から建物内への
資材の出し入れを容易に行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
膜屋根構築方法においては、エア供給パイプの設置作
業、エアビームの取付作業、各エアビームをシート材で
連結する作業及びガイドワイヤの取付作業等が下部構造
体の一端部から他端部にかけての全体に渡る範囲の作業
になるため各作業の段取りに非常に手間が掛かり、しか
もエア供給パイプから全てのエアビームに同時に空気を
供給して各エアビームをインフレート状に形成している
ためかかる空気の供給に多大の時間を要する。
【0007】また、膜屋根の構築後に該膜屋根を開閉す
る際に、膜屋根を開閉する毎に各エアビームへの空気の
供給及び抜き取りが必要となるため、膜屋根の開閉に多
大の手間と時間を要する。本発明はかかる不都合を解消
するためになされたものであり、構築作業を迅速に行う
ことができると共に、構築後の膜屋根の開閉を簡単かつ
短時間で行うことができる膜屋根構築方法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、請求項1に係る膜屋根構築方法は、下部構造体の
上部に膜屋根を構築する膜屋根構築方法であって、前記
下部構造体の一端部から他端部に沿って移動可能な移動
体を該下部構造体の両側壁の上部に複数設置して各移動
体を前記下部構造体の一端側に集める移動体設置工程
と、流体が供給される筒状体の両端部を前記下部構造体
の一端側で前記下部構造体の両側壁に設置された移動体
に取り付ける筒状体取付工程と、前記筒状体を前記移動
体に取り付けた後に前記下部構造体の一端側で該筒状体
に対して個々に流体を供給するか、又は前記筒状体を前
記移動体に取り付ける前に該筒状体に流体を供給して該
筒状体をデフレート状からインフレート状に形成する流
体供給工程と、前記移動体に取り付けられたインフレー
ト状の筒状体に係合して膜屋根の横倒れを防止する横倒
防止部材を該筒状体に交差させて取り付ける横倒防止部
材取付工程と、前記移動体に取り付けられた前記筒状体
同志を前記下部構造体の一端側で該移動体の移動方向に
伸縮自在なシート材で連結すると共に、前記横転防止部
材を前記筒状体に形成されたリング及び前記シート材に
形成されたリングに挿通して該筒状体を前記横転防止部
材に前記下部構造体の一端側から他端側に向けて移動可
能に取り付ける筒状体連結工程と、該筒状体連結工程及
び前記流体供給工程が完了した後、前記下部構造体の他
端側に位置する前記筒状体を該他端側に移動させて該シ
ート材を伸延させるシート材伸延工程とを備えたことを
特徴とする。
【0009】請求項2に係る膜屋根構築方法は、前記筒
状体の内部に供給される流体が空気であることを特徴と
する。ここで、下部構造体の側壁上部とは、下部構造体
の側壁の上端面のみならず、下部構造体が地下躯体であ
る場合には地下躯体の側壁上端面付近の地面上も含む意
味である。
【0010】筒状体としては、可撓性、気密性、耐久性
等に優れた合成ゴム製のチューブ等が好ましい。伸縮自
在なシート材としては、例えば蛇腹シート等が採用で
き、また、該シート材の素材としては、ポリビニルアセ
テート系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維
若しくはガラス繊維又はステンレス鋼繊維のような金属
繊維による織布を塩化ビニル樹脂、合成ゴム、フッ素樹
脂等のコーティング材料でコーティング加工したもの等
が挙げられる。
【0011】膜屋根を恒久建築物の屋根として構築する
場合は、シート材の素材として不燃性で恒久性に優れた
四フッ素エチレン樹脂コーティングガラス繊維織布等が
好ましい。仮設建築物の屋根として構築する場合は、シ
ート材の素材として例えば合成繊維織布を塩化ビニル樹
脂でコーティング加工した安価なものが好ましい。
【0012】筒状体に供給する流体としては、空気等の
気体のみならず、例えばポリスチレン粒等のように筒状
体内を流動する粒状の高分子材料も含まれる。流体とし
て粒状の高分子材料を用いる場合は、筒状体に粒状の高
分子材料を供給して該筒状体を伸延させた後、筒状体内
の高分子材料を一旦溶融して伸延後の筒状体と同形状と
なるように再固化させて筒状体を強度性に優れた梁と
し、恒久建築物の膜屋根の構築に適用するとよい。
【0013】また、筒状体内に溶解した状態の熱硬化性
樹脂を充填して、ヒータのような加熱手段で加熱硬化さ
せて筒状体を強度性に優れた梁としてもよい。
【0014】
【作用】請求項1の発明では、筒状体の取付作業、各筒
状体をシート材で連結する作業を下部構造体の一端側で
行い、その後、下部構造体の他端側に位置する筒状体を
該他端側に移動させてシート材を伸延させることによ
り、膜屋根を構築する作業を下部構造体の一端部から他
端部に向かって順次行えるようにして各作業の段取りを
容易にする。
【0015】また、複数の筒状体内に流体を供給する作
業を下部構造体の一端部から他端部に向かって順次取り
付けられる筒状体毎に行うことにより、従来のように全
ての筒状体に流体を同時に供給する作業を不要にすると
共に、筒状体の両端部を下部構造体の両側壁に設置され
た移動体にそれぞれ取り付けることにより従来必要であ
ったガイドワイヤを不要にする。
【0016】さらに、膜屋根の構築後において、下部構
造体の一端部から他端部の間で側壁上部に沿って膜屋根
を移動させることにより該膜屋根を開閉する。請求項2
の発明では、請求項1の発明に加えて、筒状体の内部に
供給される流体を空気とすることにより、筒状体への流
体の供給を容易にすると共に、流体のコストを低くす
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図11を参
照して説明する。図1は本発明の一実施例である膜屋根
構築方法によって構築された膜屋根構築体を説明するた
めの説明的斜視図、図2は鉄骨構造体の一側壁上部の詳
細断面図、図3は鉄骨構造体の他側壁上部の詳細断面
図、図4はエアビームの端部取付構造を説明するための
説明図、図5は図1のA−A線断面図、図6は走行台車
設置工程を説明するための説明的概略斜視図、図7はエ
アビーム取付工程とジョイントワイヤ取付工程とを説明
するための説明的概略斜視図、図8は空気供給工程を説
明するための説明的概略斜視図、図9はエアビーム連結
工程と蛇腹シート伸延工程とを説明するための説明的概
略斜視図、図10は膜屋根を開いた状態を説明するため
の説明的斜視図、図11は図10のB−B線断面図であ
る。
【0018】まず、図1〜図5を参照して本発明の一実
施例である膜屋根構築方法によって構築された膜屋根構
築体から説明する。図1において符号1は鉄骨構造体
(下部構造体)であり、該鉄骨構造体1は鉄骨柱2及び
鉄骨梁3等によって前後方向に長い略直方体状に構築さ
れている。鉄骨構造体1の上部両側に位置する鉄骨梁3
a,3bの外側には、それぞれ仮設歩廊4a,4bが鉄
骨梁3a,3bに沿って取り付けられている。鉄骨梁3
a,3bは、鉄骨構造体1の長手方向に所定の間隔を存
して配置された複数の鉄骨梁3cによって連結されてい
る。本実施例では、かかる鉄骨構造体1の上部に膜屋根
構築体5を構築する。
【0019】膜屋根構築体5は、その基本的構成とし
て、仮設レール6、走行台車(移動体)7、エアビーム
(筒状体)8、蛇腹シート(シート材)9及び横倒防止
部材10を備える。仮設レール6は、図2及び図3に示
すように、鉄骨梁3aの内側及び鉄骨梁3bの上面にそ
れぞれ鉄骨梁3a,3bに沿って平行に敷設されてお
り、レール本体11とガイドレール13とを備える。
【0020】レール本体11は例えばH形鋼からなり、
鉄骨梁3a側のレール本体11は、鉄骨梁3aの内側位
置で鉄骨梁3cに載架されて下側のフランジ部11aが
該鉄骨梁3cにボルト・ナット12によって着脱自在に
固定されている。一方、鉄骨梁3b側のレール本体11
は、鉄骨梁3bの上面に載架されて下側のフランジ部1
1aが該鉄骨梁3bにボルト・ナット12によって着脱
自在に固定されている。
【0021】レール本体11の上側のフランジ部11b
の両側には、みぞ形鋼からなる一対のガイドレール13
がその溝部13aを互いに対向させた状態で該レール本
体11に沿って配置されている。ガイドレール13の下
部は、フランジ部11bの裏面に溶接等によって固定さ
れている。走行台車7は、仮設レール6の長手方向に複
数配置されており、レール本体11のフランジ部11b
と各ガイドレール13の溝部13aとによって囲まれる
空間14をフランジ部11bの上面に沿って走行可能な
一対の車輪15を備える。
【0022】一対の車輪15は車輪取付台16に取り付
けられており、該取付台16の中央部には上方に延びる
延出部17が形成されている。該延出部17の上端部に
は後述するエアビーム8の端部が挿入固定されるエアビ
ーム固定具18が設けられている。エアビーム固定具1
8は有底筒状に形成されてその先端開口が鉄骨構造体1
の短手方向の内側斜め上方を指向している。エアビーム
固定具18の外周壁にはボルト穴18aが周方向に18
0°離間して形成されている。
【0023】エアビーム8は、可撓性、気密性及び耐久
性に優れた例えば合成ゴム製のチューブ等からなり、両
端部にエアビーム固定具18に挿入固定される円柱状の
固定部8aを有している。固定部8aは、エアビーム8
に対して気密に取り付けられている。固定部8aのボル
ト穴18aに対応する外周面には、ねじ孔8bが周方向
に180°離間して形成されている。エアビーム8の外
周には、補強布バンド23が軸方向に所定の間隔を存し
て適宜巻かれている。
【0024】また、鉄骨梁3a側の仮設レール6を走行
する走行台車7のエアビーム固定具18に挿入固定され
る固定部8aには、図2に示すように、逆止弁を備えた
空気供給口19が設けられている。空気供給口19はエ
アビーム8内に連通しており、フレキシブルホース20
の一端が着脱自在に接続される。フレキシブルホース2
0の他端は鉄骨梁3aの上面に載置されたエアコンプレ
ッサ21に接続される。エアコンプレッサ21の駆動に
より空気供給口19からエアビーム8内に空気が供給さ
れ、かかる空気の供給によりエアビーム8がインフレー
ト状に形成される。尚、インフレート時のエアビーム8
の形状は本実施例ではアーチ形を形成しているが、これ
に限定されない。
【0025】エアビーム8の上側部には、図5に示すよ
うに、蛇腹シート9が接続される連結シート24が該エ
アビーム8の軸方向9に沿って延在されている。連結シ
ート24は、塩化ビニル等の可撓性を有する素材からな
り断面が略山形状に形成されて補強布バンド23に固定
されている。かかる構成のエアビーム8は、図4に示す
ように、両端部に取り付けられた固定部8aをそれぞれ
鉄骨梁3a及び3b側の走行台車7のエアビーム固定具
18に挿入した後、ボルト穴18aとねじ孔8bとを一
致させた状態でボルト22をねじ込むことによってエア
ビーム固定具18に固定される。
【0026】蛇腹シート9は、互いに隣り合うエアビー
ム8同志を連結して膜屋根Mを形成するためのものであ
り、鉄骨構造体1の長手方向に伸縮自在に配置されてい
る。蛇腹シート9の素材としては、例えばポリビニルア
セテート系の合成繊維による織布を塩化ビニル樹脂でコ
ーティング加工したものを用いる。尚、蛇腹シート9の
長さ(鉄骨構造体1の短手方向の長さ)は、エアビーム
8の軸方向の長さと略同一とされている。
【0027】そして、図5に示すように、蛇腹シート9
の左側片部が互いに隣り合うエアビーム8の内で左側の
エアビーム8の連結シート24の右側片部にボルト或い
はマジックテープ(共に図示せず)等によって接続され
ており、蛇腹シート9の右側片部が右隣のエアビーム8
の連結シート25の左側片部にボルト或いはマジックテ
ープ(共に図示せず)等によって接続されている。尚、
かかる接続に際しては、接続部分から雨水等が入り込む
のを防ぐために、ゴムパッキング等を介在させて接続す
るとよい。
【0028】横倒防止部材10は、エアビーム8がイン
フレート状に形成される過程で該エアビーム8に係合し
て膜屋根Mの横倒を防止するためのものであり、図1及
び図7に示すように、鉄骨構造体1の最も前端側の鉄骨
梁3cに該鉄骨構造体1の短手方向に離間して立設され
た支柱25a,25bと、最も後端側の鉄骨梁3cに支
柱25a,25bに対向して立設された支柱25c,2
5dとを備える。
【0029】支柱25aと支柱25cとの間及び支柱2
5bと支柱25dとの間には、それぞれジョイントワイ
ヤ26が架け渡されている。ジョイントワイヤ26は、
図5に示すように、エアビーム8の連結シート24の頂
部に形成されたリング24a及び蛇腹シート9に形成さ
れたリング9aに挿通しており、これによりジョイント
ワイヤ26がエアビーム8に係合して膜屋根Mの横倒を
防止する。
【0030】次に、本発明の一実施例である膜屋根構築
方法について説明する。かかる膜屋根構築方法は、走行
台車設置工程、エアビーム取付工程、空気供給工程、ジ
ョイントワイヤ取付工程、エアビーム連結工程及び蛇腹
シート伸延工程を備える。以下、各工程別に詳述する。 〔走行台車設置工程〕まず、図2,図3及び図6に示す
ように、鉄骨梁3a,3bの各内側にそれぞれ仮設レー
ル6を載架した後、各仮設レール6のレール本体11の
下側のフランジ部11aを鉄骨梁3cにボルト・ナット
12によって着脱自在に固定する。
【0031】次いで、レール本体11のフランジ部11
bと各ガイドレール13の溝部13aとによって囲まれ
る空間14に走行台車7の車輪15を挿入して該車輪1
5をレール本体11のフランジ部11bの上面に載置す
る。このようにして複数の走行台車7を鉄骨梁3a及び
3b側にそれぞれ敷設された各仮設レール6沿って複数
設置する。かかる設置に際しては、鉄骨構造体1の後端
側に複数の走行台車7が集まるようにする。
【0032】〔エアビーム取付工程〕図2,図3及び図
7に示すように、鉄骨梁3a側の仮設レール6に設置さ
れた複数の走行台車7の内で鉄骨構造体1の最も後端側
に位置する走行台車7のエアビーム固定具18にデフレ
ート状のエアビーム8の一端側の固定部8aを挿入して
固定すると共に、鉄骨梁3b側の仮設レール6に設置さ
れた複数の走行台車7の内で最も後端側に位置する走行
台車7のエアビーム固定具18にエアビーム8の他端側
の固定部8aを挿入して固定する。尚、鉄骨構造体1の
最も後端側に位置する走行台車7は図示しないストッパ
等によってその走行を規制しておく。
【0033】〔空気供給工程〕エアビーム取付工程によ
って鉄骨構造体1の最も後端側にエアビーム8をデフレ
ート状に取り付けた後、図2及び図7に示すように、鉄
骨梁3a側のエアビーム固定具18に挿入された固定部
8aの空気供給口19にフレキシブルホース20を接続
する。次いで、エアコンプレッサ21を駆動させて空気
供給口19からエアビーム8内に空気を供給し、図8に
示すように、該エアビーム8をインフレート状に形成す
る。ここで、エアビーム8がインフレート状に形成され
ると、走行台車7の車輪15に上向きの引張り力がかか
るが、この引張り力は車輪15がガイドレール13の上
部に当たることにより受け止められ、これにより走行台
車7のスムーズな走行を確保している。尚、走行台車7
のよりスムーズな走行を確保するために車輪15にベア
リング構造等を内蔵させることもできる。
【0034】〔ジョイントワイヤ取付工程〕図1及び図
7に示すように、支柱25aと支柱25cとの間及び支
柱25bと支柱25dとの間に、それぞれジョイントワ
イヤ26を張架する。 〔エアビーム連結工程〕鉄骨構造体1の最も後端側でイ
ンフレート状に形成されたエアビーム8の前端側に他の
エアビーム8を上述したエアビーム取付工程及び空気供
給工程に従ってインフレート状に形成した後、収縮状態
の蛇腹シート9の両側片部を隣り合うエアビーム8の連
結シート24にボルト或いはマジックテープ等で接続し
て各エアビーム8を連結する。連結シート24に形成さ
れたリング24a及び蛇腹シート9に形成されたリング
9aをジョイントワイヤ26に取り付ける。
【0035】〔蛇腹シート伸延工程〕各エアビーム8を
蛇腹シート9によって連結した後、図9に示すように、
前端側に位置するエアビーム8を該前端側に移動させて
蛇腹シート9を伸延させる。かかる移動は該エアビーム
8が取り付けられた走行台車7が仮設レール6を走行す
ることによりなされる。以下、エアビーム8の前端側に
おいて順次エアビーム取付工程、空気供給工程、エアビ
ーム連結工程及び蛇腹シート伸延工程を繰り返すことに
より図1に示す膜屋根Mが構築される。
【0036】膜屋根Mの構築後においては、図10及び
図11に示すように、膜屋根Mを鉄骨構造体1の後端側
に引いて蛇腹シート9を収縮させることにより膜屋根M
を開状態として、鉄骨構造体1の上部から資材等の搬出
及び搬入を行う。かかる膜屋根構築方法においては、エ
アビーム8の取付作業及び各エアビーム8を蛇腹シート
9で連結する作業を鉄骨構造体1の後端側で行い、その
後、鉄骨構造体1の前端側に位置するエアビーム8を該
前端側に移動させて蛇腹シート9を伸延させているの
で、膜屋根Mを構築する作業を鉄骨構造体1の前端部か
ら後端部に向かって順次行うことができ、この結果、従
来に比べて作業の段取りが簡単になって膜屋根の構築作
業を迅速に行うことができる。
【0037】また、複数のエアビーム8に空気を供給す
る作業を鉄骨構造体1の前端部から後端部に向かって順
次取り付けられたエアビーム8毎に行っているので、従
来のように全てのエアビーム8に空気を同時に供給する
作業をなくすことができ、この結果、従来必要であった
エア供給パイプが不要になって作業の段取りをより容易
にすることができる。
【0038】さらに、エアビーム8の両端部を鉄骨構造
体1の両側壁に設置された走行台車7にそれぞれデフレ
ート状に取り付けた後、エアビーム8に空気を供給して
インフレート状に形成しているので、従来必要であった
ガイドワイヤを不要にすることができる。さらに、膜屋
根の構築後において、鉄骨構造体1の前端部から後端部
の間で仮設レール6に沿って膜屋根Mを移動させること
により、該膜屋根Mを開閉することができるので、膜屋
根Mの開閉を簡単かつ短時間で行うことができる。
【0039】さらに、エアビーム8の内部に供給される
流体が空気であるため、エアビーム8への流体の供給を
容易にするとと共に、流体のコストを低くすることがで
きる。さらに、エアビーム固定具18へのエアビーム8
の取り付けは固定部8aをエアビーム固定具18に挿入
してボルト22をねじ込むだけで済み、取り外しもボル
ト22を緩めてだけですむため、単純な構造でエアビー
ム固定具18へのエアビーム8の着脱を簡単に行うこと
ができる。
【0040】尚、上記実施例は、膜屋根Mを地上の躯体
に構築する場合を例に採ったが、必ずしもこれに限定す
る必要はなく、地下躯体の膜屋根として構築してもよ
い。また、上記実施例では、デフレート状のエアビーム
8をエアビーム固定具18に取り付けた後、該エアビー
ム8内に空気を供給してインフレート状に形成している
が、必ずしもこのようにする必要はなく、予め空気が供
給されたインフレート状のエアビーム8をエアビーム固
定具18に取り付けるようにしてもよい。
【0041】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、請求項
1の発明によれば、膜屋根を構築する作業を下部構造体
の一端部から後端部に向かって順次行うことができるの
で、従来に比べて各作業の段取りが簡単になって膜屋根
の構築作業を迅速に行うことができるという効果が得ら
れる。
【0042】また、従来のように全ての筒状体に流体を
同時に供給する作業をなくすことができるので、従来必
要であったエア供給パイプが不要になって作業の段取り
をより容易にすることができるという効果が得られる。
さらに、筒状体の両端部を下部構造体の両側壁に設置さ
れた移動体にそれぞれデフレート状に取り付けているの
で、従来必要であったガイドワイヤを不要にすることが
できるという効果が得られる。
【0043】さらに、膜屋根の構築後において、下部構
造体の一端部から他端部の間で膜屋根を移動させること
により、該膜屋根を開閉することができるので、膜屋根
の開閉を簡単かつ短時間で行うことができるという効果
が得られる。請求項2の発明によれば、請求項1の発明
に加えて、筒状体の内部に供給される流体を空気とする
ことにより、筒状体への流体の供給を容易にすると共
に、流体のコストを低くすることができるという効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である膜屋根構築方法によっ
て構築された膜屋根構築体を説明するための説明的斜視
図である。
【図2】鉄骨構造体の一側壁上部の詳細断面図である。
【図3】鉄骨構造体の他側壁上部の詳細断面図である。
【図4】エアビームの端部取付構造を説明するための説
明図である。
【図5】図1のA−A線断面図である。
【図6】走行台車設置工程を説明するための説明的概略
斜視図である。
【図7】エアビーム取付工程とジョイントワイヤ取付工
程とを説明するための説明的概略斜視図である。
【図8】空気供給工程を説明するための説明的概略斜視
図である。
【図9】エアビーム連結工程と蛇腹シート伸延工程とを
説明するための説明的概略斜視図である。
【図10】膜屋根を開いた状態を説明するための説明的
斜視図である。
【図11】図10のB−B線断面図である。
【符号の説明】
1…鉄骨構造体(下部構造体) 5…膜屋根構築体 7…走行台車(移動体) 6…仮設レール 8…エアビーム(筒状体) 9…蛇腹シート(シート材) 18…エアビーム固定具 19…空気供給口 20…フレキシブルホース 21…エアコンプレッサ 25a〜25d…支柱(横倒防止部材) 26…ジョイントワイヤ(横倒防止部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04H 15/00 - 15/64

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部構造体の上部に膜屋根を構築する膜
    屋根構築方法であって、 前記下部構造体の一端部から他端部に沿って移動可能な
    移動体を該下部構造体の両側壁の上部に複数設置して各
    移動体を前記下部構造体の一端側に集める移動体設置工
    程と、 流体が供給される筒状体の両端部を前記下部構造体の一
    端側で前記下部構造体の両側壁に設置された移動体に取
    り付ける筒状体取付工程と、 前記筒状体を前記移動体に取り付けた後に前記下部構造
    体の一端側で該筒状体に対して個々に流体を供給する
    か、又は前記筒状体を前記移動体に取り付ける前に該筒
    状体に流体を供給して該筒状体をデフレート状からイン
    フレート状に形成する流体供給工程と、 前記移動体に取り付けられたインフレート状の筒状体に
    係合して膜屋根の横倒れを防止する横倒防止部材を該筒
    状体に交差させて取り付ける横倒防止部材取付工程と、 前記移動体に取り付けられた前記筒状体同志を前記下部
    構造体の一端側で該移動体の移動方向に伸縮自在なシー
    ト材で連結すると共に、前記横転防止部材を前記筒状体
    に形成されたリング及び前記シート材に形成されたリン
    グに挿通して該筒状体を前記横転防止部材に前記下部構
    造体の一端側から他端側に向けて移動可能に取り付ける
    筒状体連結工程と、 該筒状体連結工程及び前記流体供給工程が完了した後、
    前記下部構造体の他端側に位置する前記筒状体を該他端
    側に移動させて該シート材を伸延させるシート材伸延工
    程とを備えたことを特徴とする膜屋根構築方法。
  2. 【請求項2】 前記筒状体の内部に供給される流体が空
    気であることを特徴とする請求項1記載の膜屋根構築方
    法。
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