JP3067510B2 - ドラム式全自動洗濯機 - Google Patents

ドラム式全自動洗濯機

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JP3067510B2
JP3067510B2 JP6034688A JP3468894A JP3067510B2 JP 3067510 B2 JP3067510 B2 JP 3067510B2 JP 6034688 A JP6034688 A JP 6034688A JP 3468894 A JP3468894 A JP 3468894A JP 3067510 B2 JP3067510 B2 JP 3067510B2
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washing machine
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  • Detail Structures Of Washing Machines And Dryers (AREA)
  • Control Of Washing Machine And Dryer (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水平軸周りに回転駆動
されるドラムに洗濯物を収容し、洗濯、濯ぎを行い、ド
ラムを高速回転させないで脱水を行うドラム式全自動洗
濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の洗濯物の脱水装置は、洗濯、濯ぎ
後に水を排水してから遠心脱水によって洗濯物と水を分
離する方法が一般的に知られている。これ以外に真空ポ
ンプと加熱機を使った脱水方法が、特開昭57−206
491号公報あるいは特開昭57−125800号公報
に開示されている。
【0003】前者は、洗濯後従来通り洗濯物を遠心分離
方法により脱水を行い、続いて水槽内の蓋および排水管
を全て閉じて密閉状態にした後に、真空ポンプにより水
槽内の空気を水槽外に排出する。これにより、水槽内の
気圧が下がると洗濯物より水分が蒸発し、水分は空気と
共に水槽内より排出される。また、加熱機により洗濯物
を加熱することにより、洗濯物近傍の飽和蒸気圧が上昇
するので、洗濯物中の水分の蒸発が活発になる。
【0004】後者は、洗濯物を水中で皺を延ばして折り
畳み、ケースの中の台に重ねて置いて、脱水してから吸
引装置で吸引し温風を送りながら、水分を気化させ吸引
して乾燥する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者で
は、水が蒸発する時に気化熱を持ち去るので、洗濯物に
残った水分の温度が下がり洗濯物が凍り付く可能性があ
り、洗濯物の生地を痛めてしまうことがある。また、真
空ポンプを用いて減圧する構造であるので、洗濯機が堅
牢な作りになり、コスト面や構造面で大きな負担がかか
る。そのうえ、加熱機を用いなければならないため、安
全対策が必要となり、コスト面や構造面にかかる負担が
さらに大きくなってしまう。
【0006】しかも、最初に遠心脱水が行われているた
め、洗濯または濯ぎ行程では55rpm以下の低速回転
であるが、脱水行程では600〜1000rpmの高速
回転となる。低速から高速への加速段階で、洗濯物がド
ラム内壁に均等に分布せず偏心回転が生じ、水槽が大き
く振動する。この水槽の振動がばね体や緩衝体を介して
洗濯機本体に伝わり、振動障害ならびに洗濯機本体の疲
労破壊を生ずる。さらには、振動が洗濯機を設置してい
る床面にも伝導され、これにより床面が大きく振動し使
用者に不快感を与え、騒音面でも大きな問題がある。
【0007】また、全自動洗濯機に後者を適用した場
合、洗濯物を折り畳む手間がいり、全自動とは言えなく
なってしまう。そのため、全自動洗濯機に適用すること
は不可能である。しかも、洗濯物の種類や厚さによって
空気の通過抵抗が異なり、温風が洗濯物全体を均一に通
過できなくなり、脱水のばらつきが生じるという問題が
ある。
【0008】本発明は、上記に鑑み、ドラムの回転によ
る脱水をなくして脱水時に発生する振動、騒音の低減を
図ることができる全自動のドラム式洗濯機の提供を目的
とする。さらに、洗濯物をきれいに脱水するとともに脱
水効率を上げて所要洗濯時間を短縮できる全自動のドラ
ム式洗濯機の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、図1の如く、水槽3に水平軸12周りに回転自在
に内装支持された複数の通水孔7を有するドラム2に対
して、ドラム2の外周壁を覆ってドラム2の通水孔7と
連通する吸引体8と、ドラム2の内周壁に張り付いた洗
濯物Sの水分を吸引体8を通して吸引して脱水する吸引
装置9とが設けられたものである。なお、図3の如く、
このドラム60の通水孔61がハニカム状であってもよ
く、通水孔61に吸引装置9の吸引力に応じて開閉する
開閉弁62が設けられている。
【0010】前記吸引装置9は、吸引ポンプ37と、排
水タンク36と、該排水タンク36と吸引体8との間を
開閉する吸引弁38とを備え、吸引ポンプ37が循環路
41に接続され、空気を吸引装置9により再びドラム2
内に循環させる。排水タンク36には、吸引装置9の作
動に応じて開閉するタンク弁39が設けられている。ま
た、吸引体8のドラム2の外周壁に対する被覆面積を可
変して吸引力を調節する吸引面積調節装置49を設け
る。
【0011】そして、吸引体8からの吸引圧を検出する
圧力センサと、吸引装置9により吸引脱水された脱水量
を検出する脱水センサ43とを設け、各センサの出力信
号に基づいてドラム2の駆動装置4、吸引装置9、吸引
面積調節装置49をそれぞれ駆動制御を行う。
【0012】すなわち、脱水開始時の吸引圧が所定値よ
り小さいとき吸引圧が所定値を超えるまでドラム2を回
転させて洗濯物Sを移動させる脱水前洗濯物移動制御、
脱水量に応じて吸引面積調節装置49を駆動する吸引圧
制御、脱水量が減少したときドラム2を回転させて洗濯
物Sを移動させる脱水時洗濯物移動制御、吸引圧が所定
値を超えると吸引体8がドラム2の通水孔7に連通して
いないと判断して吸引装置9を停止させる吸引負荷制
御、吸引圧が所定値より小さいとき吸引体8の被覆面積
を小さくするよう吸引面積調節装置49を駆動する吸引
位置制御、吸引装置9および駆動装置4を同時に駆動す
る脱水回転制御を行う。
【0013】その他に、洗濯物Sの材質または量に応じ
て吸引装置9およびドラムの駆動装置4の運転条件を設
定して運転する設定制御、脱水の進行に伴って吸引装置
9の吸引力あるいはドラム2の回転を可変する脱水運転
制御、洗濯および濯ぎ時に給水を行いながら吸引装置9
を駆動する吸引排水制御、ドラム2を基準位置に停止さ
せるドラム停止制御、濯ぎの排水時にドラム2を正逆回
転させて洗濯物Sを所定位置に位置決めする洗濯物位置
決め制御、吸引脱水前に噴射装置73により洗濯物Sに
水を噴射する洗濯物密着制御、脱水終了後に吸引装置9
を停止させてドラム2を回転させる洗濯物ほぐし制御を
行う。
【0014】
【作用】上記課題解決手段において、洗濯濯ぎ行程にお
いて、給水を行いながら吸引装置9を駆動して、吸引体
8から排水を行う。洗濯物Sから剥離した汚れは素早く
排水され、これによって汚れが洗濯物Sに再付着するこ
とが防止される。そして、濯ぎ水の排水前に、吸引体8
の吸引を阻害するようなドラム2内のバッフル等の障害
物を避けるためにドラム2を基準位置で停止させてか
ら、ドラム2を一定角度の範囲内で正逆回転させ、洗濯
物Sをドラム2の下部に集めて、洗濯物Sの隙間を詰め
ておく。排水後、噴射装置73から高圧の水を洗濯物S
に噴射して、洗濯物Sをドラム2に均一に広げた状態で
密着させる。これによって、脱水の効率がよくなる。
【0015】そして、吸引装置9を駆動すると、通水孔
7を隔てた洗濯物Sとドラム2内との間に圧力差が生じ
る。真空度が上昇すると洗濯物Sに浸透した水分の膜が
圧力に負け、空気と一緒に吸引体8に吸い込まれてい
く。ここで、この吸引圧を検出して、低い場合には洗濯
物Sが吸引体8の位置に合致していないので、ドラム2
を回転させて洗濯物Sを移動させ、洗濯物Sが吸引体8
を完全に覆うような状態にしてから、吸引脱水を行う。
【0016】吸引された空気が排水タンク36に到達す
ると、水と空気は重さの違いにより分離され、水は排水
タンク36に貯水され、空気は吸引装置9を空冷しなが
ら温風となって、再び水槽3内に吹き出される。この温
風が洗濯物Sを通過することによって水分の蒸発を助長
して、洗濯物Sの乾燥を促進させる。
【0017】洗濯物Sより吸引された水は排水センサ4
3によって絶えず脱水量が検出され、脱水量が減ってく
ると、吸引される洗濯物Sの同一場所における脱水の限
界と判断され、吸引装置9を停止して、ドラム2を回転
させる。すると、洗濯物Sが移動して、洗濯物Sの新た
な面が吸引体8に対応した位置にくる。そして、再び吸
引脱水を行う。なお、ドラム2を回転させながら脱水を
行う場合は、洗濯物Sは絶えず撹拌されているので、上
記の動作は不必要となる。
【0018】脱水の終了段階に近づいてくると、吸引装
置9の出力を徐々に低くしたり、あるいはドラム2を回
転させている場合にはドラム2の回転数を徐々に下げ、
洗濯物Sに対して優しい脱水を行うことができる。また
は、吸引体8の被覆面積を減らしていって、洗濯物Sの
水分の抜けによる負荷の軽減により吸引圧を下げ、逆に
風量が上がることになり、適量な空気が洗濯物Sを乾燥
させながら通過していく。脱水が終了すると、吸引装置
9を停止してドラム2を回転させ、絡まった洗濯物Sを
ほぐし、洗濯物Sを取り出しやすい状態にしておく。
【0019】ところで、洗濯物Sの材質や量によって脱
水にばらつきが生じるので、その材質や量に応じて吸引
力やドラムの回転数を設定したり、ドラムの回転、停止
のインターバルを調整を行い、洗濯物Sに適した優しい
脱水を行う。また、脱水の進行状態に合わせて吸引力を
低下させたり、ドラムの回転数を低下させていき、洗濯
物Sを傷めることなく脱水が行われる。
【0020】
【実施例】
(第一実施例)本実施例のドラム式全自動洗濯機は、図
1の如く、洗濯機本体1に、洗濯物Sを収容して回転す
るドラム2と、このドラム2の周りを囲んで回転自在に
支持する水槽3と、ドラム2を正逆回転させる駆動装置
4と、水槽3内に水を給水する給水装置5および水槽3
内の水を排水させる排水装置6と、ドラム2の外周壁を
覆ってドラム2の通水孔7と連通する吸引体8と、ドラ
ム2の内周壁に張り付いた洗濯物Sの水分を吸引体8を
通して吸引して脱水する吸引装置9とが設けられてい
る。
【0021】前記ドラム2は、周壁に多数の通水孔7が
形成され、前面に洗濯物Sを出し入れする開口10が形
成されている。そして、ドラム2の後面の中央に、水槽
3に摺接した回転受部11が突設され、回転受部11に
水平軸12が固定されている。水平軸12は、水槽3の
中心部を貫通して外側に突出しており、その先端側には
ドラムプーリ13が固定されている。また、水槽3の下
面には正逆回転可能なドラム駆動用モータ14が取付ら
れており、このモータ軸の駆動プーリ15とドラムプー
リ13とはベルト16で連結されている。これらの水平
軸12,ドラムプーリ13およびドラム駆動用モータ1
4等から駆動装置4は構成されている。なお、駆動装置
4はドラム2の回転を停止させるためのブレーキ機構を
有しており、ドラム2に直接制動力をかけたり、あるい
はプーリに制動力をかけるようになっている。
【0022】前記水槽3はドラム2および駆動装置4を
有して洗濯機本体1に収容されており、振動吸収のた
め、水槽3の上面がスプリング20により洗濯機本体1
から吊下げられ、また水槽3の下面と洗濯機本体1の底
面との間にダンパー21が設けられ、これらによって水
槽3を保持して振動を減衰させる構成となっている。さ
らに、水槽3の上面および前面には重り22が取付ら
れ、これによりドラム回転時の振動を低減している。ま
た、洗濯機本体1の底面には設置脚23が複数個設けら
れ、床等への振動の伝導を遮断している。
【0023】そして、水槽3の前面に、ドラム2の開口
10を臨む洗濯物投入口24が突設され、洗濯機本体1
に投入口24を開閉する密閉蓋25が開閉自在に取付ら
れている。また、水槽3の下面には排水口が形成され、
排水装置6が配されている。排水装置6は、排水口に接
続された排水パイプ26と、排水パイプ26中に介装さ
れた排水弁27とからなり、排水パイプ26に洗濯機本
体1外部に導かれた排水ホース28が接続されている。
水槽3の上面には給水口が形成され、給水装置5が配さ
れている。給水装置5は、給水口に接続された給水パイ
プ29と、給水パイプ29中に介装された給水弁30と
からなり、給水パイプ29は水道等に接続されており、
また、給水パイプ29の途中に洗剤、柔軟剤等を入れた
容器31が介装され、給水とともに洗剤が投入されるよ
うになっている。
【0024】前記吸引体8は、図1,2の如く、ドラム
2の下面の一部を取り囲むように軸方向に延設された2
枚の平板32と、両平板32の一端に接続され水槽3を
貫通して外部に突出した接続パイプ33とからなり、接
続パイプ33は伸縮自在となっている。そして、平板3
2の他端には、ドラム2に密着するようにシール材34
が取付られており、ドラム2の外周壁を密閉して被覆可
能とされる。
【0025】前記吸引装置9は、吸引体8の接続パイプ
33に接続された吸引パイプ35と、吸引パイプ35の
下方に配された排水タンク36と、排水タンク36に連
通した吸引ポンプ37と、吸引パイプ35に介装された
吸引弁38とを備えている。排水タンク36のドレン口
が、タンク弁39を介して排水パイプ26に接続されて
いる。排水タンク36内には、溜められた水がオーバー
フローするのを防止するために水位フロート40と、水
位フロート40の上下動でオンオフする水位検知スイッ
チとが設けられており、水位フロート40の浮上によっ
て前記スイッチが作動してタンク弁39が開放される。
【0026】また、吸引ポンプ37の排気側に循環パイ
プからなる循環路41が接続され、循環路41は水槽3
上部に形成された吸気口に接続され、循環路41中に吸
気弁42が介装されている。これによって、吸引ポンプ
37によってドラム2から吸引された空気は、吸引体
8、吸引パイプ35、排水タンク36から循環路41を
経て水槽3に至る循環経路を辿って循環される。
【0027】そして、吸引パイプ35の吸引弁38より
も下流側に、吸引パイプ35中を通過する水量を検出す
る排水センサ43が設けられており、電磁流量計、超音
波流量計、あるいはオーバル式,ロータリベーン式,ピ
ストン式といった容積式流量計が用いられる。
【0028】また、吸引パイプ35の吸引弁38と排水
センサ43との間に、外部から空気を取り入れる空気孔
44が形成されており、空気孔44に離接して開閉する
蓋45が設けられ、蓋45は洗濯機本体1に軸46周り
に回動自在に支持されたL字型揺動片47の一側に取付
られている。この蓋45が吸引パイプ35内の負圧によ
って空気孔44から吸い込まれる空気の流れに応じて空
気孔44に吸引パイプ35に対して移動され、圧力セン
サの役割を果たしている。
【0029】そして、蓋45の移動に応じて吸引体8の
ドラム2の外周壁に対する被覆面積を可変して吸引力を
調節するために、吸引体8の平板32をドラム2の外周
壁に沿って摺動させるようになっており、揺動片47の
他側にリンク杆48が連結されている。リンク杆48
は、水槽3に対してシールされながら貫通して、水槽3
内で二つに分岐してその先端がそれぞれ平板32に回動
自在に取付られている。これによって、吸引力に応じて
平板32のドラム2に対する被覆面積を可変する吸引面
積調節装置49が構成されている。なお、空気孔44は
吸引体8の接続パイプ33に形成されていてもかまわな
い。
【0030】上記モータ14、吸引ポンプ37、排水弁
27、給水弁30、吸引弁38、吸気弁42、タンク弁
39はマイクロコンピュータからなる制御装置50によ
りそれぞれ駆動制御されている。制御装置50は、洗濯
機本体1の上部に配設され、洗濯機本体1の外面に設け
られた操作パネルの操作キーからの入力および排水セン
サ43等の各種センサの出力信号にしたがって洗濯、濯
ぎ、脱水の各行程を実行させる。
【0031】制御装置50には、洗濯物Sの初期重さと
吸水後の重さから洗濯物Sの重量や布質を判断する洗濯
物判別機能と、この判断結果に基づいて給水量および洗
濯、濯ぎ、脱水の各運転条件を設定する運転設定機能等
の通常の全自動洗濯機が備えている機能以外に、以下に
示す機能を有している。すなわち、洗濯物Sの判別結果
に基づいて吸引ポンプ37による吸引圧を変える、例え
ば木綿ならば吸引圧を高くし、絹ならば吸引圧を低くす
るといった種別吸引制御機能と、排水センサ43で検出
した脱水量が減少していくにつれて吸引圧を下げて吸引
体8の被覆面積を減らす吸引圧制御機能と、脱水量が減
少したとき吸引ポンプ37を一時停止させてからドラム
2を回転させて洗濯物Sを移動させる脱水時洗濯物移動
制御機能である。
【0032】ここで、洗濯物を判別する方法として、最
初に洗濯物Sをドラム2に入れて、モータ14を駆動し
てドラム2を回転させそれから停止させると、ドラム2
の慣性によりドラム2は瞬時に停止せず少しの時間回り
続けるため、モータ14も回転してモータ14の電極端
子部に起電力が発生する。この起電力はドラム2と洗濯
物Sの重量によって変化するので、この起電力を測定す
ることにより洗濯物Sの初期重さXが検出される。次
に、水を排水しながら給水して洗濯物Sに吸水させた
後、上記と同じように吸水させた洗濯物Sの重さYを検
出する。そして、吸水させた洗濯物Sの重さYと初期重
さXから以下に示す計算式によって洗濯物Sの吸水度Z
を算出する。すなわち、これによって洗濯物Sの材質が
表され、例えば、綿ならば吸水性は大きく、絹ならば吸
水性は小さい。
【0033】Z=(Y−X)/X 上記構成において、洗濯および濯ぎ行程に関しては従来
の全自動洗濯機と同じであるため脱水行程について説明
をする。濯ぎ行程が終わると、排水弁27が開放され、
水槽3から水が排水される。ドラム2内に収容された洗
濯物Sは、排水によりドラム2の下部に広がった状態で
内周壁に張り付く。そして、洗濯物Sの判別結果により
設定された脱水運転条件で脱水行程が開始される。
【0034】まず、モータ14を駆動してドラム2を低
速で数回転させ、ドラム2内の洗濯物Sのからみをとき
ほぐし均一に広げる。モータ14の停止後、排水弁27
およびタンク弁39を閉止して水槽3を密閉状態にして
おき、吸気弁42、吸引弁38を開放させ、吸引ポンプ
37を駆動する。吸引ポンプ37の吸引により排水タン
ク36、吸引パイプ35を通じて吸引体8に負圧の力が
加わる。ここで、吸引体8の平板32は通常ドラム2に
接しておらず、ある間隔を維持して離れているが、吸引
パイプ35内の負圧により空気孔44から外部の空気が
取り入れられ、蓋45に負圧の力が加わる。蓋45は吸
引パイプ35に引きつけられて、空気孔44が閉止され
る。これにより、揺動片47が時計周りに回動し、リン
ク杆48が押し上げられ、平板32はドラム2の外周壁
に密着される。
【0035】吸引体8内では真空度が増し、通水孔7を
隔てた洗濯物Sとドラム2内との間に圧力差が生じる。
真空度が上昇すると洗濯物Sに浸透した水分の膜が圧力
に負け、空気と一緒に吸引体8に吸い込まれていく。こ
の水分を含んだ空気は、吸引体8から吸引パイプ35を
通り排水タンク36に到達する。このとき、水と空気は
重さの違いにより分離され、水は排水タンク36に貯水
され、空気は吸引ポンプ37内に吸い込まれていく。吸
引ポンプ37に取り込まれた空気は、発熱した吸引ポン
プ37を通り空冷することによって温風となり、循環路
41を上昇し吸気弁42を通り水槽3内に吹き出され
る。この温風が洗濯物Sを通過することによって水分の
蒸発を助長して、洗濯物Sの乾燥を促進させる。しか
も、吸引された空気は高温多湿になり、排水タンク36
内に導かれるが、排水タンク36内は洗濯物Sより分離
された水により周囲温度より低くなっているので、高温
多湿の空気は排水タンク36内で結露し水分が取り除か
れ、乾燥した空気となって再び循環される。
【0036】また、洗濯物Sより吸引された水が吸引パ
イプ35を通過するとき排水センサ43によって絶えず
脱水量は検出され、制御装置50に検出値が出力されて
いる。洗濯物Sからの水の脱水量が減ってきて基準値よ
り少なくなると、吸引される洗濯物Sの同一場所におけ
る脱水の限界と判断され、吸引ポンプ37を停止して、
吸引体8をドラム2から離間させ、モータ14を駆動し
てドラム2を回転させる。すると、洗濯物Sが移動し
て、洗濯物Sの新たな面が吸引体8に対応した位置にく
る。そして、再び吸引ポンプ37を駆動して吸引脱水を
行う。
【0037】脱水の終了段階に近づくと、脱水量が減少
していくにつれて洗濯物Sを通過する空気が多くなり、
負圧力が低下していく。これに伴って吸引圧が下がるの
で、蓋45は空気孔44を密閉できなくなり、吸引パイ
プ35から少し離れる。すると、リンク杆48が下降し
て平板32がドラム2から離間しようとするが、平板3
2にはまだ負圧が作用しているため、シール材34はド
ラム2に密着したまま接続パイプ33が縮んで平板32
がドラム2の外周壁を互いに近づく方向に摺動し、吸引
体8の被覆面積が減ることになる。したがって、洗濯物
Sの水分の抜けによる負荷の軽減により吸引圧を下げ、
逆に風量が上がることになり、適量な空気が洗濯物Sを
乾燥させながら通過していく。
【0038】このような吸引脱水を行うことにより、脱
水時にドラム2を高速回転しなくてよくなり、水槽3が
大きく振動することがなくなり、それとともに機械的騒
音を最小限に留めることが可能となり、使用者に不快感
を与えない。そのため、防振対策が不要となり、洗濯機
本体を堅牢にする必要がなく、補強材や振動減衰機構を
簡略化することで大幅なコストダウンが可能となる。
【0039】また、洗濯物から吸引された脱水量を監視
することにより吸引される洗濯物の同一場所における脱
水の限界を知ることができるので、ドラム2の回転によ
り洗濯物が移動して洗濯物の脱水されていない部分の吸
引脱水が可能となり、これにより均衝のとれた脱水を行
うことができる。しかも、脱水のできていない場所だけ
を選択して集中的に脱水することが可能となるので、脱
水時間短縮に大きく貢献できる。
【0040】また、吸引した空気を吸引ポンプ37を通
して水槽3内に循環させているので、吸引ポンプ37を
冷却できるとともに、別に加熱機を設けなくても、ここ
で発生した温風により洗濯物全体の温度を上昇させるこ
とができ、蒸発が促進されるので、脱水時間を短縮でき
る。しかも、脱水率の向上にも寄与する。
【0041】そして、脱水の初期段階では多量の水が分
離され終了段階では少量の水が吸引されるのみである
が、脱水量に応じて吸引体8の被覆面積を小さくしてい
るので、最終段階において洗濯物を通る空気の量と負圧
力を最大限に活用でき、効率のよい脱水を行うことがで
きる。すなわち、吸引ポンプ37の最大仕事率となると
ころで駆動でき、最大仕事率上では負圧力や風量が適切
であり、最終段階である洗濯物に適量な負圧力で吸引を
行い、適量な風量によって洗濯物を乾燥できる。このよ
うに、最終段階において、洗濯物の水分の抜けによる負
荷の軽減により吸引圧を下げ逆に風量を上げることで洗
濯物の脱水率の向上を図れるとともに脱水時間を短縮で
きる。
【0042】(第二実施例)本実施例のドラム式全自動
洗濯機は、図3の如く、ドラム60の周壁がハニカム状
または網目状に形成され、これらの孔が通水孔61とな
っている。そして、通水孔61の全部あるいは一部に
は、図5に示すようにゴムからなる開閉弁62が設けら
れており、ドラム60の内側方向に向かって開閉するよ
うになっているので、開閉弁62はドラム60の内側か
ら外側に向かって流れる風によって通水孔61を閉塞す
る。
【0043】このドラム60の下部の外周壁に、図4に
示すような吸引体63の連結口64が軸方向に細長く接
触して設けられており、吸引体63はゴムから成形さ
れ、ドラム60に対して圧接されている。そのため、ド
ラム2の振動に対して追従でき、しかもドラム60が回
転しても常に摺接するようになっている。そして、排水
タンク36と吸引ポンプ37との間に、歪みゲージ式あ
るいは作動キャパシタンス式等の圧力センサ65が配さ
れている。その他の構成は第一実施例と同じである。
【0044】本実施例における制御装置66は、通常の
機能以外に、洗濯濯ぎ行程において給水を行いながら吸
引ポンプ37を駆動する吸引排水制御機能と、脱水行程
においてドラム60を低速で回転させながら吸引脱水を
行う脱水回転制御機能と、洗濯物Sの判断結果に応じて
ドラム60の回転数を可変する、例えば木綿ならば回転
数を上げ、絹ならば回転数を下げるといった種別ドラム
回転制御機能と、脱水開始時の吸引圧が下限所定値より
小さいとき吸引圧が下限所定値を超えるまでドラム60
を正逆回転させて洗濯物Sを移動させる脱水前洗濯物移
動制御機能と、脱水終了後に吸引ポンプ37を停止させ
てドラム60を回転させる洗濯物ほぐし制御機能とを備
えている。
【0045】上記構成において、洗濯濯ぎ行程では、給
水を行いながら吸引ポンプ37を駆動して、吸引体63
から吸引パイプ35を経て排水タンク36に排水を行
う。このとき、タンク弁39は開放しておき、排水タン
ク36に水が溜まりすぎないようにしておく。洗濯物S
から剥離した汚れは素早く排水され、これによって汚れ
が洗濯物Sに再付着することが防止され、きれいな洗濯
仕上げが可能となり、洗濯時間の短縮を図ることができ
る。
【0046】濯ぎ行程が終了すると、排水を行ってから
排水弁27および給水弁30を閉止する。そして、吸引
弁38および吸気弁42を開放し、モータ14を駆動し
てドラム60を回転させながら吸引ポンプ37を駆動す
る。このとき、吸引体63の連結口64がドラム60を
被覆した領域において、ドラム60の内周壁に図5のよ
うに洗濯物Sが載った状態では、空気の流れが洗濯物S
によって邪魔されるので、開閉弁62を開いたままであ
る。しかし、洗濯物Sの載っていないところでは、ドラ
ム60の内側から吸引体63を通して空気が吸引される
ので、開閉弁62は閉じられる。なお、吸引体63の連
結口64がドラム60を被覆していない領域において
は、ドラム60の外側から内側に向けて空気が流れるの
で、開閉弁62は開いたままである。
【0047】そして、図6の(A)のようにドラム60
の内周壁に洗濯物Sが載った状態で吸引するとき、圧力
センサ65によって検出される吸引圧は低い値となる。
そこで、モータ14を正逆反転駆動させてドラム60を
正逆転させることにより、洗濯物Sが揺り動かされて広
がった状態になり、図6の(B)に示すように吸引体6
3の連結口64がドラム60を被覆した領域を完全に覆
う。吸引圧が下限所定値を超えるまで上記の動作を実行
し、下限所定値を超えると、ドラム60を一方向へ回転
させながら洗濯物Sの種別に応じた駆動条件で吸引脱水
を開始して、洗濯物Sに優しい脱水を行う。
【0048】脱水中には、ドラム60の低速回転により
洗濯物Sは絶えず移動され、まんべんなく脱水が行われ
る。また、ドラム60は振動しながら回転するが、吸引
体63の連結口64が弾性を有しドラム方向に付勢され
ているので、ドラム60から離れることはなく周囲から
空気を巻き込まずに吸引力が維持される。なお、ドラム
60は低速回転されているので、その振動や騒音は問題
とならない。
【0049】脱水の終了段階に近づいていくと、吸引パ
イプ35を通過する脱水量が徐々に低下していく。これ
に応じてドラム60は最初高回転であったのを徐々に回
転数を下げていく制御を行う。あるいは吸引ポンプ37
の出力を最初高くして徐々に低くしていく制御を行う。
なお、ドラム60と吸引ポンプ37のどちらか一方だけ
でなく両者に対して同じ制御を行うことも可能である。
このような制御を行うことにより、洗濯物Sを傷めるこ
となく洗濯物Sに対して優しい脱水を行うことができ
る。
【0050】そして、脱水が終了すると、吸引ポンプ3
7は停止され、吸気弁42や吸引弁38が閉止される。
引き続きモータ14は駆動させるが正逆反転駆動を行
い、ドラム60を正逆回転させて、絡まった洗濯物Sを
ほぐすことにより洗濯物Sを取り出しやすい状態にして
おくことができる。最後にモータ14を停止させ、密閉
蓋25を開けて、ドラム60から洗濯物Sを取り出す。
【0051】以上のように、ドラム60を回転させなが
ら吸引脱水を行うことにより、洗濯物が均一に撹拌さ
れ、洗濯物のある部分が集中的に吸引されるといった不
均衡な脱水を防止でき、洗濯物を効率よく脱水して脱水
時間を短縮できる。そして、ドラム60の通水孔61が
ハニカム状とされ、通水孔61に開閉弁62を設けるこ
とにより、洗濯物の存在しない場所では開閉弁62が閉
じるので、洗濯物の存在する場所に有効的に吸引力が作
用して脱水効率を向上させることができる。
【0052】また、脱水前に圧力センサ65で吸引圧を
検知することにより、吸引体63に対して洗濯物がどの
ような状態にあるか判断でき、もし洗濯物が吸引体63
の連結口64を覆う状態にないときに吸引脱水を行って
も効率が悪いだけであり、ドラム60を回転させること
によって上記の状態を解消できるので、吸引体63に対
して洗濯物を最良の状態にすることができ、脱水効率を
向上させることができる。
【0053】(第三実施例)本実施例の洗濯機では、図
7,8の如く、ハニカム状の通水孔61を有するドラム
60内で洗濯物Sを掻き上げて落下させながら洗うとい
うタンブリングを行うためにドラム60の内周面に軸方
向に沿って複数のバッフル70が突設されている。そし
て、ドラム60の回転位置を検出するための位置検出セ
ンサ71と、ドラム60の回転速度を検出する速度セン
サとが設けられている。
【0054】位置検出センサ71は、ドラム60の外周
面の各バッフル70に対応する場所に取付られた被検出
体72に対向させて水槽3に取付られている。位置検出
センサ71としては、光センサ、磁気センサが用いら
れ、光センサの場合、被検出体は光の反射性のよい材料
をドラム60の外周面に貼着したりあるいは埋め込む。
磁気センサの場合は、被検出体として磁性材料を用い、
同様にドラム60の外周面に貼着したりあるいは埋め込
む。なお、被検出体72は、ドラム60が回転するとき
吸引体63に引っ掛からないようにドラム表面から大き
く突出させない。これによって、直接バッフル70の位
置を検出できる。また、ドラム60の後面あるいはドラ
ムプーリ13に被検出体を取付て、これに対向させて位
置検出センサを配したものでもよい。
【0055】速度センサは、ドラム駆動用モータ14の
モータ軸の回転速度を直接検出する電磁式センサとする
か、あるいは前記位置検出センサ71を利用して位置検
出センサ71の検出信号から回転速度を算出するもので
もよい。
【0056】水槽3の上部には、ドラム60内に向けて
水を噴射する噴射装置73が設けられており、水槽3を
貫通して取付られた複数の噴射ノズル74と、噴射ノズ
ル74に給水パイプ29から水を導く導水パイプ75
と、導水パイプ75に介装された噴射用給水弁76とか
らなる。噴射ノズル74は、ドラム60の中心方向に向
けられており、噴射された高圧の水はドラム60の通水
孔61を通過してドラム60の下部まで達する。なお、
他の構成は第二実施例と同じである。
【0057】また、吸引装置9の排水タンク36の底面
にドレン口が形成されており、ここにタンク弁77が開
閉自在に設けられている。タンク弁77は、弾性材を排
水タンク36の内側からばねによりドレン口に押し当て
たもので、ソレノイド等のオンオフにより開閉される。
【0058】そして、本実施例における制御装置78
は、通常の機能以外に、濯ぎ行程でドラム60内の濯ぎ
水を排水する前に位置検出センサ71および速度センサ
の検出信号に基づいてバッフル70が吸引体63の上方
近傍にこないようにドラム60を基準位置で停止させる
停止機能と、ドラム60を正逆転方向に一定角度以下の
範囲で往復回転させる洗濯物位置決め機能と、濯ぎ行程
終了後噴射装置73を作動させて水圧により洗濯物Sを
ドラム60に密着させる洗濯物密着機能と、脱水開始時
にはドラム60の回転を停止させた状態で吸引装置9だ
けを駆動させ、その後ドラム60を回転させながら吸引
装置9による吸引を同時に行う脱水運転制御機能と、洗
濯物Sの材質や量に応じてドラム60の停止および回転
の時間を自動的に設定する脱水条件設定機能と、吸引装
置9の作動に応じて所定のタイミングでタンク弁77を
開閉するタンク排水機能とを備えている。
【0059】なお、脱水中ドラム60を回転させるとき
には、洗濯物Sが遠心力によりドラム60の内周壁に張
り付いて落下しないように、例えば直径45cmのドラ
ムの場合は60〜70rpmでドラムを回転させる。こ
れによって、ドラム60の内周壁に洗濯物Sを均一に薄
く広げた状態を維持でき、吸引による脱水の効率がよく
なる。しかも、ドラム60は低速回転されているので、
その振動や騒音は問題とならない。
【0060】前記脱水条件設定機能は、表1に示すよう
に、洗濯開始時に洗濯物Sの材質および量を検知判別し
た結果から、洗濯物量が多いほど、また吸水性が大きい
ほど静止時間の比率を多くし、ドラム60の回転、停止
の時間を変化させている。例えば洗濯物Sが多くて吸水
性が小さい場合は、静止と回転の時間比率が静止が6、
回転が4になる。そして、脱水時間が例えば5分に設定
されていれば、初期3分間はドラム60を静止させた状
態で吸引装置9を動作させて脱水を行い、残り2分間は
ドラム60を回転させながら吸引装置9を動作させて脱
水を行う。すなわち、ドラム60を静止して吸引脱水を
行うほうがドラム60を回転させながら吸引脱水を行う
よりも吸引力を強力に発揮させることができるので、洗
濯物量が多いほど、また吸水性が大きいほど静止時間の
比率を多くしている。
【0061】
【表1】
【0062】上記構成において、洗濯および濯ぎ行程に
関しては従来の全自動洗濯機と同じであるため濯ぎ行程
の最終段階から説明する。濯ぎ行程の最後の濯ぎが終わ
り濯ぎ水をドラムから排出する前に、速度センサにより
ドラム60の回転速度を検出し、位置検出センサ71に
より検出したドラム位置に基づいてモータ14を停止さ
せ、ドラム60あるいはプーリ等にブレーキをかけて、
図8に示すようにドラム60のバッフル70が吸引体6
3の上方近傍に位置しない位置にドラム60を止める。
そして、ドラム60を回転角60度以下の範囲で正逆方
向に往復回転させ、濯ぎ水の中で洗濯物Sを揺すり、洗
濯物Sを吸引体63の上方近傍に集め、ドラム60と洗
濯物Sの間に隙間の生じないように整えながら、排水弁
27を開放させてドラム60から濯ぎ水を排水する。排
水が全て終わると、給水弁30と噴射用給水弁76を開
放し、水槽3上部に設けられた噴射ノズル74から水を
噴射して、水圧で洗濯物Sをドラム60の内周壁に密着
させ隙間を減らす。洗濯物Sは、吸引体63の連結口6
4が覆ったドラム60の領域に薄く広がって載った状態
となる。
【0063】そして、洗濯物Sの判別結果により表1の
如く設定された脱水運転条件で脱水行程が開始される。
まず脱水初期は、ドラム60を静止したままで排水弁2
7およびタンク弁39を閉止して水槽3を密閉状態にし
ておき、吸気弁42、吸引弁38を開放させ、吸引ポン
プ37を駆動する。吸引体63内では真空度が増し、通
水口61を隔てた洗濯物Sとドラム60内との間に圧力
差が生じる。真空度が上昇すると洗濯物Sに浸透した水
分の膜が圧力に負け、空気と一緒に吸引体63に吸い込
まれていく。この水分を含んだ空気が排水タンク36に
到達すると、水と空気に分離され、水は排水タンク36
に貯蔵され、空気は吸引ポンプ37内に吸い込まれてい
く。吸引ポンプ37に取り込まれた空気は、吸引ポンプ
37を通過して温風となり、循環路41を上昇し水槽3
内に吹き出される。この温風が洗濯物Sからの水分の蒸
発を助長して、洗濯物Sの乾燥を促進させる。しかも、
吸引された空気は高温多湿になり排水タンク36内に導
かれるが、排水タンク36内は周囲温度より低くなって
いるので、高温多湿の空気は排水タンク36内で結露し
水分が取り除かれ、乾燥した空気となって再び循環され
る。
【0064】次に、設定されたドラム60の静止時間が
経過すると、モータ14の駆動が開始され、ドラム60
を一方向に徐々に速度を上げながら回転させていき、洗
濯物Sが遠心力によりドラム60に張り付いて下に落下
しない速度で回転させながら、洗濯物Sの材質、量に応
じて設定された駆動時間だけ吸引脱水を行う。脱水中に
ドラム60は振動しながら回転するが、吸引体63の連
結口64が弾性を有しドラム方向に付勢されているの
で、ドラム60の振動に対して追従できドラム60から
離れることはなく、周囲から空気を巻き込まずに吸引力
が維持される。
【0065】ところで、吸引脱水を行うと、排水タンク
36に水が溜まってくる。そこで、脱水行程が始まる
と、図9に示すタイムチャートのように、最初はドラム
60の駆動装置4がオフ、吸引装置9がオン、タンク弁
77が閉、つまりタンク弁77を閉じドラム60を静止
した状態で吸引装置9を動作させて脱水を始める。次
に、洗濯物Sの材質と量によって設定されたドラム60
を静止した状態で吸引装置9だけを動作して脱水する時
間の半分が経過した時点で吸引装置9をオフ、タンク弁
77を開、つまり吸引を停止しタンク弁77を開放し
て、排水タンク36内の水を排水する。さらに一定時間
後(例えば15秒後)に吸引装置9をオン、タンク弁7
7を閉、つまりタンク弁77を閉止し吸引装置9を動作
させ再び脱水を開始する。そして、ドラム60を静止し
た状態で吸引装置9を動作して脱水を行うように設定さ
れた時間が経過した時点で吸引装置9をオフ、タンク弁
77を開、つまり吸引を停止しタンク弁77を開放し
て、排水タンク36内の水を排水する。その後、一定時
間後(例えば15秒後)にドラム60の駆動装置4をオ
ン、吸引装置9をオン、タンク弁77を閉、つまりタン
ク弁77を閉止しドラム60を回転させながら吸引脱水
を開始する。次に、洗濯物Sの材質と量によって設定さ
れたドラム60を回転した状態で吸引装置9を動作して
脱水する時間の半分が経過した時点でドラム60の駆動
装置4をオフ、吸引装置9をオフ、タンク弁77を開、
つまりドラム60の回転と吸引を停止しタンク弁77を
開放して排水タンク36内の水を排水する。さらに一定
時間後(例えば15秒後)にドラム60の駆動装置4と
吸引装置9をオン、タンク弁77を閉、つまりタンク弁
77を閉止しドラム60を回転させながら吸引脱水を再
開する。そしてドラム60を回転した状態で吸引装置9
を動作して脱水を行うように設定された時間が経過した
時点でドラム60の駆動装置4と吸引装置9をオフ、タ
ンク弁77を開、つまりドラム60の回転と吸引を停止
しタンク弁77を開放して排水タンク36内の水を排水
する。そして、一定時間後(例えば15秒後)タンク弁
77を閉止し脱水を終了する。したがって、排水タンク
36は満杯になって溢れ出すといったことを防止できる
とともに、脱水効率を低下させることもない。
【0066】そして、脱水が終了すると、吸気弁42や
吸引弁38が閉止される。最後にモータ14を停止さ
せ、密閉蓋25を開けて、ドラム60から洗濯物Sを取
り出す。
【0067】以上のように、ドラムを回転させながら吸
引脱水を行うことにより、洗濯物が均一に撹拌され、洗
濯物のある部分が集中的に吸引されるといつた不均衡な
脱水を防止でき、洗濯物を効率よく脱水して脱水時間を
短縮できる。しかも、脱水時にドラムを高速回転しなく
てよくなり、振動や騒音を低減できる。
【0068】また、ドラムの定位置停止を行うことによ
りバッフルは吸引体上方近傍に停止することはないの
で、バッフルが吸引体の上方で止まった場合洗濯物間に
隙間が生じたりするが、こういった問題を解消できる。
そして、濯ぎ終了時の濯ぎ水排水時にドラムを正逆回転
させて揺することにより、洗濯物とドラムの間の隙間を
少なくでき、洗濯物は吸引体の近傍に集めて整えられ、
洗濯物と洗濯物の隙間を少なくすることできる。さら
に、高圧水の噴射によって洗濯物はドラムへ密着させら
れる。これらによって、洗濯物の均一な脱水ができ、脱
水効率を大きく向上させることができる。また、ドラム
全体に洗濯物を均一に広げた状態で洗濯物が落下しない
速度で回転させることにより、洗濯物の状態がドラムを
静止した時より薄くドラム上に広がるので吸引による脱
水の効率がよくなる。
【0069】そして、洗濯物の材質や量によって空気の
通過抵抗が異なるため水が抜ける時間が異なり、脱水の
ばらつきが生じるが、脱水初期はドラムを回転させずに
吸引だけで脱水を行い、脱水後半はドラムを回転しなが
ら吸引を行うことによって、まず脱水効率を上げ次に洗
濯物を均一に脱水できる。特に洗濯物の材質や量により
ドラムを静止させる時間や回転させる時間を変えること
で、洗濯物に適した効率のよい脱水ができる。
【0070】なお、ここでは洗濯物の量と吸水性の両者
に基づいて脱水条件を設定したが、どちらか一方だけに
基づいて脱水条件を設定しても同様の効果を達成するこ
とができる。さらに、排水センサや圧力センサからの検
出信号に基づいて脱水の進行状況を判断して、あるいは
設定された脱水時間の経過に伴って、吸引力を下げた
り、ドラムの回転数を下げたりすることを追加すること
により、洗濯物を傷めることなく効率のよい脱水ができ
る。
【0071】(第四実施例)上記実施例において、タン
ク弁がドレン口の上側つまり排水タンク内側から弾性材
を押し当てて塞ぐ構造では、吸引装置が動作した場合タ
ンク弁の弾性材が排水タンク内側に引っ張られてタンク
内に空気が流れ込み、吸引による脱水の効率が低下す
る。そこで、本実施例では、図10の如く、タンク弁8
0が、ドレン口81の下側から塞ぐように排水タンク3
6の外側に設けられ、ばね82により上方つまり排水タ
ンク36の方向に付勢されており、ソレノイド83によ
って作動するアクチュエータ84が連結され、ソレノイ
ド83のオンオフによって上下動して、ドレン口81を
開閉するようになっている。
【0072】また、排水タンク36内の水量を検出する
水量検知センサ85が設けられ、水量検知センサ85
は、水位フロート86と、水位フロート86に連結され
たレバー87の上下位置を検出する静電容量式、磁気式
あるいは光学式変位検出器88とからなる。そして、制
御装置において、排水タンク36の水量が一定値以上に
なるとタンク弁80を開放して排水させるようにしてい
る。
【0073】これによって、吸引脱水によって排水タン
ク36内に水が溜まってきて、一定量溜まったことが水
量検知センサ85により検知されると、ソレノイド83
が作動してタンク弁80を下げ、ドレン口81を開けて
排水を行う。したがって、排水タンク36が満水になる
ことはなく、溢れ出すことを防止できる。しかも、頻繁
に開閉しなくてよく、タンク弁80の動作回転を減少で
き、部品故障率を減少させることができる。
【0074】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの修正
および変更を加え得ることは勿論である。第一実施例に
おいて、圧力センサの役割を果たす空気孔44の代わり
に第二実施例で示した圧力センサ65を用いてもよい。
これによって、脱水時洗濯物移動制御機能により洗濯物
Sを移動させて、洗濯物Sの新たな面が吸引位置に対応
した位置にくるようにした場合、モータ14の停止後吸
引ポンプ37を駆動したとき、吸引体8の位置に通水孔
7がうまく合致しない場合が起こりうるので、圧力セン
サにより吸引ポンプ37による吸引圧を検出して、吸引
圧が所定圧を超えるとドラム2の通水孔7に吸引体8が
合致していないと判断して吸引ポンプ37を停止させる
吸引負荷制御機能を付加することができる。
【0075】したがって、ドラム2の通水孔7と通水孔
7のない部分との吸引圧には大きな差が生じる、すなわ
ち吸引体8とドラム2の通水孔7が合致していると水槽
3内の空気を取り入れやすく吸引圧は最大圧力には至ら
ないが、通水孔7でない部分に合致すると、吸引体8が
塞がれた状態になり吸引ポンプ37に過大な負荷がかか
る。そこで、吸引ポンプ37を停止させることにより、
吸引ポンプ37の焼き付き等の故障の発生を防ぐことが
できる。また、このとき洗濯物Sを移動させるためにド
ラム2を回転させると、吸引体8がドラム2に密着して
いるので、ドラム2の回転の妨げとなりドラム駆動用モ
ータ14に負荷がかかると同時に、吸引体8のシール材
34とドラム2との摺動によりシール材34の劣化にも
つながるが、吸引ポンプ37の停止によりモータ14の
負荷を軽減でき、シール材34の損傷も防止できる。
【0076】また、吸引面積調節装置において、空気孔
44を開閉する蓋45に連動して吸引体8の平板32を
移動させる代わりに、モータにより平板32を移動可能
としてもよい。これによって、圧力センサを設け、検出
された吸引圧が所定値より小さいとき吸引体8の被覆面
積を小さくするよう吸引面積調節装置のモータを駆動す
る吸引位置制御機能を付加することができる。
【0077】したがって、洗濯物Sを均一に脱水するた
めドラム2を回転させるが、洗濯物Sの片寄りによって
吸引体8に接する通水孔7上に洗濯物Sが均一に分布し
ないことがあり、この状態において脱水を行うと通水孔
7の洗濯物Sがない部分より水槽3内の空気が吸い込ま
れ、洗濯物Sからうまく脱水できなくなる。この状態を
回避するために、吸引圧が低いとき吸引面積調節装置の
モータを駆動して吸引体8の被覆面積を小さくなるよう
に平板32を移動させ、吸引体8に覆われるドラム2の
通水孔7の数を減らす。すると、洗濯物Sに効率よく吸
引圧を加えることができ、吸引ポンプ37の最大仕事率
となる状態で運転することができ、最も効率のよい状態
での脱水が可能となる。
【0078】また、第一実施例における吸引体8を第二
実施例のハニカム状のドラム60に適用してもよい。こ
のとき、脱水中はドラム60を回転させない。なお、吸
引体8の平板32にゴム等の弾性体を取付て、ドラム6
0に対して摺接可能とすることにより、脱水中のドラム
60の回転が可能となる。
【0079】第二実施例の吸引体の他の実施例として、
図11の如く、吸引体70の連結口の円周方向両側に回
転自在にローラ71を取付け、ローラ71をドラム60
に押し付ける方向に付勢する圧縮ばね72を吸引体70
の接続パイプ73に外嵌固定させる。そして、ドラム6
0の回転に合せてローラ71がドラム60の外周壁を転
動し、吸引体70はドラム60に対して常に接触した状
態を確実に維持することができ、吸引力の低下を防止で
きる。さらに他の実施例として、図12の如く、吸引体
75が伸縮自在な蛇腹状ホース76とされ、その連結口
がドラム60に圧接するように装着してドラム60の回
転に追従して伸縮することにより、常にドラム60に接
触することができる。したがって、吸引体の連結口をド
ラムの回転振動に追従させながら接触可能とすることに
より、吸引体はドラムに対して常に密着され、吸引力を
発揮させることができ、脱水効率の向上を図れる。
【0080】また、吸引体の連結口をハニカム状に形成
して、それぞれの孔に吸引力に応じて開閉する弾性材料
からなる開閉弁を設けてもよい。これによって、連結口
において洗濯物があるところでは開閉弁は開き、洗濯物
のないところでは閉じるので、吸引力の作用する範囲が
限定され、脱水効率を向上させることができる。
【0081】第四実施例におけるタンク弁の開閉制御
は、予め設定されたタイミングでタンク弁を開放させた
り、または吸引装置は停止中は常にタンク弁を開放して
排水するようにしてもよい。このようにすることによっ
て、特別に排水行程を設ける必要がなく、洗濯時間の短
縮を図ることができる。
【0082】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、吸引脱水を行うことにより、脱水時にドラムを
高速回転させなくてよく、水槽が大きく振動することが
なくなり、それとともに機械的騒音を最小限に留めるこ
とが可能となり、使用者に不快感を与えない。そのた
め、防振対策が不要となり、洗濯機本体を堅牢にする必
要がなく、補強材や振動減衰機構を簡略化することで大
幅なコストダウンが可能となる。
【0083】特に、ドラムの通水孔をハニカム状とし
て、通水孔に開閉弁を設けることにより、洗濯物をドラ
ムを挟んで吸引体に対向させたとき、洗濯物の存在しな
い場所では開閉弁が閉じるので、洗濯物の存在する場所
に有効的に吸引力が作用して脱水効率を向上させること
ができる。
【0084】洗濯物の材質、量に応じて吸引脱水の運転
条件を設定して、例えば始めはドラムを停止して吸引脱
水を行いその後ドラムを回転させて吸引脱水を行った
り、あるいは洗濯物の材質、量に応じて吸引力あるいは
ドラムの回転数を設定したり、さらに吸引脱水の進行と
ともにドラムの回転数を下げたりまたは吸引装置の出力
を下げたりすることにより、洗濯物を傷めることなく洗
濯物に対して優しい脱水を行うことができ、洗濯物に適
した効率のよい脱水となる。また、ドラムを低速回転さ
せながら吸引脱水を行うと、洗濯物がドラムに広がった
状態となったまま均一に撹拌され、効率よく脱水するこ
とができ、脱水時間の短縮にもなる。しかも、脱水終了
後に吸引を停止してドラムを回転させることにより、絡
まった洗濯物をほぐすことができ、取り出しやすい状態
にしておける。
【0085】吸引した空気を水槽内に循環させているの
で、吸引装置を冷却できるとともに、ここで発生した温
風により洗濯物全体の温度を上昇させて蒸発が促進さ
れ、脱水時間を短縮できる。しかも、高温多湿の空気が
排水タンクにより水だけが凝結して除去され、乾燥した
空気が循環されるので、脱水率の向上にも寄与する。
【0086】しかも、排水タンクのタンク弁を吸引脱水
に応じて開閉することにより、排水タンクが満水になる
ことはなく、溢れ出すことを防止でき、頻繁にタンク弁
を開閉しなくてよく、動作回転を減少でき部品故障率を
減少させることができる。
【0087】洗濯物と吸引体との位置関係により吸引圧
が変わることを利用して、脱水開始時に吸引圧が小さけ
れば、洗濯物が吸引体を完全に覆っていない状態にある
と判断できるので、ドラムを回転させて洗濯物を移動さ
せることにより、洗濯物の位置補正ができ、洗濯物が吸
引体を完全に覆った状態で吸引脱水を実行させることが
できる。したがって、洗濯物の一部分が集中的に吸引さ
れるといった不均衡な脱水を防止でき、洗濯物を効率よ
く脱水して脱水時間を短縮できる。
【0088】脱水量に応じて吸引体のドラムに対する被
覆面積を小さくすると、脱水最終段階において洗濯物を
通る空気の量と負圧力を最大限に活用でき、効率のよい
脱水を行うことができる。すなわち、吸引ポンプの最大
仕事率となるところで駆動でき、最大仕事率上では負圧
力や風量が適切であり、最終段階である洗濯物に適量な
負圧力で吸引を行い、適量な風量によって洗濯物を乾燥
できる。したがって、洗濯物の水分の抜けによる負荷の
軽減により吸引圧を下げ逆に風量を上げることで洗濯物
の脱水率の向上を図れるとともに脱水時間を短縮でき
る。
【0089】洗濯物から吸引された脱水量を監視するこ
とにより、吸引される洗濯物の同一場所における脱水の
限界を知ることができるので、ドラムを回転させると洗
濯物の脱水されていない部分の吸引脱水が可能となり、
これにより均衝のとれた脱水を行うことができるととも
に、脱水のできていない場所だけを選択して集中的に脱
水することが可能となるので、脱水時間短縮に大きく貢
献できる。
【0090】また、吸引体の位置に通水孔がうまく合致
しない場合には吸引圧が所定圧を超えるので、そのまま
にしておくと吸引装置に過負荷がかかり故障の原因とな
るが、吸引装置を停止させることにより、吸引装置に負
荷がかかることを防止でき、安全性の向上につながる。
しかもドラムを回転させると、吸引体がドラムに密着し
ているので、ドラムの回転の妨げとなり、ドラム駆動用
モータに負荷がかかると同時に吸引体も損傷するおそれ
があるが、これらも未然に防止できる。
【0091】さらに、洗濯物の片寄りによって吸引体に
接する通水孔上に洗濯物が均一に分布しない場合には吸
引圧が低くなるので、このとき吸引体の被覆面積を小さ
くすると、吸引体に覆われるドラムの通水孔の数が減
り、洗濯物に効率よく吸引圧を加えることができ、吸引
ポンプの最大仕事率となる状態で運転することができ、
最も効率のよい状態での脱水が可能となる。
【0092】洗濯濯ぎ行程において、吸引装置を駆動し
て、吸引体から排水を行うことにより、洗濯物から剥離
した汚れを素早く排水することができ、これによって汚
れが洗濯物に再付着することが防止され、きれいな洗濯
仕上げが可能となり、洗濯時間の短縮を図ることができ
る。
【0093】濯ぎ終了時の濯ぎ水排水時にドラムを正逆
回転させて揺することにより、洗濯物は吸引体の近傍に
集めて整えられ、洗濯物と洗濯物の隙間を少なくするこ
とでき、集中的な脱水が可能となり脱水効率を向上させ
ることができる。
【0094】また、高圧水を噴射することによって、洗
濯物はドラムへ密着させられ、しかもドラム全体に洗濯
物を均一に広げた状態にでき、吸引による脱水の効率が
よくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例のドラム式全自動洗濯機の
構成図
【図2】吸引体および被覆面積調節装置の構成図
【図3】第二実施例のドラム式全自動洗濯機の構成図
【図4】吸引体の構成図
【図5】ドラムに載った洗濯物の状態を示す平面図およ
び通水孔の拡大図
【図6】ドラムの回転前後におけるドラムに載った洗濯
物の状態を示す平面図
【図7】第三実施例のドラム式全自動洗濯機の構成図
【図8】吸引体とドラムの停止位置の関係を示す図
【図9】脱水行程のタイムチャート
【図10】第四実施例における排水タンクのタンク弁の
構造を示す図
【図11】吸引体の他の実施例の構成図
【図12】吸引体の別の実施例の構成図
【符号の説明】
2 ドラム 3 水槽 7 通水孔 8 吸引体 9 吸引装置 14 ドラム駆動用モータ 36 排水タンク 37 吸引ポンプ 41 循環路 43 排水センサ 49 吸引面積調節装置 50 制御装置 65 圧力センサ S 洗濯物
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−280991(JP,A) 実開 平4−17770(JP,U) 特公 昭39−41(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06F 23/00 - 49/00

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗濯機本体に弾性支持された水槽と、該
    水槽に水平軸周りに回転自在に内装支持された複数の通
    水孔を有するドラムとを備え、該ドラムを正逆回転させ
    る駆動装置と、前記水槽内に水を給水する給水装置およ
    び水槽内の水を排水させる排水装置とが設けられたドラ
    ム式全自動洗濯機において、前記ドラムの外周壁を覆っ
    てドラムの通水孔と連通する吸引体と、前記ドラムの内
    周壁に張り付いた洗濯物の水分を前記吸引体を通して吸
    引して脱水する吸引装置とが設けられ、前記ドラムの通
    水孔がハニカム状とされ、該通水孔に吸引装置の吸引力
    に応じて開閉する開閉弁が設けられたことを特徴とする
    ドラム式全自動洗濯機。
  2. 【請求項2】 洗濯機本体に弾性支持された水槽と、該
    水槽に水平軸周りに回転自在に内装支持された複数の通
    水孔を有するドラムとを備え、該ドラムを正逆回転させ
    る駆動装置と、前記水槽内に水を給水する給水装置およ
    び水槽内の水を排水させる排水装置とが設けられたドラ
    ム式全自動洗濯機において、前記ドラムの外周壁を覆っ
    てドラムの通水孔と連通する吸引体と、前記ドラムの内
    周壁に張り付いた洗濯物の水分を前記吸引体を通して吸
    引して脱水する吸引装置とが設けられ、該洗濯物の材質
    または量に応じて吸引装置および駆動装置の駆動制御を
    行う制御手段が設けられたことを特徴とするドラム式全
    自動洗濯機。
  3. 【請求項3】 洗濯機本体に弾性支持された水槽と、該
    水槽に水平軸周りに回転自在に内装支持された複数の通
    水孔を有するドラムとを備え、該ドラムを正逆回転させ
    る駆動装置と、前記水槽内に水を給水する給水装置およ
    び水槽内の水を排水させる排水装置とが設けられたドラ
    ム式全自動洗濯機において、前記ドラムの外周壁を覆っ
    てドラムの通水孔と連通する吸引体と、前記ドラムの内
    周壁に張り付いた洗濯物の水分を前記吸引体を通して吸
    引して脱水する吸引装置とが設けられ、前記ドラムの通
    水孔がハニカム状とされ、該通水孔に吸引装置の吸引力
    に応じて開閉する開閉弁が設けられ、該洗濯物の材質ま
    たは量に応じて吸引装置および駆動装置の駆動制御を行
    う制御手段が設けられたことを特徴とするドラム式全自
    動洗濯機。
  4. 【請求項4】 洗濯機本体に弾性支持された水槽と、該
    水槽に水平軸周りに回転自在に内装支持された複数の通
    水孔を有するドラムとを備え、該ドラムを正 逆回転させ
    る駆動装置と、前記水槽内に水を給水する給水装置およ
    び水槽内の水を排水させる排水装置とが設けられたドラ
    ム式全自動洗濯機において、前記ドラムの外周壁を覆っ
    てドラムの通水孔と連通する吸引体と、前記ドラムの内
    周壁に張り付いた洗濯物の水分を前記吸引体を通して吸
    引して脱水する吸引装置とが設けられ、該洗濯物の脱水
    状態に応じて吸引装置および駆動装置を駆動制御する脱
    水制御手段が設けられたことを特徴とするドラム式全自
    動洗濯機。
  5. 【請求項5】 洗濯機本体に弾性支持された水槽と、該
    水槽に水平軸周りに回転自在に内装支持された複数の通
    水孔を有するドラムとを備え、該ドラムを正逆回転させ
    る駆動装置と、前記水槽内に水を給水する給水装置およ
    び水槽内の水を排水させる排水装置とが設けられたドラ
    ム式全自動洗濯機において、前記ドラムの外周壁を覆っ
    てドラムの通水孔と連通する吸引体と、前記ドラムの内
    周壁に張り付いた洗濯物の水分を前記吸引体を通して吸
    引して脱水する吸引装置とが設けられ、前記洗濯物の材
    質または量に応じて吸引装置および駆動装置の駆動制御
    を行う制御手段が設けられ、該洗濯物の脱水状態に応じ
    て吸引装置および駆動装置を駆動制御する脱水制御手段
    が設けられたことを特徴とするドラム式全自動洗濯機。
  6. 【請求項6】 洗濯機本体に弾性支持された水槽と、該
    水槽に水平軸周りに回転自在に内装支持された複数の通
    水孔を有するドラムとを備え、該ドラムを正逆回転させ
    る駆動装置と、前記水槽内に水を給水する給水装置およ
    び水槽内の水を排水させる排水装置とが設けられたドラ
    ム式全自動洗濯機において、前記ドラムの外周壁を覆っ
    てドラムの通水孔と連通する吸引体と、前記ドラムの内
    周壁に張り付いた洗濯物の水分を前記吸引体を通して吸
    引して脱水する吸引装置とが設けられ、前記吸引装置
    に、吸引した空気から水を分離する排水タンクが設けら
    れ、該排水タンクから排水を行うタンク弁が設けられ、
    該タンク弁は吸引装置の作動に応じて開閉されることを
    特徴とするドラム式全自動洗濯機。
  7. 【請求項7】 洗濯機本体に弾性支持された水槽と、該
    水槽に水平軸周りに回転自在に内装支持された複数の通
    水孔を有するドラムとを備え、該ドラムを正逆回転させ
    る駆動装置と、前記水槽内に水を給水する給水装置およ
    び水槽内の水を排水させる排水装置とが設けられたドラ
    ム式全自動洗濯機において、前記ドラ ムの外周壁を覆っ
    てドラムの通水孔と連通する吸引体と、前記ドラムの内
    周壁に張り付いた洗濯物の水分を前記吸引体を通して吸
    引して脱水する吸引装置とが設けられ、前記吸引体から
    の吸引圧を検出する圧力センサと、脱水開始時の吸引圧
    が所定値より小さいとき吸引圧が所定値を超えるまでド
    ラムを回転させて洗濯物を移動させる脱水前洗濯物移動
    手段とが設けられたことを特徴とするドラム式全自動洗
    濯機。
  8. 【請求項8】 洗濯機本体に弾性支持された水槽と、該
    水槽に水平軸周りに回転自在に内装支持された複数の通
    水孔を有するドラムとを備え、該ドラムを正逆回転させ
    る駆動装置と、前記水槽内に水を給水する給水装置およ
    び水槽内の水を排水させる排水装置とが設けられたドラ
    ム式全自動洗濯機において、前記ドラムの外周壁を覆っ
    てドラムの通水孔と連通する吸引体と、前記ドラムの内
    周壁に張り付いた洗濯物の水分を前記吸引体を通して吸
    引して脱水する吸引装置とが設けられ、前記吸引体のド
    ラム外周壁に対する被覆面積を可変して吸引力を調節す
    る吸引面積調節装置と、吸引装置により吸引脱水された
    脱水量を検出する脱水センサと、脱水量に応じて前記吸
    引面積調節装置を駆動する吸引圧制御手段とが設けられ
    たことを特徴とするドラム式全自動洗濯機。
  9. 【請求項9】 洗濯機本体に弾性支持された水槽と、該
    水槽に水平軸周りに回転自在に内装支持された複数の通
    水孔を有するドラムとを備え、該ドラムを正逆回転させ
    る駆動装置と、前記水槽内に水を給水する給水装置およ
    び水槽内の水を排水させる排水装置とが設けられたドラ
    ム式全自動洗濯機において、前記ドラムの外周壁を覆っ
    てドラムの通水孔と連通する吸引体と、前記ドラムの内
    周壁に張り付いた洗濯物の水分を前記吸引体を通して吸
    引して脱水する吸引装置とが設けられ、前記吸引装置に
    より吸引脱水された脱水量を検出する脱水センサと、脱
    水量が減少したときドラムを回転させて洗濯物を移動さ
    せる脱水時洗濯物移動手段とが設けられたことを特徴と
    るドラム式全自動洗濯機。
  10. 【請求項10】 吸引体からの吸引圧を検出する圧力セ
    ンサと、吸引圧が所定値を超えると前記吸引体がドラム
    の通水孔に連通していないと判断して吸引装置を停止さ
    せる吸引負荷制御手段とが設けられたことを特徴とする
    請求項9記載のドラム式全自動洗濯機。
  11. 【請求項11】 吸引体からの吸引圧を検出する圧力セ
    ンサと、吸引体のドラム外周壁に対する被覆面積を可変
    して吸引力を調節する吸引面積調節装置と、吸引圧が所
    定値より小さいとき吸引体の被覆面積を小さくするよう
    前記吸引面積調節装置を駆動する吸引位置制御手段とが
    設けられたことを特徴とする請求項9記載のドラム式全
    自動洗濯機。
  12. 【請求項12】 洗濯機本体に弾性支持された水槽と、
    該水槽に水平軸周りに回転自在に内装支持された複数の
    通水孔を有するドラムとを備え、該ドラムを正逆回転さ
    せる駆動装置と、前記水槽内に水を給水する給水装置お
    よび水槽内の水を排水させる排水装置とが設けられたド
    ラム式全自動洗濯機において、前記ドラムの外周壁を覆
    ってドラムの通水孔と連通する吸引体と、前記ドラムの
    内周壁に張り付いた洗濯物の水分を前記吸引体を通して
    吸引して脱水する吸引装置とが設けられ、洗濯および濯
    ぎ時に給水を行いながら吸引装置を駆動する吸引排水手
    段が設けられたことを特徴とするドラム式全自動洗濯
    機。
  13. 【請求項13】 洗濯機本体に弾性支持された水槽と、
    該水槽に水平軸周りに回転自在に内装支持された複数の
    通水孔を有するドラムとを備え、該ドラムを正逆回転さ
    せる駆動装置と、前記水槽内に水を給水する給水装置お
    よび水槽内の水を排水させる排水装置とが設けられたド
    ラム式全自動洗濯機において、前記ドラムの外周壁を覆
    ってドラムの通水孔と連通する吸引体と、前記ドラムの
    内周壁に張り付いた洗濯物の水分を前記吸引体を通して
    吸引して脱水する吸引装置とが設けられ、濯ぎの排水時
    にドラムを正逆転させて洗濯物を吸引体に対向した位置
    に整える洗濯物位置決め手段が設けられたことを特徴と
    るドラム式全自動洗濯機。
  14. 【請求項14】 洗濯機本体に弾性支持された水槽と、
    該水槽に水平軸周りに回転自在に内装支持された複数の
    通水孔を有するドラムとを備え、該ドラムを正逆回転さ
    せる駆動装置と、前記水槽内に水を給水する給水装置お
    よび水槽内の水を排水させる排水装置とが設けられたド
    ラム式全自動洗濯機において、前記ドラムの外周壁を覆
    ってドラムの通水孔と連通する吸引体と、前記ドラムの
    内周壁に張り付いた洗濯物の水分を前記吸引体を通して
    吸引して脱水する吸引装置とが設けられ、前記ドラム内
    に向けて水を噴射する噴射装置と、吸引脱水前に該噴射
    装置を作動させて水圧により洗濯物をドラムに密着させ
    る洗濯物密着手段が設けられたことを特徴とするドラム
    式全自動洗濯機。
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