JP3067283U - Ｙ形ノッチを有する合成樹脂製袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成樹脂製袋の縁に、見やすく且つ確実に
引き裂いて開封することができるＹノッチを有する合成
樹脂製袋の提供。 【解決手段】合成樹脂製フィルムの縁を溶着して形成し
た合成樹脂製袋の溶着部２に開封用のノッチを有する袋
１において、袋１の外側に開いたＶ形ノッチ４の内側の
先端にＩ形ノッチ５を連設したＹ形ノッチ３を形成した
合成樹脂製袋。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本発明は、食料品等を収納する合成樹脂フィルム製の袋において、袋の縁に形 成された溶着部に開封用のＹ形ノッチを有する合成樹脂製袋に関する。

【０００２】

【従来の技術】

せんべい等の米菓子、タレやわさび等の調味料、ピーナツ等のナッツ類等の食 品がポリプロピレン等の合成樹脂フィルム製袋に収納されて販売されている。袋 は、合成樹脂フィルムの縁を溶着して袋状に形成し、食品等の所定のものを収納 した後、縁を溶着してシールしている。

【０００３】 溶着部には、袋を開封して収納されている食品等の収納物を取り出す際、袋を 裂き易いように、袋の溶着部に切り込みであるノッチが形成されている。通常、 ノッチとして、Ｖ形ノッチあるいはＩ形ノッチが形成されている。

【０００４】 図２は従来の合成樹脂製袋のＶ形ノッチを示す図である。

【０００５】 合成樹脂フィルム製袋１は、例えば、２０μｍの２軸延伸ポリプロピレンフィ ルムと４０μｍの２軸延伸ポリプロピレンフィルムとの縁の間にドライラミネー トのりを挟んでポリプロピレンの融点以上の温度でプレスし溶着してシールされ ている。

【０００６】 溶着部２には開封性をよくするため、溶着と同時に外側に開いたＶ形ノッチ４ が形成される。Ｖ形ノッチ４は、フィルムを溶着する際に、同時にＶ形のカッタ ーで切断されて形成される。開封する際には、Ｖ形ノッチ４から溶着部２を裂く ことにより行う。

【０００７】 開封用のノッチとしては、図２に示すＶ形ノッチのほかにＩ形ノッチ等種々の 形状のものが提案されている。

【０００８】 例えば、実用新案登録第２５１７２９８号公報には、Ｖ形ノッチの縁で皮膚を 傷つけないように、外側を鈍角に形成し大きく開いたノッチの内側の先端部にＶ 形ノッチを連設したものが開示されている。

【０００９】 また、実用新案登録第３０００４２２９号公報には、溶着部を越えて袋体内部 にまで達するＶ形のノッチを形成し、袋体内部のノッチの縁が溶着されている袋 が開示されている。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、合成樹脂製の袋の溶着部にＶ形ノッチを形成しても、Ｖ形ノッ チの先端の角が溶着と切断を同時に行うために、溶断されて丸くなって硬化し、 尖った角が形成されない。そのため、Ｖ形ノッチの硬化した先端部から引き裂き にくく、無理をして引き裂くと、収納物がはずみで飛び散り、特にタレ等の液体 の場合、飛び散った液体で服や周りを汚したりする場合がある。これを避けるた め、結局は、鋏等の刃物で切ることになり、ノッチが開封の役に立たない場合も 多い。

【００１１】 また、溶着部にＩ形ノッチを形成した袋では、開封の際、Ｉ形ノッチを見つけ にくく、そのため、「切り口」の表示をしている場合が多く、工程数が増えると いう欠点がある。

【００１２】 そこで、本考案は、合成樹脂製袋の縁に、見やすく且つ確実に引き裂いて開封 することができるＹノッチを有する合成樹脂製袋を提供するものである。

【００１３】

【課題を解決するための手段】

本考案の合成樹脂製袋は、合成樹脂製フィルムの縁を溶着して形成した合成樹 脂製袋の溶着部に開封用のノッチを有する袋において、袋の外側に開いたＶ形ノ ッチの内側の先端にＩ形ノッチを連設したＹ形ノッチを形成したことを特徴とす る。

【００１４】

【考案の実施の形態】

本考案において、Ｙ形ノッチの外側に開いたＶ形ノッチ部分の開き角度は、約 ９０度、あるいはそれ以上の角度、例えば１２０度とすることが好ましい。Ｖ形 ノッチの開き角度が大きいと、加工し易いという利点がある。

【００１５】 また、Ｖ形ノッチの内側の先端に連設するＩ形ノッチの長さは、溶着部の範囲 内で可能な限り長く形成することが好ましく、溶着部と非溶着部の境界近傍まで 延設した長いＩ形ノッチとすることにより、引き裂く溶着部が少ないので引き裂 き易くすることができる。

【００１６】

【実施例】

図１は本考案によるＹ形ノッチを有する合成樹脂製袋の一例を示す全体図とＹ 形ノッチ部分の拡大図である。

【００１７】 合成樹脂製袋１は、２０μｍの２軸延伸ポリプロピレンフィルムと、４０μｍ の２軸延伸ポリプロピレンフィルムとを重ねて周縁をドライラミネートのりを挟 んで溶着したものである。

【００１８】 溶着部２には合成樹脂製袋１の外側に開いたＶ形ノッチ４の内側の先端にＩ形 ノッチ５を連設したＹ形ノッチ３を形成する。

【００１９】 Ｙ形ノッチ３の形成は、カッターを有する溶着具を用いてフィルムの溶着と同 時に行う。

【００２０】 なお、比較例として、本実施例と同様に、２０μｍの２軸延伸ポリプロピレン フィルムと、４０μｍの２軸延伸ポリプロピレンフィルムとの周縁をドライラミ ネートのりを挟んで溶着し、溶着部にＶ形ノッチを形成した従来型の合成樹脂製 袋を作成した。

【００２１】 比較例のＶ形ノッチを形成した従来型の合成樹脂製袋は、Ｖ形ノッチから溶着 部を裂く際に、Ｖ形ノッチの先端が硬化しているために、大きな力を必要とした のに対して、本考案のＹ形ノッチを有する合成樹脂製袋は、大きな力を要するこ となく裂くことができた。

【００２２】 また、Ｙ形ノッチのＩ形ノッチ部分を溶着部と非溶着部の境界近傍まで長く延 設したものは、更に容易に引き裂くことができた。

【００２３】

【考案の効果】

本考案は、合成樹脂製袋の溶着部にＹ形ノッチを形成したので、容易に開封す ることができる。

【００２４】 また、Ｉ形ノッチ部分を溶着部と非溶着部の境界近傍まで長く延設することに より、更に容易に引き裂くことができる。

【００２５】 また、Ｙ形ノッチは、Ｖ形ノッチを備えているので、開封箇所を容易に見つけ ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるＹ形ノッチを有する合成樹脂製袋
の一例を示す全体図とＹ形ノッチ部分の拡大図である。

【図２】従来の合成樹脂製袋のＶ形ノッチを示す図であ
る。

【符号の説明】

１：合成樹脂製袋 ２：溶着部 ３：Ｙ形ノッチ ４：Ｖ形ノッチ ５：Ｉ形ノッチ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂製フィルムの縁を溶着して形成
   した合成樹脂製袋の溶着部に開封用のノッチを有する袋
   において、袋の外側に開いたＶ形ノッチの内側の先端に
   Ｉ形ノッチを連設したＹ形ノッチを形成したことを特徴
   とするＹ形ノッチを有する合成樹脂製袋。
2. 【請求項２】 前記Ｉ形ノッチを溶着部と非溶着部の境
   界近傍まで延設したことを特徴とする請求項１記載のＹ
   形ノッチを有する合成樹脂製袋。