JP3066034B2 - 金属製チップ付き複合材料管の製造方法 - Google Patents

金属製チップ付き複合材料管の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、金属チップを複合材料で作られた複合材管
に取付けることで形成される金属チップ付き複合材管の
製造方法に関する。
（従来の技術） 海底油田の試掘に使用される管においては、管及びチ
ップは、通常の状態で約106ニュートン（Ｎ）にのぼる
過酷な引張応力に耐えなければならない。従って、この
ような荷重条件による歪みに耐える引張強さを備えた管
として今日まで金属チップ付き金属管が使用されてい
る。
金属チップ付き金属管の引張り束は下式により算出さ
れる。
公式 T/πＤ ここで、Ｔは引張強さ、Ｄは管の直径である。引張束
はこの分野では3.5x106N/mである。
海底油田探査の分野では、金属チップ付き複合材管
が、周知の金属管の性能と比較し得る性能を持ち、特
に、耐久度、耐腐食性、軽量に関して有用な利点を有す
ることが分かっている。
複合材料チップ付き複合材管は、複合材管と複合材チ
ップの間の連結部がこれらの特殊な用途に適しないとい
うことが分っている。これは、前記必要な性能に要求さ
れる性能を連結部が備えていないためである。
金属チップ付き複合材管を製造するための工業的な工
程は、現在知られており、このような複合材管は、過酷
な引張応力に耐えることができる。
本出願人によるフランス特許第2,509,011号に開示さ
れた金属チップ付き複合材管の製造方法においては、円
錐形金属チップを複合材管の一端に嵌合し、エラストマ
ー製薄シートを円錐形金属チップの外面と複合材管の内
壁との間に配置し、エラストマー製薄シートを応力及び
荷重がエラストマー層を介して伝達されるように円錐形
金属チップの外面に接着する。複合材管の樹脂の第１重
合の完了時に、第２のシェル状金属部材を重合した複合
材管の上に配置し、例えばグラスファイバ製巻線で複合
材管に結合する。金属と複合材管の連結は、別のエラス
トマー層によって行われ、巻付けられる結合部材及び被
覆接着材の両方の重合を行うために第２の硬化が必要と
される。
フィラメントワインディング成形方法により成形され
る複合材管に他の部材を組み込む別の方法によれば、金
属製中空環状外被をフィラメントワインディング成形方
法によりできたファイバ層間に介在させる。フィラメン
トは半径方向に沿って端レベルで間隔を隔てている。こ
の連結は、複合体及び金属製中空環状外被を通す固定装
置により行われる。この場合、金属チップに加わる引張
応力はかしめ効果によって複合材構造へ伝達される。
しかしながら、これらの成形方法は、製造中に多くの
手作業を必要とするか、何回かの重合サイクル及びこれ
らの重合サイクルによる多くの処理工程のため長い製造
サイクルを必要とするか、穿孔機及び固定装置を提供す
る上で必要とされる別の特定の工具を必要とするかのい
ずれかであるので、長時間に亘る費用のかかる製造工程
を有する。
更に、金属チップを高圧複合材管に組み込むための別
の方法があるが、この方法では、複合材で作られた部材
の端部で例えば台形で一端に複合材補強ファイバを巻付
けた肩部を備えたチップを取り囲み、チップの他端に金
属部材を組立るための高圧コネクタを設ける。ダクトの
軸線に関する巻付け角度は50゜乃至60゜の範囲内で選択
される。これは複合材管の引張強度の低下を少なくし複
合材管の延びを少なくするために重要である。
〔発明の目的及び効果〕
本発明は、上述の周知のシステムに固有の欠点を解消
する金属チップ付き複合材料管の製造方法を提供するこ
とを目的とし、自動化できる僅かな取り扱い工程を必要
とするだけで金属製チップを複合材管に取付けることを
可能にする。
本発明の金属チップ付き複合材管の製造方法は、２つ
の円錐形部分を大径側で接合したダブルコーン状金属チ
ップをマンドレルの端部に隣接して配置する工程と、フ
ァイバをマンドレルおよび金属チップの長手方向に沿っ
てマンドレルおよび金属チップの回りに連続的に引き揃
えて配置し複合材管を形成する工程と、複合材料管を重
合処理する前に、周方向ファイバを長手方向ファイバを
直接覆い長手方向ファイバに結合するように設け、金属
チップの複合材管への取り付けを高め複合材管の伸びを
制限するるための補助手段を設ける工程とを有すること
を特徴とする。
（実施例） 以下本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第１図において、符号１は、複合材ファイバにより作
られる複合材管を示し、符号２は、複合材管１の内部に
配置される金属チップを示す。
上記金属チップ２は、２つの円錐形部分を大径側で接
合したダブルコーン状をなしている。すなわち、金属チ
ップ２は、外面を一端から最大外径Ｄまで漸次増大し最
大外径Ｄから他端に向かって漸次減少する形状である。
複合材管１と金属チップ２は、第１図に示すように、周
方向ファイバにより形成される連結組立体７により囲ま
れている。連結組立体７は、複合材管１の内部に配置さ
れる金属チップ２の外面が複合材管１の長さ方向ファイ
バに密着するように金属チップ２を長さ方向ファイバに
を固定保持する。そのため、連結組立体７は、金属チッ
プ２に加わる引張応力を楔効果により長さ方向ファイバ
に伝達する。連結組立体７の厚さは、挿入される金属チ
ップ２の円錐形状により生ずる半径方向応力に応じて決
められる。実際、金属チップ２に加わる引張応力は、複
合材管１を形成する長さ方向ファイバをずらすように作
用するが、金属チップ２がダブルコーン形状であるた
め、金属チップ２は複合材管１を形成する長さ方向ファ
イバ内に埋め込まれた状態を保持する。この楔連結の有
効性は、金属チップ２が自己楔効果を有するので、金属
チップ２が複合材管１から動こうとする時最大である。
複合材管１における引張応力を受ける長さ方向ファイ
バに関して、複合材管１を形成する長さ方向ファイバ
は、複合材管１の軸線に対して５゜乃至40゜の範囲の角
度で引き揃えられて配列される。複合材管１の主部は周
方向ファイバ６であってもよい。
上記金属チップ２は、図１に示すように、外面をねじ
面としたねじ部分11によって延長し、この延長したねじ
部分11により種々の複合材管１が互いに連結される。金
属チップ２のねじ部分11にリング８が螺合される。この
リング８に複合材管１の伸びを制限するための補助手段
が設けられる。この補助手段は、図１では、リング８の
外周面に配置された多数のスタッド９である。各スタッ
ド９は複合材管１の軸線に直角の面に対して傾いてい
る。スタッド９の傾きにより金属チップ２の複合材管１
への連結を容易に行うことができる。
複合材管１と金属チップ２を連結組立体７による連結
するには、先ず、リング８を設けた金属チップ２をマン
ドレル４の端部外面に装着し、金属チップ２に近い金属
チップ２で覆われていないマンドレル４の部分の回りに
エラストマーシールスキン５を巻付ける。
ついで、複合材管１を形成する長さ方向ファイバを、
リング８に取付けたスタッド９とマンドレル４の反対側
に設けた図示しないスタッドの間を往復するように連続
的に引き揃えた状態で金属チップ２とマンドレル４の外
面に配置する。長さ方向ファイバは、長さ方向ファイバ
により形成されるマットであってもよい。更に詳細に
は、長さ方向ファイバは、スタッド９に引っ掛けられて
そのスタッド９の周りを反転し金属チップ２とマンドレ
ル４の外面を軸線方向に沿って通り、マンドレル４の反
対側に設けた図示しないスタッドに引っ掛けられてその
スタッドの周りを反転し、リング８の引っ掛けられたス
タッド９に隣接するスタッド９に引っ掛けられ、そのス
タッド９の周りを反転しマンドレル４の反対側に設けた
図示しない上記スタッドに隣接するスタッドに引っ掛け
られてそのスタッドの周りを反転するように導かれる。
このようにして、長さ方向ファイバは、金属チップ２と
マンドレル４の両方の上を長さ方向に往復しながら引き
揃えられる。長さ方向ファイバは、１本のスタッドの周
り、又は密に隣接した２本のスタッドの周り、或いは密
に隣接していない２本のスタッドの周りを通すことがで
きる。長さ方向ファイバを密に隣接していない２本のス
タッドの周りを通す場合、長さ方向ファイバは、リング
８の上の周方向に延びる通路を通るので、金属チップ２
のねじ部分11は方向を反転する長さ方向ファイバにより
安定化される。上述のように、長さ方向ファイバにより
形成されるファイバ層は、周方向に巻かれるファイバを
有する連結組立体７によって金属チップ２上に連結され
る。そして、これら全体は、長さ方向ファイバに含浸す
る樹脂を硬化する重合処理を受けて完成品である複合材
管を形成する。
図１に示す実施例においては、補助手段を構成するス
タッド９は、製品の周方向に巻かれる連結組立体７内に
保持され、スタッド９の回りに巻き付けられる長さ方向
ファイバが応力を金属チップ２から連結組立体７へ伝達
する。
図２に示す別の実施例によれば、スタッド９は、図１
の実施例におけるリング８に設けられずに、金属チップ
２の端部2aに直接取付けられている。この場合、ねじ部
分11は金属チップ２の端部2aから延びている。図２に示
す実施例においては、図１に示す実施例と同様に、連結
組立体７は、複合材管１の硬化処理が完了する前にスタ
ッドの周りを通る長さ方向ファイバ層を結合するために
設けられている。変形例として、複合材管１に必要な性
能に従って複数のスタッド列を設けてもよい。スタッド
の周りに長さ方向ファイバを設けることにより、金属チ
ップ２を複合材管１に対して長さ方向に動かすことがで
きるという効果が得られる。この移動効果により楔連結
が高められ、複合材管１の全体の延びが適当な量に制限
される。この特徴は、複合材管を海底油田の試掘用管と
して使用した時、引張応力による破損を妨げることがで
きる安全継手を形成する。実際、スタッドを含む剛性継
手システムとダブルコーン状金属チップにより形成され
る弾性継手システムとの間の関連により、継手システム
の起こり得る破損は、まずスタッドのレベルで生ずる。
しかしながら、ダブルコーン状金属チップを有する自動
楔システムは、海底敷設管を保護するため、前記継手を
実質的に保持するように効率的である。この特徴は、い
わゆるフェイルセーフ安全システムを形成する。
図３に示す簡略化した実施例によれば、未硬化の複合
材料を切断したマットが、金属チップ２とマンドレル４
に配置され、金属チップ２のねじ部11からスタッドリン
グ８が取り外され、金属チップ２に複合材管１の伸びを
制限するための補助手段が設けられる。この補助手段は
ナット10であり、このナット10がねじ部11に沿って金属
チップ２の円錐部分の端に当たるまで前方に動かされ、
金属チップ２の端部は、ナット10により保持され挟持さ
れる。ついで、周方向ファイバの連結組立体７がマット
の周りに巻付けられる。最後に、複合材管１は、マット
に含浸された樹脂および連結組立体７の周方向ファイバ
に含浸された樹脂を重合により硬化することで適当な剛
性が与えられる。簡略化した実施例に関するこの特殊な
ケースでは、引張強度に関連した伸びは実質的に大き
く、この複合材管１の伸びは、複合材管１と金属チップ
２との間の楔効果によってのみ補償される。この場合、
図４に示すように、エポキシ接着剤層を設けたエラスト
マーシート３により金属チップ２と複合材料管１を結合
する。金属チップ２の複合材管１に対する相対移動は、
複合材管１の主部に設けられたエラストマー層５から延
びるエラストマーシート３の剪断変形により制限される
ことになる。
【図面の簡単な説明】
第１図は本発明により作られる金属チップ付き複合材管
の長さ方向部分断面図、第２図は本発明により作られる
金属チップ付き複合材管の変形例の長さ方向部分断面、
第３図は本発明により作られる金属チップ付き複合材管
の他の変形例の長さ方向部分断面、第４図は第１図に示
す金属チップ付き複合材管の変形例の長さ方向部分断面
図である。 １……複合材管、２……金属チップ、３……エラストマ
ーシート、４……マンドレル、５……エラストマー層、
７……連結組立体、８……リング、９……スタッド、10
……ナット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジャン‐フランソワ、フュシュ フランス国サント‐エレーヌ、ラ、ラン ド、211 (72)発明者 マルセル、オーベロン フランス国ル、アイアン、アレー、デ ュ、パストゥール、14、レジダンス、オ リオン (72)発明者 ピエール、オドル フランス国セーヌ／ボワ、フォントネ、 リュ、パブロ、ピカソ、７ (72)発明者 シャルル、スパルク フランス国ル、ベジネ、リュ、パストゥ ール 19ビス

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】２つの円錐形部分を大径側で接合したダブ
    ルコーン状金属チップをマントレルの端部近くに配置す
    る工程と、 長手方向ファイバを前記マンドレルおよび金属チップの
    長手方向に沿ってマンドレルおよび金属チップの２つの
    円錐形部分の回りに連続的に引き揃えて配置して複合材
    管を形成する工程と、 前記複合材管を重合処理して複合材管完成品を作る前
    に、前記長手方向ファイバを直接覆いかつ結合するため
    の周方向ファイバを設ける工程と、さらに、前記金属チ
    ップの複合材管への取り付けを高め複合材管の伸びを制
    限するための補助手段を設ける工程とを有することを特
    徴とする金属チップ付き複合材料管の製造方法。
  2. 【請求項２】前記長手方向ファイバは、前記複合材管の
    長手方向軸線に対して５度ないし40度の角度をなしてい
    ることを特徴とする請求項１に記載の金属チップ付き複
    合材料管の製造方法。
  3. 【請求項３】前記周方向ファイバは、前記複合材管の回
    りに直接巻き付けられることを特徴とする請求項１に記
    載の金属チップ付き複合材料管の製造方法。
  4. 【請求項４】前記補助手段は、前記金属チップのねじ部
    分に設けられるリングに周方向に沿って配置された複数
    のスタッドを有することを特徴とする請求項１に記載の
    金属チップ付き複合材料管の製造方法。
  5. 【請求項５】前記各スタッドは、前記金属チップの一端
    に周方向に沿って固定されることを特徴とする請求項４
    に記載の金属チップ付き複合材料管の製造方法。
  6. 【請求項６】前記各スタッドは、前記複合材管の長手方
    向軸線と直角な平面に対して傾いていることを特徴とす
    る請求項４または５に記載の金属チップ付き複合材料管
    の製造方法。
  7. 【請求項７】前記複数のスタッドは、前記金属チップの
    ねじ部分に複数列をなして配置されることを特徴とする
    請求項４に記載の金属チップ付き複合材料管の製造方
    法。
  8. 【請求項８】前記補助手段は、前記金属チップから延び
    る部分の周辺部に分配される複数のピンを有することを
    特徴とする請求項１に記載の金属チップ付き複合材料管
    の製造方法。
  9. 【請求項９】前記長手方向ファイバを前記マンドレルお
    よび金属チップの長手方向に沿って連続的に引き揃えて
    配置する工程より前に、前記マンドレルの回りにエラス
    トマーシールフィルムを巻き付けることを特徴とする請
    求項１に記載の金属チップ付き複合材料管の製造方法。
  10. 【請求項１０】前記長手方向ファイバを前記マンドレル
    および金属チップの長手方向に沿って連続的に引き揃え
    て配置して複合材管を形成する工程において、長手方向
    ファイバを、リング上で２つのスタッド間の周方向通路
    に沿うように、２つのスタッドの回りに巻き付けて戻る
    ことを特徴とする請求項４に記載の金属チップ付き複合
    材料管の製造方法。
  11. 【請求項１１】前記長手方向ファイバを前記マンドレル
    および金属チップの長手方向に沿って連続的に引き揃え
    て配置して複合材管を形成する工程において、連続的に
    引き揃えて配置した長手方向ファイバを金属チップのリ
    ングに近い部分で周方向に沿って切断し、長手方向ファ
    イバから分離されたリングを金属チップのねじ部分から
    取り外し、ナットを前記金属チップのねじ部分に前記金
    属チップの円錐部分端部に当接する位置まで螺入するこ
    とを特徴とする請求項４に記載の金属チップ付き複合材
    料管の製造方法。
  12. 【請求項１２】複合材管を形成する複合材料と前記金属
    チップとの間にエラストマー製薄箔を設けることを特徴
    とする請求項１に記載の金属チップ付き複合材料管の製
    造方法。
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