JP3065143U - 蒔絵人形 - Google Patents

蒔絵人形

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JP3065143U
JP3065143U JP1999004596U JP459699U JP3065143U JP 3065143 U JP3065143 U JP 3065143U JP 1999004596 U JP1999004596 U JP 1999004596U JP 459699 U JP459699 U JP 459699U JP 3065143 U JP3065143 U JP 3065143U
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doll
lacquer
hair
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soybean paste
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JP1999004596U
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Inventor
稔 大向
Original Assignee
株式会社 大向高洲堂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蒔絵人形の人形本体のひび割れ防止と頭髪の外
見を向上させる。 【解決手段】おがくずとのりとの混合物で成形した人形
本体1の表面に漆を塗布し、その上に蒔絵を施した蒔絵
人形において、おがくずとしては桐粉を、のりとしては
しょうふのりを用い、混合比率は桐粉55乃至65重量
%に対してしょうふのり35乃至45重量%とする。人
形本体1の頭髪3の材料としては人毛または生糸を用い
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、人形本体の表面に漆を塗布した後、その上に蒔絵を施した置物用の 蒔絵人形に関する。
【0002】
【従来の技術】
室内の装飾用または置物用として用いる人形の一種として蒔絵人形がある。こ の蒔絵人形は、一般に、おがくずとのりとの混合物を成形型に流し込み、乾燥さ せることにより成形した人形本体の表面に漆を塗布し、その上に蒔絵を施すこと により、つくられている。
【0003】 この蒔絵人形においては、その要部となる衣装や頭部の形成に際しては、高い 芸術性が要求される。すなわち、これらの各部位を形成する技術とその使用部材 は伝統工芸的要素が高く、しかも、その製作過程は職人技に頼る部分が多いもの であるため、より一層の高級感が人形全体に与えられている。
【0004】 特に、人形本体の頭部は、看者に対して、調度用人形としての品格と価値観を 表現する重要な部分であり、その中でも頭部に植毛する頭髪材料はその選択材料 によって人形全体の価値を左右する重要な要素となっている。
【0005】 近年では、この頭髪材料として人毛に似せたコストの安い化学繊維を素材とし た頭髪が多く用いられるようになってきている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
これまで、置物用の蒔絵人形本体の成形材料としては、一般に廃材としてのお がくずに適当な割合ののりを混合したものが用いられてきた。この混合物を成形 型に流し込み、乾燥させることによって、人形本体が成形される。
【0007】 人形本体の材料として用いるおがくずとのりは、その混合比率によっては、人 形を設置する周囲の温度や湿度その他の環境条件に影響され、経年変化により、 人形本体にひび割れが生ずるという問題点を内在している。
【0008】 それとともに、人形本体の頭部に植毛する頭髪には主として安価な化学繊維が 用いられているため、静電気の帯電により塵埃が付着しやすく、また、光沢に関 しても、人毛のような艶やさを長期間保持できないという難点がある。このため 、従来の人形においては、時間の経過とともに、人形としての品格と価値観が退 化するという問題があった。
【0009】 本考案はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、長期間保存しても人 形本体がひび割れを生ずることがなく、かつ、長期間光沢を保持することができ る材料からなる頭髪を有する蒔絵人形を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本考案は、おがくずとのりとの混合物で成形した人 形本体の表面に漆を塗布し、その上に蒔絵を施した蒔絵人形において、おがくず は桐粉であり、のりはしょうふのりであり、混合物は55乃至65重量%の桐粉 と35乃至45重量%のしょうふのりとからなり、人形本体の頭髪材料は人毛ま たは生糸を用いて形成したことを特徴とする蒔絵人形を提供する。
【0011】 本考案者は、長期間使用してもひび割れを生ずることのないおがくずとのりと の組み合わせとしては、桐粉としょうふのりとの組み合わせが最上の組合わせで あり、この組み合わせにおいては、上記の混合比率が最も好ましいことを見出し た。上記の混合比率からなる桐粉としょうふのりとの組み合わせからつくられた 人形本体は適度の粘度と強度とを保持することができ、長期間使用してもひび割 れを生ずることがない。
【0012】 また、頭髪材料として人毛又は生糸を用いることにより、化学繊維からなる頭 髪と比較して、より長期間にわたって光沢を維持することが可能になる。
【0013】
【考案の実施の形態】
図1及び図2に本考案の一実施形態に係る蒔絵人形を示す。図1は本実施形態 に係る蒔絵人形の正面図であり、図2は側面図である。
【0014】 図1において、蒔絵人形の人形本体1は、桐材をおがくず状に粉砕した桐粉と しょうふのりとの混合体を成形型(図示せず)に流し込み、これを自然乾燥また は乾燥機により十分に乾燥させた後、その表面に寒冷紗(カンレイシャ)と呼ば れる綿布を貼り付けたものからなる。
【0015】 人形本体1を構成する桐粉としょうふのりとの混合比率は、桐粉が55乃至6 5重量%に対して、しょうふのりが35乃至45重量%である。この混合物から 人形本体を成形する際の条件、例えば、温度、水の量などを定量的に定めること より、成形後の人形本体1は適切な粘度と強度とを保持することができ、長期間 使用してもひび割れを生ずることがなくなる。
【0016】 なお、しょうふのりとは、小麦粉からグルテンを除去したものに水を混合し、 その混合物を煮込むことにより得られるのりをいう。
【0017】 このようにして成形した人形本体1の綿布の上にケヤキの粉を含有した惣身漆 を塗布し、その上に珪藻土を蒸し焼きにした細かい粉(「地の粉」と呼ばれる) を数回蒔く。その後、その表面に刷毛で漆の下塗りを行い、さらに、数回の上塗 りを繰り返した後、自然乾燥または乾燥機により十分に乾燥させる。その後、人 形本体1の表面に蒔絵を描き、装飾工程が完了する。
【0018】 図1及び図2に示すように、人形本体の頭部2には、頭髪3と冠4ならびに横 串5が取り付けられている。この頭部2に用いる頭髪3は、従来のナイロンまた はポリプロピレン系の化学繊維に代えて、人毛を漆黒に染めたベラと呼ばれる材 料からつくられている。このため、頭髪3は、化学繊維からなる頭髪と比較して 、艶があり、かつ、より長期間にわたって、光沢を失わない。
【0019】 頭髪3に人毛を用いることにより、人形本体1は、単なる造形的物体としてだ けでなく、より現実的に人間本来の姿に近づけたリアリティのある人形として、 看者に対して従来以上の品格と高級感を与える役割を果たす。
【0020】 冠4と横串5は麻または竹糸を材料として作られており、その表面には漆塗り が施されている。これにより、人形本体1に施した漆塗りと、その上に描いた蒔 絵と、頭髪3として用いたベラとが調和し、人形全体にさらなる品格と高級感を 与えている。
【0021】 なお、頭髪3としては、ベラの代わりに、生糸を黒く染めたスガと呼ばれる材 料からつくることもできる。
【0022】 スガは、一般に用いられるナイロン系の化学繊維からなる頭髪に比べ、繊維と してのきめ細かさを有している。さらに、生糸本来の光沢に起因して、スガの外 観は化学繊維よりも艶やかさがある。
【0023】 本考案者は、桐粉としょうふのりとの適切な混合比率を決定するために、以下 のような実験を行い、適切な混合比率として、桐粉55乃至65重量%に対して 、しょうふのり35乃至45重量%という混合比率を見出すに至った。
【0024】 本考案者は、人形本体1を長期間使用したときにひび割れを生じるか否かを見 極めるために、人形本体1を摂氏250度に維持された炉内に置き、ひび割れが 生じるまでの時間数を計測し、その時間数によって、人形本体1の良否を決定し た。
【0025】 人形本体1としては、以下の混合比率からなるものを作成し、それぞれ摂氏2 50度に維持された炉内に置き、ひび割れが生じるまでに要する時間数を計測し た。20時間経過しても、ひび割れが生じない人形本体を良品、20時間経過前 に、ひび割れが生じたものを不良品と判定した。
【0026】 実験に使用した人形本体1における桐粉としょうふのりの混合比率、実験結果 並びに判定結果は次の通りである。
【0027】 試料番号 桐粉 しょうふのり ひび割れまでの時間 判定結果 1 30 70 10.5 不良 2 40 60 13.2 不良 3 50 50 17.5 不良 4 55 45 22.5 良 5 60 40 23.0 良 6 65 35 21.9 良 7 70 30 18.5 不良 8 75 25 15.5 不良 以上の実験結果から、桐粉としょうふのりとの適切な混合比率は桐粉55乃至 65重量%に対してしょうふのり35乃至45重量%であることが判明した。
【0028】 本考案に係る蒔絵人形はこの実験結果に基づいて人形本体を成形したものであ る。
【0029】
【考案の効果】
本考案によれば、人形本体は、考案者が実験によって見出した最適の混合比率 からなる桐粉としょうふのりとの組み合わせからつくられる。この人形本体は適 度の粘度と強度とを保持することができるため、長期間使用してもひび割れを生 ずることがない。
【0030】 また、頭髪材料として人毛又は生糸を用いることにより、化学繊維からなる頭 髪と比較して、より長期間にわたって光沢を維持することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施形態に係る蒔絵人形の正面図で
ある
【図2】図1に示した蒔絵人形の側面図である。
【符号の説明】
1 人形本体 2 頭部 3 頭髪 4 冠 5 横串

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 おがくずとのりとの混合物で成形した人
    形本体の表面に漆を塗布し、その上に蒔絵を施した蒔絵
    人形において、 前記おがくずは桐粉であり、前記のりはしょうふのりで
    あり、前記混合物は55乃至65重量%の桐粉と35乃
    至45重量%のしょうふのりとからなり、前記人形本体
    の頭髪材料は人毛または生糸を用いて形成したことを特
    徴とする蒔絵人形。
JP1999004596U 1999-06-24 1999-06-24 蒔絵人形 Expired - Lifetime JP3065143U (ja)

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JP1999004596U JP3065143U (ja) 1999-06-24 1999-06-24 蒔絵人形

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