JP3065083B2 - 自動販売機の制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、自動販売機（以
下、自販機という）における照明装置を制御する自販機
の制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、自販機の商品見本陳列棚や広告板
には照明用の蛍光灯が設置され、周囲の明るさに応じて
点灯・消灯制御されている。このような制御では、例え
ば、点灯・消灯切替えの明るさの基準値をあらかじめ自
販機内に設定登録しておき、自販機周囲の明るさをフォ
トセンサなどで検出し、検出された明るさと設定基準値
とを比較して蛍光灯の点灯・消灯を行う装置が知られて
いる。また通常、自販機の周囲が暗くなったとき、屋外
設置の自販機では蛍光灯を点灯し、屋内設置の自販機で
は消灯するように設定している。さらに、屋外設置の自
販機を屋内設置用として使用する場合は、屋内設置時の
点灯・消灯切替え基準値として、屋外設置用の基準値を
そのまま流用している。

【０００３】図５は、上述した従来の照明用の制御装置
の概要図である。この装置の動作は屋外設置の自販機に
ついては次のとおりである。フォトセンサ２により検出
された自販機周囲の明るさが、屋外用フォトセンサ検出
値テーブル３にあらかじめ記憶された明るさの基準値、
例えば「夜６時の明るさ」以下になったら、主制御部１
は蛍光灯制御部６を介して蛍光灯７を点灯し、周囲の明
るさが上記基準値を超えれば消灯する。また、この自販
機を屋内設置用として使う場合は、点灯・消灯切替えの
基準値はそのままとし、上述したように点灯・消灯条件
が屋外設置のときとは逆になるようにキーボード８で切
り替える。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の照明制御用の制
御装置には次の問題がある。このため、例えば、屋外設
置の自販機の点灯・消灯基準値が「夜６時の明るさ」に
相当する基準値であったとすると、この自販機を屋内設
置用に置き換えたとき、もともと屋内での自販機周囲の
明るさが屋外設置用の基準値「夜６時の明るさ」より暗
いと、蛍光灯が点灯しないおそれがあった。

【０００５】図４はこの状況の一例を示す図である。上
段の図で、横軸は時間、縦軸は自販機周囲の明るさを示
す。曲線Ａ，Ｂはそれぞれ屋外設置と屋内設置の自販機
の、時間経過に対する周囲の明るさ推移の一例である。
直線Ｃは蛍光灯を点灯・消灯させる基準値を示す。ここ
では基準値を「夜６時の明るさ」としている。

【０００６】図４の中段と下段の図は、上記の周囲の明
るさに対応した各時刻に対する蛍光灯の点灯（ＯＮ）・
消灯（ＯＦＦ）状態を示す。屋外設置の自販機では、例
えば、夜に近づくにつれ周囲の明るさが暗くなり、夜６
時の明るさになると（図４の上段の図のＰ１）、蛍光灯
が点灯し（図４の中段の図のＴ１）、深夜に明るさが最
少となり（図４の上段の図のＰ２）、朝方になると夜６
時の明るさに戻るので（Ｐ３）、蛍光灯が消灯する（図
４の中段の図のＴ３）。この蛍光灯ＯＦＦ状態は明るさ
が「夜６時の明るさ」になるまで継続する。 そこで、
この自販機を点灯・消灯基準値はそのまま（直線Ｃ）、
屋内設置の自販機として使用すると、屋内の明るさは曲
線Ｂなので、常時、基準値（直線Ｃ）よりも暗い。した
がって、蛍光灯は消灯(ＯＦＦ)したままとなってしまう
（図４の下段の図）。

【０００７】このような不都合が発生するのは、上述し
たように、点灯・消灯の切替え基準値を、屋外設置と屋
内設置の自販機に対し同一としているからである。この
発明の課題は、屋外設置と屋内設置の自販機に対し、そ
れぞれに適切な点灯・消灯の明るさ基準が切り替えられ
ることである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】発明１による自販機の制
御装置は、設置場所の明るさに応じて照明を点灯消灯す
る自動販売機の制御装置において、設置場所の明るさを
検出する明るさ検出手段と、第１の点灯消灯切替え基準
値を格納する第１基準値テーブルと、第１の基準値とは
異なる第２の点灯消灯切替え基準値を格納する第２基準
値テーブルとを少なくとも備え、設置状態に応じて、第
１基準値テーブルと第２基準値テーブルとを切り換える
手段とを備えたことにより、設置場所に適した適切な点
灯消灯の明るさ基準が切り替わる。

【０００９】具体的には、上記発明１において、第１基
準値テーブルは、屋外設置時の点灯消灯切替え基準値を
格納する屋外設置基準値テーブルであり、第２基準値テ
ーブルは、屋内設置時の点灯消灯切替え基準値を格納す
る屋内設置基準値テーブルであり、屋外設置のときは屋
外設置基準値テーブルの基準値により、屋内設置のとき
は屋内設置基準値テーブルの基準値により照明を点灯消
灯する。

【００１０】これにより、屋外または屋内設置に対し点
灯消灯の基準値が、それぞれ屋外設置基準値テーブルと
屋内設置基準値テーブルとに切り替わるので、屋外また
は屋内それぞれに適切な点灯消灯の明るさ基準が切り替
わる。

【００１１】発明２による自販機の制御装置は、発明１
の制御装置において、屋外設置時は、明るさ検出手段に
よる明るさが屋外設置基準値テーブルに格納された基準
値以下のとき照明を点灯するとともに、屋内設置時は、
明るさ検出手段による明るさが屋内設置基準値テーブル
に格納された基準値を超えたとき点灯する。これによ
り、屋外または屋内用のそれぞれに適切な点灯消灯が行
われる。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１は、この発明の一実施の形態
を示す構成図である。１は自販機全体を制御する主制御
部であり次の機器が接続される。すなわち、自販機周囲
の明るさを検出するためのフォトセンサ２と、蛍光灯の
点灯・消灯の切替え基準を記憶した屋外用フォトセンサ
検出値テーブル３（第１基準値テーブル）および屋内用
フォトセンサ検出値テーブル４（第２基準値テーブル）
とで構成される一体表示器５、蛍光灯制御部６により点
灯・消灯制御される蛍光灯７、自販機の屋外・屋内用を
切り替えるためのキーボード８である。なお、屋外およ
び屋内用フォトセンサ検出値テーブルは、例えば、それ
ぞれの点灯・消灯切替え基準に対して、「早めに点け
る」「遅めに点ける」などの条件をキーボードから設定
入力できる。

【００１３】図２は、この発明による制御装置の主要動
作を示すフローチャートである。図１を参照して動作を
説明する。まず、あらかじめキーボード８により自販機
の設置場所に対応して、屋内設置か屋外設置かを設定入
力し、主制御部１の記憶部（図示していない）に記憶さ
せておく。自販機主制御部１はまず、この設置場所が屋
内設定かどうかを判断し（ステップＳ１）、屋内なら
（分岐Ｙ）一体表示器５の屋内用フォトセンサ検出値テ
ーブルから蛍光灯切替え基準値を読み出し（ステップＳ
２）、フォトセンサ２の明るさ検出値に基づき消灯条件
かどうか（ここでは、蛍光灯を消灯するのかどうか）を
判断する（ステップＳ３）。すなわち、前述したよう
に、屋内設置なので、フォトセンサが検出した明るさが
基準値以下かどうかを判断する。消灯（基準値以下）な
ら（分岐Ｙ）蛍光灯を消灯し（ステップＳ４）、点灯
（基準値を超える）なら（分岐Ｎ）蛍光灯を点灯する
（ステップＳ５）。

【００１４】同様に、ステップＳ１で屋外設定のときは
（分岐Ｎ）、屋外用フォトセンサ検出値テーブルから基
準値を読み出し（ステップＳ６）、フォトセンサ２の明
るさ検出値から点灯条件かどうかを判断する（ステップ
Ｓ７）。点灯（基準値以下）なら（分岐Ｙ）蛍光灯を点
灯し（ステップＳ８）、消灯（基準値を超える）なら
（分岐Ｎ）蛍光灯を消灯する（ステップＳ９）。

【００１５】図３は、この発明による、自販機周囲の明
るさの時間推移に対応した蛍光灯の点灯・消灯状態の一
例を示す図である。図３の上段の図において、曲線Ａは
屋外設置の場合の明るさの推移、曲線Ｂは屋内設置の場
合の明るさの推移、直線Ｃは屋外設置時の蛍光灯点灯条
件（ここでは夜６時に点灯）、直線Ｄは屋内設定時の蛍
光灯消灯条件（ここでは夜５時）を示す。

【００１６】屋外設置時には、曲線Ａが屋外用設置時の
切替え基準値「夜６時」（直線Ｃ）以下となると蛍光灯
が点灯する（図３の中段の図）。この自販機を屋内設置
すると、明るさの推移は曲線Ｂになるが、ここで従来は
蛍光灯の点灯・消灯切替え基準値を屋外設置と同じ直線
Ｃとしていたためもともと消灯条件を満たしてしまい蛍
光灯が点灯しなかった。しかし、この発明では、屋内設
置時には基準値「夜５時」（曲線Ｄ）に切り替えられる
ので、周囲の明るさがこの基準値を超える期間、例え
ば、図３の下段のＱ１からＱ２の期間では蛍光灯が点灯
する。

【００１７】以上の動作により、屋外設置と屋内設置の
自販機に対して、それぞれフォトセンサ検出値テーブル
を持たせて切り替えるようにしたので、屋外屋内いずれ
の設置場所でも適切な明るさの基準により蛍光灯を点灯
・消灯できる。

【００１８】

【発明の効果】この発明によれば、異なる照明の点灯消
灯の切替え基準値を格納する第１，２の基準値テーブル
とを備え、具体的には屋外および屋内設置に対応した照
明の点灯消灯切替え基準値を格納するテーブルをそれぞ
れ設けておき、屋外または屋内設置条件に対応して基準
値を切り替えるので、屋外・屋内のそれぞれに適切な点
灯消灯の明るさ基準を切り替えることができる。

【００１９】したがって、屋外設置の自販機を屋内設置
としたとき、屋内が暗いために照明を点灯できないとい
うことがなくなり、設置条件に応じてきめ細かな照明の
点灯消灯制御ができるようになる。

【００２０】また、屋外設置時には明るさが屋外設置の
点灯消灯切替え基準値以下になったとき照明を点灯し、
屋内設置時には明るさが屋内設置の基準値を超えたとき
点灯するようにすれば、屋外・屋内用のそれぞれに適切
な点灯消灯が行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施の形態を示す構成図

【図２】図１の発明に基づく動作を示すフローチャート

【図３】この発明適用時の点灯消灯タイミングの例を示
す図

【図４】従来の点灯消灯タイミングの例を示す図

【図５】従来の制御装置の概要図

【符号の説明】

１…主制御部、２…フォトセンサ、３…屋外用フォトセ
ンサ検出値テーブル、４…屋内用フォトセンサ検出値テ
ーブル、５…一体表示器、６…蛍光灯制御部、７…蛍光
灯、８…キーボード。

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】設置場所の明るさに応じて照明を点灯消灯
   する自動販売機の制御装置において、 設置場所の明るさを検出する明るさ検出手段と、 第１の点灯消灯切替え基準値を格納する第１基準値テー
   ブルと、第２の点灯消灯切替え基準値を格納する第２基
   準値テーブルとを少なくとも備え設置状態に応じて、第
   １基準値テーブルと第２基準値テーブルとを切り換える
   手段とを備えたことを特徴とする自動販売機の制御装
   置。
2. 【請求項２】請求項１記載の制御装置において、 第１基準値テーブルは、屋外設置時の点灯消灯切替え基
   準値を格納する屋外設置基準値テーブルであり、 第２基準値テーブルは、屋内設置時の点灯消灯切替え基
   準値を格納する屋内設置基準値テーブルであることを特
   徴とする自動販売機の制御装置。
3. 【請求項３】請求項２記載の制御装置において、 屋外設置時は、明るさ検出手段による明るさが屋外設置
   基準値テーブルに格納された基準値以下のとき照明を点
   灯するとともに、屋内設置時は、明るさ検出手段による
   明るさが屋内設置基準値テーブルに格納された基準値を
   超えたとき点灯することを特徴とする自動販売機の制御
   装置。