JP3064893U - 畜糞塊破砕装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】蓄糞の発酵を迅速化させて、高い付加価値を持
つ堆肥の製造を簡単に行うことができる畜糞塊破砕装置
を提供する。 【解決手段】機体１に、上部に蓄糞ｂの投入体７を有す
る収容槽２を設け、該収容槽２の底部２ｂにおいてその
一側から他側にわたって複数の撹拌手段３を横架させ、
収容槽２の他側には蓄糞ｂの送出体４を設け、この送出
体４内に蓄糞ｂを破砕する粉砕手段５を設けると共に、
送出体４において粉砕手段５の下側に排出口６を設け
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、堆積状態の蓄糞を簡単かつ、後処理を良好に行うことができる畜糞 塊破砕装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、畜産農家にあって、日々排出される蓄糞は、その都度堆肥舎に堆積して おくことが一般的である。この堆積した蓄糞は所定の発酵を施すことで、脱臭効 果や良好な堆肥となるため、この蓄糞の発酵を促進させるためには、新鮮空気を 圧送しながら、機械的に堆積層を切り返して、撹拌・混合したり、上下を入れ替 える作業を頻繁に行う必要がある。

【０００３】 しかしながら、この切り返し作業は、時間と手間が掛かるために、蓄糞に対し て十分な発酵を与えることができない。また、この作業を機械化および自動化す るには、大掛かりで高価な処理装置や施設が必要となって、十分に利用すること ができない。等の問題点を有するものであった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、前記した問題点を解決するためになされたもので、機体に、上部に 蓄糞の投入体を有する収容槽を設け、該収容槽の底部においてその一側から他側 にわたって撹拌手段を横架させ、収容槽の他側には蓄糞の送出体を設け、この送 出体内に蓄糞を破砕する粉砕手段を設けると共に、送出体において前記粉砕手段 の下側に排出口を設けることにより、蓄糞の発酵を迅速化させて高い付加価値を 持つ堆肥の製造を簡単に行うことができる畜糞塊破砕装置を提供することを目的 としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記した目的を達成するための本考案の手段は、 機体と、この機体に設けて上部に蓄糞の投入体を有する収容槽と、該収容槽の 底部において、その一側から他側にわたって横架させた撹拌手段と、前記収容槽 の他側に設けた蓄糞の送出体と、この送出体内に設けて蓄糞を破砕する粉砕手段 と、前記送出体において前記粉砕手段の下側に設けた排出口とを備えさせ畜糞塊 破砕装置の構成にある。

【０００６】 そして、 機体と、この機体に設けて上部に蓄糞の投入体を有する収容槽と、該収容槽の 底部においてその一側から他側にわたって横架させた撹拌手段と、前記収容槽の 他側に設けた蓄糞の送出体と、この送出体内に設けて蓄糞を破砕する粉砕手段と 、前記送出体において前記粉砕手段の下側に設けた排出口とを備えさせ、 前記撹拌手段は、その羽根が干渉しないように並設した二組以上のスクリュー 体であり、 前記収容槽の底部は、二組のスクリュー体の羽根外形に倣う弧状に形成して、 前記羽根に対して所定の隙間をもって設けられてあり、 前記粉砕手段は、前記撹拌手段の蓄糞移送方向と略直交するようにその回転軸 を取り付け、該回転軸の周部に間隔的に多数のほぐし体を放射状に突設させた畜 糞塊破砕装置の構成にある。

【０００７】

【実施例】

次に、本考案に関する畜糞塊破砕装置の一実施例を図面に基づいて説明する。 図１〜図２においてＡは畜糞塊破砕装置で、堆積されて塊状となった蓄糞ｂを 所定粒度に粉砕して、良好な発酵が行われるようにするもので、機体１と、収容 槽２と、撹拌手段３と、送出体４と、粉砕手段５と、排出口６とにより基本的に 構成される。

【０００８】 前記した収容槽２は、四方の壁となる周側部２ａ，２ａ，２ａ，２ａと底部２ ｂを有する横長に形成してあって、機体１に取り付けてあり、その上部に蓄糞ｂ を供給する投入体７を設けてあり、全体をなだらかな漏斗状に形成することが好 ましい。

【０００９】 前記した撹拌手段３は、収容槽２の底部２ｂにおいて、その一側から他側にわ たって横架させてあって、複数、例えば、二組以上を並設してあるもので、この 収容槽２内に供給された蓄糞ｂは、該一側から他側へ向かって搬送されるもので あり、また、良好な組み合わせは、図３に示すように、その羽根３ａが干渉しな いように並設した二組のスクリュー体８，８であるもので、このものは、小型に 形成できて、処理能力も高い。

【００１０】 この二組のスクリュー体８，８は、機体１に設けたモータとチェーン等からな る駆動手段９により、互いに内方へ向くように所定速度で、例えば、５〜４０ｒ ｐｍで回転するもので、図３に示すように、互いの羽根３ａ，３ａは、その向き が、１８０度の位相差をもって駆動軸に取り付けられている。

【００１１】 更に、収容槽２の底部２ｂは、図３に示すように、二組のスクリュー体８，８ の羽根３ａ，３ａの外形（外径）に倣う同心円状の弧状に形成して、羽根３ａ， ３ａに対して所定の隙間ｔをもって設けられていることで、この撹拌手段３によ る蓄糞ｂの搬送にあって、二組のスクリュー体８，８の間に該蓄糞ｂが停滞して 次第に固まる悪現象（根を張る）が解消される。

【００１２】 前記した送出体４は、蓄糞ｂの搬送下流側である収容槽２の他側に設けて、所 定に撹拌され、かつ、新鮮空気に触れた蓄糞ｂを送り出すもので、収容槽２の底 部２ｂより低い位置に設けられる。

【００１３】 前記した粉砕手段５は、送出体４内に設けて蓄糞ｂを破砕するもので、撹拌手 段３の蓄糞ｂの移送方向と略直交するように、その回転軸１０を、機体１若しく は送出体４に取り付け、該回転軸１０の周部におけるドラム１１に、図４に拡大 して示すように、間隔的に多数のほぐし体１２を放射状に突設させてあり、この 回転軸１０を、モータ等の回転手段１３により、例えば、１５００〜２５００ｒ ｐｍにより一方向へ連続回転させることで、送出体４内および蓄糞ｂの全体へ、 新鮮空気を触れさせると共に、送出体４内において比較的細かい粒度に処理され る。 なお、このほぐし体１２は、ドラム１１に対して、順次取付位置を変えたスパ イラル状に設けることもある。

【００１４】 更に、この粉砕手段５は、送出体４の内壁において、回転軸１０に対して水平 対応位置に、突条体４ａを付設してあって、送出体４の内壁ほぐし体１２との間 にできる隙間を埋めて、未破砕の蓄糞ｂの落下を防止すると共に、回転軸１０方 向への蓄糞ｂの流動案内を行って円滑かつ確実な破砕処理が行われるようにして ある。

【００１５】 前記した排出口６は、送出体４において粉砕手段５の下側に設けてあって、所 定粒度になった蓄糞ｂが自然落下により送り出されるもので、この排出口６の下 側に送出コンベア１４を対設しておけば、連続的に蓄溜部（図示せず）へ送られ る。

【００１６】 図１および図２において１４は、収容槽２の他側における周側部２ａ上部より 垂下させた遮蔽板で、内方へ向かって下り傾斜となるように取り付けてあるもの で、投入体７に蓄糞ｂが供給された際に、直接、送出体４へ該蓄糞ｂが投入され てそのまま取り出される不都合を防止する。

【００１７】 したがって、前記のように構成される本考案実施例の畜糞塊破砕装置Ａは、以 下に述べる作用を奏する。 収容槽２の上部に設けた投入体７から、牛糞や豚糞等の塊状やだんご状となっ た蓄糞ｂを供給して、該収容槽２内の撹拌手段３を作動させると、底部２ｂに達 した蓄糞ｂは、撹拌手段３における二組のスクリュー８，８の羽根３ａ，３ａに より撹拌されつつ、ほぐされる。

【００１８】 この撹拌と混合作用により、蓄糞ｂに対して適度な新鮮空気が供給されて、該 蓄糞ｂの発酵が促進される。 このとき、蓄糞ｂは、その水分含水量が６５％以下に水分調整されていること が望ましい。

【００１９】 そして、スクリュー８，８により収容槽２の一側から他側へ向かって移送され る蓄糞ｂは、その移送終端部において送出体４へ送り込まれる。

【００２０】 すると、この送出体４において、蓄糞ｂが粉砕手段５によりより撹拌されつつ 破砕されるもので、該粉砕手段５は、ドラム１１の周囲に突設した多数のほぐし 体１２が万遍なく蓄糞ｂ内部まで切り込み、その粒度は、細かくさらさら状とな ると共に、更に、この送出体４においても新鮮空気との接触が得られて良好な発 酵の促進がなされる。

【００２１】 これにより、従来、切り返し等の作業を人手に頼っていたものが、ほとんど機 械化により行われ、しかも自動的に処理されるため、蓄糞処理の作業に要する労 力が大幅に軽減された。

【００２２】 また、蓄糞に対する発酵日数も短縮されて、従来、停滞気味であった蓄糞処理 が迅速かつ円滑に行うことができて、処理されたものは細かい粒度となって、後 の堆肥処理もきわめて容易で扱い易くなると共に、堆肥となったときの品質も大 幅に向上した。

【００２３】

【考案の効果】

前述のように構成される本考案は、収容槽の投入体から連続または間欠的に蓄 糞を供給するだけで、撹拌とほぐし，粉砕が行われて、自動的に塊状の状態から 細かい粉粒状となるため、労力が削減されて、しかも、蓄糞の発酵が大幅に促進 されてその発酵日数が短縮されると共に、堆肥となったときの品質が向上し、ま た、粉粒状の蓄糞は、その後の処置が容易となり、扱い易くなる。 等の格別な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に関する畜糞塊破砕装置の一実施例を示
す縦断正面図である。

【図２】図１における平面図である。

【図３】図１における収容槽と撹拌手段との関係位置を
示す説明図である。

【図４】図１における送出体と粉砕手段との関係位置を
示す説明図である。

【符号の説明】

Ａ 畜糞塊破砕装置 ｂ 畜糞 １ 機体 ２ 収容槽 ２ａ 底部 ３ 撹拌手段 ３ａ 羽根 ４ 送出体 ５ 粉砕手段 ７ 投入体 ６ 排出口 ８ スクリュー体 １０ 回転軸 １２ ほぐし体

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 機体と、この機体に設けて上部に蓄糞の
   投入体を有する収容槽と、該収容槽の底部においてその
   一側から他側にわたって横架させた撹拌手段と、前記収
   容槽の他側に設けた蓄糞の送出体と、この送出体内に設
   けて蓄糞を破砕する粉砕手段と、前記送出体において前
   記粉砕手段の下側に設けた排出口とを備えさせたことを
   特徴とする畜糞塊破砕装置。
2. 【請求項２】 機体と、この機体に設けて上部に蓄糞の
   投入体を有する収容槽と、該収容槽の底部においてその
   一側から他側にわたって横架させた撹拌手段と、前記収
   容槽の他側に設けた蓄糞の送出体と、この送出体内に設
   けて蓄糞を破砕する粉砕手段と、前記送出体において前
   記粉砕手段の下側に設けた排出口とを備えさせ、 前記撹拌手段は、その羽根が干渉しないように並設した
   二組以上のスクリュー体であり、 前記収容槽の底部は、二組のスクリュー体の羽根外形に
   倣う弧状に形成して、前記羽根に対して所定の隙間をも
   って設けられてあり、 前記粉砕手段は、前記撹拌手段の蓄糞移送方向と略直交
   するようにその回転軸を取り付け、該回転軸の周部に間
   隔的に多数のほぐし体を放射状に突設させたことを特徴
   とする畜糞塊破砕装置。