JP3064624B2 - 電気掃除機の吸込具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電気掃除機の吸込具アジ
テータ回転制御に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年アジテータを強制的に回転させ、じ
ゅうたん等の掃除を有効に行う電気掃除機の吸込具が主
流となってきている。

【０００３】従来この種の吸込具は、特開平２−７９２
３号公報に示すような構成が一般的であった。以下その
構成について説明する。

【０００４】図１（実施例と共用）および図５におい
て、吸込具本体１は、吸込具下部２と吸込具上部３とに
より形成され、前部に吸込口４を有し後部にアーム９を
Ａ・Ｂ方向にスライドできるよう設け、アーム９は、掃
除機本体８とホース７，取手部６，延長管５を介して接
続させている。吸込口４内には、回転自在にアジテータ
１２を有し、アジテータ１２は、ベルト１１を介して駆
動用モータ１０により回転する。駆動用モータ１０は、
作業者が、取手部６をＡ方向に押す力が加わると、アー
ム９がＡ方向にスライドし、切替スイッチ１３が前進方
向に入り、駆動用モータ１０は、アジテータ１２を、Ａ
方向に対してころがる方向に回転させる。

【０００５】また、作業者が取手部６を、Ｂ方向に押す
力を加えると、アーム９がＢ方向にスライドし、切替ス
イッチ１３が後進方向に入り、駆動用モータ１０は、ア
ジテータ１２をＢ方向にころがる方向に回転させる。吸
込具本体１はアジテータ１２の回転力により駆動させる
力をあたえられる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、切替スイッチ１３の動作は、じゅうたん
等床面で作業者が吸込具本体１を動かそうとする力のみ
に動作するようになっており、作業中に作業者が吸込具
本体１を、じゅうたん等床面より空中に移動した時、ア
ジテータ１２は、じゅうたん等床面で回転していた方向
のまま回転を続ける。例えば作業者が、じゅうたん等床
面を後方に向かって操作している時吸込具本体１を空中
に移動し、再びじゅうたん面に移動した時には、吸込具
本体１は、アジテータ１２の回転力により後方に進もう
としているが、作業者の多くは作業開始時の吸込具本体
１の進行方向は前方に向かって進む方向から始めること
が多く、後方に進もうとしている吸込具本体１を、前方
に移動させる時、切替スイッチ１３が前方の位置に切り
替わるまでは、吸込具本体１は、作業者の操作方向に対
して逆に移動しようとしているので、移動方向の変化時
には、切替スイッチ１３が切り替わるまでの間、吸込具
本体１を移動させるために大きな力が必要となり、操作
方向反転時の、つっかかり感があるという問題点を有し
ていた。

【０００７】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、小型で操作時の操作方向反転時の、つっかかり感を
小さくした電気掃除機の吸込具を提供することを目的と
している。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の吸込具は、吸込具本体内に回転自在に設けた
アジテータと、前記アジテータを回転駆動する駆動用モ
ータと、前記吸込具本体内に吸込具下部より床面に接す
るよう突出させて配設され吸込具本体の前後の操作方向
に連動して動作する切替レバーと、前記切換レバーに連
動して、吸込具本体を前方に操作したときに前記アジテ
ータを前進側に回転させるように、又吸込具本体を後方
に操作したときに前記アジテータを後進側に回転させる
ように、それぞれ前記駆動用モータを制御する切替スイ
ッチを設け、前記切替レバーが床面より離れた時に、前
記切替スイッチが前記アジテータを前進側に回転する側
に切り替わっているように前記切替レバーを一方向に付
勢する付勢手段を設けたものである。

【０００９】また、吸込具本体内に回転自在に設けたア
ジテータと、前記アジテータを回転駆動する駆動用モー
タと、前記吸込具本体内に吸込具下部より床面に接する
よう突出させて配設され吸込具本体の前後の操作方向に
連動して動作する切替レバーと、前記アジテータを前進
側に回転させるように前記駆動用モータを制御する前切
替スイッチと、前記アジテータが後進側に回転するよう
に前記駆動用モータを制御する後切替スイッチとを備
え、前記切替レバーを挟むように前記前切替スイッチ及
び後切替スイッチを配し、前記切換レバーに連動して、
吸込具本体を前方 に操作したときに前記前切替スイッチ
がオンし、吸込具本体を後方に操作したときに前記後切
替スイッチがオンする構成とすると共に、前記切替レバ
ーが床面より離れた時に、前記前・後切替スイッチの両
方がオフするように前記切換レバーを中立位置に付勢す
る付勢手段を備えたものである。

【００１０】

【作用】この構成によって、作業者が吸込具本体を空中
に位置した時のアジテータ回転方向を一定にしたり、ま
た、停止するようにしているので、作業開始時および操
作方向反転時の、つっかかり感を小さくできるものであ
る。

【００１１】

【実施例】（実施例１） 以下本発明の一実施例について、図面を参照しながら説
明する。なお、従来例と同一構成部品には同じ符号で示
し説明は省略する。

【００１２】図１〜図３に示すように、吸込具下部２内
に、駆動用モータ１０の回転方向の切替スイッチ１４と
切替レバー１５を有する切替スイッチユニット１６を取
り付けている。切替レバー１５は、吸込具下部２の外
部，床面側に突出しており、じゅうたん等床面に接する
形で取り付けられている。切替レバー１５には、ばね１
７が取り付けられる切替スイッチ１４を前進方向にばね
力を加えている。

【００１３】以上のように構成された吸込具について、
図３を用いてその動作を説明する。作業者がアジテータ
駆動スイッチ（図示せず）をオン位置にすると、駆動用
モータ１０に電流が流れ、駆動用モータ１０が回転を始
める。その力をベルト１１を介して、アジテータ１２に
伝えアジテータ１２も回転を始めるが、吸込具本体１が
空中に位置する場合には、切替レバー１５がばね１７に
より押され、切替スイッチ１４を前進方向に位置させて
いるので、アジテータ１２は、吸込具本体１を前進させ
る方向に回転している。なお、吸込具本体１を後進させ
ると、切替レバー１５は床面によりばね１７に抗して切
替スイッチ１４より外れ、アジテータ１２を後進側に回
転させる。

【００１４】以上のように本実施例によれば、空中より
じゅうたん等床面に吸込具本体１を降した時は、アジテ
ータ１２は必ず吸込具本体１を前方向に進める方向に回
転しているので、吸込具本体１を前に進すめる時、最初
のつっかかり感を少なくすることができる。

【００１５】（実施例２） 以下本発明の第２の実施例について、図面を参照しなが
ら説明する。なお、従来例と同一構成部品には同じ符号
で示し説明は省略する。

【００１６】図４において、１８は、アジテータ１２を
吸込具本体１を前方向に進める方向に回転させるように
駆動用モータ１０の回転方向を切りかえる前切替スイッ
チで、１９は、アジテータ１２を吸込具本体１を後進さ
せる方向に回転させるように駆動用モータ１０の回転方
向を切りかえる後切替スイッチで、吸込具下部２内に前
記前切替スイッチ１８，後切替スイッチ１９を切替レバ
ー２０を挟んだ形で配設した切替ユニット１６を取り付
けている。切替レバー２０は、吸込具下部２の外部床面
側に突出しており、じゅうたん等床面に接する形で取り
付けられている。前切替スイッチ１８，後切替スイッチ
１９は、各々自己復帰形のものを用いており、切替レバ
ー２０を挟んで各々オフ状態に設定されて切替レバー２
０の動きにより、一方のみオンする状態にされている。

【００１７】以上のように構成された吸込具について、
図４を用いてその動作を説明する。作業者がアジテータ
駆動スイッチ（図示せず）をオン位置にすると、駆動用
モータ１０に電流が流れようとするが、空中に吸込具本
体１が位置して、切替レバー２０が中立位置にある時
は、前切替スイッチ１８，後切替スイッチ１９が、それ
ぞれオフの状態になり、駆動用モータ１０には、電流は
流れず、駆動用モータ１０は回転しないことにより、ア
ジテータ１２も回転しない。作業者が吸込具本体１を、
空中からじゅうたん等床面に降ろして、吸込具本体１を
前方向に移動させようとすると、切替レバー２０が、じ
ゅうたん等床面により後方向に傾き前切替スイッチ１８
をオンして、駆動用モータ１０に電流が流れ、駆動用モ
ータ１０はアジテータ１２が、吸込具本体１を前に進め
る方向に回転を始める。その後作業者が吸込具本体１を
前方向により後方向に移動方向を変えると、切替レバー
２０は、じゅうたん等床面により前方向に傾き、前切替
スイッチ１８をオフし後切替スイッチ１９をオンするこ
とにより、駆動用モータ１０には、今までと逆の極性の
電流が流れ、駆動用モータ１０は逆回転を始める。そし
てアジテータ１２も吸込具本体１を後方向に進める方向
に回転を始める。

【００１８】以上のように本実施例によれば、空中に吸
込具本体１が位置する時に前切替スイッチ１８，後切替
スイッチ１９が、各々オフとなっているので、駆動用モ
ータ１０に電流が流れないので駆動用モータ１０の長寿
命化にもなる。また、空中でアジテータ１２が回転しな
いため、安全性にも有効な効果が得られるものである。

【００１９】

【発明の効果】以上の実施例の説明より明らかなように
本発明は、第１手段では吸込具本体が空中にある時は、
切替スイッチによりアジテータは前記吸込具本体を前進
させる方向に回転しているので、前記吸込具本体を空中
より床面に降して、前方向に操作したとき、最初のつっ
かかり感がなく滑らかに前に進めることができる操作性
のよい電気掃除機の吸込具を実現できるものである。

【００２０】また、第２の手段では、前記吸込具本体が
空中にある時、前切替スイッチおよび後切替スイッチは
オフの状態にあるので、前記アジテータは回転しておら
ず、前記吸込具本体を床面に降し前進または後進させた
時、切替レバーにより前記前切替スイッチまたは前記後
切替スイッチがオンして、前記吸込具本体の進行方向に
前記アジテータが回転し、最初のつっかかり感がなく滑
らかに前進または後進させることができる。なお、前記
吸込具本体が空中にある時、前記アジテータは停止して
いるので安全で、かつ、駆動用モータの長寿命化にもな
る操作性のよい電気掃除機の吸込具を実現できるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例における電気掃除機の斜
視図

【図２】同吸込具の底面図

【図３】同吸込具の断面図

【図４】本発明の第２の実施例における吸込具の断面図

【図５】従来の吸込具の底面図

【符号の説明】

１ 吸込具本体 ２ 吸込具下部 １０ 駆動用モータ １２ アジテータ １４ 切替スイッチ １５，２０ 切替レバー １８ 前切替スイッチ １９ 後切替スイッチ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 副島 雅邦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 梶 雅弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−197427（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−202032（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−275024（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A47L 9/04

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸込具本体内に回転自在に設けたアジテ
   ータと、前記アジテータを回転駆動する駆動用モータ
   と、前記吸込具本体内に吸込具下部より床面に接するよ
   う突出させて配設され吸込具本体の前後の操作方向に連
   動して動作する切替レバーと、前記切換レバーに連動し
   て、吸込具本体を前方に操作したときに前記アジテータ
   を前進側に回転させるように、又吸込具本体を後方に操
   作したときに前記アジテータを後進側に回転させるよう
   に、それぞれ前記駆動用モータを制御する切替スイッチ
   を設け、前記切替レバーが床面より離れた時に、前記切
   替スイッチが前記アジテータを前進側に回転する側に切
   り替わっているように前記切替レバーを一方向に付勢す
   る付勢手段を設けた電気掃除機の吸込具。
2. 【請求項２】 吸込具本体内に回転自在に設けたアジテ
   ータと、前記アジテータを回転駆動する駆動用モータ
   と、前記吸込具本体内に吸込具下部より床面に接するよ
   う突出させて配設され吸込具本体の前後の操作方向に連
   動して動作する切替レバーと、前記アジテータを前進側
   に回転させるように前記駆動用モータを制御する前切替
   スイッチと、前記アジテータが後進側に回転するように
   前記駆動用モータを制御する後切替スイッチとを備え、
   前記切替レバーを挟むように前記前切替スイッチ及び後
   切替スイッチを配し、前記切換レバーに連動して、吸込
   具本体を前方に操作したときに前記前切替スイッチがオ
   ンし、吸込具本体を後方に操作したときに前記後切替ス
   イッチがオンする構成とすると共に、前記切替レバーが
   床面より離れた時に、前記前・後切替スイッチの両方が
   オフするように前記切換レバーを中立位置に付勢する付
   勢手段を備えた電気掃除機の吸込具。