JP3064223U - タコ焼き - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のものと比べて、自他識別ができるような
独特の風合いや美味しい風味を有するとともに、栄養価
値も十分なタコ焼きを提供する。 【解決手段】タコ焼きにおいて、山芋を細切りにしたも
の５０〜７０重量％とつなぎとして鶏卵５０〜３０重量
％とに、調味料を添加した混ぜ合わたものを主食材と
し、それにぶつ切りにしたタコを加え焼き器で焼き上げ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、一般にタコ焼きと言われているものに係り、従来にない材料を用い るとともに、従来に無い風合い・風味と栄養価値を得られるようにしたものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

従来一般にタコ焼きと言われるものは、例えば特許第２７００３９３号公報に 記載の如く、小麦粉を水やだし汁で溶き、その溶き汁にタコやその他の具を入れ てタコ焼き器で焼いて作られるものであり、特に大阪やその周辺地域では人気の ある食べ物である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが従来のタコ焼きでは、上記の如く小麦粉を水やだし汁で溶き、その溶 き汁を主食材としてそれにタコやその他の具を入れたものであるから、その味は どの店で作ったものも殆ど同じになってしまった。そのため、味自体での自他識 別がつき難く、近時の如く一億総グルメ化してくると、このままではタコ焼きそ のものが飽きられてしまうおそれがある。

【０００４】 他面、小麦粉を水やだし汁で溶いた主食材にタコ等を入れたものは、栄養分が 限られており、栄養バランスに欠ける面もあった。

【０００５】 本考案は、上記従来のタコ焼きがどこの店のものも殆ど同じ味で、栄養的にも バランスに欠けるという面があることを解決しようとするものである。即ち本考 案の目的は、自他識別ができる独特の風合い・美味しい風味を有するとともに、 栄養的にも十分なものとしたタコ焼きを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 本考案に係るタコ焼きは、 山芋を細切り状にしたものを５０〜７０重量％と、つなぎとしての鶏卵を５０ 〜３０重量％とに、調味料を添加したものを混ぜ合わて主食材とし、これにぶつ 切りにしたタコを中に入れ焼き器で焼き上げたものである。

【０００７】

【考案の実施の形態】

上記構成において、本願考案で山芋とは、やまのいも科の多年生つる植物で、 長芋・じねんじょうとも言われるものを総称しており、その塊根部分を例えば刺 し身のつま風に細切りしたものを用いる。またつなぎとしては鶏卵を用いるもの とし、この鶏卵は白身と黄身の両方を用いればよい。従来一般のタコ焼きで用い られている小麦粉は用いなくてよい。

【０００８】 上記の如く、山芋を細切りにしたものと鶏卵とに調味料を添加したものを、良 く混合してそれを主食材とするが、上記の山芋と鶏卵との混合比は、前者を５０ 〜７０重量％、後者を５０〜３０重量％程度としておけばよい。この混合比とし たのは、種々な割合のものを試作し、それを試食したところ、焼き上がった状態 の風合い・風味が最もよいとの結論を得たからであるが、特に前者を６０重量％ 前後、後者を４０重量％前後としたものが最適である。なお調味料としては、例 えば中華風の調味料や鰹節の粉等を用いるのがよい。

【０００９】 上記の調味料を添加した主食材を、鉄板製で凹所をもつタコ焼き器に入れて下 から加熱して焼くが、その際にボイルしたタコをぶつ切りにしたものを入れる。 食する者の好みに応じて、天カス（てんぷらカス、あげ玉とも言う）や、紅しょ うが、青ネギを刻んだもの等も添加しておく。

【００１０】 上記焼き器は、例えば鉄板製で多数の半球状の凹所をもつ一般的なタコ焼き器 を用いてもよいが、それに限らず、例えば四角状のその他の角形状の凹所をもつ ものを用いてもよい。また下からの加熱だけに限らず、別の鉄板で蓋をして上面 からも焼くようにしてもよいし、回転焼き器と言われるもので両面から焼くよう にしてもよい。

【００１１】 タコ焼きの大きさは一口で頬張れるものが望ましいから、上記焼き器の凹所の 大きさは、例えば球状のタコ焼きの場合に凹所の内径を直径３．５〜５ｃｍ程度 に、また立方体状のタコ焼きとする場合には縦・横各３．５〜５ｃｍ、深さ３〜 ４ｃｍ程度としておくのがよい。

【００１２】 上記の場合に、細切りにした山芋はつなぎとしての鶏卵でよく混ぜ合わせてあ り、表面も鶏卵で包まれた状態になっているので、タコ焼き器で加熱した際には 卵の熱凝固性により、表面は卵焼き風に程よく固まることになる。焼き上がった ものに、つけだれ（だし汁）やソースをつけ、好みに応じて青海苔、鰹節、マヨ ネーズ等を添加して食すればよい。

【００１３】 上記の如く本考案に係るタコ焼きの主食材が、山芋を細切りしたものを、つな ぎとしての鶏卵で混ぜ合わせたものであるから、焼き上がったものは細切りにし た山芋が絡み合っているとともに、鶏卵でつなぎ止めらており、かつ表面は卵焼 き風の風合いのものになる。

【００１４】 またその味は、上記の如く主食材が細切りした山芋を鶏卵で混ぜ合わせたもの であるから、それに加える調味料、タコや、添加する天カス、紅しょうが、青ネ ギや、後でつけるつけだれやソース、マヨネーズや、後で振り掛ける青海苔、鰹 節等が従来と同じであるとしても、小麦粉を水等で混ぜたものの味と異なり、食 した際の舌触りや風味が良くなっており、自他識別ができる独特の美味しい味の ものになっている。なお、例えばこのタコ焼きでチェーン店化を図れば、系列店 独特の風味をもつものとなる。

【００１５】 さらに栄養上も、上記のように主食材が山芋（長芋）と鶏卵を混ぜ合わせたも のであるから、従来の小麦粉を水等で混ぜたものを主食材としたものと比べて、 山芋（長芋）による澱粉、ムチン、ジアスターゼ、ビタミンＢ，Ｃや、鶏卵の蛋 白質、脂質、ビタミンＣその他の各種ビタミン、リン、鉄分などの含有量が多く て、栄養価値が高く、健康食品としても有用なものとなっている。

【００１６】

【実施例】

図は本考案に係るタコ焼きの実施例を示すものである。 １は細切りにした山芋を示し、ここでは約１．５ｍｍ角程度の細さで、長さが 約５０ｍｍのものに切ったものを用いた。これは、例えば大根を細切りにした刺 し身のつま程度の細さであるから、大根おろし金風の器具で多数本の細切りにで きるものを用いればよい。

【００１７】 ２はつなぎとしての鶏卵を示し、ここでは白身と黄身の両方を良くかき混ぜた ものである。上記細切りにした山芋１との混合比は、ここでは多人数分を作った ので、細切りにした山芋１を１ｋｇ、鶏卵２を６３０ｇとした。これを主食材と して、調味料としての中華風のだしの素を大さじ１／３カップ、鰹節の粉を同じ く大さじ１／３カップ添加して、良くかき混ぜておく。

【００１８】 ４は焼き器を示し、一般的な球状のタコ焼き（図２参照）では、鉄板製で半球 状の凹所をもつものを用いればよいが、ここでは立方体状のタコ焼きを作るため に縦断面四角形型の凹所５をもつものを用いた（図３参照）。各凹所５は、上方 ほど少し大きくなるように傾斜面に形成してある。なお、凹所５の大きさは、こ こでは縦・横各４ｃｍ、深さ３．５ｃｍ程度としてある。

【００１９】 焼き方は、下方から加熱してある焼き器４の各凹所５内に、上記主食材をここ では凹所５の深さの半分程度にまで入れ、その上からボイルして小さく切ったタ コ３を入れ、さらに天かす、紅しょうが、きざみネギ等の薬味を振りかける。さ らに、上記主食材を凹所５の一杯まで追加して入れ、その上から別の鉄板６を載 せて焼いている。なお、半球状の凹所をもつタコ焼き器を用いる場合は、焼きな がら凹所内で回転させるようにすればよい。

【００２０】 上記の如く、細切りにした山芋１とつなぎとしての鶏卵２でよく混ぜ合わせた ものを主食材としてあり、表面も鶏卵２が包んだ状態になっているから、焼き器 ４に入れて加熱すると、卵の熱凝固性により表面は卵焼き風に程よく固まること になり、独特の風合いをもつタコ焼きができ上がる。

【００２１】 焼き上がったものは、つけだれ（だし汁）やソースをつけ、また好みに応じて 青海苔、鰹節、マヨネーズ等を添加して食すればよい。ここでのつけだれは、水 １８００ｃｃに対し、薄口醤油を５５ｇ、味醂を３５ｇ、鰹節５０ｇ等を用いて 作ったものを、好みの量だけ付けて食した。従来の一般的なタコ焼きと異なり、 表面が玉子焼き風の風合いで、食した際の舌触りや風味も良く、独特の美味しい 味を有するとともに、栄養価値も高く、健康食品としても有用なものとなる。

【００２２】

【考案の効果】

以上で明らかな如く本考案に係るタコ焼きは、従来の一般的なタコ焼きと比べ て、自他識別ができるような独特の風合いや美味しい風味を有するとともに、栄 養価値も十分なものにできる。

【００２３】 即ち、従来の一般的なタコ焼きは、小麦粉を水やだし汁で溶きしてものを主食 材として、それにタコやその他の具を入れたものであるから、味はどの店で作っ たものも殆ど同じであるし、栄養分が限られており、栄養バランスに欠ける面も あった。

【００２４】 これに対して本考案に係るタコ焼きは、上記の如く山芋を細切りしたものを、 つなぎとしての鶏卵で混ぜ合わせたものを主食材とするものである。 そのため、従来の小麦粉を水等で混ぜたものと異なり、焼き上がったものは山 芋を細切りにしたものが鶏卵でつなぎ止められるとともに、表面は卵焼き風の独 特の風合いをもつものにできる。

【００２５】 またその味は、従来の小麦粉を水等で混ぜたものの味と異なり、食した際に独 特の舌触りで風味が良くなっているし、自他識別ができる特有の美味しい味を有 するものにできる。

【００２６】 さらに栄養的にも、従来の小麦粉を水等で混ぜたものを主食材としたものと異 なり、山芋（長芋）による澱粉、ムチン、ジアスターゼ、ビタミンＢ，Ｃや、鶏 卵の蛋白質、脂質、ビタミンＣその他の各種ビタミン、リン、鉄分などの含有量 が多く、栄養価値が高く、健康食品としても有用なものにできる。

【００２７】 したがって、このタコ焼きは、近時の如く一億総グルメ化してきても、独特の 風合い、風味、栄養価値をもつものとして好まれるものになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るタコ焼きを立方体状とした実施例
を示す拡大縦断斜視図である。

【図２】本考案に係るタコ焼きを球状とした実施例を示
す、一部切り欠き拡大縦断斜視図である。

【図３】図１で示したタコ焼きを焼き上げる際の拡大縦
断正面図である。

【符号の説明】

１−細切りにした山芋 ２−鶏卵 ３−タコ ４−焼き器 ５−凹所 ６−鉄板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】山芋を細切りにしたもの５０〜７０重量％
   と、つなぎとしての鶏卵５０〜３０重量％とに、調味料
   を添加したものを混ぜ合わせて主食材とし、ぶつ切りに
   したタコを加えて焼き器で焼き上げたことを特徴とする
   タコ焼き。