JP3064182B2 - 大気圧プラズマ粉体処理方法及びその装置 - Google Patents
大気圧プラズマ粉体処理方法及びその装置Info
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- JP3064182B2 JP3064182B2 JP6132326A JP13232694A JP3064182B2 JP 3064182 B2 JP3064182 B2 JP 3064182B2 JP 6132326 A JP6132326 A JP 6132326A JP 13232694 A JP13232694 A JP 13232694A JP 3064182 B2 JP3064182 B2 JP 3064182B2
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Description
理方法及びその装置に関し、詳しくは、大気圧下で絶縁
体管の内部に発生したグロー放電プラズマで、絶縁体管
の内部の粉粒体の表面を改質処理する大気圧プラズマ粉
体処理方法及びその装置に関する。
は触媒等に使用される粉体の表面を改質したり、所要の
物質を付着させたりするには、プラズマ粉体処理装置を
用いたプラズマ粉体処理方法が行われている。ところ
が、図7に示すように、電極対100を設けて形成され
たプラズマ反応ゾーン20を備えた絶縁体管30の一端
部のガス流入口40aから希ガス又は希ガスと反応性ガ
スとの混合ガスを導入し、フィルター120を介して絶
縁体管30内に充填した粉体50を浮遊させるプラズマ
粉体処理装置を用いたプラズマ粉体処理方法の場合に
は、粉体50が局部的に浮遊され、内壁周辺にある粉体
50の一部が浮遊されずに堆積した状態になり、いわゆ
る吹き抜け現象が発生し、この堆積した粉体50につい
ては、粉体50の表面の改質が行われないため、粉体5
0全体として改質が不均一になるという欠点があった。
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、プラ
ズマ処理により粉粒体の表面を改質し、粉粒体全体とし
て改質が均一である大気圧プラズマ粉体処理方法及びそ
の装置を提供することにある。
大気圧プラズマ粉体処理方法は、外周部に交流電源11
と接続される高周波電極1aと接地電極1bとから成る
電極対1を設けて形成されたプラズマ反応ゾーン2を備
えた絶縁体管3の一端部のガス流入口4aから希ガス又
は希ガスと反応性ガスとの混合ガスを導入し、絶縁体管
3の他端部に連なるガス排出口4bから上記ガスを排出
し、大気圧下でプラズマ反応ゾーン2にグロー放電プラ
ズマを発生させて、プラズマ反応ゾーン2に供給された
粉粒体を処理する大気圧プラズマ粉体処理方法におい
て、上記絶縁体管3のプラズマ反応ゾーン2とガス流入
口4aとの間に備えられた被処理材料供給口6から、希
ガス又は希ガスと反応性ガスとの混合ガスが流れるプラ
ズマ反応ゾーン2のプラズマ中に連続的に被処理材料5
である粉粒体を供給すると共に、上記プラズマ反応ゾー
ン2のプラズマ中で連続的に処理された粉粒体である中
間処理材料9を被処理材料5として上記被処理材料供給
口6に戻し、この被処理材料供給口6から、希ガス又は
希ガスと反応性ガスとの混合ガスが流れるプラズマ反応
ゾーン2のプラズマ中に連続的に被処理材料5である粉
粒体を供給して所要回数リサイクルすることを特徴とす
る。
体処理方法は、上記プラズマ反応ゾーン2のプラズマ中
で連続的に処理された粉粒体を連続的に取り出すことを
特徴とする。
体処理装置は、外周部に交流電源11と接続される高周
波電極1aと接地電極1bとから成る電極対1を設けて
形成されたプラズマ反応ゾーン2を備えた絶縁体管3の
一端部のガス流入口4aから希ガス又は希ガスと反応性
ガスとの混合ガスを導入し、絶縁体管3の他端部に連な
るガス排出口4bから上記ガスを排出し、大気圧下でプ
ラズマ反応ゾーン2にグロー放電プラズマを発生させ
て、プラズマ反応ゾーン2に供給された粉粒体を処理す
る大気圧プラズマ粉体処理装置において、上記絶縁体管
3のプラズマ反応ゾーン2とガス流入口4aとの間に被
処理材料5である粉粒体を供給する被処理材料供給口6
を備え、この被処理材料供給口6に連なる被処理材料貯
蔵ゾーン7を備えたことを特徴とする。
体処理装置は、上記被処理材料供給口6の断面積が、こ
の被処理材料供給口6が配設された位置で被処理材料供
給口6に対して垂直な仮想面で切断された絶縁体管3の
断面積より小さいことを特徴とする。
体処理装置は、上記ガス流入口4aの反対側にある絶縁
体管3の端部と上記ガス排出口4bとの間に捕集機8を
備え、この捕集機8で捕集された中間処理材料9である
プラズマ処理された粉粒体を被処理材料貯蔵ゾーン7に
戻すリサイクル管10を備えたことを特徴とする。
体処理装置は、上記捕集機8がサイクロン8a及び/又
はバッグフィルタ8bであることを特徴とする。
理方法では、図1に示すように、絶縁体管3のプラズマ
反応ゾーン2とガス流入口4aとの間に備えられた被処
理材料供給口6から、希ガス又は希ガスと反応性ガスと
の混合ガスが流れるプラズマ反応ゾーン2のプラズマ中
に連続的に被処理材料5である粉粒体を供給することに
より、被処理材料5である粉粒体が上記ガスとともに均
一に分散されて、大気圧下でプラズマ反応ゾーン2のグ
ロー放電プラズマ中を上昇しながらプラズマ反応ゾーン
2を通過し、連続的にプラズマ処理が施される。
で連続的に処理された粉粒体である中間処理材料9を被
処理材料5として上記被処理材料供給口6に戻し、この
被処理材料供給口6から、希ガス又は希ガスと反応性ガ
スとの混合ガスが流れるプラズマ反応ゾーン2のプラズ
マ中に連続的に被処理材料5である粉粒体を供給して所
要回数リサイクルするため、被処理材料5である粉粒体
がグロー放電プラズマを発生させるプラズマ反応ゾーン
2を繰り返し循環して通過するので、プラズマ空間での
滞留時間を長くとることができる。
体処理方法では、プラズマ反応ゾーン2のプラズマ中で
連続的に処理された粉粒体を連続的に取り出すことがで
きるので、大気圧プラズマ粉体処理装置を停止すること
なく、所要回数リサイクルしてプラズマ処理された粉粒
体を連続的に取り出すことができ、効率的である。
体処理装置では、絶縁体管3のプラズマ反応ゾーン2と
ガス流入口4aとの間に被処理材料5である粉粒体を供
給する被処理材料供給口6を備え、この被処理材料供給
口6に連なる被処理材料貯蔵ゾーン7を備えているの
で、ガス流入口4aから希ガス又は希ガスと反応性ガス
との混合ガスを導入することにより、被処理材料5であ
る粉粒体が上記ガスとともに均一に分散されて、大気圧
下でプラズマ反応ゾーン2のグロー放電プラズマ中を上
昇しながらプラズマ反応ゾーン2を通過し、連続的にプ
ラズマ処理が施される。
体処理装置では、被処理材料供給口6の断面積が、この
被処理材料供給口6が配設された位置で被処理材料供給
口6に対して垂直な仮想面で切断された絶縁体管3の断
面積より小さいため、希ガス又は希ガスと反応性ガスと
の混合ガスが被処理材料貯蔵ゾーン7に分流せず、プラ
ズマ反応ゾーン2に流れ、その結果、被処理材料5であ
る粉粒体の供給が連続的に行われる。
圧プラズマ粉体処理装置では、ガス流入口4aの反対側
にある絶縁体管3の端部と上記ガス排出口4bとの間に
サイクロン8a及び/又はバッグフィルタ8b等の捕集
機8を備え、この捕集機8で捕集された中間処理材料9
を被処理材料貯蔵ゾーン7に戻すリサイクル管10を備
えているため、被処理材料5である粉粒体がグロー放電
プラズマを発生させるプラズマ反応ゾーン2を繰り返し
循環して通過するので、プラズマ空間での滞留時間を長
くとることができる。
明する。
理方法に用いる装置の一実施例の概略図である。
に用いる装置は、図1に示すように、電気絶縁性を有す
る絶縁体管3の一端部のガス流入口4aから希ガス又は
希ガスと反応性ガスとの混合ガスを導入し、絶縁体管3
の他端部に連なるガス排出口4bから上記ガスを排出
し、大気圧下でプラズマ反応ゾーン2にグロー放電プラ
ズマを発生させて、プラズマ反応ゾーン2に供給された
粉粒体を処理するものである。この絶縁体管3は、例え
ば、ガラス、プラスチック又はセラミックス等が用いら
れるが、絶縁体であればよく特に限定されない。この絶
縁体管3は、外周部に交流電源11と接続される高周波
電極1aと接地電極1bとから成る、例えば、平行な電
極対1を設けて形成されたプラズマ反応ゾーン2を備え
ている。このプラズマ反応ゾーン2は、図2に示すよう
に、絶縁体管3の外周に沿って、例えば、間隔をおいて
スパイラル状に巻かれた、交流電源11と接続される帯
状の高周波電極1aと、帯状の接地電極1bとにより構
成される電極対1を備えている。この電極対1は、例え
ば、粘着剤付きの銅又はアルミニウム等の金属箔が用い
られるが、導電体であればよく特に限定されない。な
お、電極対1の周囲をシリコーン等の樹脂でシーリング
するのが好ましい。すなわち、上記樹脂でシーリングす
ることにより、絶縁破壊が防止され、プラズマが所定の
プラズマ反応ゾーン2の絶縁体管3の内部のみで発生す
るようになる。また、図3は、本発明に係る大気圧プラ
ズマ粉体処理方法に用いる他のプラズマ反応ゾーン2で
あり、図3(a)が平面図で、図3(b)が立面図であ
る。図3に示すように、このプラズマ反応ゾーン2は、
絶縁体管3の外周に沿って、例えば、立面視が方形で、
平面視が厚みのある円弧状で間隔をおいて対向する曲板
状の、交流電源11と接続される高周波電極1aと、接
地電極1bとにより構成される電極対1を備えている。
この電極対1の高周波電極1aと接地電極1bとの間隔
の略中央に板状の電気絶縁性を有する絶縁板3aが対向
して絶縁体管3の外周に突設して備えられている。この
絶縁板3aにより、絶縁破壊が防止され、プラズマが所
定のプラズマ反応ゾーン2の絶縁体管3の内部で発生す
るようになる。上記絶縁板3aは、例えば、ガラス、プ
ラスチック又はセラミックス等が用いられるが、絶縁体
であればよく特に限定されない。この絶縁板3aを用い
る代わりに、電極対1の周囲をシリコーン等の樹脂でシ
ーリングすることにより、絶縁板3aと同様の効果が得
られる。また、図4に示したプラズマ反応ゾーン2は、
本発明に係る大気圧プラズマ粉体処理方法に用いる他の
プラズマ反応ゾーン2であり、図4(a)が平面図で、
図4(b)が立面図である。図4に示すように、このプ
ラズマ反応ゾーン2は、絶縁体管3の外周に沿って、例
えば、バンド状に巻かれた平面視がリング状で立面視が
方形の接地電極1bと、交流電源11と接続される高周
波電極1aとから成る電極対1を備え、接地電極1b
と、交流電源11と接続される高周波電極1aとが間隔
をおいて交互に配設されている。この電極対1の高周波
電極1aと接地電極1bとの各間隔の略中央に平面視が
絶縁体管3と同心円の円板状の絶縁板3aが絶縁体管3
の外周に突設して備えられている。このように、本発明
に係る大気圧プラズマ粉体処理方法に用いるプラズマ反
応ゾーン2として、図2乃至図4で示したプラズマ反応
ゾーン2のいずれを用いてもよい。
周波から13.56MHzの高周波まで使用することが
できるが、特に限定されない。なお、上記絶縁体管3の
一端部のガス流入口4aから導入するガスとしては、ヘ
リウム若しくはアルゴン等の希ガス又は窒素が反応に寄
与しない場合には、必要に応じて窒素等の反応性の低い
不活性ガスを使用することができる。反応性ガスとして
は、例えば、酸素、窒素、アンモニア若しくは二酸化炭
素等の無機系ガス、C2 F4 、C3 F6 若しくはCF4
等のフッ素を含む有機モノマーガス、テトラエトキシシ
ラン(TEOS)若しくはヘキサメチルジシロキサン等
のケイ素を含む有機モノマーガス又はケトン、アルコー
ル、エーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、アル
デヒド、アミン類若しくはカルボン酸等の有機モノマー
の蒸気等を使用することができる。ここで、有機モノマ
ーが液状の場合には、希ガス等をこの有機モノマーの液
体中にバブリングして有機モノマーを気化させて、絶縁
体管3の一端部のガス流入口4aから導入することも大
気圧であるため極めて容易である。これらの希ガスと反
応性ガスとの混合ガスを導入し、絶縁体管3の他端部に
連なるガス排出口4bから上記ガスを排出し、大気圧下
でプラズマ反応ゾーン2にグロー放電プラズマを発生さ
せて、プラズマ反応ゾーン2に供給された粉粒体を処理
する。この被処理材料5である粉粒体は、例えば、樹
脂、ガラス、セラミックス、金属又は木材等が使用で
き、粒径又は形状等も特に限定されるものではなく、そ
の特性に応じて絶縁体管3の形状又はガス流速等の条件
は、適宜設定される。
ガス流入口4aとの間に被処理材料5を供給する被処理
材料供給口6が備えられ、この被処理材料供給口6に連
なって被処理材料貯蔵ゾーン7が備えられている。この
被処理材料貯蔵ゾーン7に備えられている粉粒体投入口
7aから被処理材料5である粉粒体を投入することによ
り、被処理材料供給口6から、希ガス又は希ガスと反応
性ガスとの混合ガスが流れるプラズマ反応ゾーン2のプ
ラズマ中に連続的に被処理材料5である粉粒体が供給さ
れる。この粉粒体は、ガスとともに均一に分散されて、
大気圧下でプラズマ反応ゾーン2で発生するグロー放電
プラズマ中を通過し、連続的にプラズマ処理が施され
る。
被処理材料供給口6が配設された位置で被処理材料供給
口6に対して垂直な仮想面で切断された絶縁体管3の断
面積より小さいことが望ましく、より好ましくは、10
〜50%がよい。すなわち、被処理材料供給口6の断面
積が、この被処理材料供給口6が配設された位置で被処
理材料供給口6に対して垂直な仮想面で切断された絶縁
体管3の断面積の50%を越える場合には、被処理材料
貯蔵ゾーン7にガス流入口4aから希ガス又は希ガスと
反応性ガスとの混合ガスが分流し易くなり、10%未満
の場合には、被処理材料5である粉粒体が被処理材料供
給口6の付近で詰まり易くなり、絶縁体管3の内部への
供給が困難になる傾向が出てくる。なお、被処理材料供
給口6の下方で絶縁体管3の内部に粉粒体を通過させ
ず、ガスのみを通過させる、例えば、ガラス焼結フィル
ター等の多孔質板12等を設置してもよい。
絶縁体管3の端部と上記ガス排出口4bとの間にサイク
ロン8a及び/又はバッグフィルタ8b等の捕集機8を
備えることが望ましい。すなわち、このサイクロン8a
及び/又はバッグフィルタ8b等の捕集機8でガスと粉
粒体とが分離され、ガスは、ガス排出口4bから排出さ
れる。一方、捕集されたプラズマ処理済の粉粒体を捕集
機8の下部で連続的に取り出してもよい。
処理済の粉粒体を中間処理材料9として捕集機8の下部
に連なるリサイクル配管等のリサイクル管10で被処理
材料貯蔵ゾーン7に戻すことができる。このため、上記
中間処理材料9は、被処理材料5として上記被処理材料
供給口6に戻され、この被処理材料供給口6から、希ガ
ス又は希ガスと反応性ガスとの混合ガスが流れるプラズ
マ反応ゾーン2のプラズマ中に連続的に供給される。す
なわち、粉粒体は、所要回数リサイクルすることが可能
になり、プラズマ反応ゾーン2で発生するグロー放電プ
ラズマ中を繰り返し循環して通過するので、プラズマ空
間での滞留時間を長くとることができる。すなわち、プ
ラズマ処理に長時間が必要な粉粒体の場合に有効である
とともに、プラズマ反応ゾーン2を短くできるため、そ
の結果、大気圧プラズマ粉体処理装置をコンパクトにす
ることができる。
マ中で連続的に処理された粉粒体を例えば、リサイクル
管10に備えられた処理材料排出口10aから連続的に
取り出すことができる。すなわち、粉粒体を取り出す場
合には、処理材料排出口10aに備えられた弁10bに
より被処理材料貯蔵ゾーン7への径路を遮断して処理材
料排出口10aの径路を開けることにより、大気圧プラ
ズマ粉体処理装置を停止することなく、プラズマ中で連
続的に処理された粉粒体を処理材料排出口10aから連
続的に取り出すことができる。
処理方法及びその装置によると、希ガス又は希ガスと反
応性ガスとの混合ガスが流れるプラズマ反応ゾーン2の
プラズマ中に連続的に被処理材料5である粉粒体を供給
することにより、被処理材料5である粉粒体が上記ガス
とともに均一に分散されて、大気圧下でプラズマ反応ゾ
ーン2のグロー放電プラズマ中を上昇しながらプラズマ
反応ゾーン2を通過し、連続的にプラズマ処理が施され
る。すなわち、プラズマ処理により粉粒体の表面の活性
化又は粉粒体の表面での反応若しくは被膜形成等が行わ
れて粉粒体の表面が改質され、粉粒体全体として改質が
均一になる。
置を用いてプラズマ処理により粉粒体の表面を改質する
一例を挙げる。
カ粉末のプラズマ処理を行った。図1に示した被処理材
料貯蔵ゾーン7に備えられている粉粒体投入口7aから
被処理材料5である平均粒径100μmのシリカ粉末
(トクシールUR;徳山曹達株式会社製)を投入した。
次に、ガス流入口4aから希ガスとしてヘリウムを3リ
ットル/分、アルゴンを1リットル/分及び反応性ガス
としてC2F4 (テトラフルオロエチレン)を20cc
/分の混合ガスを導入した。これにより、シリカ粉末を
被処理材料供給口6から絶縁体管3の内部に供給し、混
合ガスとともに均一に分散して、大気圧下でグロー放電
プラズマを発生させたプラズマ反応ゾーン2を通過さ
せ、連続的にプラズマ処理を施した。なお、交流電源1
1と接続される帯状の高周波電極1aと、帯状の接地電
極1bとにより構成される電極対1としては、銅箔を用
い、プラズマ条件は、放電周波数が13.56MHz、
放電出力が200Wであり、圧力は1気圧で、処理時間
を10分にした。この結果、未処理のシリカ粉末では、
図5(b)に示すように、X線光電子分光分析(ESC
A)によると、フッ素のピークが確認されず、水に投入
すると、瞬時に沈降するのに対して、プラズマ処理を施
したシリカ粉末では、水に全く沈降せず、図5(a)に
示すように、X線光電子分光分析(ESCA)による
と、フッ素のピークであるF1Sが結合エネルギー685
eV付近に及びFKLL が結合エネルギー610eV付近
に確認され、シリカ粉末の表面がフッ素化し、フッ素系
の皮膜が形成されていることを確認した。
0μmのスチレンとジビニルベンゼンの共重合体を用
い、希ガスとしてヘリウムを6リットル/分及び反応性
ガスとしてCF4 (テトラフルオロメタン)を20cc
/分の混合ガスを導入し、プラズマ条件は、放電周波数
が90kHz、放電出力が200Wであり、圧力は1気
圧で、処理時間は5分であった以外は、使用例1と同様
にしてプラズマ処理を行った。この結果、未処理のスチ
レンとジビニルベンゼンの共重合体では、図6(b)に
示すように、X線光電子分光分析(ESCA)による
と、フッ素のピークが確認されず、水に投入すると、瞬
時に沈降するのに対して、プラズマ処理を施したスチレ
ンとジビニルベンゼンの共重合体では、水に全く沈降せ
ず、図6(a)に示すように、X線光電子分光分析(E
SCA)によると、フッ素のピークであるF1Sが結合エ
ネルギー685eV付近に確認され、スチレンとジビニ
ルベンゼンの共重合体の表面がフッ素化し、フッ素系の
皮膜が形成されていることを確認した。
粉体処理方法は、上記のように構成されているので、本
発明の請求項1に係る大気圧プラズマ粉体処理方法によ
ると、粉粒体の供給が連続的に行われ、粉粒体を均一に
分散することができ、均一なプラズマ処理を施すことが
できる。
ことが可能になり、プラズマ反応ゾーンで発生するグロ
ー放電プラズマ中を繰り返し循環して通過するので、プ
ラズマ空間での滞留時間を長くとることができる。すな
わち、プラズマ処理に長時間が必要な粉粒体の場合に有
効であるとともに、プラズマ反応ゾーンを短くできるた
め、その結果、大気圧プラズマ粉体処理装置をコンパク
トにすることができる。
体処理方法は、上記のように構成されているので、本発
明の請求項2に係る大気圧プラズマ粉体処理方法による
と、大気圧プラズマ粉体処理装置を停止することなく、
所要回数リサイクルしてプラズマ処理された粉粒体を連
続的に取り出すことができ、効率的である。
圧プラズマ粉体処理装置は、上記のように構成されてい
るので、本発明の請求項3及び請求項4に係る大気圧プ
ラズマ粉体処理装置によると、粉粒体の供給が連続的に
行われ、粉粒体を均一に分散することができ、均一なプ
ラズマ処理を施すことができる。
圧プラズマ粉体処理装置は、上記のように構成されてい
るので、本発明の請求項5及び請求項6に係る大気圧プ
ラズマ粉体処理装置によると、粉粒体は、所要回数リサ
イクルすることが可能になり、プラズマ反応ゾーンで発
生するグロー放電プラズマ中を繰り返し循環して通過す
るので、プラズマ空間での滞留時間を長くとることがで
きる。すなわち、プラズマ処理に長時間が必要な粉粒体
の場合に有効であるとともに、プラズマ反応ゾーンを短
くできるため、その結果、大気圧プラズマ粉体処理装置
をコンパクトにすることができる。
装置の概略図である。
装置を構成するプラズマ反応ゾーンの説明図である。
装置を構成する他のプラズマ反応ゾーンの説明図であ
り、(a)が平面図で、(b)が立面図である。
装置を構成する他のプラズマ反応ゾーンの説明図であ
り、(a)が平面図で、(b)が立面図である。
(ESCA)のグラフであり、(a)は大気圧プラズマ
粉体処理装置を用いてプラズマ処理をした粉粒体を測定
したグラフであり、(b)は、未処理粉粒体を測定した
グラフである。
(ESCA)のグラフであり、(a)は大気圧プラズマ
粉体処理装置を用いてプラズマ処理をした粉粒体を測定
したグラフであり、(b)は、未処理粉粒体を測定した
グラフである。
部断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 外周部に交流電源(11)と接続される
高周波電極(1a)と接地電極(1b)とから成る電極
対(1)を設けて形成されたプラズマ反応ゾーン(2)
を備えた絶縁体管(3)の一端部のガス流入口(4a)
から希ガス又は希ガスと反応性ガスとの混合ガスを導入
し、絶縁体管(3)の他端部に連なるガス排出口(4
b)から上記ガスを排出し、大気圧下でプラズマ反応ゾ
ーン(2)にグロー放電プラズマを発生させて、プラズ
マ反応ゾーン(2)に供給された粉粒体を処理する大気
圧プラズマ粉体処理方法において、上記絶縁体管(3)
のプラズマ反応ゾーン(2)とガス流入口(4a)との
間に備えられた被処理材料供給口(6)から、希ガス又
は希ガスと反応性ガスとの混合ガスが流れるプラズマ反
応ゾーン(2)のプラズマ中に連続的に被処理材料
(5)である粉粒体を供給すると共に、上記プラズマ反
応ゾーン(2)のプラズマ中で連続的に処理された粉粒
体である中間処理材料(9)を被処理材料(5)として
上記被処理材料供給口(6)に戻し、この被処理材料供
給口(6)から、希ガス又は希ガスと反応性ガスとの混
合ガスが流れるプラズマ反応ゾーン(2)のプラズマ中
に連続的に被処理材料(5)である粉粒体を供給して所
要回数リサイクルすることを特徴とする大気圧プラズマ
粉体処理方法。 - 【請求項2】 上記プラズマ反応ゾーン(2)のプラズ
マ中で連続的に処理された粉粒体を連続的に取り出すこ
とを特徴とする請求項1記載の大気圧プラズマ粉体処理
方法。 - 【請求項3】 外周部に交流電源(11)と接続される
高周波電極(1a)と接地電極(1b)とから成る電極
対(1)を設けて形成されたプラズマ反応ゾーン(2)
を備えた絶縁体管(3)の一端部のガス流入口(4a)
から希ガス又は希ガスと反応性ガスとの混合ガスを導入
し、絶縁体管(3)の他端部に連なるガス排出口(4
b)から上記ガスを排出し、大気圧下でプラズマ反応ゾ
ーン(2)にグロー放電プラズマを発生させて、プラズ
マ反応ゾーン(2)に供給された粉粒体を処理する大気
圧プラズマ粉体処理装置において、上記絶縁体管(3)
のプラズマ反応ゾーン(2)とガス流入口(4a)との
間に被処理材料(5)である粉粒体を供給する被処理材
料供給口(6)を備え、この被処理材料供給口(6)に
連なる被処理材料貯蔵ゾーン(7)を備えたことを特徴
とする大気圧プラズマ粉体処理装置。 - 【請求項4】 上記被処理材料供給口(6)の断面積
が、この被処理材料供給口(6)が配設された位置で被
処理材料供給口(6)に対して垂直な仮想面で切断され
た絶縁体管(3)の断面積より小さいことを特徴とする
請求項3記載の大気圧プラズマ粉体処理装置。 - 【請求項5】 上記ガス流入口(4a)の反対側にある
絶縁体管(3)の端部と上記ガス排出口(4b)との間
に捕集機(8)を備え、この捕集機(8)で捕集された
中間処理材料(9)であるプラズマ処理された粉粒体を
被処理材料貯蔵ゾーン(7)に戻すリサイクル管(1
0)を備えたことを特徴とする請求項3又は請求項4記
載の大気圧プラズマ粉体処理装置。 - 【請求項6】 上記捕集機(8)がサイクロン(8a)
及び/又はバッグフィルタ(8b)であることを特徴と
する請求項5記載の大気圧プラズマ粉体処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6132326A JP3064182B2 (ja) | 1994-06-14 | 1994-06-14 | 大気圧プラズマ粉体処理方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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