JP3063451B2 - 殺菌・殺ウイルス特性を有する農園芸用薬剤及び農園芸用殺菌・殺ウイルス方法 - Google Patents

殺菌・殺ウイルス特性を有する農園芸用薬剤及び農園芸用殺菌・殺ウイルス方法

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JP3063451B2 JP5054546A JP5454693A JP3063451B2 JP 3063451 B2 JP3063451 B2 JP 3063451B2 JP 5054546 A JP5054546 A JP 5054546A JP 5454693 A JP5454693 A JP 5454693A JP 3063451 B2 JP3063451 B2 JP 3063451B2
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弘章 岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有効成分としてチオス
ルファト銀錯塩を用いることを特徴とする農園芸用薬剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】農園芸用薬剤として、多くの殺菌剤が使
用されているが、農産物や環境中への残留農薬問題や、
ゴルフ場等での過剰な使用による環境汚染問題が昨今重
要視されてきている。しかしながら、多種多量の農薬を
農園芸作物に散布するために発生する薬害が問題であっ
た。また、ウイルスを原因とする植物の病気が多くあり
重要な問題であったが、ウイルス病に対して有効な農薬
がなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、人体に対して
安全で、環境汚染性の少なく、散布される農園芸作物に
対する薬害が少ない低毒性の農薬が必要とされている。
また、植物ウイルス病に対して有効な農薬が必要とされ
ていた。
【0004】本発明はこのような要請にマッチした農園
芸用薬剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、人体に対して
安全で環境汚染性の少なく、散布される農園芸作物に対
する薬害が少ない低毒性で、植物ウイルス病に対して有
効な、チオスルファト銀錯塩を有効成分とする農園芸用
薬剤を提供するものである。
【0006】さらに、前記殺菌・殺ウイルス剤は、多孔
性粒子担体に銀、銀塩、銀錯塩および銀キレートなどの
銀化合物を担持させたものである。また多孔性粒子担体
は表面の少なくとも一部をコーティング材料により被覆
したことを特徴とする。
【0007】また、これら有効成分を水和剤、乳剤、粉
剤あるいは液剤とする。
【0008】
【作用】有効成分である銀化合物は、植物体表面の患部
に対しては直接作用し、植物体内部の患部に対しては根
部あるいは体表面からの吸収・転流で殺菌・殺ウイルス
効力を作用する。また、コーティングしたものは有効成
分が植物体表面あるいは土壌根圏で徐々に放出されるた
め、持続的に作用する。
【0009】
【実施例】以下本発明を実施例と共に詳細に説明する。
まず、本発明に用いるチオスルファト銀錯塩水溶液およ
び銀シリカゲル系薬剤の製法を説明する。酢酸銀などの
水溶性銀塩100重量部、亜硫酸ナトリウムおよび亜硫
酸水素ナトリウムの混合物450重量部、およびチオ硫
酸ナトリウムの水溶性塩300重量部を塩素を含まない
水に加えて溶解させ、充分撹拌しながら混合しチオスル
ファト銀錯塩水溶液を得た。
【0010】本実施例に用いる殺菌・殺ウイルス材料の
担体は、「JIS Z 0701包装用シリカゲル乾燥
剤」に記載のB型のシリカゲル粉末である。このB型シ
リカゲル粉末は、低湿度では吸湿率が低く、高湿度では
吸湿率が高く、かつ高湿度における総吸湿量の高いシリ
カゲル粉末であり、その平均粒径は3μm程度である。
【0011】このシリカゲル粉末を180℃で2時間以
上乾燥させた。上記シリカゲル100重量部に対し、銀
成分として2重量部になるように前記チオスルファト銀
錯塩水溶液を混合した。次いで、速やかに溶媒および担
体中に吸収された水分を除去した。次いで、これを所定
の粒径に粉砕して、殺菌・殺ウイルス性材料が担持され
たシリカゲルを得た。
【0012】反応性有機珪素化合物としてテトラエトキ
シシラン100重量部をエチルアルコールに希釈混合さ
せた溶液に、上記シリカゲル100重量部を分散させた
後、これに純水を加えてテトラエトキシシランを加水分
解させ、上記シリカゲルの表面の少なくとも1部をコー
ティングし、乾燥させて銀シリカゲル系薬剤を得た。
【0013】上記銀シリカゲル系殺菌・殺ウイルス材
は、有効成分がチオスルファト銀錯塩のほか、銀、銀塩
および銀キレートを用いても効果が得られた。
【0014】殺菌・殺ウイルス材は、各種製剤化して利
用できる。実施例1で示したチオスルファト銀錯塩水溶
液および銀シリカゲル系殺菌・殺ウイルス材を主剤とし
て、界面活性剤、結合剤、安定剤等の補助剤を配合する
ことにより、水和剤、乳剤、ゾル剤、粉剤、液剤等とし
て製剤化して用いる。以下に、製剤化方法例を示す。
【0015】(1) 水和剤 実施例1の銀シリカゲル系殺菌・殺ウイルス材:50
部、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム:3部、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル:5部および
白土:42部を均一に混合・粉砕・分散し、水和剤とす
る。
【0016】(2) 乳剤 実施例1の銀シリカゲル系殺菌・殺ウイルス材:50
部、メチルエチルケトン30部およびポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル:20部を混合・溶解し、乳
剤とする。
【0017】(3) 粉剤 上記銀シリカゲル系殺菌・殺ウイルス材:3部およびク
レー:97部を均一に混合・粉砕・分散し、粉剤とす
る。
【0018】(4) 液剤 実施例1のチオスルファト銀錯塩水溶液:20部、アル
キルベンゼンスルホン酸カルシウム:2部、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル:3部および水:75
部を混合・溶解し、液剤とする。
【0019】次に、水和剤、乳剤および粉剤の具体的試
験例を以下に示す。 1)キュウリウドンコ病に対する効果試験 素焼3.5号鉢を用い、ガラス室で土耕栽培したキュウ
リ(品種:四葉)の本葉が5枚展開した苗に、実施例3
で示した水和剤の500倍希釈液を1鉢当り20ml散
布した。散布24時間後、キュウリのウドンコ病菌であ
るスフェロテカ・フリギナ(Sphaerotheca fuliginea S
awada)を、中性リン酸緩衝液に胞子が1ml当り105
個になるように調整した胞子懸濁液を噴霧接種した。接
種7日後に展開第3に発生する病斑の面積割合(%)を
調べ、薬剤無散布の場合との防除価を次式によって算出
し、殺菌効果の評価値として(表1)に示す方法で換算
した。
【0020】また、薬害の発生状態は、目視判断により
(表2)に示す判定規準で行った。以上の結果を、(表
3)に示す。なお、反復処理数は5検体とし、平均をと
った。
【0021】
【数1】
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】2)トマト モザイク病に対する効果試験 素焼3.5号鉢を用い、ガラス室で土耕栽培したトマト
(品種:大型福寿)の本葉が7枚展開した苗に、実施例
3で示した乳剤の500倍希釈液を1鉢当り20ml散
布した。
【0026】あらかじめモザイク病徴のよく発現してい
る葉1−3gに中性リン酸緩衝液を加えて磨砕・濾過し
た、トマトのモザイク病原であるタバコモザイクウイル
ス(Tabacco mosaic virus)の抽出液10mlに、平均
粒径3μmのシリカゲルを少量加えて調整した接種液
を、乳剤散布24時間後の第3本葉に脱脂綿小球にしみ
込ませて2〜3回こすり付け、すぐ水で洗い流して接種
とした。
【0027】接種7日後に接種葉に発生する病徴の発現
程度を(表4)に示す5段階で調べ、薬剤無散布の場合
との比較を行った。
【0028】また、薬害の発生状態は、上記試験例1と
同様の方法で行った。以上の結果を、(表5)に示す。
なお、反復処理数は5検体とし、平均をとった。
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】3)ナス アオガレ病に対する効果試験 素焼3.5号鉢を用い、ガラス室で土耕栽培したナス
(品種:千両2号)の本葉が5枚展開した苗の時期に、
実施例3で示した粉剤を鉢土の上面に1鉢当り0.5g
散布した。散布24時間後、ナスのアオガレ病菌である
シュウドモナスソラナセラム(Pseudomonas solanacear
um Smith 1914)を1ml当り105個懸濁させた中性リ
ン酸緩衝液を、1鉢当り10ml根部付近に噴霧接種し
た。
【0032】接種5日後に植物体全体の病徴の発現程度
を(表6)に示す5段階で調べ、薬剤無散布の場合との
比較を行った。
【0033】また、薬害の発生状態は、上記試験例1と
同様の方法で行った。以上の結果を、(表7)に示す。
なお、反復処理数は5検体とし、平均をとった。
【0034】
【表6】
【0035】
【表7】
【0036】製造化方法例4で示した液剤に関しても、
上記具体的試験例と同等の結果が得られた。
【0037】担持体としてシリカゲルの代わりにゼオラ
イトを用い、実施例1と同様の方法で銀ゼオライト系殺
菌・殺ウイルス材を得、これを用いても、実施例1に示
した製剤化は可能であり、効果に関しても上記具体的試
験例と同等の結果が得られた。
【0038】
【発明の効果】本発明の農園芸用薬剤は、植物の病原と
なる細菌、真菌およびウイルスに対して広く作用する。
さらに、有効主成分が銀化合物であることから、人体や
環境に対する安全性が高く、植物体への薬害等が起こり
にくい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 賢二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 西野 敦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−46106(JP,A) 特開 平5−43414(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 59/16 A01N 25/08 A01N 25/26

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有効成分にチオスルファト銀錯塩を含む
    殺菌・殺ウイルス特性を有する農園芸用薬剤。
  2. 【請求項2】 有効成分を多孔性粒子担体に担持させた
    請求項1記載の殺菌・殺ウイルス特性を有する農園芸用
    薬剤。
  3. 【請求項3】 有効成分を担持した多孔性粒子担体の表
    面の少なくとも一部がコーティング材料により被覆され
    ている請求項2記載の殺菌・殺ウイルス特性を有する
    園芸用薬剤。
  4. 【請求項4】 多孔性粒子担体がシリカゲル粒子であ
    り、コーティング材料が反応性有機ケイ素化合物であ
    り、かつ前記シリカゲル粒子と前記有機ケイ素化合物と
    が化学的に結合している請求項3記載の殺菌・殺ウイル
    ス特性を有する農園芸用薬剤。
  5. 【請求項5】 有効成分を水和剤、粉剤、乳剤あるいは
    液剤として用いる請求項1から5のいずれか一項に記載
    の殺菌・殺ウイルス特性を有する農園芸用薬剤。
  6. 【請求項6】 チオスルファト銀錯塩を含む水和剤、粉
    剤、乳剤あるいは液剤を薬剤として使用する農園芸用殺
    菌・殺ウイルス方法。
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