JP3062907U - 写真転写布地を刺繍により取りつけた縫製用素材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スキャナー、デジタルカメラ等で
取り込んだ、パソコンで処理できるデジタル画像をＴシ
ャツ転写紙にプリントアウトし、これを耐熱性のあるフ
ラットなＴシャツにアイロン等で熱転写しただけの従来
品では非常に安っぽいので、耐熱性のない、しかも表面
形状の複雑な生地にも取付けられるようにして高級感を
もたせる。 【解決手段】 デジタル画像をＴシャツ転写紙に
プリントアウトし、これをＴシャツ地等に熱転写した部
分を切り取って、更に刺繍により刺繍用土台生地に取り
付けた縫製用素材を提供する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、写真を転写したＴシャツ生地の、その部分を切り取って、これを刺 繍用土台生地に刺繍によって取りつけた縫製用素材に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種の製品として存在するものは、スキャナー、デジタルカメラ等で取 り込んだ、パソコンで処理出来る、デジタル画像を、Ｔシャツ転写紙にプリント アウトし、これをＴシャツにアイロン等で熱転写したものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術の項で述べたものは、アイロンで熱転写をするので、熱転写を受け る側のＴシャツは、天然繊維及び再生繊維素繊維のような耐熱性の繊維で作られ ていることが必要であり、且つ表面状態がフラットな布地でなければならなかっ た。

【０００４】 しかしながらこのような製品では、衣料としても単純で、安っぽい商品と見ら れ、高級感・重厚感が見られなかった。そしてＴシャツそのものの季節性も加わ って、その使用は、夏季に限定されるきらいがあった。 又、あらゆる縫製用素材のうち、写真が取りつけられるのは、上記のように衣 料用の、限定された素材についてのみであった。

【０００５】 そこで本考案は、このような問題点を解決するためになされたものであり、そ の目的とするところは、高級感・重厚感のある、且つ用途も広い縫製用素材を提 供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、スキャナー、デジタルカメラ等で取り 込んだパソコンで処理出来るデジタル画像をＴシャツ転写紙にプリントアウトし 、このプリントを耐熱性のあるフラットな布地に熱転写した部分の全体又は一部 分を切り取ってこれを刺繍用土台生地に刺繍により取りつけた縫製用素材を提供 するものである。

【０００７】 刺繍用土台生地は、縫製用の生地でもよいし、仕立上った縫製品でもよい。 刺繍用土台生地としては、特に本考案の効果を著しくするために、プリントを 直接熱転写することが不可能な素材、例えばラフな表面状態の生地、編物のよう な複雑な表面状態の生地、起毛製品、皮革製品などを用いるとよい。

【０００８】 又、本考案においては、耐熱性のあるフラットな布地に熱転写したものの全体 を切り取って刺繍で取り付けてもよいし、その一部分を切り取って刺繍で取り付 けてもよい。そしてその形状も、円形・楕円形・ハート形・星形・多角形等を用 いることが出来、大きさも縫製用として可能な範囲又デザインとして適切な範囲 ならばよいのであって、特にその大きさを限定するものではない。

【０００９】

【考案の実施の形態】

考案の実施の形態について図面を参照して説明する。 図１は本考案に係る実施品の平面図である。１は人物写真をプリントアウトし たＴシャツ転写紙であって、耐熱性のあるフラットな布地１１（図１では見えな い）に熱転写したものの全体又はその一部分を切り取ったものである。これを刺 繍部分２によって刺繍用土台生地３に取りつけたところを示す。

【００１０】 図２は図１に示す本考案実施品の断面図である。刺繍部分２によって結合され ている刺繍用土台生地３と耐熱性のあるフラットな布地１１とは互に密接に接着 している訳ではなく、その間には僅かながら空間がある。従って本考案実施品に は、立体感もある。

【００１１】 図３では本考案において実施される刺繍の形状の例を示す。ただし、図３に示 すものは単に例示であって、本考案はこれらの形状に限定されるものではない。

【００１２】 図４は、従来の技術によって製造されたもの、すなわちＴシャツ転写紙１を熱 転写したフラットな布地１１の断面図を示す。本考案では、この１１がＴシャツ 転写紙１と密着している部分で切り取られて、刺繍部分２によって刺繍用土台生 地３に取り付けられるのである。

【００１３】 図５は本考案に係る縫製用素材が衣料用として用いられたところを、図６は、 鞄用として用いられたところを、図７は帽子用として用いられたところをそれぞ れ示す。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は上述のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。 すなわち従来品は、Ｔシャツ転写紙にプリントアウトした写真を、Ｔシャツに 熱転写したものであって、それはそれで一つの衣料として使用されていたが、い わば単なるＴシャツであり、高級感・重厚感からは程遠いものであった。又、衣 料用以外の用途は考えられなかった。

【００１５】 併し本考案のように熱転写を受けたフラットな布地、例えばＴシャツ地を切り 取って、これを様々な刺繍用土台生地に刺繍によって取り付けることにより、高 級感・重厚感のある且つ用途も広い縫製用素材を提供することが出来たのである 。すなわち衣料用に限定されずに、鞄・靴・帽子・日傘・袋物その他の縫製品に も使用し得る新たな素材を提供することが出来たのである。

【００１６】 このことは、本考案に係る構造を採用することにより、あらゆる縫製用素材（ 針と糸が通るものであればよい）に、好みの人物写真、好みの図柄の写真を取り 付けることが可能になったことを意味する。

【００１７】 そして熱転写するプリントの元として、人物写真などをデジタル画像にとりこ んだ場合には、出来上った製品は、非常にアイデンティティの高い縫製品となる のである。

【００１８】

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る実施品の平面図である。

【図２】 本考案に係る実施品の断面図である。

【図３】 本考案で用いられる刺繍の形状の例示であ
る。

【図４】 従来技術による実施品の断面図である。

【図５】 本考案に係る縫製用素材を衣料用として用い
たところを示す見取図である。

【図６】 本考案に係る縫製用素材を鞄用として用いた
ところを示す見取図である。

【図７】 本考案に係る縫製用素材を帽子用として用い
たところを示す見取図である。

【符号の説明】

１ Ｔシャツ転写紙 ２ 刺 繍 部 分 ３ 刺繍用土台生地 １１ 耐熱性のあるフラットな布地 １２ 人 物 像

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 パソコンで処理出来るデジタル画像をＴ
   シャツ転写紙にプリントアウトし、このプリントを耐熱
   性のあるフラットな布地に熱転写した部分を切り取っ
   て、刺繍により刺繍用土台生地に取りつけた縫製用素
   材。
2. 【請求項２】 パソコンで処理出来るデジタル画像とし
   て人物写真を取り込み、これをＴシャツ転写紙にプリン
   トアウトし、このプリントを耐熱性のあるフラットな布
   地に熱転写した部分を切り取って、刺繍により刺繍用土
   台生地に取りつけた縫製用素材。
3. 【請求項３】 プリントを直接熱転写することが不可能
   な素材を刺繍用土台生地とした請求項１又は２に記載の
   縫製用素材。
4. 【請求項４】 ラフな表面状態の生地、編物のような複
   雑な表面状態の生地、起毛製品、皮革製品のうちの何れ
   か一つを刺繍用土台生地とした請求項１又は２に記載の
   縫製用素材。