JP3062684B2 - インジウム−アルミニウム蒸着フィルム及び金属発色をする成形品 - Google Patents

インジウム−アルミニウム蒸着フィルム及び金属発色をする成形品

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JP3062684B2 JP10184119A JP18411998A JP3062684B2 JP 3062684 B2 JP3062684 B2 JP 3062684B2 JP 10184119 A JP10184119 A JP 10184119A JP 18411998 A JP18411998 A JP 18411998A JP 3062684 B2 JP3062684 B2 JP 3062684B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車部品(例
えば、バンパー、モール)、電気製品(例えば、冷蔵庫
ハンドル)、筆記具(例えば、シャープペンシル)等に
金属蒸着による金属光沢色またはメタリック色を施す際
に用いる蒸着フィルム及び金属発色をする成形品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、金属発色をする成形品は、基体フ
ィルム上にアルミニウム蒸着層が形成された蒸着フィル
ムを使用して、次のようにして製造されていた。つま
り、蒸着フィルムを必要により曲げたり延ばしたりしな
がら、アルミニウム蒸着層側を成形品に接着させ、必要
により基体フィルムを剥離してアルミニウム蒸着層を露
出させるのである。このようにして製造された金属発色
をする成形品は、その用途によっては、自動車部品等と
して振動の激しい環境下に置かれたり、人間の手の油に
触れたり、野ざらしにされたりする環境下に置かれるこ
とになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来は、金属
発色をさせる層(以下、「金属発色層」という。)がア
ルミニウム蒸着層だけであったため、金属発色が弱くな
ったり、金属発色層の背後の物体が透けて見えてしまう
場合があった。その理由として、蒸着フィルムを使用す
る際の曲げや延ばし、振動によって、金属発色層が破損
しやすい点がある。また、基体フィルムが剥離されて露
出された金属発色層が、例えば人間の手の油に触れた
り、野ざらしにされたりする環境下に置かれる場合は、
金属発色層の表面が、人間の手の油や雨等によって侵さ
れて変色したり、人間の手の接触やゴミや埃の衝突によ
って細かいヒビわれや擦り傷が発生したりする点があ
る。
【0004】この発明は上記の欠点を解決し、アルミニ
ウム蒸着層とインジウム蒸着層とで金属発色層を構成す
ることにより、金属発色が弱くなったり、金属発色層の
背後の物体が透けて見えないようにした蒸着フィルム
金属発色をする成形品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、この発明のインジウム−アルミニウム蒸着フィル
ムは、請求項1に記載したように、基体フィルム上に厚
み10Å〜500Åのインジウム蒸着層が形成され、
該インジウム蒸着層の上にアンカー層を介するかあるい
はアンカー層を介さずに、厚み300Å〜1200Åの
アルミニウム蒸着層が形成されたことを特徴とするもの
である。
【0006】また、この発明のインジウム−アルミニウ
ム蒸着フィルムは、請求項2に記載したように、基体フ
ィルム上に厚み300Å〜1200Åのアルミニウム蒸
着層が形成され、当該アルミニウム蒸着層の上にアンカ
ー層を介するかあるいはアンカー層を介さずに、厚み1
0Å〜500Åのインジウム蒸着層が形成されたことを
特徴とするものでもよい。
【0007】また、この発明のインジウム−アルミニウ
ム蒸着フィルムは、請求項3に記載したように、上記2
つの蒸着層のうち基体フィルム側の蒸着層と基体フィル
ムとの間に、または、上記2つの蒸着層のうち基体フィ
ルムとは反対側の蒸着層の外側に、絵柄層が形成された
ものでもよい。
【0008】また、この発明のインジウム−アルミニウ
ム蒸着フィルムは、請求項4に記載したように、基体フ
ィルムとは反対面側の最外層に接着層が形成されたもの
でもよい。
【0009】また、この発明のインジウム−アルミニウ
ム蒸着フィルムは、請求項5に記載したように、基体フ
ィルムと、上記2つの蒸着層のうち基体フィルム側の蒸
着層との間で剥離が可能なものでもよい。
【0010】以上の目的を達成するために、この発明の
金属発色をする成形品は、請求項6に記載したように、
請求項1〜3のいずれかに記載の蒸着フィルムの基体フ
ィルム側を、接着層を介するかあるいは接着層を介さず
、樹脂成形品の表面に一体化させたことを特徴とす
る。
【0011】また、この発明の金属発色をする成形品
は、請求項7に記載したように、請求項1〜5のいずれ
かに記載の蒸着フィルムの蒸着層側を、樹脂成形品の表
面に一体化させたことを特徴とする。
【0012】また、この発明の金属発色をする成形品
は、請求項8に記載したように、請求項5に記載の蒸着
フィルムの蒸着層側を樹脂成形品の表面に一体化させた
後に基体フィルムを剥離したものである。
【0013】また、この発明の金属発色をする成形品
は、請求項9に記載したように、樹脂成形品が透光性を
有するものであってもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発
明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1〜
2は、それぞれ、この発明のインジウム−アルミニウム
蒸着フィルムの一実施例を示す模式断面図である。図
3、4、8〜11は、それぞれ、この発明の金属発色を
する成形品の製造方法の一工程を示す模式断面説明図で
ある。図5〜7は、それぞれ、この発明の金属発色をす
る成形品の一例を示す模式断面説明図である。図中、1
は基体フィルム、2はインジウム蒸着層、3はアルミニ
ウム蒸着層、4は、5は樹脂成形品、11は金型、12
は加熱手段、13は凹部、14は樹脂射出口、15はキ
ャビティ、16は成形樹脂を示している。
【0015】この発明のインジウム−アルミニウム蒸着
フィルムは、基体フィルム1上にインジウム蒸着層2が
形成され、当該インジウム蒸着層の上にアンカー層を介
するかあるいはアンカー層を介さずに、アルミニウム蒸
着層3、接着層4が順次形成されたものである(図1参
照)。また、この発明のインジウム−アルミニウム蒸着
フィルムは、基体フィルム1上にアルミニウム蒸着層3
が形成され、当該アルミニウム蒸着層の上にアンカー層
を介するかあるいはアンカー層を介さずに、インジウム
蒸着層2、接着層4が順次形成されたものである(図2
参照)。また、この発明のインジウム−アルミニウム蒸
着フィルムは、上記2つの蒸着層のうち基体フィルム側
の蒸着層と基体フィルムとの間に、または、上記2つの
蒸着層のうち基体フィルムとは反対側の蒸着層の外側
に、絵柄層が形成されたものである。また、この発明の
インジウム−アルミニウム蒸着フィルムは、基体フィル
ムとは反対面側の最外層に接着層が形成されたものであ
る。また、この発明のインジウム−アルミニウム蒸着フ
ィルムは、基体フィルム1と、上記2つの蒸着層のうち
基体フィルム側の蒸着層との間で剥離することが可能な
ものである(図3、図4参照)。なお、以下の説明にお
いては、樹脂成形品5と接着した後に、基体フィルム1
を剥離するタイプのフィルムを転写フィルムという。ま
た、樹脂成形品5と接着した後に、基体フィルム1を剥
離しないタイプのフィルムをインサートフィルムとい
う。
【0016】基体フィルム1がインサートフィルムの一
構成層として使用される場合は、例えば、厚み10〜3
00μmのアクリルフィルム、フッ素フィルム、ポリカ
ーボネートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリプロ
ピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニ
ルフィルム、ポリアミドフィルムなどを用いることがで
きる。特に、破断しない程度の強度を有して、なおかつ
よく曲がりよく延びるものとして、アクリルフィルム、
ポリ塩化ビニルフィルム、フッ素フィルムまたはこれら
の複合フィルム等があり、これらのいずれかを用いるこ
とにより、3次元曲面を有する樹脂成形品5や、立ち上
がりの深い樹脂成形品5の表面にもきれいに沿わせて密
着させることができるインジウム−アルミニウム蒸着フ
ィルムが得られる。
【0017】基体フィルム1としては、透光性を有する
ものでもよい。また、インジウム−アルミニウム蒸着フ
ィルムの基体フィルム1側を樹脂成形品に一体化させる
場合には、基体フィルム1上に接着層(図示せず)を形
成するとよい。この接着層としては、塩化ビニル-酢酸
ビニル共重合体系インキ層がある。あるいは接着層を形
成しない場合は、基体フィルム1として、ポリ塩化ビニ
ルの材質を用いるとよい。この場合は、後述する成形樹
脂の熱により基体フィルム1表面が溶融して接着性を有
することになるため、基体フィルム1が樹脂成形品に直
に接着することになる。
【0018】基体フィルム1が、転写フィルムの一構成
層として使用される場合は、厚み10〜50μmのポリ
エステルフィルムの他、塩化ビニルフィルム、ポリプロ
ピレンフィルム、ポリエチレンフィルムなどを用いるこ
とができる。基体フィルム1には、後述するインジウム
蒸着層2又はアルミニウム蒸着層3が形成される側と反
対側の面にハードコート層を形成してもよい(図示せ
ず)。基体フィルム1に剥離性を持たせるには、基体フ
ィルム1上に剥離層(図示せず)を形成するとよい。剥
離層の材質、厚み、形成方法は基体フィルム1の材質、
使用用途の要求水準などによって適宜変化する。
【0019】インジウム蒸着層2は、インジウムを蒸着
した層であり、金属発色を呈する。インジウム蒸着層2
の厚みは10Å〜500Åである。特に50〜300
Åがよい。なぜなら、この厚みの蒸着面が適度の凹凸が
あってアルミニウム蒸着とのくいつきがよく密着性が良
くなるからである。蒸着法としては、真空蒸着法やイオ
ンプレーティング法、スパッタリング法等がある。イン
ジウム蒸着層2は、基体フィルム1の全面又は一部に設
けてもよい。基体フィルム1が剥離層を有する場合は、
剥離層の全面又は一部に設けてもよい。後述するアルミ
ニウム蒸着層3が基体フィルム1に先に形成されている
場合は、インジウム蒸着層2はアルミニウム蒸着層3の
全面または一部に設けてもよい。インジウム蒸着層2と
アルミニウム蒸着層3との間の密着性が劣る場合は、両
者間にアンカー層を介在せしめればよい。
【0020】アルミニウム蒸着層3は、アルミニウムを
蒸着した層であり、金属発色を呈する。アルミニウム蒸
着層3の厚みは300Å〜1200Åである。特に40
〜800Åがよい。アルミニウム蒸着層3は、基体
フィルム1の全面又は一部に設けてもよい。基体フィル
ム1が剥離層を有する場合は、剥離層の全面又は一部に
設けてもよい。前記インジウム蒸着層2が基体フィルム
1に先に形成されている場合は、アルミニウム蒸着層3
はインジウム蒸着層2の全面または一部に設けてもよ
い。
【0021】前記、インジウム蒸着層2又はアルミニウ
ム蒸着層3を、基体フィルム1あるいは剥離層の一部に
形成する場合の一例としては、インジウム蒸着層2又は
アルミニウム蒸着層3を必要としない部分に溶剤可溶性
樹脂層を形成した後、その上に全面的に、インジウム蒸
着又はアルミニウム蒸着を形成し、溶剤洗浄を行って溶
剤可溶性樹脂層と共に不要なインジウム蒸着又はアルミ
ニウム蒸着を除去する方法がある。この場合によく用い
られる溶剤は、水または水溶液である。また、別の一例
としては、全面的にインジウム蒸着又はアルミニウム蒸
着を形成し、次にインジウム蒸着又はアルミニウム蒸着
を残しておきたい部分にマスキングパターンを形成し、
酸またはアルカリでエッチングを行い、マスキングパタ
ーンを除去する方法がある。
【0022】なお、基体フィルム1や剥離層と、アルミ
ニウム蒸着層3やインジウム蒸着層2との密着性が低い
場合は、アルミニウム蒸着層3やインジウム蒸着層2を
形成する前に、基体フィルム1や剥離層上にアンカー層
を形成するとよい(図示せず)。アンカー層としては、
熱硬化性ウレタン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、熱硬化
性ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂などがある。
【0023】接着層4は、アクリル樹脂、ウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エチレンブチ
ルアルコール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル・酢酸ビニル共重合体などを用いるとよい。接着
層4は、これらの接着剤を黒色系インキ層上に、オフセ
ット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレ
キソ印刷法などの印刷法により形成するとよい。接着層
4は透光性を有していてもよい。
【0024】絵柄層は、印刷インキからなる。印刷イン
キとしては、アルミニウム顔料等を、ビニル樹脂に混入
させたものなどがある。絵柄層は、基材フィルム1と金
属発色層との間または金属発色層の外層に設けることが
できる。
【0025】この発明の金属発色をする成形品を製造す
る方法は、前記インジウム−アルミニウム蒸着フィルム
を、射出成形用の金型内にセットし、樹脂成形品の射出
成形時の熱圧により、前記蒸着フィルムの基体フィルム
側、あるいは接着層を有する場合は接着層側を樹脂成形
品の表面に一体化させるものである。一具体例を説明す
る。まず、射出成形用の金型11内にインジウム−アル
ミニウム蒸着フィルムをセットした後、インジウム−ア
ルミニウム蒸着フィルムを加熱手段12により加熱軟化
させ(図8参照)、真空吸引により金型11の凹部13
に密着させる(図9参照)。この際、インジウム−アル
ミニウム蒸着フィルムは、曲げられたりや伸ばされたり
する。その後、成形用の金型11を閉じ、前記凹部13
によってキャビティ15を形成し(図10参照)、樹脂
射出口14からキャビティ15内に溶融させた成形樹脂
16を射出充満させ、樹脂を固化させ、3次元曲面の樹
脂成形品を形成するのと同時にその表面にインジウム−
アルミニウム蒸着フィルムを接着させる(図11参
照)。前記蒸着フィルムの基体フィルム側を樹脂成形品
に一体化させてもよいし(図7参照)、蒸着フィルムの
接着層側を樹脂成形品に一体化させてもよい(図5、図
6参照)。インジウム−アルミニウム蒸着フィルムを構
成するインジウム蒸着層とアルミニウム蒸着層との積層
順序によって、インジウム蒸着層2が基体フィルム1に
近い側にくる成形品(図5参照)ができたり、アルミニ
ウム蒸着層3が基体フィルム1に近い側にくる成形品
(図6参照)ができたりする。樹脂成形品を冷却した
後、成形用金型を開いて樹脂成形品を取り出す。なお、
加熱手段12としては近赤外線ヒーター、遠赤外線ヒー
ター、熱風ヒーター、超音波加熱ヒーター、金属セラミ
ックヒーターなどがある。
【0026】成形樹脂16としては特に限定されず、た
とえば、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、
ABS樹脂、AS樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げ
ることができる。また、ポリフェニレンオキシド・ポリ
スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタ
ール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート変性ポ
リフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレー
ト樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量
ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂やポ
リスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、
ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレート樹脂、
ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエ
ステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエン
ジニアリング樹脂を使用することもできる。さらに、ガ
ラス繊維や無機フィラーなどの補強材を添加した複合樹
脂も使用できる。
【0027】なお、インジウム−アルミニウム蒸着フィ
ルムとして、基体フィルム1と、インジウム蒸着層2あ
るいはアルミニウム蒸着層3との間で剥離することが可
能なフィルムを用いた場合は、インジウム−アルミニウ
ム蒸着フィルムを樹脂成形品5の表面に一体化させた後
に、基体フィルム1を剥離する。
【0028】また、インジウム−アルミニウム蒸着フィ
ルムとして、接着層4が透光性を有するものを用いた場
合は、前記成形樹脂16としても透光性を有するものを
用いるとよい(図4参照)。このようにすると、樹脂成
形品5を透かしてインジウム蒸着層2あるいはアルミニ
ウム蒸着層3の金属発色を看取することができるので、
露出したアルミニウム蒸着層3あるいはインジウム蒸着
層2は、人間の手の油に触れたり、野ざらしにされたり
する環境下に置かれないようにして用いることができ
る。
【0029】また、インジウム−アルミニウム蒸着フィ
ルムとして、基体フィルム1が透光性を有するものを用
い、基体フィルム1側を樹脂成形品5の表面に一体化さ
せ、なおかつ、前記成形樹脂16としても透光性を有す
るものを用いるとよい(図7参照)。このようにする
と、樹脂成形品5と基体フィルム1とを透かしてインジ
ウム蒸着層2あるいはアルミニウム蒸着層3の金属発色
を看取することができるので、露出したアルミニウム蒸
着層3あるいはインジウム蒸着層2は、人間の手の油に
触れたり、野ざらしにされたりする環境下に置かれない
ようにして用いることができる。さらに、基体フィルム
1側を樹脂成形品5に一体化させる場合においては、イ
ンジウム蒸着層2を外層側に位置させる方が好ましい。
その理由は、次の通りである。アルミニウム蒸着層3は
安価で厚肉に形成しやすいが、耐腐食性や伸び特性が劣
るのに対し、インジウム蒸着層2は高価で厚肉に形成し
にくいが、耐腐食性や伸び特性が優れている。したがっ
て、このアルミニウム蒸着層3およびインジウム蒸着層
2の特性を利用するためには、前記構成とするのがよ
い。なお、この構成において、インジウム蒸着層2が酸
化された場合、インジウム蒸着層2は透明になるが、下
層のアルミニウム蒸着層3の金属発色を生かすことがで
きる。
【0030】
【実施例】実施例1 以下の条件で、シルバー色の自動車用ホイールキャップ
を製造するためのインジウム−アルミニウム蒸着転写フ
ィルムを製造した。まず、ポリエチレンテレフタレート
フィルム(厚み38μm)からなる長尺の基体フィルム上
に、透明アクリル樹脂を用いたグラビア印刷法により、
膜厚1.5μmの剥離層を形成し、連続して、真空蒸着
機の中に通して、インジウム蒸着層を膜厚200Åで形
成し、さらに、アルミニウム蒸着層を膜厚600Åで形
成し、ロール状に一旦巻き取った。次に、アルミ顔料
(透明黄色顔料含む)含有ビニル樹脂系インキを用いた
グラビア印刷法により黄金色系インキ層を形成し、連続
して、ポリプロピレン樹脂系インキを用いたグラビア印
刷法により接着層を形成した。
【0031】実施例2 以下の条件で、自動車用エンブレムを製造するためのイ
ンジウム−アルミニウム蒸着転写フィルムを製造した。
まず、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み38μ
m)からなる長尺の基体フィルム上に、透明アクリル樹
脂を用いたグラビア印刷法により膜厚1.5μmの剥離
層を形成し、連続して、真空蒸着機の中に通して、アル
ミニウム蒸着層を膜厚600Åで形成し、さらに、イン
ジウム蒸着層を膜厚200Åで形成し、ロール状に一旦
巻き取った。次に、カーボンブラック顔料含有ビニル樹
脂系インキを用いたグラビア印刷法により黒色系インキ
層を形成し、連続して、無色アクリル系インキを用いた
グラビア印刷法により接着層を形成した。
【0032】実施例3 以下の条件で、クロム色自動車用モールを製造するため
のインジウム−アルミニウム蒸着フィルムを製造した。
まず、耐光性ポリエステルフィルム(厚み58μm)から
なる長尺の基体フィルム上に、パール色顔料含有ビニル
樹脂系インキを用いたグラビア印刷法によりクロム色系
インキ層を形成した。真空蒸着機の中に通して、インジ
ウム蒸着層を膜厚200Åで形成し、さらに、アルミニ
ウム蒸着層を膜厚600Åで形成し、ロール状に一旦巻
き取った。次に、塩化ビニル樹脂系インキを用いたグラ
ビア印刷法により厚さ100μmの接着層を形成した。
【0033】実施例4 以下の条件で、クロム色自動車用グリルを製造するため
のインジウム−アルミニウム蒸着フィルムを製造した。
まず、ウレタンフィルム(厚み100μm)からなる長尺
の基体フィルムを、真空蒸着機の中に通して、アルミニ
ウム蒸着層を膜厚600Åで形成し、さらに、インジウ
ム蒸着層を膜厚200Åで形成し、ロール状に一旦巻き
取った。次に、パール顔料含有ビニル樹脂系インキを用
いたグラビア印刷法によりクロム色系インキ層を形成し
た。このインジウム−アルミニウム蒸着フィルムは、基
体フィルム側を樹脂成形品に接着させるために用いた。
【0034】
【発明の効果】この発明では、金属発色層がアルミニウ
ム蒸着層とインジウム蒸着層の2層であるため、金属発
色や隠ぺい性を互いに補い合う。よって、金属発色の光
沢等が弱くなったり、金属発色層の背後の物体が透けて
見えてしまうことがない。つまり、蒸着フィルムを使用
する際の曲げや延ばし、振動を受けても、金属発色層は
アルミニウム蒸着層とインジウム蒸着層との2層である
ため、破損しにくい。また、上層の金属発色層が、例え
ば人間の手の油に触れたり、野ざらしにされたりする環
境下に置かれる場合でも、別の金属発色層が下層にある
ため、上層の金属発色層の表面が人間の手の油や雨等に
よって侵されたり、人間の手の接触やゴミや埃の衝突に
よって細かいヒビわれや擦り傷が発生したりしにくくな
る。仮に、細かいヒビ割れや擦り傷が発生しても、イン
ジウム-アルミニウム蒸着フィルムとしての金属発色効
果が無くなることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のインジウム−アルミニウム蒸着フィ
ルムの一実施例を示す模式断面図である。
【図2】この発明のインジウム−アルミニウム蒸着フィ
ルムの一実施例を示す模式断面図である。
【図3】この発明の金属発色をする成形品の製造方法の
一工程を示す模式断面説明図である。
【図4】この発明の金属発色をする成形品の製造方法の
一工程を示す模式断面説明図である。
【図5】この発明の金属発色をする成形品の一例を示す
模式断面説明図である。
【図6】この発明の金属発色をする成形品の一例を示す
模式断面説明図である。
【図7】この発明の金属発色をする成形品の一例を示す
模式断面説明図である。
【図8】この発明の金属発色をする成形品の製造方法の
一工程を示す模式断面説明図である。
【図9】この発明の金属発色をする成形品の製造方法の
一工程を示す模式断面説明図である。
【図10】この発明の金属発色をする成形品の製造方法
の一工程を示す模式断面説明図である。
【図11】この発明の金属発色をする成形品の製造方法
の一工程を示す模式断面説明図である。
【符号の説明】
1 基体フィルム 2 インジウム蒸着層 3 アルミニウム蒸着層 4 接着層 5 樹脂成形品 11 金型 12 加熱手段 13 凹部 14 樹脂射出口 15 キャビティ 16 成形樹脂

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体フィルム上に厚み10Å〜500Å
    のインジウム蒸着層が形成され、当該インジウム蒸着層
    の上にアンカー層を介するかあるいはアンカー層を介さ
    ずに、厚み300Å〜1200Åのアルミニウム蒸着層
    が形成されたことを特徴とするインジウム−アルミニウ
    ム蒸着フィルム。
  2. 【請求項2】 基体フィルム上に厚み300Å〜120
    0Åのアルミニウム蒸着層が形成され、当該アルミニウ
    ム蒸着層の上にアンカー層を介するかあるいはアンカー
    層を介さずに、厚み10Å〜500Åのインジウム蒸着
    層が形成されたことを特徴とするインジウム−アルミニ
    ウム蒸着フィルム。
  3. 【請求項3】 上記2つの蒸着層のうち基体フィルム側
    の蒸着層と基体フィルムとの間に、または、上記2つの
    蒸着層のうち基体フィルムとは反対側の蒸着層の外側
    に、絵柄層が形成された請求項1又は2のいずれかに記
    載のインジウム−アルミニウム蒸着フィルム。
  4. 【請求項4】 基体フィルムとは反対面側の最外層に接
    着層が形成された請求項1〜3のいずれかに記載のイン
    ジウム−アルミニウム蒸着フィルム。
  5. 【請求項5】 基体フィルムと、上記2つの蒸着層のう
    ち基体フィルム側の蒸着層との間で剥離が可能な請求項
    1〜4のいずれかに記載のインジウム−アルミニウム蒸
    着フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載の蒸着フ
    ィルムの基体フィルム側を、接着層を介するかあるいは
    接着層を介さずに、樹脂成形品の表面に一体化させたこ
    とを特徴とする金属発色をする成形品
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載の蒸着フ
    ィルムの蒸着層側を、樹脂成形品の表面に一体化させた
    ことを特徴とする金属発色をする成形品。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載の蒸着フィルムの蒸着層
    側を、樹脂成形品の表面に一体化させた後に基体フィル
    ムを剥離したものであることを特徴とする金属発色をす
    る成形品。
  9. 【請求項9】 樹脂成形品が透光性を有する請求項6〜
    8のいずれかに記載の金属発色をする成形品。
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