JP3062116B2 - 成膜・改質集合装置 - Google Patents

成膜・改質集合装置

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JP3062116B2
JP3062116B2 JP9130258A JP13025897A JP3062116B2 JP 3062116 B2 JP3062116 B2 JP 3062116B2 JP 9130258 A JP9130258 A JP 9130258A JP 13025897 A JP13025897 A JP 13025897A JP 3062116 B2 JP3062116 B2 JP 3062116B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば酸化タンタ
ル等の絶縁膜に適する金属酸化膜を成膜して改質する成
膜・改質集合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体デバイスを製造するに
は、半導体ウエハに成膜処理やパターンエッチング処理
を繰り返し行なって所望のデバイスを製造するが、中で
も成膜技術は半導体デバイスが高密度化及び高集積化す
るに伴ってその仕様が年々厳しくなっており、例えばデ
バイス中のキャパシタの絶縁膜やゲート絶縁膜のように
非常に薄い酸化膜などに対しても更なる薄膜化が要求さ
れ、これと同時に更に高い絶縁性が要求されている。
【0003】これらの絶縁膜としては、シリコン酸化膜
やシリコンナイトライド膜等を用いることができるが、
最近にあっては、より絶縁特性の良好な材料として、金
属酸化膜、例えば酸化タンタル(Ta25 )等が用い
られる傾向にある。この金属酸化膜は、薄くても信頼性
の高い絶縁性を発揮するが、この金属酸化膜の成膜後
に、この表面の改質処理を施すことにより、更に絶縁性
を向上させることができることが発見され、特開平2−
283022号公報にその技術が開示されている。
【0004】この金属酸化膜を形成するには、例えば酸
化タンタルを形成する場合を例にとって説明すると、上
記公報に開示されているように成膜用の原料として、タ
ンタルの金属アルコキシド(Ta(OC255 )を
用い、これを窒素ガス等でバブリングしながら供給して
半導体ウエハを例えば400℃程度のプロセス温度に維
持し、真空雰囲気下でCVD(Chemical Va
por Deposition)により酸化タンタル膜
(Ta25 )を積層させている。そして、必要に応じ
て更なる絶縁特性の向上を図る場合には、この半導体ウ
エハを、オゾンを含む雰囲気中に搬入し、大気圧下でこ
れに水銀ランプから紫外線を照射することにより活性酸
素原子を発生させ、この活性酸素原子を用いて上記酸化
タンタル膜を改質することにより、一層、特性の良好な
絶縁膜を得ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に絶縁膜の特性を向上させることも重要であるが、これ
と同時に、品質の良好なデバイスを多量に製造する上か
ら生産性、すなわちスループットが大きいことが必要と
される。しかしながら、上述したような成膜工程や改質
工程は実施するのにかなりの時間を要し、それ程スルー
プットが良好であるとは言い難い。例えば、酸化タンタ
ル膜の成膜速度は、僅かに1〜2nm/分程度の成膜レ
ートであり、十分な生産性を上げるために、この成膜レ
ートを大幅に向上させることが大きな課題となってい
る。
【0006】また、改質工程を例にとれば、紫外線量や
オゾン量にもよるが、使用に耐え得る絶縁耐圧を得るに
は、通常、ウエハ1枚に対して30分程度の改質処理を
施さねばならず、スループットが十分ではなくてコスト
高になるという問題があった。また、従来の技術にあっ
ては、成膜工程は真空雰囲気下で行なわれるに対して、
改質工程は大気圧下で行なわれるので、成膜工程終了後
にウエハを大気中に取り出さねばならず、この時の圧力
調整にも多くの時間を要してしまう。このように、特性
の良好な絶縁膜を生産性良く製造するために、上記成膜
工程と改質工程を如何に迅速に行なうことができるか
が、大きな課題となっている。
【0007】本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明
の目的は、金属酸化膜の成膜と改質とを連続的に行な
い、成膜レート及び改質レートを向上させて全体のスル
ープットを大幅に向上させることができる成膜・改質集
合装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、成膜条件及
び改質条件について鋭意研究した結果、成膜時にアルコ
ールを微量添加することにより、成膜レートを大幅に改
善することができること及び改質処理を大気中ではなく
真空中で行なうことによりその改質を短時間で行なうこ
とができることを見出だすことにより、本発明に至った
ものである。本発明は、上記問題点を解決するために、
被処理体に対して気化状態の金属酸化膜原料と気化状態
のアルコールとが含まれている真空雰囲気中にて金属酸
化膜を形成する成膜装置と、前記金属酸化膜を真空雰囲
気下において活性酸素原子に晒すことによって改質する
改質装置と、前記成膜装置と前記改質装置とに共通に連
結され、真空状態を維持しつつ前記成膜装置と前記改質
装置との間で前記被処理体を移載する共通移載室とを備
えるように構成したものである。
【0009】このような構成において、成膜装置では
えば添加物としてアルコールの存在下にて成膜処理を行
なうことにより金属酸化膜の成膜レートを大幅に向上す
ることができ、また、改質装置では、この金属酸化膜を
改質するに際して、真空雰囲気下で行なうことにより、
この改質レートを大幅に向上させることができる。従っ
て、成膜レートと改質レートを共に向上させることがで
きるので、全体としてのスループットを大幅に向上させ
ることができる。特に、改質工程を真空雰囲気中で行な
うこととし、且つ両装置間を共通移載室を介して連結し
て、成膜後の被処理体を大気圧雰囲気に晒すことなく改
質装置内に搬入できるようにしたので、圧力調整に要す
る時間がほとんど不要となり、その分も含めて全体とし
てのスループットを更に向上させることが可能となる。
【0010】このような共通移載室は、移載用アーム機
能とこれを内部に収容した移載用容器とにより主に構成
される。また、複数の被処理体を収容可能なカセットを
収容して真空引き可能になされると共に前記共通移載室
に連結されたカセット収容室を設けて、いわゆるクラス
タツール化することにより、未処理の被処理体の搬入、
成膜、改質、搬出といった一連の流れを円滑に行なうこ
とができ、多量の被処理体を迅速に且つ短時間で処理す
ることができる。
【0011】また、具体的には上記成膜装置は、前記成
膜装置は、真空引き可能になされた処理容器と、この処
理容器内に収容される被処理体を載置する載置台と、前
記処理容器内に気化状態の金属酸化膜原料を供給する原
料供給手段と、前記処理容器内を真空引きする真空排気
系とにより主に構成される。
【0012】成膜プロセス時には、原料供給手段からは
金属酸化膜原料が気化状態で供給され、例えばアルコー
ル供給手段からはアルコールが気化状態で供給され、共
に処理容器内に導入される。処理容器内は真空排気系に
より所定の圧力の真空雰囲気になされており、載置台上
の被処理体の表面に金属酸化膜が堆積されて行く。この
時、例えばアルコールの直接の作用により、成膜反応が
促進され、また、アルコールの分解により水分が生じ、
この水分によっても成膜反応が促進され、結果的に、成
膜反応を大幅に向上させて成膜レートを大きくすること
が可能となる。このようにアルコールが成膜レートを促
進する理由は、高温の基板にアルコールが触れて、水分
が発生し、この水分がTa(OC25)5 の加水分解を
促進するためであると考えられる。
【0013】このアルコールは、金属酸化膜原料と別系
統の供給手段で供給してもよいし、或いはアルコールと
金属酸化膜原料とを混合させて混合液を形成し、これを
原料供給手段から混合状態で気化させて処理容器内に導
入するようにしてもよい。尚、別系統の供給手段の場合
には、アルコールの添加量を、プロセス中においても自
由に制御できるのは言うまでもない。また、この時の処
理温度は、250〜450℃の範囲内、アルコールの添
加量は0.1〜4.0%の範囲内に設定するのが好まし
い。金属酸化膜原料は、金属アルコキシドを用いること
ができ、また、堆積される金属酸化膜は、酸化タンタ
ル、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、酸
化ストロンチウムの内、いずれか1つを含む。
【0014】また、具体的には、上記改質装置は、真空
引き可能になされた処理容器と、この処理容器内へ収容
される被処理体を載置する載置台と、オゾン或いはN2
Oガスを含む処理ガスを前記処理容器内へ供給する処理
ガス供給手段と、前記処理容器内の雰囲気中に紫外線を
照射して活性酸素原子を生ぜしめる紫外線照射手段と、
前記処理容器内を真空引きする真空排気系とにより主に
構成される。被処理体の表面には、前段の成膜装置にて
予め酸化タンタルなどの金属酸化膜が形成されており、
このような被処理体を処理容器内の載置台へ載置保持し
て改質処理を施す。処理容器内は真空排気系により所定
の真空圧力下に維持され、処理ガス供給手段から供給さ
れたオゾン或いはN2Oガスは、紫外線照射手段から放
射された紫外線に照射されると、活性酸素原子を生ず
る。この場合、処理容器内は真空状態になされているこ
とから発生した活性酸素原子が消滅するまでの時間が長
くなって濃度が高くなり、その結果、改質処理を迅速に
行なうことが可能となる。
【0015】この場合、改質プロセス時の圧力は、1〜
600Torrの範囲内に設定するのが好ましく、この
範囲外では改質処理が十分ではなくなり、金属酸化膜の
絶縁耐圧が低下してしまう。また、改質プロセス時の被
処理体の温度は、320〜700℃の範囲内が望まし
く、320℃よりも小さい温度の場合には、絶縁耐圧が
十分ではなく、また、700℃を越えると、金属酸化膜
の結晶化温度が700〜750℃程度あることから結晶
化により改質効果が得られない。紫外線照射手段として
は、種々の構造のものを用いることができ、例えば、水
銀を封入した水銀封入ランプにマイクロ波発生手段から
発生したマイクロ波を印加して紫外線を発生させ、この
紫外線を反射鏡により集光させて処理ガスに照射するこ
とにより活性酸素原子を発生させるようにしてもよい。
また、他の構造としては、複数の円筒体状の紫外線ラン
プを多数並行に配列させるようにしてもよい。
【0016】また、活性酸素原子を発生させるために、
紫外線を用いずに、プラズマを用いるようにしてもよ
い。例えば、O2ガス、オゾン及びN2O ガスの内、少
なくとも1つを含む処理ガスにマイクロ波、或いは高周
波電界を印加することにより活性酸素原子を発生させる
ようにしてもよい。また、他の装置例としては、処理ガ
ス供給手段のシャワーヘッドとして、多数の噴射孔を有
する複数のガス噴射管を、例えば格子状に組み合わせて
構成されるものを用いてもよい。この場合には、ガス噴
射管が格子状に配列されていることから、多くの紫外線
がこの石英製のシャワーヘッドを通過することなく被処
理体側に直接照射されることになる。従って、紫外線が
それ程シャワーヘッド内のオゾン等に吸収されずに済
み、改質効率を向上させることができる。この場合、ガ
ス噴射管の載置台上に対する投影面積は、被処理体の表
面の面積の20%よりも小さく設定するのが好ましい。
【0017】また、他の装置例としては、処理ガス供給
手段の一部として、被処理体を覆うことができるように
下端部が開放された容器状の蓋体を設け、この一側に噴
射孔を有する導入ヘッダ部を形成し、他側に排出口を有
する排出ヘッダ部を形成する。そして、改質時には、被
処理体を上から覆った状態でこの蓋体内に水平方向へ流
れるガス流を形成する。これによれば、被処理体の表面
近くで活性な酸素原子を高濃度に発生させることができ
るので、改質効率を大幅に向上させることができる。ま
た、被処理体の搬入及び搬出を可能とするために、蓋体
と載置台は、相対的に上下方向に接近及び離間可能とな
るようにしておく。
【0018】更に、他の装置例としては、被処理体の表
面に形成された金属酸化膜を改質する金属酸化膜の改質
装置において、真空引き可能になされた処理容器と、こ
の処理容器内へ収容される被処理体を載置する載置台
と、オゾン或いはN2Oガスを含む処理ガスを前記処理
容器内へ供給する処理ガス供給手段と、前記被処理体を
加熱するための加熱手段と、前記処理容器内を真空引き
する真空排気系とを備え、前記加熱手段は、前記被処理
体を400℃〜850℃の範囲内に加熱するようにす
る。これによれば、紫外線を照射することなく、オゾン
或いはN2 Oガスを供給しつつ被処理体を所定の温度に
維持することにより改質することができる。この場合、
改質のプロセス温度は400℃〜850℃の範囲に設定
し、特に、450℃〜500℃の範囲が好ましい。この
場合の加熱手段としては、例えば載置台の下方より加熱
ランプを用いて加熱するのが良い。また、処理容器の側
壁近傍で気相反応によりオゾンが分解するのを抑制する
ために、処理容器の側壁に冷却ジャケットを設けて、こ
の温度をオゾンの熱分解温度以下に冷却するのが好まし
い。絶縁膜となる改質の対象となる金属酸化膜として
は、酸化タンタル、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸
化バリウム、酸化ストロンチウム等を用いることができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る成膜・改質集
合装置の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。図1
は本発明に係る成膜・改質集合装置を示す概略斜視図、
図2は図1に示す装置の水平断面図、図3は図1に示す
装置を被処理体の搬送経路に沿って切断した時の断面図
である。
【0020】まず、この成膜・改質集合装置の全体構成
について説明する。図示するように、この成膜・改質集
合装置2は、被処理体、例えば半導体ウエハに対して気
化状態の金属酸化膜原料と気化状態のアルコールの存在
下の真空雰囲気中にて金属酸化膜を形成する成膜装置4
と、この金属酸化膜を真空雰囲気下において活性酸素原
子に晒すことによって改質する改質装置6と、これらの
2つの装置4、6間を共通に連結して、真空状態を維持
しつつ、両装置間にウエハを移載する共通移載室8とに
より主に構成されている。更に、ここでは、ウエハの搬
入・搬出効率を向上させるために、複数の半導体ウエハ
を収容可能なカセットCを収容して真空引き可能になさ
れて上記共通移載室8に連結されたカセット収容室10
A,10Bを有しており、いわゆるクラスタツール化さ
れている。
【0021】共通移載室8の一側には、それぞれゲート
バルブG1,G2を介して第1のカセット収容室10A
及び第2のカセット収容室10Bがそれぞれ接続されて
いる。これらの両カセット収容室10A,10Bは、こ
の装置全体のウエハ搬出入ポートを構成するものであ
り、それぞれ昇降自在なカセットステージ18(図3参
照)を備えている。共通移載室8及び両カセット収容室
10A,10Bは、それぞれ気密構造に構成され、両カ
セット収容室10A,10Bには、外部の作業室雰囲気
との間を開閉して大気開放可能にそれぞれゲートドアG
3,G4が設けられる。
【0022】共通移載室8内の移載用アーム機構28
は、屈伸及び旋回可能になされた多関節アームよりな
り、両カセット収容室10A,10Bと成膜装置4及び
改質装置6の間及び成膜装置4と改質装置6との間でウ
エハを移載するものである。そのために、アーム機構2
8のウエハ保持部であるアーム先端には、ウエハWを吸
着保持するための吸引孔12Aが形成されており、この
吸引孔12Aは図示しない配管を介して真空ポンプに接
続されている。
【0023】また、この共通移載室8内には、半導体ウ
エハWの中心及びオリフラ(オリエンテーションフラッ
ト)を位置合わせするための回転ステージ20が設けら
れており、図示しない発光部と受光部とにより位置合わ
せ手段を構成している。そして、この共通移載室8に
は、ゲートバルブG9,G10を介してそれぞれ成膜装
置4及び改質装置6が連結されている。以上説明した上
記各室8,10A,10Bには、室内に不活性ガス、例
えばN2ガスをパージするN2ガス供給系30及び室内
の雰囲気を真空引きするための真空排気系32がそれぞ
れ接続されており、独立して制御可能になされている。
【0024】次に、成膜装置4について説明する。図4
は成膜装置を示す概略全体構成図、図5は成膜装置の本
体を示す構成図である。ここでは、金属酸化膜として酸
化タンタル(Ta25 )をCVDにより成膜する場合
について説明する。この成膜装置4は、装置本体104
と、これに原料ガスとして金属酸化膜原料を気化状態で
供給する原料供給手段106と、成膜レートを向上させ
るために成膜プロセス時に添加物としてアルコールを気
化状態で添加するアルコール供給手段108とにより主
に構成される。
【0025】この原料供給手段106は、原料として液
状の金属酸化膜原料110、例えばTa(OC25
5 よりなる金属アルコキシドを貯留する密閉状態の原料
タンク112を有しており、このタンク112には加熱
ヒータ114を設けてこの原料110を流れ易い温度、
例えば20〜50℃程度に加熱している。この原料タン
ク112の気相部には、加圧管116の先端が上部より
導入されており、この加圧管116にはマスフローコン
トローラのような流量制御器118が介設されて、加圧
気体として例えばHeガスを原料タンク112内の気相
部へ導入し得るようになっている。また、この原料タン
ク112と上記装置本体104の天井部を連絡するよう
にして例えばステンレス管よりなる原料供給通路120
が設けられており、この通路120の原料導入口122
はタンク112内の液体原料中に浸漬させて底部近傍に
位置されて、液状の原料を通路120内に加圧搬送し得
るようになっている。この原料供給通路120は、装置
本体104に向けてその途中に液体流量制御器124お
よび気化器126を介設して、気化状態になされた原料
ガスを装置本体104へ導入するようになっている。
【0026】原料タンク112から気化器126までの
原料供給通路120は、液流量が、通常、例えば5mg
/min程度と非常に少ないために内径が0.125イ
ンチ程度の配管を用い、これに対して気化器126より
下流側の通路120は、ガス状態の原料を流すので内径
が大きな、例えば0.25インチ程度になされた配管を
用いる。そして、この気化器126よりも下流側の原料
供給通路120には、例えばテープヒータよりなる保温
用ヒータ128が巻回されており、原料ガスの液化温度
よりも高く分解温度よりも低い温度、例えば140〜1
75℃の範囲内で保温するようになっている。また、上
記気化器126には、気化用ガスとして例えばHeガス
を流量制御器130により流量制御しつつ供給するよう
になっている。
【0027】一方、アルコール供給手段108は、液状
の添加物132としてアルコールを貯留する密閉状態の
アルコールタンク134を有しており、このタンク13
4には加熱ヒータ136を設けてアルコール132を加
熱することにより、この気化を促進させるようになって
いる。このアルコールタンク134内には、バブリング
管138が導入されてその先端を、アルコール132内
に浸漬させて底部近傍に位置させている。そして、この
バブリング管138には流量制御器140が介設されて
おり、バブリング気体として例えばO2 ガス或いはN2
ガスを流量制御しつつ供給することにより、液状の添加
物アルコール132をバブリングして気化させるように
なっている。
【0028】そして、このアルコールタンク134と上
記装置本体104の天井部を連絡するようにして例えば
ステンレス管よりなるアルコール供給通路142が設け
られており、この通路142の導入口144はアルコー
ルタンク134内の気相部に導入され、バブリングによ
って発生した気化アルコールを装置本体へ搬送し得るよ
うになっている。添加物として用いるアルコールの種類
は、特に限定されず、例えばメチルアルコール、エチル
アルコールなどの低級アルコールの他、炭素数6以上の
高級アルコールも用いることができる。アルコールタン
ク134へ供給する加圧気体はO2 ガスやN2 ガスに限
らず、例えばHeガスやArガス等の不活性ガスを用い
てもよいし、アルコールタンク134の加熱温度は、ア
ルコールの種類にもよるが、例えばメチルアルコールの
場合には、20〜40℃の範囲内に設定するのが好まし
い。
【0029】一方、上記装置本体104は、図5に示す
ように例えばアルミニウムにより筒体状に成形された処
理容器146を有している。この処理容器146の底部
146Aの中心部には、給電線挿通孔148が形成され
ると共に周辺部には、真空引きポンプ、例えばターボ分
子ポンプ150及びドライポンプ152を介設した真空
排気系154に接続された排気口156が設けられてお
り、容器内部を真空引き可能としている。この排気口1
56は、容器底部146Aに複数個、例えば等間隔で同
一円周上に4個程度設けられ、各排気口156は、真空
排気系154により共通に連通されている。
【0030】この処理容器146内には、非導電性材
料、例えばアルミナ製の円板状の載置台158が設けら
れ、この載置台158の下面中央部には下方に延びる中
空円筒状の脚部160が一体的に形成され、この脚部1
60の下端は上記容器底部146Aの給電線挿通孔14
8の周辺部にOリング等のシール部材162を介在させ
てボルト164等を用いて気密に取り付け固定される。
従って、この中空脚部160内は、外側に開放され、処
理容器146内に対して気密状態となっている。
【0031】上記載置台158には、例えば、SiCに
よりコーティングされたカーボン製の抵抗発熱体166
が埋め込まれており、この上面側に載置される被処理体
としての半導体ウエハWを所望の温度に加熱し得るよう
になっている。この載置台158の上部は、内部に銅な
どの導電板よりなるチャック用電極168を埋め込んだ
薄いセラミックス製の静電チャック170として構成さ
れており、この静電チャック170が発生するクーロン
力により、この上面にウエハWを吸着保持するようにな
っている。尚、この静電チャック170の表面にHeガ
スなどのバックサイドガスを流してウエハへの熱伝導性
を向上させたり、ウエハ裏面への成膜を防止するように
してもよい。また、この静電チャック170に代えてメ
カニカルクランプを用いるようにしてもよい。
【0032】上記抵抗発熱体166には、絶縁された給
電用のリード線172が接続され、このリード線172
は、処理容器146内に晒すことなく円筒状の脚部16
0内及び給電線挿通孔148を通って外へ引き出され、
開閉スイッチ174を介して給電部176に接続され
る。また、静電チャック170のチャック用電極168
には、絶縁された給電用のリード線178が接続され、
このリード線178も処理容器146内に晒すことなく
円筒状の脚部160内及び給電線挿通孔148を通って
外へ引き出され、開閉スイッチ180を介して高圧直流
電源182に接続される。尚、ウエハを加熱する手段と
して上記抵抗発熱体166に代え、ハロゲンランプ等の
加熱ランプを用いて加熱するようにしてもよい。
【0033】載置台158の周辺部の所定の位置には、
複数のリフタ孔184が上下方向に貫通させて設けられ
ており、このリフタ孔184内に上下方向に昇降可能に
ウエハリフタピン186が収容されており、ウエハWの
搬入・搬出時に図示しない昇降機構によりリフタピン1
86を昇降させることにより、ウエハWを持ち上げた
り、持ち下げたりするようになっている。このようなウ
エハリフタピン186は、一般的にはウエハ周縁部に対
応させて3本設けられる。
【0034】また、処理容器146の天井部には、シャ
ワーヘッド188が一体的に設けられた天井板190が
Oリング等のシール部材192を介して気密に取り付け
られており、上記シャワーヘッド188は載置台158
の上面の略全面を覆うように対向させて設けられ、載置
台158との間に処理空間Sを形成している。このシャ
ワーヘッド188は処理容器146内に成膜用の原料ガ
ス等をシャワー状に導入するものであり、シャワーヘッ
ド188の下面の噴射面194にはガスを噴出するため
の多数の噴射孔196が形成される。
【0035】このシャワーヘッド188内は、原料ガス
用ヘッド空間188Aとアルコール用ヘッド空間188
Bとに2つに区画されており、原料ガス用ヘッド空間1
88Aに連通されるガス導入ポート198には前記気化
器126から延びる原料供給通路120を接続して気化
状態の金属酸化膜原料を導入するようになっている。ま
た、アルコール用ヘッド空間188Bに連通されるガス
導入ポート1100には前記アルコール供給通路142
を接続して気化状態のアルコールを導入するようになっ
ている。そして、上記噴射孔196は、原料ガス用ヘッ
ド空間188Aに連通される原料ガス用噴射孔196A
とアルコール用ヘッド空間188Bに連通されるアルコ
ール用噴射孔196Bの2つの群に分けられており、両
噴射孔196A、196Bから噴出された原料ガスとア
ルコールとを処理空間Sにて混合して、いわゆるポスト
ミックス状態で供給するようになっている。尚、ガス供
給方式は、このポストミックスに限らず、シャワーヘッ
ド内で両ガスを予め混合させるようにしてもよい。
【0036】また、シャワーヘッドの側壁にはこの部分
の温度を原料ガスの分解を防止するために、例えば14
0〜175℃程度に冷却するための冷却ジャケット11
02が設けられており、これに60℃程度の冷媒、例え
ば温水を流すようになっている。尚、このシャワーヘッ
ド188と載置台158との間の距離は略10〜30m
m程度に設定されている。
【0037】また、処理容器146の側壁には、壁面を
冷却するために例えば冷媒を流す冷却ジャケット110
4が設けられており、これに例えば60℃程度の温水を
冷媒として流し、側面を原料ガスが液化しないで、且つ
熱分解しない温度、例えば140〜170℃の範囲内に
維持するようになっている。また、この容器146の側
壁の一部には、ウエハ搬出入口1106が設けられ、こ
こに真空引き可能になされた前記共通移載室8との間を
連通・遮断する前記ゲートバルブG9を設けている。
尚、図示されていないがパージ用のN2 ガスの供給手段
を設けているのは勿論である。
【0038】次に、改質装置6について説明する。ここ
では、上記成膜装置4にて形成したウエハ表面の金属酸
化膜を改質して、より絶縁耐圧の優れた絶縁膜を形成す
ることを目的とする。図8は改質装置を示す構成図であ
る。図示するように、この改質装置6は、例えばアルミ
ニウムにより筒体状に成形された処理容器204を有し
ている。この処理容器204の底部204Aの周辺部に
は、複数の排気口206が設けられており、この排気口
206には、真空ポンプ、例えばターボ分子ポンプ20
8及びドライポンプ210を介設した真空引き系212
が接続されており、容器内部を真空引き可能としてい
る。
【0039】処理容器204内には、非導電性材料、例
えばアルミナ製の円板状の載置台214が設けられ、こ
の載置台214の下面中央部は容器底部204Aを上下
に貫通して設けられた中空の回転軸216の先端に支持
固定されている。この回転軸216の容器底部との貫通
部には、磁性流体シール218を介設しており、これを
気密に回転可能に支持して上記載置台214を必要に応
じて回転し得るようになっている。尚、この回転軸21
6は、図示しない回転モータ等からの駆動力により回転
可能になされている。
【0040】上記載置台214には、載置台加熱手段と
して例えば、SiCによりコーティングされたカーボン
製の抵抗発熱体220が埋め込まれており、この上面側
に載置される被処理体としての半導体ウエハWを所望の
温度に加熱し得るようになっている。この載置台214
の上部は、内部に銅などの導電板よりなるチャック用電
極222を埋め込んだ薄いセラミック製の静電チャック
224として構成されており、この静電チャック224
が発生するクーロン力により、この上面にウエハWを吸
着保持するようになっている。この静電チャック224
の表面にHeガスなどのバックサイドガスを流してウエ
ハへの熱伝導性を向上させるようにしてもよい。
【0041】上記抵抗発熱体220には、絶縁された給
電用のリード線226が接続され、このリード線226
は、処理容器204内に晒されることなく中空の回転軸
216内を通って外へ引き出され、開閉スイッチ228
を介して給電部230に接続される。また、静電チャッ
ク224のチャック用電極222には、絶縁された給電
用のリード線232が接続され、このリード線232も
処理容器204内に晒されることなく中空の回転軸21
6内を通って外へ引き出され、開閉すスイッチ234を
介して高圧直流電源236に接続される。尚、ウエハを
加熱する手段として上記抵抗発熱体220に代え、ハロ
ゲンランプ等の加熱ランプを用いて加熱するようにして
もよい。
【0042】載置台214の周辺部の所定の位置には、
複数のリフタ孔238が上下方向に貫通して設けられて
おり、このリフタ孔238に対応させて上下方向に昇降
可能にウエハリフタピン240が配置されている。そし
て、このウエハリフタピン240は、容器底部204A
貫通して上下動可能になされたピン昇降ロッド241に
よって一体的に昇降移動可能になされている。また、こ
のロッド241の貫通部には金属性の伸縮ベローズ24
2が設けられており、ロッド241が気密性を保持しつ
つ上下動することを許容している。このように、ピン2
40を昇降させることにより、ウエハWを持ち上げた
り、持ち下げたりするようになっている。このようなウ
エハリフタピン240は、一般的にはウエハ周縁部に対
応させて3本設けられる。
【0043】また、処理容器204の天井部には、後述
する紫外線に対して透明な耐熱材料、例えば石英よりな
る薄い容器状のシャワーヘッド244が設けられてお
り、この下面にはこのヘッド244内に導入された処理
ガスを処理空間Sに向けて放射する多数の噴射孔246
が設けられている。このシャワーヘッド244のガス導
入口248は容器側壁を気密に貫通して外部に臨ませて
おり、これに処理ガス供給手段247のガス導入管25
8に接続されている。このガス導入管258には、マス
フローコントローラ250を介して公知のオゾン発生器
252が接続されており、ここで発生したオゾンを上記
シャワーヘッド244に向けて処理ガスとして送出する
ようになっている。オゾンを発生するために、このオゾ
ン発生器252には、酸素ガスのみならず、発生効率を
向上させるための添加ガス、例えばN2ガスやN2ガスと
2ガスの混合ガスなどを微量加えるようになってい
る。尚、処理ガスとしてオゾンに代え、N2Oガスを用
いるようにしてもよい。また、このシャワーヘッド24
4と載置台214との間の距離L1は、ウエハの搬入搬
出時のスペースを確保するために50mm程度に設定さ
れる。
【0044】一方、処理容器204の天井部には、ウエ
ハ径よりも大きく設定された円形の開口254が形成さ
れており、この開口には、紫外線に対して透明な材料、
例えば石英により形成された円形の透過窓256が天井
部との間でOリング等のシール部材259を介して固定
枠260により気密に取り付けられている。この透過窓
256は、大気圧に対して耐え得るように厚さが例えば
20mm程度に設定されている。
【0045】そして、この透過窓256の上方には、処
理容器204内に向けて紫外線UVを放射するための紫
外線照射手段262が設けられており、これより放出さ
れる紫外線UVにより活性酸素原子を発生させるように
なっている。具体的には、この紫外線照射手段262に
は、水銀を封入した略球形の水銀封入ランプ264と、
このランプ264に照射するマイクロ波を発生するマイ
クロ波発生手段266と、上記ランプ264の上側を覆
って処理容器204内に向けて紫外線を反射する反射鏡
268とにより主に構成されている。 上記マイクロ波
発生手段266は、例えば2.45GHzのマイクロ波
を発生するものであり、これと上記水銀封入ランプ26
4との間で導波管270により接続されており、発生し
たマイクロ波をこの導波管270を介してランプ264
まで伝搬してランプ264に照射して紫外線を発生させ
るようになっている。この水銀封入ランプ264は、紫
外線を発生する通常の冷陰極管ランプと異なり、大きな
電力を導入して多量の紫外線を発生し得るものである。
上記反射鏡268は、例えばアルミニウムをドーム状に
成形することにより構成されており、この曲率は紫外線
の反射光が載置台214の表面に略均等に反射されるよ
うに設定されている。尚、上記水銀封入ランプ264に
代え、活性酸素原子の発生効率が高い180nm以下の
波長の紫外線を多量に放出するエキシマランプを用いて
もよい。
【0046】また、処理容器204の側壁には、壁面を
冷却するために例えば冷媒を流す冷却ジャケット272
が設けられており、これに例えば20℃程度の冷水を冷
媒として流すようになっている。そして、この容器側壁
の一部には、ウエハ搬出入口274が設けられ、ここに
真空引き可能になされた前記共通移載室8との間を連通
・遮断する、ゲートバルブG10を設けている。尚、図
示されてないが、パージ用のN2ガスの供給手段を設け
ているのは勿論であり、以後説明する各処理容器も同様
である。
【0047】次に、以上のように構成された成膜・改質
集合装置に基づいて行なわれる成膜・改質処理について
説明する。まず、半導体ウエハの全体の流れについて説
明する。未処理のウエハWを例えば25枚収容したカセ
ットCが第1のカセット収容室10A内のカセットステ
ージ18上に載置され、続いてゲートドアG3を閉じて
この室内をN2ガスの不活性ガス雰囲気にする。次に、
ゲートバルブG1を開き、カセットC内のウエハWが共
通移載室8内の移載用アーム機構28に真空吸着され、
予め不活性ガス雰囲気にされている共通移載室8内にウ
エハを搬入する。そして、このウエハを回転ステージ2
0上に載置することにより、ウエハWのオリフラ合わせ
及び中心位置合わせを行なう。
【0048】そして、共通移載室8内を、例えば0.1
〜0.2Torr程度の真空度に減圧して、ウエハWを
成膜のためにゲートバルブG9を介して成膜装置4へ導
入する。尚、成膜装置4内における成膜処理については
後述する。
【0049】例えばTa25等の金属酸化膜が成膜処理
されたウエハWは、移載用アーム機構28により成膜装
置4から予め真空状態に維持された共通移載室8内に取
り出され、次に、ゲートバルブG10を介して予め真空
状態になされている改質装置6内に導入され、ここで、
金属酸化膜の改質処理を行なう。尚、改質処理について
は後述する。この改質処理中においては、次の未処理の
ウエハWが、成膜装置4へ導入され、成膜処理も併せて
行なわれている。このようにして、改質装置6におい
て、ウエハ表面の金属酸化膜の改質操作が終了したなら
ば、この処理済みのウエハは移載用アーム機構28によ
り改質装置6から取り出され、ゲートバルブG10を閉
じた後に共通移載室8内にN2ガスをパージして圧力調
整を行なう。
【0050】圧力調整後は、この処理済みのウエハW
を、ゲートバルブG2を介して処理済みウエハを収容す
る第2のカセット収容室10B内のカセットCに収容
し、載置することになる。
【0051】このように、共通移載室8により成膜装置
4と改質装置6とを連結するようにして、成膜済みのウ
エハWを、真空雰囲気中を介してそのまま改質装置6内
へ移載することとしたので、この移載時に圧力調整時間
がほとんど必要とされることはない。従って、成膜処理
から改質処理へとスムーズに移行することができ、その
分、成膜・改質のための処理時間を短くしてスループッ
トを向上させることが可能となる。また、本実施例で
は、後述するように成膜工程自体及び改質工程自体もそ
れぞれ処理時間を大幅に短縮することができるので、こ
れらと相俟って、成膜・改質工程全体に要する時間を大
幅に短くでき、スループットを大幅に向上させることが
可能となる。
【0052】次に、処理の効率化が図られた成膜工程と
改質工程についてそれぞれ説明する。まず、成膜工程に
ついて説明する。真空状態に維持された処理容器146
内に、共通移載室8側からウエハ搬出入口1106を介
して未処理の半導体ウエハWを搬入し、これを載置台1
58上に載置して静電チャック170のクーロン力によ
り吸着保持する。そして、抵抗発熱体166によりウエ
ハWを所定のプロセス温度に維持すると共に、処理容器
146内を真空引きして所定のプロセス圧力に維持しつ
つ、原料ガスとアルコールを供給して成膜を開始する。
【0053】原料供給手段106においては、原料タン
ク112内に、流量制御されたHeガス等の加圧気体を
導入することにより、この圧力で液状のTa(OC2
55 よりなる金属酸化膜原料110が液体流量制御器
124により流量制御されつつ原料供給通路120内を
圧送される。この時の加圧気体の供給量は、例えば数1
00SCCMであり、また、液体原料の供給量は、成膜
レートにもよるが、例えば数mg/min程度と非常に
少量である。また、原料タンク112内の原料110は
加熱ヒータ114により暖められてその粘性が低下して
いるので、比較的スムーズに供給通路120内を圧送す
ることができる。圧送された液状の原料は、気化器12
6にて、例えば200〜500SCCM程度に流量制御
された、Heガス等の気化用ガスにより気化され、ガス
状になって、更に原料供給通路120を下流側に流れて
行き、処理容器146のシャワーヘッド188に導入さ
れる。この時、下流側の原料供給通路120は保温用ヒ
ータ128に所定の温度、例えば130℃程度に加熱さ
れているので、原料ガスが再液化することも、或いは熱
分解することもなく安定的にシャワーヘッド188まで
流すことができる。シャワーヘッド188に到達した原
料ガスは、原料ガス用ヘッド空間188Aに一旦流れ込
み、これより噴射面194に設けた原料ガス用噴射孔1
96Aから処理空間Sに供給されることになる。
【0054】一方、アルコール供給手段108において
は、添加物としてアルコール132を貯留したアルコー
ルタンク134内に、流量制御されたN2 ガス或いはO
2 ガス等のバブリング気体が導入され、この気体のバブ
リングによりアルコールが気化されてアルコール供給通
路142内を流れて行く。この時、アルコールタンク1
34内のアルコール132は、加熱ヒータ136により
暖められているので、容易に気化することができる。ま
た、バブリング気体の流量は、成膜レートにもよるが、
例えば1〜2リットル/minであり、アルコールの添
加量は、原料である金属アルコキシドに対して0.1〜
4.0%程度の範囲内に設定する。アルコール供給通路
142内を流れたガス状のアルコールはシャワーヘッド
188のアルコール用ヘッド空間188Bに到達し、こ
れより噴射面194に設けたアルコール用の噴射孔19
6Bから処理空間Sに供給されることになる。この場
合、アルコールの添加量は、バブリング気体の流量制御
を行なう流量制御器140により、精度良くコントロー
ルすることができる。
【0055】このように処理空間Sに噴出された原料ガ
スとガス状のアルコールは、この処理空間Sで混合され
て反応し、ウエハ表面に、例えば酸化タンタル膜(Ta
25 )を堆積し、成膜することになる。この時、添加
されたアルコールの直接の作用により成膜反応が促進さ
れ、また、アルコールの分解により水分が生じ、この水
分によっても成膜反応が促進され、結果的に、成膜反応
を大幅に向上させて成膜レートを大きくすることが可能
となる。この場合、添加物として供給するアルコールの
種類は問わず、メチルアルコール、エチルアルコール等
の低級アルコールのみならず、高級アルコールを用いて
もよい。
【0056】図6はプロセス温度と成膜レートの関係を
示すグラフであり、実線はアルコールを添加した本発明
の曲線、波線はアルコールを添加しない従来方法の曲線
である。処理条件は、金属アルコキシドに対するアルコ
ールの添加量は2%であり、アルコールとしてはエタノ
ールを用いた。また、プロセス圧力は、0.2〜0.3
Torrに設定した。グラフから明かなように波線で示
す従来方法の場合には、1nm/min前後の成膜レー
トであるのに対して、本発明のようにアルコールを添加
するとプロセス温度にあまり関係なく、10nm/mi
n前後の高い成膜レートを示しており、略10倍の成膜
レートを達成することができた。また、基板のプロセス
温度は、250〜450℃の範囲内に設定する。プロセ
ス温度が250℃よりも低いと、成膜速度が十分に得ら
れない。逆に、450℃よりも高いと成膜速度が速くな
り、ウエハ内の膜厚均一性についての制御性が悪くな
る。
【0057】また、図7は金属アルコキシドに対するア
ルコールの添加量と成膜レートの関係を示すグラフであ
る。この時の処理条件は、基板のプロセス温度が400
℃、原料ガスであるTa(OC255 の供給量が5
mg/min、原料ガスとアルコールの全流量が200
0cc、プロセス圧力が0.12Torr、成膜時間が
60sec、アルコールの種類がエタノールである。グ
ラフから明らかなように、アルコールの添加量を増加す
る程、成膜レートが大きくなっており、成膜レートを一
般に要求される3nm/min以上にするためには0.
1%以上のアルコールを添加する必要があり、また、添
加量が4.0%よりも大きくなると成膜速度が速くな
り、制御性が悪くなる。従って、アルコールの添加量
は、0.1〜4.0%の範囲内に設定する。バブリング
気体として、N2 ガスやHeガス等の不活性ガスを用い
てもよいが、O2 ガスを用いることにより、酸素分圧を
高めることができ、より良好な絶縁耐圧を有する膜を形
成できる。
【0058】アルコールを添加するために、ここでは原
料ガスの供給系とは別に、アルコールの供給系を設けて
両者を処理容器内で、いわゆるポストミックスさせてい
るが、これに限らず、例えば原料タンク112内に液状
の金属酸化膜原料とアルコールとの混合液を貯留してお
き、この混合液を気化器126にて気化させることによ
り原料ガスと気化アルコールとを混合状態で装置本体1
04へ供給するようにしてもよい。これによれば、アル
コール供給手段108を別途設ける必要がなくなり、ま
た、シャワーヘッド188の構造も簡単化することが可
能となる。
【0059】また、ここでは、金属酸化膜として酸化タ
ンタルを成膜する場合を例にとって説明したが、これに
限定されず、他の金属酸化膜、例えば酸化チタン、酸化
ジルコニウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウムを形
成する場合にも適用でき、原料はそれらの金属の金属ア
ルコキシドを用いる。更に、上記した金属酸化膜以外に
は、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、
酸化鉛等を形成する場合にも本発明を適用することがで
きる。このように、金属酸化膜を形成するに際して、ア
ルコール供給手段を設けて、金属酸化膜原料にアルコー
ルを添加して反応させるようにしたので、金属酸化膜の
成膜レートを大幅に向上させることができ、従って、成
膜工程のスループットも向上させることができる。ま
た、金属酸化膜原料とアルコールを予め混合させて混合
液とし、これを気化させて供給するようにした場合に
は、アルコール供給手段を設ける必要がないので、装置
を複雑化することなく上記した効果を発揮することがで
きる。
【0060】次に、改質工程について説明する。ここで
改質される金属酸化膜は例えば集積回路のキャパシタン
スやゲート絶縁膜などとして用いられる。まず、上述の
ように金属酸化膜が形成されている半導体ウエハWを、
真空状態に維持された処理容器204内に、共通移載室
8側からウエハ搬出入口274を介して導入し、これを
載置台214上に載置して静電チャック224のクーロ
ン力により吸着保持する。そして、抵抗発熱体220に
よりウエハWを所定のプロセス温度に維持すると共に、
処理容器204内を真空引きして所定のプロセス圧力に
維持しつつ、処理ガスとしてオゾンを供給して改質処理
を開始する。
【0061】処理ガス供給手段247のオゾン発生器2
52には、酸素と添加ガスとして僅かな量の例えばN2
ガスを供給することによりオゾン(O3 )が発生され、
オゾンを成分主体とするオゾンと酸素とN2 ガスの混合
ガスが処理ガスとして流量制御されつつガス導入管25
8を介してシャワーヘッド244内に導入され、多数の
噴射孔246より処理空間Sに向けて噴出される。微量
な添加ガスを加える理由は、前述のようにオゾン発生器
252によるオゾン発生効率を高めるためである。
【0062】一方、これと同時に、紫外線照射手段26
2のマイクロ波発生手段266からは2.45GHzの
マイクロ波が発生されており、このマイクロ波は導波管
270を介して伝搬された後に水銀封入ランプ264に
向けて照射される。このマイクロ波の照射により水銀封
入ランプ264からは多量の紫外線UVが放出され、こ
の紫外線UVは直接、或いはドーム状の反射鏡268で
反射された後に石英製の透過窓256を透過して所定の
真空圧に維持された処理容器204内に入り、更に、石
英製のシャワーヘッド244を透過して処理空間Sにお
けるオゾンを主体成分とする処理ガス中に注がれる。
【0063】ここで、オゾンは紫外線の照射により励起
されて多量の活性酸素原子278を発生し、この活性酸
素原子278が先のウエハ表面に形成されている金属酸
化膜に作用してこれを略完全に酸化し、改質を行なうこ
とになる。この場合、処理容器204は真空状態に維持
されていることから、発生した活性酸素原子278が他
のガス原子或いはガス分子と衝突する確立が非常に少な
くなって、その分、従来装置のように大気圧下で処理を
行なった場合と比較して、活性酸素原子278の密度が
向上し、改質処理を迅速に行なうことができる。この改
質処理によって、金属酸化膜の絶縁性を迅速に且つ大幅
に向上させることが可能となる。
【0064】紫外線照射手段262のドーム状の反射鏡
268は、これからの反射光を載置台214の表面上に
略均等に分布させるような適正な曲率に設定されている
ので、発生した紫外線UVが無駄なく活性酸素原子27
8の発生のためにに使用することができる。また、改質
処理中にあっては、回転軸216に支持された載置台2
14は、この上に載置されたウエハWを一体的に回転し
ているので、ウエハ面上における改質ムラの発生をなく
すことができ、金属酸化膜の前面を略均等に改質するこ
とができる。
【0065】改質中における容器の圧力は、1〜600
Torrの範囲内に設定する。この範囲外の圧力では、
改質の進行が遅かったり、或いは十分でなく、金属酸化
膜の絶縁耐圧が低下してしまう。また、改質プロセス時
のウエハ温度は、320〜700℃の範囲内に設定す
る。ウエハ温度が320℃よりも小さい場合は、絶縁耐
圧が十分でなく、また、700℃を越えると、金属の結
晶化温度が700〜750℃程度であることから、結晶
化により十分な改質を得ることができない。
【0066】ここで使用した水銀封入ランプ264は大
きな電力を投入できることからガスの活性化に寄与でき
る波長185nm、254nmを主体とする紫外線を多
量に放出することができ、その分、改質の迅速化を図る
ことが可能である。また、このランプ264に代えて、
ガスの活性化に更に寄与できる波長180nm以下の紫
外線を多量に放出するエキシマランプを用いれば、一
層、改質の迅速化を期待することができる。添加ガスと
しては、上記したN2 ガスに限定されず、N2 ガスとH
2 ガスの混合気体でもよい。また、シャワーヘッド24
4に供給する処理ガスは、オゾンに代えて、N2 Oガス
を供給しても全く同様な作用効果を生ぜしめることがで
きる。ここで、改質に関する公知の実験結果についてグ
ラフを用いて詳しく説明する。図9はオゾン雰囲気中に
て紫外線を照射した時の、照射時間と絶縁特性(リーク
電流)との関係を示すグラフであり、改質時のプロセス
圧力は760Torrである。ここでは、金属酸化膜を
ゲート絶縁膜として用いている。
【0067】これによれば、改質時間を0分から、10
分、60分と大きくする程、リーク電流が少なくなって
印加ゲート電圧に対する耐圧が次第に高くなっており、
特性が次第に改善されていくことを示している。従っ
て、オゾン存在下における紫外線照射による改質処理が
非常に有効であることが判明する。図10はオゾン存在
下での紫外線照射による改質プロセス圧力と絶縁耐圧と
の関係を示すグラフであり、この時の改質時間は10分
である。図中、実線で示すようにプロセス圧力が1.0
〜600Torrの範囲内では基準とする絶縁耐圧2.
0Vを上回って良好な特性を示しており、特に、10.
0Torrの圧力を中心とする5.0〜200Torr
程度の範囲内における特性が最も良好であることが判明
する。尚、図中、一点鎖線は、改質処理なしの場合の特
性を示している。また、大気圧処理ではシャワーヘッド
とウエハの距離を短くして、生成した活性酸素の寿命が
短くてもウエハ表面にこれを到達させなければならな
い。しかし、真空中ではシャワーヘッドとウエハの距離
を長くしても、大気圧と同等な効果を得ることができ
る。この理由は、真空中では生成した活性酸素原子の寿
命が長くなるために、十分な量の活性酸素原子がウエハ
表面に供給されるからである。
【0068】図11は絶縁耐圧の活性酸素処理の温度依
存性を示すグラフであり、横軸には絶対温度の逆数、縦
軸に実効電界強度を取ってある。この時の改質プロセス
圧力は、1.0Torrであり、改質時間は10分であ
る。このグラフから明らかなように、改質時のプロセス
温度を上げる程、絶縁耐圧が良好となっており、特に、
絶縁耐圧を下限の実効電界強度12.5MV/cm以上
とするにはプロセス温度を320℃以上に設定するのが
よいことが判明する。ただし、改質プロセス温度は、金
属酸化膜の成膜温度以下に設定する必要があるので、そ
の上限は、略450℃である。
【0069】図12は絶縁耐圧の活性酸素の処理時間依
存性を示すグラフであり、添加ガスを加えた場合と加え
ない場合とを比較している。グラフから明らかなよう
に、添加ガスを加えない場合(曲線B)と比較して、添
加ガスを加えた場合(曲線A)の方が、短時間で、迅速
に改質処理を行なうことができることが判明する。これ
は添加ガスの存在により、活性酸素原子の濃度が高くな
ったことによるものと考えられる。この添加ガスは、こ
こではN2 ガスとH2 ガスの混合ガスであり、O2 に対
して1%程度の量で加えている。このN2 ガスとH2
スの比は97%対3%であり、O2 を1〜2リットル供
給している。
【0070】尚、上記実施例では、紫外線照射手段とし
てマイクロ波の照射により紫外線を放出する水銀封入ラ
ンプを用いたが、これに代えて、マイクロ波を用いるこ
となく紫外線を放出する通常の紫外線ランプを用いるよ
うにしてもよい。図13はこのような改質装置を示す構
成図であり、図8に示す構成部分と同一部分については
同一符号を付して説明を省略する。すなわち、この構成
においては、紫外線照射手段262は、複数の円筒体状
の紫外線ランプ280を有しており、ここでは7本の紫
外線ランプ280を石英製の透過窓256の外側に、載
置台214の載置面に対向させて平行となるように配列
している。ランプ280の数は、単に一例を示したに過
ぎず、必要とする紫外線強度を得るために適宜増加され
る。このような紫外線ランプとしては例えば20W程度
の小さな電力で多くの紫外線を放出することが可能な冷
陰極管を用いることができる。また、この紫外線ランプ
280の形状は、円筒体状の直管形状に限定されず、こ
れを例えばU字状、W状、或いは蛇行状に屈曲変形させ
たランプも使用することができる。
【0071】この複数の紫外線ランプ280の全体は、
箱状のケーシング282により覆われており、このその
内側にはランプより上方に向かう紫外線を下方に向けて
反射するための反射鏡284が設けられている。このよ
うに構成された装置も、図8に示す装置と同様な作用効
果を発揮し、紫外線ランプ280から放射された紫外線
UVが、透過窓256及びシャワーヘッド244を透過
して処理空間Sに照射されると、ここに存在するオゾン
等の処理ガスが活性化されて活性酸素原子278を発生
する。そして、この活性酸素原子278が、半導体ウエ
ハWの表面に形成されている金属酸化膜に作用してこれ
を完全に酸化し、改質することになる。特に、この実施
例においては、図8に示す装置と比較してマイクロ波発
生手段を用いていないので、構造が簡単化でき、コスト
もその分、抑制することができる。
【0072】上記図8及び図13に示す構造において
は、シャワーヘッド244は、円盤状の容器内にオゾン
を導入するような構造となっている。しかしながら、シ
ャワーヘッド244内のオゾンの圧力がある程度高い場
合には、紫外線UVがこのシャワーヘッド244内のオ
ゾンに吸収されてウエハ表面に十分に到達できなかった
り、或いはシャワーヘッド244内で生成された活性な
酸素原子が消滅しないでウエハ表面に到達する確率が小
さくなる場合もある。そこで、図14及び図15に示す
ようにシャワーヘッドを、例えば格子状に配設した複数
のガス噴射管により構成するようにしてもよい。図14
は本発明の改質装置の第3の実施例の主要部を示す構成
図、図15は図14に示す装置のシャワーヘッドを示す
下面図である。尚、図示例において、先の実施例と同一
部分については同一符号を付して説明を省略する。ま
た、この図示例においては、主要部のみを記載してお
り、ここで説明する部分以外の他の部分については、図
8或いは図13に示す構成と同様に形成されている。
【0073】図示するように、ここでは紫外線ランプ2
80として例えば低圧水銀ランプが用いられており、こ
れより発生する例えば波長が254nmの紫外線の90
%以上を透過させる透過窓256の上方に上記ランプ2
80が設けられる。そして、この透過窓256の直下
に、透過窓256の材料と同じように紫外線を90%以
上透過させる石英よりなるシャワーヘッド244が設け
られる。具体的には、このシャワーヘッド244は、ウ
エハWの直径よりも大きなリング状になされた管径の太
い分配リング管2110と、この分配リング管2110
間に縦横に格子状に配設して接続した複数のガス噴射管
2112により構成される。このリング管2110及び
ガス噴射管2112の内径は、それぞれ16mmと4.
35mm程度であり、各ガス噴射管の下面側には、直径
が例えば0.3〜0.5mm程度の多数の噴射孔246
が等ピッチで形成されており、オゾン含有の処理ガスを
噴出し得るようになっている。
【0074】この場合、各ガス噴射管2112の載置台
214上のウエハWに対する投影面積は、ウエハ表面の
面積の20%よりも小さく設定するのが好ましく、ガス
噴射管2112の格子間の空間部2114に、より多く
の紫外線UVが通過して直接ウエハ面に照射するように
なっている。以上のように構成した場合には、このシャ
ワーヘッド244に導入されたオゾン含有の処理ガス
は、まず、リング状の分配リング管2110に沿って回
り込んで、各ガス噴射管2112に流入する。そして、
この処理ガスはガス噴射管2112に設けた多数の噴射
孔246より処理容器204内に供給されることにな
り、ウエハ面に対して均一にオゾンガスを供給するする
ことができる。
【0075】また、格子状の各ガス噴射管2112の間
は空間部2114として形成されるので、多くの紫外線
UVがこの空間部2114を通過することにより、シャ
ワーヘッド244内のオゾンと干渉することなく多くの
紫外線UVがウエハ表面に直接照射することになり、従
って、ウエハ表面上における活性種の量がその分多くな
って、改質をより効率的に行なうことができる。特に、
各ガス噴射管112の投影面積をウエハ表面の20%よ
りも小さく、すなわち空間部2114の面積比である開
口度を80%以上とすることにより、良好な改質処理を
行なって特性の良好な絶縁膜等を得ることができる。ま
た、改質時に、載置台214を回転すればウエハ面内に
亘って均一な改質処理を行なうことができる。
【0076】図16はガス噴射管の開口率(100−投
影面積の%)と絶縁耐圧との関係を示すグラフである。
この時のTa25 の膜厚は、10nmであり、グラフ
から明らかなように開口率を80%以下(投影面積は2
0%より小)とすることにより、絶縁耐圧は1.8ボル
ト以上となり、良質な絶縁膜を形成できることが判明す
る。また、処理時のウエハ温度を400℃とし、処理圧
力を1Torrとし、150g/m3 のオゾン濃度で処
理を行なったところ、図9に示す減圧下10分処理の電
流−電圧特性を得るのに、5分以下の処理で済み、効率
的に処理を行なうことができた。更に、このような処理
は、処理時の真空度が1〜500Torrの範囲内にお
いて行なっても、同様な顕著な膜質改善効果を得ること
ができた。
【0077】尚、ここでは複数のガス噴射管2112を
格子状に組んだ場合を例にとって説明したが、一定の広
さの空間部2114を確保できるならば、これらのガス
噴射管の形状及び配列は限定されず、例えば直線状に並
列に配置してもよいし、或いは同心円状或いは渦巻状に
配列するようにしてもよい。前述した実施例や図14及
び図15に示す構造においては、処理容器内の全域にオ
ゾンを供給する構造であるが、図17乃至図19に示す
ようにオゾンを局部的に供給するようにしてもよい。図
17は本発明の第4の実施例の主要部を示す構成図、図
18は図17に示す装置の載置台が降下した状態を示す
図、図19は図17に示す装置のシャワーヘッドを示す
断面図である。
【0078】尚、図示例においては、先の実施例と同一
部分には同一符号を付して説明を省略する。また、この
図示例においては、主要部のみを記載しており、ここで
説明する部分以外の他の部分については、図8、図1
3、図14に示す構成と同様に形成されている。図示す
るように、このシャワーヘッド244は、載置台214
の上面を覆うことができるように下端部が開放された円
形容器状の蓋体2116を有している。この蓋体211
6は、ウエハWの直径も少し大きく、載置台214の直
径よりも僅かに小さく設定され、全体が紫外線透過性の
石英により構成されている。この蓋体2116の一側に
は、横方向に向けた多数の噴射孔246を有する導入ヘ
ッダ部2118が円弧状に形成され、これにガス導入管
258が接続される。また、蓋体2116の他側には、
排出口2120を有する排出ヘッダ部2122が設けら
れており、蓋体2116内に水平方向に流れるガス流を
形成し得るようになっている。上記排出口2120は、
上記蓋体2116の周方向に沿って円弧状に形成された
スリット形状をしており、上述したような均一な水平ガ
ス流を形成するようになっている。また、この排出ヘッ
ダ部2122の外周には、処理容器204内に開放され
た開口2124が形成される。
【0079】また、この載置台214は、ウエハの搬入
搬出を行なうために、図示しない昇降機構により、処理
容器内の真空を維持しつつ僅かな距離だけ、昇降移動可
能になされており、蓋体2116に対して、接近及び離
間可能としている。図18は載置台214を降下した状
態を示している。処理容器204内の真空を維持するた
めに、載置台214の周囲に、例えばベローズ2126
を設けている。尚、載置台214に代えて、蓋体211
6を昇降移動可能としてもよい。この実施例において
は、図17に示す状態において、導入ヘッダ部2118
に導入されたオゾン含有の処理ガスは、ここに設けた噴
射孔246より蓋体2116内に流入し、この中を水平
方向に向かうガス流となって反対側の排出ヘッダ部21
22に流入する。この流入したガスは、真空引きされて
いる処理容器204内に、開口2124を介して流出す
ることになる。
【0080】この場合、蓋体2116内という狭い空間
内で、しかもウエハ表面に近い部分で活性な酸素原子を
高濃度に発生させることができるので、改質処理を効率
的に行なうことができるのみならず、特性の更に良好な
改質膜を得ることができる。蓋体2116の下端部は、
載置台214の上面周縁部に接するか、或いは接しない
で非常に接近させた状態で設置する。この場合にも、改
質時に載置台214を回転するようにすれば、ウエハ面
内の改質処理を一層均一化させることができる。尚、載
置台214を周縁部と中心部に2分割して蓋体2116
と当接するリング状の周縁部をリング状の固定載置台と
することにより、ウエハWを回転しつつ、蓋体2116
の下端部を固定載置台に接した状態で処理ができ、しか
も、開口2124以外からのガス漏れを抑制できるの
で、蓋体2116内の活性酸素濃度を一層向上させるこ
とができる。
【0081】このような構成により、処理時の真空度が
1〜500Torrの範囲内で顕著な膜質改善効果を得
ることができた。また、処理時のウエハ温度を400℃
とし、処理圧力を1Torrとし、150g/m3 のオ
ゾン濃度で処理を行なったところ、図9に示す減圧下1
0分処理の電流−電圧特性を得るのに、4分以下の処理
で済み、効率的な処理を行なうことができた。
【0082】以上説明した実施例にあっては、紫外線照
射手段262を構成する紫外線ランプ280を処理容器
204の外側へ配置したが、これに限らず、処理容器2
04の内側の配置するようにしてもよい。図20はこの
ような改質装置を示す構成であり、図13に示す構成部
分と同一構成部分については同一符号を付している。す
なわち、この構成においては、紫外線照射手段262を
構成する紫外線ランプ280を、シャワーヘッド244
の直下に並列的に配置しており、処理容器204内に設
けている。従って、図13に示す構成において必要とさ
れた石英製の透過窓256は不要となる。また、シャワ
ーヘッド244を取り付けている容器天井部には、反射
鏡284が設けられており、ランプ280より上方に向
かう紫外線を下方に反射させて効率的に紫外線を用いる
ようになっている。
【0083】このように構成された装置も、図13に示
す装置と同様な作用効果を発揮し、紫外線ランプ280
から放射された紫外線UVは、処理空間Sに存在するオ
ゾン等の処理ガスに照射されて活性酸素原子278を発
生する。そして、この活性酸素原子278が、半導体ウ
エハWの表面に形成されている金属酸化膜に作用してこ
れを略完全に酸化し、改質するようになっている。
【0084】この実施例においては、紫外線ランプ28
0を処理容器204内へ収容した結果、このランプ28
0とウエハWとの間が非常に接近させることができ、従
って、その分、ランプ280より放射される紫外線を有
効に利用することができるので、改質速度を更に向上さ
せることができる。更に、図13に示す装置と比較して
オゾンを用いる必要がなく、従って、ガスの除害やオゾ
ン発生装置が必要でなくなり、大幅に省面積、コストダ
ウンを図ることが可能となる。また、この実施例では反
射鏡284を容器天井部に設けたが、これを設けない場
合には、シャワーヘッド244の構成材料を、紫外線に
対して透明な石英に代え、通常のステンレススチールや
表面がアルマイト処理されたアルミアルマイトを用いる
ようにしてもよい。これによれば、製作が比較的難しい
石英製のシャワーヘッドを用いた場合よりも、コストの
上昇を抑制することができる。
【0085】以上の各実施例においては、活性酸素原子
を発生するために、オゾンやN2 Oガスに紫外線を照射
するようにしているが、これに代えてプラズマにより酸
素やN2 Oガスを励起させて活性酸素原子を発生させる
ようにしてもよい。図21は、このような改質装置を示
す構成図であり、図8に示す構成部分と同一部分につい
ては同一符号を付して説明を省略する。この発明の特徴
は、先の実施例で用いていた紫外線照射手段262に代
えて、プラズマ生成手段286を用いている点である。
すなわち、このプラズマ生成手段286は、例えば石英
等により構成されたプラズマ発生容器288を有してお
り、このプラズマ発生容器288は、中空円筒体状に成
形されてその下方がロート状に拡開されている。そし
て、このプラズマ発生容器288は処理容器204の天
井部204Bの中心部に上下方向に貫通するようにして
その開口部を載置面に臨ませて設けられており、その貫
通部にはシール部材290を介設して気密性を持たせて
いる。従って、プラズマ発生容器288内は、処理容器
204内と連通され、処理空間の一部として構成される
ことになる。
【0086】このプラズマ発生容器288の天井部に
は、処理ガス導入ノズル292が設けられ、このノズル
292には、途中にマスフローコントローラ294が介
設されたガス供給管296が接続されて流量制御しつつ
処理ガスをプラズマ発生容器288内へ導入し得るよう
になっている。ここで用いる処理ガスとしては、先の実
施例で用いられたオゾン、N2 Oガスは勿論のこと、酸
素ガス自体も用いることができ、また、同様にN2 Oガ
スや、N2 ガスとH2 ガスの混合ガスも添加ガスとして
微量加えるようにしてもよい。そして、プラズマ発生容
器288の上部は、導電性材料よりなるマイクロ波受け
部298により覆われており、この受け部298は導波
管2100を介して、例えば2.45GHzのマイクロ
波を発生するマイクロ波発生器2102に接続され、処
理ガスに直接マイクロ波を作用させることにより活性酸
素原子を発生させるようになっている。
【0087】この構成においても先の図8に示す装置と
同様な作用効果を生ずる。すなわち、処理ガス導入ガス
ノズル292よりプラズマ発生容器288内に導入され
た処理ガス、例えばO2 ガスやN2 Oガス等にマイクロ
波発生器2102にて発生した2.45GHzのマイク
ロ波を直接照射することによりプラズマが発生し、この
プラズマのエネルギーにより活性酸素原子278を生ぜ
しめる。この発生した活性酸素原子278は、プラズマ
発生容器288内を流下して拡開された容器下端よりウ
エハ表面上に全体に亘って降り注がれ、ウエハ表面に形
成されている金属酸化膜を迅速に且つ短時間で略完全に
酸化し、これを改質することになる。この時の改質プロ
セスの圧力は、プラズマの発生効率と活性酸素原子27
8の発生効率を考慮すると、0.1〜10Torrの範
囲が好ましく、また、ウエハのプロセス温度は、320
〜700℃の範囲が好ましい。
【0088】また、プラズマを発生させるマイクロ波も
2.45GHzに限定されず、他の周波数のマイクロ波
を用いてもよいのは勿論である。また、上記実施例で
は、プラズマを発生させるに際して、マイクロ波を用い
るようにしたが、これに代えて、高周波を用いるように
してもよい。図22はこのような装置の構成図を示して
おり、図21に示す構成部分と同一部分については同一
符号を付している。すなわち、この構成においてはプラ
ズマ発生手段286のプラズマ発生容器288に高周波
コイル2104を巻回して設け、このコイル2104に
マッチング回路2106を介して例えば13.56MH
zの高周波電源2108が接続されており、処理ガスに
この高周波電界を印加することによりプラズマを発生さ
せるようになっている。
【0089】この実施例においても、先の図21に示す
実施例と同様な作用効果を生ずる。すなわちプラズマ処
理容器288内に導入された処理ガスに、高周波電源2
108からの例えば13.56MHzの高周波電界を印
加することによりプラズマが発生し、このプラズマのエ
ネルギーにより活性酸素原子278を生ぜしめる。この
活性酸素原子278は、プラズマ発生容器288内を流
下してウエハ表面の金属酸化膜を迅速に且つ短時間で略
完全に改質することになる。この時の、プロセス圧力及
びウエハ温度は、図21に示す場合と同じ条件である。
特に、本実施例においては、プラズマ発生用に高周波を
用いているので、マイクロ波を用いた場合と同様な効果
を得ることができるという利点を有する。
【0090】以上の各実施例では、改質処理を行なうに
際して、紫外線UVを用いた場合を例にとって説明した
が、ウエハ温度を400℃以上に設定すれば、紫外線を
用いることなくオゾンをウエハ表面で熱分解することに
より生成される活発な酸素原子によって、酸化タンタル
膜の絶縁性を効率良く改善することが可能である。図2
3は、このような改質処理を行なう本発明装置の第8の
実施例を示す構成図、図24は図23に示す装置のシャ
ワーヘッドを示す下面図、図25はウエハ温度と絶縁耐
圧との関係を示すグラフである。尚、図示例において、
先の実施例と同一部分については同一符号を付して説明
を省略する。この図示例においては、主要部のみを記載
しており、ここで説明する部分以外の他の部分について
は、先の実施例と同様に構成されている。
【0091】この実施例においては、加熱手段として複
数の例えばハロゲンランプよりなる加熱ランプ2130
を用いており、この加熱ランプ2130を、処理容器2
04の底部に設けた石英製の透過窓256の下方に配置
している。また、ここで用いる載置台2132は、先の
実施例で用いた抵抗発熱体内蔵の厚い載置台とは異な
り、非常に薄く形成された例えばSiCコートされたカ
ーボン製の載置台を用いており、容器底部から複数の石
英製の支柱2134により支持されている。また、処理
容器204内に設けられるシャワーヘッド244は、周
辺部に設けた分配リング管2136と、4つの接続管2
138を介して中央部に設けた中空円盤状の円盤ヘッド
部2140よりなり、このヘッド部2140の下面に多
数の噴射孔246を設けて処理ガスを処理容器204内
へ供給できるようになっている。
【0092】また、ウエハWとシャワーヘッド244の
下面との間の距離L1は、できるだけ小さくし、例えば
10mm程度に設定し、気相反応の生ずるのを抑制し
て、主に表面反応によりオゾンの分解を促進するように
なっている。また、処理容器204の側壁には、これを
コールドウォールとするための冷却ジャケット272が
配設されている。以上のように構成した場合には、シャ
ワーヘッド244に導入されたオゾン含有の処理ガス
は、分配リング管2136から接続管2138を介して
円盤ヘッド部2140へ流入し、これより多数の噴射孔
246を介して処理容器204内のウエハ上に均一に供
給されることになる。
【0093】一方、加熱ランプ2130から放射された
熱線は透過窓256を透過して載置台2132の裏面に
当たってこれを加熱し、載置されているウエハWを間接
的に所定の温度に加熱することになる。この場合、ウエ
ハ温度を400℃〜850℃の範囲内に設定することに
より、紫外線を用いることなく、オゾンをウエハ表面で
熱分解して活性な酸素原子を生成でき、ウエハ表面を改
質して酸化タンタル膜の絶縁性を改善することができ
る。特に、ウエハWとシャワーヘッド244との間の距
離L1が大きいと、ヘッド244より放出されたオゾン
が途中で気相反応により分解して発生した活性酸素がウ
エハ面に到達する前に消滅する場合が多くなるが、本実
施例のようにウエハ表面とシャワーヘッド244の下面
を、例えば10mm程度までに接近させることにより、
加熱されたウエハ表面で主としてオゾンの分解が生じて
極めて高濃度の活性酸素原子を得ることができ、従っ
て、発生した活性酸素原子を効率的にウエハ表面に作用
させて効率良く改質処理を行なうことができ、しかも、
膜質の特性も改善することができる。
【0094】この場合、処理容器204の側壁を冷却ジ
ャケット272により冷却して、オゾンの熱分解温度、
例えば300℃以下に維持しているので、ウエハ表面以
外に流出するオゾンの熱分解を抑制してウエハ表面上の
みでオゾンの分解を促進でき、一層、改質効率等を向上
させることができる。尚、処理ガスとしてオゾンを含有
させたが、これに代えてN2 Oを用いるようにしてもよ
い。図25に示すグラフから明らかなように、厚さ10
nmのTa25 膜を形成したところ、絶縁耐圧はウエ
ハ温度は475℃をピークとして450℃〜500℃の
範囲が最も好ましく、400℃以下になると、絶縁耐圧
が1.8ボルト以下になって特性が劣化する。また、温
度が800℃程度までは、特性が良好な絶縁膜を得るこ
とができる。
【0095】また、処理時のウエハ温度を400℃と
し、処理圧力を1Torrとし、150g/m3 のオゾ
ン温度で処理を行なったところ、図9に示す減圧下10
分処理の電流−電圧特性を得るのに、4分以下の処理で
済み、効率的な処理を行なうことができた。尚、実施例
において、シャワーヘッド構造として、他の構造、例え
ば図8に示すような構造を用いてもよいし、或いは加熱
ランプを用いることなく、図8に示した構造のように、
抵抗発熱体内蔵の載置台を用いてもよい。
【0096】以上の各実施例においては、改質対象の金
属酸化膜としてウエハ表面に形成された酸化タンタルを
改質する場合を例にとって説明したが、これに限定され
ず、他の金属酸化膜、例えば酸化チタン、酸化ジルコニ
ウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウムを改質する場
合にも適用できる。更に、上記した金属酸化膜以外に
は、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、
酸化鉛等を形成する場合にも本発明を適用することがで
きる。
【0097】このように、被処理体に形成されている金
属酸化膜を改質するに際して、処理ガスに紫外線を照射
することにより発生した活性酸素原子を真空雰囲気中に
て被処理体に作用させるようにしたので、活性酸素原子
の寿命を延ばしてこの密度を高くでき、金属酸化膜を迅
速に且つ短時間で絶縁耐圧の高い絶縁膜に改質してスル
ープットを向上させることができる。また、紫外線照射
手段として、マイクロ波により紫外線を発生する水銀封
入ランプを用いることにより、多量の紫外線を照射でき
るので、その分、活性酸素原子を多く発生させて改質処
理を一層迅速に行なうことができる。更に、紫外線照射
手段として、冷陰極管などの紫外線ランプを用いること
により、コスト高をそれ程招来することなく、迅速に且
つ短時間で金属酸化膜の改質処理を行なうことができ
る。
【0098】また、被処理体に形成されている金属酸化
膜を改質するに際して、真空雰囲気下で処理ガスにマイ
クロ波、或いは高周波電界を印加してプラズマを発生さ
せ、このプラズマのエネルギーにより活性酸素原子を生
ぜしめて金属酸化膜に作用させるようにしたので、活性
酸素原子の寿命を延ばしてこの密度を高くでき、金属酸
化膜を迅速に且つ短時間で絶縁耐圧の高い絶縁膜に改質
してスループットを向上させることができる。尚、以上
述べた実施例では、被処理体として半導体ウエハを例に
とって説明したが、これに限定されず、例えばガラス基
板やLCD基板に形成されている金属酸化膜を改質する
場合にも適用し得る。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る成膜・
改質集合装置によれば、次のように優れた作用効果を発
揮することができる。気化状態のアルコールの存在下で
金属酸化膜を成膜することにより、成膜レートを大幅に
向上させることができ、また、この金属酸化膜を真空雰
囲気下において活性酸素原子により改質することにより
改質処理を迅速に且つ短時間で行なうことができるの
で、成膜から改質までの一連の流れを迅速に行なってス
ループットを向上させることができる。
【0100】また、改質処理を真空雰囲気下で行なうよ
うにし、且つ成膜装置にて成膜した被処理体を、真空雰
囲気に維持された共通移載室を介して真空状態の改質装
置内へ搬入できるようにしたので、圧力調整のための時
間をほとんど要することがなく、円滑に被処理体を成膜
装置から改質装置へ移載することができる。従って、移
載に要する時間を大幅に削減でき、この分、スループッ
トを大幅に向上させることができる。特に、カセット収
容室、搬送室、ロードロック室も併設することにより、
被処理体の搬入から搬出に至るまでの操作を更に効率化
させて迅速に行なうことができる。
【0101】また、改質装置において、シャワーヘッド
を複数のガス噴射管を組み合わせ構成することにより、
シャワーヘッド内を通過する紫外線が減少してここで紫
外線が吸収されることを防止できる。従って、多くの紫
外線を直接被処理体の表面に到達させて、この表面近傍
における活性酸素原子の発生量を多くでき、その分、改
質効率を上げて、且つ膜質の特性を向上させることがで
きる。また、改質装置において、シャワーヘッドを、被
処理体の表面を覆うことができる蓋体として構成するこ
とにより、この蓋体内で集中的にオゾン等を分解させて
高濃度の活性酸素原子を形成でき、その分、改質効率を
上げて、且つ膜質の特性を大幅に向上させることができ
る。更に、改質装置において、被処理体を400℃〜8
50℃の範囲内に加熱してオゾン或いはN2 Oガスを供
給することにより、紫外線やマイクロ波を用いることな
く改質処理を効率良く行なうことができ、しかも、膜質
の特性も大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成膜・改質集合装置を示す概略斜
視図である。
【図2】図1に示す装置の水平断面図である。
【図3】図1に示す装置を被処理体の搬送経路に沿って
切断した時の断面図である。
【図4】本発明に係る成膜装置を示す概略全体構成図で
ある。
【図5】成膜装置の本体を示す構成図である。
【図6】プロセス温度と成膜レートとの関係を示す図で
ある。
【図7】金属アルコキシドに対するアルコールの添加量
と成膜レートとの関係を示す図である。
【図8】改質装置の第1の実施例を示す構成図である。
【図9】オゾン雰囲気中にて紫外線を照射した時の、照
射時間と絶縁特性(リーク電流)との関係を示すグラフ
である。
【図10】オゾン存在下での紫外線照射による改質プロ
セス圧力と絶縁耐圧との関係を示すグラフである。
【図11】絶縁耐圧の活性酸素処理の温度依存性を示す
グラフである。
【図12】絶縁耐圧の活性酸素の処理時間依存性を示す
グラフである。
【図13】改質装置の第2の実施例を示す構成図であ
る。
【図14】本発明の改質装置の第3の実施例の主要部を
示す構成図である。
【図15】図14に示す装置のシャワーヘッドを示す下
面図である。
【図16】ガス噴射管の開口率(100−投影面積の
%)と絶縁耐圧との関係を示すグラフである。
【図17】本発明の第4の実施例の主要部を示す構成図
である。
【図18】図17に示す装置の載置台が降下した状態を
示す図である。
【図19】図17に示す装置のシャワーヘッドを示す断
面図である。
【図20】本発明の改質装置の第5の実施例を示す構成
図である。
【図21】本発明の改質装置の第6の実施例を示す構成
図である。
【図22】本発明の改質装置の第7の実施例を示す構成
図である。
【図23】改質処理を行なう本発明装置の第8の実施例
を示す構成図である。
【図24】図23に示す装置のシャワーヘッドを示す下
面図である。
【図25】ウエハ温度と絶縁耐圧との関係を示すグラフ
である。
【符号の説明】
2 成膜・改質集合装置 4 成膜装置 6 改質装置 8 共通移載室 10A、10B カセット収容室 12 搬送用アーム機構 28 移載用アーム機構 104 装置本体 106 原料供給手段 108 アルコール供給手段 110 金属アルコキシド(金属酸化膜原料) 132 添加物(アルコール) 134 アルコールタンク 146 処理容器 154 真空排気系 158 載置台 188 シャワーヘッド 204 処理容器 212 真空排気系 214 載置台 220 抵抗発熱体(載置台加熱手段) 247 処理ガス供給手段 252 オゾン発生器 262 紫外線照射手段 264 水銀封入ランプ 266 マイクロ波発生手段 268 反射鏡 278 活性酸素原子 280 紫外線ランプ 284 反射鏡 286 プラズマ生成手段 288 プラズマ発生容器 2100 導波管 2102 マイクロ波発生器 2104 高周波コイル 2108 高周波電源 2110 分配リング管 2112 ガス噴射管 2116 蓋体 2118 導入ヘッダ部 2122 排出ヘッダ部 2130 加熱ランプ W 半導体ウエハ(被処理体)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−122621(JP,A) 特開 平8−69998(JP,A) 特開 平2−283022(JP,A) 特開 平4−285173(JP,A) 特開 平5−267182(JP,A) 特開 平5−102422(JP,A) 特開 平6−163519(JP,A) 特開 平6−163527(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/31 C23C 16/40 C23C 16/44 H01L 21/205

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理体に対して気化状態の金属酸化膜
    原料と気化状態のアルコールとが含まれている真空雰囲
    気中にて金属酸化膜を形成する成膜装置と、前記金属酸
    化膜を真空雰囲気下において活性酸素原子に晒すことに
    よって改質する改質装置と、前記成膜装置と前記改質装
    置とに共通に連結され、真空状態を維持しつつ前記成膜
    装置と前記改質装置との間で前記被処理体を移載する共
    通移載室とを備えたことを特徴とする成膜・改質集合装
    置。
  2. 【請求項2】 前記共通移載室内には、前記被処理体を
    保持しつつ搬送するために旋回及び屈伸自在になされた
    移載用アーム機構を備えたことを特徴とする請求項1記
    載の成膜・改質集合装置。
  3. 【請求項3】 複数の被処理体を収容可能なカセットを
    収容して真空引き可能になされると共に前記共通移載室
    に連結されたカセット収容室を備えたことを特徴とする
    請求項1または2記載の成膜・改質集合装置。
  4. 【請求項4】 前記成膜装置は、真空引き可能になされ
    た処理容器と、この処理容器内に収容される被処理体を
    載置する載置台と、前記処理容器内に気化状態の金属酸
    化膜原料を供給する原料供給手段と、前記処理容器内を
    真空引きする真空排気系と、前記処理容器内に気化状態
    のアルコールを供給するアルコール供給手段とを有する
    ことを特徴とする請求項1乃至記載の成膜・改質集合
    装置。
  5. 【請求項5】 前記成膜装置は、真空引き可能になされ
    た処理容器と、この処理容器内に収容される被処理体を
    載置する載置台と、前記処理容器内に気化状態の金属酸
    化膜原料とアルコールを混合状態で供給する原料供給手
    段と、前記処理容器内を真空引きする真空排気系とを有
    することを特徴とする請求項1乃至記載の成膜・改質
    集合装置。
  6. 【請求項6】 前記金属酸化膜原料は、金属アルコキシ
    ドであることを特徴とする請求項4または5記載の成膜
    ・改質集合装置。
  7. 【請求項7】 前記改質装置は、真空引き可能になされ
    た処理容器と、この処理容器内へ収容される被処理体を
    載置する載置台と、オゾン或いはN2Oガスを含む処理
    ガスを前記処理容器内へ供給する処理ガス供給手段と、
    前記処理容器内の雰囲気中に紫外線を照射して活性酸素
    原子を生ぜしめる紫外線照射手段と、前記処理容器内を
    真空引きする真空排気系とを有することを特徴とする請
    求項1乃至記載の成膜・改質集合装置。
  8. 【請求項8】 前記紫外線照射手段は、水銀を封入した
    水銀封入ランプと、この水銀封入ランプにマイクロ波を
    印加して紫外線を発生させるためのマイクロ波発生手段
    と、発生した紫外線を前記載置台上に向けて集光させて
    均等に照射する反射鏡とを有することを特徴とする請求
    記載の成膜・改質集合装置。
  9. 【請求項9】 前記紫外線照射手段は、前記被処理体の
    平面に対向するように平行に配列された複数の紫外線ラ
    ンプよりなることを特徴とする請求項記載の成膜・改
    質集合装置。
  10. 【請求項10】 前記改質装置は、真空引き可能になさ
    れた処理容器と、O2ガス、オゾン及びN2Oガスの内、
    少なくともいずれか1つを含む処理ガスを前記処理容器
    内へ導入する処理ガス供給手段と、マイクロ波、或いは
    高周波電界を印加してプラズマを生ぜしめることによっ
    て前記処理ガスから活性酸素原子を発生させるプラズマ
    生成手段と、前記処理容器内を真空引きする真空排気系
    とを有することを特徴とする請求項1乃至記載の成膜
    ・改質集合装置。
  11. 【請求項11】 前記載置台を加熱するための載置台加
    熱手段を有することを特徴とする請求項乃至1記載
    の成膜・改質集合装置。
  12. 【請求項12】 前記処理ガス供給手段は、前記紫外線
    照射手段と前記載置台との間に配置されたシャワーヘッ
    ドを有し、このシャワーヘッドは、噴射孔を有する複数
    のガス噴射管を組み合わせてなることを特徴とする請求
    乃至1記載の成膜・改質集合装置。
  13. 【請求項13】 前記複数のガス噴射管は、格子状に組
    み合わされていることを特徴とする請求項1記載の成
    膜・改質集合装置。
  14. 【請求項14】 前記複数のガス噴射管の前記載置台上
    に対する投影面積は、前記被処理体の表面の面積の20
    %よりも小さいことを特徴とする請求項1または1
    記載の成膜・改質集合装置。
  15. 【請求項15】 前記処理ガス供給手段は、前記載置台
    の上面を覆うことができるように下端部が開放された容
    器状の蓋体を有し、この蓋体の一側には、多数の噴射孔
    を有する導入ヘッダ部が形成され、他側には排出口を有
    する排出ヘッダ部が形成され、前記蓋体内に水平方向に
    流れるガス流を形成するようになっていることを特徴と
    する請求項乃至1記載の成膜・改質集合装置。
  16. 【請求項16】 前記蓋体と前記載置台は、相対的に上
    下方向に接近及び離間可能になされていることを特徴と
    する請求項1記載の成膜・改質集合装置。
  17. 【請求項17】 前記改質装置は、真空引き可能になさ
    れた処理容器と、この処理容器内へ収容される被処理体
    を載置する載置台と、オゾン或いはN2Oガスを含む処
    理ガスを前記処理容器内へ供給する処理ガス供給手段
    と、前記被処理体を加熱するための加熱手段と、前記処
    理容器内を真空引きする真空排気系とを備え、前記加熱
    手段は、前記被処理体を400℃〜850℃の範囲内に
    加熱することを特徴とする請求項1乃至記載の成膜・
    改質集合装置。
  18. 【請求項18】 前記加熱手段は、前記載置台の下方に
    設けた複数の加熱ランプよりなることを特徴とする請求
    項1記載の成膜・改質集合装置。
  19. 【請求項19】 前記処理容器の側壁には、この容器側
    壁をオゾンの熱分解温度より低い温度に冷却するための
    冷却ジャケットが設けられることを特徴とする請求項1
    または18記載の成膜・改質集合装置。
  20. 【請求項20】 前記金属酸化膜は、酸化タンタル、酸
    化チタン、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、酸化スト
    ロンチウムの内、いずれか1つを含むことを特徴とする
    請求項1乃至19記載の成膜・改質集合装置。
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