JP3061811B2 - 非単結晶薄膜の作製方法 - Google Patents
非単結晶薄膜の作製方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 発明の属する技術分野 本発明は、非単結晶薄膜の作製方法に関するものであ
る。
る。
従来の技術 水素化非晶質シリコン(以下、a−Si:Hと略記する)
薄膜は光導電性に優れ、その作製方法としてはプラズマ
CVD法が一般的に使用されている。
薄膜は光導電性に優れ、その作製方法としてはプラズマ
CVD法が一般的に使用されている。
一方、異種の第IV族元素からなる非晶質合金、例えば
a−Si:Hより禁止帯域の広い光導電材料として水素化非
晶質シリコンカーバイト(以下、a−Si1-xCx:Hと略記
する。但し、0<x<1)薄膜およびa−Si:Hより禁止
帯幅の狭い光導電材料として水素化非晶質シリコンゲル
マニウム(以下、a−Si1-xGex:Hと略記する。但し、0
<x<1)薄膜なども、a−Si:Hの光感度の低い波長域
を補うために注目されている。
a−Si:Hより禁止帯域の広い光導電材料として水素化非
晶質シリコンカーバイト(以下、a−Si1-xCx:Hと略記
する。但し、0<x<1)薄膜およびa−Si:Hより禁止
帯幅の狭い光導電材料として水素化非晶質シリコンゲル
マニウム(以下、a−Si1-xGex:Hと略記する。但し、0
<x<1)薄膜なども、a−Si:Hの光感度の低い波長域
を補うために注目されている。
a−Si1-xCx:H薄膜は、a−Si:Hに比べて表面硬度が
大きく、しかも禁止帯幅が広いことから太陽電池の窓層
として使用されている。さらに、暗抵抗もa−Si:Hより
大きいころから、電子写真感光体の表面層または光導電
層として使用できることが提案されている。また、a−
Si1-xCx:Hは、C含有量を操作することにより禁止帯幅
を制御することが可能であるため、所望の感度波長域を
有する受光素子を構成したり、発光波長が可視のほぼ全
域に渡る発光ダイオードも試作されている。
大きく、しかも禁止帯幅が広いことから太陽電池の窓層
として使用されている。さらに、暗抵抗もa−Si:Hより
大きいころから、電子写真感光体の表面層または光導電
層として使用できることが提案されている。また、a−
Si1-xCx:Hは、C含有量を操作することにより禁止帯幅
を制御することが可能であるため、所望の感度波長域を
有する受光素子を構成したり、発光波長が可視のほぼ全
域に渡る発光ダイオードも試作されている。
しかし、従来のプラズマCVD法あるいは反応性スパッ
タ法により作製したa−Si1-xCx:H薄膜の光導電性は、
以下の理由からa−Si:Hに比べて良くなかった。
タ法により作製したa−Si1-xCx:H薄膜の光導電性は、
以下の理由からa−Si:Hに比べて良くなかった。
(理由1)キャリヤトラップあるいは再結合中心として
働くタングリングボンドが、a−Si:Hに比べて非常に多
く存在する。
働くタングリングボンドが、a−Si:Hに比べて非常に多
く存在する。
(理由2)膜の密度を低下させるCH2,CH3などの水素の
高次結合が膜中に多く存在する。
高次結合が膜中に多く存在する。
最近、モノシランガス(以下、SiH4と記す)とCH4の
混合ガスを大量の水素で希釈したプラズマCVD法によ
り、膜中にCH2,CH3結合が少ない、高密度で光導電性の
優れたa−Si1-xCx:H薄膜が得られることが報告された
{松田ほか、ジャーナル オブ アプライド フィジッ
クス(Jornal of Applied Physics)USA 60巻4025頁(1
986)}。この大量の水素希釈は、水素原子が多数結合
した反応性の乏しい、言い替えれば寿命の長いラジカル
(例えばSiH3、CH3など)による成膜、および膜成長表
面を水素で覆って膜成長表面でのラジカルの寿命を長く
して充分マイグレーションさせることを引き起こしてお
り、これによって膜を構成するSi−Cネットワークの高
密度化を図っている。
混合ガスを大量の水素で希釈したプラズマCVD法によ
り、膜中にCH2,CH3結合が少ない、高密度で光導電性の
優れたa−Si1-xCx:H薄膜が得られることが報告された
{松田ほか、ジャーナル オブ アプライド フィジッ
クス(Jornal of Applied Physics)USA 60巻4025頁(1
986)}。この大量の水素希釈は、水素原子が多数結合
した反応性の乏しい、言い替えれば寿命の長いラジカル
(例えばSiH3、CH3など)による成膜、および膜成長表
面を水素で覆って膜成長表面でのラジカルの寿命を長く
して充分マイグレーションさせることを引き起こしてお
り、これによって膜を構成するSi−Cネットワークの高
密度化を図っている。
a−Si1-xGex:H薄膜は、近赤外領域に光感度を持つた
め、太陽電池では太陽光の長波長域の光吸収量の増加に
よる変換効率の向上、電子写真感光体では半導体レーザ
の発振波長域での増感に有効な材料として、a−Si1-xC
x:Hと同様に注目されている。しかし、従来のプラズマC
VD法や反応性スパッタ法により作製したa−Si1-xGex:H
薄膜もまた、a−Si:Hに比べて膜中にタングリングボン
ドが多いなど、a−Si1-xCx:Hと同様の理由から光導電
率はa−Si:Hに比べて良くなかった。
め、太陽電池では太陽光の長波長域の光吸収量の増加に
よる変換効率の向上、電子写真感光体では半導体レーザ
の発振波長域での増感に有効な材料として、a−Si1-xC
x:Hと同様に注目されている。しかし、従来のプラズマC
VD法や反応性スパッタ法により作製したa−Si1-xGex:H
薄膜もまた、a−Si:Hに比べて膜中にタングリングボン
ドが多いなど、a−Si1-xCx:Hと同様の理由から光導電
率はa−Si:Hに比べて良くなかった。
a−Si1-xGex:Hの光導電性を向上させるため、に水素
希釈法や三電極方式のプラズマCVD法が提案されてい
る。
希釈法や三電極方式のプラズマCVD法が提案されてい
る。
発明が解決しようとする課題 a−Si1-xCx:Hおよびa−Si1-xGex:Hの膜質を向上さ
せるために提案されている水素希釈法は、長寿命ラジカ
ルを生成させるためにラジカルの濃度を減少させてしま
っているため、成膜速度は遅く、原料ガスの利用効率も
悪い。また、三電極法も、プラズマ中に存在する短寿命
のラジカルは利用せず、長寿命ラジカルだけを分離して
成膜に使用しているため、原料ガスの利用効率が悪く、
成膜速度も遅い。
せるために提案されている水素希釈法は、長寿命ラジカ
ルを生成させるためにラジカルの濃度を減少させてしま
っているため、成膜速度は遅く、原料ガスの利用効率も
悪い。また、三電極法も、プラズマ中に存在する短寿命
のラジカルは利用せず、長寿命ラジカルだけを分離して
成膜に使用しているため、原料ガスの利用効率が悪く、
成膜速度も遅い。
従って、a−Si1-xCx:Hおよびa−Si1-xGex:Hのよう
に水素原子を除く2種類以上の元素からなるネットワー
クで構成される膜は、1種類の元素でネットワークが構
成されるa−Si:Hに比べて、膜中に多くの欠陥が発生し
易く、成膜速度をかなり遅くしなければ光導電性の高い
良質の膜を得ることはできなかった。
に水素原子を除く2種類以上の元素からなるネットワー
クで構成される膜は、1種類の元素でネットワークが構
成されるa−Si:Hに比べて、膜中に多くの欠陥が発生し
易く、成膜速度をかなり遅くしなければ光導電性の高い
良質の膜を得ることはできなかった。
本発明は、以上のような従来の問題点を解決するもの
で、2種類上の元素でネットワークが構成されている場
合でも、キャリヤ輸送特性の優れた光導電性の高い非単
結晶薄膜を、原料ガスの利用効率が高く、高速の成膜速
度で、かつポリマー状の粉体を生成することなく作成す
る方法を提供するものである。
で、2種類上の元素でネットワークが構成されている場
合でも、キャリヤ輸送特性の優れた光導電性の高い非単
結晶薄膜を、原料ガスの利用効率が高く、高速の成膜速
度で、かつポリマー状の粉体を生成することなく作成す
る方法を提供するものである。
課題を解決するための手段 ガス分子内に少なくともシリコン原子と水素原子を含
むガスおよびガス分子内にゲルマニウム原子または炭素
原子を少なくとも含むガスの混合ガスとヘリウムガスと
を前記ヘリウム原子の数に対して前記混合ガス分子の数
が25%以下となるように真空容器内に導入し、前記真空
容器内に周波数1kHz〜100MHzの高周波電源を接続した電
極を配置し、前記電極に印加する高周波電力が単位面積
当り0.03以上1.5W/cm2未満の高周波電力を印加し放電を
発生させ、前記真空容器内に配置した基体上に非単結晶
薄膜を作製する。
むガスおよびガス分子内にゲルマニウム原子または炭素
原子を少なくとも含むガスの混合ガスとヘリウムガスと
を前記ヘリウム原子の数に対して前記混合ガス分子の数
が25%以下となるように真空容器内に導入し、前記真空
容器内に周波数1kHz〜100MHzの高周波電源を接続した電
極を配置し、前記電極に印加する高周波電力が単位面積
当り0.03以上1.5W/cm2未満の高周波電力を印加し放電を
発生させ、前記真空容器内に配置した基体上に非単結晶
薄膜を作製する。
作用 原料ガスを希釈せずに放電により分解あるいは重合さ
せると急激に圧力は変化し、さらに圧力の変化に対して
ガスの分解、重合の反応速度は変化するため、プラズマ
が安定せず膜特性の制御が困難になる。それを防ぐため
に原料ガスを希釈して使用することが望ましく、希釈ガ
スとしては、水素原子がa−SiC:Hやa−Si:H薄膜中で
タングリングボンドを終端させる働きをもつことから水
素ガスがよく使用される。しかし、従来例のように長寿
命ラジカルを得るために大量の水素を希釈ガスに使用す
ると、膜成長に寄与するSiHn、CHn、GeHn(n=0,1,2,
3)などの活性種にHラジカル、H2分子が衝突する確率
が高くなり、これらの衝突によりこれらの活性種が膜成
長に寄与しない分子の状態に戻され、プラズマ中の活性
種の濃度が激減してしまい成膜速度が遅くなる。
せると急激に圧力は変化し、さらに圧力の変化に対して
ガスの分解、重合の反応速度は変化するため、プラズマ
が安定せず膜特性の制御が困難になる。それを防ぐため
に原料ガスを希釈して使用することが望ましく、希釈ガ
スとしては、水素原子がa−SiC:Hやa−Si:H薄膜中で
タングリングボンドを終端させる働きをもつことから水
素ガスがよく使用される。しかし、従来例のように長寿
命ラジカルを得るために大量の水素を希釈ガスに使用す
ると、膜成長に寄与するSiHn、CHn、GeHn(n=0,1,2,
3)などの活性種にHラジカル、H2分子が衝突する確率
が高くなり、これらの衝突によりこれらの活性種が膜成
長に寄与しない分子の状態に戻され、プラズマ中の活性
種の濃度が激減してしまい成膜速度が遅くなる。
希釈ガスに不活性ガスであるヘリウムを用いた場合
は、プラズマ中に存在するH原子、H2分子の濃度は非常
に小さく、膜成長に寄与する活性種とHラジカル、H2分
子との衝突はほとんどなく、成膜速度が大きく減少する
ことがない。また、本発明者は、Heには寿命の長い(10
-4〜10-2秒)2つの準安定状態23S1→11S0(19.82e
V)、21S0→11S0(20.61eV)が存在することに着目し、
初めて以下の3つの考えに至り、本発明を考案した。
は、プラズマ中に存在するH原子、H2分子の濃度は非常
に小さく、膜成長に寄与する活性種とHラジカル、H2分
子との衝突はほとんどなく、成膜速度が大きく減少する
ことがない。また、本発明者は、Heには寿命の長い(10
-4〜10-2秒)2つの準安定状態23S1→11S0(19.82e
V)、21S0→11S0(20.61eV)が存在することに着目し、
初めて以下の3つの考えに至り、本発明を考案した。
(1)原料ガスを大量のHeで希釈して励起状態にある寿
命の長いHe原子の濃度を大きくすれば、励起状態にある
He原子と膜成長表面との衝突回数が増加し、衝突の際に
He原子は持っていたエネルギを膜表面に与えて基底状態
に戻るため、膜成長表面に存在するラジカルのマイグレ
ーションが活発になり高密度のSi−CあるいはSi−Geな
どのネットワークを形成できる。
命の長いHe原子の濃度を大きくすれば、励起状態にある
He原子と膜成長表面との衝突回数が増加し、衝突の際に
He原子は持っていたエネルギを膜表面に与えて基底状態
に戻るため、膜成長表面に存在するラジカルのマイグレ
ーションが活発になり高密度のSi−CあるいはSi−Geな
どのネットワークを形成できる。
(2)準安定状態23S1、21S0よりも高いエネルギ準位か
らの遷移では、He原子は、原料ガス分子を分解するのに
必要なエネルギをガス分子に与えるため、希釈すればす
るほど原料ガスの分解が促進され、原料ガスの利用効率
が高くでき、成膜速度が速まる。また、分解の促進によ
り成膜に対する高励起ラジカルの寄与率が高くなり、タ
ングリングポンド数も減少して膜質が向上する。
らの遷移では、He原子は、原料ガス分子を分解するのに
必要なエネルギをガス分子に与えるため、希釈すればす
るほど原料ガスの分解が促進され、原料ガスの利用効率
が高くでき、成膜速度が速まる。また、分解の促進によ
り成膜に対する高励起ラジカルの寄与率が高くなり、タ
ングリングポンド数も減少して膜質が向上する。
(3)He原子は、Ne、Ar、Kr、Xeなどの他の不活性ガス
よりも質量が小さいため、プラズマ中でイオン化し電界
で加速されて膜表面に衝突しても膜にほとんど損傷を与
えることがない。
よりも質量が小さいため、プラズマ中でイオン化し電界
で加速されて膜表面に衝突しても膜にほとんど損傷を与
えることがない。
発明の実施の形態 本発明における薄膜の作製方法により作製される非単
結晶薄膜は、a−Si1-xCx:H、a−Si1-xNx:H、a−Ge
1-xOx:H、a−Ge1-xNx:H、a−Si1-xGex:H,a−Si1-xCx:
H,a−Si1-xSnx:H,a−Ge1-xCx:H,a−Ge1-xSnx:H(但し、
0<x<1),a−Si1-x-yGexCy:H(但し、0<x,y<
1)などのように周期表第IV族元素を含むもの、a−Ga
N:H、a−GaAs:H、a−InP:HなどのIII−V族化合物半
導体である。またこれらの非単結晶奏は微結晶を含んで
もよい。
結晶薄膜は、a−Si1-xCx:H、a−Si1-xNx:H、a−Ge
1-xOx:H、a−Ge1-xNx:H、a−Si1-xGex:H,a−Si1-xCx:
H,a−Si1-xSnx:H,a−Ge1-xCx:H,a−Ge1-xSnx:H(但し、
0<x<1),a−Si1-x-yGexCy:H(但し、0<x,y<
1)などのように周期表第IV族元素を含むもの、a−Ga
N:H、a−GaAs:H、a−InP:HなどのIII−V族化合物半
導体である。またこれらの非単結晶奏は微結晶を含んで
もよい。
またこれらの非単結晶薄膜は、膜中のタングリングボ
ンドを終端し電子や正孔などのキャリヤの輸送能力を高
めるために、弗素や塩素などのハロゲンを含んでもよ
い。
ンドを終端し電子や正孔などのキャリヤの輸送能力を高
めるために、弗素や塩素などのハロゲンを含んでもよ
い。
上記の非単結晶薄膜の作製に使用される原料ガスは、
ガス分子内にタングリングボンドを終端する働きを持つ
水素原子を含んでいることが必要であり、具体的にはSi
原子を膜内に与える原料ガスとしてSiH4,Si2H6,SiH4-nF
n,SiH4-nCln,SiH4-n(CH3)n(但し、n=1,2,3)など
のシリコン化合物ガス、C原子の原料ガスとしてはCH4,
C2H6,C3H8,C2H4,C2H2,C6H6,CH4-nFn(但し、n=1,2,
3)などの炭素化合物ガス、Ge原子の原料ガスとしてはG
eH4、Ge2H6、GeH4-nFn(但し、n=1,2,3)、O原子の
原料ガスとしはO2、O3、CO、CO2、NO、N2O、NO2、N原
子の原料ガスとしてはN2、NH3、Ga原子の原料ガスとし
ては(CH3)3Ga、(C2H5)3Ga、In原子の原料ガスとし
ては(C2H5)3In、P原子の原料ガスとしてはPH3、As原
子の原料ガスとしてAsH3を使用し、これらのガスをヘリ
ウムで希釈する。ヘリウムガスの希釈の割合は、上述の
準安定ヘリウム原子の効果を引出し高めるために、放電
を発生させ成膜を行うための真空容器内において、He原
子数に対して原料ガス分子数が25%以下になるように設
定するのが望ましい。また、膜中のタングリングボンド
を効率よく終端させるためにヘリウムガスだけでなく水
素ガスを添加してもよく、放電を安定に保つためにアル
ゴンガスを添加してもよい。但し、これらのガスの添加
量は、ヘリウムガスの体積に対し50%を越えてはならな
い。
ガス分子内にタングリングボンドを終端する働きを持つ
水素原子を含んでいることが必要であり、具体的にはSi
原子を膜内に与える原料ガスとしてSiH4,Si2H6,SiH4-nF
n,SiH4-nCln,SiH4-n(CH3)n(但し、n=1,2,3)など
のシリコン化合物ガス、C原子の原料ガスとしてはCH4,
C2H6,C3H8,C2H4,C2H2,C6H6,CH4-nFn(但し、n=1,2,
3)などの炭素化合物ガス、Ge原子の原料ガスとしてはG
eH4、Ge2H6、GeH4-nFn(但し、n=1,2,3)、O原子の
原料ガスとしはO2、O3、CO、CO2、NO、N2O、NO2、N原
子の原料ガスとしてはN2、NH3、Ga原子の原料ガスとし
ては(CH3)3Ga、(C2H5)3Ga、In原子の原料ガスとし
ては(C2H5)3In、P原子の原料ガスとしてはPH3、As原
子の原料ガスとしてAsH3を使用し、これらのガスをヘリ
ウムで希釈する。ヘリウムガスの希釈の割合は、上述の
準安定ヘリウム原子の効果を引出し高めるために、放電
を発生させ成膜を行うための真空容器内において、He原
子数に対して原料ガス分子数が25%以下になるように設
定するのが望ましい。また、膜中のタングリングボンド
を効率よく終端させるためにヘリウムガスだけでなく水
素ガスを添加してもよく、放電を安定に保つためにアル
ゴンガスを添加してもよい。但し、これらのガスの添加
量は、ヘリウムガスの体積に対し50%を越えてはならな
い。
膜の作製方法は、上記のガスを用いた直流または高周
波(1kHz〜100MHz)またはマイクロ波(1GHz以上)プラ
ズマCVD法、あるいは電子サイクロトロン共鳴(ECR)プ
ラズマCVD法が望ましい。また、特に容量結合方式のプ
ラズマCVD法では、ヘリウム原子の励起を充分に行い、
準安定He原子を生成して膜質の向上並びにガスの利用効
率を高めるために高周波電源を接続した電極に投入する
電力密度は、単位電極面積当り0.03〜1.5W/cm2であるこ
とが望ましい。何故なら、電力密度を0.01W/cm2より小
さくするとヘリウム原子の励起が充分に行われず、1.5W
/cm2より大きくするとプラズマから受ける膜への損傷が
大きくなり、膜質が低下するからである。さらに、投入
電力密度:0.03〜0.2W/cm2の状態で1分間当り真空容器
内に導入される原料ガス分子1個当りに投入する高周波
電力を5x10-20(W/個)以上になるようにすると原料ガ
スの分解が充分に行われ、真空容器内にポリマー状の粉
体が付着し難くなる。
波(1kHz〜100MHz)またはマイクロ波(1GHz以上)プラ
ズマCVD法、あるいは電子サイクロトロン共鳴(ECR)プ
ラズマCVD法が望ましい。また、特に容量結合方式のプ
ラズマCVD法では、ヘリウム原子の励起を充分に行い、
準安定He原子を生成して膜質の向上並びにガスの利用効
率を高めるために高周波電源を接続した電極に投入する
電力密度は、単位電極面積当り0.03〜1.5W/cm2であるこ
とが望ましい。何故なら、電力密度を0.01W/cm2より小
さくするとヘリウム原子の励起が充分に行われず、1.5W
/cm2より大きくするとプラズマから受ける膜への損傷が
大きくなり、膜質が低下するからである。さらに、投入
電力密度:0.03〜0.2W/cm2の状態で1分間当り真空容器
内に導入される原料ガス分子1個当りに投入する高周波
電力を5x10-20(W/個)以上になるようにすると原料ガ
スの分解が充分に行われ、真空容器内にポリマー状の粉
体が付着し難くなる。
実施の形態1 容量結合方式プラズマCVD装置内に石英基板を配置
し、5x10-6Torr以下に排気した後、石英基板を280〜380
℃に加熱した。次にSiH4:0.5〜63sccm、C2H2:0.17〜21s
ccm、He:20〜170sccmを装置内に導入し、ガス圧力を0.2
〜1.0Torrの範囲に設定し、0.2〜1.3W/cm2の高周波電力
(13.56MHz)を平行電極に印加して、石英基板上に0.7
〜1.5μmの膜厚を有するa−Si1-xCx:H薄膜を作製し
た。但し、SiH4,C2H2およびHeの流量を上記の範囲で同
時に一連に変化させて複数のサンプルを作製した。この
時の成膜速度は0.3〜3μm/hであった。この時のガスの
利用効率(但し、装置内に導入した原料ガスの全体積に
対する成膜に消費された前記原料ガスの体積の割合で定
義する)は11〜21%であり、非常に高かった。
し、5x10-6Torr以下に排気した後、石英基板を280〜380
℃に加熱した。次にSiH4:0.5〜63sccm、C2H2:0.17〜21s
ccm、He:20〜170sccmを装置内に導入し、ガス圧力を0.2
〜1.0Torrの範囲に設定し、0.2〜1.3W/cm2の高周波電力
(13.56MHz)を平行電極に印加して、石英基板上に0.7
〜1.5μmの膜厚を有するa−Si1-xCx:H薄膜を作製し
た。但し、SiH4,C2H2およびHeの流量を上記の範囲で同
時に一連に変化させて複数のサンプルを作製した。この
時の成膜速度は0.3〜3μm/hであった。この時のガスの
利用効率(但し、装置内に導入した原料ガスの全体積に
対する成膜に消費された前記原料ガスの体積の割合で定
義する)は11〜21%であり、非常に高かった。
次に、このa−Si1-xCx:H薄膜上にアルミニウムの平
行電極を蒸着し、室温(25℃)において暗導電率を測定
したところ3x10-15〜4.5x10-11(Ωcm)-1であった。ま
た、室温において波長550nm,強度50μW/cm2の光を照射
して光導電率を測定したところ、7x10-9〜8x10-7(Ωc
m)-1であった。この光導電率よりημτ(但し、η:
量子効率,μ:キャリヤ移動度,τ:キャリヤ寿命)を
算出したところ1.0x10-7〜5.1x10-6(cm2/V)であり、
a−Si:H薄膜とほぼ同等の値であることを確認できた。
行電極を蒸着し、室温(25℃)において暗導電率を測定
したところ3x10-15〜4.5x10-11(Ωcm)-1であった。ま
た、室温において波長550nm,強度50μW/cm2の光を照射
して光導電率を測定したところ、7x10-9〜8x10-7(Ωc
m)-1であった。この光導電率よりημτ(但し、η:
量子効率,μ:キャリヤ移動度,τ:キャリヤ寿命)を
算出したところ1.0x10-7〜5.1x10-6(cm2/V)であり、
a−Si:H薄膜とほぼ同等の値であることを確認できた。
上記のa−Si1-XCX:H薄膜の作製において、Heの代わ
りにH2:20〜170sccmを用いて同等の条件で膜成長を試み
たところ、成膜速度は0.1〜3μm/hとHeの場合に比べて
小さかった。
りにH2:20〜170sccmを用いて同等の条件で膜成長を試み
たところ、成膜速度は0.1〜3μm/hとHeの場合に比べて
小さかった。
また、SiH4、C2H2の代わりにSin-1(CH3)n(n=1,
2,3)、あるいはSiH4の代わりにSi2H6、C2H2の代わりに
CH4、C2H4またはC3H8を用いても上記の結果とほぼ同等
の値を得、He希釈の効果を確認することができた。
2,3)、あるいはSiH4の代わりにSi2H6、C2H2の代わりに
CH4、C2H4またはC3H8を用いても上記の結果とほぼ同等
の値を得、He希釈の効果を確認することができた。
実施の形態2 容量結合方式プラズマCVD装置内にアルミニウム基板
を配置し、5x10-6Torr以下に排気した後、アルミニウム
基板を250〜350℃に加熱した。次にSiH4:2〜58sccm、Ge
H4:4〜88sccm、He:12〜450sccmを装置内に導入し、ガス
圧力を0.2〜1.0Torrの範囲に設定し、0.03〜0.98W/cm2
の高周波電力を平行電極に印加して、アルミニウム基板
上に0.5〜11μm/hの成膜速度でa−Si1-xGex:H薄膜Aを
8.5〜12μm形成した。
を配置し、5x10-6Torr以下に排気した後、アルミニウム
基板を250〜350℃に加熱した。次にSiH4:2〜58sccm、Ge
H4:4〜88sccm、He:12〜450sccmを装置内に導入し、ガス
圧力を0.2〜1.0Torrの範囲に設定し、0.03〜0.98W/cm2
の高周波電力を平行電極に印加して、アルミニウム基板
上に0.5〜11μm/hの成膜速度でa−Si1-xGex:H薄膜Aを
8.5〜12μm形成した。
これとは別にHeの代わりにアルゴンガスを用いて、上
記と同じ条件でa−Si1-xGex:H膜Bを作製した。
記と同じ条件でa−Si1-xGex:H膜Bを作製した。
この時の成膜速度は0.4〜10μm/hであった。これらの
a−SiGe:H膜A,Bの上に0.5μmのポリパラキシレン膜お
よび半透明金電極500Aを順次積層して、波長500nmのダ
イレーザを光源すると時間走行(time of flight)法に
よりa−Si1-xGex:H膜の電子のドリウト移動度を測定し
たところ、A膜は8x10-3〜5x10-2cm/V・s、B膜は1.5
〜6x10-3cm/V・sであり、He希釈によるA膜の方がキャ
リヤ輸送特性に優れ、成膜速度も大きいことが確認され
た。なお、本発明の非単結晶薄膜の作製方法は上記実施
例に挙げられた材料に限らず、a−Si:H(:F)、a−G
e:H(:F)、a−C:H(:F)などの水素または/および弗
素と単一の種類の原子からなる材料についても効果的で
あるのはいうまでもない。
a−SiGe:H膜A,Bの上に0.5μmのポリパラキシレン膜お
よび半透明金電極500Aを順次積層して、波長500nmのダ
イレーザを光源すると時間走行(time of flight)法に
よりa−Si1-xGex:H膜の電子のドリウト移動度を測定し
たところ、A膜は8x10-3〜5x10-2cm/V・s、B膜は1.5
〜6x10-3cm/V・sであり、He希釈によるA膜の方がキャ
リヤ輸送特性に優れ、成膜速度も大きいことが確認され
た。なお、本発明の非単結晶薄膜の作製方法は上記実施
例に挙げられた材料に限らず、a−Si:H(:F)、a−G
e:H(:F)、a−C:H(:F)などの水素または/および弗
素と単一の種類の原子からなる材料についても効果的で
あるのはいうまでもない。
発明の効果 本発明によれば、高い光導電率を有する、あるいはキ
ャリヤ輸送特性の優れた非単結晶薄膜を、速い原料ガス
利用効率でもって得ることができる。
ャリヤ輸送特性の優れた非単結晶薄膜を、速い原料ガス
利用効率でもって得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C23C 16/24 C23C 16/24 16/30 16/30 16/34 16/34 特許法第30条第1項適用申請有り 昭和63年5月16日 東京工芸大学において開催された電子写真学会第61回電 子写真学会研究討論会において発表 (72)発明者 滝本 昭雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 渡辺 正則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−16616(JP,A) 特開 昭59−224119(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】ガス分子内に少なくともシリコン原子と水
素原子を含むガスおよびガス分子内にゲルマニウム原子
または炭素原子を少なくとも含むガスの混合ガスとヘリ
ウムガスとを前記ヘリウム原子の数に対して前記混合ガ
ス分子の数が25%以下となるように真空容器内に導入
し、前記真空容器内に周波数1KHz〜100MHzの高周波電源
を接続した電極を配置し、前記電極に印加する高周波電
力が単位面積当たり0.03以上1.5W/cm2未満の高周波電力
を印加し放電を発生させ、前記真空容器内に配置した基
体上に非単結晶薄膜を作成することを特徴とする非単結
晶薄膜の作成方法。 - 【請求項2】ヘリウムガスに、前記ヘリウムガスの体積
の50%を超えないように、H2,F2およひArのうち少なく
とも1種類のガスを混合することを特徴とする請求項1
に記載の非単結晶薄膜の作成方法。 - 【請求項3】原料ガスの利用効率(但し、真空容器に導
入した原料ガスの全体積に対する成膜に消費された前記
原料ガスの体積の割合で定義する)が11〜21%であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の非単結晶薄膜の作成方
法。
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9375388 | 1988-04-15 | ||
JP63-284511 | 1988-11-10 | ||
JP63-93753 | 1988-11-10 | ||
JP28451188 | 1988-11-10 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02225674A JPH02225674A (ja) | 1990-09-07 |
JP3061811B2 true JP3061811B2 (ja) | 2000-07-10 |
Family
ID=26435047
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01092420A Expired - Fee Related JP3061811B2 (ja) | 1988-04-15 | 1989-04-12 | 非単結晶薄膜の作製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3061811B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101566781B (zh) * | 2008-04-25 | 2012-03-28 | 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 | 距离测量治具 |
KR102275938B1 (ko) * | 2019-12-10 | 2021-07-12 | 장성원 | 좌변기용 위생시트를 접는 방법 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5582880A (en) * | 1992-03-27 | 1996-12-10 | Canon Kabushiki Kaisha | Method of manufacturing non-single crystal film and non-single crystal semiconductor device |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59224119A (ja) * | 1984-01-16 | 1984-12-17 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 被膜作製方法 |
JPS6316616A (ja) * | 1986-04-17 | 1988-01-23 | Agency Of Ind Science & Technol | シリコン薄膜およびその製造方法 |
-
1989
- 1989-04-12 JP JP01092420A patent/JP3061811B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101566781B (zh) * | 2008-04-25 | 2012-03-28 | 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 | 距离测量治具 |
KR102275938B1 (ko) * | 2019-12-10 | 2021-07-12 | 장성원 | 좌변기용 위생시트를 접는 방법 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02225674A (ja) | 1990-09-07 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |