JP3061502B2 - エレベータの制動力点検装置 - Google Patents
エレベータの制動力点検装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、エレベータの制動力点
検装置に係り、特に、制動機の作動に伴って乗かごが減
速する際に制動力を点検するエレベータの制動力点検装
置に関する。
検装置に係り、特に、制動機の作動に伴って乗かごが減
速する際に制動力を点検するエレベータの制動力点検装
置に関する。
【０００２】
【従来の技術】図４はエレベータの全体構成を示す縦断
面図、図５は図４のエレベータに備えられる制動機の部
分を拡大して示す正面図である。
面図、図５は図４のエレベータに備えられる制動機の部
分を拡大して示す正面図である。
【０００３】一般にエレベータでは、図４に示すよう
に、上部の機械室１に、巻上機２、制御盤３および調速
機４などが設けられ、前記の機械室１下方に形成される
昇降路１ａ内を乗かご５、つり合いおもり６が昇降する
ようになっている。これらの乗かご５、つり合いおもり
６を懸垂する主ロープ７は、前記の巻上機２のシーブ
（図示せず）に巻掛けられ、これらの乗かご５、つり合
いおもり６より補償ロープ７ａが垂下されている。前記
の乗かご５に両端が連結される調速用ロープ８は、ルー
プ状に形成されて、このループ状の上部が前記の調速機
４に巻掛けられる。前記の制御盤３は、電話回線９ａを
介して監視センタ９と接続可能である。
に、上部の機械室１に、巻上機２、制御盤３および調速
機４などが設けられ、前記の機械室１下方に形成される
昇降路１ａ内を乗かご５、つり合いおもり６が昇降する
ようになっている。これらの乗かご５、つり合いおもり
６を懸垂する主ロープ７は、前記の巻上機２のシーブ
（図示せず）に巻掛けられ、これらの乗かご５、つり合
いおもり６より補償ロープ７ａが垂下されている。前記
の乗かご５に両端が連結される調速用ロープ８は、ルー
プ状に形成されて、このループ状の上部が前記の調速機
４に巻掛けられる。前記の制御盤３は、電話回線９ａを
介して監視センタ９と接続可能である。
【０００４】前述した巻上機２には、この巻上機２に対
して制動力を付与する制動機１０が一体に設けられてい
る。この制動機１０は、図５に示すように、巻上機２の
回転軸（図示せず）と一体的に回転する回転ドラム１１
と、この回転ドラム１１の両側にそれぞれ設けられ、各
一端を中心として回動する一対のレバー１２と、これら
のレバー１２に装着され、前記の回転ドラム１１に当接
可能な一対の制動シュー１３と、前記のレバー１２を閉
じる方向に弾性力を付与する制動ばね１４と、この制動
ばね１４の弾性力に抗して前記のレバー１２を押し開く
電磁装置１５とを有している。この電磁装置１５は、電
磁コイル１６と、この電磁コイル１６の励磁により図５
の下方に駆動されるプランジャ１７と、このプランジャ
１７の駆動により回動して前記のレバー１２の各他端を
外側へ押圧する一対のプランジャレバー１８とを備えて
いる。
して制動力を付与する制動機１０が一体に設けられてい
る。この制動機１０は、図５に示すように、巻上機２の
回転軸（図示せず）と一体的に回転する回転ドラム１１
と、この回転ドラム１１の両側にそれぞれ設けられ、各
一端を中心として回動する一対のレバー１２と、これら
のレバー１２に装着され、前記の回転ドラム１１に当接
可能な一対の制動シュー１３と、前記のレバー１２を閉
じる方向に弾性力を付与する制動ばね１４と、この制動
ばね１４の弾性力に抗して前記のレバー１２を押し開く
電磁装置１５とを有している。この電磁装置１５は、電
磁コイル１６と、この電磁コイル１６の励磁により図５
の下方に駆動されるプランジャ１７と、このプランジャ
１７の駆動により回動して前記のレバー１２の各他端を
外側へ押圧する一対のプランジャレバー１８とを備えて
いる。
【０００５】この制動機１０にあっては、次のように回
転ドラム１１の制動と、この制動状態の解除とを交互に
行なうようになっている。すなわち、通常時に制動ばね
１４によりレバー１２を閉じる方向に弾性力が付与され
ることから、各レバー１２を介して制動シュー１３が回
転ドラム１１に当接し、その結果、この回転ドラム１１
が制動される。そして、電磁コイル１６に電流が流れる
とき、この電磁コイル１６の部分で電磁力が発生してプ
ランジャ１７が図５の下方に駆動されるので、プランジ
ャレバー１８が回動してレバー１２を外側へ押圧し、こ
れらのレバー１２が開かれる。これに伴い、制動シュー
１３がそれぞれ回転ドラム１１から離隔するので、この
回転ドラム１１の制動状態が解除される。その後、電磁
コイル１６に流れる電流を遮断するとき、前述したよう
に再び回転ドラム１１が制動される。
転ドラム１１の制動と、この制動状態の解除とを交互に
行なうようになっている。すなわち、通常時に制動ばね
１４によりレバー１２を閉じる方向に弾性力が付与され
ることから、各レバー１２を介して制動シュー１３が回
転ドラム１１に当接し、その結果、この回転ドラム１１
が制動される。そして、電磁コイル１６に電流が流れる
とき、この電磁コイル１６の部分で電磁力が発生してプ
ランジャ１７が図５の下方に駆動されるので、プランジ
ャレバー１８が回動してレバー１２を外側へ押圧し、こ
れらのレバー１２が開かれる。これに伴い、制動シュー
１３がそれぞれ回転ドラム１１から離隔するので、この
回転ドラム１１の制動状態が解除される。その後、電磁
コイル１６に流れる電流を遮断するとき、前述したよう
に再び回転ドラム１１が制動される。
【０００６】従来、この制動機１０の制動力を点検する
際、まず制動ばね１４を緩めて設定長さを調整し、すな
わち制動機１０の制動力を通常時より小さく調整した状
態で巻上機２を駆動し、この巻上機２が滑り出すときの
駆動力を測定した後、前記の制動ばね１４をさらに緩め
て前記の測定を再び行ない、このように制動ばね１４を
調整して巻上機２が滑り出すときの駆動力の測定を数回
繰り返すことにより複数の測定データを得て、次いで、
この複数の測定データに基づいて通常状態での制動機１
０の制動力を推測するようになっていた。
際、まず制動ばね１４を緩めて設定長さを調整し、すな
わち制動機１０の制動力を通常時より小さく調整した状
態で巻上機２を駆動し、この巻上機２が滑り出すときの
駆動力を測定した後、前記の制動ばね１４をさらに緩め
て前記の測定を再び行ない、このように制動ばね１４を
調整して巻上機２が滑り出すときの駆動力の測定を数回
繰り返すことにより複数の測定データを得て、次いで、
この複数の測定データに基づいて通常状態での制動機１
０の制動力を推測するようになっていた。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】ところで前述した従来
技術では、制動ばね１４を通常状態から緩めた状態であ
っても巻上機２にかなりの制動力が付与されることか
ら、この状態で巻上機２を駆動する際に大きな駆動力を
要し、すなわち、巻上機２を駆動する電動機に過大な負
担が掛かるという問題があった。また、前記の電動機に
特殊な回路を付加する必要があるので、この作業にも労
力を要するという問題もあった。
技術では、制動ばね１４を通常状態から緩めた状態であ
っても巻上機２にかなりの制動力が付与されることか
ら、この状態で巻上機２を駆動する際に大きな駆動力を
要し、すなわち、巻上機２を駆動する電動機に過大な負
担が掛かるという問題があった。また、前記の電動機に
特殊な回路を付加する必要があるので、この作業にも労
力を要するという問題もあった。
【０００８】さらに、制動ばね１４を調整する作業を要
するので、乗かご５が停止する時間が長くなってエレベ
ータ利用者に迷惑を及ぼすとともに、制動ばね１４を通
常状態に復旧する際に作業ミスが生じる懸念もあった。
また、制動ばね１４を緩めた状態で得た測定データに基
づいて通常の使用状態での制動力を推測するようになっ
ているので、この制動機１０の制動力を正確に点検する
のが困難であった。
するので、乗かご５が停止する時間が長くなってエレベ
ータ利用者に迷惑を及ぼすとともに、制動ばね１４を通
常状態に復旧する際に作業ミスが生じる懸念もあった。
また、制動ばね１４を緩めた状態で得た測定データに基
づいて通常の使用状態での制動力を推測するようになっ
ているので、この制動機１０の制動力を正確に点検する
のが困難であった。
【０００９】本発明はこのような従来技術における実情
に鑑みてなされたもので、その目的は、制動機の制動ば
ねを調整する作業を要せずに、迅速に、かつ正確に制動
機の制動力を点検することのできるエレベータの制動力
点検装置を提供することにある。
に鑑みてなされたもので、その目的は、制動機の制動ば
ねを調整する作業を要せずに、迅速に、かつ正確に制動
機の制動力を点検することのできるエレベータの制動力
点検装置を提供することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、乗かごおよびつり合いおもりを懸垂する主
ロープが巻掛けられる巻上機と、この巻上機の動作を制
御する種々の制御指令を出力する制御盤と、前記巻上機
に対して制動力を付与する制動機とを含むエレベータに
備えられ、前記制動力を点検するエレベータの制動力点
検装置において、前記乗かごの速度を検出して速度信号
を出力する速度検出器と、前記制御盤から前記巻上機の
停止指令が出力される時刻から前記速度信号の出力が停
止する時刻までの所要時間を計測する時間計測回路と、
この時間計測回路から出力される計測データに基づいて
前記制動力が良好であるかどうかを判定する判定回路と
を備えた構成にしてある。
に本発明は、乗かごおよびつり合いおもりを懸垂する主
ロープが巻掛けられる巻上機と、この巻上機の動作を制
御する種々の制御指令を出力する制御盤と、前記巻上機
に対して制動力を付与する制動機とを含むエレベータに
備えられ、前記制動力を点検するエレベータの制動力点
検装置において、前記乗かごの速度を検出して速度信号
を出力する速度検出器と、前記制御盤から前記巻上機の
停止指令が出力される時刻から前記速度信号の出力が停
止する時刻までの所要時間を計測する時間計測回路と、
この時間計測回路から出力される計測データに基づいて
前記制動力が良好であるかどうかを判定する判定回路と
を備えた構成にしてある。
【００１１】
【作用】本発明は前記のように構成したので、制御盤か
ら出力される停止指令に応じて、作動中の巻上機に対し
て制動機により制動力を付与する際、時間計測回路によ
り、前記の停止指令が出力される時刻から、速度検出器
からの速度信号の出力が停止する時刻、すなわち乗かご
が停止する時刻までの所要時間を計測し、次いで、この
時間計測回路から出力される計測データに基づいて判定
回路により制動機の制動力が良好であるかどうかを判定
する。これによって、制動ばねを調整する作業を必要と
しないことから、迅速に制動機の制動力を点検できる。
また、制動機の制動力を通常の使用状態で直接的に点検
することから、この制動力を推測する必要がなく、した
がって、前記の制動力点検を正確に行なうことができ
る。
ら出力される停止指令に応じて、作動中の巻上機に対し
て制動機により制動力を付与する際、時間計測回路によ
り、前記の停止指令が出力される時刻から、速度検出器
からの速度信号の出力が停止する時刻、すなわち乗かご
が停止する時刻までの所要時間を計測し、次いで、この
時間計測回路から出力される計測データに基づいて判定
回路により制動機の制動力が良好であるかどうかを判定
する。これによって、制動ばねを調整する作業を必要と
しないことから、迅速に制動機の制動力を点検できる。
また、制動機の制動力を通常の使用状態で直接的に点検
することから、この制動力を推測する必要がなく、した
がって、前記の制動力点検を正確に行なうことができ
る。
【００１２】
【実施例】以下、本発明のエレベータの制動力点検装置
の実施例を図に基づいて説明する。図１は本発明のエレ
ベータの制動力点検装置の一実施例を示すブロック図、
図２は図１の制動力点検装置の処理手順を示すフローチ
ャート、図３は図１のエレベータの乗かごを運転する際
の速度と加速度および減速度との相関関係を示すタイミ
ングチャートである。なお、図１において前述した図
４、図５と同等のものには同一符号を付してある。
の実施例を図に基づいて説明する。図１は本発明のエレ
ベータの制動力点検装置の一実施例を示すブロック図、
図２は図１の制動力点検装置の処理手順を示すフローチ
ャート、図３は図１のエレベータの乗かごを運転する際
の速度と加速度および減速度との相関関係を示すタイミ
ングチャートである。なお、図１において前述した図
４、図５と同等のものには同一符号を付してある。
【００１３】図１に示すエレベータでは、図３の（ａ）
および（ｂ）に示すように乗かご５の起動、停止を行な
うようになっている。すなわち、まず起動時刻Ｔ1で制
御盤３から起動指令が出力されるとき、制動機１０の制
動状態が解除されるとともに、巻上機２が起動すること
から、図３の（ｂ）に示すように乗かご５の加速度が大
きくなって所定の加速度Ａで定常状態となり、加速終了
時刻Ｔ2で加速を終了する。これに伴い、乗かご５の速
度は図３の（ａ）に示すように一定の割合で大きくなっ
た後、前記の加速終了時刻Ｔ2から乗かご５の速度が定
常速度Ｖ1となる。次いで、減速開始時刻Ｔ3で制御盤３
から出力される停止指令に応じて乗かご５の通常停止を
行なう場合、図３の（ｂ）に示すように減速度が大きく
なって所定の減速度Ｂ1で定常状態となり、停止時刻Ｔ5
で減速を終了する。これに伴い、前記の減速開始時刻Ｔ
3から乗かご５の速度が一定の割合で小さくなり、前記
の停止時刻Ｔ5で停止する。一方、前記の停止指令を制
動機１０に入力して、この制動機１０により乗かご５の
強制停止を行なう場合、乗かご５が前記の減速度Ｂ1よ
り大きな減速度Ｂ2で減速し、前記の停止時刻Ｔ5より早
い停止時刻Ｔ4で停止する。すなわち、減速開始時刻Ｔ3
から停止時刻Ｔ4までの強制停止に要する所要時間ｔ
1は、減速開始時刻Ｔ3から停止時刻Ｔ5までの通常停止
に要する所要時間ｔ2より短いのが一般的である。
および（ｂ）に示すように乗かご５の起動、停止を行な
うようになっている。すなわち、まず起動時刻Ｔ1で制
御盤３から起動指令が出力されるとき、制動機１０の制
動状態が解除されるとともに、巻上機２が起動すること
から、図３の（ｂ）に示すように乗かご５の加速度が大
きくなって所定の加速度Ａで定常状態となり、加速終了
時刻Ｔ2で加速を終了する。これに伴い、乗かご５の速
度は図３の（ａ）に示すように一定の割合で大きくなっ
た後、前記の加速終了時刻Ｔ2から乗かご５の速度が定
常速度Ｖ1となる。次いで、減速開始時刻Ｔ3で制御盤３
から出力される停止指令に応じて乗かご５の通常停止を
行なう場合、図３の（ｂ）に示すように減速度が大きく
なって所定の減速度Ｂ1で定常状態となり、停止時刻Ｔ5
で減速を終了する。これに伴い、前記の減速開始時刻Ｔ
3から乗かご５の速度が一定の割合で小さくなり、前記
の停止時刻Ｔ5で停止する。一方、前記の停止指令を制
動機１０に入力して、この制動機１０により乗かご５の
強制停止を行なう場合、乗かご５が前記の減速度Ｂ1よ
り大きな減速度Ｂ2で減速し、前記の停止時刻Ｔ5より早
い停止時刻Ｔ4で停止する。すなわち、減速開始時刻Ｔ3
から停止時刻Ｔ4までの強制停止に要する所要時間ｔ
1は、減速開始時刻Ｔ3から停止時刻Ｔ5までの通常停止
に要する所要時間ｔ2より短いのが一般的である。
【００１４】そして本実施例の制動力点検装置は、図１
に示すように、巻上機２に設けられ、乗かご５の速度を
検出する速度検出器２１と、この速度検出器２１から出
力される乗かご５の速度データ、および制御盤３から出
力される他のデータを処理するデータ処理装置２２とか
らなっている。このデータ処理装置２２は、前記の速度
検出器２１に接続されるインタフェース回路２３と、こ
のインタフェース回路２３を介して入力されるデータを
記憶する記憶部２４と、この記憶部２４で記憶されるデ
ータに基づいて乗かご５の強制停止に要する所要時間ｔ
1、および通常停止に要する所要時間ｔ2を計測する時間
計測回路２５と、乗かご５の強制停止に要する所要時間
ｔ1を乗かご５の通常停止に要する所要時間ｔ2と比較す
ることにより制動機１０の制動力が良好かどうかを判定
する判定回路２６と、この判定回路２６から出力される
判定結果を表示する表示部２７とからなっている。この
データ処理装置２２は、機械室１に設けられる制御盤３
に接続されており、この制御盤３から出力される指令に
応じて制動機１０の制動力を自動的に点検するようにな
っている。なお、前記のインタフェース回路２３によ
り、制動力の判定結果を制御盤３、電話回線９ａを介し
て監視センタ９へ伝送する伝送部が構成されている。
に示すように、巻上機２に設けられ、乗かご５の速度を
検出する速度検出器２１と、この速度検出器２１から出
力される乗かご５の速度データ、および制御盤３から出
力される他のデータを処理するデータ処理装置２２とか
らなっている。このデータ処理装置２２は、前記の速度
検出器２１に接続されるインタフェース回路２３と、こ
のインタフェース回路２３を介して入力されるデータを
記憶する記憶部２４と、この記憶部２４で記憶されるデ
ータに基づいて乗かご５の強制停止に要する所要時間ｔ
1、および通常停止に要する所要時間ｔ2を計測する時間
計測回路２５と、乗かご５の強制停止に要する所要時間
ｔ1を乗かご５の通常停止に要する所要時間ｔ2と比較す
ることにより制動機１０の制動力が良好かどうかを判定
する判定回路２６と、この判定回路２６から出力される
判定結果を表示する表示部２７とからなっている。この
データ処理装置２２は、機械室１に設けられる制御盤３
に接続されており、この制御盤３から出力される指令に
応じて制動機１０の制動力を自動的に点検するようにな
っている。なお、前記のインタフェース回路２３によ
り、制動力の判定結果を制御盤３、電話回線９ａを介し
て監視センタ９へ伝送する伝送部が構成されている。
【００１５】この実施例にあっては、図２に示す処理手
順Ｓ１〜Ｓ９にしたがって制動機１０の制動力を点検す
るようになっている。すなわち、まず手順Ｓ１として乗
かご５内で保守運転の表示とアナウンスを行ない、手順
Ｓ２として乗かご５内に乗客がいるかどうかを確認し、
乗かご５内に乗客がいる場合、次の手順Ｓ３の開始を保
留するとともに、再び乗かご５内で保守運転の表示とア
ナウンスを行ない、乗かご５内から乗客が降りるよう促
す。一方、乗かご５内に乗客がいない場合、手順Ｓ３と
して図３の起動時刻Ｔ1で乗かご５の下降運転を開始す
る。これに伴い、乗かご５は図３の（ｂ）に示すように
加速度Ａで加速した後、図３の（ａ）に示すように加速
終了時刻Ｔ2で乗かご５の速度が定常速度Ｖ1に到達す
る。手順Ｓ４として速度検出器２１により乗かご５の速
度を検出し、速度検出器２１から出力される速度データ
をインタフェース回路２３を介して入力して記憶部２４
で記憶する。次いで、手順Ｓ５として図３の減速開始時
刻Ｔ3で制御盤３から停止指令が制動機１０に入力され
るとき、前記の減速開始時刻Ｔ3を記憶部２４で記憶す
る。前記の停止指令に応じて乗かご５の強制停止が開始
されるとき、この乗かご５は加速度（−Ｂ2）すなわち
減速度Ｂ2で減速し、図３の停止時刻Ｔ5で乗かご５が停
止するので、この停止時刻Ｔ5を記憶部２４で記憶す
る。そして、手順Ｓ６として乗かご５の通常停止を行な
い、時間計測回路２５により、減速開始時刻Ｔ3から停
止時刻Ｔ4までの強制停止に要する所要時間ｔ1と、減速
開始時刻Ｔ3から強制停止時刻Ｔ5までの通常停止に要す
る所要時間ｔ2とを計測し、判定回路２６により前記の
強制停止に要する所要時間ｔ1を通常停止に要する所要
時間ｔ2と比較して制動機１０の制動力が良好であるか
どうかを判定する。このとき、前記の強制停止に要する
所要時間ｔ1が前記の通常停止に要する所要時間ｔ2より
短い場合、制動機１０の制動力が十分で合格とし、一
方、長い場合、制動機１０の制動力が不足しており不合
格と判定する。次いで、手順Ｓ８として比較判定結果を
表示部２７により表示して、手順Ｓ１０としてインタフ
ェース回路２３により処理結果を制御盤３、電話回線９
ａを介して監視センタ９へ伝送する。
順Ｓ１〜Ｓ９にしたがって制動機１０の制動力を点検す
るようになっている。すなわち、まず手順Ｓ１として乗
かご５内で保守運転の表示とアナウンスを行ない、手順
Ｓ２として乗かご５内に乗客がいるかどうかを確認し、
乗かご５内に乗客がいる場合、次の手順Ｓ３の開始を保
留するとともに、再び乗かご５内で保守運転の表示とア
ナウンスを行ない、乗かご５内から乗客が降りるよう促
す。一方、乗かご５内に乗客がいない場合、手順Ｓ３と
して図３の起動時刻Ｔ1で乗かご５の下降運転を開始す
る。これに伴い、乗かご５は図３の（ｂ）に示すように
加速度Ａで加速した後、図３の（ａ）に示すように加速
終了時刻Ｔ2で乗かご５の速度が定常速度Ｖ1に到達す
る。手順Ｓ４として速度検出器２１により乗かご５の速
度を検出し、速度検出器２１から出力される速度データ
をインタフェース回路２３を介して入力して記憶部２４
で記憶する。次いで、手順Ｓ５として図３の減速開始時
刻Ｔ3で制御盤３から停止指令が制動機１０に入力され
るとき、前記の減速開始時刻Ｔ3を記憶部２４で記憶す
る。前記の停止指令に応じて乗かご５の強制停止が開始
されるとき、この乗かご５は加速度（−Ｂ2）すなわち
減速度Ｂ2で減速し、図３の停止時刻Ｔ5で乗かご５が停
止するので、この停止時刻Ｔ5を記憶部２４で記憶す
る。そして、手順Ｓ６として乗かご５の通常停止を行な
い、時間計測回路２５により、減速開始時刻Ｔ3から停
止時刻Ｔ4までの強制停止に要する所要時間ｔ1と、減速
開始時刻Ｔ3から強制停止時刻Ｔ5までの通常停止に要す
る所要時間ｔ2とを計測し、判定回路２６により前記の
強制停止に要する所要時間ｔ1を通常停止に要する所要
時間ｔ2と比較して制動機１０の制動力が良好であるか
どうかを判定する。このとき、前記の強制停止に要する
所要時間ｔ1が前記の通常停止に要する所要時間ｔ2より
短い場合、制動機１０の制動力が十分で合格とし、一
方、長い場合、制動機１０の制動力が不足しており不合
格と判定する。次いで、手順Ｓ８として比較判定結果を
表示部２７により表示して、手順Ｓ１０としてインタフ
ェース回路２３により処理結果を制御盤３、電話回線９
ａを介して監視センタ９へ伝送する。
【００１６】このように構成した実施例では、制動機１
０の制動ばねを調整する必要がないことから、制動機１
０の制動力点検を迅速に行なえるとともに、乗かご５の
停止に伴ってエレベータ利用者に迷惑を及ぼすことや、
制動ばね１４を緩めた状態から通常状態に復旧する際の
作業ミスを生じることを防止できる。
０の制動ばねを調整する必要がないことから、制動機１
０の制動力点検を迅速に行なえるとともに、乗かご５の
停止に伴ってエレベータ利用者に迷惑を及ぼすことや、
制動ばね１４を緩めた状態から通常状態に復旧する際の
作業ミスを生じることを防止できる。
【００１７】また、制動ばね１４を緩めた状態での点検
データに基づいて通常の使用状態での制動力を推測する
必要がなく、すなわち制動力を通常の使用状態で直接的
に点検することから、正確に制動機１０の制動力を点検
できる。このとき、制動機１０が作動する状態で巻上機
２を駆動する必要がないので、巻上機２を駆動する電動
機に過大な負担を掛けなくて済む。
データに基づいて通常の使用状態での制動力を推測する
必要がなく、すなわち制動力を通常の使用状態で直接的
に点検することから、正確に制動機１０の制動力を点検
できる。このとき、制動機１０が作動する状態で巻上機
２を駆動する必要がないので、巻上機２を駆動する電動
機に過大な負担を掛けなくて済む。
【００１８】また、制動機１０の制動力が良好であるか
どうかを判定した判定結果をインタフェース回路２３よ
り監視センタ９へ伝送するので、この監視センタ９で制
動機１０の制動力を監視することができ、したがって、
当該エレベータの安全性の向上を図ることができる。
どうかを判定した判定結果をインタフェース回路２３よ
り監視センタ９へ伝送するので、この監視センタ９で制
動機１０の制動力を監視することができ、したがって、
当該エレベータの安全性の向上を図ることができる。
【００１９】なお、この実施例では速度検出器２１を巻
上機２に設けたが、この巻上機２の代わりに、調速機４
あるいはそらせ車４ａに速度検出器２１を設けることも
できる。さらに、この実施例ではデータ処理装置２２を
制御盤３の外部に設けたが、この制御盤３内にデータ処
理装置２２を設けることもできる。
上機２に設けたが、この巻上機２の代わりに、調速機４
あるいはそらせ車４ａに速度検出器２１を設けることも
できる。さらに、この実施例ではデータ処理装置２２を
制御盤３の外部に設けたが、この制御盤３内にデータ処
理装置２２を設けることもできる。
【００２０】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、制
動機の制動ばねを調整する作業を要せずに、迅速に制動
機の制動力を点検でき、したがって、エレベータの保守
作業の効率向上を図れるとともに、エレベータ利用者へ
の迷惑が及ぶことを防止できる。また、正確に制動機の
制動力を点検できることから、制動機の作動状態を確実
に把握してエレベータの安全性を高めることができる。
さらに、前述した制動力を点検する際、巻上機を駆動す
る電動機に過大な負担を掛けなくて済むので、この電動
機の故障や寿命の低下等を避けることができる。
動機の制動ばねを調整する作業を要せずに、迅速に制動
機の制動力を点検でき、したがって、エレベータの保守
作業の効率向上を図れるとともに、エレベータ利用者へ
の迷惑が及ぶことを防止できる。また、正確に制動機の
制動力を点検できることから、制動機の作動状態を確実
に把握してエレベータの安全性を高めることができる。
さらに、前述した制動力を点検する際、巻上機を駆動す
る電動機に過大な負担を掛けなくて済むので、この電動
機の故障や寿命の低下等を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のエレベータの制動力点検装置の一実施
例を示すブロック図である。
例を示すブロック図である。
【図２】図１の制動力点検装置の処理手順を示すフロー
チャートである。
チャートである。
【図３】図１のエレベータの乗かごを運転する際の速度
と加速度および減速度との相関関係を示すタイミングチ
ャートである。
と加速度および減速度との相関関係を示すタイミングチ
ャートである。
【図４】一般的なエレベータの全体構成を示す縦断面図
である。
である。
【図５】図４のエレベータに備えられる制動機の部分を
拡大して示す正面図である。
拡大して示す正面図である。
２ 巻上機 ３ 制御盤 ５ 乗かご ６ つり合いおもり ７ 主ロープ ９ 監視センタ １０ 制動機 ２１ 速度検出器 ２２ データ処理装置 ２３ インタフェース回路（伝送部） ２４ 記憶部 ２５ 時間計測回路 ２６ 判定回路 ２７ 表示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−169485（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−67880（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−313582（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−66483（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B66B 1/00 - 5/28
Claims (1)
- 【請求項１】 乗かごおよびつり合いおもりを懸垂する
主ロープが巻掛けられる巻上機と、この巻上機の動作を
制御する種々の制御指令を出力する制御盤と、前記巻上
機に対して制動力を付与する制動機とを含むエレベータ
に備えられ、前記制動力を点検するエレベータの制動力
点検装置において、前記乗かごの速度を検出して速度信
号を出力する速度検出器と、前記制御盤から前記巻上機
の停止指令が出力される時刻から前記速度信号の出力が
停止する時刻までの所要時間を計測する時間計測回路
と、この時間計測回路から出力される計測データに基づ
いて前記制動力が良好であるかどうかを判定する判定回
路とを備えたことを特徴とするエレベータの制動力点検
装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5052318A JP3061502B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | エレベータの制動力点検装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5052318A JP3061502B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | エレベータの制動力点検装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06263354A JPH06263354A (ja) | 1994-09-20 |
| JP3061502B2 true JP3061502B2 (ja) | 2000-07-10 |
Family
ID=12911445
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5052318A Expired - Fee Related JP3061502B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | エレベータの制動力点検装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3061502B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104528489B (zh) * | 2014-12-11 | 2017-03-15 | 杭州西奥电梯有限公司 | 一种电梯安全维护方法 |
-
1993
- 1993-03-12 JP JP5052318A patent/JP3061502B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06263354A (ja) | 1994-09-20 |
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|---|---|---|---|
| S531 | Written request for registration of change of domicile |
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