JP2020147424A - エレベーターの動作状態診断システム - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度にエレベーターの動作状態を診断できかつ保全が容易な、エレベーター動作状態診断システムを提供する。【解決手段】エレベーター動作状態診断システムは、エレベーターの動作状態を診断するものであって、乗りかご(101)に設けられる加速度検出手段(104)と、ドアモータ(103)のモータ電流を検出する電流センサ(105)と、加速度検出手段からの乗りかごの加減速情報および電流センサからの電流情報に基づいて、エレベーターの動作状態を判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、エレベーターの動作状態を診断する診断システムに関する。
上記技術分野における従来技術として、特許文献1に記載の技術が知られている。
本技術では、エレベーターの乗りかごを制動する電磁ブレーキのブレーキプランジャーに加速度振動計が設けられる。この加速度振動計によりブレーキプランジャー動作時の加速度を検出することにより、電磁ブレーキの開放時および制動時における動作状態の異常の有無が診断される。
特開2004−123270号公報
上記従来技術では、加速度振動計すなわち加速度を検出するセンサが電磁ブレーキの可動部に設けられるので、センサの保全が難しい。
そこで、本発明は、高精度にエレベーターの動作状態を診断できかつ保全が容易な、エレベーター動作状態診断システムを提供する。
上記の課題を解決するため、本発明によるエレベーター動作状態診断システムは、エレベーターの動作状態を診断するものであって、乗りかごに設けられる加速度検出手段と、ドアモータのモータ電流を検出する電流センサと、加速度検出手段からの乗りかごの加減速情報および電流センサからの電流情報に基づいて、エレベーターの動作状態を判定する。
本発明によれば、高精度にエレベーターの動作状態を診断できるとともに、診断システムの保全が容易になる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
一実施形態であるエレベーターの乗りかごの構成図である。 エレベーター動作状態診断装置を含むエレベーター監視システムの一例を示す機能ブロック図である。 エレベーター用の巻上機および電磁ブレーキの一例の構成図である。 建屋における乗場および昇降路付近の模式的縦方向断面図である。 図4の動作状態における、乗場釦、電磁ブレーキ、乗りかご、かごドアの動作の一例を時系列で示すタイムチャートである。 電磁ブレーキが固渋している場合について、エレベーター機器の動作の一例を示すタイムチャートである。 センサ出力値とエレベーター機器の動作との関係の一例を示すタイムチャートである。 エレベーター動作状態診断装置を含むエレベーター制御系の全体処理の一例を示すフローチャートである。 図8における戸閉力エッジ検出処理の詳細を示すフローチャートである。 図8におけるブレーキ動作診断処理の詳細を示すフローチャートである。 図4に示すエレベーターの動作状態例において、乗りかごが1階から3階に走行する時における、乗りかごの速度および加速度を示すタイムチャートである。 エレベーター動作状態診断装置が実行する乗りかごの起動時動作状態の診断処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いながら説明する。なお、各図において、参照番号が同一のものは同一の構成要件あるいは類似の機能を備えた構成要件を示している。
図1は、本発明の一実施形態であるエレベーターの乗りかごの構成図である。
乗かご101は、かごドア102と、かごドア102を開閉するためのドアモータ103とを有する。ドアモータ103は、ドアモータ103とかごドア102とを連結するベルト107を介して、かごドア102を開閉駆動する。また、ドアモータ103は、乗りかご101が走行中においてトルクを発生して、かごドア102が戸開しないように、ベルト107を介して、かごドア102に戸閉力を印加する。
なお、乗りかご101は、後述する巻上機(図3)によって駆動されて、図示しない昇降路内を走行する。
戸開時において、かごドア102は、図示しないロック機構により戸閉状態に拘束されているが、戸閉力印加によって、より信頼性高く戸閉状態が保持される。
かごドア102には、乗りかご101の走行状態を検出する加速度センサ104が設けられる。また、ドアモータ103の電源供給部(図示せず)には、ドアモータ103に流れるモータ電流を検出する電流センサ105が設けられる。加速度センサ104および電流センサ105の出力は、図示しない信号ケーブルによって、乗りかご101上に設けられるエレベーター動作状態診断装置106と接続される。
なお、加速度センサ104としては、圧電方式や静電容量方式などの公知の加速度センサが適用される。また、1〜3軸のタイプの加速度センサが適宜用いられる。また、電流センサ105としては、CT(Current Transformer)などが適用される。加速度センサ104および電流センサ105は、近距離無線などの無線通信によって、エレベーター動作状態診断装置106と接続されてもよい。
図2は、エレベーター動作状態診断装置106を含むエレベーター監視システムの一例を示す機能ブロック図である。
図2に示すように、加速度センサ104および電流センサ105によって検出される情報が、エレベーター動作状態診断装置106に伝送される。
エレベーター動作状態診断装置106は、センサ信号受信部201と、ブレーキ診断部202および起動時動作診断部204と、報知部203を備える。
センサ信号受信部201は、加速度センサ104および電流センサ105からの各情報を受信し、受信した情報をブレーキ診断部202および起動時動作診断部204へ伝送する。
ブレーキ診断部202は、センサ信号受信部201から伝送される情報に基づいて、後述する電磁ブレーキ(図3)の動作状態を監視し、固渋などの異常の有無を診断する。
起動時動作診断部204は、センサ信号受信部201から伝送される情報に基づいて、乗りかご101の動作状態を監視し、起動時における乗りかご101の飛び出しや反転などの動作異常の有無を診断する。
ブレーキ診断部202および起動時動作診断部204は、診断結果を報知部203に送信する。
報知部203は、受信した診断結果を、通信ネットワーク250を介して、エレベーターの設置場所から地理的に離れた場所に在る管制センター300に設置されているサーバー310へ送信する。
サーバー310によって受信された診断結果に応じて、対象のエレベーターの保全作業が行われる。
なお、本実施形態において、エレベーター動作状態診断装置106は、CPUやメモリーなどを備えるコンピュータシステムによって構成される。コンピュータシステムは、メモリーに記憶されているプログラムを実行することにより、エレベーター動作状態診断装置106の各部(201〜204)として機能する。なお、コンピュータシステムは、マイクロコンピュータによって構成されてもよい。また、コンピュータシステムに替えて、ASICやFPGAを適用してもよい。
図3は、エレベーター用の巻上機および電磁ブレーキの一例の構成図である。
巻上機301は、図示されないエレベーター制御装置が備える駆動電源(例えば、インバータ装置)によって回転駆動される。巻上機301が駆動されると、巻上機301に巻き掛けられる主ロープ(図示せず)が駆動される。主ロープが駆動されると、主ロープに接続された乗りかご101が上下方向に走行する。
巻上機301には、巻上機301の回転を制止させるための電磁ブレーキが設けられている。電磁ブレーキは、電磁石305a,305bと、それぞれ電磁石305a,305bによって駆動されるブレーキシュー303a,303bと、それぞれブレーキシュー303a,303bを付勢するバネ304a,304bと、を備える。
乗りかご101が停止している場合、ブレーキシュー303a,303bは、それぞれバネ304a,304bの付勢力により、巻上機301に押し付けられる。これにより、巻上機301の回転が制止され、乗りかご101は停止する。
乗りかご101が走行する場合、ブレーキ制御装置302からの指令によって電磁石305a,305bが通電され、電磁石305a,305bの電磁力によりブレーキシュー303a,303bが駆動される。これにより、巻上機301が回転できる状態になり、乗りかご101が昇降する。
ここで、バネ304a,304bや電磁石305a,305bおよび他のブレーキ機構部の経年劣化により、通電してもブレーキシュー303a,303bが動きにくくなる場合がある。この場合、通電開始から電磁ブレーキが解放されるまでの時間が正常時よりも長くなり、さらに劣化が進むと、電磁ブレーキが解放できなくなる場合もある。後述するように、本実施形態のエレベーター動作状態診断装置106によれば、このようなブレーキ固渋状態を早期に検出できる。
次に、図4−7を用いて、エレベーターの動作状態について説明する。
図4は、エレベーターが設置される建屋における乗場および昇降路付近の模式的縦方向断面図である。図4においては、エレベーターの動作状態の一例が示される。
図4に示す状態例では、1階で待機中の乗りかご101が、3階において利用者が乗場釦401により登録する呼びに応答して走行する。
本実施形態では、待機時を含めて戸閉時において、かごドア102は戸閉力が印加される。なお、所定時間以上呼びが作成されずに待機状態が継続した場合は、消費電力を抑えるために戸閉力は解除される。
図5は、図4の動作状態における、エレベーター機器である乗場釦、電磁ブレーキ、乗りかご(速度)、かごドアの動作の一例を時系列で示すタイムチャートである。
1階で待機している乗りかごは、所定時間呼びが作成されずに待機状態が継続すると(期間A)、戸閉力が解除される(期間B)。
その後、3階にいる利用者が乗場釦を押下し、呼びが登録されると、乗場釦の信号がONし、かごドアには、走行開始前に戸閉力が印加される(期間C)。
戸閉力印加後、電磁ブレーキが解放されて、乗りかごは走行を開始する(期間D)。ここで、正常な動作状態において、戸閉力が印加されてから走行開始までの時間Δtは、通常ほぼ一定の値である。
走行開始後、乗りかごが、乗場呼びが登録された3階に到着する際には、電磁ブレーキを動作させて乗りかごが制止される(期間E)。
その後、かごドアを開いて、利用者を乗車させる(期間F)。
3階で利用者が乗車後、かごドアが閉じると、乗りかごは、利用者がかご内操作盤で行先階登録した階へ向かって走行を開始する(期間G)。
図6は、電磁ブレーキが固渋している場合について、図5と同様に、エレベーター機器の動作の一例を示すタイムチャートである。図5に示した正常時との違いについて説明する。
図6において、期間A,Bについては、図5と同様であるが、電磁ブレーキが固渋している場合、期間Cにおいて、電磁ブレーキの解放動作が正常時よりも遅れる。すなわち、戸閉力印加から走行開始までの時間Δt’は、正常時(図5)における時間Δtよりも長くなる。したがって、Δt’がΔtよりも長い場合には、電磁ブレーキが固渋していると判定できる。
図7は、センサ出力値とエレベーター機器の動作との関係の一例を示すタイムチャートである。
本実施形態では、ドアモータ103に設けた電流センサ105にてドアモータ103のモータ電流を検出することで、戸閉力の有無が検出される。また、かごドア102に設けた加速度センサ104にて乗りかごの走行加速度を検出することで、走行の有無など走行状態が検出される。
戸閉力が印加されている場合、ドアモータはトルクを発生しているため、モータ電流が流れる。このため、図7の期間Aにおいて、電流センサからは、戸閉力を印加するためのモータ電流(図7では、α[アンペア])が出力される。
戸閉力を解除するためにドアモータのモータ電流が遮断されると、電流センサの出力値はゼロとなる(期間B)。
その後、乗場釦による呼び登録時には、再度、戸閉力が印加されるので、電流センサの出力値はαとなる(期間C)。
その後、電磁ブレーキが解放され、乗りかごは走行を開始する。この時、加速度センサの出力値は、定常速度に達するまでの加速度(図7では、β[m/s])まで増加し、乗りかごの速度が一定になるとゼロとなる(期間D)。
3階到着時には、乗りかごは減速されるため、加速度センサの出力値は、乗りかごが停止するまでの減速度(図7では、−γ[m/s])となり、電磁ブレーキが動作して乗りかごが制止される時にはゼロとなる(期間E)。
その後、かごドアが開閉する際には、開閉に伴うモータ電流値が、電流センサから出力され(期間F)、登録された行先階への走行時には、加速度センサから乗りかごの加速度値が出力される(期間G)。
次に、図8−10を用いて、本実施形態におけるブレーキ動作状態の診断手段について説明する。なお、以下、図中の「ステップS…」については、単に「S…」と記す。
図8は、本実施形態におけるエレベーター動作状態診断装置106(図2)を含むエレベーター制御系の全体処理の一例を示すフローチャートである。
S801にて、エレベーター制御系はイニシャル処理を実行する。
次に、S802にて、エレベーター制御系は通常稼働処理を実行する。
その後、S803にて、エレベーター動作状態診断装置106は、戸閉力のエッジ検出処理を実行する。ここで、戸閉力のエッジとは、待機状態において戸閉力ゼロの状態からから戸閉力印加状態への遷移を示す。
その後、S804にて、エレベーター動作状態診断装置106におけるブレーキ診断部202は、ブレーキ動作診断処理を実行する。
その後、エレベーター制御系は、S802からの処理を繰り返し実行する。
図9は、図8における戸閉力エッジ検出処理(S803)の詳細を示すフローチャートである。
S901にて、エレベーター動作状態診断装置106は、更新前の電流センサの出力情報Siを、電流センサの前回出力情報Si’として保存する。
次に、S902にて、エレベーター動作状態診断装置106は、電流センサの出力を、センサ信号受信部(図2)で取得する。
次に、S903にて、エレベーター動作状態診断装置106は、S902で取得した出力に基づいて、電流センサからの出力の有無を判定する。
電流センサの出力がある場合(S903でYes)、S904にて、エレベーター動作状態診断装置106は、電流センサの出力情報Siとして「有」(例えばSi=1)を記憶する。
また、電流センサの出力が無い場合(S903でNo)、S905にて、エレベーター動作状態診断装置106は、電流センサの出力情報Siとして「無」(例えばSi=0)を記憶する。
ここで、戸閉力エッジ検出処理(図8のS803)は、エレベーター稼働中、常時実行されるので、上述のS901−S905の処理により、電流センサ105の出力情報Siは常時更新される。
S904もしくはS905を実行後、S906にて、エレベーター動作状態診断装置106は、戸閉力印加エッジが検出されたかを判定する。すなわち、エレベーター動作状態診断装置106は、前回出力情報Si’がゼロでかつ、S904およびS905において更新された出力情報Siが1であるかを判定する。
「Si’=0かつSi=1」であると判定された場合(S906でYes)、S907にて、エレベーター動作状態診断装置106は、戸閉力印加エッジ有と判定する。この場合は、乗りかごの待機状態において、戸閉力解除状態から戸閉力印加状態へ遷移している。また、「Si’=0かつSi=1」であるとは判定されない場合(S906でNo)、S908にて、エレベーター動作状態診断装置106は、戸閉力印加エッジなしと判定する。
エレベーター動作状態診断装置106は、S907もしくはS908を実行後、一連の処理を終了する。
図10は、図8におけるブレーキ動作診断処理(S804)の詳細を示すフローチャートである。
S111にて、エレベーター動作状態診断装置106におけるブレーキ診断部202(図2)は、戸閉力エッジ検出処理(図9)の結果(S907,S908)に基づいて、戸閉力エッジありか、すなわち戸閉力印加開始の有無を判定する。ブレーキ診断部202は、戸閉力動作エッジありの場合(S111でYes)、次にS112を実行し、戸閉力動作エッジなしの場合(S111でNo)、ブレーキ動作診断処理を終了する。なお、戸閉力動作エッジありの場合、乗りかごの待機状態かつ戸閉力が解除されている状態で乗場呼びが作成され、戸閉力が再印加される。
S112にて、ブレーキ診断部202は、戸閉力印加開始時点から乗りかごが走行を開始する時点までの時間Δt(図5参照)の計測を開始する。
次に、S113にて、ブレーキ診断部202は、センサ信号受信部201によって受信した加速度センサ104の出力値情報を取得する。
S113で取得した情報に基づいて、S114にて、ブレーキ診断部202は、加速度センサ104からの出力の有無を判定する。ブレーキ診断部202は、出力がある場合(S114でYes)、次にS115を実行し、出力がない場合(S114でNo)、再度S113を実行する。
S115にて、ブレーキ診断部202は、時間Δtの計測を終了し、時間Δtの計測値を得る。なお、時間Δtは、前述の図5−7における期間Cの時間に相当する。
次に、S116にて、ブレーキ診断部202は、計測されたΔtと、Δtの異常判定を行うための閾値Tとを比較して、ΔtがTより大(Δt>T)であるかを判定する。ここで、Tは、予め、ブレーキ診断部202において設定される。なお、ブレーキ診断部202は、正常動作時におけるΔtの計測値を記憶して、Tとして用いてもよい。また、理論上もしくは仕様上で許容されるブレーキ動作時間の上限値をTとしても良い。
ブレーキ診断部202は、ΔtがTよりも大であると判定する場合(S116でYes)、次にS117を実行し、ΔtがTよりも大ではない(すなわち、Δt≦T)と判定する場合(S116でNo)、次にS118を実行する。
S117にて、ブレーキ診断部202は、Δt>T、すなわち、戸閉力印加開始から走行開始までに正常時よりも多くの時間を要しているので、電磁ブレーキの固渋があると判定する。
また、S118にて、ブレーキ診断部202は、Δt≦T、すなわち、戸閉力印加開始から走行開始までの時間が許容範囲であり、電磁ブレーキの動作は正常であると判定する。
ブレーキ診断部202は、S117もしくはS118を実行後、S119にて、S117もしくはS118における判定結果を、報知部203(図2)に送る。報知部203は、ブレーキ診断部202からの判定結果を、通信ネットワーク250(図2)を介して、管制センター300におけるサーバー310に通知する。
上述のように、本実施形態によれば、乗りかごの一部であるかごドアに設けられる加速度センサの出力、およびドアモータのモータ電流を検出する電流センサの出力に基づいて、電磁ブレーキの動作状態を診断できる。したがって、診断精度を確保しながらも、これらセンサの保全は容易である。
次に、図11および図12を用いて、本実施形態における起動時動作状態の診断手段について説明する。
ここで、本実施形態において、起動時動作状態は、走行開始時における乗りかごの反転動作および飛び出し動作である。反転動作や飛び出し動作は、乗りかご内の荷重を検出する荷重検出装置の検出誤差が大きい場合に、実際の荷重の大きさと起動制御に用いる荷重検出装置からの荷重情報の誤差が大きくなることにより、走行開始時に巻上機のトルクが適正に設定されないために発生する。
本実施形態によれば、以下で説明するように、反転動作や飛び出し動作を精度よく検出することができるので、早期の保全作業が可能になる。
図11は、図4に示すエレベーターの動作状態例において、乗りかごが1階から3階に走行する時における、乗りかごの速度および加速度を示すタイムチャートである。図11中では、通常動作時(正常動作時)(a)、反転動作時(b)ならびに飛び出し動作時(c)の各場合について、速度および加速度を示す。なお、各場合とも、横軸は時間を表し、縦軸は上昇方向を正として速度および加速度を表す。
図11中、(b)が示すように、反転動作時には、1階で待機していた乗りかごが、走行開始時に、乗場呼びが登録された3階に向かう走行方向(上昇方向)とは反対方向(下降方向)に移動し、その後、上昇方向に通常走行を開始する。そのため、(b)の加速度が示すように、乗りかごは、走行開始直後に、下降方向で急加速および急減速される。
図11中、(c)が示すように、飛び出し動作時には、1階で待機していた乗りかごが、走行開始時に、乗場呼びが登録された3階に向かう走行方向(上昇方向)に急に移動し、その後、上昇方向に通常走行を開始する。そのため、(c)の加速度が示すように、乗りかごは、走行開始直後に、上昇方向で急加速および急減速される。
図12は、エレベーター動作状態診断装置106(図2)が実行する乗りかごの起動時動作状態の診断処理を示すフローチャートである。
S120にて、エレベーター動作状態診断装置106における起動時動作診断部204(図2)は、戸閉力エッジ検出処理(図9)の結果(S907,S908)に基づいて、戸閉力エッジありか、すなわち戸閉力印加開始の有無を判定する。起動時動作診断部204は、戸閉力動作エッジありの場合(S120でYes)、次にS121を実行し、戸閉力動作エッジなしの場合(S120でNo)、次にS130を実行する。なお、戸閉力動作エッジありの場合、乗りかごの待機状態かつ戸閉力が解除されている状態で乗場呼びが作成され、戸閉力が再印加される。
S121にて、起動時動作診断部204は、センサ信号受信部201(図2)によって受信した加速度センサ104の出力値情報を取得する。このように、戸閉力エッジありの時に加速度センサ104の出力値情報が取得されるので、起動時動作診断時は、エレベーターが利用されていない状態、すなわち、乗りかご内が無人の状態で走行開始時の動作状態を診断することができる。したがって、乗りかご内での利用客の動きにより乗りかごの動きが影響(例えば、揺れ)を受けないので、診断精度が向上する。
S121を実行後、S122にて、起動時動作診断部204は、S121で取得した情報に基づいて、走行開始直後の急な加減速の有無を判定する。すなわち、S122において、起動時動作診断部204は、走行開始時における、図11の(b)および(c)に示すような期間D’における急な加速および減速の有無を判定する。なお、加速度センサによって走行開始直後の急加速および急減速の状態を検出するため、エレベーター動作状態診断装置106は、期間D’(図11)よりも短い時間間隔で加速度センサの情報を取得する。例えば、反転動作に対して、好ましくは、D’を100msとして、10ms間隔で加速度センサの情報が取得される。また、飛び出し動作に対しては、好ましくは、D’を500msとして、10ms間隔で加速度センサの情報が取得される。
起動時動作診断部204は、走行開始直後に急加減速がある場合(S122でYes)、次に、S123を実行し、走行開始直後の急加減速がない場合(S122でNo)、反転や飛び出しは発生していないとして、次にS130を実行する。
S123にて、起動時動作診断部204は、S121で取得した情報の内、S122において用いた走行開始時における情報に基づいて、走行開始時の加速方向(Ys)を記録する。本実施形態の動作状態では、反転動作時の急加速の方向は下降方向であり、飛び出し動作時の急加速の方向は上昇方向である。
次に、S124にて、起動時動作診断部204は、S122実行時から継続して取得される加速度センサの情報に基づいて、所定時間(Δs)以上、乗りかごが加速されているかを判定する。なお、S124では、起動時動作診断部204は、図11における期間Dの期間D’以降における乗りかごの加速時間が所定時間(Δs)以上であるかを判定する。例えば、Δsは、2階から3階などの1フロア分を移動する際に要する加速時間に設定することができる。
起動時動作診断部204は、加速時間が所定時間以上である場合(S124でYes)、次に、S125を実行し、加速時間が所定時間より小である場合(S124でNo)、次に、S126を実行する。
S125にて、起動時動作診断部204は、一定時間継続した走行開始時の加速方向(Yn)を記録する。図11の動作状態において、Ynは、3階に向かう方向すなわち上昇方向となる。
また、S129にて、起動時動作診断部204は、所定時間以上の加速がないため、急加速および急減速の後、エレベーターが動かない状態であり、走行時故障が検出されたと判定する。
S125を実行後、S126にて、起動時動作診断部204は、S123で記録した走行開始直後の加速方向(Ys)と、S125で記録した旧加減速後の走行方向(Yn)を比較して、両者が同じ(Ys=Yn)であるかを判定する。起動時動作診断部204は、YsとYnが同じである場合、次に、S127を実行し、YsとYnが異なる場合、次に、S128を実行する。
S127にて、起動時動作診断部204は、飛び出し動作が検出されたと判定する。本実施形態においては、Ys=Yn=上昇方向であり、乗りかごは、走行開始直後に上昇方向に急加速および急減速され、その後上昇方向に走行を継続している。
また、S128にて、起動時動作診断部204は、反転動作が検出されたと判定する。本実施形態においては、Ys=下降方向かつYn=上昇方向であり、乗りかごは、走行開始直後に下降方向に急加速および急減速され、その後、上昇方向に走行する。
S120またはS122でNoと判定する場合、もしくは、S127−129のいずれかを実行後、起動時動作診断部204は、次にS130を実行する。S130にて、起動時動作診断部204は、判定結果を、報知部203(図2)に送る。報知部203は、起動時動作診断部204からの判定結果を、通信ネットワーク250(図2)を介して、管制センター300のサーバー310に通知する。S130にて報知部203から管制センター300へ通知する。
上述のように、本実施形態によれば、乗りかごの一部であるかごドアに設けられる加速度センサの出力、およびドアモータのモータ電流を検出する電流センサの出力に基づいて、乗りかごの起動時動作状態を診断できる。したがって、診断精度を確保しながらも、これらセンサの保全は容易である。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置き換えをすることが可能である。
例えば、加速度センサは、かごドアに限らず、かご室を構成する側板、床部、天井部など、乗りかごの一部に設けてもよい。
また、乗りかごの加速度検出手段として、荷重計などを用いてもよい。また、加減速度によって乗りかごの構成部材に掛かる応力を歪センサなどによって検出してもよい。
101 乗りかご
102 かごドア
103 ドアモータ
104 加速度センサ
105 電流センサ
106 エレベーター動作状態診断装置
107 ベルト
201 センサ信号受信部
202 ブレーキ診断部
203 報知部
204 起動時動作診断部
250 通信ネットワーク
300 管制センター
301 巻上機
302 ブレーキ制御装置
303a,303b ブレーキシュー
304a,304b バネ
305a,305b 電磁石
310 サーバー
401 乗場釦

Claims (7)

  1. エレベーターの動作状態を診断するエレベーター動作状態診断システムにおいて、
    乗りかごに設けられる加速度検出手段と、
    ドアモータのモータ電流を検出する電流センサと、
    前記加速度検出手段からの前記乗りかごの加減速情報および前記電流センサからの電流情報に基づいて、前記エレベーターの動作状態を判定する動作状態診断装置と、
    を備えることを特徴とするエレベーター動作状態診断システム。
  2. 請求項1に記載のエレベーター動作状態診断システムにおいて、
    前記動作状態診断装置は、前記加減速情報および前記電流情報に基づいて、前記乗りかごを制止するブレーキの動作状態を判定するブレーキ診断部を備えることを特徴とするエレベーター動作状態診断システム。
  3. 請求項2に記載のエレベーター動作状態診断システムにおいて、
    前記ブレーキ診断部は、前記ブレーキの固渋を判定することを特徴とするエレベーター動作状態診断システム。
  4. 請求項1に記載のエレベーター動作状態診断システムにおいて、
    前記動作状態診断装置は、前記加減速情報および前記電流情報に基づいて、起動時における前記乗りかごの動作状態を判定する起動時動作診断部を備えることを特徴とするエレベーター動作状態診断システム。
  5. 請求項4に記載のエレベーター動作状態診断システムにおいて、
    前記起動時動作診断部は、前記起動時における前記乗りかごの反転動作および飛び出し動作を判定することを特徴とするエレベーター動作状態診断システム。
  6. 請求項1に記載のエレベーター動作状態診断システムにおいて、
    前記動作状態診断装置は、前記電流情報に基づいて、戸閉力動作エッジを検出し、前記戸閉力エッジ以降の前記加減速情報に基づいて、前記エレベーターの動作状態を判定することを特徴とするエレベーター動作状態診断システム。
  7. 請求項1に記載のエレベーター動作状態診断システムにおいて、
    前記動作状態診断装置は、前記エレベーターの動作状態の判定結果を管制センターに設けられるサーバーに通知する報知部を備えることを特徴とエレベーター動作状態診断システム。
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