JP3061083U - 医療用ガ―ゼ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 原布の製織能率を高くし、製造原価を安くす
る。従来と同様な出血量算出式を使用可能にする。 【解決手段】 原布は、４０番手の綿糸を約９０cmの広
幅に平織りし、一定長さ毎の糸抜き部と密織り部を設け
ず、縦糸密度を９〜１１本／cm位、横糸密度を７〜９本
／cm位にし、原布を切断して、寸法を幅３０cm位、長さ
４５cm位にし、重量を３ｇ位にした医療用ガーゼ１１。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、病院や診療所において、血液などを吸収させたり、傷口に当てたり するのに使用する医療用ガーゼに関する。

【０００２】

【従来の技術】

昔から頻繁に使用されている医療用ガーゼは、原布が４０番手の綿糸を平織り にした布であり、縦糸と横糸の密度が共に１cm当り12本位である。そして、寸法 が約３０cm角であって、重量が３ｇ位である。

【０００３】 医療用ガーゼの１枚の重量が３ｇであることは、医療関係者の間では周知にな っている。手術において、出血した血液をガーゼに吸収させて拭き取った場合、 血液を吸収したガーゼの枚数を数え、そのガーゼの重量を測定し、その重量から 、ガーゼの枚数に３ｇを掛けたガーゼ自身の重量を差し引いて、出血量を求める 。出血量と同量の血液を輸血する。

【０００４】 医療用ガーゼは、四つ折り又は八つ折りにした約１５cm角又は７〜８×１５cm 位の折り畳み状態で、販売されて保管される。その折り畳み状態で使用されるこ とが多い。

【０００５】 ガーゼの原布は、小幅織機において、図３に示すように、左右の両側の耳部を 密織り部１にして約３０cmの小幅の帯状に織り、長さ約３０cm毎に横糸のない糸 抜き部２を形成し、糸抜き部２の前後の両側を密織り部３にする。その後、原布 の各糸抜き部２を切断して、約３０cm角のガーゼを得る。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記の医療用ガーゼは、原布を、小幅織機において、小幅に織り、 かつ、一定長さ毎に糸抜き部と密織り部を形成するので、原布の製織能率が悪く 、製造原価が高くなる。

【０００７】

【課題を解決するための着眼】

原布の製織能率を高めるため、小幅織機ではなく、広幅織機を用い、約９０cm の広幅に織り、かつ、一定長さ毎の糸抜き部と密織り部を設けず、更に、糸密度 を低くすることとした。

【０００８】 糸密度を低くしたガーゼは、従来と同様に１枚を３０cm角にすると、１枚の重 量が減り、出血量の算出式が変わる。すると、出血量の算出を誤ることが予想さ れる。そこで、出血量の算出式を従来通りとするため、ガーゼは、糸密度が低く なった分だけ1枚の寸法を大きくし、１枚の重量を従来と同様にすることとした 。

【０００９】 寸法を大きくしたガーゼは、従来と同様に四つ折り又は八つ折りにすると、折 り畳み状態の寸法が大きくなる。すると、保管スペースや使用形態が変わる。そ こで、保管時や使用時の便宜を考慮して、ガーゼは、折り方を変え、折り畳み寸 法を従来と同様にすることとした。

【００１０】 また、密織り部が周縁にないガーゼは、従来と同様にガーゼの周縁を折り畳み 状態の周縁に配置すると、ガーゼの周縁の糸がほつれ易くなる。そこで、ガーゼ の周縁の糸をほつれ難くするため、ガーゼの周縁を折り畳み状態の内側に配置す ることとした。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

１）原布は、４０番手の綿糸を約９０cmの広幅に平織りし、一定長さ毎の糸抜 き部と密織り部を設けず、縦糸密度を９〜１１本／cm位、横糸密度を７〜９本／ cm位にし、 原布を切断して、寸法を幅３０cm位、長さ４５cm位にし、重量を３ｇ位にした ことを特徴とする医療用ガーゼ。

【００１２】 ２）上記の幅３０cm位、長さ４５cm位の医療用ガーゼにおいて、 右部と左部をそれぞれ長さ方向の折り曲げ線に沿って手前側に二つ折りにし、 その上の端と下の３分の一位をそれぞれ幅方向の折り曲げ線に沿って手前側に折 り返し、その全部を幅方向の折り曲げ線に沿って手前側に二つ折りにし、折り畳 み寸法を約１５cm角にした。

【００１３】 ３）上記の幅３０cm位、長さ４５cm位の医療用ガーゼにおいて、 右部と左部をそれぞれ長さ方向の折り曲げ線に沿って手前側に二つ折りにし、 その全部を幅方向の折り曲げ線に沿って手前側に三つ折りにし、その際、手前側 の折り返し片の先端をその裏側の折り返し片の上に重ね、その全部を長さ方向又 は幅方向の折り曲げ線に沿って手前側に二つ折りにし、折り畳み寸法を７〜８× １５cm位にした。

【００１４】

【考案の効果】

本考案の医療用ガーゼは、原布を、広幅に織り、一定長さ毎の糸抜き部と密織 り部を設けず、糸密度を低くするので、製織能率が高く、製造原価が安くなる。

【００１５】 糸密度が低くなったガーゼは、１枚の寸法を大きくして、１枚の重量を従来と 同様にするので、出血量算出式が従来通りであり、出血量算出式の変更による算 出誤りがない。

【００１６】 寸法が大きくなったガーゼは、折り方を変えて、折り畳み寸法を従来と同様に するので、保管スペースや使用形態が従来通りであり、取り扱い易い。

【００１７】 また、密織り部が周縁にないガーゼは、その周縁を折り畳み状態の内側に配置 するので、ガーゼの周縁の糸がほつれ難い。

【００１８】

【考案の実施の態様】 医療用ガーゼの原布は、広幅織機において、４０番手の綿糸を９０cm強の広幅 に平織りし、一定長さ毎の糸抜き部と密織り部を設けず、縦糸密度を９〜１１本 ／cm位、横糸密度を７〜９本／cm位にしている。

【００１９】 この原布は、その左右の両側の耳部を切り取り、３０×４５cm位に切断する。

【００２０】 医療用ガーゼ１１は、図１(ａ)に示すように、寸法が幅３０cm位、長さ４５cm 位の長方形であって、周縁に密織り部がなく、重量が３ｇ位である。

【００２１】 折り畳み状態のガーゼ１１ａは、図１(ａ) (ｂ)に示すように、ガーゼ１１の 右部と左部をそれぞれ長さ方向の折り曲げ線１２,１３に沿って手前側に二つ折 りにし、図１(ｂ) (ｃ)に示すように、その上の端と下の３分の１弱をそれぞれ 幅方向の折り曲げ線１４,１５に沿って手前側に折り返し、図１(ｃ) (ｄ)に示す ように、その全部を幅方向の折り曲げ線１６に沿って手前側に二つ折りにし、折 り畳み寸法を約１５cm角にしている。

【００２２】 密織り部のないガーゼ１１の周縁は、折り畳み状態の内側に配置され、折り畳 み状態のガーゼ１１ａの周縁に現れない。ガーゼ１１の周縁の糸がほつれ難い。

【００２３】 他の折り畳み状態のガーゼ１１ｂは、図２(ａ) (ｂ)に示すように、ガーゼ１ １の右部と左部をそれぞれ長さ方向の折り曲げ線１７,１８に沿って手前側に二 つ折りにし、図２(ｂ) (ｃ)に示すように、その全部を幅方向の折り曲げ線１９, ２０に沿って手前側に三つ折りにし、その際、手前側の折り返し片の先端をその 裏側の折り返し片の上に重ね、図２(ｃ) (ｄ)に示すように、その全部を長さ方 向の折り曲げ線２１に沿って手前側に二つ折りにし、折り畳み寸法を７〜８×１ ５cm位にしている。

【００２４】 密織り部のないガーゼ１１の周縁は、折り畳み状態の内側に配置され、折り畳 み状態のガーゼ１１ｂの周縁に現れない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施態様における医療用ガーゼの正面
図であって、(ａ)は展開状態、(ｂ) (ｃ)は折り畳み途
中の状態、(ｄ)は折り畳み状態を示す。

【図２】同医療用ガーゼの正面図であって、(ａ)は展開
状態、(ｂ) (ｃ)は他の折り畳み途中の状態、(ｄ)は他
の折り畳み状態を示す。

【図３】従来の医療用ガーゼの原布の中間省略正面図。

【符号の説明】

１１ 展開状態の医療用ガーゼ １１ａ、１１ｂ 折り畳み状態の医療用ガーゼ １２、１３、１７、１８、２１ 長さ方向の折り曲げ線 １４〜１６、１９、２０ 幅方向の折り曲げ線

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 原布は、４０番手の綿糸を約９０cmの広
   幅に平織りし、一定長さ毎の糸抜き部と密織り部を設け
   ず、縦糸密度を９〜１１本／cm位、横糸密度を７〜９本
   ／cm位にし、 原布を切断して、寸法を幅３０cm位、長さ４５cm位に
   し、重量を３ｇ位にしたことを特徴とする医療用ガー
   ゼ。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の医療用ガーゼにおい
   て、 右部と左部をそれぞれ長さ方向の折り曲げ線に沿って手
   前側に二つ折りにし、その上の端と下の３分の一位をそ
   れぞれ幅方向の折り曲げ線に沿って手前側に折り返し、
   その全部を幅方向の折り曲げ線に沿って手前側に二つ折
   りにし、折り畳み寸法を約１５cm角にしたことを特徴と
   する医療用ガーゼ。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の医療用ガーゼにおい
   て、 右部と左部をそれぞれ長さ方向の折り曲げ線に沿って手
   前側に二つ折りにし、その全部を幅方向の折り曲げ線に
   沿って手前側に三つ折りにし、その際、手前側の折り返
   し片の先端をその裏側の折り返し片の上に重ね、その全
   部を長さ方向又は幅方向の折り曲げ線に沿って手前側に
   二つ折りにし、折り畳み寸法を７〜８×１５cm位にした
   ことを特徴とする医療用ガーゼ。