JP3188641U - 医療用ガーゼ - Google Patents
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Abstract
【課題】X線造影部材がレントゲン撮影時にレントゲン写真に写りこみやすくするために、ガーゼ本体の経緯方向にクロスしてX線造影部材を織り込んだ医療用ガーゼを提案する。また、ガーゼ本体の緯方向に緯X線造影部材を簡単かつ容易に効率よくかつ自由な配置で編成することができる医療用ガーゼを提案する。【解決手段】経糸14と緯糸15により編成されたガーゼ本体11において、縦方向に1又は複数の経X線造影部材21が編成されているとともに、緯方向に1又は複数の緯X線造影部材22がエアジェットにより編成されていることを特徴とする。また、ガーゼ本体の経方向の所定間隔位置に緯糸により厚段部19が形成され、該厚段部で切断され、さらに、ガーゼ本体の緯方向の所定間隔位置に経糸により中耳部17が形成され、該中耳部で切断されてなる。【選択図】図1
Description
本考案は、医療用ガーゼに関し、特にはガーゼ本体の経緯方向にクロスしてX線造影部材を織り込んだ医療用ガーゼに関する。
医療用ガーゼは、手術を行う際に、血液等を吸収したり、鉤で組織を牽引する時に組織の損傷を防ぐために鉤と組織の間に挟んだりする等大量に使用される。手術後にガーゼを体内に遺残することを防ぐため、使用したガーゼを数えてミスを防ぐなどの予防策がとられている。
また、万一ガーゼを体内に遺残してしまった場合のために、添付図面の図4に示すように、ガーゼ本体51にX線造影部材(糸)60を編み込んだ医療用ガーゼ50が用いられる。これにより、手術後にレントゲン撮影により体内に遺残しているガーゼを発見することができる。X線造影糸60は合成樹脂繊維からなるため、綿糸よりなるガーゼ本体51から抜け落ちやすい問題があることから、X線造影糸60の一側に密に平織してX線造影糸を抜け落ちにくくする医療用ガーゼが提案されている(特許文献1参照。)。
従来のこの種の医療用ガーゼ50では、ガーゼ本体51の経糸54方向にX線造影部材60が織り込まれていた。これは、ガーゼ本体51の緯糸55を通す際にシャトル(杼)を用いて編成しており、緯糸は端部で折り返す一本の長尺の糸により形成され、このため、ガーゼ本体51の緯糸55方向に部分的に一定長のX線造影部材を編成することが煩雑ないし困難であることに起因する。経糸54方向であれば、ビームに配置される経糸54の一部をX線造影部材60とすることで、簡単にかつ連続的にX線造影部材が織り込まれた医療用ガーゼ50を編成することができるのである。
しかしながら、一方向にのみX線造影部材が編み込まれたガーゼは、万一体内に遺残したときに、ガーゼが小さく丸まっていたり、あるいはX線造影部材のカメラに対する角度などによっては、レントゲン写真では十分に視認できない恐れがあり、より安全性の高い医療用ガーゼが求められていた。
本考案は前記の点に鑑みなされたものであり、X線造影部材がレントゲン撮影時にレントゲン写真に写りこみやすくするために、ガーゼ本体の経緯方向にクロスしてX線造影部材を織り込んだ医療用ガーゼを提案するものである。本考案は、また、ガーゼ本体の緯方向に緯X線造影部材を簡単かつ容易に効率よく編成することができる医療用ガーゼを提案するものである。
すなわち、請求項1の考案は、経糸と緯糸により編成されたガーゼ本体において、経方向に1又は複数の経X線造影部材が編成されているとともに、緯方向に1又は複数の緯X線造影部材がエアジェットにより編成されていることを特徴とする医療用ガーゼに係る。
請求項2の考案は、ガーゼ本体の経糸方向の所定間隔位置に緯糸の疎部分により厚段部が形成され、該厚段部で切断されてなる請求項1に記載の医療用ガーにゼ係る。
請求項3の考案は、ガーゼ本体の緯糸方向の所定間隔位置に経糸の疎部分により中耳部が形成され、該中耳部で切断されてなる請求項1に記載の医療用ガーゼに係る。
請求項1の考案に係る医療用ガーゼは、経糸と緯糸により編成されたガーゼ本体において、経方向に1又は複数の経X線造影部材が編成されているとともに、緯方向に1又は複数の緯X線造影部材がエアジェットにより編成されているため、ガーゼ本体の経緯方向にクロスしてX線造影部材を織り込んだ医療用ガーゼを提供でき、レントゲン撮影時にレントゲン写真に写りこみやすくすることができるとともに、前記緯X線造影部材がエアジェットにより射出されているため、緯方向に緯X線造影部材を簡単かつ容易に効率よく、しかも必要な本数及び自由な配置で編成することができる。
請求項2の考案に係る医療用ガーゼは、ガーゼ本体の経糸方向の所定間隔位置に緯糸の疎部分により厚段部が形成され、該厚段部で切断されてなることより、多量の医療用ガーゼを効率よく製作することができる。
請求項3の考案は、請求項1又は2において、ガーゼ本体の緯糸方向の所定間隔位置に経糸の疎部分により中耳部が形成され、該中耳部で切断されてなることより、多量の医療用ガーゼを効率よく製作することができる。
図1に示すように、医療用ガーゼ10は、経糸14と緯糸15が交互に交差した平織のガーゼ本体11を有する。経糸14及び緯糸15の太さ、ガーゼ本体11の大きさは特に限定されないが、実施例では、経糸14及び緯糸15は綿糸よりなり、共に40番手(単位重さ約453.5gあたりの長さが約768m×40)の綿糸が約12本/cmの密度で平織され、ガーゼ本体11の大きさは約30cm×30cmに形成される。なお、実施例の医療用ガーゼ10は、後述するように、大版の原反Fを切断して製造されたもので、緯糸15方向の側端部16には中耳部17が形成され、経糸14方向の端部18には厚段部19が形成されている。
X線造影部材20(21,22)は、ガーゼ本体11の経緯方向にクロスして、経糸14及び緯糸15と共に一体に織り込まれる。X線造影部材20(21,22)は、従来公知のものが使用され、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂繊維に硫酸バリウムが添加されたX線造影糸等が挙げられる。
図1に示す医療用ガーゼ10は、経及び緯方向にそれぞれ経X線造影部材21及び緯X線造影部材22が1本ずつ織り込まれている。この医療用ガーゼ10が体内に遺残した場合に、レントゲン撮影を行うと、経X線造影部材21と緯X線造影部材22とがクロス状に配設されているので、例えば、経X線造影部材21がカメラ角度により映り込み難くなっている場合にも、緯X線造影部材22がレントゲン写真に映り込み、体内の医療用ガーゼ10を安全に発見することが可能となる。経X線造影部材21と緯X線造影部材22とがクロス状に配設されているので、少なくともどちらか一方がレントゲン写真に映り込み遺残したガーゼの発見率が格段と向上する。
図2に示した医療用ガーゼ10Aのように、経及び緯X線造影部材21,22を経緯それぞれ2本織り込むことによりレントゲン撮影時にさらに映り込みやすくすることもできる。なお、緯X線造影部材21,22の経緯方向の本数及び位置は必要により自由に選択できる。
ここで、実施例を製造するエアジェット織機について説明すると、緯入れ用ノズルから圧縮空気を噴出して緯糸を射出し、シャフトの間を緯糸が飛走し先端がノズルと逆側の吸引パイプ内に引き込まれることで緯入れを行う。エアジェット織機では、緯糸が通される方向が一方のみであることから、緯糸は一段通される毎に切断される。このため、X線造影部材を緯糸として織り込む際には、ガーゼ本体の織成工程の所定間隔ないし位置で、公知の手段により、緯糸射出位置に造影糸用ノズルを移動して、X線造影部材を射出して編成すればよい。
これにより、医療用ガーゼの緯方向に極めて容易に緯X線造影部材を織り込むことができ、X線造影部材は原反の側端での折返しによる余剰糸を生じさせないで製作することができるため、極めて効率的にかつX線造影部材の本数や位置などを自由に設定できる。緯方向に緯X線造影部材を複数配設する場合には、造影糸用のノズルを移動させる間隔を変更するだけでよいため、容易に製作することができる。経方向にはビームに架け渡される経糸のうち1又は複数をX線造影部材にすることで、医療用ガーゼの経方向に経X線造影部材を織り込むことができる。
図3に示すように、医療用ガーゼ10の原反Fにおいて、経糸方向に緯糸15が粗である厚段部19を形成することで、厚段部19を切断して複数の医療用ガーゼ10を製作することができる。また、厚段部19の両端に緯糸15を密にした密織部31や、緯糸15を絡み織にした絡み織部を形成すると切断後のガーゼをほつれにくくすることができる。
さらに、幅広の織機を用いて横方向に複数枚製作する場合には、所定間隔ごとに経糸14が粗である中耳部17を形成し、中耳部17を切断することにより一度に多量の医療用ガーゼ10を経済的に製作することができる。実施例では、30×30cmを緯糸方向に5枚相当分を並べて製作した。中耳部17の両端には経糸14を密にして密織部32を形成し、ほつれを生じにくくすることができる。
X線造影部材20は公知の抜け落ち防止手段を用いることができる。例えば、X線造影部材20の両側の経糸及び緯糸を密にしたり、X線造影部材20に先述の合成樹脂等繊維と他の糸部材と共に撚糸とされているものを用いて摩擦抵抗を高めてもよい。
この医療用ガーゼ10は、経糸14及び緯糸15よりなるガーゼ本体11に1又は複数がX線造影部材20が一体に配設される。そのため、別途複雑な工程及び設備を必要とせず極めて容易に製造することが可能である。なお、本考案の医療用ガーゼは、前述の実施例のみに限定されるものではなく、30×30cmよりも小さい大きさにしてもよく、吸水性や柔軟性の調整ために糸の番手をより太い又は細いものを使用する等この考案の趣旨を逸脱しない範囲において、構成の一部を適宜に変更して実施することができる。、
10,10A 医療用ガーゼ
11 ガーゼ本体
14 経糸
15 緯糸
17 中耳部
19 厚段部
20 X線造影部材
21 経X線造影部材
22 緯X線造影部材
F 原反
11 ガーゼ本体
14 経糸
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F 原反
Claims (3)
- 経糸と緯糸により編成されたガーゼ本体において、
経方向に1又は複数の経X線造影部材が編成されているとともに、
緯方向に1又は複数の緯X線造影部材がエアジェットにより編成されている
ことを特徴とする医療用ガーゼ。 - ガーゼ本体の経糸方向の所定間隔位置に緯糸の疎部分により厚段部が形成され、該厚段部で切断されてなる請求項1に記載の医療用ガーゼ。
- ガーゼ本体の緯糸方向の所定間隔位置に経糸の疎部分により中耳部が形成され、該中耳部で切断されてなる請求項1又は2に記載の医療用ガーゼ。
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JP2013006556U JP3188641U (ja) | 2013-11-18 | 2013-11-18 | 医療用ガーゼ |
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JP2013006556U JP3188641U (ja) | 2013-11-18 | 2013-11-18 | 医療用ガーゼ |
Publications (1)
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
JP6270954B1 (ja) * | 2016-10-05 | 2018-01-31 | スズラン株式会社 | 医療用ガーゼの製織方法 |
-
2013
- 2013-11-18 JP JP2013006556U patent/JP3188641U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP6270954B1 (ja) * | 2016-10-05 | 2018-01-31 | スズラン株式会社 | 医療用ガーゼの製織方法 |
JP2018057587A (ja) * | 2016-10-05 | 2018-04-12 | スズラン株式会社 | 医療用ガーゼの製織方法 |
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