JP3060115B2 - 焼結歯付プーリとこれの加工方法 - Google Patents

焼結歯付プーリとこれの加工方法

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JP3060115B2
JP3060115B2 JP2267784A JP26778490A JP3060115B2 JP 3060115 B2 JP3060115 B2 JP 3060115B2 JP 2267784 A JP2267784 A JP 2267784A JP 26778490 A JP26778490 A JP 26778490A JP 3060115 B2 JP3060115 B2 JP 3060115B2
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善治 松永
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この出願の発明は、焼結金属により構成された歯付プ
ーリ(この明細書では、単に、焼結歯付プーリという)
とこれの加工方法に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、強度、耐久性、寸法精度の全てが要求される歯
付プーリを量産する場合には、鉄系の焼結金属が多く採
用されている。特に、自動車エンジンに使用される歯付
プーリとしては、焼結金属が一般的である。
上記自動車エンジンの歯付プーリの製作おいては、追
加加工代を有する所定形状に金属粉を焼結後、歯先から
歯底までの全域について前記追加加工代のみをサイジン
グ処理し、これにより、歯付プーリとしての寸法精度を
向上させている。尚、このサイジング処理された状態に
おけるプーリの歯部は、その表面粗さは非常に小さなも
の、即ち、鏡面仕上状態となっている。
上記のように成型された歯付プーリをそのまま使用し
た場合、これの歯部とベルトの歯部との歯合・離脱の際
に、プーリ側の歯側部(歯先部から少し離れた部分)と
ベルト側の歯側部間に生じるスティックスリップによっ
て不快な奇音が発生する。ここで、スティックスリップ
とは、物体表面の動摩擦係数と静摩擦係数との差が大き
い場合、物体が静止とスベリを短い周期で繰返しながら
スリップする現象をいう。
この為、従来は、一旦、上記のようにして寸法精度を
確保した上で、歯付プーリにショットブラストやスチー
ム処理等を施し、再び、表面を荒らす加工を施してい
る。
しかしながら、この歯付プーリを使用した場合、上記
スティックスリップの発生は阻止できるものの、ショッ
トブラストやスチーム処理等によりプーリの歯先部まで
も表面が荒らされていることから、ベルト側の歯底部が
プーリ側の歯先部との接触により磨耗してしまい、この
結果、短期間でベルトが破損してしまうと言う問題があ
る。
即ち、歯付ベルト(9)は、基本的には、第5図に示
すように、背面ゴム(90)と抗張体(91)と歯布(92)
と歯ゴム(93)とから構成されており、歯付プーリとの
歯合・離脱の際には、ベルト側の歯底部とプーリ側の歯
先部とが小さくスベリながら接触していく。このとき、
荒された歯付プーリの歯先部が歯付ベルト(9)の歯底
部における歯布(92)を削取ることとなり、使用時間の
経過とともに削取られる部分が深くなりこれが抗張体
(91)に及んだときには、前記ベルトにクラックが発生
するのである。
尚、使用時間の経過に伴い、歯ゴム(93)の歯布(9
2)部分においても、荒らされた歯付プーリの歯部によ
って削取られることとなるが、この部分の磨耗は短期間
ではクラックへの致命的なものとはならない。
上記した問題は先に記述した型式の歯付ベルトに限ら
ず有している。
〔発明が解決しようとする課題〕
そこで、この出願の発明では、スティックスリップの
発生がなく、且つ、ベルトの寿命を短縮させない焼結歯
付プーリを提供するものであり、更に、前記焼結歯付プ
ーリを量産し得る表面加工方法を提供することを課題と
する。
〔課題を解決する為の手段〕
この出願の請求項1記載の発明は、焼結歯付プーリに
関し、歯部における歯先面及びその近傍面の表面粗さを
小さく、その他の面における表面粗さを大きく設定して
いる。
又、請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明
に関し、歯部における歯先面及びその近傍面を鏡面状態
としている。
更に、請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発
明に関し、歯部における歯先面及びその近傍面の表面粗
さを0.4a以下に設定し、その他の面における表面粗さを
0.8a以上に設定している。
他方、請求項4記載の発明では、請求項1乃至3のい
ずれかに記載の発明の焼結歯付プーリの加工方法に於い
て、 歯部における歯先部及びその近傍に追加加工代を備え
ると共にその他の部分については完成寸法となる半完成
焼結歯付プーリを焼結成型する工程と、 前記半完成焼結歯付プーリの追加加工代をサイジング
処理する工程とを具備するものとしている。
〔作用〕
この出願の発明は次の作用を有する。
(請求項1〜3記載の発明の作用) 歯付ベルトとの歯合・離脱に際には、ベルト側の歯底
面とプーリ側の歯先面とが小さくスベリながら接触して
いくこととなるが、この出願の発明の歯付プーリでは、
歯部における歯先面及びその近傍面の表面粗さを小さく
設定してあるから、歯付プーリの歯先面が歯付ベルトの
歯底面を削取ることはほどんどない。即ち、ベルトの薄
い背厚部分を損傷は非常に少ないものとなる。
又、歯部における歯先面及びその近傍面以外の面にお
ける表面粗さを大きく設定してあるから、スティックス
リップは生じないものとなる。
尚、歯ゴムの歯布部分において、歯付プーリの歯部に
よって削取られることとなるが、この部分の磨耗は短期
間ではクラックへの致命的なものとはならない。
(請求項4記載の発明の作用) ショットブラストやスチーム処理することなく、従来
から行っていた程度のサイジング処理をするだけで請求
項1〜3記載の焼結歯付プーリが製作できることとな
る。
〔実施例〕
以下、この発明の構成を一実施例として示した図面に
従って説明する。
第1図に、この出願の発明に係る焼結歯付プーリ
(P)と、これと歯合状態にある歯付ベルト(9)を示
す。
上記焼結歯付プーリ(P)では、スティックスリップ
の発生がなく、且つ、ベルトの寿命を短縮させないもの
とする為に、第2図に示すように、歯部(1)の歯高さ
(11)における先端側の1/2程度(同図に示す(a)
部)及び歯先面(10)の全域の表面粗さを0.4a以下程度
に設定してあり、又、歯底中心から歯高さ(11)の1/2
程度(同図に示す(b)部)の表面粗さを0.8a以上程度
に設定してある。
又、この実施例の説明に使用される上記歯付ベルト
(9)は従来の技術の欄に記載したものと同様に、背面
ゴム(90)と抗張体(91)と歯布(92)と歯ゴム(93)
とから構成されている。
第1図に示された焼結歯付プーリ(P)及び歯付ベル
ト(9)は上記のような構成であるから、歯付プーリ
(P)と歯付ベルト(9)との歯合・離脱の際には、歯
付ベルト(9)側の歯底面(95)がプーリ側の歯先面
(10)とが小さくスベリながら接触しているが、歯部
(1)における歯先面(10)等は上記の如く表面粗さを
小さく設定してあるから、歯付プーリ(P)の歯先面
(10)が歯付ベルト(9)の歯底面(95)を削取ること
はほとんどないものとなる。即ち、長時間使用しても、
歯付プーリ(1)の歯先面(10)が歯付ベルト(9)に
おける歯底面(95)の歯布(92)を削取るようなことが
ほとんどなくなり、破損が抗張体(91)にまで及ぶよう
なことはないものとなる。
又、歯部(1)における歯側面下部から歯底中心にか
けて(b)は上記の如く表面粗さを大きく設定してある
から、焼結プーリ(P)と歯付ベルト(9)間において
スティックスリップは生じないものとなる。
上記した焼結歯付プーリ(P)を製作する場合、以下
に示す方法を採用すると容易に量産できる。即ち、 第1工程 歯部(1)における歯高さ(11)における先端側の1/
2程度及び歯先面(10)の全域に追加加工代(s)備え
ると共に歯底面側の1/2程度及び歯底面(12)について
は完成寸法となる第3図に示す如く半完成焼結歯付プー
リ(A)を焼結成型する。この成型については、公知の
技術を採用し、この実施例ではプーリ構成粉を鉄粉とし
ている。
第2工程 前記半完成焼結歯付プーリの追加加工代(s)を第4
図に示す如くサイジング処理して寸法精度を向上させる
と、の出願に係る焼結歯付プーリ(P)は完成すること
となる。
尚、この製造方法において、上記第1・2工程以外の
他の処理を施してもよいことはいうまでもない。
他方、上記した(a)(b)寸法の比率については上
記実施例のものに限定されることなく、適宜選択でき
る。
〔発明の効果〕
この出願の発明は、上述の如くの構成を有するもので
あるから、次の効果を有する。
(請求項1〜3記載の発明の効果) スティックスリップの発生がなく、且つ、ベルトの寿
命を短縮させない焼結歯付プーリが提供できた。
(請求項4記載の発明の効果) 請求項1〜3記載の発明の焼結歯付プーリが容易に量
産し得る加工方法が提供できた。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの出願の発明に係る焼結歯付プーリと、これ
と歯合状態にある歯付ベルトを示す図、第2図は前記焼
結歯付プーリの詳細図、第3図は第1工程で成型される
半完成焼結歯付プーリの部分外観図、第4図は前記半完
成焼結歯付プーリをサイジング処理した焼結歯付プーリ
の部分外観図、第5図は歯付ベルトの構造説明図であ
り、図中、 (P)……焼結歯付プーリ、(1)……歯部 (10)……歯先面、(11)……歯高さ (12)……歯底面

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】歯部における歯先面及びその近傍面の表面
    粗さを小さく、その他の面における表面粗さを大きく設
    定したことを特徴とする焼結歯付プーリ。
  2. 【請求項2】歯部における歯先面及びその近傍面を鏡面
    状態としたことを特徴とする請求項1記載の焼結歯付プ
    ーリ。
  3. 【請求項3】歯部における歯先面及びその近傍面の表面
    粗さを0.4a以下に設定し、その他の面における表面粗さ
    を0.8a以上に設定したことを特徴とする請求項1記載の
    焼結歯付プーリ。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の
    焼結歯付プーリの加工方法に於いて、歯部における歯先
    部及びその近傍に追加加工代を備えると共にその他の部
    分については完成寸法となる半完成焼結歯付プーリを焼
    結成型する工程と、前記半完成焼結歯付プーリの追加加
    工代をサイジング処理する工程とを具備することを特徴
    とする焼結歯付プーリの加工方法。
JP2267784A 1990-10-04 1990-10-04 焼結歯付プーリとこれの加工方法 Expired - Lifetime JP3060115B2 (ja)

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DE102013110397A1 (de) * 2013-09-20 2015-03-26 Trw Automotive Gmbh Riemenscheibe, Riemen, Riemenantrieb und Lenksystem sowie Verfahren zur Herstellung einer Riemenscheibe und eines Riemens

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