JP3059762U

JP3059762U - テープ用リール

Info

Publication number: JP3059762U
Application number: JP1998009812U
Authority: JP
Inventors: 譽日置
Original assignee: アイシート工業株式会社
Priority date: 1998-12-10
Filing date: 1998-12-10
Publication date: 1999-07-13
Anticipated expiration: 2004-12-10

Abstract

(57)【要約】【課題】紙粉を生じるおそれがなく、かつ軽量で、し
かも廃棄や再利用が容易になるテープ用リールを提供す
る。【解決手段】巻芯１１と、その両側に設けられた側板
２１とよりなるテープ用リールにおいて、前記巻芯が発
泡ポリスチレン、前記側板が内側を非発泡ポリスチレン
層２２、外側を発泡ポリスチレン層２３で構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、テープ用リールに関し、特には電子部品あるいはその他の部品のキャリアテープなどを巻くのに適したリールに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、回路基板に装着される電子部品などは、帯状のキャリアテープに形成された凹部に収納され、該凹部の開口側がカバーフィルムで覆われてヒートシールあるいは接着剤などで封止されることにより包装されることが多い。そして、そのキャリアテープが、リールに巻き付けられて保管及び輸送される。また、電子部品などの使用時には、前記キャリアテープがリールから引き出されて前記テープから電子部分などが取り出される。

【０００３】従来、前記テープ用リールとして、発泡ポリスチレンからなる巻芯の両側に段ボール製の側板をホットメルト樹脂により接着したものが多用されている。しかし、このテープ用リールにあっては、テープの巻き取り時及び引き出し時に段ボール製側板から紙粉が発生し易く、その紙粉がテープや巻き取り装置あるいは引き出し装置等に付着し、さらにはテープから取り出される電子部品に紙粉が付着して電子部品の機能を損なうおそれがあった。

【０００４】また、前記段ボール製側板を用いるテープ用リールにあっては、段ボールの使用によって重いため、取り扱いが容易とは言い難かった。特に、多数のテープ用リールを輸送等する場合には、その重さが極めて不利であった。さらに、巻芯と側板が互いに異なる材質で形成されているため、環境保護及び資源保護の点からリールの廃棄時あるいは再利用時には、巻芯と側板を分離させねばならず、その作業が面倒であった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】この考案は、前記の点に鑑みなされたもので、紙粉を生じるおそれがなく、かつ軽量で、しかも廃棄や再利用が容易になるテープ用リールを提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、巻芯とその両側に設けられた側板とよりなるテープ用リールにおいて、前記巻芯が発泡ポリスチレン、前記側板が内側を非発泡ポリスチレン層、外側を発泡ポリスチレン層とする二層構造からなることを特徴とする。

【０００７】請求項２の考案は、巻芯と、その両側に設けられた側板とよりなるテープ用リールにおいて、前記巻芯が発泡ポリスチレン、前記側板が内側を非発泡ポリスチレン層、外側を発泡ポリスチレン層とする二層構造からなり、かつ前記巻芯及び側板の外側を構成する発泡ポリスチレンが２０〜４０倍の発泡倍率からなることを特徴とする。

【０００８】請求項３の考案は、側板外側の発泡ポリスチレン層が内側の非発泡ポリスチレン層より厚いことを特徴とする。

【０００９】請求項４の考案は、巻芯と、その両側に設けられた側板とよりなるテープ用リールにおいて、前記巻芯が発泡ポリスチレン、前記側板が内側と外側を非発泡ポリスチレン層、中間層を発泡ポリスチレン層とする三層構造からなることを特徴とする。

【００１０】

【考案の実施の形態】

以下、この考案について添付図面を用いて詳細に説明する。図１は、この考案の一実施例に係るテープ用リールの斜視図、図２は図１の部分拡大断面図、図３は図１のテープ用リールの分解斜視図、図４は他の実施例に係るテープ用リールの分解斜視図、図５は図４のテープ用リールの部分拡大断面図である。

【００１１】図１ないし図３に示すリール１０は、電子部品のキャリアテープなどが巻き取られるもので、巻芯１１とその両側に設けられた側板２１とよりなる。巻芯１１はキャリアテープなどが巻き付けられる部分で、発泡ポリスチレンからなる筒状体で構成され、側面にテープ先端を挿入係止するための係止口１２が設けられている。なお、巻芯１１は、筒状のものに限られず、短棒状の発泡ポリスチレン製ブロック体の中心に軸孔が形成されたもの等適宜の形状とされる。係止口１２はスリット状に限られず、細長な孔でもよい。

【００１２】側板２１は、テープをリール１０に巻く際、あるいはリール１０から引き出す際に、テープの両側をガイドして正しい巻き取り及び引き出しを行えるようにするためのもので、円盤状からなり、前記巻芯１１の両端にホットメルト接着剤等で固着されている。この側板２１の中心には、テープの巻き取りや引き出し等の際にこのリール１０を装置へ装着するための中心軸孔２５が形成され、さらに中心軸孔２５の周囲には、テープの量を確認するため等に利用される窓２６が、必要に応じて形成されている。

【００１３】また、前記側板２１は、巻芯１１側となる内側を非発泡ポリスチレン層２２、外側を発泡ポリスチレン層２３とする二層構造の積層体で構成される。このように、テープと接触する側板１２内側を非発泡ポリスチレン層２２とすることにより、側板１２に対するテープの滑りが良くなり、テープの巻き取り、引き出しがスムーズになる。さらに、外側を発泡ポリスチレン層２３としたため、重量増を抑えながら側板２１に所望の強度を付与することができ、リール１０全体を軽量にすることができたのである。特にリール１０を多数輸送する場合には、リール１０個々の重量軽減は僅かであっても、その重量軽減効果は極めて大きくなり、作業性の向上及び経費削減が著しいものとなる。

【００１４】なお、前記側板２１の成形は、発泡ポリスチレンシートと非発泡ポリスチレンシートを接着剤で接着一体化した後、あるいは、押出成形によって発泡ポリスチレン層と非発泡ポリスチレン層の二層シートを成形した後、側板形状にプレスすることによって、あるいはその他公知の成形方法によって容易に行うことができる。

【００１５】また、前記側板２１の発泡ポリスチレン層２３及び巻芯１１を構成する発泡ポリスチレンは、その強度及び軽量性の点から、２０〜４０倍発泡のものが好ましい。さらに、この例では、前記側板２１の発泡ポリスチレン層２３及び巻芯１１を構成する発泡ポリスチレンの厚みは２ｍｍ、側板の非発泡ポリスチレン層２２の厚みは０．２ｍｍとされている。特に、側板２１における発泡ポリスチレン層２３は、非発泡ポリスチレン層２２よりも厚みの大なるものとするのが、軽量性及び強度増大効果の点で好ましい。

【００１６】図４及び図５には他の実施例に係るテープ用リール３０を示す。このリール３０は、巻芯３１の両側に設けられた側板４１が、その内側と外側を非発泡ポリスチレン層４２，４３、中間層を発泡ポリスチレン層４４とする三層構造からなることを特徴とし、その他の構成は図１ないし図３のリール１０と同様である。

【００１７】このリール３０は、側板４１の発泡ポリスチレン層４４両側が非発泡ポリスチレン層４３によって構成されているため、側板４１及びリール１０全体の強度がさらに高くなっている。なお、この場合、非発泡ポリスチレン層４２，４３は、図１ないし図３に示したリール１０における側板２１の非発泡ポリスチレンより層２２よりも薄くしてもよい。符号３２はテープ先端の係止口、４５は中心軸孔、４６は側板４１に必要に応じて設けられる窓である。

【００１８】

【考案の効果】

以上図示し説明したように、この考案のテープ用リールによれば、リール全体がポリスチレンからなって他のプラスチックを含まないため、リールの廃棄及び再利用時の作業が容易になり、経済性及び環境保護に優れる利点がある。また、側板が発泡ポリスチレン層と非発泡ポリスチレン層の積層体からなるため、十分な強度を維持しつつ軽量性に優れており、リールを輸送等する際の作業が容易になる。さらに、側板の内側が非発泡ポリスチレン層からなるため、テープの滑りがよく、テープの巻き取りや引き出しがスムーズに行われる効果もある。

【００１９】また、上記効果に加え、請求項４の考案に係るテープ用リールにおいては、側板の外面も非発泡ポリスチレン層からなるため、側板及びリール全体の強度がさらに向上する効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例に係るテープ用リールの斜
視図である。

【図２】図１のテープ用リールの部分拡大断面図であ
る。

【図３】図１のテープ用リールの分解斜視図である。

【図４】図４は他の実施例に係るテープ用リールの分解
斜視図である。

【図５】図５は図４のテープ用リールの部分拡大断面図
である。

【符号の説明】

１０，３０テープ用リール１１，３１巻芯１２，３２係止口２１，４１側板２２，４２，４３非発泡ポリスチレン層２３，４４発泡ポリスチレン層２５，４５中心軸孔

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】巻芯と、その両側に設けられた側板とよ
りなるテープ用リールにおいて、前記巻芯が発泡ポリス
チレン、前記側板が内側を非発泡ポリスチレン層、外側
を発泡ポリスチレン層とする二層構造からなることを特
徴とするテープ用リール。
【請求項２】巻芯と、その両側に設けられた側板とよ
りなるテープ用リールにおいて、前記巻芯が発泡ポリス
チレン、前記側板が内側を非発泡ポリスチレン層、外側
を発泡ポリスチレン層とする二層構造からなり、かつ前
記巻芯及び側板の外側を構成する発泡ポリスチレンが２
０〜４０倍の発泡倍率からなることを特徴とするテープ
用リール。
【請求項３】側板外側の発泡ポリスチレン層が、内側
の非発泡ポリスチレン層より厚いことを特徴とする請求
項１または２記載のテープ用リール。
【請求項４】巻芯と、その両側に設けられた側板とよ
りなるテープ用リールにおいて、前記巻芯が発泡ポリス
チレン、前記側板が内側と外側を非発泡ポリスチレン
層、中間層を発泡ポリスチレン層とする三層構造からな
ることを特徴とするテープ用リール。