JP3059741U - 野外用料理・焚き火道具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 少量の着火剤でも簡単にしかも安心して燃料
に着火でき、燃料が完全燃焼して安定した強い火力が得
られ、コンパクトに収納できる。 【構成】 炉２は燃料を載置する炉内壁６と炉外壁８の
二重構造とする。炉内壁６及び炉内部底板７は小孔１３
が全面に形成され、炉内部底板７中央に着火皿１２が設
ける。炉外壁８の炉外壁側面１０及び炉外壁底面１１に
は通気口１４が設けられており、炉外壁８には炉２を支
持し、本体１の設置面と炉外壁底面１１との間に間隔を
設ける４本の脚１５が対角線状に固定されている。煙突
３は側面には小孔１３が形成されるとともに３ヶ所に五
徳受け１６が等間隔で設けられ炉２に載置される。五徳
４は下方に開口したコ字状をしており、五徳４の支持部
２２の端部が煙突３の五徳受け１６に係合することで、
煙突３の上面を掛け渡すように立設される。

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、野外用料理・焚き火道具に関し、野外等特に災害地での使用時に望 まれる防風機能と、燃料の完全燃焼に必要な吸・排気機能と、格納時の小型化が 可能な野外用料理・焚き火道具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、野外での料理・焚き火は地面に石等でかまどを作り、薪を燃やして料理 を行ったり、暖を取っていた。また、近年、アウトドアブームにより器具の分化 が進み、料理はカートリッジ式のガスボンベやガソリンを燃料とするバーナー式 コンロが用いられるようになっている。一方、焚き火は地面が焼けてしまったり 、燃えきらない炭が残される等キャンプ場が汚れるために直火が禁止のキャンプ 場が多く、スタンド上に半球状あるいは逆角錐状の火皿を載置した焚き火スタン ドが使われている。この焚き火スタンドには別に鍋等を吊るす器具を用いて調理 も可能ではあるが、火皿に薪を載せ燃やすものなので横風がある場合には炎が吹 き流され鍋等を十分に加熱できなかったり、火力調節も難しくアウトドアのベテ ランでなければ取り扱いが難しいものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、先般の阪神大震災のニュース報道を見ても、被災地においては カートリッジ式のガスボンベやガソリン等の安定供給が不可能なことは明白であ るため上記のバーナー式コンロや横風に火炎が吹き流される不安のある上記の焚 き火スタンドのようなアウトドアで使われる器具の使用は見られず、従来より知 られる一斗缶と呼ばれる空き缶の上蓋を切り離したものに倒壊した家屋の木材を 空き缶の内部で燃やし、暖を取ったり調理をする光景が数多く見られた。しかし 、このような場合、空き缶の内部、特に底の部分に空気が効果的に流通せずに酸 欠状態となり、安定した火力が得られない。このため、空き缶の底部に通気孔を 設けることによって、空き缶の内部に空気を入れるようにしているが、燃焼によ り底部に燃え残った灰など溜まり、結果的に通気孔が塞がれてしまうため、頻繁 に空き缶の内部を掻き回す必要があるため不便で、飛び散った灰が鍋等に入って しまうため料理には具合の悪いものであった。しかも、一斗缶という大きさのた めキャンプへの携帯や万が一の災害の準備には不都合なものであった。

【０００４】 また、火起こしに不慣れな人のために容易に着火できるように着火剤の販売さ れているが使用方法を誤ると引火して火傷をする危険がある。

【０００５】 本考案は、上記の問題点に鑑みてなされたものでその目的とするところは、火 起こしに不慣れな人でも少量の着火剤でも簡単にしかも安心して薪や炭などの燃 料に着火でき、横風に炎が吹き流されることがなく燃料が完全燃焼して安定した 強い火力が得られ、また、火力調節もでき、しかもコンパクトに収納できる野外 用料理・焚き火道具を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

底壁と側壁に通気口を形成するとともに燃焼物を載せるメッシュ状の燃焼部を 内部に有する炉と、この炉を支持して炉と設置面との間に隙間を形成する脚と、 前記炉の上部に組み付ける煙突とを備え、前記煙突の上面開口部に着脱自在に掛 け渡した五徳に調理容器を載せて前記燃焼物の炎により煮炊き及び暖を取る野外 用料理・焚き火道具であって、前記燃焼部は、中央に着火皿を設け前記炉の底壁 と側壁より間隔を有して形成されるとともに、前記煙突の外側面に五徳受けを設 けたものである。

【０００７】 請求項１の構成により、燃焼部の中央の着火皿に少量の着火剤を入れ点火し、 燃焼部に載せた薪などの燃料に着火して調理をしたり暖を取れる。このとき、燃 料を載せる燃焼部は炉の底壁と側壁より間隔を有して形成され、また、炉が脚に より支持されることにより嵩上げされ、炉と設置面との間に風が通る隙間が形成 されることになり、炉の底壁と側壁に設けられた通気口より炉内に空気が流入し 、燃焼部はメッシュ状であるから燃焼部に当たった空気は煙突の内部に入るため 、絶えず炉の側面及び下面側から煙突の内部に空気が供給され、酸欠による立ち 消えの心配もない。また、燃焼部をメッシュ状に形成したことにより燃え残った 灰などが落下しにくくなり後始末も容易である。また、煙突により炎を囲んでい るので風による立ち消えや横風による炎の流れも防止でき、野外においても燃焼 が安定する。さらに、煙突で覆われる炎は炉の側面及び下面側から流入する空気 により煙突に沿って上昇し、ドラフト力が発生するので強い火力が得られる。

【０００８】 請求項２の考案は、前記請求項１の野外用料理・焚き火道具において、炉の底 壁の通気口に空気流入量を調節する火力調節器を設けたものである。

【０００９】 請求項２の構成により、燃焼時に炉の底壁の通気口を開閉することにより空気 流入量を調節して火力調節を調節することができる。

【００１０】 請求項３の考案は、前記請求項１又は請求項２記載の野外用料理・焚き火道具 において、炉は、前記煙突の内側に収納されるとともに、前記煙突は、前記五徳 に収納されるよう構成したものである。

【００１１】 請求項３の構成により、使用後、炉を煙突の内側に収納し、この煙突を五徳に 収納することにより、炉と煙突と五徳をコンパクトに収納できる。

【００１２】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の野外用料理・焚き火道具の第一実施例について、図１から図５ を参照しながら説明する。１は野外用料理・焚き火道具本体（以下、本体という 。）でステンレスからなり、炉２，煙突３，五徳４で構成されている。

【００１３】 炉２は上面形状が円形で、燃料を載置する炉内壁６上端と炉外壁８上端を炉上 蓋９に溶接固定することにより炉外壁側面１０及び炉外壁底面１１と燃焼部５と の間に空気が流れる間隔を設けている。炉内壁６及び炉内部底板７は小孔１３が 全面に形成され、炉内部底板７中央に着火皿１２が設けられている。

【００１４】 炉外壁８の炉外壁側面１０及び炉外壁底面１１には通気口１４が設けられてお り、炉外壁８には炉２を支持し、本体１の設置面と炉外壁底面１１との間に間隔 を設ける４本の脚１５が対角線状に固定されている。

【００１５】 煙突３は上面が開口しており、上面形状が炉２より径大な円形で、設置面から 炉上蓋９以上の高さを有している。そしてその側面には小孔１３が形成されると ともに３ヶ所に五徳受け１６が等間隔で設けられ、下面には炉上蓋９内周に篏合 する折曲げ突部１７を有する煙突下蓋１８が固定され、炉上蓋９内周に篏合する ことにより煙突３が炉２に載置される。

【００１６】 五徳４は、線材を円形にした載置枠１９に支持枠２０が３ヶ所に等間隔で設け られており、この支持枠２０は略中間で直角に屈曲され鍋載置部２１と前記五徳 受け１６に端部が係合する支持部２２とから構成される。このように、五徳４の 形状は、下方に開口したコ字状をしており、五徳４の支持部２２の端部が煙突３ の五徳受け１６に係合することで、煙突３の上面を掛け渡すように五徳４が立設 される。

【００１７】 以上のように構成される野外用料理・焚き火道具の作用について説明する。 野外用料理・焚き火道具の使用に際し、まず、平坦な地面に炉２を設置する。 この後、炉上蓋９内周に煙突３の折曲げ突部１７を嵌合して炉２上に煙突３を載 置する。そして、燃焼部５中央の着火皿１２に着火剤を入れ、着火皿１２の上部 を交差するように燃料となる木材や炭を置き着火剤に着火することにより容易に 燃料に着火することができる。また、着火剤を用いずに燃焼部５の中央に丸めた 紙を置き、その周囲を細い木材で囲み、紙に着火して順次太い木材に火を移して いくことが可能なことは言うまでもない。その後、煙突３の五徳受け１６に五徳 ４の支持部２２を係合して煙突３に五徳４を組み付け、載置枠１９，鍋載置部２ １上に鍋等を載せ調理を行ったり、暖を取る。このとき、炉２は炉外壁側面１０ に設けられる脚１５により嵩上げされ、本体１の設置面と炉外壁底面１１との間 に風が通る間隔が形成されることになる。しかも、燃焼部５を構成する炉内壁６ 及び炉内部底板７と炉外壁８の二重壁構造となっており、炉内壁６及び炉内部底 板７は小孔１３が全面に形成されているので、炉外壁側面１０及び炉外壁底面１ １の通気口１４から燃焼部５へ空気が供給されるので酸欠による立ち消えの心配 もない。また、炉内壁６及び炉内部底板７は小孔１３が全面に形成されメッシュ 状となっているので燃焼によって生じる灰などがほとんど落下しない。また、煙 突３により炎を囲んでいるから風による立ち消えや横風による炎の吹き流れも防 止でき、野外などにおいても燃焼が安定するとともに、その炎を煙突３で囲むこ とで燃焼部５を通って炉２の通気口１４から送り込まれる空気により炎が煙突３ に沿って上昇しドラフト力が発生し、強い火力が得られ、薪等の太い燃料も燃や すことができる。

【００１８】 また、五徳４を線材で構成し、支持部２２で煙突３上に掛け渡すように設けて あるので太い薪を燃焼部５へ投入することができる。

【００１９】 また、五徳４の支持部２２を五徳受け１６より外し、五徳４を水平方向に回し 支持枠２０を直接煙突３上端に載置することで、火力に応じて遠火，近火の調節 も可能となる。

【００２０】 したがって、火起こしが不慣れな人でも着火剤が少量あれば容易に燃料に着火 することができ、キャンプ場等で使われる薪ばかりではなく、災害地の倒壊した 家屋の木材をも燃料として料理を行ったり、暖を取ることができるので、特に被 災地では専用の燃料を調達する必要がない。しかも、構成部品が少なく構造が簡 単でコスト的にも優れる。また、使用後、鍋載置部２１を下にした五徳４に上面 開口を上にした煙突３を収納し、煙突３内に脚１５を上にした炉２を収納するこ とにより、野外用料理・焚き火道具の各構成部品を格納して持ち運びができ便利 である。また、炉外壁底面１１が漏斗状に形成され通気口１４が設けてあるので 、燃焼部５の小孔１３より炉２内に落下した灰の清掃も水を流すだけで簡単にで きる。

【００２１】 次に、本考案の第二実施例について、図６を参照して説明する。尚、第一実施 例と同一部分は同一符号を用いて詳細な説明を省略する。

【００２２】 本実施例は炉２の炉外壁底面１１の通気口１４に通気量を調節する火力調節器 ２３を設けたものである。この火力調節器２３は、炉外壁底面１１の３個の通気 口１４と同じ形状で、この通気口１４を覆うように回動自在に設けられ、火力調 節器２３にハンドルガード２４を介して固定されたハンドル２５で通気口１４を 開閉し、通気量を調節する。

【００２３】 したがって、前記実施例と同様に燃料に着火した後、火力調節器２３のハンド ル２５を操作することによって通気量を調節することができるので、調理や暖房 において所望の火力に調節することが可能である。また、特に被災地では貴重な 燃料の無用な消費を防止することができる。

【００２４】 以上、本考案の実施例について詳述したが、本考案は前記実施例に限定される ものではなく、本考案の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、 前記実施例では、炉２，煙突３の形状が円形のものを示したが多角形でも良く、 五徳４の形状も煙突３に掛け渡す形状であれば良い。また、通気口１４の形状， 数も燃焼に応じて適宜選定すれば良い。

【００２５】

【考案の効果】

請求項１の考案によれば、底壁と側壁に通気口を形成するとともに燃焼物を載 せるメッシュ状の燃焼部を内部に有する炉と、この炉を支持して炉と設置面との 間に隙間を形成する脚と、前記炉の上部に組み付ける煙突とを備え、前記煙突の 上面開口部に着脱自在に掛け渡した五徳に調理容器を載せて前記燃焼物の炎によ り煮炊き及び暖を取る野外用料理・焚き火道具であって、前記燃焼部は、中央に 着火皿を設け前記炉の底壁と側壁より間隔を有して形成されるとともに、前記煙 突の外側面に五徳受けを設けたものであるから、燃焼部中央の着火皿に着火剤を 入れ、着火皿の上部を交差するように燃料となる木材や炭を置き着火剤に着火す ることにより容易に燃料に着火することができる。また、本体の設置面と炉外壁 底面との間に風が通る間隔が形成、燃焼部を構成する炉内壁及び炉内部底板と炉 外壁の二重壁構造となっており、炉内壁及び炉内部底板は小孔が全面に形成され ているので、炉外壁側面及び炉外壁底面の通気口から燃焼部へ空気が供給される ので酸欠による立ち消えの心配もない。また、煙突により炎を囲んでいるから風 による立ち消えや横風による炎の吹き流れも防止でき、野外などにおいても燃焼 が安定するとともに、その炎を煙突で囲むことで燃焼部を通って炉の通気口から 送り込まれる空気により炎が煙突に沿って上昇しドラフト力が発生し、強い火力 が得られ、薪等の太い燃料も燃やすことができる。

【００２６】 請求項２の考案によれば、前記炉の底壁の通気口に空気流入量を調節する火力 調節器を設けたものであるから、燃焼時に火力調節器のハンドルを操作すること によって通気量を調節することができるので、調理や暖房において所望の火力に 調節することが可能である。また、特に被災地では貴重な燃料の無用な消費を防 止することができる。

【００２７】 請求項３の考案によれば、前記炉は、前記煙突の内側に収納されるとともに、 前記煙突は、前記五徳に収納されるよう構成したものであるから、鍋載置部を下 にした五徳に上面開口を上にした煙突を収納し、煙突内に脚を上にした炉を収納 することにより、野外用料理・焚き火道具の各構成部品をコンパクトに格納でき 、持ち運びに便利な野外用料理・焚き火道具を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一実施例を示す野外用料理・焚き火
道具の斜視図である。

【図２】同上野外用料理・焚き火道具の正面図である。

【図３】同上野外用料理・焚き火道具の平面図である。

【図４】同上野外用料理・焚き火道具の底面図である。

【図５】同上野外用料理・焚き火道具の断面図である。

【図６】本考案の第二実施例を示す野外用料理・焚き火
道具の底面図である。

【符号の説明】

１ 野外用料理・焚き火道具 ２ 炉 ３ 煙突 ４ 五徳 ５ 燃焼部 ６ 炉内壁 ７ 炉内部底板 ８ 炉外壁 ９ 炉上蓋 １０ 炉外壁側面 １１ 炉外壁底面 １２ 着火皿 １３ 小孔 １４ 通気口 １５ 脚 １６ 五徳受け １７ 折曲げ凸部 １８ 煙突下蓋 １９ 載置枠 ２０ 支持枠 ２１ 鍋載置部 ２２ 支持部 ２３ 火力調節器 ２４ ハンドルガード ２５ ハンドル

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 底壁と側壁に通気口を形成するとともに
   燃焼物を載せるメッシュ状の燃焼部を内部に有する炉
   と、この炉を支持して炉と設置面との間に隙間を形成す
   る脚と、前記炉の上部に組み付ける煙突とを備え、前記
   煙突の上面開口部に着脱自在に掛け渡した五徳に調理容
   器を載せて前記燃焼物の炎により煮炊き及び暖を取る野
   外用料理・焚き火道具であって、前記燃焼部は、中央に
   着火皿を設け前記炉の底壁と側壁より間隔を有して形成
   されるとともに、前記煙突の外側面に五徳受けを設けた
   ことを特徴とする野外用料理・焚き火道具。
2. 【請求項２】 前記炉の底壁の通気口に空気流入量を調
   節する火力調節器を設けたことを特徴とする請求項１記
   載の野外用料理・焚き火道具。
3. 【請求項３】 前記炉は、前記煙突の内側に収納される
   とともに、前記煙突は、前記五徳に収納されるよう構成
   したことを特徴とする請求項１又は請求項２記載の野外
   用料理・焚き火道具。 【０００１】