JP3059002U - 携帯電話収納ポケット付き上衣 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 上衣のポケットに収納した携帯電話の受信に
は支障なく、かつ受信時に発生する電磁波の人体への悪
影響を防止するとともに、携帯電話を安定して保持でき
るようにする。 【解決手段】 上衣の前見頃１の表側に形成されたポケ
ット開口部２に連通するポケット袋体３を、ポケット裏
布４とポケット表布で形成し、該ポケット裏布４を電磁
波遮断生地とし、ポケット袋体３内のポケット裏布４に
携帯電話収納袋５を取り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、上衣の前見頃に形成されたポケット内の電磁波遮断生地よりなるポ ケット裏布に、携帯電話を収納する収納袋を設けた上衣に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、携帯電話が小さくかつ軽くなったこともあり、衣服のポケットに入れて 持ち歩く人が増してきた。そこで、ポケットの内部空間を縦方向に画成する、上 端及び下端が開口された隔壁布に、携帯電話を収納するものが実用新案登録第３ ０２５２１０号に、ポケットの内側に、伸縮性を有する保持バンドを固着し、携 帯電話を収納するものが実用新案登録第３０３０９０５号に開示されている。 また、携帯電話から発する電磁波が人体に悪影響を及ぼすことから、ジャケッ トの前見頃の裏側に、電磁波遮断布地又は電磁波遮断織物地で形成された携帯電 話収容ポケットを設けたものが実用新案登録第３０４３３３３号に、携帯電話用 のポケットの裏側に、防磁シートを貼り付けた作業服が実用新案登録第３０４４ ７７５号に開示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、前記実用新案登録第３０２５２１０号や実用新案登録第３０３０９０ ５号のものは、携帯電話をポケットに収納保持するとともに、携帯電話以外のも のも収納できるが、携帯電話から発する電磁波を遮断することはできない。 実用新案登録第３０４３３３３号や実用新案登録第３０４４７７５号のものは 、電磁波を遮断することはできるが、実用新案登録第３０４３３３３号では、携 帯電話収容ポケットの開口部から携帯電話のアンテナを出す必要があるので、あ らゆるサイズの携帯電話を収納できるようにするには、あまりポケットを深くで きない。ところが、浅くすると高さのある携帯電話を収納した場合、ポケットか ら落ちる恐れがある。また、実用新案登録第３０４４７７５号では、従来の製法 で作られたポケットの裏側に、防磁シートを貼り付けるという作業が付加されて 、製造コストが高くなる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

そこで、上記課題を解決し、上記利点を合わせ持つものとして、下記のような 構成とした。 即ち、上衣の前見頃の表側に形成されたポケット開口部に連通するポケット袋 体を、人体側となるポケット裏布と該ポケット裏布と対を成すポケット表布で形 成し、ポケット裏布を電磁波遮断生地とし、ポケット袋体内のポケット裏布に携 帯電話収納袋を取り付ける。

【０００５】

【考案の実施の形態】

本考案は、ジャンパーやブレザー等の上衣に形成するポケットのうち、前見頃 の表側に切り込みを設け、該切り込みをポケット開口部とし、ポケット開口部に 連通するポケット袋体をポケット裏布とポケット表布で形成し、前見頃の裏側に ポケット袋体を縫着したもので、ポケット裏布を電磁波遮断生地とし、ポケット 袋体内のポケット裏布に携帯電話収納袋を取り付けたものである。

【０００６】 前見頃に形成されるポケットは、前見頃の上部ないし下部の左右に複数個所形 成されることが一般的であるが、本考案のポケットを形成する位置は、下記理由 により、前見頃の下部の左右いずれかに設けることが望ましい。 即ち、前見頃の上部は胸の上部となり、この位置に硬い携帯電話を収納すると 、何かと衝突をした際、傷害を負う危険性が大きくなる。また、携帯電話収納時 に違和感がある。一方、前見頃の下部は腹の上部となり、前見頃の上部に携帯電 話を収納する場合と比較して、傷害を負う危険性が小さく、携帯電話収納時の違 和感がない。

【０００７】 ポケット袋体のポケット裏布に用いる電磁波遮断生地は公知のものを使用し、 該ポケット裏布と対を成す同形状のポケット表布は、従来より用いられている生 地を使用する。

【０００８】 携帯電話収納袋は、ポケット裏布のポケット袋体内の面に、従来より用いられ ている生地を用い、貼りポケットのように縫着する。また、該収納袋の底部に幅 をもたせ、収納袋上端の開口部にゴムテープなどの伸縮性のある材料を用い、開 口部を絞った形態とする。

【０００９】 携帯電話収納袋の取り付けは、ポケット袋体内のポケット裏布の任意の位置に 取り付けることができるが、出し入れし易いようにポケット開口部の近くに取り 付けることが望ましい。また、取り付ける方向は、該収納袋の長手方向が垂直な いしポケット開口部の切り込み線に対して直角になるようにするのが、携帯電話 の出し入れや収納時の安定が良い。

【００１０】 なお、ポケット開口部は開いたままでも良いが、該開口部にファスナーを取り 付けたり、ボタンを係止する小片を取り付けて開閉自在にすることもできる。

【００１１】

【実施例】

本考案を図面に基づいて説明する。図１は本考案の携帯電話収納ポケット付き 上衣の実施例を示す正面図、図２は携帯電話収納ポケットに携帯電話を収納した 状態でポケット表布を除いたポケット袋体の実施例を示す拡大図である。

【００１２】 図１に示す実施例は、前見頃１の下部の左右にポケットを設けたもので、右側の 前見頃１のポケット内に携帯電話収納袋５を取り付けたものである。該ポケット は、前見頃１の表側に切り込みを設け、該切り込みをポケット開口部２とし、ポ ケット開口部２に連通するポケット袋体３を取り付けたものである。該切り込み は、体の前から脇に向かって下方に傾斜して入れられており、切り込みに合わせ てポケット口片６を縫着し、ポケット開口部２を形成している。該ポケット開口 部２に連通するように、ポケット裏布４とポケット表布で形成されたポケット袋 体３を取り付けている。該ポケット裏布４は、導電性の高い繊維を織り込んだ生 地（旭化成工業株式会社製の商品名「止電界」）を用いている。なお、本生地は 携帯電話の発する電磁波８００ＭＨｚ〜１５００ＭＨｚを９７％（ＫＥＣ法）遮 蔽する効果を有するものである。また、ポケット表布は、ポケット裏布４と同形 状で従来より用いられている生地である。

【００１３】 図２に示す携帯電話収納袋５は、ポケット表布と同生地を用い、底部７を携帯 電話１１の厚みに合わせ幅をもたせ、貼りポケットのように底部７と左右の側部 ８を縫着する。 携帯電話収納袋５の開口部である上端９は、折り返して筒状にし、内にゴムテー プ１０を通して縫着し、開口部を絞った形態にする。 また、携帯電話収納袋５は、ポケット袋体３内のポケット裏布４のポケット開口 部２に近い位置に、垂直方向に取り付けている。

【００１４】

【考案の効果】

ポケット袋体のポケット裏布を電磁波遮断生地、ポケット表布を従来より用い られている生地にすることで、ポケット内の携帯電話の受信には支障なく、かつ 特に受信時に多く発生する電磁波の人体への悪影響を防止することができる。 また、ポケット裏布を従来より用いられている生地を電磁波遮断生地に変更す るだけなので、新たに電磁波遮断生地やシートを取り付けるといった作業は増え ない。

【００１５】 ポケット袋体内に携帯電話収納袋を取り付けることで、携帯電話専用のポケッ トを設けずに携帯電話を収納できるので、ポケットの有効利用ができる。 また、携帯電話収納袋上端の開口部にゴムテープなどの伸縮性のある材料を用 い、開口部を絞った形態にすることで、携帯電話を安定して保持することができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の携帯電話収納ポケット付き上衣の正面
図。

【図２】携帯電話収納ポケットに携帯電話を収納した状
態でポケット表布を除いたポケット袋体の拡大図。

【符号の説明】

１ 前見頃 ２ ポケット開口部 ３ ポケット袋体 ４ ポケット裏布 ５ 携帯電話収納袋 ６ ポケット口片 ７ 底部 ８ 側部 ９ 上端 １０ ゴムテープ １１ 携帯電話

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上衣の前見頃（１）の表側に形成された
   ポケット開口部（２）に連通するポケット袋体（３）
   を、ポケット裏布（４）とポケット表布で形成し、該ポ
   ケット裏布（４）を電磁波遮断生地とし、ポケット袋体
   （３）内のポケット裏布（４）に携帯電話収納袋（５）
   を取り付けたことを特微とする携帯電話収納ポケット付
   き上衣。