JP3058784B2 - 洗車方法 - Google Patents

洗車方法

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JP3058784B2
JP3058784B2 JP5213249A JP21324993A JP3058784B2 JP 3058784 B2 JP3058784 B2 JP 3058784B2 JP 5213249 A JP5213249 A JP 5213249A JP 21324993 A JP21324993 A JP 21324993A JP 3058784 B2 JP3058784 B2 JP 3058784B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両表面の汚れを完全
に除去するとともに、車両表面に傷をつけずまた車両表
面の傷を治癒する洗車方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】車両の塗装部表面(以下塗装面という)の
艶だし、劣化防止などの目的で塗布されるワックスは、
種々の臘やシリコン等の油性分から成る。このため、デ
ィーゼル機関や工場から発生する廃棄煤煙等の大気中の
油性汚染物質、あるいは手垢などがワックスに付着する
と、これらがワックス中に溶け込み、ワックス自体が汚
れて塗装面上にいわゆる水垢が形成される。この水垢
は、車両の塗装を汚く見せるので、もとの綺麗な塗装面
を復元するためには、ワックス自体を除去する必要があ
り、従来においては、作業効率の悪い手作業のほかに、
門型洗車機などを利用して、図3に示すような界面活性
剤による水垢取り洗車を行っていた。
【0003】この水垢取り洗車の工程は、先ず、車両を
水洗いし、その後、ワックス塗布面と門型洗車機の回転
ブラシに界面活性剤を噴霧しながら、回転ブラシで塗布
面を摩擦し、水垢を活性分解して除去する。水垢の量と
質によっては、回転ブラシのみで完全に除去できない場
合があるので、スポンジ等に界面活性剤、微粒子の研磨
剤、油性の溶剤等を付けて手作業にて水垢を擦り取るい
わゆるタッチアップによる補正を必要に応じて行う。そ
の後、車両表面に水を吹き付けて界面活性剤を洗い流
し、最後にワックスを噴霧して塗布するようにしてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
界面活性剤を用いた水垢取り洗車においては、塗装面の
劣化が、図4に示されるメカニズムで進行する。即ち、
塗装に使用されている塗料は、発色させるための顔料が
混在された基本的に油成分を含む樹脂であるので、その
表面を界面活性材をつけながら回転ブラシで摩擦する
と、塗装表面が活性分解により脱脂され(a)、表面の
平滑を失うと共に、顔料の露出により光が乱反射して艶
がなくなる、いわゆる塗装の白亜化を招く(b)。そこ
で、艶を維持するために、界面活性剤で脱脂された塗料
に油性分を補給するワックス塗布の作業が行われる。
【0005】この油成分補給の工程で得られる艶は、あ
くまでも油による艶であって、塗装そのものの艶が回復
したわけではない。白亜化によって荒れた塗装表面は、
大気との接触面が増加しているので、水垢の付着が早ま
る構造となっている。しかも、塗装面の艶を維持するた
めにワックスの塗布量が多くなるので、再付着した水垢
は、より除去が困難な強固なものになってくる(d)。
この強固な水垢を除去するためには、タッチアップによ
り、界面活性剤をより強く塗装面に擦りあてなければな
らなくなり(e)、これによりますます塗装が荒れる
(f)。このため、艶の維持がだんだん困難になり
(g)、艶だしを図るためにワックスによる油性分の補
給量が益々増え(h)、より除去困難な水垢が早く着く
(i)。以上のような悪循環の繰り返しで、塗装表面の
荒れが徐々に進行する結果となっていた。
【0006】以上の点を考慮して、図4のa,bの段階
でph値の低い界面活性剤を用いてなるべく塗装面の脱
脂をさけるようにする方法が従来とられてきているが、
この方法では、水垢除去の効果を下げることになるの
で、タッチアップの段階での作業量が増え、ガソリンス
タンドの従業員等に過酷な労働を強いることになる。ま
た、界面活性剤のph値をさげたところで劣化の進行を
遅らすことはあっても、劣化のメカニズムそのものを除
去することはできず、なんら解決につながらなかった。
【0007】そこで、本出願人は界面活性剤洗浄工程
と、水洗い工程と、高分子重合体塗布工程とからなる洗
車方法を提案し(特願平3−107512号)、車両表
面の界面活性剤による荒れを防止するようにした。すな
わち、この洗車方法では、洗車にあたりワックスのよう
に汚染物質が溶け込むことのない高分子重合体を車両表
面に塗布して、車両表面に高分子重合体の被膜を形成
し、この被膜により塗装面の艶出しを行うと共に、この
被膜により洗車時の界面活性剤から塗装面を保護するよ
うにした。
【0008】しかしながら、この洗車方法においても、
高分子重合体の被膜が洗車前または洗車中に破壊されれ
ば、界面活性剤洗車工程時に、界面活性剤が車両の塗装
面に触れ、車両表面に部分的ではあるが荒れを生じさせ
てしまうという不都合があった。本発明は、上述した課
題を解決するためになされたものであり、車両表面の汚
れを完全に除去するとともに、車両表面に傷をつけずま
た車両表面の傷を治癒するとともに、水垢取り洗車の作
業効率を向上させることができる洗車方法を提供するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る洗車方法は、第1回目の洗車工程が、
車両表面に、第1の高分子重合体を塗布して、この車両
表面に一層目の塗面保護被膜を形成する第1の高分子重
合体塗布工程と、この第1の高分子重合体より硬度の低
い第2の高分子重合体を塗布して、上記一層目の塗面保
護被膜上に二層目の塗面保護被膜を形成する第2の高分
子重合体塗布工程とを備えており、第2回目以降の洗車
工程が、少なくとも上記第1の高分子重合体塗布工程を
有さず、少なくとも上記第2の高分子重合体塗布工程を
備えたことである。
【0010】
【作用】この発明では、第1回目の洗車の第1の高分子
重合体塗布工程で形成される一層目の塗面保護被膜によ
って、車両表面の傷、凹凸などが治癒され、第2の高分
子重合体塗布工程で形成される二層目の塗面保護被膜の
除去、再形成によって、車両表面に傷をつけずに車両表
面の汚れを完全に除去することができる。これにより、
例えば新車から経年した白色車では、通常の洗車で、汚
れをとるため必要以上に磨かれて塗装が荒れて白亜化し
ていることが多いが、これを治癒することができ、また
新車から経年した濃色車では、通常の洗車で、古いワッ
クスが積層して微細傷が多く艶ぼけしていることが多い
が、これを治癒することができる。
【0011】
【実施例】図2は洗車後の車両表面の断面図である。図
2において、1は車両の外板メタル2上に塗料を塗布し
て形成されている塗装部である。この塗装部1の塗装面
1a上には、この塗装面1aの傷、凹凸部等を覆って、
この塗装面1aを滑らかに見せると共に、この塗装部1
を保護する第1コーティング被膜3が形成されている。
この第1コーティング被膜3は樹脂のような第1の高分
子重合体などから構成されており、塗装面1aにしっか
り付着して、破壊や脱落が生じにくい性質を有してい
る。
【0012】この第1の高分子重合体は各車両の塗装の
材質と同じ材質のもの、または硬度がこれに近いもの、
若しくは硬度が塗装の材質よりやわらかいものなどを使
うことができ、例えばメラミン樹脂、ウレタン樹脂、フ
ッ素樹脂、フェノール樹脂、(熱硬化)アクリル樹脂、
エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、加硫ゴム、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネー
ト、ポリアセタール、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、ア
ルキド樹脂、メラミン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミ
ド、シリコーンなどの線状高分子重合体、網状高分子重
合体、付加重合体、重縮合体などがある。この第1の高
分子重合体には、石油系炭化水素をはじめとする有機用
剤などの補助剤、脂肪酸アミン系などの防錆剤、紫外線
カット塗料などを混合してもよい。
【0013】上記各車両の塗装の材質は、白色車、ソリ
ッドカラー車では、メラミン樹脂が使われ、メタリック
塗装車、パールマーカ塗装車では、熱硬化アクリル樹脂
が使われ、これらの車の塗装の上にさらにフッ素樹脂配
合のクリア塗装を施したもの、また電着ウレタン塗装を
施したものがある。このほか、ウレタン樹脂塗装や、補
修塗装として二液型アクリルウレタン塗装、変性アクリ
ル塗装などもある。さらには、マーカー塗装、すなわち
下地塗装マーカーベースを薄く塗装し、この上に雲母を
並べ、さらにこの上にクリアコートを施した塗装や、フ
ッ素樹脂コート仕様塗装、すなわちポリフッ化ビニデリ
ンをベースにフッ素含有量を減らし、数種類のビニール
エーテルと共重合させたフレオロオレフィン共重合体を
用いた塗装があり、これらは塗装の硬度が低い。いずれ
にせよ、第1の高分子重合体は各車両の塗装の材質と同
じ材質のもの、または硬度がこれに近いもの、若しくは
硬度が塗装の材質よりやわらかいものなどを使うことが
できる。
【0014】また、第1コーティング被膜3上には、第
1コーティング被膜3と同様に、塗装面1aを滑らかに
見せると共に、塗装部1を保護する第2コーティング被
膜4が形成されている。この第2コーティング被膜4は
シリコーンのような第2の高分子重合体などから構成さ
れている。上記第1の高分子重合体は、上記第2の高分
子重合体より硬度が硬く、第2の高分子重合体は剥れや
すい反面、第1の高分子重合体は剥れ難くなっている。
この第2の高分子重合体は上記第1の高分子重合体より
柔らかければ、上述の第1の高分子重合体として掲げた
もの、いづれでもよい。特にシリコーンゴム、シリコー
ン樹脂、エトオキシ化シリコーンやアミン変性シリコー
ンなどがよい。この第2の高分子重合体には、石油系炭
化水素をはじめとする有機用剤などの補助剤、脂肪酸ア
ミン系などの防錆剤、ワックス、超微粒子体などからな
る滑性補助剤などを混合してもよい。この超微粒子体
は、カルシウム化合物、超微粒子のセラミック研磨剤な
どからなる。
【0015】以上のように、車両の塗装部1の塗装面1
aが第1コーティング被膜3および第2コーティング被
膜4により滑らかな状態となるよう覆われているため、
洗車後の車両の表面には、ワックス塗布時またはそれ以
上の艶が生じる。また、第1および第2コーティング被
膜3、4とも高分子重合体から構成されているため、こ
の第1および第2コーティング被膜3、4中に油性の汚
染物質が溶け込むことがなく、洗車にあたり、第2コー
ティング被膜4等の上面に付着した汚染物質などの除去
を行えばよく、洗車作業の容易化が図られる。さらに、
コーティング被膜3、4は1層であってもよく、これに
応じて上記高分子重合体塗布工程C、Dは1工程でもよ
い。この場合、コーティング被膜は、第1の高分子重合
体と第2の高分子重合体とを混合したもののでもよい。
また、新車では、塗装面1aの傷、凹凸部等がないの
で、第1回目の洗車工程では、第1コーティング被膜3
を形成せず、第1の高分子重合体塗布工程Cを省略して
もよい。
【0016】次に車両の塗装部1の塗装面1aに第1お
よび第2コーティング被膜3、4を形成する洗車方法に
ついて図1を参照しつつ説明する。図1の(a)はこの
発明に係る洗車方法で初めて水垢取り洗車を行う場合
の、第1回目の洗車工程を示している。この第1回目の
洗車工程は、第1の洗浄工程A、第2の洗浄工程B、第
1の高分子重合体塗布工程C、第2の高分子重合体塗布
工程D、および第3の洗浄工程Eとから構成され、この
順に洗車作業が行われる。
【0017】第1の洗浄工程Aは、車両の塗装部1の塗
装面1a上やワックス上に付着した汚染物質や泥等の水
溶性の汚れを除去するための工程である。この工程Aで
は、界面活性剤や水を使用(スプレー)して、手洗また
は洗車機、電動ポリッシャー、エアーポリッシャーなど
を使用して車両の洗車がなされる。第2の洗浄工程B
は、特に塗装面1a上の油分等の非水溶性(油溶性)の
汚れやワックス自体を充分に除去するための工程であ
り、この塗装面1aに第1コーティング被膜3をしっか
り付着させるための前工程となるものである。この工程
Bでは、超微粒子コンパウンドなどの各種研磨剤に浸透
剤または界面活性剤を混ぜた油分除去剤、トラップ粘土
などを使用して、塗装面1aからワックス等の油分が完
全に除去される。
【0018】この油分除去作業は塗装面1a上に充分に
水分を残した状態で行われ、作業終了時に上記油分除去
剤は充分に洗い流される。第1の洗浄工程Aと第2の洗
浄工程Bとは同時に並行しておこなうこともできる。こ
の場合、白色車では荒っぽい手入れにより、塗装表面が
凹凸になり、塗装が荒れていることが多く、濃色車では
粘りあるワックスが積もって、油性汚染物質が表面を覆
っていることが多い。これに応じて、工程Aの内容も変
化する。上記トラップ粘土は、超微粒子のセラミック研
磨剤を合成粘土に練り込んだものであり、上記水、界面
活性剤などの滑性を利用して塗装面1aが摩擦される。
【0019】第1の高分子重合体塗布工程Cは、車両の
塗装部1の塗装面1a上に第1コーティング被膜3を形
成する工程である。この工程Cでは、液状の前述の第1
の高分子重合体または場合によってこれに上述の有機溶
剤などが添加されたものを、スプレー等により霧状にし
て塗装面1a上に吹き付け、またはスポンジなどの塗布
具に吹き付けて、この塗布具等で一方向、十字二方向を
二回に分けてまたは回転方向に延ばしたりする塗布作業
がなされる。この塗布作業は1回のみまたは複数回繰返
し行われる。
【0020】この塗布作業は塗装面1a上に充分に水分
を残した状態で行われる。このことにより、噴霧された
第1の高分子重合体の微粒子は塗装面1a上の水に浮
遊、混入または溶け込んで、水の滑性にしたがって、塗
装面1a上に均一に塗布され、滑らかな第1コーティン
グ被膜3を形成する。そして、場合によって、最後にス
ポンジ、布、柔性ブラシ、羽毛ブラシ等の水切具を用い
て水を切るようにし、第1コーティング被膜3を定着さ
せる。この第1の高分子重合体は、塗布後、固まる。こ
の固化は、自然固化、水固化、光固化、空気固化、熱固
化いずれでもよい。
【0021】第2の高分子重合体塗布工程Dは、第1コ
ーティング被膜3上に第2コーティング被膜4を形成す
る工程である。この工程Dでは、液状の前述の第2の高
分子重合体または場合によってこれに上述の滑性補助剤
などが添加されたものを、第1の高分子重合体塗布工程
Cと同じ方法で塗布する。すなわち、スプレー等により
上記第2の高分子重合体等を霧状にして塗装面1aの第
1コーティング被膜3上に吹き付け、またはスポンジな
どの塗布具に吹き付けて、この塗布具等で一方向などに
延ばしたりする塗布作業などがなされる。
【0022】この塗布作業も、塗装面1a上の第1コー
ティング被膜3上に充分な水分を残した状態でなされる
ため、噴霧された第2の高分子重合体は水の滑性を利用
して均一に塗布され、第1コーティング被膜3上に滑ら
かな第2コーティング被膜4を形成する。そして、場合
によって同様に最後に水を切るようにし、第2コーティ
ング被膜4を定着させる。この第1の高分子重合体は、
塗布後、固まる。この固化は、自然固化、水固化、光固
化、空気固化、熱固化いずれでもよい。
【0023】以上の第2の洗浄工程B、第1の高分子重
合体塗布工程C及び第2の高分子重合体塗布工程Dは、
水を使って行ったが、水を使わないことも可能である。
また、上記第1コーティング被膜3(第1の高分子重合
体)の塗布及び第2コーティング被膜4(第1の高分子
重合体)の塗布は、スプレー等による吹き付けのほか、
静電吹き付け、水との混合吹き付け、スポンジ、布、柔
性ブラシ、羽毛ブラシ等の塗布具に高分子重合体を付け
て車両表面に塗布したり、高分子重合体自体をはけ等で
塗ったり、高分子重合体自体を流しかけたりなど、その
塗布方法は問わない。
【0024】第3の洗浄工程Eは、塗装面1a上に塗布
された第1および第2の高分子重合体のうち、第1およ
び第2コーティング被膜3、4を形成しない余分なもの
を車両表面から洗い流す工程である。この工程Eでは、
水を使用して余分な第1および第2の高分子重合体が洗
い流される。この場合、洗車作業は手洗または洗車機を
使用したもののいずれの方法で行ってもよいが、形成さ
れた第1および第2コーティング被膜3、4が破壊され
るのを防止するため、界面活性剤はできるだけ使用しな
いようにする。
【0025】図1の(b)は上記第1回目の洗車工程に
よって洗車を行った後、第2回目以降に水垢取り洗車を
行う場合の洗車工程を示している。この第2回目以降の
洗車工程は、第1の洗浄工程A、第2の高分子重合体塗
布工程D、および第3の洗浄工程Eとから構成され、こ
の順に洗車作業が行われる。すなわち、第2回目以降の
洗車方法では、車両表面の第2コーティング被膜4上に
付着した汚染物質や泥等の水溶性の汚れが除去される。
【0026】次いで、第2の高分子重合体塗布工程D
は、第1コーティング被膜3上の第2コーティング被膜
4を汚れとともに除去する工程である。この工程Dで
は、前述の第2の高分子重合体またはこれに上述の滑性
補助剤などが添加されたもの、さらに超微粒子コンパウ
ンドなどの各種研磨剤に浸透剤または界面活性剤を混ぜ
た油分除去剤などが添加されたものが塗布される。これ
により、古い第2コーティング被膜4は、汚れととも
に、新たに塗布された第2の高分子重合体と一体にな
る。そして、最後にこの第2の高分子重合体を水により
洗い流す。これにより、古い第2コーティング被膜4
は、汚れとともに除去され、残った第2の高分子重合体
によって新しい第2コーティング被膜4が強化形成され
る。この場合、第2の高分子重合体(第2コーティング
被膜4)は、第1の高分子重合体(第1コーティング被
膜3)より柔らかいので、第1コーティング被膜3は剥
れず、第2コーティング被膜4のみが剥れる。
【0027】以上のように、第1回目の水垢取り洗車時
に車両の塗装部1の塗装面1a上に第1コーティング被
膜3と第2コーティング被膜4とを形成するようにして
いるため、外表面側の第2コーティング被膜4が洗車前
に一部破壊されたり、洗車中に破壊されても、この第2
コーティング被膜4の内側には第1コーティング被膜3
があり、洗車にあたって界面活性剤が直接塗装面1aに
接することはない。したがって、洗車時に塗装面1aに
荒れが生じることはなく、この車両の塗装部1は第1お
よび第2コーティング被膜3、4によってその艶を継続
的に維持させることができる。
【0028】また、第1回目の水垢取り洗車により車両
の塗装面1a上の第1コーティング被膜3を形成すれ
ば、この第1コーティング被膜3は第2コーティング被
膜4に守られて破壊されず、かつこの第1コーティング
被膜3も油分除去工程Bを介して塗装面1aにしっかり
付着して形成されているため、第2回目以降の水垢取り
洗車時には油分除去作業および第1の高分子重合体塗布
作業が不要となる。したがって、第2回目以降の水垢取
り洗車時には、油分除去工程Bおよび第1の高分子重合
体塗布工程Cが不要となり、第1回目の水垢取り洗車時
に比べ洗車作業の容易化・迅速化が図られる。
【0029】さらに、第1回目および第2回目以降の洗
車作業とも、洗車作業が車両表面上に充分に水分を残し
た状態で行う作業のみでよいため、ワックス等を塗布す
る従来の場合に比べ、艶出し作業や乾燥作業が不要とな
り、洗車を迅速かつ容易に行うことができる。また、夏
期等にはエンジンやクーラーの熱気のよって熱せられた
塗装部1は、活性状態となっていて洗車時に塗料が剥げ
易い状態となっているが、この洗車方法では車両の塗装
面1aに充分に水分を残しているため、塗装部1が水分
に冷却され、このような場合でも、洗車時に塗料の剥げ
落ち等が生じることはない。さらに、車両の塗装面1a
に充分に水分を残しているため、洗車中に塵埃が塗装面
1aに付着しても、この塵埃は水で流され、これによっ
て塗装面1aが傷つくことはない。また、洗車中雨や雪
が降っても、乾燥作業が不要なため、車両を移動させた
り、洗車作業を中止する必要もない。
【0030】このほか、第3の洗浄工程Eをはじめとし
て各工程A〜Eは、水を使用しないで拭きあげることも
できるが、水洗いまたは水を使った作業のほうが良い。
この水使用により、第1および第2コーティング被膜
3、4を車両表面全体にわたって均一にすることがで
き、拭きあげ作業に比べて省力化が図れるし、拭きあげ
に伴って車両表面の埃、ごみなどを車両表面に擦りつけ
て細かい傷をつけてしまうことがなくなり、さらに作業
中に降雨があっても問題がなく、作業中の天候の変化に
対応できるなどの効果がある。
【0031】また各工程B〜Dごとの最後に水洗いを行
ってもよく、この水洗いと上記第1の洗浄工程Aと上記
第3の洗浄工程Eの各水洗いでは、スポンジ、布、柔性
ブラシ、羽毛ブラシ等の水切具を用いて水を切るように
しても良い。
【0032】本発明は上記実施例に限定されず、本発明
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例え
ば、上記各工程A〜Eの全体または一部を特願平3−1
07512号に示した洗車機によって自動化してもよ
い。この場合、ポリマー供給ノズル16、ポリマー収納
タンク18装置などは、上記第1コーティング被膜3
(第1の高分子重合体)及び第2コーティング被膜4
(第1の高分子重合体)それぞれについて複数ずつ設け
られ、回転ブラシ6、8、9としては羽毛ブラシを用い
ることもできる。
【0033】また、上記第1回目の洗車工程は、通常最
初の1回の洗車だけで、2回目以降の洗車は上記第2回
目の洗車工程が繰り返し行われるが、場合によって、第
1回目の洗車工程を複数回行ってもよいし、第2回目の
洗車工程を複数回行うごとに、第1回目の洗車工程を1
回行ってもよい。さらに、上記第1回目の洗車工程は、
第1の洗浄工程A、第2の洗浄工程B、第1の高分子重
合体塗布工程C、第2の高分子重合体塗布工程D、およ
び第3の洗浄工程Eからなるが、第1の洗浄工程Aまた
は第3の洗浄工程Eを省略してもよいし、上記第2回目
の洗車工程は、第1の洗浄工程A、第2の高分子重合体
塗布工程D、および第3の洗浄工程Eからなるが、第1
の洗浄工程Aまたは第3の洗浄工程Eを省略してもよい
し、第2の洗浄工程Bを行ってもよいし、各工程A〜E
はそれぞれ2回以上繰り返してもよいし、上記第1の洗
浄工程Aと第2の洗浄工程Bとは同時に行ってもよい。
また、各工程B、C、Dの各工程は、水を全く使わない
で行うことも可能である。
【0034】コーティング被膜3、4は3層以上のもの
であってもよく、これに応じて上記高分子重合体塗布工
程C、Dは3工程以上でもよい。この場合、第2コーテ
ィング被膜4、第1コーティング被膜3、第2コーティ
ング被膜4の順に積層されても良いし、2層の場合で
も、第1コーティング被膜3と第2コーティング被膜4
とが入れ代わって積層されても良い。なお、新車の場合
には、最初から上記2回目以降の洗車のみを行っても良
い。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明
は、第1回目の洗車工程が、車両表面に、第1の高分子
重合体を塗布して、この車両表面に一層目の塗面保護被
膜を形成する第1の高分子重合体塗布工程と、この第1
の高分子重合体より硬度の低い第2の高分子重合体を塗
布して、上記一層目の塗面保護被膜上に二層目の塗面保
護被膜を形成する第2の高分子重合体塗布工程とを備え
ており、第2回目以降の洗車工程が、少なくとも上記第
1の高分子重合体塗布工程を有さず、少なくとも上記第
2の高分子重合体塗布工程を備えた。これにより、第1
回目の洗車の第1の高分子重合体塗布工程で形成される
一層目の塗面保護被膜によって、車両表面の傷、凹凸な
どが治癒され、第2の高分子重合体塗布工程で形成され
る二層目の塗面保護被膜の除去、再形成によって、車両
表面に傷をつけずに車両表面の汚れを完全に除去するこ
とができる。
【0036】なお、車両の運転中などに車両表面に付着
した汚染物質などは二層目等の塗面保護被膜の上面にの
み付着するため、ワックス等を塗布した場合に比べ、車
両の洗車作業の容易化および効率化を図ることができ
る。また、本発明では、第1および第2高分子重合体の
塗布が車両表面に水分を残した状態でなされるため、水
の滑性を利用して滑らかな塗面保護被膜が容易に形成で
きる。また、この場合、ワックス等を塗布する従来の場
合に比べて、艶だし作業や乾燥作業等が不要となって、
洗車作業の容易化および効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る洗車方法を説明するブロック図で
あり、(a)は第1回目の洗車工程を示し、(b)は第
2回目以降の洗車工程を示すものである。
【図2】洗車後の車両表面の断面図である。
【図3】従来の洗車方法を説明するブロック図である。
【図4】従来の洗車方法に係る塗装面の荒れのメカニズ
ムを示すブロック図である。
【符号の説明】
1…塗装部、1a…塗装面、2…外板メタル、A…第1
の洗浄工程、B…油分除去工程、C…第1の高分子重合
体塗布工程、D…第2の高分子重合体塗布工程、E…第
2の洗浄工程。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60S 3/00 - 3/04 B05D 7/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1回目の洗車工程が、 (a)車両表面の水溶性の汚れを除去する第1の洗浄工
    程と、 (b)この第1の洗浄工程の後、車両表面の非水溶性の
    汚れを除去する第2の洗浄工程と、 (c)この第2の洗浄工程の後、上記車両表面に、第1
    の高分子重合体を塗布して、この車両表面に一層目の塗
    面保護被膜を形成する第1の高分子重合体塗布工程と、 (d)この第1の高分子重合体塗布工程の後、上記車両
    表面に、上記第1の高分子重合体より硬度の低い第2の
    高分子重合体を塗布して、上記一層目の塗面保護被膜上
    に二層目の塗面保護被膜を形成する第2の高分子重合体
    塗布工程とを備えており、 第2回目以降の洗車工程が、 少なくとも上記第1の高分子重合体塗布工程を有さず、
    少なくとも上記第2の高分子重合体塗布工程を備えてい
    ることを特徴とする洗車方法。
  2. 【請求項2】上記第1の高分子重合体塗布工程における
    上記第1の高分子重合体の塗布と、上記第2の高分子重
    合体塗布工程における上記第2の高分子重合体の塗布と
    が上記車両表面に水分を残した状態で行われることを特
    徴とする請求項1記載の洗車方法。
  3. 【請求項3】第1回目の洗車工程及び第2回目以降の洗
    車工程は、最後に余分な上記第1または第2の高分子重
    合体等を水を使って洗い流す第3の洗浄工程を備えてい
    ることを特徴とする請求項1記載の洗車方法。
  4. 【請求項4】上記(a)の第1の洗浄工程は、水及び界
    面活性剤を使って上記車両表面の水溶性の汚れを除去す
    る工程であり、上記(b)の第1の洗浄工程は、超微粒
    子コンパウンドに浸透剤または界面活性剤を混ぜた油分
    除去剤と水を使って、車両表面の油性の汚れを除去する
    工程であることを特徴とする請求項1記載の洗車方法。
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