JP3058729U - 水道仕切弁・消火栓スピンドルキャップのｊｉｓ型変換用キャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非ＪＩＳ型仕切弁キャップに外嵌して非ＪＩ
Ｓ型仕切弁キャップをＪＩＳ型仕切弁キャップに変換
し、仕切弁キャップがＪＩＳ型の開栓器具を適用でき
る、特に外径の小さい弁渠中において、容易に適応で
き、かつ簡単に固定することが出来る変換器具を提供す
る。 【解決手段】 非ＪＩＳ型仕切弁キャップの角形ヘッド
に外嵌でき上方に底４を有し下向に開口する非ＪＩＳ型
サイズの角孔６を有し下部周辺に円形フランジ１０を設
けた外嵌用のソケット部２と、このソケット部２の上部
に連設され上端部に操作棒連結用のねじ孔１１を有して
上向きに突出するＪＩＳ型サイズの角形ヘッド３からな
り、非ＪＩＳ型サイズの角孔６の各内壁７にテーパー９
状の垂直方向の筋状突起８を１条ないし複数条設けたこ
とを特徴とする水道仕切弁・消火栓スピンドルキャップ
のＪＩＳ型変換用キャップ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、水道仕切弁或いは消火栓のスピンドルキャップに関し、特に非ＪＩ Ｓ型仕切弁キャップの非ＪＩＳサイズの角形ヘッドをＪＩＳ型の開栓器具に適合 するＪＩＳサイズの角形ヘッドに変換する水道仕切弁・消火栓スピンドルキャッ プのＪＩＳ型変換用キャップに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の水道や消火栓用の配水管では、図６に示すように、地下埋設式の配水管 ２０に介設されている仕切弁２１は、弁棒（図示省略）の上端部に取り付けられ た仕切弁キャップ１９が弁渠２２内に上向きに配設されている。そして、鉄蓋２ ３を除去したのち、Ｔ型の把手２５を上部に有する開栓器具２４の下端部内に下 方から形成の角孔（図示省略）を仕切弁１６の角形ヘッド１７に外嵌し、開栓器 具２４の把手２５を軸まわりに回動させることで仕切弁２１の開閉をする。

【０００３】 ところで、仕切弁キャップはＪＩＳ型が規定されているが、ＪＩＳ型が規定さ れる前から上水道が敷設されている都市では、その都市により、また、同一都市 でもその敷設した時期などにより、仕切弁キャップの形状、特に開栓用の角形ヘ ッドの大きさは独自の非ＪＩＳ型の角形ヘッドで、都市によっては３〜４種類も の規格の異なる非ＪＩＳ型の角形ヘッドのものが使用されている状態である。

【０００４】 上記のような非ＪＩＳ型の独自サイズの仕切弁キャップの角形ヘッドが採用さ れている都市で震災が発生すると、多数の都市から水道施設の復旧の応援に、各 都市から職員らが開栓器具を持参してやって来る。この場合、その都市の独自の サイズの仕切弁キャップを知っているわけではないので、とりあえず規格の統一 されているＪＩＳ型の開栓器具を持参してくることとなる。しかし、これら多数 の応援者が持ち込んだＪＩＳ型の開栓器具では、その都市独自の仕切弁キャップ の角形ヘッドでは、仕切弁の開閉操作を行なうことができない事態となる。

【０００５】 上記のような仕切弁の開閉操作を行なうことができない事態を回避するために は、非ＪＩＳ型サイズの仕切弁キャップをＪＩＳ型の仕切弁キャップに予め交換 しておくことが要求される。しかし狭隘なスペースの弁渠内においてＪＩＳ型の 仕切弁キャップに交換することは不可能である。そのため弁渠を地中から掘り出 して工事する必要がある。しかし、水道の仕切弁の数は膨大であるので、これら を順次掘り出して全ての仕切弁キャップを交換し終わるには大変長期にわたる工 事期間を要し、さらにこのような掘り出しての交換には莫大な工事費用を要する こととなり、工事期間および工事費用の両面から実施が極めて困難である。

【０００６】 そこで、非ＪＩＳ型仕切弁キャップをＪＩＳ型仕切弁キャップに変換するもの として特開平１０−２０５６４９号に開示の発明がある。これは非ＪＩＳ型仕切 弁キャップの非ＪＩＳサイズの角形ヘッドに装着して該非ＪＩＳサイズの角形ヘ ッドをＪＩＳサイズの角形ヘッドに変換するサイズ変換器具である。ところで、 この装置は装着した変換ヘッドを元の非ＪＩＳサイズの角形ヘッドに固定する部 材を有する。即ち、このサイズ変換仕切弁キャップは、非ＪＩＳサイズの角形ヘ ッドに外嵌する角孔が胴部に設けられており、この胴部の側部に設けた張出部に 螺動する下・上動可能な押し部材を有し、この押し部材の下動によるくさび作用 で押し部材の縦方向移動を横方向移動に変換し、角孔内に先端を突出する止め部 材を設けたものである。この変換器具を非ＪＩＳサイズの角形ヘッドに装着して 該非ＪＩＳサイズの角形ヘッドをＪＩＳサイズの角形ヘッドに変換すると、張出 部の押し部材と止め部材の共働作用による機械的締付け作用により変換器具を固 定する。しかし、このような変換器具では、側部に張出部を有するので、狭い弁 渠の中に変換器具を入れて作業することが困難であるばかりでなく、弁渠の中心 と非ＪＩＳサイズの角形ヘッドの中心が偏心している場合には、変換器具を入れ ることすら出来ない場合がある。さらに、上記の機械的固定装置では変換器具自 体が複雑なため製作コストが高く、そのため変換器具自体の値段が高額になるた め、膨大な数の仕切弁キャップをこの様な装置でＪＩＳ型に変換することができ ない。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする課題は、仕切弁キャップ自体を上記のごとく掘り出 して交換を行なうことなく、現在の非ＪＩＳ型仕切弁キャップに被せて非ＪＩＳ 型仕切弁キャップをＪＩＳ型仕切弁キャップに変換し、全ての仕切弁キャップが ＪＩＳ型の開栓器具を適用できるものとすることであり、特に仕切弁キャップの 配設されている径の狭い弁渠中において、場所を取ることなく容易に適応でき、 かつ簡単に固定することが出来る変換器具を提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するための本考案の手段は、水道仕切弁や消火栓などのスピ ンドルキャップに適用するＪＩＳ型変換用キャップで、非ＪＩＳ型仕切弁キャッ プの非ＪＩＳサイズの角形ヘッドに外嵌可能で上部に底を下方に開口を有して下 向に開口する非ＪＩＳサイズの角孔を有し下部周辺に該非ＪＩＳサイズの角孔を 中心に配設した円形フランジを設けた外嵌用のソケット部と、この接合用ソケッ ト部の上部に連設され上端部に操作棒連結用のねじ孔を有して上向きに突出する ＪＩＳサイズの角形ヘッドからなり、非ＪＩＳサイズの角孔の各内壁に上方の底 側で最も突出し開口側で最も突出の少ないテーパー状の垂直方向の筋状突起を１ 条ないし複数条設けたことを特徴とする。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態を図面を参照して以下に説明する。図１は本考案の変換器 具である鋳鉄製のＪＩＳ型変換用キャップ１を一部破断して内部を示した概略図 である。ＪＩＳ型変換用キャップ１は非ＪＩＳ型仕切弁キヤップの非ＪＩＳサイ ズの角形ヘッドに外嵌するソケット部２とその上に立設したＪＩＳ型サイズの角 形ヘッド３からなる。

【００１０】 ソケット部２は上部に底４を下方に開口５を有して下向に開口する非ＪＩＳ型 の角孔６を内部に有する。この角孔６の大きさは非ＪＩＳ型仕切弁キヤップの非 ＪＩＳサイズの角形ヘッドの外部形状より大きな形状とする。そして角孔６は４ 面の内壁７を有し、各内壁には１条ないし２条の筋状突起８が形成されており、 この筋状突起８は上方の底４側で最も内部に突出し下方に行くに従い徐々に突出 が少なくなるテーパー９を形成している。このソケット部２の本体の外部形状は 内部の角孔６から同一の肉厚で構成された角形からなっている。ソケット部２の 下端部は図２に示すように円形のフランジ１０に形成されている。その円形の大 きさはその直径が上記のソケット部２の本体の外部形状の角形の対角線の大きさ と同一になるように形成されている。図２はソケット部２の底面側から見た図で 、同図の点線はソケット部２の本体の角形の外形を示す。

【００１１】 角形ヘッド３は上記のとおりＪＩＳ型サイズの大きさからなりソケット部２の 上面に中心を合わせて一体に鋳造されている。そして角形ヘッド３の上面中央部 には周囲に雌ねじが螺刻されたねじ孔１１が設けられている。このねじ孔１１に は図３に示す操作棒１２の先端に設けられた雄ねじからなる凸ねじ１３をねじ込 むことができるものとされている。操作棒１２の上端には角形の把手嵌合用突起 １４が設けられており、図４で示す把手１５の中央部に形成された角形の嵌合孔 １６に把手嵌合角突起１４を挿入することにより両者は一体化され把手１５付き の操作棒１２となる。

【００１２】 図５は、非ＪＩＳ型仕切弁キヤップ１の非ＪＩＳ型サイズの角形ヘッド１７に 本考案のＪＩＳ型変換用キヤップ１を嵌合し、２液硬化型のエポキシ樹脂接着剤 １８で硬化し接合した図で、即ち非ＪＩＳ型仕切弁キヤップ１をＪＩＳ型仕切弁 キヤップに変換した図の一部切断により示した概略図である。

【００１３】 本考案のＪＩＳ型変換用キヤップ１の使用方法を説明する。図６に示す土中に 埋設された水道の配水管２０に配設の仕切弁２１を開閉するための非ＪＩＳ型の 仕切弁キャップ１９の非ＪＩＳ型サイズの角形ヘッド１７に、本考案の変換装置 である図１に示すＪＩＳ型変換用キャップ１を被せて固定する作業を順次行なう 。このため図６に示すように、先ず、変換する必要のある非ＪＩＳ型の仕切弁キ ャップ１９の埋設部の鉄蓋２３を外して、非ＪＩＳ型の仕切弁キャップ１９が奥 に配設されている弁渠２２を開放する。通常、弁渠２２は管径２５０ｍｍのヒュ ーム管等が使用されている。上記のとおり変換しなければならない非ＪＩＳ型の 仕切弁キャップ１９は弁渠２２の奥深くにあるので、図１に示すＪＩＳ型変換用 キャップ１を非ＪＩＳ型の仕切弁キャップ１９に外嵌するのは作業がしにくい。 そこで図３に示す操作棒１２と図４に示すその把手１５を用意し、操作棒１２の 凸ねじ１３をＪＩＳ型変換用キャップ１のＪＩＳ型サイズの角形ヘッド３の上面 に形成されているねじ孔１１に螺合して接続し、操作棒１２を握ってＪＩＳ型変 換用キャップ１を上側に向ける。このようにすることでＪＩＳ型変換用キャップ １のソケット部２の角孔６が開口５を上向きになる。この角孔６の底４及び筋状 突起８を有する内壁７の壁面に、２液性のエポキシ樹脂系パテ状シール材である 接着剤（コニシ株式会社製の商品名：ボンドＥ３９０）の主剤エポキシ樹脂と硬 化剤ポリアミドアミンを仕様書通りに、重量比で２／１に混合したものを十分に 塗布する。このように接着剤を角孔６の内面にたっぷりと塗布したＪＩＳ型変換 用キャップ１を操作棒１２でつり下げて、弁渠２２内の非ＪＩＳ型仕切弁キャッ プ１９の角形ヘッド１７に外嵌し、ついで操作棒１２の上端の把手嵌合角突起１ ４を把手１５の嵌合孔１６に挿入し、この把手１５を握ってＪＩＳ型変換用キャ ップ１を下方に強く押し込む。このように強く押し込むことによりＪＩＳ型変換 用キャップ１のソケット部２の角孔６に設けられている筋状突起８のテーパー９ が相手材の非ＪＩＳ型仕切弁キャップ１９の角形ヘッド１７に固定される。そこ で操作棒１２のねじを回してＪＩＳ型変換用キャップ１から外し、この状態で２ ０分以上放置することにより、上記の２液性のエポキシ樹脂接着剤が固化して、 非ＪＩＳ型仕切弁キャップ１９はＪＩＳ型変換用キャップ１に置き換えられる。 勿論、変換後は鉄蓋２３を弁渠２２に嵌めて元の状態にして置く。

【００１４】 上記の作業手順において、狭い弁渠２２において仮に変換すべき非ＪＩＳ型仕 切弁キャップ１９の角形ヘッド１７の中心の位置が弁渠２２の中心から偏心して いる場合には、その角形ヘッド１７の側部の角の向きにより、円形フランジの設 けられていないＪＩＳ型変換用キャップの角状のソケット部では、弁渠２２に入 れることはできても角孔６の角の向きと角形ヘッド１７の角の向きを合わせるた めに回転しようとすると、ソケット部２の角状部が弁渠の側壁に当接して回転で きなくなり、この時点で始めてＪＩＳ型変換用キャップ１が外嵌しにくいことが 判明することがある。これに対し、本考案のＪＩＳ型変換用キャップ１には、そ の外形角形のソケット部２の下端部に、この角形の対角線の大きさの外径の円形 のフランジ１０を形成しているので、上記のように仮に変換すべき非ＪＩＳ型仕 切弁キャップ１９の角形ヘッド１７の中心の位置が弁渠２２の中心から偏心して いる場合でも、この弁渠２２にソケット部２を挿入することが出来るかどうかで 、このＪＩＳ型変換用キャップ１の角孔６の角の向きを角形ヘッド１７の角の向 きに合わせて回転することができ、直ちに使用できるか否かの判断がつく。

【００１５】 本考案のＪＩＳ型変換用キャップ１は上記のように約２０分後に接着剤が硬化 し、角孔６内の筋状突起８の角形ヘッド１７への固定は完璧となる。この結果、 非ＪＩＳ型仕切弁キャップ１９はＪＩＳ型の仕切弁キャップになり、何時でも図 ７で示すＪＩＳ型サイズの開栓器具２４が使用できる態勢となる。

【００１６】

【考案の効果】

以上に説明したとおり、本考案の装置は、従来の土中に埋設されている水道や 消火栓の配水管の仕切弁開閉用の仕切弁キャップにおいて、なお多くの都市で現 存する非ＪＩＳ型の仕切弁キャップをＪＩＳ型の仕切弁キャップに変換すること ができる変換装置であり、この変換装置は簡単な構造でかつ仕切弁キャップの配 設されている狭い空間からなる弁渠に容易に挿入可能で、しかも変換後のＪＩＳ 型の仕切弁キャップとして高い剛性を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の変換器具である鋳鉄製のＪＩＳ型変換
用キャップを一部破断して内部を示した概略図である。

【図２】ソケット部の底面側から見た概略図で、点線は
ソケット部の本体の角形の外形を示す。

【図３】本考案明の変換作業時にＪＩＳ型変換用キャッ
プを保持するための操作棒を示す概略図である。

【図４】図３の操作棒にはめ込む把手の概略図である。

【図５】本考案のＪＩＳ型変換用キャップを非ＪＩＳ型
仕切弁キャップに装着固定した状態を説明する一部破断
の側面図である。

【図６】土中に埋設された非ＪＩＳ型仕切弁キャップの
状態を示す模式図である。

【図７】仕切弁キャップの角形ヘッドに装着する開栓器
具を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ ＪＩＳ型変換用キャップ ２ ソケット部 ３ 角形ヘッド ４ 底 ５ 開口 ６ 角孔 ７ 内壁 ８ 筋状突起 ９ テーパー １０ フランジ １１ ねじ孔 １２ 操作棒 １３ 凸ねじ １４ 把手嵌合角
突起 １５ 把手 １６ 嵌合孔 １７ 非ＪＩＳサイズの角形ヘッド １８ 接着剤 １９ 非ＪＩＳ型仕切弁キャップ ２０ 配水管 ２１ 仕切弁 ２２ 弁渠 ２３ 鉄蓋 ２４ 開栓器具 ２５ 把手

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【手続補正書】

【提出日】平成１０年１０月２８日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図６

【補正方法】変更

【補正内容】

【図６】

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】非ＪＩＳ型仕切弁キャップの非ＪＩＳサイ
   ズの角形ヘッドに外嵌可能で上部に底を下方に開口を有
   して下向に開口する非ＪＩＳサイズの角孔を有し下部周
   辺に該非ＪＩＳサイズの角孔を中心に配設した円形フラ
   ンジを設けた外嵌用のソケット部と、この接合用ソケッ
   ト部の上部に連設され上端部に操作棒連結用のねじ孔を
   有して上向きに突出するＪＩＳサイズの角形ヘッドから
   なり、非ＪＩＳサイズの角孔の各内壁に上方の底側で最
   も突出し開口側で最も突出の少ないテーパー状の垂直方
   向の筋状突起を１条ないし複数条設けたことを特徴とす
   る水道仕切弁・消火栓スピンドルキャップのＪＩＳ型変
   換用キャップ。