JP3058528U - 天井用ジョイント金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】アーチ状パイプ取付けが容易でビニールハウス
の構造材が簡単に形成でき、かつ横通しパイプを抱込み
緊締する抱込み金具によって長期の使用にもゆるむこと
がなく、その上保温カーテン用、潅水用、または作物誘
引用の天井用ジョイント金具として多様な用途に使用す
ることができるハウスの天井用ジョイント金具を提供す
ること。 【構成】ビニールハウスのアーチパイプを両端部に連結
するく字状連結パイプと、これに直交する横通しパイプ
とを連結する天井用ジョイント金具において、前記く字
状連結パイプの中央部に断面コ字状の支持金具を溶着
し、該支持金具の背面部に横通しパイプを抱込み緊締す
る抱込み金具の一方をリベット止めし、その抱込み金具
の一方に取付け孔を設けた吊り下げ金具を突設したこと
を特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はビニールハウス天井の棟部において１対のアーチパイプを両端に連結 してハウスの構造材を構成するく字状の連結パイプと、これに直交する横通しパ イプとを着脱可能に連結固定する天井用ジョイント金具に係り、特にビニールハ ウスの規模にかかわらず横通しパイプを強固に固定することができるばかりでな く、保温カーテン用、潅水用、または作物誘引用などの吊り下げ金具を抱込み金 具に突設させ、多様な用途に適用できる天井用ジョイント金具に関する。

【０００２】

【従来技術】

金属製の棒部材を組立て骨部材として用いるビニールハウスにあっては、骨部 材相互を連結するための連結金具は組立て作業の簡易化に大きな役割りをもって いると共にハウスの組立て強度に影響を与える重要な部材となっている。特にハ ウスを大型にする場合には強度上、大口径の管部材が用いられるので、その連結 金具は組立て作業をより一層簡易化でき、しかも大きな組立て強度の得られるも のが要求される。

【０００３】 従来、この種の金具としては実公平４−８７５５号公報に記載されたビニール ハウス棟部構造材用固定装置が公知であり、これは図３に示すようにアーチ状の ビニールハウス構造材６を両端部に連結するく字状連結パイプ７とこれに直交す る横通しパイプ１４とを連結するのに、前記く字状連結パイプ７を巻回する巻回 部８の両端部９を円弧状に形成し、その巻回部９より互いにほぼ平行に延びる舌 片１０を両側に形成し、この舌片１０をそれぞれ二又に分岐し、その間に前記連 結パイプ７と直交する横通しパイプ１４を通す円弧状の受け部を形成し、受け部 の近傍に補強リブ１２を設け、前記舌片１０の下端部はそれぞれ内側に折り返し た係合片とするとともに、その係合片に係合するテーパ係合縁を両側に有し、上 面に滑り止め用小突起１８を形成し、後端に打ち込み部１６を形成した楔部材Ｂ を前記横通しパイプ１４に交差して固定するようにしたものである。

【０００４】 また、実用新案登録第３０４２１７９号公報に記載された天井用ジョイント金 具は、図４および図５に示すようにく字状連結パイプ２１の中央部に横通しパイ プ１４を抱込み緊締する抱込み金具２３は外側が平板状に形成された一方の抱込 み部２３Ａが溶接Ｗによって固設されており、この抱込み金具２３は一方の抱込 み部２３Ａと他方の抱込み部２３Ｂが互いに軸２４によって回動可能に連結され 、その反対側に取り付けられたボルト２５、ナット２５Ａなどによって緊締可能 になっている。

【０００５】 したがって、く字状連結パイプ２１の両端部にアーチパイプ２１Ａをそれぞれ 挿入して装着し、ビニールハウスのアーチ状構造材を形成し、このようにして形 成したアーチ状構造材を多数並設し、その構造材の棟部となる上記く字状連結パ イプ２１に溶接固定された抱込み金具２３にこのパイプ２１と直交する横通しパ イプ１４を装着し、その抱込み金具２３のボルト２５、ナット２５Ａなどによっ て横通しパイプ１４を緊締固定する。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、実公平４−８７５５号公報に記載されたビニールハウス棟部構 造材用固定装置は、く字状連結パイプ７の頂部にこれを巻回する巻回部８の両端 部９を円弧状に形成し、その巻回部９より互いにほぼ平行に延びる舌片１０を両 側に形成し、この舌片１０をそれぞれ二又に分岐し、その間に前記連結パイプ７ と直交する横通しパイプ１４を通す円弧状の受け部を形成したから、く字状連結 パイプ７の両端部にアーチ状のビニールハウス構造材６を連結してハウスの骨組 を形成し、この骨組にシートを被覆した際に、巻回部９がシートより突出するた めハウスの使用中に風に煽られてシートが破損するおそれがあった。

【０００７】 しかも、近年、各種野菜、果物などの促成栽培が盛んに行なわれるようになっ て、ビニールハウスの必要性が一段と向上しており、特に最近のビニールハウス ではハウス内の透過光量を一層増大するためにポリオレフィン系フィルムを使用 することが多いが、このポリオレフィン系フィルムは日光の透過光量が多く、植 物の成育に重要な要素となる採光には好適であるが、一旦ハウスのフィルムシー トが破損した場合には補修がむずかしくビニールハウス内空気の微妙な温度調節 や湿度調節に関して重大な影響が生じるおそれがある。

【０００８】 また、実用新案登録第３０４２１７９号公報に記載された天井用ジョイント金 具では、く字状連結パイプ２１の中央部に横通しパイプ１４を抱込み緊締する抱 込み金具２３の一方の抱込み部２３Ａが溶接Ｗによって真下に固設されていて横 通しパイプを強固に固定することができるが、この天井用ジョイント金具をその ままでは保温カーテン用、潅水用、または作物誘引用などのハウスとして使用す ることができず、多様な用途に容易に適用できない不便があった。

【０００９】 本考案は上記の事情に鑑みて本考案者らが種々研究の結果、従来の連結金具の 欠点を改良し、アーチ状パイプ取付けが容易でビニールハウスの構造材が簡単に 形成でき、かつ横通しパイプを抱込み緊締する抱込み金具によって長期の使用に もゆるむことがなく、その上保温カーテン用、潅水用、または作物誘引用などの 天井用ジョイント金具として多様な用途に使用することができるハウスの天井用 ジョイント金具を提供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の目的を達成するために、ビニールハウスのアーチパイプを両端 部に連結するく字状連結パイプと、これに直交する横通しパイプとを連結する天 井用ジョイント金具において、前記く字状連結パイプの中央部に横通しパイプを 抱込み緊締する抱込み金具の一方を固設し、その抱込み金具の一方に吊り下げ金 具を突設したことを特徴としている。

【００１１】 また、ビニールハウスのアーチパイプを両端部に連結するく字状連結パイプと 、これに直交する横通しパイプとを連結する天井用ジョイント金具において、前 記く字状連結パイプの中央部に断面コ字状の支持金具を溶着し、該支持金具の背 面部に横通しパイプを抱込み緊締する抱込み金具の一方をリベット止めし、その 抱込み金具の一方に取付け孔を設けた吊り下げ金具を突設したことを特徴として いる。

【００１２】 そして、横通しパイプを抱込み緊締する抱込み金具は一対の抱込み部の一方の 外側が平板状に形成され、該一対の抱込み部は互いに回動可能に連結され、その 反対側に取り付けられたボルトなどによって緊締可能に構成されたことを特徴と している。

【００１３】

【考案の実施の形態】

次に、本考案の実施の形態について説明すると、く字状連結パイプの中央部に 断面コ字状の支持金具を溶接固定し、この支持金具の背面部に横通しパイプを抱 込み緊締する抱込み金具の一方をリベット止めしたから、く字状連結パイプの両 端部にアーチパイプをそれぞれ挿入して装着し、ビニールハウスのアーチ状構造 材を形成し、このようにして形成したアーチ状構造材を多数並設し、その構造材 の棟部となる上記く字状連結パイプに溶接固定された抱込み金具にこのパイプと 直交する横通しパイプを装着し、その抱込み金具のボルトなどによって横通しパ イプを一層強固に連結固定でき、より長期使用に耐えられる。

【００１４】 したがって、上記ビニールハウスのアーチ状構造材を多数並設し、それらの構 造材の棟部となる上記く字状連結パイプに溶接固定された抱込み金具にこのパイ プと直交する横通しパイプを装着し、その抱込み金具のボルトなどによって横通 しパイプを緊締固定すると、抱込み金具の下方に突設された取付け孔を設けた吊 り下げ金具が多数並設されたアーチ構造材の各棟部に一列に配置されるから、こ の吊り下げ金具を利用して吊りブレース（筋交い）を吊り下げて保温カーテン用 、潅水用、または作物誘引用の水平ブレースなどを容易に張ることができる。

【００１５】

【実施例】

次に、本考案に係る天井用ジョイント金具の一実施例について図面を参照して 説明すると、図１は本実施例の側面図、図２は作物誘引用の水平ブレースを張っ た本実施例の使用状態の説明図であり、図において従来の装置と同一もしくは同 等の部分については、同一の符号を付して詳しい説明は省略する。

【００１６】 図において、本実施例の天井用ジョイント金具は、く字状連結パイプ１の中央 部の底に断面コ字状の支持金具２を溶着し、その支持金具２の背面部２Ａに図示 しない横通しパイプ１４を抱込み緊締する抱込み金具３の一方の抱込み部３Ａを リベット止めし、その抱込み金具３の一方の抱込み部３Ａには取付け孔４Ａを設 けた吊り下げ金具４が溶接によって突設されている。 この横通しパイプ１４を抱込み緊締する抱込み金具３は、一方の抱込み部３Ａ と他方の抱込み部３Ｂが互いに軸３Ｃによって回動可能に連結され、その反対側 に取り付けられたボルト５、ナット５Ａなどによって緊締可能になっている。

【００１７】 したがって、ビニールハウスの構造材を組み立てる場合には、上記く字状連結 パイプ１の両端部にアーチパイプ６をそれぞれ挿入して装着してビニールハウス のアーチ状構造材Ｐを形成し、このアーチ状構造材を多数並設し、それらのアー チ状構造材の棟部となる上記く字状連結パイプに固設された抱込み金具にこのパ イプと直交する横通しパイプ１４を装着し、その抱込み金具のボルト５、ナット ５Ａによって横通しパイプ１４を緊締固定して組み立てる。

【００１８】 本実施例によれば、抱込み金具３の下方に突設された取付け孔４Ａを設けた吊 り下げ金具４が多数並設されたアーチ構造材Ｐの各棟部に一列に配置されるから 、この吊り下げ金具４を利用して吊りブレース１７を吊り下げて保温カーテン用 、潅水用、または作物誘引用などの水平ブレース１８を容易に張ることができる ため天井用ジョイント金具として多様な用途に使用することが可能である。 なお、図２において符号１９はブレース締め付け用のターンバックルである。

【００１９】

【考案の効果】

上述した本考案によれば、く字状連結パイプの中央部に断面コ字状の支持金具 を溶着し、その支持金具の背面部に横通しパイプを抱込み緊締する抱込み金具の 一方をリベット止めし、その抱込み金具の一方に取付け孔を設けた吊り下げ金具 を突設したから、く字状連結パイプの両端部にアーチパイプをそれぞれ挿入して 装着しビニールハウスのアーチ状構造材を形成して多数並設し、前記く字状連結 パイプと直交する横通しパイプを装着して抱込み金具のボルトなどによって緊締 すると、く字状連結パイプに横通しパイプを一層強固に緊締固定できるため、ビ ニールハウスがより長期使用に耐えられる。

【００２０】 さらに、抱込み金具の下方に突設された取付け孔を設けた吊り下げ金具が多数 並設されたアーチ構造材の各棟部に一列に配置されるから、この吊り下げ金具を 利用して吊りブレースを吊り下げて保温カーテン用、潅水用、または作物誘引用 などの水平ブレースなどを容易に張ることができるため天井用ジョイント金具と して多様な用途に使用することが可能である。 その上、く字状連結パイプから突出したところがないために使用中に風に煽ら れてもビニールハウスのフィルムシートを破損するおそれがなく、破損を完全に 防止できるためビニールハウス内空気の微妙な温度調節や湿度調節が可能となり 、ハウス栽培植物の育成に大きな効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の斜視図である。

【図２】本実施例の使用状態の説明図である。

【図３】従来例の側面図である。

【図４】従来例の側面図である。

【図５】従来例の斜視図である。

【符号の説明】

１ く字状連結パイプ ２ 支持金具 ３ 抱込み金具 ３Ｃ 軸 ４ 吊り下げ金具 ４Ａ 取付け孔 ５ ボルト ５Ａ ナット ６ アーチパイプ １４ 横通しパイプ Ｐ アーチ状構造材

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ビニールハウスのアーチパイプを両端部
   に連結するく字状連結パイプと、これに直交する横通し
   パイプとを連結する天井用ジョイント金具において、前
   記く字状連結パイプの中央部に横通しパイプを抱込み緊
   締する抱込み金具の一方を固設し、その抱込み金具の一
   方に吊り下げ金具を突設したことを特徴とする天井用ジ
   ョイント金具。
2. 【請求項２】 ビニールハウスのアーチパイプを両端部
   に連結するく字状連結パイプと、これに直交する横通し
   パイプとを連結する天井用ジョイント金具において、前
   記く字状連結パイプの中央部に断面コ字状の支持金具を
   溶着し、該支持金具の背面部に横通しパイプを抱込み緊
   締する抱込み金具の一方をリベット止めし、その抱込み
   金具の一方に取付け孔を設けた吊り下げ金具を突設した
   ことを特徴とする天井用ジョイント金具。
3. 【請求項３】 横通しパイプを抱込み緊締する抱込み金
   具は一対の抱込み部の一方の外側が平板状に形成され、
   該一対の抱込み部は互いに回動可能に連結され、その反
   対側に取り付けられたボルトなどによって緊締可能に構
   成されたことを特徴とする請求項１または請求項２記載
   の天井用ジョイント金具。