JP3058012B2 - 内部改質型高温固体電解質型燃料電池の単電池 - Google Patents
内部改質型高温固体電解質型燃料電池の単電池Info
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Description
質型燃料電池(SOFC)の単電池に係り、特に、長期
にわたり安定に作動可能な内部改質型SOFCを実現す
ることができる単電池に関する。
O2 (YSZ)よりなる電解質膜の表面に燃料極(アノ
ード)及び空気極(カソード)の電極膜を積層した構成
とされている。従来、一般に、燃料極膜はNi−YSZ
サーメットで構成され、空気極膜は(La,Sr)Mn
O3 で構成されている。
は、燃料電池の外で行って得た改質ガスを電池に供給す
る外部改質法と、電池内部で直接改質する内部改質法と
があるが、SOFCは作動温度が高いため、メタン、メ
タノール等を直接燃料として供給して内部で改質して作
動できることが大きな特徴であり、内部改質方式の実現
のための開発が進められている。
実用段階に達しておらず、比較的大きい出力のSOFC
モジュールでも大部分外部で改質し、全体の1/4程度
を内部改質しているのが現状である。しかし、このよう
な方法では、内部消費動力を増大させたり、熱損失の増
加を招き、好ましくない。
実用化されていない理由の一つは、メタン、メタノー
ル、エタノール等の炭化水素燃料の水蒸気改質反応の触
媒であるNiがSOFCの燃料極に含まれており、その
活性度が高いために、燃料の改質反応が局所で完了して
単電池が破壊することにある。つまり、燃料改質反応は
吸熱反応であるから、改質反応が起こる場所は温度の低
下を来す。しかし、発電反応は発熱を伴い、それが起こ
る場所は温度が上昇する。従って、改質反応は、発電反
応と同じ場所で必要量だけ改質するように起こらなけれ
ば、単電池内部の温度勾配が急激になり単電池の熱応力
による破壊が起こることになる。しかしながら、従来の
単電池では、燃料極の触媒活性が高いために、改質反応
が過度に促進され、単電池の破壊を招く。
極の触媒活性が低く、単電池の局所的な温度の急勾配が
防止された内部改質法SOFCの単電池を提供すること
を目的とする。
OFCの単電池は、電解質膜の一方の面に燃料極膜を形
成すると共に、他方の面に空気極膜を形成してなる内部
改質型高温固体電解質型燃料電池の単電池において、該
燃料極膜は、電解質膜上に形成された、Niサーメット
よりなる基層膜と、この基層膜上に形成されたFeサー
メットよりなる被覆膜とを有することを特徴とする。
は、請求項1の単電池において、NiサーメットはNi
とY2 O3 部分安定化ZrO2 ,Al2 O3 ,MgO及
びMgAl2 O4 よりなる群から選ばれる1種又は2種
以上とのサーメットであり、FeサーメットはFeとY
2 O3 部分安定化ZrO2 ,Al2 O3 ,MgO及びM
gAl2 O4 よりなる群から選ばれる1種又は2種以上
とのサーメットであることを特徴とする。
は、請求項2において、NiサーメットはNi−Y2 O
3 部分安定化ZrO2 サーメットであり、Feサーメッ
トはFe−Y2 O3 部分安定化ZrO2 サーメットであ
ることを特徴とする。
する。
池の一実施例を示す断面図である。本発明の内部改質法
SOFCの単電池1は、内部改質法SOFCの単電池を
構成する燃料極膜2を、Niサーメットよりなる基層膜
2Aと、基層膜2Aを覆うFeサーメットよりなる被覆
膜2Bとの積層構造としたものである。図中、3は電解
質膜、4は空気極膜である。
YSZサーメットが好ましいが、その他Ni−Al2 O
3 サーメット、Ni−MgOサーメット、Ni−MgA
l2O4 サーメットなどであっても良い。また、Feサー
メットとしては、Fe−YSZサーメットが好ましい
が、その他、Fe−Al2 O3 サーメット、Fe−Mg
Oサーメット、Fe−MgAl2 O4 サーメットなどで
あっても良い。
薄過ぎると燃料改質性能に支障をきたし、厚過ぎると電
極部での電圧降下が大きくなることから、50〜200
μmとするのが好ましい。なお、このNiサーメットの
Ni含有率は導電率及び電解質膜との熱膨張差の面か
ら、35〜45体積%であることが好ましい。
を覆うFeサーメットよりなる被覆膜の厚さは、薄過ぎ
ると、メタン、メタノール、エタノール等の炭化水素燃
料の透過量が多くなり、必要以上の燃料改質反応が局所
的に進行する。逆に、厚過ぎると先の炭化水素燃料の透
過が困難になり、発電に必要な燃料(主に水素)を電極
反応進行部に供給できなくなることから、50〜200
μmとするのが好ましい。このFeサーメットのFe含
有率は導電率及び熱膨張係数の面から20〜35体積%
であることが好ましい。
としては、YSZが採用されることから、本発明におい
ては、燃料極の基層膜としてはNi−YSZサーメット
が、また、被覆膜としてはFe−YSZサーメットを採
用するのが好ましい。一方、空気極膜としては(La,
Sr)MnO3 が採用される。
被覆膜のFeサーメットは、いずれもSOFCの作動時
の還元雰囲気でサーメットを形成するものであり、頭書
は、各々NiO−YSZ,Fe2 O3 −YSZといった
酸化物複合材料となっている。
極を製造するには、例えば、原料粉末を有機溶媒とその
他添加剤で混練して作製したNiO−YSZスラリーを
電解質グリーン表面上に塗布した後、更にその上から同
じ要領で作製したFe2 O3−YSZスラリーを塗布し
て燃料極を2層として焼成する。ここでFe2 O3 −Y
SZ粉末は、Feの任意の酸化物や、硝酸塩、酢酸塩、
炭酸塩等とYSZを混合焼成して作製することができ
る。
では、SOFC作動環境下において、炭化水素燃料の水
蒸気改質反応に対する触媒活性の高いNiサーメット膜
表面を、当該活性の低いFeサーメット膜が被覆した形
になって、Niと燃料ガスの接触が大幅に制限され、結
果として、燃料極の炭化水素燃料の水蒸気改質反応に対
する触媒活性を低く抑制することができる。このため局
所での必要以上の燃料改質が防止される。
はFeサーメット中のFe量を制御することで、熱膨張
率の整合性と共に充分な特性を確保できる。また、Ni
サーメット膜をFeサーメット膜で被覆することによ
り、電池の内部抵抗が増大し、短絡電流密度が若干低下
するが、電池は支障なく安定に作動する。
より具体的に説明する。
面に厚さ約200μmのNi40体積%−YSZサーメ
ット(還元時)を形成したもの(試料 No.1)、及び同
様にYSZ板両面に同厚さのNi40体積%−YSZサ
ーメット(還元時)を形成し更にその表面に厚さ約50
μmのFe23体積%−YSZサーメット(還元時)を
形成したもの(試料 No.2)を用いて、メタンの水蒸気
改質実験を行った。なお、YSZへの各サーメット膜の
形成は、1450℃,3時間(昇温速度及び降温速度は
いずれも200℃/hr)の焼成で行った。
ミナ製の反応管に各々セットし、供給メタン量=200
ml/minに固定し、スチーム/カーボン比(S/C
比)を2〜5の間で変化させて1000℃で改質実験を
行い、結果を図2に示した。なお、図2において、□は
試料1、△は試料2、○はブランク(即ち、実験装置の
みの改質性能)を示す。
能は高く、S/C=2では、95%以上のメタンを改質
した。一方、試料2の改質性能は低く、試料1の高い改
質性能がFeサーメット被覆膜により抑えられているこ
とが判る。
m,有効発電面積100cm2 )を下記仕様にて作成し
た。
時),厚さ70μm 被覆膜=Fe23体積%−YSZサーメット(還元
時),厚さ150μm この単電池をSOFCに用いて、燃料にS/C比=2.
5のメタンを、また、酸化ガスとして空気をそれぞれ直
行流で流し、作動温度1000℃で電流−電圧特性を調
べることにより、電池の性能試験を行った。
も同様に性能試験を行った。
素を用いた場合、△はメタンを用いた場合である。
メタンを用いた場合では、燃料中の酸素分圧が高いた
め、水素を用いた場合より、低い開回路電圧を示した。
1500時間程度の発電では、両電池共に劣化すること
無く、安定に作動した。なお、水素の場合に比べ、メタ
ンの場合の性能が低いのは、開回路電圧が低く、ファラ
デーインピーダンスが増加したためである。
SOFCの単電池によれば、内部の急激な温度勾配によ
る単電池の破壊の問題がなく、従って、長期にわたり安
定に作動可能な内部改質法SOFCを実現することがで
きる。
例を示す断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 電解質膜の一方の面に燃料極膜を形成す
ると共に、他方の面に空気極膜を形成してなる内部改質
型高温固体電解質型燃料電池の単電池において、 該燃料極膜は、電解質膜上に形成された、Niサーメッ
トよりなる基層膜と、この基層膜上に形成されたFeサ
ーメットよりなる被覆膜とを有することを特徴とする内
部改質型高温固体電解質型燃料電池の単電池。 - 【請求項2】 請求項1の単電池において、Niサーメ
ットはNiとY2 O3 部分安定化ZrO2 ,Al2 O
3 ,MgO及びMgAl2 O4 よりなる群から選ばれる
1種又は2種以上とのサーメットであり、Feサーメッ
トはFeとY2O3 部分安定化ZrO2 ,Al2 O3 ,
MgO及びMgAl2 O4 よりなる群から選ばれる1種
又は2種以上とのサーメットであることを特徴とする内
部改質型高温固体電解質型燃料電池の単電池。 - 【請求項3】 請求項2において、NiサーメットはN
i−Y2 O3 部分安定化ZrO2 サーメットであり、F
eサーメットはFe−Y2 O3 部分安定化ZrO2 サー
メットであることを特徴とする内部改質型高温固体電解
質型燃料電池の単電池。
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---|---|---|---|
JP6158661A JP3058012B2 (ja) | 1994-07-11 | 1994-07-11 | 内部改質型高温固体電解質型燃料電池の単電池 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
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JP6158661A Expired - Fee Related JP3058012B2 (ja) | 1994-07-11 | 1994-07-11 | 内部改質型高温固体電解質型燃料電池の単電池 |
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1994
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