JP3057308B2 - 連動折り戸用センターヒンジ - Google Patents

連動折り戸用センターヒンジ

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JP3057308B2
JP3057308B2 JP5308712A JP30871293A JP3057308B2 JP 3057308 B2 JP3057308 B2 JP 3057308B2 JP 5308712 A JP5308712 A JP 5308712A JP 30871293 A JP30871293 A JP 30871293A JP 3057308 B2 JP3057308 B2 JP 3057308B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば洋服だんす、ク
ローゼット等の家具などにおける収納空間の前面開口部
を開閉するのに用いられる連動折り戸用センターヒンジ
に関する。
【0002】
【従来の技術】上記連動折り戸は、図15および図16
(A)(B)の概略図が示すように、複数の扉対a、
b、cを備え、この扉対a、b、cは、一対の扉d、
d′をフォールディングヒンジeによって折り畳み自在
に連結されていて、隣接した各2つの扉対aとbおよび
bとcにおける扉d′、dが、共通の走行体fにセンタ
ーヒンジ(図示せず)によって連結されていると共に、
左右両端の2つの扉対a、cにおける外側の扉d、d′
は走行体gにサイドヒンジ(図示せず)によって各々連
結されている。そして、上記各走行体f、gが、家具等
の扉取付体hにおける前面の上部、下部両開口縁に沿っ
て併設した上側ガイドレールiと下側ガイドレールjに
係嵌されて案内されることにより、複数の扉対a、b、
cが一体的に連動して開閉可能なるよう構成されてい
る。
【0003】このような形式の連動折り戸では、扉の開
放動作時に、端部の第1扉対aにあって、取っ手kを介
して開扉方向のトルクを与えることができるが、後続の
第2、第3の扉対b、cにおいては、このようなトルク
を直接に与えることはできないから、先ず、第1の扉対
aを開放動作によって折り畳むことにより、ガイドレー
ルi.jに沿ってスライドさせ、当該扉対aをガイドレ
ールに沿って横方向にスライドすることにより、その力
で後続の第2、第3扉対b、cをも、いっきに開放する
こととなる。
【0004】しかし、各扉対a、b、cには、平面的に
閉鎖状態を保持するための収まり(閉じ)キャッチとな
る力と、開きキャッチとなる力が各々与えられており、
その力は、扉対の数に比例して大きくなるので、この収
まりキャッチ力に抗して複数の扉対a、b、cを一度に
開放するには大変な力が必要となり、このことは、扉対
の数が多くなればなるほど開放が困難になり、扉の閉鎖
動作時においても、上記と同様の問題が生ずることとな
る。
【0005】そこで、上記の問題を解決するため、既に
扉の開放を補助するための装置を備えた折り畳ドアも提
案されている。(特表平3−500433号広報参照)
この扉の開放補助装置なるものは、図17ないし図20
に示した如く、ガイドレール(図示せず)に沿って走行
自在に案内される共通の保持装置lに、夫々ヒンジm、
m′により取り付けられた隣接の扉対n、oにあって、
その扉n1 、o1 は連行体p、p′を取り付け、上記保
持装置lから、ヒンジm、m′の軸線と平行に回転軸q
を突設させ、これに、同軸qを中心として旋回可能な2
股状のレバーr、rを取り付け、当該レバーr、rの一
方のレバーアームr1 、r1 を連行体p、p′の旋回範
囲に位置させ、他方のレバーアームr2 、r2 は、隣接
した扉n1 、o1 の範囲内に延設した構成となってい
る。
【0006】上記開放補助装置においては、連行体p、
p′を備えた扉n1 、o1 の所定の旋回角度以上で、開
放方向に作用するトルクがレバーrを介して扉o1 、n
1 に加えられ、これにより複数の扉体n、oが一方から
他方に順次折り畳まれて開放状態となる。また、開放状
態において、他端の扉体oに閉鎖方向のトルクが与えら
れることによって、閉鎖方向に作用するトルクがレバー
rを介して隣接した扉対nに加えられ、このことによっ
て複数の扉対n、oが開放時とは反対方向に、順次平面
的に閉鎖されて行くこととなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の開
放補助装置によるときは、回転軸qによってレバーr、
rが、保持装置lから外側に長く延設されている上、扉
の開閉動作時に、扉n1、o1 間において、必要なトル
クを確実、かつ円滑に伝達し得るようにするには、レバ
ーr、rのレバーアームr1 、r2 を長く形成する必要
があって、どうしても大型化してしまう。また、レバー
r、rが扉n1 、o1 の裏側にあって、長く露出してお
り、扉開放時には、図20に示した如くレバーアームr
2 扉n1 の裏面との間に大きい隙間が形成されることに
なるので、扉閉鎖時において、当該レバーアームr2
扉n1 の裏面間に洋服等の収納品を挟み込んでしまうこ
ともある。
【0008】さらに、扉の所定開き角度において、隣接
した扉対n、o間に、必要なトルクが正確に伝達される
ようにするには、走行体p、レバーr、rの形状および
取付位置の寸法精度を上げねばならず、このために、加
工および取付作業が面倒になる。
【0009】本発明は、上記従来技術が有するこのよう
な問題点に鑑みてなされたもので、隣接した扉対を折り
畳み自在なるよう連結可能にして、かつ扉対相互間にあ
って、扉の開閉力を順次遅れのタイミングをもって、伝
達するため必要な各種部材を共通の走行体内に配在させ
た状態で、適切に構成することにより、小型にして軽量
に仕上げ得るようにし、かつ扉取付けの作業性を向上
し、しかも安価に製造できるようにするのが、その目的
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、一対の扉が折り畳み自在に枢着されてい
る複数の扉対を備え、隣接した各2つの扉対を一体的に
連動開閉可能なるよう共通の走行体に連結する連動折り
戸用センターヒンジであって、前端を開口して中空に形
成された走行体の内部にあって、その左右両側奥部に、
平面略L形状とした一対のアームの略中間部を、また、
これより開口部側の左右両側端近くに、一対のリンクに
おける基端を各々回動可能なるよう対向して軸支し、当
該左右のアーム、リンクの先端を、隣接した各2つの扉
対における扉の対向端裏面に固定して当該扉を取り付け
る一対のソケットにおける対向端に各々回動可能なるよ
う軸支し、前記一対のアームを介して、隣接した各2つ
の扉対間において、扉の開閉力が互いに伝達可能にし
て、かつ一方の扉対における扉の開閉力が、他方の扉対
の扉に対し、所定の遅れを以て伝達可能となるように、
前記一対のアームにおける両基端が当該基端と当該基端
間に介装した連動部材の一方に突設した連動用ピンを、
他方に設けたスライド孔に遊嵌することにより連結した
ことを特徴とする連動折り戸用センターヒンジを提供し
ようとしている。
【0011】
【作用】複数の扉対が閉じられ、扉取付体の前面開口部
を閉鎖している状態においては、スライド孔にスライド
ピンが遊嵌されていることによって、一対のアーム間に
おいては、一方の回転力が直ちに他に伝達されないよう
になっている。
【0012】扉閉鎖位置から、隣接した各2つの扉対の
うち、第1の扉対における扉に、取っ手を介して開き方
向のトルクを与えると、当該扉が開かれ、所定の開き角
度になると、アームの回転により連動用ピンがスライド
孔の開口縁一側に当接し、両者間の遊びがなくなる。こ
のことによって、扉が所定角度以上開かれると、アーム
の回転が連動部材を介して他方のアームに伝達され、該
アームが回転されることにより第2の扉対における一方
の扉に、開き方向のトルクが与えられ、当該扉が開かれ
るに至る。
【0013】このように、第1の扉対が折り畳まれて扉
の開放された時点で、第2の扉対における一方の扉が、
ある程度開かれることで、第1の扉対を介して、当該扉
対と、第2の扉対における一方の扉が共通の走行体を介
してガイドレールに沿って、横方向への走行が可能とな
る。従って、上記の第1の扉対、第2の扉対における一
方の扉を横方向に走行させることにより、その力で第2
の扉対における他の扉が開き動作され、これにより当該
扉の開きによるアームの回転力が、第3の扉対における
一方の扉を連結しているアームに所定のタイミングによ
る遅れを以て伝達され、このことで該扉が開かれる。
【0014】このようにして、複数の扉対は順次開かれ
ていき、開きキャッチによって折り畳み開放状態に保持
される。
【0015】扉開放位置から、第1の扉対を、走行体を
介してガイドレールに沿って閉じ方向へ走行させると、
その力が第2、第3‥‥‥の扉対を介して、第1の扉対
と対称位置にある他端の扉対に加えられ、これによっ
て、その扉対の、扉取付体に固定されている外側の扉が
所定角度以上閉じられる。かくして、当該扉対の内側の
扉が閉じ動作され、以下、上記した開放時におけるとき
と同様にして、各扉対が順次閉じられて行き、最後に第
1の扉対が閉じられて閉鎖状態となる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1ないし図3に示す第1実施例では、隣
接した扉対1、2に共通の走行体3は、底壁3a、左右
の側壁3b、3b、背壁3cと図示しない頂壁とで、前
面を開口部3dとした中空体として形成され、図示しな
い頂壁には、一対の縦ローラ4、4と、一対の横ローラ
5、5が軸支してあり、家具等の図示しない扉取付体に
おける上記開口縁に沿って水平に設けられた上側のガイ
ドレール6に、上記横揺れ防止用である縦ローラ4、
4、走行用である横ローラ5、5が係嵌されることで、
当該走行体3はガイドレール6に沿って円滑に走行自在
となっている。
【0017】上記走行体3内の奥部にあって、その左右
両側には、何れも平面略L字状に形成されている一対の
アーム7、8が、それらの基端7a、8aと先端7b、
8bが夫々対向するように、中間の屈曲部で走行体3の
頂壁(図示せず)と底壁3aとに支軸9により軸支する
ことで、一平面内で回転自在なるよう配設されている。
【0018】これまた上記走行体3内にあって、その開
口部3d近くの左右両端部には、同一形状とした一対リ
ンク11、12の基端11a、12aを、走行体3の前
記頂壁、底壁3aに支軸13によって各々軸支し、この
ことで、一平面内で回動自在なるよう配設してある。
【0019】一対のアーム7、8の先端7b、8bと一
対のリンク11、12の先端11b、12bは、一対の
ソケット14、15の対向端内部に夫々ピン16、17
により回動可能なるよう枢着されている。ここで、一対
のアーム7、8の先端7b、8bは、一対のソケット1
4、15の対向端における前端開口部近くに枢着され、
一方、一対のリンク11、12の先端11b、12b
は、一対のソケット14、15の対向端に対して、先端
7b、8bの枢着部よりも後方奥部にあって枢着されて
いる。
【0020】隣接した2つの扉対1、2における各扉1
a、2aは、その対向端における裏面に設けた凹所1
8、19に上記ソケット14、15を、埋め込み状態で
固定することにより、共通の走行体3に対して各扉1
a、2aが折り畳み自在なるよう蝶着されている。
【0021】そして、一対のアーム7、8の基端7a、
8aは、連動アーム20を介して連結するが、このため
連動アーム20に固設の連動用ピン21、22を、その
径よりも大きく基端7a、8aに穿設したスライド孔2
3、24にスライド自在なるよう遊嵌することで、後に
詳記する如く各アーム7、8の間にあって、互いにその
回転力が他へ伝達可能にして、かつ、当該回転力が所望
回転角だけタイミングを遅らせて伝達されるよう構成し
ている。
【0022】すなわち、本実施例では、一対のアーム
7、8の各基端7a、8aに、長孔であるスライド孔2
3、24が夫々貫通され、一方、連動アーム20の長さ
方向における両端部には、連動用ピン21、22を突設
し、これが上記各スライド孔23、24にスライド自在
に挿通してある。
【0023】隣接した扉対1、2が閉鎖されている状態
では、図1に示した如く、上記各連動用ピン21、22
が各スライド孔23、24の略中間部に位置して、両ア
ーム7、8間において、互いに回転力が直ちに他に伝達
されないように、また、一方の扉対、すなわち、図示例
では扉対1の扉1aが図2の矢印イ方向へ所定角度開か
れた時点で、アーム7における連動用ピン21がスライ
ド孔23の端部に当接し、このことによって連動アーム
20の一端が、走行体3の前面開口部3d側に向け回転
されて、僅かに引き動かされることによって、他方の連
動用ピン22が、他方のアーム8のスライド孔24の端
部に当接し、このようにして両アーム7、8が連動を開
始するように、各連動用ピン21、22の位置と、各ス
ライド孔23、24の長さおよび位置が予め設定されて
いる。
【0024】従って、扉1aが図2に示した所定開き角
度以上開かれることによって、アーム7の回転力が連動
アーム20を介して他方のアーム8に伝達されるに至
り、当該アーム8が回転して扉2aも開かれて行くこと
となる。
【0025】図3は扉閉鎖時を示したもので、扉2aの
図示した閉鎖角度が両アーム8、7の連動開始時点で、
これより扉2aが矢印ロ方向に閉じられることによっ
て、他方の扉1aも閉じ動作を行うことになる。
【0026】次に図4および図5の第2実施例につき説
示すると、平面略くの字状に形成された一対の連動アー
ム20a、20bが、その長さ方向における略中間部に
て各支軸25により、走行体3の頂壁と底壁3aとによ
り軸支され、これにより、走行体3内にあって、一対の
アーム7、8における各基端7a、8aの奥側で一平面
内にて回転可能なるよう配設されている。
【0027】上記一対のアーム7、8の基端7a、8a
には、各々連動用ピン21、22が突設され、一方、上
記各基端7a、8aの上下方向で重装状態となっている
上記一対の連動アーム20a、20bにあって、その各
外端には、スライド孔23、24が、各々の端部に開口
されていることで、平面略U字状の溝状にして、かつ長
さ方向へ長く形成されている。上記のスライド孔23、
24は、上記連動用ピン21、22の直径よりも拡幅に
形成され、これによって連動用ピン21、22が、スラ
イド自在なるよう遊嵌されている。
【0028】一方に連動アーム20a内端側は、側面略
半クランク軸状に曲成されていて、他方の連動アーム2
0bの内端上面に重ね合せてあると共に、連動用ピン2
6を下向きに突設してある。一方、他方の連動アーム2
0bの内端側には、スライド孔27が長さ方向に長く、
かつ内端に向けて開口され、これにより、平面略U字状
の溝状にして、かつ、上記連動用ピン26の直径よりも
適当寸法だけ拡幅に形成され、これによって、上記連動
用ピン26をスライド自在なるよう遊嵌してある。その
他は前述の第1実施例による場合と同様である。
【0029】上記の第2実施例にあっては、図4に示し
た扉閉鎖位置から、扉対1の扉1aを図5に示した矢印
イ方向に開いていくと、アーム7が矢印ハ方向に回転す
ることにより、その連動用ピン21が、連動アーム20
aのスライド孔23の開口縁に当接して、該連動アーム
20aは図示した矢印ニ方向に回転され、これによって
連動アーム20aの連動用ピン26が、連動アーム20
bのスライド孔27における開口縁に当接し、当該連動
アーム20bを図5において時計周り方向へ回転するこ
とになる。
【0030】従って、扉1aの図5に示した開き角度
が、アーム8の連動開始位置となり、扉1aがこれ以上
開かれることで、他方の扉2aに開き力が伝達されるこ
ととなる。
【0031】図6に第3実施例を示し、平面略くの字形
状として、両端にスライド孔23、24を、平面略U字
状となって溝状に形成してある連動アーム20cが、そ
の長さ方向における中間部を支軸28によって、走行体
3の頂壁と底壁3aとに回転可能なるよう軸支されて、
走行体3の中央部に内装配設され、その両端のスライド
孔23、24に、一対のアーム7、8の基端に突設した
各連動用ピン21、22がスライド自在なるよう遊嵌さ
れた構成となっている。
【0032】そこで、扉閉扉位置から、扉1aを図示し
た矢印イ方向へ所定角度だけ開くと、アーム7が図示し
た矢印ハ方向に回転され、これにより連動用ピン21が
スライド孔23の開口縁に当接し、連動アーム20cを
図示した矢印ニ方向に回転させる。これによって、スラ
イド孔24の開口縁が他方のアーム8における連動用ピ
ン22と当接して、当該アーム8を図示した矢印ホ方向
に回転するようになる。従って、扉1aの所定開き角度
以上で、アーム8を介して他方の扉2aに、開き方向の
トルクを与えることとなる。
【0033】次に図7の第4実施例を説示すると、図
4、図5に示した既述第2実施例における一対の連動ア
ーム20a、20bに変えて、一対の連動ギヤ20d、
20eを走行体3内にあって、一対のアーム7、8の間
にあって支軸25、25により回転可能なるよう軸支さ
せてある。
【0034】上記一対の連動ギヤ20d、20eは、そ
の対向する周面に歯部29を刻設して互いに噛合させて
あると共に、対称端にはスライド孔23、24が、平面
U字状となって溝状にして、かつ拡幅に形成され、各ス
ライド孔23、24に、一対のアーム7、8から突設し
た連動用ピン21、22がスライド自在に遊嵌された構
成となっている。
【0035】そこで閉鎖位置から扉1aを矢印イ方向に
開くと、アーム7は矢印ハの方向へ、一対の連動ギヤ2
0d、20eは各々矢印ニの方向へと回転されること
で、他方のアーム8に矢印ホの方向の回転力が伝達され
ることとなる。この際、上記スライド孔23、24と連
動用ピン21、22との遊びにより、扉1aの所定開き
角度以上となったところで、他方の扉2aに開き力を伝
達するに至る。その他のことは、既述第2、第3の両実
施例による場合と同様の構成となっている。
【0036】図8ないし図10は第5実施例を示してい
る。これは、一対のアーム7、8が、既述第1実施例に
よる場合と同一形状に形成されていて、その対向する基
端7a、8aには径大な円形のスライド孔23、24が
対応させて貫設され、当該両スライド孔23、24に
は、連動用ピン30が挿通されている。
【0037】上記連動用ピン30は、上記スライド孔2
3、24の直径よりも大きい連動板31の中心から突設
されていて、ワッシャ31aを介して、先端をかしめ手
段により固定することで、上記連動板31、ワッシャ3
1aによって、上記両スライド孔23、24内に脱落す
ることなく遊嵌されている。
【0038】本実施例によるときは、図10に示したよ
うに、扉1aが開かれ、アーム7が回転されることで、
そのスライド孔23と、他方のアーム8におけるスライ
ド孔24との対向した開口縁間に、上記連動用ピン30
が挟持され、このことにより、アーム7、8間に回転力
が伝達されることになるが、上記連動用ピン30の直径
と、両スライド孔23、24の内径との差によって、両
アーム7、8間ではタイミングが遅れて回転力が伝達さ
れる。従って、扉1aが所定開き角度以上となったと
き、他方の扉2aに開き力が伝達されるに至る。
【0039】図11ないし図13に示す第6実施例にあ
っては、一対のアーム7、8は、既述の第1実施例にお
ける一対のアーム7、8と略同一形状に形成されて、走
行体3内に夫々軸支されるが、ここでは、先端周面に歯
部29が刻設してある一対の連動ギヤ20d、20eと
上下方向で重装状態となっており、当該連動ギヤ20
d、20eの基端と共に走行体3内に支軸9によって各
別に回転可能なるよう軸支され、上記一対の連動ギヤ2
0d、20eは、歯部29において互いに噛合させてあ
る。
【0040】上記一対のアーム7、8の基端7a、8a
には、図12に示した如く連動用ピン32が上下方向に
貫通して固定されている。一方、一対の連動ギヤ20
d、20eの、上記各連動用ピン32に対応する位置に
は、スライド孔33が、上記支軸9を中心とする円周線
上に沿って、弧状の長孔として貫設され、当該スライド
孔33には、その長さ方向へスライド可能なるよう上記
連動用ピン32を貫通した構成となっている。その他の
構成は、既述第1実施例の場合と同じである。
【0041】上記の第6実施例によるときは、扉1aが
開かれることで、アーム7が回転されると、その連動用
ピン32が、一方の連動ギヤ20dにおけるスライド孔
33に沿ってスライドし、図13に示した如く、スライ
ド孔33の前端に当接するので、連動ギヤ20dは図示
した矢印ニ方向に回転され、これによって他方の連動ギ
ヤ20eが図示した矢印ニ方向へ回転される。従ってそ
のスライド孔33の後端に当接している連動用ピン32
を介して他方のアーム8に回転力が伝達されるようにな
り、この時点で連動が開始される。
【0042】すなわち、扉1aが図13に示した所定開
き角度以上開かれて後に、他方の扉2aが開かれること
となる。尚、既述の各実施例は、上部のセンターヒンジ
について説示したが、下部のセンターヒンジについて
も、これと略同様に構成することができる。
【0043】尚、上記のセンターヒンジにあって、図1
4に示す如く扉の閉鎖状態と開放状態とを保持するため
の所謂キャッチ機構を設けるようにすることもでき、図
示の実施例では、走行体3の図示しない頂壁と底壁3a
とに軸ピン34を設け、これに被嵌した巻きバネ35の
各延出端35a、35bを、夫々走行体3と、一対のリ
ンク11、12(12は図示されていない)における基
端11a側から突設した弾支突部11cとの間に介装弾
支させてある。
【0044】上記の弾支突部11cには閉鎖弾支部11
dと、開放弾支部11eとが形成されていて、図14
(A)のように、扉1a、2aが閉鎖状態にあるとき
は、巻きバネ35の延出端35bが、閉鎖弾支部11d
を矢印方向へ押圧し、これにより当該閉鎖状態を巻きバ
ネ35の弾力によって保持させるとともに、図14
(B)の通り、扉1aが開放状態となって行ったときに
も、今度は延出部35bが開放弾支部11eを押圧し
て、扉1aを全開放状態に保持させることとなる。
【0045】上記の如く、センターヒンジ自体に、閉鎖
と開放状態を保持できるキャッチ機構が設けられたとき
は、連動折り戸用の前記したフォールディングヒンジ
に、キャッチ機構を着ける必要がなくなり、このことに
より、フォールディングヒンジに、キャッチ機構を着け
た場合には、扉対における各扉の角度を所要の角度に保
ちながら、走行体に取り付けなければならないのに比
し、簡易な作業で当該取り付けの作業を行うことができ
る。
【0046】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、複数の扉対を備えた連動折り戸において、
端部の扉対における扉を所定角度以上開成することによ
り、次の後続の扉対がある程度開成され、このことによ
って、当該扉は、共通の走行体を介してガイドレールに
沿った走行が可能となり、その走行力を後続の扉対に開
き力として伝達でき、この結果、扉対を順次円滑に折り
畳んで開成させることができる。さらに、一対のアー
ム、リンクおよびソケットと、連結部材および連動用ピ
ンとそのスライド孔によって簡易に構成できる上、これ
ら部材が共通の走行体に内在して構成されていることか
ら、全体的に小型軽量化が可能となり、かつ高い加工精
度が要求されないので、容易にして安価に製造できるだ
けでなく、扉の取り付けに際し、その作業性を大幅に向
上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る連動折り戸用センターヒンジの第
1実施例を示す横断平面図である。
【図2】同上実施例の開扉連動開始状態を示す横断平面
図である。
【図3】同上実施例の閉扉連動開始状態を示す横断平面
図である。
【図4】同上ヒンジの第2実施例を示す横断平面図であ
る。
【図5】同上実施例の開扉連動開始状態を示す横断平面
図である。
【図6】同上ヒンジの第3実施例を示す横断平面図であ
る。
【図7】同上ヒンジの第4実施例を示す横断平面図であ
る。
【図8】同上ヒンジの第5実施例を示す横断平面図であ
る。
【図9】図8におけるA−A′線矢視断面図である。
【図10】同上実施例の開扉連動開始状態を示す横断平
面図である。
【図11】同上ヒンジの第6実施例を示す横断平面図で
ある。
【図12】図11におけるB−B′線矢視断面図であ
る。
【図13】同上実施例の開扉連動開始状態を示す横断平
面図である。
【図14】図1のセンターヒンジに閉鎖、開放各状態を
保持するキャッチ機構を付設した場合の要部を示し、
(A)は閉鎖保持状態、(B)は開放途上状態における
各横断平面略示図である。
【図15】連動折り戸の略示正面図である。
【図16】連動折り戸を示し、(A)は閉鎖状態の概略
平面図、(B)は開放状態の概略平面図である。
【図17】従来の連動折り戸における扉開放補助装置を
示す背面図である。
【図18】同上装置を示す平面図である。
【図19】同上装置を示す開扉連動開始状態の平面図で
ある。
【図20】同上装置を示す閉扉連動開始状態を示す平面
図である。
【符号の説明】
1 扉対 2 扉対 1a 扉 2a 扉 3 走行体 7 一対のアーム 8 一対のアーム 7a アームの基端 8a アームの基端 11 一対のリンク 12 一対のリンク 14 一対のソケット 15 一対のソケット 20 連動アーム 21 連動用ピン 22 連動用ピン 23 スライド孔 24 スライド孔

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の扉が折り畳み自在に枢着されてい
    る複数の扉対を備え、隣接した各2つの扉対を一体的に
    連動開閉可能なるよう共通の走行体に連結する連動折り
    戸用センターヒンジであって、前端を開口して中空に形
    成された走行体の内部にあって、その左右両側奥部に、
    平面略L形状とした一対のアームの略中間部を、また、
    これより開口部側の左右両側端近くに、一対のリンクに
    おける基端を各々回動可能なるよう対向して軸支し、当
    該左右のアーム、リンクの先端を、隣接した各2つの扉
    対における扉の対向端裏面に固定して当該扉を取り付け
    る一対のソケットにおける対向端に各々回動可能なるよ
    う軸支し、前記一対のアームを介して、隣接した各2つ
    の扉対間において、扉の開閉力が互いに伝達可能にし
    て、かつ一方の扉対における扉の開閉力が、他方の扉対
    の扉に対し、所定の遅れを以て伝達可能となるように、
    前記一対のアームにおける両基端が当該基端と当該基端
    間に介装した連動部材の一方に突設した連動用ピンを、
    他方に設けたスライド孔に遊嵌することにより連結した
    ことを特徴とする連動折り戸用センターヒンジ。
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