JP3056990U - 建築用パネルおよびその結合構造 - Google Patents

建築用パネルおよびその結合構造

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JP3056990U JP1998006528U JP652898U JP3056990U JP 3056990 U JP3056990 U JP 3056990U JP 1998006528 U JP1998006528 U JP 1998006528U JP 652898 U JP652898 U JP 652898U JP 3056990 U JP3056990 U JP 3056990U
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晴彦 赤澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストの低減、耐久性・清浄性が高く、
少容積での安定した分解収納、容易な再組立が可能とな
る構成の建築用パネルおよびその結合構造の提供。 【解決手段】 図面は本考案のパネル11の最も特徴的
な機能である噛合積載を説明するものであり、2枚の同
じパネル11の裏面同士を重ね合わせた状態で、下方の
パネル11の手前側横木部材14部分を透視した図とな
る。この図において、上下両方のパネル11が備える縦
通部材13、13’は全て同じ幅と高さにあり、また各
パネル11において等ピッチで設置しているため幾何的
に密接な噛み合い積載が可能となって格納容積の大幅な
減少が可能となる。またパネルを複数並置結合させる場
合にパネル自体を損傷させることなく容易かつ確実にパ
ネル間の平面度を確保および結合が可能となる。また特
に材質として溶融・再形成により再生産可能なオレフィ
ン系プラスチック材料を使用する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の技術分野】
本考案は簡易プレハブ建築物において主に内装床部材として使用する建築用パ ネルおよびその結合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より簡易プレハブ建築棟等における内装床部材として図7に示すような木 製の床パネル1が使用されている。これは平坦に張り渡らせたプレハブ鉄骨材の 上に敷き詰めて床面を構成するものである。
【0003】 そしてこの床パネル1の構成としては1枚の長方形の合板にあるパネル平板本 体2の裏面上の長手方向の両側位置およびその間で等間隔に縦通部材3を並設し 、さらに長方形板の長手方向の各端側面においてそれら複数の縦通部材3の端に 対して横木部材4が横設し、そして各縦通部材3および各横木部材4は全て同じ 高さにあるため、パネル1の外郭は高さの低い(平板に近い)直方体の形態にあ る。
【0004】 これら複数の縦通部材3で長手方向に、また横木部材4で横方向に強度補強を 行い、そして各部材間を強固に接合することにより全体的なねじりに対して強度 の高い構成となる。
【0005】 そして従来よりこの構成にあるパネル1の材質には主に木材が使用され、製造 工場での切り出し、釘打ち、表面仕上げ等の工程を経て全ての組立が行われた完 成品として出荷されるものであった。またこの組立は全ての組立箇所において分 解・再組立のできない固定構成にあり、一旦完成したものは格納、輸送、使用を 通して最後に廃棄処分するまでの間ずっと同じ形状、構造を維持するものである 。
【0006】 また上記パネル1の実際の設置において、下地床面を形成するプレハブ鉄骨材 の梁平面上には通常いくらかの凹凸が形成し厳密な平面とはなり得ないため、そ の上に単に敷き詰めただけの複数パネルの上平面間には必然的に高低差(ギャッ プ)が生じることになる。
【0007】 そしてその上に木質合板やステンレスからなる化粧板またはビニール・シート 等を覆うように敷いた場合でも凹凸が残って充分な平面度が得られないばかりか 、パネル間の結合部付近における不安定なガタツキおよびパネル間の離間を招く 結果となっていた。それに対して従来では木質のパネルを並べて敷き詰める時点 で手作業によりパネル間の高さを合わせた状態で結合部間を斜めに差し渡すよう に釘打ちし、パネル間の平面度の確保および結合を行うといった方法が取られて いた。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
そして上記従来使用されている木製の床パネルは湿度や温度変化に弱く耐久性 が低くいため破損しやすく、ライフサイクルが短いものとなっていた。そのため 木材資源の多大なる消費による地球環境・資源の破壊の問題が懸念されると同時 に、経済面においても木製の床パネルは材料費が高く、加工工程が多いことから 製造コストが高くなるといった問題があった。
【0009】 またこの建築用パネルはその構成上および利用性質上からその容積が大きくま た使用数が膨大であるため単純に全部の板を積載して格納した場合にはその格納 容積もまた膨大なものとなり、そのため倉庫において多大な保管料を必要とし、 また輸送効率の低下をも招く原因となっていた。
【0010】 しかし前述のように、従来のパネルは工場製造時において釘打ち等により強固 に部材間の接続固定が行われるため分解・再組立が容易な構成になく、そのため 格納・輸送効率のために分解し、設置現場で再組立を行うことは困難となってい た。
【0011】 また前記従来の釘打ち結合によって平面度の確保およびパネル間の結合を行い 、その後の分解・再使用を繰り返した場合、パネル周縁部の損傷は甚大なものと なり、パネル自体の短命化を招く結果となっていた。
【0012】 従って以上の問題点に鑑み、本考案は材質をプラスチックとすることで製造工 程(一体射出形成)を簡便とし、またそれにより製造コストの低減が可能かつ資 源再利用による再生産が可能であり、また耐水性、洗浄性に優れていることで耐 久性、清浄性が高く、また脱着可能部材を構成することで格納・輸送時における 少容積での安定した分解収納、および設置現場での容易な再組立が可能となる構 成と、そして該建築用パネルを複数設置する場合にパネル自体を損傷させること なく容易かつ確実にパネル間の平面度の確保および結合が可能となる結合構造と を備える建築用パネルと周辺付属部材の提供を課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本考案は以上の課題を解決するために以下のように構成される。
【0014】 まず本考案によれば主に簡易プレハブ建築棟に床部材として使用される建築用 パネルを資源再利用による再生産可能なプラスチックを材質として以下のように 構成する。
【0015】 長方形にあるパネル平板本体の裏面上で、対向する2側辺と平行かつ等間隔に 複数の同じ幅と高さの縦通部材が一体に並設し、該パネル本体平板の他の対向2 側辺と平行で、該複数の縦通部材と同じ高さの2本の横木部材がそれぞれ該複数 の縦通部材の各両端に横設し、該2本の横木部材のうち少なくとも一方が着脱可 能な構成にあるよう構成される。
【0016】 このように構成することにより、積載格納する場合において、一方の横木部材 を取り外した2枚の建築用パネルの裏面同士で縦通部材間を相互に噛合させるよ うに重ねることで、外容積を大幅に削減した格納形態にでき、格段に効率のよい 収納が可能となる。
【0017】 また前記横木部材が横設する縦通部材の当接部がその下方自由端において横木 部材当接方向に突設するカギ形状にあり、前記横木部材の縦通部材当接部におい て、該カギ形状部を嵌合する溝部を形成するよう構成される。
【0018】 これにより上記噛合積載のためにパネル1枚につき少なくとも片方取り外す必 要のある横木部材の容易かつ確実な分解・再組み立てが可能となる。
【0019】 また前記パネル平板本体の長手方向に直交する方向にピンを挿通することで該 パネル平板本体と横木部材を結合するよう構成される。
【0020】 これにより横木部材のパネル長手方向に対するより確実な接続固定が可能とな る。
【0021】 また前記パネル平板本体裏面上で前記縦通部材の接合部から両側方向へ前記縦 通部材の幅分だけ離れた位置で平行に爪状の突起を形成するよう構成される。
【0022】 これによりパネルの噛合積載時における幅方向の横滑りを防ぎ安定した積載を 可能にする。
【0023】 また本考案によれば上記建築用パネルを複数並置結合させる際に各パネル間の 水平方向の結合を行うための結合構造を以下のように構成する。
【0024】 該複数枚の建築用パネルの各角部の先端が一致した状態で、各パネルの上面に 対し下方に嵌入を行う嵌入部分と該嵌入部分を建築用パネルの枚数と同数だけ水 平方向に結合する平板部分とで構成する結合部材と、該結合部材の嵌入部分が嵌 入可能にあり、該嵌入部分周囲の平板部分を嵌合可能にある平板嵌合部を上面角 部に設ける構成にある建築用パネルとで構成する。
【0025】 これにより、パネル自体を損傷させることなく容易かつ確実なパネル間の結合 が可能となる。
【0026】 またこの結合構成のより具体的なものとして、結合部材を以下のように構成す る。
【0027】 前記嵌入部分が平板を垂直に結合した断面T字形状にあり、前記平板部分が該 嵌入部分の断面T字形状下端の延長部分で嵌入するパネル上面に対して垂直に交 わる構成とする。
【0028】 また他に前記嵌入部分が柱形状にあり、前記平板部分が該嵌入部分の上端をそ の先端に接合する略矩形形状の平板で、その他端同士でパネル上面に対し平行に 接合する構成とする。
【0029】 また他に前記嵌入部分が嵌入するパネル上面に対して垂直に嵌入する略矩形形 状の平板形状にあり、前記平板部分が該嵌入部分の上端をその先端に接合する略 矩形形状の平板で、その他端同士でパネル上面に対し平行に接合する構成とする 。
【0030】 また本考案によれば上記建築用パネルを複数並置結合させる際に各パネル間の 上平面の高さを合わせるための結合構造を以下のように構成する。
【0031】 最大長がパネル両側方の縦通部材および横木部材の幅の2倍以内にある平板形 状のレベルプレートと、外方側面上に該レベルプレートの半分を水平に嵌挿可能 にある溝が刻設するパネル側方縦通部材とで構成する。
【0032】 また他にパネル側方縦通部材の接合面間が相互に嵌合可能な凹凸形状に構成す る。
【0033】 これにより、パネル自体を損傷させることなく容易かつ確実なパネル間の平面 度の確保が可能となる。
【0034】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0035】 まず図1は、本考案の第1の実施形態にある建築用パネルの単体の外観斜視図 であり、手前の横木部材が取り外され、裏面の外形を透視した図となる。
【0036】 この図において、パネル11の表面を構成するパネル平板本体12の裏面には 長手方向に対する両側辺上、およびその間の等間隔位置2箇所で、高さ、幅とも に同じ縦通部材13、13’が、またパネル11裏面の図中奥側の辺上には該縦 通部材13、13’と同じ高さにある横木部材14がパネル平板本体12と一体 に並設している。
【0037】 また一方、パネル11裏面の図中手前側の辺上にはパネル平板本体12と両側 方の縦通部材13に囲まれて横木部材14全体が嵌合するよう、中2箇所の縦通 部材13’が他の両側方の縦通部材13よりも横木部材14の厚さ分だけ短く引 き込んでおり、さらにそれらの横木部材14との当接部がその下方自由端におい て横木部材14当接方向に突設するカギ形状15にあり、それに合わせて横木部 材14の縦通部材13当接部にはそのカギ形状部15を嵌合する溝部16を形成 する構成となっている。ここでこの縦通部材13’のカギ形状部15およびそれ に嵌合する横木部材14の溝部16は、横木部材14の下方への抜けを防止する ための構成であり、他にも両側方の縦通部材13内面と横木部材14の側面にセ レーション(噛み合い溝)を設ける構成も有効である。
【0038】 次に図2は以上のように構成した本考案のパネル11の最も特徴的な機能であ る噛合積載を説明する図であり、上記構成にある2枚の同じパネル11の裏面同 士を重ね合わせた形態にあり、下方のパネル11の手前側横木部材14部分を透 視した図となる。
【0039】 この図において、上下両方のパネル11が備える縦通部材13、13’は全て 同じ幅と高さにあり、また各パネル11において等ピッチで設置しているため幾 何的に密接な噛み合い積載が可能となる。
【0040】 ここで、従来の構成にあるパネル11の2枚1組での単純な積載ではその高さ は丁度パネル2枚分の高さであったところ、本考案によるパネル11の上記2枚 組の噛合積載にあっては、その高さは1枚分にパネル平板本体12の厚さを加え ただけのものとなり、高さの減少、ひいては格納容積の大幅な減少が可能な構成 となる。
【0041】 そしてこのためには噛合積載前に上方のパネル11の手前側の横木部材14と 、下方のパネルの奥側の横木部材14を外して相互に開放端同士を重ねるように することで縦通部材13、13’との接触をなくす構成にする必要がある。
【0042】 従来の構成にあるパネル11のままでは前述したように外郭が平坦な直方体に あるため裏面同士を重ね合わせても少なくとも縦通部材13、13’と横木部材 14との接触干渉が起こり、このような噛み合いによる重合積載ができず、また 各部材間が釘打ち等で強固に結合されているため分解・再組み立てが困難となっ ていた。
【0043】 そして本実施形態のパネル11の各部材の材質をプラスチック、特に弾性を有 する樹脂とすることにより上記横木部材の脱着が容易かつ確実となる。
【0044】 以上により例えば設置現場へ輸送した後での設置作業前の再組立において、1 枚のパネルにつき(上記)横木部材14の1箇所を取り付けるだけで設置使用に 十分な強度構造のパネルを再構成することが可能であり、何ら設置作業効率を損 なうことのない簡便な変形機能を備える構成となる なお本考案の建築用パネル11の大きな特徴(効果)としては材料がプラスチ ックからなり、横木部材を取り付ける前の状態では、ほぼ長手方向に連続した形 状にあるため工場での製造において、プラスチックの射出形成によって素早く一 体に成型した本体に細部の加工を行うだけでよく、前述したような幾つもの工程 を経て作った建築用パネルと比較して生産効率が飛躍的に向上し、またそれに伴 い生産コストの大幅な削減が可能となる。
【0045】 また上記再組立の際、例えば図3に示すような抜け止め用のピン17を取り付 けることでパネル11長手方向に対するより確実な接続固定が可能となる。また のピン17の材質は本体と同じプラスチックでも、金属でもよい。
【0046】 さらに側面図4に示すようにパネル平板本体12の裏面上において各縦通部材 13、13’の両側方の設置位置から縦通部材13、13’の幅だけ離間した位 置に爪状の突起18を形成することでパネル噛合積載時における横滑りを防ぐよ うにする構成も有効である。またこの爪状の突起18はパネル11全体の横滑り を防ぐだけの強度を有していればパネル長手方向に連続する構成に限らず、断続 する構成にあってもよい。
【0047】 そして以下に本考案によるパネル間の結合構造を図面を参照しながら説明する 。
【0048】 まず図5(a)、(b)はパネル間の並置結合に使用する結合部材19、19 ’の外観斜視図である。
【0049】 図5(a)に示すものは4枚のパネルを並置結合する際に各直角角部を同時に 固定結合する結合部材であり、構成としてはステンレス製の平板を円A内に示す ように垂直に接合して断面T字形状に形成した嵌入部分20を4つそれぞれの下 端が相互に直交するよう接合し、全体の高さは建築用パネル11の高さ(縦通部 材13および横木14の高さ)よりも若干低いものとなる。
【0050】 次に図6は本考案のパネル結合構造によって4枚のパネル11a、b、c、d がそれら角部先端を一致させて並置結合する構成を説明する全体斜視図である。
【0051】 この図において、各パネル平板本体の角部上平面には上記結合部材中の断面T 字形状の嵌入部分20をその下端がパネル角部の先端と一致してパネル平板本体 12の平面上から下方垂直に嵌挿可能となるように同じT字形状の溝21が刻設 している構成にある。
【0052】 そしてこの溝21の深さは上記結合部材19、19’の高さとほぼ同じにあり 、結合部材19、19’を最後まで嵌挿した場合には結合部材19、19’の上 端がパネル11内に収まる状態となりパネル角部の上平面には突出のない平面度 が確保される。
【0053】 また各パネル11a、b、c、dの縦通部材13’側面上および横木14側面 上には後述するレベルプレート嵌挿用の溝22が刻設しており、それらの配置は 各パネル間において並置結合した状態でそれぞれ対応一致し、特に同じ高さ位置 となる配置にあり、また対応する両方の溝は一致した時点において合わせた形状 ・容積が嵌入するレベルプレート23(図中では四角平板形状)全体とほぼ一致 し、密接な嵌入を可能とする構成にある。
【0054】 そして上記結合構造により4枚のパネル11a、b、c、dの各角部先端を一 致させて並置結合する形態を図6を参照して説明する。
【0055】 まず各パネル側面上の嵌挿溝22にパネル間の上平面の高さを合わせるための レベルプレート23を嵌挿して4枚のパネル11a、b、c、dを並置結合させ る。図中においてはレベルプレート23は四角形の平板形状にあり、また材質が ステンレス製で充分なせん断強度を備える厚さにある。
【0056】 このレベルプレートの嵌入により、凹凸のある鉄骨材梁平面上に建築用パネル を敷き詰めた場合で従来問題となっていた角部の浮き上がりおよびガタツキをパ ネル自体の損傷を招く釘打ちによらずに防ぐことができ、平面度の高い床面を容 易かつ確実に構成することが可能となる。
【0057】 このレベルプレート23の嵌入により、凹凸のある鉄骨材梁平面上に建築用パ ネル11を敷き詰めた場合に従来問題となっていた角部の浮き上がりおよびガタ ツキをパネル自体の損傷を招く釘打ちによらずに防ぐことができ、平面度の高い 床面を容易かつ確実に構成することが可能となる。
【0058】 また該レベルプレート23は図示するような四角形の平板に限定せず嵌入の容 易さを考慮して円形平板の形態とすることも可能であり、同様に結合するパネル の大きさや必要とする強度に応じて大きさ、厚さ、形状、数量などが適宜変更し て構成される。
【0059】 またレベルプレート23の嵌入を安定させるために嵌挿溝22の深さは縦通部 材13’の幅よりも浅い、つまり嵌入溝22は縦通部材13’を貫通させること のないよう刻設することが望ましい。
【0060】 次に4枚のパネル11a、b、c、dが各角部の先端を一致させて並置した状 態において、各角部上平面に刻設したT字型の嵌挿溝21はそれぞれの下端を一 致させて相互に直交した形態となり、上記結合部材19全体の断面形状とほぼ一 致する。
【0061】 そしてこの状態に組み合わされた嵌挿溝に上記結合部材19を下方垂直に嵌挿 させることで4枚のパネル11a、b、c、d全部に対して結合部材19が確実 に結合拘束する構成となる。
【0062】 そしてこの際に結合部材19を最後まで嵌挿させることで結合部材19全体が パネル11内部に収まり上平面上に結合部材19の上端が突出することがなくな るため構成する床面上の平面度が確保されることになる。
【0063】 また同図に示すような4枚のパネル11a、b、c、dを並置するのではなく 、2枚のパネルを縦または横方向に並置して結合する際には図5(b)に示すよ うな断面T字形状の嵌入部分20を2つだけ直交して接合した構成の結合部材1 9’を用いる。これにより余分な嵌入部分20を突出させずに側面を平坦に構成 できるため並置面積の省スペース化が図れる。
【0064】 また結合部材19中の嵌入部分20は上記にあるような断面T字形状に限定せ ず他にも水平方向への抜けを防止する構成にあればよく、例えば図7に示すよう に嵌入部分が垂直に伸びる細い円柱形状部材24aのみにあり、その各嵌入部分 24aの上端に接合する平板が略矩形形状にあって該接合部の他端同士が一平面 上に十字型で一体に接合し結合平板24bとする構成や、 また例えば図8に示すように嵌入部分が垂直に伸びる略矩形形状の平板25a にあり、その各嵌入部分25aの上端に接合する平板が略矩形形状にあって該接 合部の他端同士が相互に一平面上に十字型で一体に接合し結合平板25bとする 構成とすることも可能であり、そして対応する各パネル上面は上記各嵌入部分を 嵌入しまた接続する結合平板をパネル上平面内に嵌合することが可能なように構 成される。
【0065】 また以上の構成に使用する結合部材19、19’またはレベルプレート23の 材質は上述のステンレス製に限定せず、充分な引っ張り強度またはせん断強度を 有する材質であれば他にも鋳鉄やFRPなどの材質でも構成可能となる。
【0066】 また上記並置結合する建築用パネル部材間の上平面の高さを合わせるための構 成として上述のレベルプレート23を用いる構成以外にも図9に示す接合するパ ネル側面(側方縦通部材13’および横木部材14)間が相互に嵌合可能な凹凸 形状に形成した構成26、27も可能である。
【0067】 この場合全て同じ形状構成で複数の並置結合を可能にするよう、対向する1組 のパネル側面同士、つまり側方縦通部材13’同士および横木14同士がそれぞ れ凹形状26と凸形状27を組み合わせた対とし、それらの配置関係を全てのパ ネルにおいて統一するものとする。
【0068】 このような構成とした場合は、前述のレベルプレート23を用いる場合と違い 建築用パネル自体のみの使用となり、使用現場での設置に際して別部品を用意す る必要がなく取り扱いが容易かつ確実なパネル間の結合構成となる。
【0069】 また上記本校案による建築用パネルの材質となるプラスチック材料としては特 に溶融・再成型によって再生産の可能なオレフィン系のプラスチック材料を用い ることが望ましい。このことにより膨大な量に及ぶパネル用資源の安定確保およ び製造コストの削減、ひいてはリサイクル思想に基づく自然環境保護に繋がるも のとなる。
【0070】
【考案の効果】
以上説明した通り本考案によれば、材質をプラスチックとすることで製造工程 (一体射出形成)を簡便とし、また耐水性、洗浄性に優れていることから高い耐 久性、清浄性が得られるため長期間の使用による使用コストの低減が可能であり 、また脱着可能部材を構成することで格納・輸送時における少容積での安定した 分解収納、および設置現場での容易な再組立が可能となる構成と、そして該建築 用パネルを複数設置する場合にパネル自体を損傷させることなく容易かつ確実に パネル間の平面度の確保および結合を可能とする結合構造とを備える建築用パネ ルおよび周辺付属部材の提供が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施形態にあるパネルの外観斜視
図である。
【図2】噛合積載の状態にある本考案のパネルの外観斜
視図(a)、および側面図(b)である。
【図3】本考案の第2実施形態にあるパネルの部分斜視
図である。
【図4】本考案の第3実施形態にあるパネルの側面図で
ある。
【図5】本考案のパネル結合構造に使用する第1実施形
態にある結合部材の外観斜視図(a)、(b)である。
【図6】本考案の第1実施形態のパネル結合構造によっ
て4枚のパネルがそれら角部先端を一致させて並置結合
する構成を説明する全体斜視図である。
【図7】本考案の第2実施形態のパネル結合構造によっ
て4枚のパネルがそれら角部先端を一致させて並置結合
する構成を説明する全体斜視図である。
【図8】本考案の第3実施形態のパネル結合構造によっ
て4枚のパネルがそれら角部先端を一致させて並置結合
する構成を説明する全体斜視図である。
【図9】側面結合部に設けた凹凸嵌合結合構造によって
2枚の建築用パネルを並置結合する構成を説明する全体
斜視図である。
【図10】従来の構成のパネルの一部断面切除で見た外
観斜視図である。
【符号の説明】
11a、b、c、d パネル 12 パネル平板本体 13、13’ 縦通部材 14 横木部材 15 カギ形状 16 溝部 17 抜け止めピン 18 爪状突起 19、19’ 第1実施形態にある結合部材 20 嵌入部分 21 結合部材嵌挿溝 22 レベルプレート嵌挿溝 23 レベルプレート 24 第2実施形態にある結合部材 25 第3実施形態にある結合部材 24a、25a 嵌入部分 24b、25b 結合平板 26 側面結合凹部 27 側面結合凸部

Claims (10)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長方形にあるパネル平板本体の裏面上
    で、対向する2側辺と平行かつ等間隔に複数の同じ幅と
    高さの縦通部材が一体に並設し、 該パネル平板本体の他の対向2側辺と平行で、該複数の
    縦通部材と同じ高さの2本の横木部材がそれぞれ該複数
    の縦通部材の各両端に横設し、 該2本の横木部材のうち少なくとも一方が着脱可能な構
    成にあることを特徴とする建築用パネル。
  2. 【請求項2】 前記横木部材が横設する縦通部材の当接
    部がその下方自由端において横木部材当接方向に突設す
    るカギ形状にあり、 前記横木部材の縦通部材当接部において、該カギ形状部
    を嵌合する溝部を形成していることを特徴とする請求項
    1記載の建築用パネル。
  3. 【請求項3】 前記パネル平板本体の長手方向と直交す
    る方向にピンを挿通することで該パネル平板本体と横木
    部材を結合するよう構成することを特徴とする請求項1
    または2記載の建築用パネル。
  4. 【請求項4】 前記パネル平板本体裏面上で前記縦通部
    材の各接合部から両側方向へ前記縦通部材の幅分だけ離
    れた位置で平行に爪状の突起を形成することを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれか記載の建築用パネル。
  5. 【請求項5】 前記請求項1記載の建築用パネルを複数
    並置結合させる際に各パネル間の水平方向の結合を行う
    ための結合構造において、 該複数枚の建築用パネルの各角部の先端が一致した状態
    で、各パネルの上面に対し下方に嵌入を行う嵌入部分と
    該嵌入部分を建築用パネルの枚数と同数だけ水平方向に
    結合する平板部分とで構成する結合部材と、 該結合部材の嵌入部分が嵌入可能にあり、該嵌入部分周
    囲の平板部分を嵌合可能にある平板嵌合部を上面角部に
    設ける構成にある建築用パネルと、 で構成することを特徴とする建築用パネルの結合構造。
  6. 【請求項6】 前記嵌入部分が平板を垂直に結合した断
    面T字形状にあり、 前記平板部分が該嵌入部分の断面T字形状下端の延長部
    分で嵌入するパネル上面に対して垂直に交わる構成にあ
    ることを特徴とする請求項5記載の建築用パネルの結合
    構造。
  7. 【請求項7】 前記嵌入部分が柱形状にあり、 前記平板部分が該嵌入部分の上端をその先端に接合する
    略矩形形状の平板で、その他端同士でパネル上面に対し
    平行に接合する構成にあることを特徴とする請求項5記
    載の建築用パネルの結合構造。
  8. 【請求項8】 前記嵌入部分が嵌入するパネル上面に対
    して垂直に嵌入する略矩形形状の平板形状にあり、 前記平板部分が該嵌入部分の上端をその先端に接合する
    略矩形形状の平板で、その他端同士でパネル上面に対し
    平行に接合する構成にあることを特徴とする請求項5記
    載の建築用パネルの結合構造。
  9. 【請求項9】 前記請求項1記載の建築用パネルを複数
    並置結合させる際に各パネル間の上平面の高さを合わせ
    るための結合構造において、 平板形状にあるレベルプレートと、 外方側面上に該レベルプレートの半分を水平に嵌挿可能
    にある溝が刻設するパネル側方縦通部材と、 で構成することを特徴とする建築用パネル結合構造。
  10. 【請求項10】 前記請求項1記載の建築用パネルを複
    数並置結合させる際に各パネル間の上平面の高さを合わ
    せるための結合構造において、 パネル側方縦通部材の接合面間が相互に嵌合可能な凹凸
    形状にあることを特徴とする建築用パネル結合構造。
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