JP3056758B2 - グリコシル化インターロイキン‐2含有医薬 - Google Patents

グリコシル化インターロイキン‐2含有医薬

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JP3056758B2 JP1511654A JP51165489A JP3056758B2 JP 3056758 B2 JP3056758 B2 JP 3056758B2 JP 1511654 A JP1511654 A JP 1511654A JP 51165489 A JP51165489 A JP 51165489A JP 3056758 B2 JP3056758 B2 JP 3056758B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規なグリコシル化インターロイキン−2、
蛋白生産組換えCHOの培養上清からのこれを単離する方
法およびグリコシル化インターロイキン−2を含む新規
医薬に関する。
インターロイキン−2(以下、単にIL−2という場合
がある)は抗体またはマイトジェン化合物による活性化
に応答して主に哺乳動物のTリンパ球により分泌される
リンホカインである。これは免疫応答に関与する種々の
細胞の増殖および分化およびその他の細胞に作用するこ
とによって主な機能を果す(R.J.ログ、イミノロジー・
ツデイ(Immnol.Today)第5巻第203-209頁(1984
年)。
人由来グリコシル化インターロイキン−2は詳細に研
究されて来た。これは133個のアミノ酸を含み、トレオ
ニンの3位に少糖類構造を有する蛋白質の形で生産され
る(H.S.コンラドら、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ
・バイオケミストリー(Eur.J.Biochem.)第153巻第255
-261頁(1986年))。Tリンパ球はこれを最初は153個
のアミノ酸を含む前駆体の形で合成し、小胞体の段階で
20個のアミノ酸のシグナルペプチドを切断した後、ゴル
ジ装置中でグリコシル化された133個のアミノ酸を有す
る蛋白質の形で分泌する(成熟グリコシル化蛋白質)。
末梢リンパ球またはジュルカット系などのリンパ芽球
系のいずれからも不十分な量のインターロイキン−2し
か得られないことを考えると、真核および原核細胞のい
ずれの場合にも外来宿主中の蛋白質遺伝子を発現し得る
ことから、遺伝子組換え技術が期待し得る。すなわち、
インターロイキン−2遺伝子は成功裏にクローン化さ
れ、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)バクテリ
アおよび種々の真核細胞、さらに、具体的にはCOSサル
細胞およびCHO・チャイニーズ・ハムスター・卵巣細胞
中で発現する。
最近、発明者らは組換えCHO細胞から、インターロイ
キン−2を製造し、主としてグリコシル化インターロイ
キン−2の形で得られる蛋白質を高収率でもたらす方法
を開発した(出願EP−A−307285号参照およびP.フェラ
ら、フェブス・レターズ(Febsletters)第226巻(1)
第47-52頁(1987年)参照)。そこで、グリコシル化イ
ンターロイキン−2を多量に分離する研究を行った。
培養上清から出発する医薬用蛋白質の単離および精製
には困難な問題がある。生成系に含まれる、特に、単離
された蛋白質に主成分として存在し、粗悪化し、生産株
を汚染する蛋白質、核酸、エンドトキシン、ウイルスな
どの汚染物を除去する必要がある。蛋白質が変性しない
ように注意し、その活性を維持し、患者の免疫反応に妨
害を惹起しないようにしなければならない。さらに、工
業的規模の生産では、好ましくは蛋白質の分離方法とし
てイムノアフィニティーのような困難な技術を用いるべ
きでなく、培養培地中の蛋白質に対して単離蛋白質を高
収率で得ることを確実にすべきである。
天然および組換インターロイキン−2の精製方法はす
でに報告されている。例えばK.カトクは活性化末梢リン
パ球の培養物から生産されたインターロイキン−2の精
製方法を報告しており、この方法は連続的なつぎのよう
な工程を含む:カチオン交換クロマトグラフィー、アニ
オン交換クロマトグラフィー、排除クロマトグラフィー
および逆相HPLCクロマトグラフィーである(K.カトク、
バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ
・コミュニケーションズ(Biochem and Biophys commu
n)第127巻(1)第182−190頁(1985年))。M.P.ウェ
イル(ウェイル、M.P.ジャーナル・オブ・クロマトグラ
フィー(J.of Chromatography)第396巻第209-215頁(1
987年))はエシェリキア・コリ(E.coli)から誘導さ
れた組換インターロイキン−2の抽出および精製方法を
開示しており、この方法は次のような工程を含む:音波
処理による細胞融解、ブタノールによる抽出、ジチオス
レイトール存在下で8M塩化グアニジン中へのインターロ
イキン−2凝集物の溶解、排除クロマトグラフィー、硫
酸銅存在下塩化グアニジン稀釈による蛋白質の再生、カ
チオン交換クロマトグラフィーおよび逆相HPLCクロマト
グラフィーである。
これらの方法は逆相HPLCクロマトグラフィーの工程を
含み、この方法は分子の疎水性により高い精製度が得ら
れるが、酸性pHおよび有機溶媒の使用が不可欠であり、
これはインターロイキン−2を変性させ得る過酷な条件
である。これらの方法では上述の規準を満足させる方法
でCHO細胞の培養上清中に存在するグリコシル化インタ
ーロイキン−2を精製することはできない。
今回、驚くべきことに、組換えCHO細胞の上清から出
発して単純かつ大規模生産に使用し得る方法により、特
に有益な医薬的性質を有するグリコシル化インターロイ
キン−2を単離することが可能であることが判明した。
この方法は次のような工程を含む:上清からのインター
ロイキン−2が主体をなすフラクションの分離、カチオ
ン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグ
ラフィーおよび排除クロマトグラフィーである。本発明
は従って、下記の工程を含む方法による組換えCHO細胞
の培養物の上清から得られるグリコシル化インターロイ
キン−2に関する。
a)培養上清からのインターロイキン−2が主体をなす
フラクションの単離 b)カチオン交換クロマトグラフィー c)疎水性相互作用クロマトグラフィー d)排除クロマトグラフィー このグリコシル化インターロイキン−2は15×106U/m
gより大のCTLL−2活性を有し、天然のインターロイキ
ン2(約20×106U/mg)のCTLL−2活性に近い。pH6.5の
水溶液に溶解したグリコシル化インターロイキン−2を
凍結乾燥し、直ぐに凍結物を解凍した後、解凍液は生理
学的pHでは澄明であり、初めのCTLL−2活性の少なくと
も80%を有する。
好ましくは組換CHO細胞はインターロイキン−2の前
駆体およびDHFRの発現ベクターによる形質転換によるDX
B11株から誘導されたCHOdhfr細胞であることが好まし
い。この場合、好ましい発現ベクターはプラスミドpSV7
26を特徴を有するプラスミドである。組換えCHO細胞は
好ましくは低蛋白人工培地中で培養する。培地は、何ら
不利益なく、組換えCHO細胞からインターロイキン−2
の産生を特に増加する化合物、ポリビニルピロリドンを
含むことができる。
本発明はまた、組換えCHO細胞の培養上清からグリコ
シル化インターロイキン−2を分離する新規方法に関す
るもので、それは下記工程よりなることを特徴とする。
a)培養上清からのインターロイキン−2に富むフラク
ションの分離 b)カチオン交換クロマトグラフィー c)疎水性相互反応クロマトグラフィー及び d)排除クロマトグラフィー 組換えCHO細胞は、当業者によく知られた適当な培
地、好ましくは蛋白の少ない人工培地、例えば総蛋白約
4mg/mlを含む培地で培養する。培地は好ましくはポリビ
ニルピロリドンを含む。
インターロイキン−2に富むフラクションは、より有
利には、蛋白を透過しうる膜1とこれを保持する膜2と
の間の二重濾過により培養上清から分離される。膜1
は、例えばミクロ濾過又は限外濾過膜である。膜2は限
外濾過膜である。好ましくは、膜1は、ストップ閾値30
kDa以上、より詳しくは50と150kDaの間を有し、膜2
は、ストップ閾値10kDa以下、好ましくは5と10kDaの間
を有する。膜1と膜2は、好ましくは酢酸セルロース及
びポリスルホンから製造される。
カチオン交換工程は、好ましくはpH4.5と6.5の間、よ
り具体的には5.2と5.7の間の範囲で、親水性ポリマー、
例えば、所望により架橋結合したアガロース、又はポリ
アクリルアミド又は親水性ビニルポリマー、又は親水性
ポリマーで被覆されたシリカ、を基礎とする硬質又は半
硬質ゲルよりなるクロマトグラフィー支持体で、置換基
が支持体に強カチオン交換性を付与するようグラフト化
されたもので実施される。スルホプロピル(SP)はこの
種の好ましい基である。
カチオン交換クロマトグラフィー工程は、好ましくは
アニオン交換クロマトグラフィー工程が予め行われる。
この場合、アニオン交換工程は、好ましくはpH5.5と
8.5の間、より具体的には6.5と8.2の間の範囲で、親水
性ポリマー、例えば架橋結合アガロース、又はポリアク
リルアミド又は親水性ビニルポリマー、又は親水性ポリ
マーで被覆されたシリカを基礎とする硬質又は半硬質ゲ
ルよりなるクロマトグラフィー支持体で、置換基が支持
体に弱アニオン交換性を付与するようグラフト化された
もので実施される。エチルアミノエチル(DEAE)はこの
種の好ましい基である。
好ましくは、疎水性相互反応工程は、pH4.5と8.0の
間、より具体的には6.0と8.0の間の範囲で、カオトロピ
ック試薬又は有機溶媒又はpH4.5以下又は8.0以上を有す
る水性溶媒を添加することなく、グリコシル化IL−2の
脱離用クロマドグラフィー支持体上で行われる。かかる
支持体の例は、親水性ポリマー、例えば架橋結合アガロ
ース、又は親水性ビニルポリマー、又は親水性ポリマー
で被覆されたシリカを基礎とするゲルである。ブチル、
フェニル又はプロピル基が支持体にグラフト化される。
排除クロマトグラフィー工程は、好ましくはpH5.0と
8.0の間、より詳ししくは6.0と7.0の間の範囲で、1と2
50kDaの間の分別範囲を有する支持体で実施される。支
持体は、好ましくははアクリルアミドと架橋結合したデ
キストリンを基礎としたもの又はアガロースを基礎とし
たものである。
前記の方法により分離されたグリコシル化インターロ
イキン−2は、他の精製組換えインターロイキン−2、
さらに具体的にはエシェリキア・コリ(E.coli)から誘
導されたものに比べて薬物の有効物質としての使用に非
常に適した性質、即ち、改良された抗腫瘍活性、すぐれ
た免疫促進性質、大きく低下した毒性、少ない免疫原
性、有毒溶解剤を添加したり分子を化学的に修飾するこ
となく、水性溶媒中生理的pHでの溶解性及び製薬上許容
されうる処方での凍結乾燥後のすぐれた安定性などであ
る。
それゆえ、本発明はまた、有効成分が先に定義したグ
リコシル化インターロイキン−2である医薬に関する。
本物質は、それ自体だけで又は他の有効物質、例えば他
のサイトカイン、例えばインターロイキン−1、インタ
ーロイキン−4、α−インターフェロン、γ−インター
フェロン又はTNF、又は抗腫瘍剤例えば酢酸フラボン又
はシクロホスファミド又は抗有系分裂剤又は免疫調節剤
例えばサイクロスポリン又はBCQ、又は抗体又は胸腺ホ
ルモンと共に使用できる。
IL−2の全ての既知又は将来の応用において、又、他
の有効物質との併用において、本発明によるグリコシル
化IL−2は、エシェリキア・コリ(E.coli)から誘導さ
れたIL−2に有利な代替品足り得るものである。
これらの応用は下記のものを含む。
− 種々の症状、例えば癌、先天的又は後発的免疫不
全、免疫異常(さらに自己免疫及び炎症疾患)及び伝染
性疾患(とりわけ、微生物及び寄生のウイルス感染)の
処置、 − 前述の症状、さらに具体的には感染疾患の予防処
置、及び − ワクチン接種(アジュバントとしてのIL−2の使
用) グリコシル化IL−2及び他の有効物質とグリコシル化
IL−2との併用、神経節又は他の免疫関与器官への注射
(静脈内用ボーラス、潅流で、皮下、腹腔内又は局所、
例えば腫瘍に)により、又は別法として、患者からある
いはドナーから採取された細胞にインビトロでの作用に
よって治療に用いることができる。
本発明は下記の実施例からより容易に理解しうるが、
これらは単なる例示の手段に過ぎない。
実施例1 インターロイキン−2の前駆体及びDHFRを
発現するベクターの構築:プラスミド pSV720及びpSV7
26プラスミドの構築は、なかんづく、既存のベクターか
ら出発して、制限酵素を用いてDNAフラグメントの分
離、オリゴヌクレオチドの化学的合成、−所望によりそ
れらの末端を修飾した後−酵素、例えばファージT4のDN
Aリガーゼを用いることによる種々のフラグメントを連
結すること、クローニング後(エシェリキア・コリ(Es
cherichia coli)での細菌の形質転換後)のプラスミド
の選択及びそれらの精製よりなる。
操作は、当業者に周知の技術を用いる。
これらの技術は、T.マリアチス等によるモレキュラー
・クローニング:ア・ラボラトリィ・マニュアル(Mole
cular cloning:a Laboratory Manual)と題する、1982
年にコールド・スプリング・ハーバー・プレス、ニュー
・ヨーク(ユー・エス・エイ)より出版された著作に記
載されている。
以下に記載されるベクターを構築するのに必要とされ
る制限酵素のセットは、とりわけニュー・イングランド
・バイオラブ(ユー・エス・エイ)より市販されてい
る。
ファージT4のDNAリガーゼはニュー・イングランド・
ヌクレアー(ユー・エス・エイ)から入手可能である。
a)プラスミドpSV720 本物質は、第1図に示され、既に記載した方法により
下記の7個のDNAフラグメントを連結したものである。
− ゲノムSV40(W.ファイアーズ(1978),ネイチャー
(nature)第273巻第113-120頁(1978年))から得られ
た342塩基対(以下、bpと称す)を含み、又、本ウイル
スの初期プロモーターを含むPvuII-HindIIIフラグメン
ト − IL−2の天然前駆体をコードし、その中で、コード
化鎖の5′末端に位置しているAGCTTCCACAATGTACAGGヌ
クレオチド配列が合成配列AGCTTCCACCATGGCTAGGにより
置換され、コドンATGを囲んでいるヌクレオチドのレベ
ルで、M.コザック((1984)ヌクレイック・アシッド・
リサーチ,12,857-872)により記載されたCCACCATGG共通
配列に対応する配列を有する、DNA配列を合んでいる504
bpのHindIII-BamHIフラグメント − マウス・アルファグロビン(Y.ニシオカおよびP.レ
ーダー(1979)セル,18,875-882)の遺伝子から得ら
れ、この遺伝子の遠位のイントロンを含む、305bpのBam
HI-BalIフラグメント − ウイルスSV40のゲノムからの、このウイルスの初期
ポリアルデニル化シグナルを含む133bpのHpal-BamHIフ
ラグメント − プラスミドpBR322(エフ・ポリバー(1977),ジー
ン,2,95−113)からの185bpのBamHI-EcoRVフラグメント − ATCCに、寄託番号37146で寄託されたプラスミドpSV
2-dhfrプラスミド(エス・スブラマリ等(1981)モレキ
ュラー・アンド・セルラー・バイオロジー1,854-864)
からの2677bpのPvuII-EcoRIフラグメント及び − プラスミドpBR322からの2295bpのEcoRI-PvuIIフラ
グメント プラスミドpSV720は、次のものを含む。
IL−2の天然前駆体を発現する単位。本単位中のプロ
モーターは、ウイルスSV40の初期プロモーター;IL−2
の前駆体に対するコードづけ配列の下流にある。単位
は、マウス・アルファグロビンの遺伝子の第2イントロ
ンを含む配列とそれに続くウイルスSV40の処理アデニル
化シグナルを含む配列を含む。及び − ahfrを発現する単位。本単位内のプロモーターは、
ウイルスSV40の初期プロモーター:DHFRのコードづけ配
列の下流にあり、この単位は、−ダブリュー・ファイア
ーズ表示法を用いると−ウイルスSV40のゲノムの位置46
93と4083におけるMdol部位の間の配列を含み、ウイルス
SV40のt抗原に対するイントロンとそれに続くウイルス
SV40の初期ポリアデニル化シグナルを含む。本単位は、
プラスミドpSV2-dhfrからのPvuII-EcoRIフラグメント中
に含まれる。
b)プラスミドpSV726 本プラスミドは、第2図に示され、以下のようにプラ
スミドpSV720から得られる。
プラスミドpSV720のHindIII-BamHI切片の上流部に位
置し、IL−2の天然前駆体の、且つ成熟IL−2の第1ア
ミノ酸の修飾シグナルペプチド(それは、コザック共通
配列に相当する配列の採用によるチロシン基の代わりに
2位にアラニン基を含む)に相当する配列を含んでいる
HindIIIとHglAI制限部位の間のDNA切片は、次いでヒト
生成ホルモンGHの天然前駆体のシグナルペプチド(以
下、hGHシグナルペプチドと称す)、および成熟IL−2
の第1アミノ酸を、その第9のヌクレオチドからコード
する合成二重鎖オリゴヌクレオチドにより置換される。
得られたプラスミドがプラスミドpSV726で、そこでHi
ndIII-BamHI切片は、hGHのシグナルペプチドを含むIL−
2の前駆体(プレカーサーps-hGH-IL−2)のコードづ
け配列を組み込む。
プラスミドpSV726は、下記のものを含む。
− プレカーサー(ps-hGH)−IL−2を発現する単位。
本単位におけるプロモーターは、ウイルスSV40の初期プ
ロモーターであり(Ps-hGH)−IL−2の前駆体に対する
コードつけ配列の下流にあり、この単位は、マウス・ア
ルファグロビンの遺伝子の第2イントロン、それに続
く,ウイルスSV40の初期ポリアデニル化シグナルを含む
配列を含む、及び − dhfrを発現する単位。本単位におけるプロモーター
は、ウイルスSV40の初期プロモーターであり;dhfrに対
するコードづけ配列の下流にあり、この単位は、−ダブ
リュー・ファイアーズ表示法を用いると−ウイルスSV40
のゲノムの位置4693と4083におけるMdol部位の間の配列
よりなり、ウイルスSV40のt抗原に対するイントロンと
それに続くウイルスSV40の初期ポリアデニル化シグナル
を含む。本単位は、プラスミドpSV2-dhfrからのPvuII-E
coRIフラグメント中に含まれる。
下記凡例は、第1及び2図に用いられる。
実施例2 インターロイキン−2を高収率に与えるセルラインすな
わちライン58-12および109-27の製造 DXB11株のCHOdhfr-細胞(ウルラウブ等、プロシーデ
ィングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・
サイエンシーズ・ユーエスエイ、第77巻、第7号、第42
16-4220頁(1980年)に開示されたCHOK1DHFR−のクロー
ン)をプラスミドpSV726またはプラスミドpSV720で移入
した。
操作方法はF.グラハムおよびA.ファン・デル・エブ
(バイロロジー、第54巻、第536-539頁(1973年))に
より開示された方法である。
細胞を10%(v/v)ウシ胎児血清、ゲンタマイシン20
μg/ml、チロシン60μg/mlおよびL−グルタミン300μg
/mlを混合したアルファ−MEM(ギブコ社)中で最初に増
殖した(この培地を以下、非選択培地と称する)。
水洗後、前日にまいた細胞を非選択培地に覆い、プラ
スミドの1種10μgをさけ精子DNAなしでりん酸カルシ
ウムの存在下加えた。この方法で製造した細胞を7時間
37℃でインキュベートした。
細胞を5%(v/v)ウシ胎児血清を含むアルファ−MEM
培地中3時間37℃で培養した。インキュベーション後、
細胞をギブコ社製最少必須培地、コード番号041-1095中
ペトリ皿あたり5.105部分に分けた。この場合、培地は
透析ギブコ社ウシ胎児血清(10%v/v)、ゲンタマイシ
ン(20μg/ml)、チロシン(50μg/ml)、L−グルタミ
ン(300μg/ml)およびL−プロリン(150μg/ml)を混
合して使用した。これらの添加物を含む培地は以下、選
択培地と称する。
こうして製造した細胞を2週間37℃でインキュベート
し、選択培地を3日ごとにとりかえた。インキュベーシ
ョン後に観察されたコロニーは全て効果的にプラスミド
を組み入れた細胞からきたものだった。これらのコロニ
ーをとり、選択培地で個々に再培養し、IL−2生産に対
する適性を確証するためIL−2型活性を測定することに
より試験した。
IL−2型活性は、IL−2マウスリンパ球Tライン依存
CTLL−2の増殖刺激試験における培養培地の生物活性で
ある(P.ベイカー等、ジャーナル・オブ・イクスペリメ
ンタル・メディシン、第149-173頁(1979年))。この
活性は以下、CTLL−2活性と称し、BRMP(バイオロジカ
ル・リサーチ・モディファイヤー・プログラム、リンフ
ォキン・リサーチ、第4巻、第193-227頁(1984年))
に定義された標準に関するユニット(以下、Uと省略)
で表現される。
最も産生力のあるコロニーは選択培地の4つの製品で
連続的に二次培養し、各製品はF.アルト等(ジャーナル
・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、第253巻、第1
357-1570頁(1978年))に開示された方法で前述の製造
より大きい濃度(0.02、0.05、0.1および0.2uM)のメト
トレキサートを有する。
こうして維持した物質は、プラスミドpSV720により形
質転換したCHO58.12ラインおよびプラスミドpSV726によ
り形質転換した109.27であり、両ラインはインターロイ
キン−2の産生力が高い。
実施例3 インターロイキン−2の高産生力ラインすなわちCHO58-
12および109-27セルラインの培養 (I)蛋白質が適度にある培養培地中でのCHO58-12ラ
インからIL-2の製造 充分な数の細胞をローラーボックス(回転フラスコ)
で増殖することにより得た後、産生発酵槽に約300000細
胞/ml接種した。
発酵条件は次の通りである。
a)潅流率をおよそ1日あたり1容量で潅流培養をす
る、 b)上清をスピンフィルターを通過後連続的に集める
(回転フィルターはアギテーターシャフトに固定)、 c)変性コラーゲンのフイルム(サイトデックスIIIR、
ファルマシア社)に覆われた架橋デキストランの小胞子
を培養する、 d)培養のpHを約7.3に調整する、 e)溶解酸素圧を30%に調整する(空気を吹込んだ後、
酸素で培地を飽和したものを100%と定義する)、 f)培養の温度を約37℃に調整する、 g)培地1と称する基礎培養培地は、主に次の混合物
(50:50)すなわちイーグルMEM(フロウ)最少必須培地
およびF12ハム(ギブコ社)栄養培地に基づく。
培地1の組成物は以下の通りである。
発酵方法は成長相および産生相と称する2つの部分で
ある。成長相の間で、ウシ胎児血清(5%)を培地に加
えた。産生相の間で、培地をFIV−1と称する、コーン
分画法によりウシ血清から単離した蛋白分画と混合し
た。培養培地には適度に蛋白を含んでいた(総蛋白/lの
400mg)。産生は少なくとも30日間続けられた。収穫物
を6℃の温度にライン中で冷却した。総蛋白濃度は500m
g/lであった。培養上清のCTLL−2活性は、40000U/ml、
すなわち約2mg/lのIL−2濃度であった(IL−2特異活
性が2×107U/mgおよびIL−2蛋白純度が0.4%に仮定す
る)。この培養上清を以下培養上清Aと称する。
(II)蛋白の少ない培地中のCHO109-27ラインからのIL
−2の製造 充分な数の細胞をローラーボックス(回転フラスコ)
で増殖することにより得た後、産生発酵槽に約300000細
胞/ml接種した。
発酵条件は次の通りである。
a)潅流率をおよそ1日あたり1容量で潅流培養をす
る、 b)上清をスピンフィルターを通過後連続的に集める、 c)変性コラーゲンのフイルムに覆われた架橋デキスト
ランの小胞子を成長させる(ファルマシア社製サイトデ
ックスIIIR)、 d)培養の温度を約37℃に調整する、 e)溶解酸素圧を100%にする、 f)培養の温度を約37℃にする、および g)基礎培養培地は前記に定義した培地1である。
発酵方法は成長相および産生相と称する2つの部分で
ある。成長相の間で、ウシ胎児血清(2.5%)を培地に
加えた。産生相の間で、血清をインスリン3mg/lおよび
培地中の唯一の蛋白であるラクトフェリン1mg/lに変え
た。
この相の場合、平均分子量が40000を有する0.5%ポリ
ビニルピロリドンをこの培地に加えた。このポリマーは
組換えCHOからIL−2の特異出力を増加し得ることが見
出された(単位時間および単位生物量あたりに分泌する
IL−2の量)。従って、培養培地は蛋白の少ない合成培
地であった(総蛋白4mg/l)。産生は少なくとも30日間
続けた。収穫物を6℃の温度でライン中で冷却した。培
養上清の総蛋白濃度は100mg/lであった。CTLL−2活性
は120000U/mlすなわち約6ml/lの濃度および6%蛋白純
度であった。培養上清を以下、培養上清Bと称する。
実施例4 CHO58-12および109-27セルラインにより分泌されたIL
−2の部分的特徴 1.IL−2の精製 IL−2を培養上清1から精製した。
最初の段階は濃縮、および上清に0.05M酢酸アンモニ
ウム、pH4.5で予じめ平衡にしたセファロースRアガロ
ースカラム(S−ファスト・フロウ−ファルマシア・フ
ァイン・ケミカル社・スウェーデン)のイオン交換クロ
マトグラフィーを付す最初の精製であった。溶出はNaCl
(モル濃度0.05M、それから0.5M)を含む0.05M酢酸アン
モニウムで実施した。CTLL−2活性を測定することによ
り生物学的活性をもつことを示す溶出した分画は、集め
られ、それらのプールを逆相カラムの高速液体クロマト
グラフィーに付した。選択した支持体はC3グラフトシリ
カゲルであった。カラム寸法は1.0×25.0cmであった。
溶出はトリフルオロ酢酸0.1%水溶液(v/v)中5−10
0%(v/v)に変化したアセトニトリル直線勾配で、80分
間流速4ml/分で実施した。
分画溶出した生物学的活性を集め、それらのプールを
カラム寸法2.1×10.0cmのC18グラフトシリカゲルで同一
溶出条件下インターアリアなしの前述と同種のクロマト
グラフィーに付した。
クロマトグラフィーで集めた生物学的活性の溶出フラ
グメントプールは、ドデシル硫酸ナトリウムの存在下ポ
リアクリルアミドで電気泳動により示されるところでは
IL−2純度が95%以上であった(ラエミ、ネイチャー、
第277巻、第680-685頁(1970年))。このプールはIL−
2を特徴づけるのに使用する材料である。
2.末端アミノ配列を決定することによるIL−2の特徴づ
け 処理試料を臭化ヘキサジメトリン(またはポリブレ
ン)フィルターの表面に置く。フィルターは、クロマト
グラフィー(アプライド・バイオシステムモデル430A)
を備えた蛋白配列装置(アメリカ合衆国アプライド・バ
イオシステム社製モデル470A)に挿入し、それぞれの分
解サイクル後、連続的にフェニルチオヒダントイン誘導
体を分析した。
この決定の結果は、アミノ酸が検出されない部位3を
除いて天然物(R.ロブ等、プロシーディングス・オブ・
ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・
イン・ユーエスエイ、第81巻、第6486-6490頁(1984
年))について発表された配列と一致した。この非検出
は部位3のオリゴ糖の存在下により説明される。
配列は最初の10個のアミノ酸の場合次のように書かれ
る。
アラニンはN末端部位で検出した唯一のラジカルであ
る。これにより、プレカーサー(ps-hGH)−IL−2は分
泌する間に適当に切断されたことが確証された。
実施例5 CHO109-27ラインの培養上清から出発する本発明の方
法によるグリコシル化インターロイキン−2の単離 この実施例および実施例7で使用する水は、ミリ−Q
型装置で精製および超濾過した脱塩水であった。
1.インターロイキン−2が豊富にある分画からの培養培
地の単離 実施例3に記載された培地Bの上清130リットルをと
り、超濾過膜を妨害する可能性のある大きな粒子を脱離
するため8μmスレショールドフィルターで前濾過し
た。
分子量が15kDa−17kDaのインターロイキン−2を分画
し、以下記載の方法を操作して、100kDaのストップ閾値
を有する第1膜および10kDaのストップ閾値を有する第
2膜の二重接線超濾過により濃縮した。第1および第2
膜は酢酸セルロースのスパイラルカートリッジ、すなわ
ち第1膜からの濾液が第2膜によって保持される材料を
供給するようにカスケード状にマウントしたアミコン社
製膜YM100およびYM10であった。
前濾過液は第1膜に供給し、まず第1に、第1膜およ
び第2膜により保持される材料を第1膜により保持され
る材料の容量が約15リットルになるまで濃縮した。次
に、保持された材料を、第1膜で保持された材料からの
IL−2を全部取り除き、第2膜で保持された材料のイオ
ン力を減少させるように超精製水80リットルで透析濾過
した(一定容量で洗浄)。次に後者の材料を1.5リット
ルに濃縮し、インターロイキン−2を、水で膜をリンス
した後回収した。生じた濃縮物を、超濾過中に形成した
沈澱物を除くために0.2μmストップ閾値を有するフィ
ルターを通して濾過した。精製物はIL−2の濃縮水溶液
2.4リットルであった。
2.グリコシル化インターロイキン−2の単離 a)陰イオン交換クロマトグラフィー この段階では、上清培養に存在する核酸、外毒素、CH
O蛋白および他の蛋白のようなある種の汚染物をクロマ
トグラフィー支持体に固定することにより除去した。IL
−2は選択溶出条件下でカラムに保持されなかった。使
用したクロマトグラフィー支持体は、弱陰イオン交換架
橋アガロースに基づくゲル、すなわち直径140mm高さ210
mmのガラスカラムのファルマシア社製DEAEセファロース
・ファースト・フロウであった。酢酸アンモニウムの結
晶を、5mS/cmの伝導性に調整するため前に得た濃縮IL−
2に加え、pH7の酢酸アンモニウム緩衝液を前述平衡化
したクロマトグラフィー支持体に注入した。次にカラム
を最後に述べた溶液で洗浄した。IL−2を含む固定流出
および洗浄溶液を合わせた。生成物はIL−2が豊富にあ
る水溶液7.08リットルであった。
b)陽イオン交換クロマトグラフィー この段階は培養上清に存在し、陰イオンクロマトグラ
フィー支持体に固定しないポリビニルピロリドン、CHO
蛋白および他の蛋白のようなある種の汚染物を除去する
ため、およびIL−2の異型を分離するためのものであ
る。
使用したクロマトグラフィー支持体は、直径50cm高さ
230mmのカラムのメルク社製SPフラクトゲル650(s)の
親水性樹脂に基づくゲルであった。前段階で得られた溶
液のpHを酢酸を加えながら5.5に調整し、溶液をカラム
に注入した。次に、カラムに固定したIL−2をイオン化
性を次第に増加させる溶液で溶出し、塩化ナトリウムの
2M水溶液と様々な割合の酢酸アンモニウム溶液(50mM、
pH5.5)を混合して得られた。溶液の光度密度は280nmで
あった。この方法で、蛋白を含む次の3つの分画が分離
した。
ジシアリル化グリコシル化IL−2(N2型)(1)を含
む分画1 モノシアリル化グリコシル化IL−2(N1型)(1)を
含む分画2 非シアリル化グリコシル化IL−2(N0型)(1)およ
び非グリコシル化IL−2(M型)(1)を含む分画3 (1)H.コンラド(ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・
バイオケミストリー、第153巻、第255-261頁(1985
年))に記載されたIL−2の様々な型、参照。
分画1および2を合わせてグリコシル化IL−2水溶液
0.45リットルを得た。
c)疎水性相互作用クロマトグラフィー 使用したクロマトグラフィー支持体は親水性ポリビニル
樹脂に基づく疎水性相互作用ゲル、すなわちメルク社製
ブチルフラクトゲル650(M)であり、直径70mm高さ135
mmのカラムに入れた。
1.2Mモル以上の硫酸アンモニウムおよびpH6.5に調整
したアンモニアをグリコシル化IL−2の前に得た溶液を
加え、あらかじめ(PH6.5、50mMりん酸アンモニウムお
よび1.2M硫酸アンモニウムの)水溶液で平衡化したクロ
マトグラフィー支持体に注入した。これらの条件で、グ
リコシル化IL−2はクロマトグラフィー支持体上で保持
された。保持されない生成物は、前記溶液、つづいて
(pH6.5、50mMりん酸アンモニウムおよび0.8M硫酸アン
モニウムの)水溶液で洗浄除去した。次にIL−2をりん
酸アンモニウムおよび0.1M硫酸アンモニウム水溶液(pH
3.5、50mM)で溶出した。生成物はグリコシル化IL−2
水溶液2.17リットルであった。
d)排除クロマトグラフィー 排除クロマトグラフィー支持体は架橋デキストランお
よび250-5kDaの範囲の分画化に基づくゲル、すなわち直
径100mm高さ900mmのカラムを置いたファルマシア社製セ
ファクリルS200HRであった。
段階c)の最後に得られた溶液を10kDaのストップ閾
値を有する酢酸セルロースらせん膜上で濃縮した後、溶
液をあらかじめpH6.5のりん酸ナトリウム50mM水溶液で
平衡化したカラムに注入し、グリコシル化IL−2を最後
に述べた溶液で溶出した。溶液は光学濃度280nmで測定
することによりカラム出口で検出した。集めた様々な分
画をそれらの純度に従って合わせて、逆相HPLCで分析し
た。
生成物はりん酸ナトリウムのグリコシル化IL−2溶液
0.6リットルであった。3.生成物の純度の検定 *SDS存在下ポリアクリルアミドゲル電気泳動 還元剤(ジチオスレイトール)存在下PAGE-SDSポリア
クリルアミドゲル(硫酸ドデシルナトリウム)の電気泳
動がラエムリ法(U.K.ラエムリ、アナルズ・オブ・バイ
オケミストリー、第78巻、第459頁(1977年))で実施
され、メリル法(C.R.メリル、プロシーディングス・オ
ブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシー
ズ・ユーエスエイ、第76巻、第4335頁(1979年))によ
り銀染色した。
生じた電気泳動図は第3図に示され、これはグリコシ
ル化IL−2の純度が99.5%以上であることを確証してい
る。
*逆相カラムのHPLC分析 クロマトグラフィー支持体はグラフトシリカゲル、す
なわちソシエテ・フランセーズ・ド・クロマト−コロン
ヌ社製粒径5μmのヌクレオシルC4 300Aであった。溶
出は(70%A+30%B)から(25%A+75%B)の6分
勾配で実施した。Aは0.1%トリフルオロ酢酸を含む水
溶液で、Bは0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニト
リル溶液であった。
生じたクロマトグラムは第4図に示され、総生成の約
5.5%の不純物が1つ見られる。不純物は部分的に特徴
づけられ、それはCTLL−2活性を有する酸化グリコシル
化IL−2であった。
*陽イオン交換カラムのHPLC分析 クロマトグラフィー支持体はクルゼアウ社製「ポリキ
ャットA5μm300A」のポリアスパラギン酸被覆シリカゲ
ルであった。溶出は(85%A1+15%B1)から(75%A
1+25%B1)の3.5mm、および(75%A1+25%B1)か
ら(50%A1+50%B1)の6.5mmの勾配で実施され、A1
はKH2PO4(pH5.0、モル濃度25mM)、B1はKH2PO4(pH5.
0、モル濃度25mM)および1M塩化ナトリウムであった。
生じたクロマトグラムは、第5図に示され、2つの型
のグリコシル化IL−2の存在、すなわちIL−2(N2)4
8%およびIL−2(N1)52%の定量に使用することがで
きる。他の試験ではN2が優勢である。
4.バランス 各単離段階の最後では、保持生成物に存在するIL−2
量をそのCTLL−2活性を測定することにより測定した。
IL−2の様々な型は同じCTLL−2活性を有している。
その結果を以下第1表に示す。
表が示すように、単位容量あたりのCTLL−2活性は培
養培地中よりも段階2−d)の最後でのほうが10倍濃縮
されており、グリコシル化IL−2の総収率は上清に存在
する総IL−2に対して約50%であった。
実施例6:CHO109.27セルラインの上清から出発する、
本発明の方法により単離したグリコシル化インターロイ
キン−2の特性 −特異的CTLL−2活性の測定=(18±3)×105U/mg −末端アミノ配列の決定 産生物の試料は、臭化ヘキサジメスリン(または、ポ
リブレン)フィルターを通した。フィルターは、生成し
たフェニルチオヒダントイン誘導体を連続的に分析する
クロマトグラフィー(430A型−アプライド−バイオシス
テムズ)を装備したプロテインシークエンサー(470A型
−アプライドバイオシステムズ(USA))に挿入した。
この測定の結果は、すでに解読された天然の産生物の
配列(R.ロブらプロシーディング・オブ・ナショナル・
アカデミィ・オブ・サイエンス、USA 81巻6486-6490頁
(1984年))と、アミノ酸が検出されなかった3位に関
しては例外であるが、それ以外は一致した。3位にアミ
ノ酸が検出されなかったのは、3位にオリゴ糖が存在し
たためと説明される。
この配列の最初の6個のアミノ酸は以下のとおりであ
る。
−一次構造の決定 還元およびカルボキシメチル化した産生物は、室温
で、トリプシンを1/30(重量/重量)の割合で加えて一
晩分解させた。そして得られたペプチドは、逆相HPLCク
ロマトグラフィーを用い、アセトニトリル勾配(0.1%
トリフルオロ酢酸の存在下)で、ジャーナル・オブ・イ
ムノロジカル・メソッズ81巻15-30頁(1985年)に記載
された方法により分離した。
各々のトリプシン処理、精製ペプチドは、アミノ酸分
析に供し、一部はエドマン減成に供した。
このようにして、単離産生物の完全なアミノ酸配列が
分析できた。これは、すでに解読された天然産生物のア
ミノ酸配列(R.ロブら、プロシーディング・オブ・ナシ
ョナル・アカデミィ・オブ・サイエンス、USA81巻6486-
6490頁(1984年))に合致する。
ビニル−4−ピリジンと反応した後得られた産生物の
トリプシン処理ペプチド地図の研究より、産生物をジチ
オスレイトールで還元する前後で、システイン58とシス
テイン105の間にジスルフィド架橋およびシステイン125
に遊離チオール基(SH)があることを示している。
−オリゴ糖の分析 SDS存在下でのポリアクリルアミドゲル電気泳動によ
ると、N1型およびN2型に相当する分子量約16.5および
16.0kDaの2形態の産生物が示された(第3図参照)。
ノイラミニダーゼ処理(P.フェラーラら、226巻1号47-
52頁(1987年))すると、検出されていた2本のバンド
が消失し、分子量15.5kDaのNo型(第3図参照)に相当
するバンドが発現する。このことは、2者の相違点は、
分子中のシアル酸の存在に帰するものだということを示
している。産生物は、クロマトエレクトロフォカリセー
ション(chromatoelectrofocalisation)で分析し、こ
の結果を確認し、これら2成分の等電点を測定した。す
なわち、分子量16.5kDaのものは7.0、分子量16kDaのも
のは7.6であった。
−糖の構造の特性 15.5kDaのバンドに相当する物質(ノイラミニダーゼ
処理により得られる)を特異的O−グルカナーゼ(すな
わち、ゲンザイムより発売されているO−グルカナー
ゼ、商品番号:20 O−ASE)で処理して、さらに糖分析を
行った。この酵素処理により、物質の分子量が15.5kDa
から15.0kDaに減少したが、物質の電荷は変化しなかっ
た。最終的にN1型およびN2型の精製N末端トリプシン
処理ペプチドを、FABMS(高速原子衝撃質量分析法)で
分析した。その結果、N2型のN末端トリプシン処理ペ
プチドには、N−アセチルガラクトサミン、ガラクトー
スおよび2個のノイラミニン酸が付いており、N1型の
N末端トリプシン処理ペプチドには、N−アセチルガラ
クトサミン、ガラクトースおよび1個のノイラミニン酸
が付いていることが、確認された。本発明によるグリコ
シル化IL−2のN1型およびN2型の糖の構造は、コンラ
ドットらのコーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケ
ミストリー153巻255-261頁(1985年)に記載されたN1
およびN2型の糖の構造と同一であった。
−グリコシル化IL−2の免疫特性 タンパク質の立体配座と、抗原特性の間には相関性が
あり、従ってその相関性を研究して、分子の3次元構造
に関する情報を得ることができる。
グリコシル化IL−2(Na2+N2)、並びに天然IL−2
(バイオテスト−RFA)および実施例8記載のとおり調
製したIL−2コリの抗原特性を、2種のRIA(ラジオ−
イムノ−アッセイ)システムを用いて、研究し、比較し
た。最初は(RIA:A)は天然抗IL−2モノクローナル抗
体(サントル・レジオナール・デ・トランスフュージョ
ン・サンジーン・デ・ベサンコンにより供給されたBG5
抗体)を用いた。次に(RIA:B)、抗IL−2コリ・ヒツ
ジ抗血清(バッチ番号Pol−1/00-09−セルテックUK.)
を用いた。両方とも、トレーサーには、ヨード125で標
識したIL−2(N2)を用いた。
以下の第2表には、これらのシステムの各々の置換曲
線から得られたIC50値(すなわち、被験抗体の標識化し
たIL−2(N2)の50%置換可能なIL−2濃度)を示す
(示された値および標準偏差は、このパラメーターを3
回、別個に測定し、計算したものである)。
IC50値は類似であるようだが、IL−2コリで得られた値
とは有意に異なり、抗体がモノクローナルであるRIAAシ
ステムで得られた結果は、とりわけ明確であり、信頼性
が高い、この知見より、グリコシル化IL−2(N1
2)および天然IL−2の3次元構造が類似であること
が示され、グリコシル化IL−2(N2+N2)およびIL−
2コリの3次元構造は相異なり、従って、抗原決定基が
異なることが示された。故に、IL−2コリが抱える問題
の1つは、免疫原性である(グリゲルP.L.ら、キャンサ
ー・リサーチ48巻3875-3881(1988年)およびアレグレ
ッタM.ら、ジャーナル・オブ・クリニカル・イムノロジ
ー、6巻6号481-490(1986年))。これらの問題が、I
L−2コリに特異的な抗原決定基に依るものであり、天
然IL−2には欠如しているということは、非常にあり得
ることである。グリコシル化IL−2は、、構造および合
成方法では天然IL−2に類似しているが、このような抗
原決定基を持たないということは、非常にもっともらし
く、前述の結果で確認されている。
実施例7:58.12セルラインの培養上清から出発する、本
発明の方法によるグリコシル化インターロイキン2の単
離 1−培養上清からの、インターロイキン−2に富むフラ
ンクションの分離 実施例3記載の培養Aの上清200lを採取し、分離し、
IL−2に富むフラクションを、まず遮断限界値100kDaの
ポリスルホン膜、次に遮断限界値10kDaのポリスルホン
膜で、二重限外濾過を行い濃縮した。操作は、前述の実
施例5と同じ方法で行った。IL−2の濃縮水溶液5.6lが
得られた。
2−グリコシル化IL−2の単離 a)カチオン交換クロマトグラフィー クロマトグラフィーの保持体は、アガロースに架橋結
合した、強度はカチオン交換を基礎にしたゲルすなわ
ち、ファルマシアから発売されている“S.セファロース
・ファスト・フロウ”である。
前段階で得られた溶液に酢酸を添加して、pHを5.5に
調整し、伝導率は、希釈して5mSに調整した。次いで溶
液をカラムに注入し、それを、塩化ナトリウムでイオン
強化した別の酢酸アンモニウム水溶液(pH5.5、重量モ
ル濃度50mM)で連続的に洗浄した。グリコシル化IL−2
は、塩化ナトリウムの180mM溶液で溶離し、グリコシル
化IL−2水溶液5.76lが得られた。
b)疎水性相互作用クロマトグラフィー クロマトグラフィーの保持体は、親水性ポリビニルレ
ジンを基礎にし疎水性相互作用ゲル、すなわち、メルク
から発売されている“ブチル・フラクトゲル650
(M)”であり、直径50mmのカラム中に充填した。
酢酸アンモニウムをモル濃度1.6Mまで、先に得られた
グリコシル化IL−2溶液に加え、アンモニアを加えてpH
6.5に調整し、その溶液を緩衝液A、すなわち酢酸アン
モニウム水溶液(pH6.5、モル濃度1.6M)で前もって平
衡にしてからカラムに注入した。これらの条件下で、グ
リコシル化IL−2は、クロマトグラフィーの保持体に保
持された。カラムは、綬衡液Aで洗浄し、保持されなか
った物質を取り除いた。カラムは、緩衝液B、すなわ
ち、酢酸アンモニウム溶液(pH6.5、モル濃度0.65M)で
溶離した。
グリコシル化IL−2水溶液1.36lが得られた。
c)排除クロマトグラフィー クロマトグラフィーの保持体は、架橋デキストランを
基礎にしたゲル・すなわち、ファルマシアから発売され
ている“セファクリルS200HR"である。
b)工程の最後に得られた溶液は、酢酸セルロース膜、
すなわち、ストップ閾値10kDaのアミコン社製YM10膜上
で濃縮した。溶液はリン酸ナトリウム水溶液(pH6.5、
モル濃度0.1M)で先に平衡にして、カラムに注入した。
グリコシル化IL−2は、上述のこの溶液で溶離した。
3−産生物の精製の実証 ラエムリ法(U.K.ラエムリ、アナリティカル・バイオ
ケミストリー78巻(1977年)により、還元剤(ジチオス
レイトール)の存在下、ポリアクリルアミドゲルPAGE-S
DS(ドデシル硫酸ナトリウム)ゲルを用いた電気泳動
後、メリル法による銀染色(C.R.メリル、プロシーディ
ング・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
ス・オブ・ジ・ユナイテッド・ステート・オブ・アメリ
カ76巻4335頁(1979年))をし、グリコシル化IL−2の
純度は、99%以上になることがで示された。
実施例8 グリコシル化インターロイキン−2のヒト・
リンパ球に及ぼすイン・ビトロ活性 グリコシル化インターロイキン−2、およびLAK細胞
産性エシェリキア・コリ由来の組換えインターロイキン
2の比較研究 本実施例および以下の実施例で記載される実験は、実
施例5に記載のとおり単離した109.27系により産生され
た組み換えグリコシル化IL−2を用いて行った。この産
生物は、通例グリコシル化IL−2、または、混同する危
険性がある場合はグリコシル化IL−2(N1+N2)と称
する。
1−イン・ビトロでのLAK細胞産生実験の、ガン研究に
おける重要性 獲得免疫療法は、ガンに対する治療の新しいアプロー
チであり、宿主の腫瘍に対する免疫学的な防御反応の増
強を目的としている。
ヒト末梢白血球をIL−2存在下で培養すると、ガン細
胞に対して強力な細胞毒活性を有するようになる。この
効果を示す細胞は、LAK(“リンホカイン活性化キラ
ー”)(M.T.ロッツら、キャンサー・リサーチ41巻4420
-4426頁(1981年))と称する。LAK細胞の作用は、採取
されたばかりの腫瘍細胞を含む、全ての種類の腫瘍に対
して影響を与える。これらは、正常細胞に対しては、何
ら活性を示さない。LAK細胞は機能的に定義すると、IL
−2で刺激した後、前もって抗原感作しなくても、NK
(“ナチュラルキラー”)細胞の作用に抵抗性のある腫
瘍細胞に対してとりわけ選択的に向けられた、制限非MH
C(“主要組織適合複合体”)細胞毒性を発現する細胞
である。この定義により、LAK細胞はNK細胞(すなわ
ち、IL−2により活性化されずにそのままで細胞毒性が
ある)および細胞毒性Tセル、その作用がMHCを抑制
し、標的による予備感作を獲得するもの、と明確に区別
される(J.E.タルマジェら、キャンサー・トゥリート.
レップ.70巻171頁(1982年))。
最近の研究では、実際には、LAK細胞はおそらくIL−
2により強化されたNK細胞であり、LAK前駆体は、事
実、”巨大顆粒リンパ球”に由来すると示唆される。
〔K.イトーら、ジャーナル・オブ・イムノロジー136巻3
910-3917頁(1986年))。
インターロイキン2は、イン・ビトロだけでなく、イ
ン・ビボでもしAK細胞を産生する。イン・ビトロでLAK
細胞を産生させる特定のIL−2の能力は、それ故に、抗
腫瘍活性の可能性を示す重要な指標である。
2−実験方法 a)以下の種類のインターロイキン−2を試験した: −グリコシル化IL−2(N1+N2) −実施例5の2b工程中に単離されたフラクション1を、
実施例5のc)およびd)工程に供して得られたグリコ
シル化IL−2(N2) −実施例5の2b工程中で単離されたフラクション3を、
実施例5のc)およびd)工程に供して得られた非グリ
コシル化IL−2(M) −後述のとおりに調製したエシェリキア・コリ由来の組
み換えIL−2、今後しばしばIL−2コリと略称する IL−2をコード化した遺伝子は、エシェリキア・コリ
細胞に移入し、高収率で発現させる。溶解し、再生し、
逆相HPLCクロマトグラフィーおよびリアングらにより記
載された方法(S.I.リアングら、ザ・バイオケミカル・
ジャーナル229巻429-439頁(1985年))による排除クロ
マトグラフィーで精製すると、5−10×105U/mgの特異
活性を有する組み換えタンパクが得られる。
b)リンパ球の調製 培地は、熱で不活化(56℃で1時間)した10%ABヒト
血清(CTSプルパン、トゥールーズ、フランス)を加え
たRPMI1640(ギブコ−BRL)、2mMピルビン酸ナトリウ
ム、5mMHEPES、4mML−グルタミン、100U/mlペニシリ
ン、100μg/mlストレプトマイシンおよび0.25μg/mlア
ンホテリシンBから成る(この培地は、以下完全培地と
称する)。
健常者の血液は、無菌条件下で採取した。
末梢リンパ球は、A.ボユムによる“メソッズ・イン・
エンザイモロジー(G.ジ.サバト、J.J.ランゴン、H.バ
ン.ブナキス編)108巻88頁アカデミック・プレス・イ
ンコーポレイテッド(1984年)に記載された方法で、フ
ィコール−ハイパーク(ファルマシア)グラジェントを
用いて遠心し、赤血球および顆粒球より分離した。
リンパ球は、完全培地で3回洗浄した。
付着細胞(単球およびマクロファージ)は、プラスチ
ックに付着させて除却した:細胞は完全培地にmlあたり
5−10×105の濃度で懸濁し、培養フラスコ中に1−2
×105セル/cm2の密度で播種した。フラスコは、5%CO
2存在下、37℃で1時間放置し、その後、非付着性リン
パ球は、培養フラスコをおだやかに振とうした後、吸引
して回収した。
c) IL−2存在下のリンパ球のイン・ビトロ培養 前節で単離した非付着性リンパ球は、1回洗浄し、IL
−2の2種の被験体を各種濃度(100、30、10および1U/
ml)の存在下、37℃で、および5%CO2存在下48時間、
完全培地中で105セル/mlの濃度で培養した。次いで細胞
を洗浄した。これらの細胞は、以下有効細胞とみなす。
d) 細胞毒性の実証 有効細胞の細胞講性活性は、S.Z.サラフディンら(ビ
ロロジ−129巻51-64頁(1983年)およびサイエンス223
巻703-707頁(1984年))に記載された、NK型細胞毒性
抵抗性ヒトTリンパ様C8166−45/C63系の標的細胞に4
時間接触させた後、評価した。この系統は、以下、HT1
系と称する。標的細胞6×105セルは、血清を含まない
完全培地0.4ml中37℃で1時間、51Cr(クロム酸ナトリ
ウム、アメルシャム)200μCiで標識化し、数回洗浄し
た。標的細胞(完全培地0.1ml中104)および完全培地0.
1ml中の有効細胞は、標的細胞に対する有効細胞の比率
を変化させて(50:1、10:1、1:1)、丸底マイクロタイ
タープレート(ファルコン)中に分配した。マイクロタ
イタープレートは遠心にかけ、37℃で4時間、5%CO2
存在下でインキュベートした後、各ウェルから上清を回
収し、ガンマーカウンターを用いて放射活性を測定し
た。細胞毒性は、死んだ標的細胞により放出された51Cr
量から決定した。非特異的細胞毒性は、有効細胞が存在
しない場合に、標的細胞により自発的に放出される放射
活性の量から決定した。細胞毒性の最高値は、有効細胞
が存在せず、1N塩酸が存在する場合の、標的細胞による
放射活性の放出量から決定した。各々の実験ポイントは
3倍(非特異的および最高細胞毒性の決定においては、
6倍)であり、特異的細胞溶解の割合は、以下の式に従
い、平均値に標準偏差を加え、または滅じて計算する: 特異的細胞溶解パーセント 前述のb)、c)およびd)で記載した方法は、グリ
コシル化IL−2(N2)および非グリコシル化IL−2
(M)の場合も行う。H.D.エンガーズ(H.D.エンガーズ
ら、メソッズ・オブ・エンザイモロジー132巻437-457頁
(1986年))に記載された、わずかに異なる方法を、
(N1+N2)グリコシル化IL−2およびIL−2コリの場
合に使用し、これはHT1、ダウディおよびジャーカット
系からの、全NK溶解に抵抗性を示す標的細胞で試験し
た。
3−結果 結果は後述の第3表および第4表に集計した。
第3表 非グリコシル化IL−2(M)およびグリコシル化IL−
2(N2)により健常者から産生したLAK細胞の、HT1
に対する細胞溶 以下のように定義する。
第3表では、HT1系から標的細胞の場合の以下のこと
を示す:IL−2濃度が1000U/ml以下での、グリコシル化I
L−2(N2)の優越性; − 有効細胞の標的細胞に対する比率が低下した場合、
この優越性は上昇する。
− IL−2の比率が高い場合(1000U/ml)および/また
は有効細胞の標的細胞に対する比率が高い場合、優越性
は低下する。
第4表では、ダウディ、HT1およびジャーカット系か
らの標的細胞の場合の、以下のことを示す: − IL−2 20U/mlの濃度での、IL−2コリと比較したグ
リコシル化IL−2の優越性; − IL−2濃度が上昇した場合、この優越性は低下す
る。
これらの研究より以下のことが判明する: − グリコシル化IL−2は、3種の腫瘍細胞系に対して
活性のあるLAK細胞を産生する。
− このLAK活性は、IL−2コリでより、グリコシル化I
L−2での方が、低濃度で得られる。
− グリコシル化IL−2により産生するLAK細胞活性
は、以下の2つの場合、IL−2コリにより産生するLAK
細胞の活性よりも大きい: *IL−2が低濃度 *有効細胞の標的細胞に対する比率が好まくない(10/1
以下) これらの結果は、グリコシル化IL−2の臨床使用に関
してとりわけ有望である。なぜならば、これらの研究か
ら、この形態のIL−2は、IL−2コリよりも低濃度で使
用して同様の抗腫瘍効果を得ることができるからであ
る。このため、産生物投与に関る毒性を実質的に減少さ
せるであろう。
実施例9:グリコシル化インターロイキン−2の免疫調
節活性:マウスにおける体液性介在物質に対する免疫応
答の刺激 a)研究の目的 IL−2は、イン・ビボで非免疫化マウスにおけるポリ
クローナルイムノグロブリンM応答(以下、IgMと略
す)および免疫化マウスにおける特異的IgM応答を刺激
し(C.M.ウェガンド、ジャーナル・オブ・エクペリメン
タル・メディシン163巻1607-−1612(1986年))、次に
IL−2コリはイン・ビトロでヒト細胞における活性化B
リンパ球の分化を誘起する能力がある(T.A.ワルドマン
ら、ジャーナル・オブ・エクペリメンタル・メディシン
160巻1450-1466頁(1984年))ことが示されたので、こ
の研究は、一方で動機づけされることになった。研究目
的は、BALB/Cマウスにおける体液性介在物質に対する免
疫応答を刺激した場合のグリコシル化インターロイキン
−2のイン・ビボ活性を、胸腺依存抗原(卵アルブミ
ン)での免疫化に対する一次的な脾臓の応答を測定する
ことにより評価することである。
b)実験方法 α)動物−環境条件 * 種:BALB/Cマウス * 馴化:動物は、処置開始前1週間、馴化した。
* 動物数:雌90匹 * 実験開始時の動物の体重:約20g * 餌:動物には、V.A.R社製完全複合試料A04.cを自由
に与えた。
* 水:自動装置を用いて、水道水を自由に与えた。
環境条件: − 温度22℃(±2℃) − 湿度60%(±10%) − 光照射時間12/24時間 * 飼育場所:動物は、ステンレス−スチール製のケー
ジ中で飼育した。動物は、5匹づつのケージ中に分配
し、同じバッチから15匹の群に分配した。
β)動物の処置 動物は、実験第1日に、電気永動による純度98%の卵
アルブミン(シグマ社製、商品番号:A−5378)で、マウ
ス1匹あたり50μg卵アルブミンを0.5ml無菌PBS緩衝液
(リン酸緩衝生理食塩水)に溶解して腹腔内投与するこ
とにより免疫化した。卵アルブミン(分子量40000、既
知の抗原決定基5)は、良好な免疫原性を有する異種タ
ンパクであるので、抗原として選択した。
実施例5に記載のとおりに単離したグリコシル化IL−
2は、PBS緩衝液で1:80に希釈した正常BALB/Cマウス血
清中、2、4、6および8日に腹腔内投与した。血清中
のタンパクの存在は、免疫系に有意に影響をおよぼすこ
とはないが、管または注射器の壁への非特異的吸着によ
るIL−2の損失避け得る。以下の表は、種々のバッチの
マウス15匹への投与量を示す。
γ)測定の実施 死亡した動物の体重を測定した後、無菌条件下で脾臓
を摘出し、重量を測定し、機械的にすりつぶした。すり
つぶした試料は、滅菌ガーゼで濾過して結合−脂肪塊を
全て除去し、400gで10分間遠心にかけた。脾臓細胞は懸
濁し、3回洗浄した。洗浄後、動物あたりの脾臓細胞の
全数を計算するために、数を数え、所望の細胞濃度とし
た。脾臓細胞は、10%ウシ胎児血清を含有する培地(メ
サーズ・バイオプロ社製RPMI培地1640)mlのあたり2×
105生存脾臓細胞を含有するポリスチレンプレート製の5
mlウェル中、96時間培養した。
以下に示した放射線免疫測定法により、種々の抗卵ア
ルブミンIgMを測定した。* 18時間、+4℃での、PVC
プレート(50μg/mlの0.1M、pH7.5リン酸緩衝液溶液、
ウェルあたり100μl)上の卵アルブミンの吸収 * 0.1M、pH7.5リン酸緩衝液でウェルを洗浄後、ウェ
ルは、1%トゥイーン20界面活性剤(容量/容量)の0.
1M、pH7.5リン酸緩衝液溶液200μlで、37℃で1時間、
飽和する。
* ウェルを洗浄した後、培養上清を0.1M、pH7.5リン
酸緩衝液で1/2に希釈し、0.1%(p/v)ゼラチンおよび
0.1%(容量/容量)トゥイーン20界面活性剤と共に、
+4℃で18時間インキュベートして測定する(ウェルあ
たり100μl)。
* ウェルを洗浄した後、ヨード125で放射線標識(7.
5,1/2Ci/1/2g、250000cpm/100μl、+37℃で3時間)
したポリクローナル抗マウスIgMヒツジ抗体(イムノテ
ックより発売、商品番号:115-0575)、ウェルあたり100
μlと共にインキュベートする。
* ウェルを溶液(0.9%NaCl)(p/v)、0.1%トゥイ
ーン20(v/v))で洗浄した後、ガンマーカウンターを
用いて、固定された放射活性を測定した。
以下に示した、各マウスで行う種々の測定は、マウス
の各バッチごとに行った。すなわち、各投与量、体重に
相対する脾臓の平均重量の計算、動物あたりの脾臓細胞
の平均全数、および脾臓細胞に誘起される抗卵アルブミ
ンIgMの平均量である。後者の量は放射活性に比例す
る。
c) 結果 結果は第6、7および8図に示す。考察は以下のとお
りである: − 投与量1.88×105U/kg(すなわち、37500U/マウス)
で開始した場合、グリコシル化IL−2は、脾臓重量およ
び動物あたりの脾臓細胞の全数に、50%以上の相対的な
増加をもたらす。実験(ここでは示していない)によ
り、全Tリンパ球の比率が他に比べて増加(20%)する
ことも示された。
− 投与量が1.88×106U/kg以上の場合、各形質細胞に
より誘起される特異的な種類のIgM量が、有意に増加す
る。
従って、グリコシル化IL−2は、かなりの免疫刺激活
性を有する。
実施例10:グリコシル化インターロイキン−2の抗腫瘍
活性:マウスにおけるガンの免疫療法 a) 実験方法 この実験は、5バッチに分けたDBA/2マウスを用いて
実施した。0日に、リンホザルコーマSL2の同遺伝子型
細胞0.2×104をマウスに腹腔内注射した。
最初の一連の実験では、実施例5記載のとおりに単離
したグリコシル化インターロイキン−2を種々投与量
(0、8、40、200、1000および5000U/日)で、3−7
日および10−14日に、別個の5バッチのマウス6匹に注
射した。その日の生存マウス数は、30日間数えた。この
最初の一連の実験より、グリコシル化インターロイキン
−2を5000U/日投与した場合に抗腫瘍活性が示された。
第2の一連の実験では、投与量は5000U/日に定めて10
-14日に投与し、前投与の量および、投与した日を変更
した。
b) 結果 第2の一連の実験の結果を、以下の第5表に示し、第
9図に図示した。0、1、2および3バッチでの30日間
生存マウス数は第5表に示す。
実施例11:マウスにおけるグリコシル化インターロイキ
ン−2の毒性試験 a) 実験の目的 組み換えIL−2(エシエリキア・コリで産生)をヒト
またはマウスに、単独で(M.ローゼンスタインら、ジャ
ーナル・オブ・イムノロジー137巻1735-1742頁(1986
年))またはLAK細胞と一緒に(S.E.エッチングハウゼ
ン、ジャーナル・オブ・ナショナル・キャンサー・イン
スティテュート80巻3号177-188頁(1988年))を投与
した場合の主な毒性効果は、血管内液の溢出、すなわ
ち、特定の臓器(胸腺、脾臓、肺、肝臓および腎臓)で
のこの液の貯留である。
従って、本実験の目的は、3日間および6日間、1日
3回腹腔内投与した時の、BALB/Cマウスの血管内体液貯
留を調べて、グリコシル化インターロイキン−2の毒性
がもしあるならばそれを評価することである。
b) 実験方法 実験は、M.ローゼンスタイン記載の方法(M.ローゼン
スタインら、ジャーナル・オブ・イムノロジー137巻173
5-1742頁(1986年))と類似の方法で行った。
α) 動物−環境条件 * 種:BALB/Cマウス * 実験開始時の動物の週齢:約4週 * 馴化:1週間 * 動物数:雌120匹 * 実験開始時の動物の体重:20g * 同定方法:耳に標識をつける * 餌:メサーズV.A.Rより発売されている完全AO4C餌
を要求に応じて * 水:水道水を要求に応じて * 環境条件 − 温度:22℃(±2℃) − 湿度:60%(±10℃) − 光照射時間:12/24時間 * 飼育場所:ステンレス・スチール・ケージ。
動物は1バッチあたり12匹の群になるように分配し
た。
β)動物の処置 実施例5記載のとおり単離したグリコシル化IL−2
は、PBS緩衝液(リン酸緩衝生理食塩水)で1:80に希釈
した正常BALB/Cマウス血清中、0、2、3、4および5
バッチには3日間、並びに1、6、7、8および9バッ
チには6日間、1日3回(朝、昼、夕)腹腔内投与し
た。投与容量は0.5mlであった。
下表は、各バッチの12匹のマウスに投与した投与量を
示す。
γ) 実施した試験 −臨床試験 動物は全実験期間中、毎日観察した。
以下に記載する試験は、各バッチの最初の6匹のみに
実施した。
−剖検試験(4日および7日) マウスは、ペントバルビトンで麻酔した。
−血液検査 剖検中、腹部大動脈より血液試料を採取し、生化学分
析を行った。
−解剖学的研究 体液貯留に伴う毒性を検出するために、肝臓、脾臓、
腎臓、胸腺および肺を摘出し、重量を測定した。
乾燥していない時の重量測定:臓器は、凍結乾燥フラ
スコ中で重量測定した;各フラスコ(動物あたりおよび
臓器あたり1個)は臓器を入れる前に重量を測定してお
く。
乾燥重量の測定:臓器は−80℃で凍結し、凍結乾燥機
中、4日間凍結乾燥した。
−特殊試験 この試験は、各バッチの最後の6匹の動物で実施し
た。0、2、3、4および5バッチの場合は4日に、
1、6、7、8および9バッチの場合は7日に、ヨード
125で放射線標識化したウシ血清アルブミン(特殊活性
5μci/mg)を2μci、マウスに血管内投与した。
注射後2時間でマウスを屠殺し、肺、腎臓、肝臓、胸
腺および脾臓を摘出し、重量測定し、ガンマーカウンタ
ーで各臓器の放射活性を測定できるように、5mlPVC管中
に設置した。
放射性ヨード・ウシ血清アルブミンは、血管内液の溢
出を示す標識とみなすことができる(1)。従って、IL
−2処理したマウスの臓器が、対照マウスの臓器より放
射活性が強ければ、IL−2は、試験中の臓器中の血管内
液貯留に影響を及ぼす、ということになろう。
c) 結果 −臨床試験 動物の行動には変化がなく、死亡は記録されなかっ
た。
−血液検査 生化学的パラメーター(全タンパク、アルブミン、ト
リグリセリド、尿素およびクレアチニン)の評価より、
肝または腎毒性には全く問題はなかった。
−胸腺、肝臓、肺、脾臓および腎臓の乾燥していない時
および乾燥した時の重量の比較研究 胸腺および腎臓の乾燥していない時の重量は、処置3
日または6日後、IL−2の投与量にかかわらず増加しな
かった。
脾臓、肺および肝臓の乾燥していない時の重量は著明
に増加したが、特に処置6日後の乾燥していない重量に
対する乾燥重量の割合は変化しない。このことは、これ
らの臓器中の水分の比率は一定であったことを意味し、
IL−2の薬理活性で生じる、リンパ組織増殖を示す。
−放射線標識化したアルブミンを用いた、何らかの誘起
があるとすれば、IL−2誘起の溢出の動的研究 試験中の臓器、すなわち胸腺、肝臓、肺、脾臓および
腎臓におけるヨード125で標識化したウシ血清アルブミ
ンの比率には、投与量、処置期間にかかわらず著明な変
化はなく、脾臓では、ほとんど変化しかなった。
d) 結論 BALB/Cマウスに実施した毒性試験より、グリコシル化
IL−2の評価し得るほどの毒性効果は示されなかった。
さらに具体的には、M.ローゼンスタインが用いた試験方
法を行うと、IL−2コリの場合に記載されたような血管
内液の溢出は認められなかった。
実施例12:グリコシル化インターロイキン−2のラット
における毒性試験 a) 実験の目的 この実験の目的は、グリコシル化IL−2の毒性がもし
あるならばその毒性、さらに具体的には、スプラーグ・
ドーレイ・ラットにおける浮腫形成を評価することであ
る。
b) 実験方法 実施例5で記載されたように単離したグリコシル化IL
−2は、各バッチの6匹のラット(雄3匹および雌3
匹)に、2ミリオン、10ミリオンおよび50ミリオンUI/k
g/日(すなわち、0.1、0.5および2.5mg/kg/日)の投与
量を3日間、腹腔内注射した。同時に、塩化ナトリウム
1g/kg/日を動物に経口投与した。
3日めに、動物に、10mg/kg以上の水を経口的に与
え、次いで代謝ケージに入れて、24時間、利尿を測定し
た。
各バッチは、処置していない対照バッチ、および塩化
ナトリウムのみを与えたバッチと比較した。
c) 結果 臨床上の異常は認められなかった。
実験開始前および3日および4日に、動物の体重を測
定した。バッチ間の差異は認められなかった。
血液検査(ヘマトクリット、尿素、クレアチニン、全
タンパク、アルブミン、コレステロール、トリグリセリ
ド、GPT(グルタミン酸−ピルビン酸トランスアミナー
ゼ)、LDH(乳酸デヒドロゲナーゼ)、ナトリウム、カ
リウム、塩素およびカルシウム)は4日に実験した。有
効量で、血清アルブミンおよびタンパクがわずかに減少
した。
以下の尿排泄試験 ・容量 ・反応性ストリップを用いた半定量(pH、密度、タンパ
ク、グルコース、ケトン、ビリルビン、血液およびウロ
ビリノーゲン) ・ナトリウムイオン、カリウム、塩素およびクレアチニ
ンを定量すると、異常は認められなかった。
有効量あたりの脾臓重量において、いくつかの臓器
(肝臓、脾臓、腎臓および胸腺)はわずかな増加を示し
た。
剖検では、肉眼的な傷害は認められなかった。
光学検微鏡による試験では、IL−2は、以下に示すよ
うに、リンパ系の活性化を誘起することが示された。
−50×105UI/kg/日を投与した3匹の動物で、動脈周囲
のリンパスリーブおよび周縁の脾臓帯にわずかの肥厚 −処置動物で、さらに高頻度で腫脹形質細胞増加症、し
かし有効量はなかった。
d) 結論 スプラーグ・ドーレイ・ラットにおける毒性試験で
は、Y.ハラダにより観察されたIL−2コリの致死量(Y.
ハラダ、プレクリニカル・セイフティー・オブ・バイオ
テクノロジー・プロダクツ・インテンディド・フォー・
ヒューマン・ユース127-142頁−アランR.リス.インコ
ーポレーティッド)よりも5培多い量(0.5mg/kg/日に
対して2.5mg/kg/日)のグリコシル化IL−2の、評価し
得る毒性効果は示されなかった。
従って、グリコシル化IL−2は、マウスとラットの両
方で、IL−2コリよりも毒性はかなり弱い。
実施例13:グリコシル化インターロイキン−2の実験
的製剤 a) 実験方法 実施例5に記載されたようにして得られたグリコシル
化IL−2を含有する、pH6.5のリン酸ナトリウム水溶液
は、種々賦形剤を比率を変えて加えるか、賦形剤を加え
ずに、実験的に凍結乾燥した。次いで溶質は再構成し、
外観を観察し、pHを測定し、存在するグリコシル化IL−
2量を逆相カラムのHPLCで定量(比較:実施例5−3)
し、CTLL−2活性を測定した。これらの操作は、物質を
4℃で1年間保存した後、25℃で3か月保存後、および
37℃で3か月保存後、凍結乾燥し、その直後に行った。
b) 結果 賦形剤は含まないでグリコシル化IL−280μg/mlを含
有するリン酸ナトリウム水溶液を凍結乾燥し、および溶
質に水を加えて即座に注射可能な製剤に再構成すれば、
最初のCTLL−2活性の80%以上を含有する無色透明な溶
液ができあがる。凍結乾燥物を6か月間保存した後、再
構成した溶液は、最初のCTLL−2活性の約50%を含有す
る。
加水分解ゼラチン(ローセロット、商品番号:DSF)10
mg/ml、ポリエチレングリコール1mg、平均分子量6000
(ヘキスト、商品番号:DAB8)またはヒト血清アルブミ
ン(シグマ、商品番号:3782)10mg/mlを、凍結乾燥中
に、約18×105U/mgの特異的CTLL−2活性を有するグリ
コシル化IL−2、80μg/mlを含有するリン酸水溶液ナト
リウムに加え、および凍結乾燥物を4℃で1時間保存
し、溶質(透明およびpH約6.5)を再構成すれば、以下
のような、クロマトグラフィー分析(精度3%)の結果
が得られる; −ポリエチレングリコールの場合、90%以上 −加水分解ゼラチンおよびヒト血清アルブミンの場合、
100% 全例で(HPLCで定量したIL−2の)特異的CTLL−2活
性、約18×105U/mgを有している 従って最後の2種の賦形剤の場合、溶質mlあたりのCT
LL−2活性は、最初の値と同一であった。
加水分解ゼラチン(ローゼロット、商品番号:DSF)10
mg/mlおよび非発熱性アラニン(アジノモト)10mg/ml
を、凍結乾燥中に、特異約CTLL−2活性約18×105U/ml
を有するグリコシル化IL−2 450μg/mlを含有するリン
酸ナトリウム水溶液に加えると、生成した凍結乾燥物の
水分含量は3%以下である。凍結乾燥物を4℃で3か月
間保存した後、再構成した溶質は透明でpH約6.5であ
り、クロマトグラフィー分析(精度約3%)では、(HP
LCで定量したIL−2の)特異的CTLL−2活性、約18×10
5U/mgを有する最初のグリコシル化IL−2の100%になる
ことを示す。
前述の結果より、凍結乾燥後、グリコシル化IL−2
は、薬学的製剤として許容できる、すぐれた安定性を有
することが示される。おそらく、凍結乾燥物は4℃で数
年間保存できるであろう。全例で、再構成した溶質は、
可溶化のために有毒な物質を加えるか、または分子を化
学的に修飾しなくても透明であり、生理学的なpHであ
る。これらは、エシエリキア・コリ由来のグリコシル化
IL−2の特性である。後者の物質は、凍結乾燥後、それ
の50%以上が失われ、溶液は蛋白光を呈する(ヨーロッ
パ特許出願第0158487号、10頁参照)。従って、可溶化
するために、有毒な可溶化剤、たとえばSDS(ドデシル
硫酸ナトリウム)を加える必要がある。
本明細書を読めば、薬剤としてのグリコシル化IL−2
の重要性、およびたとえばエシエリキア・コリ由来の非
グリコシル化IL−2と比較して、数多くの優越性−すな
わち、少ない用量で同じ活性を呈する可能性がある;毒
性が弱いため、高用量でも耐性がよい;免疫原性が低
い;有毒な可溶化剤を加えたり、分子を化学的修飾しな
くても、生理学的pHで水性溶媒に溶解する;および薬学
的に許容できる製剤として凍結乾燥した後の安定性にす
ぐれている−が理解いただけよう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フェララ、パスカル フランス国31290 ビルフランシュ・ ド・ロラゲ、サンタシスクルーアヴィニ ョネ (番地の表示なし) (72)発明者 ラポルト、マルチーヌ フランス国31520 ラモンビル・サンタ ニュ、リュ・ロマン・ロラン 58番 (72)発明者 モロー、チェリー フランス国31650 オジェル、レ・ジャ ルダン・ド・ナンブール 61番 (72)発明者 ヴィタ、ナタリオ フランス国31400 トゥールーズ、アブ ニュー・ジュル・ジュリァン 52番 (72)発明者 バヨル、アラン フランス国31170 トゥルヌフォイーユ、 リュ・ド・ラ・サルダン 5番 (72)発明者 ペリ、ジェヌヴィエーブ フランス国31100 トゥールーズ、アン パス・ブルトーユ 8番 (56)参考文献 特開 昭61−63282(JP,A) 特開 昭63−22523(JP,A) 特開 昭61−197527(JP,A) 米国特許4723000(US,A) 国際公開88/967(WO,A1) FEBS LETTERS,Vol. 226,No.1(1987)P.47−52 Chemical Abstract s,Vol.106(1987)Abstra ct番号194385 Chemical Abstract s,Vol.105(1986)Abstra ct番号151257 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 38/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有効成分としてジシアリル化グリコシル化
    インターロイキン−2、モノシアリル化グリコシル化イ
    ンターロイキン−2、またはそれらの混合物からなる医
    薬組成物。
  2. 【請求項2】グリコシル化インターロイキン−2が特異
    的CTLL−2活性15×105U/mg以上を有するものである、
    請求項1記載の医薬組成物。
  3. 【請求項3】グリコシル化インターロイキン−2が水溶
    液中pH6.5にて凍結乾燥し、直ぐに凍結物を解凍後、も
    とのCTLL−2活性の少なくとも80%を維持している、請
    求項1または2記載の医薬組成物。
  4. 【請求項4】グリコシル化インターロイキン−2が、こ
    れを含有する水溶液中pH6.5にて凍結乾燥し、直ぐに凍
    結物を解凍後、生理的pHにて澄明な解凍液が得られるも
    のである、請求項1〜3のいずれか1項記載の医薬組成
    物。
  5. 【請求項5】グリコシル化インターロイキン−2が天然
    抗−IL−2モノクロナール抗体BG5に対して、天然のIL
    −2と同じ親和性を有する、請求項1〜4のいずれか1
    項記載の医薬組成物。
  6. 【請求項6】グリコシル化インターロイキン−2が天然
    抗−IL−2モノクロナール抗体Pol−1/00−009(セルテ
    ク)に対して、天然IL−2と同じ親和性を有する、請求
    項1〜5のいずれか1項記載の医薬組成物。
  7. 【請求項7】グリコシル化インターロイキン−2が加水
    分解ゼラチンまたはひと血清アルブミンを添加した水溶
    液中pH6.5にて凍結乾燥し、凍結生成物を温度4℃にて
    1年間保存し、凍結物を再生後、初めのCTLL−2活性を
    維持しているものである、請求項1〜6のいずれか1項
    記載の医薬組成物。
  8. 【請求項8】グリコシル化インターロイキン−2が加水
    分解ゼラチンおよびアラニンを添加した水溶液中pH6.5
    にて凍結乾燥し、凍結生成物を温度25℃にて3か月保存
    し、凍結物を再生後、初めのCTLL−2活性を維持してい
    るものである、請求項1〜7のいずれか1項記載の医薬
    組成物。
  9. 【請求項9】グリコシル化インターロイキン−2が加水
    分解ゼラチンまたはアラニンを添加した水溶液中pH6.5
    にて凍結乾燥し、凍結生成物を温度37℃にて3か月保存
    し、凍結物を再生後、初めのCTLL−2活性を維持してい
    るものである、請求項1〜8のいずれか1項記載の医薬
    組成物。
  10. 【請求項10】a)組換CHO細胞の細胞培養物からイン
    ターロイキン−2が主体をなす画分を分離し、 b)分離した画分をカチオン交換クロマトグラフィーに
    かけ、溶出物を集め、 c)工程b)の溶出物を疎水性相互作用クロマトグラフ
    ィーにかけ、溶出物を集め、 d)工程c)の溶出物を排除クロマトグラフィーにかけ
    る の各工程を含む方法によって得られる、請求項1〜9の
    いずれか1項記載の医薬組成物。
  11. 【請求項11】組換CHO細胞がIL−2の前駆体およびDHF
    Rの発現ベクターにより形質転換されたDXB11株由来細胞
    である、請求項10記載の医薬組成物。
  12. 【請求項12】発現ベクターが図2のプラスミドpSV726
    の特徴を有するプラスミドである、請求項11記載の医薬
    組成物。
  13. 【請求項13】組換CHO細胞が低蛋白人工培地中で培養
    されるものである、請求項10〜12のいずれか1項記載の
    医薬組成物。
  14. 【請求項14】低蛋白人工培地がポリビニルピロリドン
    を含有するものである、請求項13記載の医薬組成物。
  15. 【請求項15】分離工程a)が、30kDaより大のストッ
    プ閾値を有する膜(1)と、10kDaより小のストップ閾
    値を有する膜(2)の間で、2重濾過によって行なわれ
    るものである、請求項10〜14のいずれか1項の医薬組成
    物。
  16. 【請求項16】カチオン交換工程がpH4.5〜6.5間で行な
    われるものである、請求項10〜15のいずれか1項記載の
    医薬組成物。
  17. 【請求項17】カチオン交換工程が、アニオン交換クロ
    マトグラフィー工程により予め行なわれるものである、
    請求項10〜16のいずれか1項記載の医薬組成物。
  18. 【請求項18】アニオン工程が、pH5.5〜8.5間で行なわ
    れるものである、請求項17記載の医薬組成物。
  19. 【請求項19】疎水性相互作用工程がpH4.5〜8.0の間で
    行なわれるものである、請求項10〜18のいずれか1項記
    載の医薬組成物。
  20. 【請求項20】疎水性相互作用工程が、グリコシル化イ
    ンターロイキン−2の脱離のために、クロマトグラフィ
    ー支持体上で行なわれるものである請求項10〜19のいず
    れか1項記載の医薬組成物。
  21. 【請求項21】排除クロマトグラフィー工程が、1〜25
    0kDa間の分画範囲を有する支持体上で行なわれるもので
    ある、請求項10〜20のいずれか1項記載の医薬組成物。
  22. 【請求項22】さらに加水分解ゼラチンおよびアラニン
    を含む、請求項1〜21のいずれか1項記載の医薬組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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