JP3056433B2 - 屋根材 - Google Patents

屋根材

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JP3056433B2
JP3056433B2 JP8312582A JP31258296A JP3056433B2 JP 3056433 B2 JP3056433 B2 JP 3056433B2 JP 8312582 A JP8312582 A JP 8312582A JP 31258296 A JP31258296 A JP 31258296A JP 3056433 B2 JP3056433 B2 JP 3056433B2
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良吉 名和
洋一 星野
功 皆本
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有限会社創造工学研究室
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、その許容荷重値を
極めて大きくすることにより、大梁,母屋,ブレース及
びサグロッド等の屋根を支える下地の構築を大幅に省略
することができる屋根材に関する。
【0002】従来、工場や倉庫或いは市場等の建築物で
は、広い内部空間や面積を確保する必要から、鉄骨ラー
メン構造や鉄骨トラス構造などを採用して、内部に柱の
ない所謂無柱空間の構築物を構築している。
【0003】しかし、前記のような従来の建築物はいず
れも、図24に示すように、大梁1を備えたフレーム
2,母屋3,ブレース4及びサグロッド5等の屋根Rを
支える下地の構築を必要とし、その上に折板屋根材6を
乗せたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、屋根Rを
支える下地の構築に要する部品点数が多いこと、下地の
構築作業に時間がかかり工期が長くなること、建築費用
が嵩むこと、といった諸問題点がある。
【0005】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、その許容荷重値を極めて大きくすることによ
って、屋根を支える梁や母屋等の下地の構築を大幅に省
略することができ、広い無柱空間の建築物を構築するこ
とができる屋根材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の第一の屋根材は、凸条部と凹条部が連続する
二枚の折板部材を、これら凸条部及び凹条部が夫々互い
に逆向きで且つ対向せしめて、間隔保持部材を介して上
下に一体に連結した屋根材であって、前記間隔保持部材
は、各折板部材の前記凸条部と凹条部に対応する山部と
谷部が連続する一対のタイトフレームを、これら山部及
び谷部が夫々互いに逆向きで且つ対向せしめ、前記谷部
を断面略エ字型鋼の上下面に夫々固定して上下に一体に
連結した構造とし、該間隔保持部材の上下の前記各タイ
トフレームに上下の前記各折板部材を夫々一体に連結す
ることによって、前記両折板部材の対向する凹条部間に
前記エ字型鋼が介在して、これら凹条部間に所望間隔を
形成した構成としてある。
【0007】本発明の第二の屋根材は、凸条部と凹条部
が連続する二枚の折板部材を、これら凸条部及び凹条部
が夫々互いに逆向きで且つ対向せしめて、間隔保持部材
を介して上下に一体に連結した屋根材であって、前記間
隔保持部材は、各折板部材の前記凸条部と凹条部に対応
する山部と谷部が連続する一対のタイトフレームを、こ
れら山部及び谷部が夫々互いに逆向きで且つ対向せし
め、前記谷部を断面略コ字型鋼の上下面に夫々固定して
上下に一体に連結した構造とし、該間隔保持部材の上下
の前記各タイトフレームに上下の前記各折板部材を夫々
一体に連結することによって、前記両折板部材の対向す
る凹条部間に前記コ字型鋼が介在して、これら凹条部間
に所望間隔を形成した構成としてある。
【0008】本発明の第三の屋根材は、凸条部と凹条部
が連続する二枚の折板部材を、これら凸条部及び凹条部
が夫々互いに逆向きで且つ対向せしめて、間隔保持部材
を介して上下に一体に連結した屋根材であって、前記間
隔保持部材は、各折板部材の前記凸条部の裏側頂面に当
接する正面視が略三角形状の係止部を一端に設けた複数
の垂直板部材の他端を、断面略コ字型鋼の上下面に夫々
固定して上下に一体に連結した構造とし、該間隔保持部
材の上下の前記係止部に上下の前記各折板部材を夫々一
体に連結することによって、前記両折板部材の対向する
凹条部間に前記コ字型鋼が介在して、これら凹条部間に
所望間隔を形成した構成としてある。
【0009】本発明の第四の屋根材は、凸条部と凹条部
が連続する二枚の折板部材を、これら凸条部及び凹条部
が夫々互いに逆向きで且つ対向せしめて、間隔保持部材
を介して上下に一体に連結した屋根材であって、前記間
隔保持部材は、両折板部材の前記凸条部及び凹条部によ
って形成される内部空間の断面形状に対応する略菱形状
の複数の垂直板部と、該各垂直板部の上端と下端に夫々
連成した両折板部材の各凸条部の裏側頂面に当接する係
止部と、前記各垂直板部間を連成した断面コ字型の折り
曲げ部とからなる構造とし、該間隔保持部材の上下の前
記係止部に上下の前記各折板部材を夫々一体に連結する
ことによって、前記両折板部材の対向する凹条部間に前
記折り曲げ部が介在して、これら凹条部間に所望間隔を
形成した構成としてある。
【0010】本発明の第五の屋根材は、凸条部と凹条部
が連続する二枚の折板部材を、これら凸条部及び凹条部
が夫々互いに逆向きで且つ対向せしめて、間隔保持部材
を介して上下に一体に連結した屋根材であって、前記間
隔保持部材は、両折板部材の前記凸条部及び凹条部と直
交する方向に延びる水平板部材と、両折板部材の前記各
凸条部の裏側頂面に当接する正面視が略三角形状の係止
部を上下両端に設けた複数の垂直板部材とを十字状に連
結固定するとゝもに、これら水平板部材と垂直板部材
を、両折板部材の前記凸条部及び凹条部によって形成さ
れる内部空間の断面形状に対応する発泡合成樹脂材によ
って被包した構造とし、該間隔保持部材の上下の前記各
係止部に上下の前記各折板部材を夫々一体に連結するこ
とによって、前記両折板部材の対向する凹条部間に前記
発泡合成樹脂材が介在して、これら凹条部間に所望間隔
を形成した構成としてある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係る屋
根材について、図1乃至図23を参照しつつ詳細に説明
する。これらの図において、Aは本実施形態に係る屋根
材で、図1乃至図3に示すように、上下に配設した金属
製の長尺な二枚の折板部材10,11と、両折板部材1
0,11を所望間隔hをおいて一体に連結する間隔保持
部材12とで主に構成してある。
【0012】前記折板部材10,11は、夫々同一折構
造となっており、長手方向に複数の凸条部10A,11
Aと凹条部10B,11Bを交互に形成した所定の幅,
長さの、例えばJIS規格に基づく長尺な金属折板であ
り、上下に配設した一対の折板部材10,11は、凸条
部10Aと11A及び凹条部10Bと11Bが夫々互い
に逆向きで対向し、且つ各凹条部10Bと11Bの間に
所望間隔hを形成して配設してある。なお、図中10
a,11aは前記凸条部10A,11Aの頂面に形成し
たボルト孔である。
【0013】前記間隔保持部材12は、上記のように所
望間隔hを形成した状態で上下一対の折板部材10,1
1を一体に連結するものである。図4(イ)に示す第1
の実施形態にあっては、山部12Aと谷部12Bが連続
する一対のタイトフレーム12C,12Cを、これら山
部12A及び谷部12Bが夫々互いに逆向きで対向する
ように、前記谷部12Bの底面と同一長の断面略エ型鋼
12Dの上下面に夫々溶接等により固定した構成となっ
ている。また、同図(ロ)に示す第2の実施形態にあっ
ては、タイトフレーム12C,12Cを前記折板部材1
0,11の幅と同一長とした断面略コ型鋼12Dの上下
面に夫々溶接により固定した構成となっている。
【0014】そして、間隔保持部材12の各山部12A
の頂面には、夫々ボルト13が外方に垂直に突設してあ
り、上部の山部12Aが前記上部に配設した折板部材1
0の凸条部10Aの裏側頂面と、また、下部の山部12
Aが前記下部に配設した折板部材11の凸条部11Aの
表側頂面と夫々当接して装着できるように、所定の幅,
高さに形成してある。
【0015】そこで、この間隔保持部材12により上下
一対の折板部材10,11を連結固定する場合は、図3
に示すように、両折板部材10,11間に間隔保持部材
12を介在させ、この間隔保持部材12の各山部12A
と両折板部材10,11の各凸条部10A,11Aとを
それぞれ当接せしめる。この際、間隔保持部材12の頂
面に突設したボルト13が両折板部材10,11の頂面
に形成したボルト孔10a,11aを貫通して外側に突
出するので、このボルト13にナット14を締結する。
【0016】そして、両折板部材10,11をその長手
方向の所定の間隔毎に複数の間隔保持部材12で連結固
定することにより、各凹条部10B及び11Bの間に所
望間隔hを有する図1及び図2に示すような屋根材Aが
形成される。
【0017】図5は間隔保持部材の第3の実施形態を示
すものであり、この間隔保持部材15は、前記第1及び
第2の実施形態におけるタイトフレーム12に代えて垂
直な板状体を用いた点に特徴がある。すなわち、一端に
略三角形状の係止部15Bを設けた垂直板部材15Aの
他端を、断面略コ型鋼15Cの上下面に溶接等により立
設した構成となっている。そして、各係止部15Bに
は、両折板部材10,11の各凸条部10A,11Aの
裏側頂面と夫々当接してこれを支持固定できるよう、所
定の間隔,高さに設けてあり、その当接面にはボルト1
6が夫々突設してある。
【0018】そこで、この間隔保持部材15を用いて両
折板部材10,11を連結固定する場合は、折板部材1
0,11の各凸条部10A,11Aを間隔保持部材15
の各係止部15Bに当接させ、ボルト孔10a,11a
にボルト16を挿通してナット14を締結する。その他
の構成については前記第1及び第2の実施形態の場合と
同様である。
【0019】また、図6に示す第4の実施形態の間隔保
持部材17は、一枚の板材を抜型プレス等により形成し
たものであり、略菱形状の複数の垂直板部17Aの上下
両端に、同方向に折り曲げた水平の係止部17B,17
Bを夫々設け、各垂直板部17Aの間に断面略コ字状の
折り曲げ部17Cを形成した構成となっている。そし
て、各係止部17Bは、両折板部材10,11の各凸条
部10A,11Aの裏側頂面と当接してこれを支持固定
できるよう、所定の幅,高さに形成してあり、その当接
面にはボルト18が夫々突設してある。
【0020】この間隔保持部材17を用いて両折板部材
10,11を連結固定する場合は、両折板部材10,1
1の各凸条部10A,11Aを間隔保持部材17の各係
止部37Bに夫々当接させ、ボルト孔10a,11aに
ボルト18,18を挿通してナット14を締結する。そ
の他の構成については前記の各実施形態と同様である
が、成形が容易である。
【0021】本実施形態に係る屋根材Aは上記の構成か
らなるものであるが、その許容荷重値は図8及び図9に
示すように極めて大きなものとなる。すなわち、図8及
び図9は、図7において上下一対の両折板部材10,1
1の夫々の山高さ(凸条部10A,10Bの高さ)Hを
一定(150mm,173mm)、板厚tを一定(0.
6mm,0.8mm,1.0mm,1.2mm,1.6
mm,2.0mm,2.4mm,3.2mm)とした場
合、上部の折板部材10及び下部の折板部材11の各凹
条部10Bと11Bの間における所望間隔hと、その場
合の許容荷重値との関係を示すグラフである。
【0022】この場合の両折板部材10,11の形成材
料はSS400、間隔保持部材間の取付け間隔は180
0mmで、支持条件は単純支持(単スパン,水平)、支
持スパンは10mである。
【0023】この図8及び図9から明らかなように、所
望間隔hが大きくなるにしたがって許容加重値もこれに
比例して大きくなることがわかる。これは、構造体の強
度を決める断面二次モーメントが折板部材間の間隔hが
大きくなるに従い増大するためである。なお、多雪地域
で要求されている折板材の許容荷重値(基準値)は30
0Kg/m2 であるから、山高さHを150mmとした
場合、板厚tが0.8mmでも間隔hを150mm以上
に、又山高さHを173mmとした場合、板厚tが0.
6mmでも間隔hを220mm以上とすれば前記許容荷
重値を満たすことになる。ちなみに、形成材料及び幅が
前記のものと夫々同一の折板部材単体の場合について実
験した結果では、通常50Kg/m2 の荷重で、支持ス
パン8mが限度であった。
【0024】なお、図7において、下部の折板部材11
を図中の実線で示すように配設した場合、又は、図中の
一点鎖線で示すように配設した場合、いずれの場合でも
前記所望間隔hは変わらず、各凹条部10Bと11Bの
相対的な間隔が所望間隔hである。
【0025】図10及び図11に示すものは、屋根材A
の他の実施形態であり、長手方向に凸条部及び凹条部を
備えた前記折板部材10,11を夫々、複数枚の折板単
体を幅方向に連結して形成した点で前記実施形態と異な
る。すなわち、この折板部材19は、左右両側の水平な
側縁部19A,19Aと、中央の凹状部19Bとからな
る断面略V字状の折板単体19Cを幅方向に連結した構
成となっており、各側縁部19Aには、その長手方向の
所定間隔毎にボルト孔19aが穿設してある。
【0026】この折板単体19Cを組み立てて折板部材
19を作る場合は、図11に示すように、前記折板単体
19Cの一方の側縁部19Aを間隔保持部材12の山部
12Aの上に載置し、他方の側縁部19Aを間隔保持部
材12の他方の山部12Aの上に載置する。そして、他
方の側縁部19Aの上にこれと連結する折板単体19C
の側縁部19Aを重ねて載置し、夫々の重合したボルト
孔19a,19aに山部12Aに突設したボルト20を
挿通してナット14を締結することにより固定する。
【0027】上記のように、折板単体19Cを間隔保持
部材12を介して順次組み合わせて固定することによっ
て、上下一対の折板部材19,19が夫々形成されると
ゝもに、間隔保持部材12により両折板部材19,19
間に所望間隔hを有する一体の屋根材Aが形成される。
その他の構成については前記の各実施形態と同様であ
る。本実施形態の屋根材Aは、幅が狭い折板単体19C
で構成してあるので、スパンの長い折板部材を必要とす
る場合にも取扱いが容易であり、また単一の凹条部を形
成すればよいので成形機も小型で済み、建築現場等にお
いて容易に成形できる。
【0028】図12は屋根材Aのさらに他の実施形態を
示すものであり、板状の支持部材21を、上下一対の折
板部材10,11の凸条部10A,11Aおよび凹条部
10B,11Bによって形成される空間の断面形状に対
応する発泡合成樹脂材22によって被包した構成の間隔
保持部材により、両折板部材10,11を一体に連結固
定した構成となっている。さらに詳述すると、支持部材
21は垂直板部材21Aの一端に略三角形状の係止部2
1Bを有し、垂直板部材21Aの他端を水平板部材21
Cの表裏面に溶接等により立設固定した構成としてあ
る。このような本実施形態の屋根材Aによれば、前記発
泡合成樹脂材22が補強材として機能するので、垂直板
部材21A及び水平板部材21Cを薄くすることがで
き、屋根材Aの軽量化を図ることができる。
【0029】図13乃至図15は、屋根材Aのまたさら
に他の実施形態を示すであり、折板単体と間隔保持部材
とをボルト,ナットを使用しない、はぜ継手により連結
固定した構成となっている。本実施形態で使用する折板
単体23は、左右両側の側縁部と中央の凹条部23Cと
からなる断面略V字状で、一方の側縁部には、内側に開
口した断面略コ字状の曲げ部23Aが、他方の側縁部に
は、下方に開口した断面略コ字状の嵌合凹部23Bが夫
々設けてある。
【0030】そして、これに使用する間隔保持部材24
は、山部24Aと谷部24Bが連続する一対のタイトフ
レーム24Cを、これら山部24A及び谷部24Bがそ
れぞれ互いの逆向きで対向するように、断面略コ字型鋼
24Dの上下面に溶接等により固定した構成となってい
る。前記山部24Aには、凸部25Aより一段低い段部
25Bが形成してあり、この段部25Bの側壁25Cに
は、板状の係止部材26がボルト・ナット27によって
垂直に固定してある。この係止部材26の上端には、水
平に折り曲げた係止部26Aが前記凸部25Aの上方に
延出してある。なお、前記係止部材26は溶接により側
壁25Cに固定してもよい。
【0031】そこで、各折板単体23をこの間隔保持部
材24に連結固定するには、図14に示すように、折板
単体23の曲げ部23A,嵌合凹部23Bを間隔保持部
材24の山部23A,23Aに位置に合わせ、曲げ部2
3Aを間隔保持部材24の凸部25Aと係止部26Aの
間に嵌合する(図14図の左側)。同様に隣の凸部25
Aと曲げ部23Aの間に隣の折板単体23の曲げ部23
Aを嵌合し、折板単体23の他方の側縁である嵌合凹部
23Bを係止部26Aに上方よりこれに被着して載置す
る(図14の右側)。
【0032】そして、図15に示すように、嵌合凹部2
3Bの端部を係止部26Aとこれに嵌合した曲げ部23
Aを包み込むように内方にかしめて固定する。このよう
に、左右及び上下に各折板単体23を順次間隔保持部材
24の左右及び上下に固定することにより、上下の折板
部材23,23と間隔保持部材24が所望間隔hをおい
て一体となった屋根材Aが形成される。
【0033】なお、上記実施形態において、折板単体2
3は単一の凹条部23Cで形成したが、複数の凹条部に
より形成してもよい。また、曲げ部23A及び嵌合凹部
23Bは断面略コ字状に形成したがこれに限定されるも
のではなく、例えば断面略U字状等他の形状でもよい。
またこの実施形態の折板単体23と間隔保持部材24
は、ボルト,ナットを用いないで連結するため、折板単
体23にボルト孔の孔開け作業が不要となり、構造強度
の劣化や漏水を防ぐことができる。
【0034】上述した本実施形態に係る屋根材Aは、上
記のように許容荷重が極めて大きいので、図24に示す
従来例のように、大梁1を備えたフレーム2,母屋3,
ブレース4及びサグロッド5等の屋根Rを支える下地を
構築することなく、屋根材Aのみで屋根Rを形成するこ
とができる。すなわち、図21に示すような勾配屋根を
構築する場合には、屋根材Aどうしをその先端部におい
て、図16に示す第1及び第2頂部固定部材27を介し
て連結すればよい。
【0035】図16中、27−1は屋根材A,Aどうし
をその端部(棟部)で屋根勾配に応じて所望角度で連結
するための第1頂部固定部材である。この第1頂部固定
部材は、矩形状の垂直板材27Aと、折板部材10,1
1の端部が当接する矩形状の傾斜板材27Bとを連結板
27Cを介して一体に連結するとゝもに、前記傾斜板2
7Bの外側に、山部27Aとその両端を下方に開脚した
脚部28Bとからなる上部係止部28を装着した構成と
なっており、前記山部28Aの中央にはボルト29が外
方に突設してある。
【0036】また、前記傾斜板27Bの上部係止部28
の下側には、これと対向して下部係止部30が装着して
ある。この下部係止部30は、山部30Aとその両側上
方に開脚した脚部30Bとを備え、且つ山部30Aの中
央にボルト31が外方に突設した構成としてある。そし
て、上部係止部28の山部28Aは上部の折板部材10
の凸条部10Aと、また、下部係止部30の山部30A
は下部の折板部材11の凸条部11Aと夫々接し装着で
きるように、所定の幅,高さ及び向きに形成してある。
なお、図中27aは垂直板材27Aに穿設したボルト挿
入孔、32は垂直板材27Aどうしを連結する際の補強
板材である。
【0037】27−2は、第2頂部固定部材であり、前
記第1頂部固定部材27−1と同一構成となっており、
前記第一頂部固定部材27−1に対して左右対象位置に
配置され、互いの垂直板材27Aどうしを当接させるこ
とにより夫々の傾斜板材27Bが、垂直板材27Aの反
対側で斜め下方向に傾斜している。なお、図中32aは
ボルト挿入孔、33は垂直板材27A,27Aを連結の
ためのボルト・ナットである。
【0038】そして、屋根材Aの上端に第1頂部固定部
材27−1を配設し、上部の折板部材10の凸条部10
Aの上端部を前記第1頂部固定部材27−1の上部係止
部28の山部28Aに、その孔10aにボルト29を挿
入して載置し、同様に下部の折板部材11の凸条部11
Aの上端部を、第1頂部固定部材27−1の下部係止部
17の山部17Aに、その孔10aにボルト29を挿入
して載置する。その後、図18に示すように、ナット1
4により夫々螺合して固定することにより、屋根材Aと
第1頂部固定部材27−1とが一体になった一方の傾斜
屋根体R1が形成される。
【0039】同様にして、他方の屋根材Aの上端に第2
頂部固定部材27−2を配設することにより傾斜屋根体
R2を形成し、両傾斜屋根体R1,R2の頂部固定部材
27−1,27−2の各垂直板材27A,27Aの背面
を当接せしめ、補強板32を両垂直板材27A,27A
の表側に当て、孔27a,32aにボルト・ナット33
で締結固定することにより、屋根構成体R1と屋根構成
体R2とが連結された山形状の屋根体Rが形成される。
【0040】この際、下部構造体の梁には、図19に示
すような金属製の下部固定部材34と下端取付部材40
を夫々予め取り付けておく。すなわち、前記下部固定部
材34は、図20に示すように、上部の折板部材10の
長手方向に上向に傾斜した上部板部材34Aと、この端
部に直角に下降傾斜し下部の折板部材11の端部が当接
するように設置した下部板部材34Bとを連結板材34
Cにより連結した構成となっている。また、上部板部材
34Aには、山部35Aと谷部35Bよりなる折り板状
の上部係止部材35が、その谷部35Bにおいて固定し
てあり、一方、下部板部材34Bには、山部36Aと谷
部36Bよりなる折り板状の下部係止部材36がその側
端において固定してある。さらに、上部係止部材35の
山部35Aにはボルト37が、下部係止部材36の山部
36Aにはボルト38が夫々外方に突設してある。
【0041】そして、上部係止部材35の山部35Aは
上部の折板部材10の凸条部10Aと、また、下部係止
部材36の山部36Aは下部の折板部材11の凸条部1
1Aと夫々接し装着できるように、所定の幅,高さ及び
向きに形成してある。一方、前記下部固定部材34は、
図19に示すように、建屋の軒側母屋の梁39の上に溶
接によって固定してある。他方、前記下端取付部材40
は、図19に示すように、山部40Aと谷部40Bが連
続する山形状となっており、山部40Aにはボルト41
が外方に突出固定してあり、谷部40Bを建屋の軒端部
母屋の梁42に溶接して固定してある。
【0042】上記構成からなる下部構造体に対して、図
17に示すように、クレーンKによりワイヤーロープT
を介して屋根体Rを吊り上げ、その頂部固定部材17を
中央にして建屋の両側の梁39,42の上に位置せしめ
る。そして、図22に示すように、上部の折板部材10
を下部固定部材34の山部35Aに載置し、孔10aに
ボルト37を挿入してナット14で締結する。これと同
様に、下部の折板部材11を山部36Aに載置し、その
端部を下部板部材34Bに当接せしめ、孔11aにボル
ト38を挿入してナット14で締結する。
【0043】また、補強のため、下部の折板部材11の
端部は下部の板部材34Bに溶接固定する。そして、上
部の折板部材10の下端の孔10bに下端取付部材40
のボルト41を挿通してナット14で締結することによ
り、屋根体Rが梁39,42に固定される。以上と同様
に、屋根体Rを順次横方向に固定することにより、建屋
の中間に柱や梁等の下地材のない屋根が完成する。
【0044】そして、屋根体Rを設置した後、図23に
示すように、頂部固定部材17の上にカラー鉄板等から
なる山形状の棟部材43を載置固定する。43Aは棟部
材43の両端から上部折板部材10の上面に垂下した遮
蔽板材であり、その下端は折板部材10の凸条部10
A,凹条部10Bに夫々嵌合できるように波形に形成し
てある。なお、図中44は建屋の妻側に張設した妻側外
壁であり、45は折板部材10と妻側外壁44との境界
部分を覆ったカラー鉄板等からなる破風である。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明の屋根材によれ
ば、上下一対の折板部材の各凹条部間に所望間隔を形成
した構成としたことにより、その許容荷重値が極めて大
きなものとなり、屋根を支える梁や母屋等の下地の構築
を大幅に省略して屋根を構築することができる。したが
って、工費,施工等の節減を図ることができるとゝも
に、広い無柱空間の建築物を構築することができる、と
いった諸効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る屋根材を示す斜視図
である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII −III 線断面拡大部分斜視図であ
る。
【図4】同図(イ),(ロ)は本屋根材を構成する間隔
保持部材の第一及び第二実施形態を示す斜視図である。
【図5】上記間隔保持部材の第三の実施形態を示す斜視
図である。
【図6】上記間隔保持部材の第四の実施形態を示す斜視
図である。
【図7】本屋根材の作用説明図である。
【図8】本屋根材の許容荷重値を説明するためのグラフ
である。
【図9】同じく、本屋根材の許容荷重値を説明するため
のグラフである。
【図10】本屋根材を構成する折板単体を示す一部省略
斜視図である。
【図11】上記折板単体の組み立てた状態を示す拡大断
面図である。
【図12】本屋根材の他の実施形態を示す部分拡大斜視
図である。
【図13】本屋根材のさらに他の実施形態を示す部分拡
大斜視図である。
【図14】図13に示す本屋根材の組み立て過程を示す
説明図である。
【図15】図13に示す本屋根材の組み立て後の状態を
示す部分拡大断面図である。
【図16】本屋根材を固定する下部構造体の頂部固定部
材を示す斜視図である。
【図17】屋根の構築作業を示す説明図である。
【図18】図17のVI−VI線断面拡大図である。
【図19】上記下部構造体を示す斜視図である。
【図20】上記下部構造体に設けた下部固定部材を示す
斜視図である。
【図21】屋根構築後の状態を示す一部省略縦断面図で
ある。
【図22】図21のV−V線断面図である。
【図23】屋根の棟部材を示す斜視図である。
【図24】従来の屋根を示す斜視図である。
【符号の説明】 10 上部の折板部材 10A 凸条部 10B 凹条部 11 下部の折板部材 11A 凸条部 11B 凹条部 12 間隔保持部材 12A 山部 12D 型材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−142153(JP,A) 実開 昭53−8114(JP,U) 実開 昭55−99321(JP,U) 実公 昭59−30098(JP,Y2) 実公 昭43−21553(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04D 3/00 - 3/30

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凸条部と凹条部が連続する二枚の折板部
    材を、これら凸条部及び凹条部が夫々互いに逆向きで且
    つ対向せしめて、間隔保持部材を介して上下に一体に連
    結した屋根材であって、 前記間隔保持部材は、各折板部材の前記凸条部と凹条部
    に対応する山部と谷部が連続する一対のタイトフレーム
    を、これら山部及び谷部が夫々互いに逆向きで且つ対向
    せしめ、前記谷部を断面略エ字型鋼の上下面に夫々固定
    して上下に一体に連結した構造とし、 該間隔保持部材の上下の前記各タイトフレームに上下の
    前記各折板部材を夫々一体に連結することによって、前
    記両折板部材の対向する凹条部間に前記エ字型鋼が介在
    して、これら凹条部間に所望間隔を形成したことを特徴
    とする屋根材。
  2. 【請求項2】 凸条部と凹条部が連続する二枚の折板部
    材を、これら凸条部及び凹条部が夫々互いに逆向きで且
    つ対向せしめて、間隔保持部材を介して上下に一体に連
    結した屋根材であって、 前記間隔保持部材は、各折板部材の前記凸条部と凹条部
    に対応する山部と谷部が連続する一対のタイトフレーム
    を、これら山部及び谷部が夫々互いに逆向きで且つ対向
    せしめ、前記谷部を断面略コ字型鋼の上下面に夫々固定
    して上下に一体に連結した構造とし、 該間隔保持部材の上下の前記各タイトフレームに上下の
    前記各折板部材を夫々一体に連結することによって、前
    記両折板部材の対向する凹条部間に前記コ字型鋼が介在
    して、これら凹条部間に所望間隔を形成したことを特徴
    とする屋根材。
  3. 【請求項3】 凸条部と凹条部が連続する二枚の折板部
    材を、これら凸条部及び凹条部が夫々互いに逆向きで且
    つ対向せしめて、間隔保持部材を介して上下に一体に連
    結した屋根材であって、 前記間隔保持部材は、各折板部材の前記凸条部の裏側頂
    面に当接する正面視が略三角形状の係止部を一端に設け
    た複数の垂直板部材の他端を、断面略コ字型鋼の上下面
    に夫々固定して上下に一体に連結した構造とし、 該間隔保持部材の上下の前記係止部に上下の前記各折板
    部材を夫々一体に連結することによって、前記両折板部
    材の対向する凹条部間に前記コ字型鋼が介在して、これ
    ら凹条部間に所望間隔を形成したことを特徴とする屋根
    材。
  4. 【請求項4】 凸条部と凹条部が連続する二枚の折板部
    材を、これら凸条部及び凹条部が夫々互いに逆向きで且
    つ対向せしめて、間隔保持部材を介して上下に一体に連
    結した屋根材であって、 前記間隔保持部材は、両折板部材の前記凸条部及び凹条
    部によって形成される内部空間の断面形状に対応する略
    菱形状の複数の垂直板部と、該各垂直板部の上端と下端
    に夫々連成した両折板部材の各凸条部の裏側頂面に当接
    する係止部と、前記各垂直板部間を連成した断面コ字型
    の折り曲げ部とからなる構造とし、 該間隔保持部材の上下の前記係止部に上下の前記各折板
    部材を夫々一体に連結することによって、前記両折板部
    材の対向する凹条部間に前記折り曲げ部が介在して、こ
    れら凹条部間に所望間隔を形成したことを特徴とする屋
    根材。
  5. 【請求項5】 凸条部と凹条部が連続する二枚の折板部
    材を、これら凸条部及び凹条部が夫々互いに逆向きで且
    つ対向せしめて、間隔保持部材を介して上下に一体に連
    結した屋根材であって、 前記間隔保持部材は、両折板部材の前記凸条部及び凹条
    部と直交する方向に延びる水平板部材と、両折板部材の
    前記各凸条部の裏側頂面に当接する正面視が略三角形状
    の係止部を上下両端に設けた複数の垂直板部材とを十字
    状に連結固定するとゝもに、これら水平板部材と垂直板
    部材を、両折板部材の前記凸条部及び凹条部によって形
    成される内部空間の断面形状に対応する発泡合成樹脂材
    によって被包した構造とし、 該間隔保持部材の上下の前記各係止部に上下の前記各折
    板部材を夫々一体に連結することによって、前記両折板
    部材の対向する凹条部間に前記発泡合成樹脂材が介在し
    て、これら凹条部間に所望間隔を形成したことを特徴と
    する屋根材。
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