JP3056363B2 - 多結晶シリコン製造方法および製造装置 - Google Patents

多結晶シリコン製造方法および製造装置

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JP3056363B2 JP5288145A JP28814593A JP3056363B2 JP 3056363 B2 JP3056363 B2 JP 3056363B2 JP 5288145 A JP5288145 A JP 5288145A JP 28814593 A JP28814593 A JP 28814593A JP 3056363 B2 JP3056363 B2 JP 3056363B2
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正 利根川
基治 山崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は多結晶シリコン製造方
法および製造装置に関する。より詳しくは、結晶学的に
優れた多結晶シリコンインゴットを短時間で効率良く製
造できる製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多結晶シリコンは、工業生産面および資
源面の見地から、電力用太陽電池の材料として好適なも
のであり、需要が多い。最近、多結晶シリコンインゴッ
トを製造する方法としては、真空中または不活性ガス中
において、 シリカ製の坩堝内で原料シリコンを融解し、上記坩堝
を傾けることによってシリコン融液を黒鉛製の鋳型内に
注入して固化する方法(特公昭57−21515号公
報)、 シリカ製の坩堝内で原料シリコンを融解し、そのまま
その中で固める方法(特公昭58−54115号公報)、 鋼板製の受け皿(水冷ハース)内で原料シリコンを融
解し、下方に設けた黒鉛製の鋳型にシリコン融液を滴下
して固化する方法(特開昭62−260710号公報) などが知られている。
【0003】これらの真空中または不活性ガス中で原料
シリコンを融解する方法によれば、シリコン中への酸
素、窒素ガス等の混入を防止して、品質向上とダスト防
止を図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記との
方法では原料シリコンを溶解するための坩堝がシリカ製
であるため、シリコンと反応して坩堝が消耗する。この
ため、生産性を上げるのが難しく、製造コストが高くつ
くという問題がある。特に、上記の方法では原料の融
解と固化とを、熱源を同じくする同一坩堝内で行うた
め、例えば、40kgの原料シリコンの融解のために4〜
6時間、固化に9〜12時間、冷却に10〜15時間の
合計23〜33時間が1個のインゴットを製造するのに
必要となり、炉当たりの生産性が著しく悪い。また、上
記の方法では、鋳型にシリコン融液を滴下しているた
め、鋳型内でシリコン融液の液面が大きく揺らいでしま
い、その結果、製造された多結晶シリコンの品質が良く
ないという問題がある。
【0005】そこで、この発明の目的は、生産性を高く
保ち、低コストで高品質な多結晶シリコンを製造できる
多結晶シリコン製造方法および製造装置を提供すること
にある。
【0006】
【0007】
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の多結晶シリコン製造方法は、真空
中または不活性ガス中に、坩堝と鋳型とを互いに離間し
た位置に設けるとともに、上記坩堝と鋳型とをつなぐ導
液管を設け、上記坩堝内で原料シリコンを融解し、生じ
たシリコン融液を上記導液管を通して上記鋳型内に注入
し、上記鋳型内で上記シリコン融液を固化させる多結晶
シリコン製造方法であって、中央部が屈曲または湾曲し
た上記導液管の一端を上記坩堝の上部開口を通して上記
坩堝内に挿入する一方、上記導液管の他端を上記鋳型の
上部開口を通して上記鋳型内に挿入し、上記坩堝内のシ
リコン融液の液面を、上記鋳型内に注入されたシリコン
融液の液面よりも高い位置に保って、上記坩堝内のシリ
コン融液を上記導液管を通してサイフォン作用を利用し
て上記鋳型内に注入しながら、上記鋳型内で未硬化のシ
リコン融液の深さが5〜15cmの範囲になるように、上
記坩堝と鋳型との高低差を調節することを特徴としてい
る。
【0009】
【0010】
【0011】請求項2に記載の多結晶シリコン製造装置
は、密閉容器と、上記密閉容器内で互いに離間した位置
に設けられた坩堝および鋳型と、上記坩堝内に入れられ
た原料シリコンを融解させる加熱手段と、上記坩堝と鋳
型とをつなぐ導液管を備え、かつ、導液管中での融液の
固化を防ぐ加熱手段を備えた多結晶シリコン製造装置で
あって、上記導液管の中央部は屈曲または湾曲し、上記
導液管の一端は上記坩堝の上部開口を通して上記坩堝内
に挿入される一方、上記導液管の他端は上記鋳型の上部
開口を通して上記鋳型内に挿入され、上記坩堝または鋳
型の少なくとも一方を昇降させて、上記鋳型内で未硬化
のシリコン融液の深さが5〜15cmの範囲になるよう
に、上記坩堝と鋳型との高低差を調節する支持手段を備
えたことを特徴としている。
【0012】請求項3に記載の多結晶シリコン製造装置
は、請求項2に記載の多結晶シリコン製造装置におい
て、上記坩堝、導液管および鋳型はタンタル、モリブデ
ン、タングステン、黒鉛または窒化ケイ素からなること
を特徴としている。
【0013】
【作用】請求項1に記載の多結晶シリコン製造方法で
は、坩堝と鋳型とを別々に設けているので、シリコンの
融解とシリコンの固化、冷却とが別々に並行して行われ
得る。したがって、シリコンの融解、固化、冷却の各工
程を同一坩堝(炉)内で行う場合に比して、全体として
製造時間が大幅に減少し、生産性が高まる。この結果、
多結晶シリコンが低コストで製造される。また、坩堝内
に生じたシリコン融液を、導液管を通して鋳型内に注入
しているので、鋳型内にシリコン融液を滴下する場合に
比して、シリコン融液が安定に供給される。この結果、
鋳型内でシリコン融液の液面の揺らぎが減少して、製造
された多結晶シリコンの品質が良くなる。
【0014】また、中央部が屈曲または湾曲した上記導
液管の一端を上記坩堝の上部開口を通して上記坩堝内に
挿入する一方、上記導液管の他端を上記鋳型の上部開口
を通して上記鋳型内に挿入し、上記坩堝内のシリコン融
液の液面を、上記鋳型内に注入されたシリコン融液の液
面よりも高い位置に保って、上記坩堝内のシリコン融液
を上記導液管を通してサイフォン作用を利用して上記鋳
型内に注入するので、上記坩堝と鋳型との高低差に応じ
て、シリコン融液が安定に注入される。
【0015】さらに、上記鋳型内で未硬化のシリコン融
液の深さが5〜15cmの範囲になるように、上記坩堝と
鋳型との高低差を調節するので、実施例の欄で詳述する
ように、製造された多結晶シリコンの品質が良くなる。
【0016】請求項2に記載の多結晶シリコン製造装置
は、密閉容器と、上記密閉容器内で互いに離間した位置
に設けられた坩堝および鋳型と、上記坩堝内に入れられ
た原料シリコンを融解させる加熱手段と、上記坩堝と鋳
型とをつなぐ導液管を備えているので、真空中または不
活性ガス中で、上記坩堝内で原料シリコンを融解し、生
じたシリコン融液を、融点と同程度の温度に加熱した上
記導液管を通して上記鋳型内に注入し、上記鋳型内で上
記シリコン融液を固化させることができる。したがっ
て、生産性を高く保ち、低コストで高品質な多結晶シリ
コンを製造することが可能となる。
【0017】また、上記導液管の中央部は屈曲または湾
曲し、上記導液管の一端は上記坩堝の上部開口を通して
上記坩堝内に挿入される一方、上記導液管の他端は上記
鋳型の上部開口を通して上記鋳型内に挿入されているの
で、上記坩堝内のシリコン融液の液面を、上記鋳型内に
注入されたシリコン融液の液面よりも高い位置に保つこ
とによって、上記坩堝内のシリコン融液が上記導液管を
通してサイフォン作用を利用して上記鋳型内に注入され
る。したがって、上記坩堝と鋳型との高低差に応じて、
シリコン融液が安定に注入される。
【0018】さらに、上記坩堝または鋳型の少なくとも
一方を昇降させて、上記鋳型内で未硬化のシリコン融液
の深さが5〜15cmの範囲になるように、上記坩堝と鋳
型との高低差を調節する支持手段を備えているので、上
記坩堝と鋳型との高低差が容易に調節される上、実施例
の欄で詳述するように、製造された多結晶シリコンの品
質が良くなる。
【0019】請求項3に記載の多結晶シリコン製造装置
では、上記坩堝、導液管および鋳型はタンタル、モリブ
デン、タングステン、黒鉛または窒化ケイ素からなるの
で、上記坩堝、導液管および鋳型がシリコンと反応して
消耗するようなことがない。このため、坩堝等を交換す
る手間が不要となり、生産性が高まる。したがって、多
結晶シリコンが低コストで製造される。
【0020】
【実施例】以下、この発明の多結晶シリコン製造方法お
よび製造装置を実施例により詳細に説明する。
【0021】図1は一実施例の多結晶シリコン製造装置
の概略構成を示している。この装置は、真空遮断用扉1
をもつ密閉容器2を備えている。密閉容器2の両側には
鋳型取り出し室15a,15bが設けられている。密閉
容器2の内部と鋳型取り出し室15a,15bとは、シ
ャフト14,14で開閉される真空遮断用扉9,9によ
って仕切られている。8は鋳型移動用の台車、16はレ
ールである。
【0022】上記密閉容器2の内部には、互いに離間し
た位置に、加熱手段としての誘導加熱炉(周波数10K
Hz)7a,7bが設けられている。誘導加熱炉7a,
7bは、鉛直方向にのびる円筒形状をなし、水冷した銅
製のコイルを内蔵している。その外周には断熱壁4a,
4bが設けられている。
【0023】上記誘導加熱炉7a,7b内には、上部開
口をもつタンタル製の坩堝11と、上部開口をもつ黒鉛
製の鋳型10とがそれぞれ設けられている(なお、鋳型
10は、この装置を稼働させないときは取り外されてい
る。)。なお、鋳型10の壁材の内面には、スプレー、
ハケ塗り等の一般的な方法で窒化シリコン層が塗布され
ている。坩堝11、鋳型10はシリコンと反応しないの
で、半永久的に使用することかできる。上記坩堝11,
鋳型10は、それぞれ断熱材17a,17bを介して、
下方から支持手段としての坩堝支持装置13,鋳型支持
装置12によって支持されている。上記支持装置13,
12は、坩堝11,鋳型10をそれぞれ設定された速度
で昇降できるようになっている。
【0024】上記坩堝11と鋳型10とは、中央部が略
コの字状に屈曲した導液管5によって接続されている。
導液管5の一端は坩堝11の上部開口を通して坩堝11
内に挿入される一方、導液管5の他端は鋳型10の上部
開口を通して鋳型10内に挿入されている。導液管5
は、導液管加熱部5aによって融点と同程度に制御され
ている。したがって、導液管5は、シリコン融液を通過
中に固化させることなく、坩堝11から鋳型10へサイ
フォン作用を利用して移動させることができる。
【0025】また、上記坩堝11の上方にはトイ3が設
けられている。真空遮断用扉1からこのトイ3を介して
原料シリコン6を坩堝11内に供給することができる。
【0026】この装置を用いて、次に述べる作業手順に
よって多結晶シリコンインゴットを製造する。予め密閉
容器2は真空状態になっているものとする。
【0027】坩堝支持装置13を上昇させて、坩堝1
1の高さを、鋳型10を保持すべき高さ(誘導加熱炉7
bの中央の高さ)よりも十分高く設定する。誘導加熱炉
7aに通電して、坩堝11の温度をシリコンの融点(1
410℃)よりも高い温度に設定する。
【0028】例えば、図において左側の真空遮断用扉
9を一時的に開けて、台車8に乗せた鋳型10を鋳型取
出し室15bから真空容器2の内部に挿入して、鋳型支
持装置12の位置まで移動させる。そして、鋳型支持装
置12を駆動して、鋳型10を誘導加熱炉7bの中央の
高さまで上昇させる。
【0029】誘導加熱炉7bに通電して、鋳型10の
温度をシリコンの融点(1410℃)よりも100〜2
00℃程度低い温度まで加熱する。
【0030】鋳型10の温度が安定するまで待ち、固
化開始の所定温度、所定位置に達したことを確認して、
原料シリコン6をトイ3を通して坩堝11内に供給す
る。
【0031】坩堝11内で原料シリコン6は融解し、
生じたシリコン融液6Mは坩堝11内から鋳型10内へ
導液管5を通してサイフォン作用を利用して注入され
る。導液管5を通して注入しているので、鋳型内にシリ
コン融液を滴下する場合に比して、シリコン融液6Mを
安定に供給することかできる。ここで、予め坩堝11の
高さは鋳型10の高さよりも十分高く設定されているの
で、シリコン融液6Mの注入量が比較的多い状態にあ
る。この状態で、シリコン融液6Mを鋳型10の底部に
5cm程度まで溜める。鋳型10の底部は、誘導加熱炉
7bに面した鋳型の側面に比して低温になっているの
で、注入されたシリコン融液6Mは鋳型の底部から上方
に向かって一方向に凝固してゆく。
【0032】この後、坩堝支持装置13を駆動して徐
々に坩堝11を下降させて注入量を減少させる。これに
より、鋳型10内で未硬化のシリコン融液6Mの深さが
10cm程度になるように、坩堝11と鋳型10との高
低差を調節する。5cmよりも浅い場合にはシリコン融
液6Mの供給による液面の揺らぎが多結晶の成長界面に
悪影響を及ぼし、逆に15cm以上に深くなるとシリコ
ン融液6M自身の自重による成長界面へのストレスが加
わり、両方ともインゴットの品質低下を招く。したがっ
て、最適なシリコン融液6Mの深さは5〜15cmの範
囲である。シリコン融液6Mの深さを10cm程度に設
定することによって、多結晶シリコン6Iの品質を高め
ることができる。
【0033】鋳型10内にに注入されたシリコン融液
6Mを完全に固化させるために、鋳型支持装置12を1
〜5mm/分の速度で下降させる。
【0034】鋳型10の温度が730℃まで下がった
時点で、鋳型10を台車8に乗せて鋳型取出し室15b
まで移動させる。そして、鋳型10の温度が400℃以
下になるのを待って鋳型取り出し室15bの外部に取り
出す。なお、鋳型10の温度が730℃よりも高い温度
で移動させた場合には、多結晶シリコンインゴットにク
ラック等の結晶欠陥が発生して、品質が低下する。一
方、730℃よりも低い温度で移動させた場合は、固化
時間が長くなり生産性が低下する。
【0035】連続して多結晶シリコンインゴットを製造
する場合は、工程と同時に、反対側の鋳型取出し室1
5aから別の鋳型を真空容器2の内部に挿入する。そし
て、工程〜の作業を繰り返す。
【0036】このように、坩堝11と鋳型10とを別々
に設け、シリコンの融解とシリコンの固化、冷却とを別
々に並行して行っているので、シリコンの融解、固化、
冷却の各工程を同一坩堝(炉)内で行う場合に比して、
全体として製造時間を大幅に短縮でき、生産性を高める
ことができる。実際に、約40kgの多結晶シリコンイ
ンゴット6Iを製造するのに要した時間は約5時間であ
った。このように多結晶シリコンの製造時間を従来に比
して大幅に短縮することができた。しかも、坩堝11は
半永久的に使用でき、この結果、坩堝11を高温に保っ
たまま、鋳型10を交換することによって、連続して多
結晶シリコンインゴットを製造することができる。した
がって、さらに生産性を高めることができ、多結晶シリ
コンインゴットを低コストで製造することができる。
【0037】また、製造した多結晶シリコンインゴット
6Iは、鋳型10底部から上部に向かっての一方向成長
が完全であった。実際に、製造した多結晶シリコンイン
ゴット6Iの上部、中央部、底部の3カ所から10cm
角のウエハを切り出してライフタイムを測定したとこ
ろ、「表1」に示すように、5〜10μsecであっ
た。また、公知の標準的なプロセスで太陽電池を試作し
たところ、その変換効率は14〜15%となった。これ
らは、従来から報告されている値と遜色のない特性であ
る。
【表1】
【0038】なお、この実施例では、坩堝11および導
液管5はタンタル製としたが、これに限られるものでは
ない。坩堝11および導液管5の材質は、高融点でシリ
コンと反応しにくいものであれば良く、タンタル以外に
黒鉛、窒化ケイ素、モリブデンまたはタングステンが採
用され得る。
【0039】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に記
載の多結晶シリコン製造方法は、坩堝と鋳型とを別々に
設けているので、シリコンの融解とシリコンの固化、冷
却とを別々に並行して行うことができる。したがって、
シリコンの融解、固化、冷却の各工程を同一坩堝(炉)
内で行う場合に比して、全体として製造時間を大幅に減
少でき、生産性を高めることができる。この結果、多結
晶シリコンを低コストで製造できる。また、坩堝内に生
じたシリコン融液を、導液管を通して鋳型内に注入して
いるので、鋳型内にシリコン融液を滴下する場合に比し
て、シリコン融液を安定に供給できる。この結果、鋳型
内でシリコン融液の液面の揺らぎを減らして、製造され
た多結晶シリコンの品質を高めることができる。
【0040】また、中央部が屈曲または湾曲した上記導
液管の一端を上記坩堝の上部開口を通して上記坩堝内に
挿入する一方、上記導液管の他端を上記鋳型の上部開口
を通して上記鋳型内に挿入し、上記坩堝内のシリコン融
液の液面を、上記鋳型内に注入されたシリコン融液の液
面よりも高い位置に保って、上記坩堝内のシリコン融液
を上記導液管を通してサイフォン作用を利用して上記鋳
型内に注入するので、上記坩堝と鋳型との高低差に応じ
て、シリコン融液を安定に注入できる。
【0041】さらに、上記鋳型内で未硬化のシリコン融
液の深さが5〜15cmの範囲になるように、上記坩堝と
鋳型との高低差を調節するので、製造された多結晶シリ
コンの品質を高めることができる。
【0042】請求項2に記載の多結晶シリコン製造装置
は、密閉容器と、上記密閉容器内で互いに離間した位置
に設けられた坩堝および鋳型と、上記坩堝内に入れられ
た原料シリコンを融解させる加熱手段と、上記坩堝と鋳
型とをつなぐ導液管と、上記導液管の加熱手段とを備え
ているので、真空中または不活性ガス中で、上記坩堝内
で原料シリコンを融解し、生じたシリコン融液を上記導
液管を通して上記鋳型内に注入し、上記鋳型内で上記シ
リコン融液を固化させることができる。したがって、生
産性を高く保ち、低コストで高品質な多結晶シリコンを
製造することができる。
【0043】また、上記導液管の中央部は屈曲または湾
曲し、上記導液管の一端は上記坩堝の上部開口を通して
上記坩堝内に挿入される一方、上記導液管の他端は上記
鋳型の上部開口を通して上記鋳型内に挿入されている。
したがって、上記坩堝内のシリコン融液の液面を、上記
鋳型内に注入されたシリコン融液の液面よりも高い位置
に保つことによって、上記坩堝内のシリコン融液を上記
導液管を通してサイフォン作用を利用して上記鋳型内に
注入できる。したがって、上記坩堝と鋳型との高低差に
応じて、シリコン融液を安定に注入できる。
【0044】さらに、上記坩堝または鋳型の少なくとも
一方を昇降させて、上記鋳型内で未硬化のシリコン融液
の深さが5〜15cmの範囲になるように、上記坩堝と鋳
型との高低差を調節する支持手段を備えているので、上
記坩堝と鋳型との高低差を容易に調節できる上、製造さ
れた多結晶シリコンの品質が良くなる。
【0045】請求項3に記載の多結晶シリコン製造装置
では、上記坩堝、導液管および鋳型はタンタル、モリブ
デン、タングステン、黒鉛または窒化ケイ素からなるの
で、上記坩堝、導液管および鋳型がシリコンと反応して
消耗するようなことがない。したがって、坩堝等を交換
する手間が不要となり、生産性を高めることができる。
したがって、多結晶シリコンを低コストで製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例の多結晶シリコン製造装
置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 真空遮断用扉 2 真空容器 3 トイ 4a,4b 断
熱壁 5 導液管 5a 導液管加
熱部 6 原料シリコン 6M シリコン
融液 6I 多結晶シリコンインゴット 7a,7b 誘
導加熱炉 8 鋳型移動用台車 9 真空遮断用
扉 10 鋳型 11 坩堝 12 鋳型支持装置 13 坩堝支持
装置 14 シャフト 15a,15b
鋳型取出し室 16 レール 17a,17b
断熱材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 浩二 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 鈴木 皓夫 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−260710(JP,A) 特開 昭55−100297(JP,A) 特開 昭51−30583(JP,A) 特開 昭59−35094(JP,A) 実開 平2−67895(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 33/02 - 33/039 C30B 11/00 - 11/14 C30B 29/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空中または不活性ガス中に、坩堝と鋳
    型とを互いに離間した位置に設けるとともに、上記坩堝
    と鋳型とをつなぐ導液管を設け、 上記坩堝内で原料シ
    リコンを融解し、生じたシリコン融液を上記導液管を通
    して上記鋳型内に注入し、上記鋳型内で上記シリコン融
    液を固化させる多結晶シリコン製造方法であって、 中央部が屈曲または湾曲した上記導液管の一端を上記坩
    堝の上部開口を通して上記坩堝内に挿入する一方、上記
    導液管の他端を上記鋳型の上部開口を通して上記鋳型内
    に挿入し、 上記坩堝内のシリコン融液の液面を、上記鋳型内に注入
    されたシリコン融液の液面よりも高い位置に保って、上
    記坩堝内のシリコン融液を上記導液管を通してサイフォ
    ン作用を利用して上記鋳型内に注入しながら、 上記鋳型内で未硬化のシリコン融液の深さが5〜15cm
    の範囲になるように、上記坩堝と鋳型との高低差を調節
    することを特徴とする多結晶シリコン製造方法。
  2. 【請求項2】 密閉容器と、 上記密閉容器内で互いに離間した位置に設けられた坩堝
    および鋳型と、 上記坩堝内に入れられた原料シリコンを融解させる加熱
    手段と、 上記坩堝と鋳型とをつなぐ導液管を備え、かつ、この導
    液管の周りに加熱手段を備えた多結晶シリコン製造装置
    であって、 上記導液管の中央部は屈曲または湾曲し、上記導液管の
    一端は上記坩堝の上部開口を通して上記坩堝内に挿入さ
    れる一方、上記導液管の他端は上記鋳型の上部開口を通
    して上記鋳型内に挿入され、 上記坩堝または鋳型の少なくとも一方を昇降させて、上
    記鋳型内で未硬化のシリコン融液の深さが5〜15cmの
    範囲になるように、上記坩堝と鋳型との高低差を調節す
    る支持手段を備えたことを特徴とする多結晶シリコン製
    造装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の多結晶シリコン製造装
    置において、 上記坩堝、導液管および鋳型はタンタル、モリブデン、
    タングステン、黒鉛または窒化ケイ素からなることを特
    徴とする多結晶シリコン製造装置。
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